JPH07186581A - 積層体 - Google Patents

積層体

Info

Publication number
JPH07186581A
JPH07186581A JP5333543A JP33354393A JPH07186581A JP H07186581 A JPH07186581 A JP H07186581A JP 5333543 A JP5333543 A JP 5333543A JP 33354393 A JP33354393 A JP 33354393A JP H07186581 A JPH07186581 A JP H07186581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoride
vapor deposition
layer
transparent vapor
deposition layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5333543A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Uyama
晴夫 宇山
Takahiro Harada
隆宏 原田
Mitsuru Kano
満 加納
Osahisa Matsudaira
長久 松平
Tsutomu Shikakubo
勉 鹿久保
Fuminobu Noguchi
文信 野口
Tomohito Kitamura
智史 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP5333543A priority Critical patent/JPH07186581A/ja
Priority to US08/361,370 priority patent/US5700550A/en
Priority to EP94120761A priority patent/EP0660262B1/en
Priority to KR1019940037438A priority patent/KR0169517B1/ko
Priority to CN94107626A priority patent/CN1133142C/zh
Publication of JPH07186581A publication Critical patent/JPH07186581A/ja
Priority to US09/313,560 priority patent/USRE38321E1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、積層体自体の層構成や構成材料など
の判別が困難である一方、その積層体の真偽判別が可能
なユニークな色調を有する偽造改竄防止可能であり、と
くにセラミックを積層してなる光学的な偽造改竄防止用
の積層体を提供する。 【構成】基材2上に屈折率の異なる複数のセラミック材
料を積層してなる透明蒸着層3、所望のパターン状に形
成された印刷層4、保護層5を形成してなり、垂直方向
からの特定の波長領域の光線に対して印刷層4を同色或
いは類似した色とし、パターン状の印刷層の間を通して
透明蒸着層の見る角度を変化させることで透明蒸着層の
色が異なって見えるため、印刷層の色との差異が明確と
なり、容易に判別可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に識別可能な積
層体に係り、とくに偽造若しくは改竄を困難とする積層
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、偽造を防止する手段は、物品その
ものを真似することが困難なものとするか、或いは真似
することが困難なものを本物であることの証明として物
品に取りつけることにより、本物と偽物を区別できるよ
うにするものがある。例えば前者は、紙幣など有価証券
のようにそのもの自体に微細な加工を施すか、真似しに
くい色調の彩色を施したり、また素材を特殊なものとし
て、模造または印刷技術の不正利用、或いは複写機によ
る不法な複写による偽造などを困難にすることで、防止
できるようにしている。さらに印刷複製技術の進歩、ま
たは複写機などデジタル技術の進歩により、上記したよ
うな微細な加工を施したり、色彩を真似しにくくしても
容易に再現することが可能となり、このような技術に対
応して、加工技術を高微細化し、より複製・偽造を困難
とするような方向にある。
【0003】後者は、物品に取りつけるだけなので、取
扱いやすいため、広く使われるようになり、例えばレリ
ーフ型ホログラムからなる画像が形成されたシールがあ
る。これはホログラム画像を凹凸状に形成し、エンボス
加工により大量生産が可能であるという効果を有してい
る。とくに層構成を考慮し、シールを剥離困難とする
か、或いは剥離後再生困難となるように構成されてお
り、使用対象としてカード、紙幣、証明書類などに一度
貼り付けた後、これを剥離するとホログラムの一部若し
くは全体が破壊されることで、偽造だけでなく、改竄な
ど物品になんらかの手が加えられたことが、一目で判別
できるとしたものである。
【0004】このような先行技術として、実公昭46−
4432号公報に記載されるように、透明なプラスチッ
ク基材の裏側に部分的に剥離層を設け、それがパターン
状になっており、その上に粘着層を設けたものがある。
また実公平3−7372号公報に記載されるように、透
明なフィルム基材の裏側に透明な剥離層を部分的に形成
し、それに重ねて印刷表示部層を設けたものがあり、さ
