JPH07185731A - 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法

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JPH07185731A
JPH07185731A JP25946594A JP25946594A JPH07185731A JP H07185731 A JPH07185731 A JP H07185731A JP 25946594 A JP25946594 A JP 25946594A JP 25946594 A JP25946594 A JP 25946594A JP H07185731 A JPH07185731 A JP H07185731A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動性及び模型への充填性に優れた混練砂を
得ることができる、鋳型用粘結剤組成物を提供する。 【構成】 この鋳型用粘結剤組成物は、フェノール−ア
ルデヒド変性樹脂を主体として含有する。フェノール−
アルデヒド変性樹脂は、フェノール類と、ビスフェノー
ル類と、アルコール類と、アルデヒド化合物とを共縮重
合して得られるものである。フェノール類としては、フ
ェノール,クレゾール,p-tert-ブチルフェノール等が
単独で又は混合して使用される。ビスフェノール類とし
ては、ビスフェノールAやF等が単独で又は混合して使
用される。アルコール類としては、(イソ)プロピルア
ルコールや(イソ)ブチルアルコール等が単独で又は混
合して使用される。アルデヒド化合物としては、ホルム
アルデヒドやパラホルムアルデヒド等が単独で又は混合
して使用される。この鋳型用粘結剤組成物と耐火性粒状
材料との混練砂を用い、所望の方法で鋳型を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型を製造する際に使
用する粘結剤組成物に関し、この粘結剤組成物と耐火性
粒状材料とを混練して得られる混練砂の流動性及び充填
性を向上させようとするものである。また、この粘結剤
組成物を使用して、鋳型を製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳型は、耐火性粒状材料と粘
結剤組成物とを混練した混練砂を、模型に充填し、その
後粘結剤組成物中の粘結剤を硬化させることにより製造
されている。粘結剤としては、フラン系樹脂,水溶性フ
ェノール樹脂,ウレタン系樹脂等の各種の硬化性樹脂が
使用されている。この中でも、水溶性フェノール樹脂
は、有機エステル又は炭酸ガスで硬化するため、自硬性
若しくはガス硬化性鋳型製造時の作業環境の悪化を防止
しうるものとして知られている(特開昭50-130627号公
報,特公昭61-43132号公報,特公昭61-37022号公報)。
ここで言う水溶性フェノール樹脂は、アルカリ性フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂であって、フェノールとホ
ルムアルデヒドとを、アルカリの存在下で縮重合させた
もの、又は縮重合させた後アルカリを添加したものであ
る。
【0003】しかしながら、このアルカリ性フェノール
−ホルムアルデヒド樹脂を含有する粘結剤組成物と耐火
性粒状材料とを混練して、鋳型を製造する場合、フラン
系樹脂を含有する粘結剤組成物を使用した場合に比べ
て、混練砂の流動性が悪く、混練砂を模型に緊密に充填
することができないという憾みがあった。混練砂の流動
性が悪いと、粘結剤と耐火性粒状材料とを均一に混練し
にくいという欠点が生じる。また、混練砂の模型に対す
る充填性が悪いと、得られる鋳型の表面に凹凸が生じた
り、或いは鋳型の表面強度が低下するということがあっ
た。従って、アルカリ性フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂を粘結剤として得られた鋳型を使用すると、得られ
る鋳物に、砂カミ,焼着,差し込み,絞られ等の鋳物欠
陥が発生し、鋳物品質の低下を惹起するという欠点があ
った。
【0004】このため、アルカリ性フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂を含有する粘結剤組成物中に、流動促進
剤として弗素系界面活性剤を含有させたり(特開平2-29
9741号公報)、或いは脂肪族アルコールを含有させたり
(特開平3-134067号公報)することが提案されている。
しかしながら、弗素系界面活性剤や脂肪族アルコール
は、アルカリ性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等と
の相溶性が悪く、十分に混練砂の流動性を向上させるこ
とができなかった。
【0005】また、近年、少量使用で高強度の鋳型を得
られるという、アルカリ性ビスフェノール・フェノール
共重合型レゾール樹脂(アルカリ性ビスフェノール−フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂)を含有する粘結剤組
成物が提案されている(特開平5-123818号公報)。この
アルカリ性ビスフェノール−フェノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂を含有する粘結剤組成物を使用した場合、アル
カリ性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含有する粘
結剤組成物を使用した場合に比べて、若干混練砂の流動
性が改善されるが、その改善の程度は誤差の範囲と言え
る程度であり、基本的には、混練砂の流動性が悪く、混
練砂を模型に緊密に充填することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、耐火性粒状材料と混練した場合における、アルカリ
性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂やアルカリ性ビス
フェノール−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の上記
の如き欠点を解決するために、種々研究を行なった。そ
して、本発明者等は、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂やアルカリ性ビスフェノール−フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂自体の構造を変えることによって、即ちフ
ェノール(及びビスフェノール)とホルムアルデヒドの
みを使用して縮重合するのではなく、これにアルコール
類を加えて共縮重合することによって、耐火性粒状材料
と混練した場合における、混練砂の流動性及び模型への
充填性を向上せしめ得ることを見出し、本発明に到達し
たのである。また、この共縮重合物にエーテルアルコー
ル類を添加することにより、混練砂の流動性及び模型へ
の充填性を低下させることなく、鋳型強度を向上させる
ことを見出し、本発明に到達したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フェノ
ール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有する鋳型用
粘結剤組成物において、該フェノール−アルデヒド変性
樹脂が、フェノール類と、ビスフェノール類と、アルコ
ール類と、アルデヒド化合物とを共縮重合して得られた
ものであることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物に関す
るものである。また、この鋳型用粘結剤組成物を使用し
た鋳型の製造方法に関するものである。
【0008】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中には、
フェノール−アルデヒド変性樹脂が主体として含有され
ている。フェノール−アルデヒド変性樹脂は、フェノー
ル類と、ビスフェノール類と、アルコール類と、アルデ
ヒド化合物とを共縮重合して得られるものである。フェ
ノール類としては、下記一般式(1)で表わされる化合
物、下記一般式(2)で表わされる化合物、或いは下記一
般式(3)で表わされる化合物等が、単独で又は混合して
使用される。
【0009】
【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数2以下の炭
化水素基を表わす。)
【0010】
【化2】 (式中、R3は、水素原子又は炭素数2以下の炭化水素基
を表わす。)
【0011】
【化3】 (式中、R4は、炭素数3以上9以下の脂肪族炭化水素基
又は芳香族炭化水素基を表わす。)
【0012】フェノール類のうち、一般式(1)で表わさ
れる化合物の具体例としては、フェノール,クレゾー
ル,3,5-キシレノール等が挙げられる。一般式(2)で表
わされる化合物は多価フェノールであって、具体例とし
てはレゾルシノールやカテコール等が挙げられる。一般
式(3)で表わされる化合物は、主としてパラ位に炭素数3
以上のアルキル基やフェニル基が結合したものであり、
具体例としては、ノニルフェノール,P-tert-ブチルフ
ェノール,イソプロペニルフェノール,フェニルフェノ
ール等が挙げられる。また、カシューナット殻液のよう
な各種のフェノール類の混合物等も使用できる。特に、
フェノール類としては、フェノールとクレゾールとの混
合物を使用するのが好ましい。
【0013】ビスフェノール類としては、主として下記
一般式(4)で表わされる化合物が、単独で又は混合して
使用される。
【0014】
【化4】
【0015】一般式(4)で表わされるビスフェノール類
の具体例としては、ビスフェノールA,ビスフェノール
F,ビスフェノールC,ビスフェノールE,ビスフェノ
ールZ,ビスフェノールS,ビスフェノールAF,ビス
フェノールAP,ジ-sec-ブチル-ビスフェノールA,ジ
-イソプロピル-ビスフェノールA,1,1-エチリデン-ビ
スフェノール,メチル-エチル-メチレン-ビスフェノー
ル,メチル-イソブチル-メチレン-ビスフェノール,メ
チル-ヘキシル-メチレン-ビスフェノール,メチル-フェ
ニル-メチレン-ビスフェノール,4,4'-チオジフェノー
ル等が挙げられ、それらが単独で又は混合して使用され
る。