らには実公平4−17554号公報に記載されるよう
に、再粘着防止粘着シートが開示されている。
【0005】また、偽造防止機能を備えたシールにあっ
ては、本物か偽物かを容易に判別できる、積層体自体の
構成を判別しにくい、周囲の環境によりその偽造防止機
能が変化しないなどの要求がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高度な
微細化による真偽の判別は、微細な箇所を拡大して見る
か、或いは本物と比較するなど余程注意して見なければ
見逃してしまうため、またその場所の明るさや確認時間
を十分にとらなければならないなど、現実の取引状態に
合わなくなってきている。また素材を特殊としても、全
く特異な素材とすることはできず、またコスト的にも高
くなり現実的ではない。また上記のようなホログラム
は、ホログラム原理や層など構成が簡単であるため、偽
造されやすくなりつつあることから、これによる偽造防
止効果も薄れてきている。
【0007】さらに上記した剥離層をパターンニングし
たシートや再粘着防止粘着シートは剥離することによ
り、その機能を発現するものであって、これらが偽造を
防止しようとするものに貼ってある状態では、シートそ
のものについて判別しがたいものである。
【0008】そこで本発明は、積層体自体の層構成や構
成材料などの判別が困難である一方、その積層体の真偽
判別が可能なユニークな色調を有する偽造改竄防止可能
な積層体で、とくにセラミックを積層してなる光学的な
偽造改竄防止用の積層体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載される発
明は、基材上に、透明蒸着層、所望のパターン状に形成
された印刷層、保護層が順次積層されてなる積層体にお
いて、透明蒸着層が屈折率の異なる複数のセラミック材
料を積層してなり、かつ印刷層が透明蒸着層と同色或い
は類似した色であることを特徴とする積層体。
【0010】請求項2に記載される発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、高屈折率層と低
屈折率層との組み合わせからなることを特徴とする積層
体である。
【0011】請求項3に記載される発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、屈折率の異なる
セラミック材料からなり、かつ高屈折率層と低屈折率層
との組み合わせを交互に配置してなることを特徴とする
積層体である。
【0012】請求項4に記載される発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネシ
ウム、二酸化珪素、あるいは酸化マグネシウムのいずれ
か一つと硫化亜鉛との組み合わせからなることを特徴と
する積層体である。
【0013】請求項5記載にされる発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネシ
ウム、二酸化珪素、あるいは酸化マグネシウムのいずれ
か一つと二酸化ジルコニウムとの組み合わせからなるこ
とを特徴とする積層体である。
【0014】請求項6記載にされる発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネシ
ウム、二酸化珪素、あるいは酸化マグネシウムのいずれ
か一つと二酸化チタンとの組み合わせからなることを特
徴とする積層体である。
【0015】請求項7記載にされる発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネシ
ウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウ
ム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸
化マグネシウムのいずれか一つと二酸化セリウムとの組
み合わせからなることを特徴とする積層体である。
【0016】請求項8記載にされる発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネシ
ウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウ
ム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸
化マグネシウムのいずれか一つと酸化タンタルとの組み
合わせからなることを特徴とする積層体である。
【0017】請求項9記載にされる発明は、請求項1記
載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネシ
ウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウ
ム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸
化マグネシウムのいずれか一つと酸化亜鉛との組み合わ
せからなることを特徴とする積層体である。
【0018】請求項10記載にされる発明は、請求項1
記載の発明を前提として、透明蒸着層が、フッ化マグネ
シウム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウ
ム、フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸
化マグネシウムのいずれか一つと酸化インジウムとの組