【0016】アルコール類としては、主として炭素数2
〜10の一価アルコールが好ましく、具体例としては、エ
チルアルコール,プロピルアルコール,イソプロピルア
ルコール,ブチルアルコール,イソブチルアルコール,
sec-ブチルアルコール,tert-ブチルアルコール,n-ア
ミルアルコール,イソアミルアルコール,ヘキシルアル
コール,ヘプチルアルコール,オクチルアルコール,カ
プリルアルコール,ノニルアルコール,デシルアルコー
ル等が挙げられる。特に、一価アルコールとして、プロ
ピルアルコール,イソプロピルアルコール,ブチルアル
コール,イソブチルアルコール,sec-ブチルアルコール
又はtert-ブチルアルコールを使用するのが、最も好ま
しい。
【0017】アルデヒド化合物としては、ホルムアルデ
ヒド,パラホルムアルデヒド,フルフラール,グリオキ
ザール等が、単独で又は混合して使用される。
【0018】フェノール類と、ビスフェノール類と、ア
ルコール類と、アルデヒド化合物とを共縮重合する際、
各化合物のモル比は、以下のとおりであるのが好まし
い。即ち、フェノール類のモル数とビスフェノール類の
モル数とアルコール類のモル数に対する、アルデヒド化
合物のモル数の比は、1.0〜5.0[(フェノール類のモル
数+ビスフェノール類のモル数+アルコール類のモル
数):アルデヒド化合物のモル数=1:1.0〜5.0]であ
るのが好ましい。特に、アルデヒド化合物のモル数の比
が1.5〜3.0であるのが、より好ましい。アルデヒド化合
物のモル数の比が1.0未満になると、得られたフェノー
ル−アルデヒド変性樹脂を使用して造型しても、鋳型の
強度が十分に向上しない傾向が生じる。逆に、アルデヒ
ド化合物のモル数の比が5.0を超えると、得られたフェ
ノール−アルデヒド変性樹脂のアルデヒド臭が強く、作
業環境が悪くなる恐れが生じる。
【0019】フェノール類のモル数に対する、ビスフェ
ノール類のモル数の比は、0.01〜100(フェノール類の
モル数:ビスフェノール類のモル数=1:0.01〜100)で
あるのが好ましい。特に、ビスフェノール類のモル数の
比が0.05〜10であるのが、より好ましい。フェノール化
合物のモル数の比が0.01未満になったり、或いは100を
超えると、得られるフェノール−アルデヒド変性樹脂を
使用して造型しても、鋳型の強度が十分に向上しない傾
向が生じる。
【0020】また、フェノール類のモル数とビスフェノ
ール類のモル数との合計モル数に対する、アルコール類
のモル数の比は、0.0001〜0.5[(フェノール類のモル
数+ビスフェノール類のモル数):アルコール類のモル
数=1:0.0001〜0.5]であるのが好ましい。特に、アル
コール類のモル数の比が0.01〜0.2であるのが、より好
ましい。アルコール類のモル数の比が0.0001未満になる
と、得られるフェノール−アルデヒド変性樹脂を使用し
ても、混練砂の流動性や模型への充填性が低下する傾向
が生じる。逆に、アルコール類のモル数が0.5を超える
と、得られるフェノール−アルデヒド変性樹脂を使用し
て造型しても、鋳型の強度が十分に向上しない傾向が生
じる。
【0021】フェノール類と、ビスフェノール類と、ア
ルコール類と、アルデヒド化合物との共縮重合は、一般
的に水溶液中で行なわれ、フェノール−アルデヒド変性
樹脂が得られるのである。例えば、所定量のフェノール
類、ビスフェノール類及びアルコール類を溶解させた水
溶液中に、所定量のアルデヒド化合物を徐々に添加しな
がら、共縮重合させて得るのが好ましい。この際、反応
触媒としては、KOH,NaOH,LiOHを使用する
のが好ましいが、最も好ましいのはKOHである。本発
明におけるフェノール−アルデヒド変性樹脂は、アルカ
リ性水溶液に調整されるため、共縮重合の際に所定量の
水酸化カリウムを使用しても良いし、また反応触媒とし
て最小限の水酸化カリウムを使用し、共縮重合を終えた
あと、所定量の水酸化カリウムを添加してもよい。ま
た、共縮重合を終えたあとにおいて、水酸化カリウムと
共に水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化リチウム
(LiOH)を併用して、所定のアルカリ性になるよう
にしてもよい。更に、酸触媒を使用して共縮重合させた
後、次いで水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使用して
共縮重合を進行させてもよい。フェノール−アルデヒド
変性樹脂のアルカリ水溶液において、フェノール類の水
酸基のモル数(仕込み時)とビスフェノール類の水酸基
のモル数(仕込み時)との合計モル数に対する、全アル
カリのモル数の比は、0.2〜1.2であるのが好ましい。ま
た、アルカリ水溶液中における、フェノール−アルデヒ
ド変性樹脂の濃度は、30〜75重量%であるのが好まし
い。
【0022】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物は、フェ
ノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有するもの
であるが、更にエーテルアルコール類が添加配合されて
いるのが好ましい。このようなエーテルアルコール類