み合わせからなることを特徴とする積層体である。
【0019】請求項11載にされる発明は、請求項1記
載の発明を前提として、基材が黒色であることを特徴と
する積層体である。
【0020】請求項14記載にされる発明は、請求項1
記載の発明を前提として、印刷層が複数のバー状パター
ンの配列からなることを特徴とする積層体である。
【0021】
【作用】本発明の積層体によれば、透明蒸着層に低屈折
率と高屈折率のセラミックを交互に組み合わせることで
特定の波長領域の光線を反射あるいは透過させるという
性質を有し、かつ見る角度を変化させることで透明蒸着
層の膜厚が変化するため、波長領域がシフトし、色が異
なって見えることより、容易に判別可能となる。しかも
垂直方向から見て、特定の波長領域の光線に対して透明
蒸着層上に形成されるパターン状の印刷層を同色或いは
類似した色とするため、パターン状の印刷層の間を通し
て透明蒸着層の見る角度を変化させることで透明蒸着層
の色が異なって見え、印刷層の色との差異が明確とな
る。
【0022】さらに透明蒸着層の下層を着色することに
より、透過光或いは反射光の色の変化に影響を与えるこ
となく、より見やすくなるとともに、かつ色の種類を選
択することができる。
【実施例】
【0023】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0024】図1は本発明の積層体の構成を示す断面図
であり、図2は本発明の積層体の印刷層のパターンとそ
の間に露出する透明蒸着層に対する光学的な読み取り原
理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とくに
積層体に対して垂直方向から見た状態を示し、図3は同
様に本発明の積層体の印刷層のパターンとその間に露出
する透明蒸着層に対する光学的な読み取り原理を示す
(a)断面図及び(b)平面図であり、とくに斜め方向
から見た状態を示す。図4は本発明の積層体による透明
蒸着層の可視スペクトルを表すグラフである。
【0025】図1の1は本発明の積層体であり、基材2
上に透明蒸着層3、印刷層4、保護層5が順次積層され
ている。透明蒸着層3は高屈折率層6と低屈折率層7か
らなるセラミック層である。保護層5は、積層体表面を
保護するために設けられ、光学的に影響が少ないことが
必要である。
【0026】基材2は、ある程度の剛性および表面の平
滑性を有していればよく、とくに限定されるものではな
く、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィ
ルム等の高分子フィルムがあげられる。また透明蒸着層
などの読み取りに影響の無い範囲で着色剤により着色す
ることも可能であり、また基材2の表面にコーティング
することもできる。
【0027】透明蒸着層3は屈折率の異なるセラミック
を交互に特定の膜厚で複数層積層したものであり、例え
ば、低屈折率層7として、酸化マグネシウム(屈折率n
=1.6)、二酸化珪素(n=1.5)、フッ化マグネ
シウム(n=1.4)、フッ化カルシウム(n=1.3
〜1.4)、フッ化セリウム(n=1.6)、フッ化ア
ルミニウム(n=1.3)、酸化アルミニウム(n=
1.6)のうちの一つと、高屈折率層6として、二酸化
チタン(n=2.4)、二酸化ジルコニウム(n=2.
0)、硫化亜鉛(n=2.3)、酸化亜鉛(n=2.
1)、酸化インジウム(n=2.0)、酸化セリウム
(n=2.3)、酸化タンタル(n=2.1)のうちの
一つとを所定の膜厚で積層させた複合層である。この透
明蒸着層3は、上記の組み合わせからなる層を複数設け
ることもできる。本実施例では上記に掲げた以外の材料
についても、構成する層の積層条件を満たすものであれ
ば用いることができる。
【0028】この透明蒸着層3に所定の波長領域の光線
を反射あるいは透過させることならびに見る角度を変え
ることにより薄膜内の光路長が変化し、透過光或いは反
射光の色が変わって見えるものである。これにより偽造
防止性を発揮するものである。
【0029】透明蒸着層3は、膜厚の制御が可能であれ
ば、いかなる成膜方法も用いることが可能である。なか
でも薄膜の生成には乾式法が優れており、これには通常
の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相析出法や
CVD法のような化学的気相析出法を用いることができ
る。
【0030】透明蒸着層3の膜厚は合計で1μm以下が
望ましい。とくに基材が高分子樹脂フィルムである場合
に1μmを越えると柔軟性に乏しくなり、透明蒸着層3
にクラックが生じる場合があるためである。
【0031】印刷層4は、形成するパターン形状は、任
意に決定することができ、少なくとも蒸着層の一部が上
面から見えるように構成すればよい。すなわち印刷層4
を透明蒸着層3上に部分的に形成するか、もしくは実質
的にそのような状態となるように形成されればよい。印
刷層4の形成には、グラビア印刷など従来公知の印刷方
法や塗布方法を用いることができ、とくに本発明におい
ては、光に対して吸収を示す基材を使用し、その上層に
光学的機能を有する薄膜を積層してなるものであり、印
刷層の色を単色で構成する場合は、この薄膜を垂直方向
から見たときの色或いは極めてそれに近い色とし、また
複数の色を印刷する場合は、少なくとも一色を同色或い
は類似する色とする。この印刷層を構成するインキは、
とくに限定されるものではないが、上記条件を満たすも
のであればよい。また印刷層4の下層に透明なアンカー
層を形成してもよい。低屈折率の方が?