が、鋳型用粘結剤組成物中に配合されていると、得られ
る鋳型の強度を向上させることができるからである。こ
こで使用するエーテルアルコール類としては、2-メトキ
シエタノール,2-エトキシエタノール,2-イソプロポキ
シエタノール,2-ブトキシエタノール,2-(イソペンチ
ルオキシ)エタノール,2-(ヘキシルオキシ)エタノー
ル,2-フェノキシエタノール,2-ベンジルオキシエタノ
ール,フルフリルアルコール,フルフリルアルコールの
エチレンオキサイド(又はポリエチレンオキサイド)付
加物やフルフリルアルコールのプロピレンオキサイド
(又はポリプロピレンオキサイド)付加物等のフルフリ
ルアルコールのアルキレンオキサイド(又はポリアルキ
レンオキサイド)付加物,フルフリルアルコールのエチ
レンオキサイド及びプロピレンオキサイドのブロック或
いはランダム共重合付加物,テトラヒドロフルフリルア
ルコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコ
ール,テトラエチレングリコール,ポリエチレングリコ
ール(分子量200〜20000),ジプロピレングリコール,
トリプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール
(分子量400〜4000),ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル,1-メトキシ-2-
プロパノール,1-エトキシ-2-プロパノール,ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリ
コールモノエチルエーテル,トリプロピレングリコール
モノメチルエーテル,ポリプロピレングリコール等が挙
げられる。また、環状エーテルアルコール及び開鎖エー
テルアルコールからなる化合物等も用いることができ
る。このエーテルアルコール類の配合割合は、鋳型用粘
結剤組成物水溶液中に、0.5〜30重量%配合させるのが
好ましい。この範囲外であると、得られる鋳型の強度が
顕著に向上しない傾向となる。
【0023】得られる鋳型強度の更なる向上を図るため
に、鋳型用粘結剤組成物水溶液中に更にシランカップリ
ング剤が含有されているのが好ましい。シランカップリ
ング剤としては、従来公知の各種のものを使用すること
ができる。特に、γ-グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン,γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,γ-
(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン,
N-グリシジル-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピ
ル]アミン等を使用することができる。
【0024】また、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中
に、ノニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,アニオ
ン界面活性剤,両性界面活性剤等の各種界面活性剤、或
いは尿素,尿素化合物,アミド化合物等の有機窒素化合
物を含有させておくことにより、耐火性粒状材料と混練
した混練砂の流動性や模型への充填性を尚一層向上させ
ることができる。更に、耐火性粒状材料として再生砂を
使用する場合には、鋳型用粘結剤組成物中に塩化カルシ
ウムや酸化アルミニウム等の各種多価金属塩を含有させ
ておくことにより、得られる鋳型の強度を向上させるこ
とができる。
【0025】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し
て、鋳型を製造するには、一般的に自硬性鋳型造型法又
はガス硬化性鋳型造型法が採用される。自硬性鋳型造型
法の具体例としては、耐火性粒状材料100重量部に対し
て、有機エステル0.1〜5重量部を添加混練する。続け
て、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液
の形態で0.4〜15重量部となるように加え、再び混練す
る。このようにして得られた混練砂を模型に充填し、放
置して硬化させれば、自硬性鋳型を得ることができる。
また、ガス硬化性鋳型造型法の具体例としては、耐火性
粒状材料100重量部に対して、本発明に係る鋳型用粘結
剤組成物をアルカリ水溶液の形態で0.4〜15重量部とな
るように添加して混練する。得られた混練砂を、ガス硬
化用模型に加圧空気でブローイングにより充填する。次
いで、ガス状又はエアロゾル状の有機エステル0.05〜10
重量部を吹き込んで、硬化させれば、ガス硬化性鋳型を
得ることができる。使用する有機エステルとしては、ア
ルキル基の炭素数が1〜3である蟻酸アルキル、好ましく
は蟻酸メチルを用いることができる。
【0026】また、ガス状等の有機エステルに代えて、
炭酸ガスを使用して鋳型用粘結剤組成物を硬化させる場
合には、粘結剤組成物中に適正量のオキシアニオンを有
する化合物を添加し、このオキシアニオンを有する化合