【0032】保護層5は、特定波長領域の光線透過性を
有し、かつ耐磨耗性を有する樹脂類、例えば外部からの
擦れや傷に対する保護効果を得るもので、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、デンプン、スチレン−マレイン酸共
重合体、ポリメタクリル酸メチル・ポリメタクリル酸エ
チルなどのメタクリル樹脂の単独または共重合物、ポリ
スチレン、アクリル−スチレン共重合物、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、クロマン樹脂、ABS樹脂、ニ
トロセルロース等の樹脂或いはフッソ系樹脂、ケイ素系
樹脂を混入させた樹脂をそのまま、或いはトルエン、キ
シレン等の溶剤に溶解又は分散させたものをスピンコー
ト法、ロールコート法、ナイフエッジ法、オフセット印
刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など塗布・印
刷方法を用いて、保護層5を形成する。また熱硬化型樹
脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの硬化型
樹脂、或いはガラスなども上記特性を有するものであれ
ば使用することができるが、屈折率の値によっては厚さ
等を考慮する必要がある。
【0033】また図2は、本発明の積層体1の垂直方向
から見た印刷層4のパターンとその間に露出する透明蒸
着層3に対する光学的な読み取り原理を示す断面図及び
平面図である。印刷層4は、図2及び図3に示す1よう
にバー状に複数配列した構成となっており、各バー状の
印刷層4の間から下層の透明蒸着層3が露出する構成と
なっている。この場合は透明蒸着層3と印刷層4は、上
記のように透明蒸着層3の薄膜を垂直方向から見たとき
の色或いは極めてそれに近い色となっているので一見同
色に見えるため、同一の層であると判断される。すなわ
ち透明蒸着層3に入射し反射された波長の光線に近い波
長を反射する印刷層4を設けているためである。
【0034】また図3は、本発明の積層体1の斜め方向
から見た印刷層4のパターンとその間に露出する透明蒸
着層3に対する光学的な読み取り原理を示す断面図及び
平面図である。図2と同様に各バー状の印刷層4の間か
ら下層の透明蒸着層3が露出する構成となっている。こ
の場合、反射光を斜め方向に見ることになるため、透明
蒸着層3は、上記したような屈折率の異なるセラミック
を交互に特定の膜厚で複数層積層したものであり、この
薄膜内の光路長が変化し、透過光或いは反射光の色が変
わって見えるため、見る角度によって色の変化を生じる
ことのない印刷層4との間に色差(or 色相差)を生じ
ることによって、その存在が識別できるものである。
【0035】この印刷層4は上記したようにバーパター
ン以外に、文字や数字、模様などデザインのように任意
のパターンを形成することができる。また複数の色で構
成する場合は、少なくとも一色を同色或いは類似する色
とすことで、図2及び図3に示すように積層体1を見る
角度を変えることにより、その表面の一部の色に変化が
生じることで、真偽判別が可能となるものである。
【0036】すなわち、本発明の積層体1は、特定方向
からの反射像では同じ色相で見えるため、一体的な構成
と判別され、他方向からの反射像では印刷層4と透明蒸
着層3と異なる色相に見えるため、両者を容易に識別で
きるものである。この両者の色は特定方向から見た時に
必ずしも完全に同じ色である必要はなく、他方向から見
たときに、両者の判別が可能である程度に透明蒸着層3
の色変化を生じればよく、あるいは印刷層4の色を設定
すればよい。
【0037】次に本発明を、実施例を挙げて詳細に説明
する。
【0038】なお、作成した本発明の積層体の透明蒸着
層3の可視スペクトルを視外・可視分光光度計により測
定した。
【0039】<実施例1>基材2には厚さ25μmの黒
色ポリエステルフィルムを使用し,透明蒸着層3には低
屈折率層7として二酸化珪素を、高屈折率層6として二
酸化チタンを使用し、層の数は5層とした。合計の膜厚
は1μm以下とした。基材2に透明蒸着層3を形成した
あと、その可視スペクトルを測定し、その結果を図4に
示す。フィルムに垂直な可視光の吸収の中心波長は55
0nmであり、可視光を45度の角度より入射した場合に
中心波長は低波長側にシフトし、色変化を生じた。
【0040】このように透明蒸着層3を垂直方向から見
た場合に見える色と同じ色の印刷インキによりパターン
ニング(文字など)し、印刷層4を形成し、積層体1を
得た。この積層体1を見る角度を変えて観察したとこ
ろ、印刷層4に色の変化を生じなかったが、それ以外の
透明蒸着層3の色が変化し、印刷層4で形成されたパタ
ーンが明確に判別することができた。
【0041】<実施例2>基材2には表面を黒色とした
厚さ1mmのソーダガラスフィルムを使用し、透明蒸着
層4には低屈折率層7として二酸化珪素を、高屈折率層
6として二酸化チタンを使用し、層の数は5層とした。
合計の膜厚は1μm以下とした。基材2に透明蒸着層3
を形成したあと、透明蒸着層3を垂直方向から見た場合
に見える色と同じ色の印刷インキによりパターンニング
(文字など)し、印刷層4を形成し、積層体1を得た。
この積層体1を見る角度を変えて観察したところ、印刷
層4に色の変化を生じなかったが、それ以外の透明蒸着
層3の色が変化し、印刷層4で形成されたパターンが明
確に判別することができた。
【0042】
【発明の効果】本発明の積層体は、透明蒸着層に低屈折
率と高屈折率のセラミックを交互に組み合わせることで
特定の波長領域の光線を反射あるいは透過させるという
性質を有し、かつ見る角度を変化させることで透明蒸着
層の膜厚が変化するため、波長領域がシフトし、色が異
なって見えることより、容易にその判別が可能となる。
しかも垂直方向から見て、特定の波長領域の光線に対し
て透明蒸着層上に形成されるパターン状の印刷層を同色
或いは類似した色とするため、特定方向では同色或いは
同色に近い色に見える。このパターン状の印刷層の間を
通して透明蒸着層の見る角度を変化させることで透明蒸
着層の色が異なって見え、印刷層の色との差異が明確と
なるため、その判別が容易であり、極めて高い偽造防止
性を発揮するものである。
【0043】さらに透明蒸着層の下層を着色することに
より、透過光或いは反射光の色の変化に影響を与えるこ
となく、より見やすくなるとともに、かつ色の種類を選
択することができる。
【0044】以上のような極めて偽造防止効果の高い、
従来の識別用の媒体に無い優れた効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の積層体の積層体に対して垂直方向から
見た状態を示す印刷層のパターンとその間に露出する透
明蒸着層に対する光的な読み取り原理を示す(a)断面
図及び(b)平面図である。
【図3】本発明の積層体の斜め方向から見た状態を示す
印刷層のパターンとその間に露出する透明蒸着層に対す
る光学的な読み取り原理を示す(a)断面図及び(b)
平面図である。
【図4】実施例1における本発明の積層体による透明蒸
着層の可視スペクトルを表すグラフである。
【符号の説明】
1 積層体 2 基材 3 透明蒸着層 4 印刷層 5 保護層 6 高屈折率層 7 低屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松平 長久 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 鹿久保 勉 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 野口 文信 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 北村 智史 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、透明蒸着層、所望のパターン
    状に形成された印刷層、保護層が順次積層されてなる積
    層体において、前記透明蒸着層が屈折率の異なる複数の
    セラミック材料を積層してなり、かつ前記印刷層が前記
    透明蒸着層と同色或いは類似した色であることを特徴と
    する積層体。
  2. 【請求項2】 前記透明蒸着層が、高屈折率層と低屈折
    率層との組み合わせからなることを特徴とする請求項1
    記載の積層体。
  3. 【請求項3】 前記透明蒸着層が、屈折率の異なるセラ
    ミック材料からなり、かつ高屈折率層と低屈折率層との
    組み合わせを交互に配置してなることを特徴とする請求
    項1記載の積層体。
  4. 【請求項4】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと硫化亜鉛との組み合わせか
    らなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  5. 【請求項5】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと二酸化ジルコニウムとの組
    み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の積層
    体。
  6. 【請求項6】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと二酸化チタンとの組み合わ
    せからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  7. 【請求項7】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと二酸化セリウムとの組み合
    わせからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  8. 【請求項8】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと酸化タンタルとの組み合わ
    せからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  9. 【請求項9】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと酸化亜鉛との組み合わせか
    らなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  10. 【請求項10】 前記透明蒸着層が、フッ化マグネシウ
    ム、二酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、
    フッ化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいは酸化マ
    グネシウムのいずれか一つと酸化インジウムとの組み合
    わせからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  11. 【請求項11】 前記基材が黒色であることを特徴とす
    る請求項1記載の積層体。
  12. 【請求項12】 前記印刷層が複数のバー状パターンの
    配列からなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
JP5333543A 1993-12-27 1993-12-27 積層体 Pending JPH07186581A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333543A JPH07186581A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 積層体
US08/361,370 US5700550A (en) 1993-12-27 1994-12-22 Transparent hologram seal
EP94120761A EP0660262B1 (en) 1993-12-27 1994-12-27 Transparent hologram seal
KR1019940037438A KR0169517B1 (ko) 1993-12-27 1994-12-27 투명 홀로그램 시일
CN94107626A CN1133142C (zh) 1993-12-27 1994-12-27 层合体
US09/313,560 USRE38321E1 (en) 1993-12-27 1999-05-14 Transparent hologram seal

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333543A JPH07186581A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07186581A true JPH07186581A (ja) 1995-07-25

Family

ID=18267225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5333543A Pending JPH07186581A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07186581A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231380A (ja) * 2002-02-12 2003-08-19 Nhk Spring Co Ltd 対象物の識別媒体及び識別方法
JP2009066763A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Sol-Plus Co Ltd 被膜成形体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231380A (ja) * 2002-02-12 2003-08-19 Nhk Spring Co Ltd 対象物の識別媒体及び識別方法
JP2009066763A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Sol-Plus Co Ltd 被膜成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5700550A (en) Transparent hologram seal
EP1762398B2 (en) Optically variable security devices
AU2001211949A1 (en) Optically variable security devices
JP2008083599A (ja) 光学素子およびそれを用いた表示体
JP3601144B2 (ja) 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔
JPH11224050A (ja) 偽造防止媒体、シール及び転写箔
JPH1158581A (ja) 偽造防止用積層材料
JPH07186581A (ja) 積層体
JPH07146650A (ja) 脆性シール
JPH1076746A (ja) 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔
JP3395322B2 (ja) 偽造防止用転写箔
JPH07191595A (ja) 透明ホログラム転写箔
JP2797944B2 (ja) 透明ホログラムシール
JP3139255B2 (ja) シール
AU2005200844B2 (en) Optically variable security devices
JPH0895491A (ja) 脆性シール
JPH1049647A (ja) 偽造防止媒体及びその製造方法
JP3289475B2 (ja) 積層体
JPH0997011A (ja) シール
JPH08118529A (ja) 偽造防止用光学的多層膜
CA2604093C (en) Security article with holographic or diffractive pattern
JP3412281B2 (ja) ホログラム積層体
JPH08323911A (ja) 偽造防止用積層体