物と炭酸ガスの共働作用によって、フェノール−アルデ
ヒド変性樹脂を硬化させることができる(特開平1-2242
63号公報)。オキシアニオンを有する化合物としては、
硼酸、四硼酸ナトリウム(硼砂),硼酸カリウム10水和
物,メタ硼酸ナトリウム,五硼酸カリウム,五硼酸ナト
リウム等の硼酸塩、過硼酸カリウム,過硼酸ナトリウム
等の過硼酸塩等を用いることができる。その他、使用で
きるものとして、アルミン酸塩や錫酸塩等が挙げられ
る。アルミン酸塩は、酸化アルミニウムと塩基性金属酸
化物とからから生じる塩であって、具体的には、アルミ
ン酸ナトリウム,アルミン酸カリウム,アルミン酸リチ
ウム等が用いられる。また、錫酸塩は、酸化錫と塩基性
金属酸化物とから生じる塩であって、具体的には、錫酸
ナトリウム,錫酸カリウム,錫酸リチウム等が用いられ
る。
【0027】鋳型を製造する際に使用する耐火性粒状材
料としては、従来公知の各種のものを使用することがで
き、例えば、石英質を主成分とする珪砂,クロマイト
砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナ砂,ムライト
砂,合成ムライト砂等を使用することができる。また、
耐火性粒状材料として、これらの再生砂や回収砂を主体
とするものも使用することができるのは、言うまでもな
い。
【0028】
【実施例】
[鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整]50%水酸化カリ
ウム水溶液に、表1の実施例1〜7の欄に示したモル比
で定められる量のフェノール類とビスフェノール類とア
ルコール類とを加え、攪拌し溶解させた。この溶液を80
℃に保持しながら、表1の実施例1〜7の欄に示したモ
ル比で定められる量のアルデヒド化合物を徐々に加え
た。そして、反応溶液中におけるフェノール−アルデヒ
ド変性樹脂の重量平均分子量が2500に達する時点まで80
℃で反応を続けた。重量平均分子量が2500に達する時点
の判定は、反応溶液の粘度を測定することによって行な
った。なお、フェノール−アルデヒド変性樹脂の重量平
均分子量の測定方法は、以下のとおりである。即ち、試
料に適量の水を加え、H2SO4を加え中和する。生成し
た沈澱を瀘過分離し、水洗し乾燥する。これをテトラヒ
ドロフラン(THF)に溶解し、分子量測定用サンプル
とする。測定は、標準物質にポリスチレンを使用し、G
PC法にて行った。このようにして測定されたフェノー
ル−アルデヒド変性樹脂の重量平均分子量と、粘度との
相関関係を求めておき、反応溶液の粘度測定によって、
所望の重量平均分子量となるように調整するのである。
【0029】反応終了後、室温まで冷却したあと、フェ
ノール類の水酸基のモル数(仕込み時)とビスフェノー
ル類の水酸基のモル数(仕込み時)の合計モル数に対す
る、水酸化カリウムのモル数の比が0.85になるように、
50%水酸化カリウム水溶液を加えた。以上のようにし
て、フェノール−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液
を得た。そして、γ-グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを、水溶液100重量部に対して、0.5重量部水溶
液中に添加した。以上のようにして、7種の鋳型用粘結
剤組成物水溶液を調整した。なお、粘結剤組成物水溶液
中の粘結剤組成物(フェノール−アルデヒド変性樹脂及
びシランカップリング剤)の含有量は、50重量%であっ
た。
【0030】
【表1】
【0031】なお、表1中のAなる項目は、フェノール
類のモル数とビスフェノール類のモル数とアルコール類
のモル数との合計モル数に対する、アルデヒド化合物の
モル数の比である。即ち、[アルデヒドのモル数/(フ
ェノール類のモル数+ビスフェノール類のモル数+アル
コール類のモル数)]である。Bなる項目は、フェノー
ル類のモル数に対する、ビスフェノール類のモル数の比
である。即ち、[ビスフェノール類のモル数/フェノー
ル類のモル数]である。Cなる項目は、フェノール類の
モル数とビスフェノール類のモル数との合計モル数に対
する、アルコール類のモル数の比である。即ち、[アル
コール類のモル数/(フェノール類のモル数+ビスフェ
ノール類のモル数)]である。以下、表中のA,B及び
Cは、これと同様である。
【0032】[鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整]反
応溶液中におけるフェノール−アルデヒド変性樹脂の重
量平均分子量が1800に達する時点まで反応を続けた以外
は、鋳型用粘結剤組成物水溶液1と同一の方法で、7種
の鋳型用粘結剤組成物水溶液2を調整した。
【0033】[鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール−アルデヒド変性樹脂の水溶液90重
量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、95%
水酸化カリウム5重量部とを混合して、7種の鋳型用粘
結剤組成物水溶液3を調整した。
【0034】[鋳型用粘結剤組成物水溶液4の調整]50
%水酸化カリウム水溶液に、フェノールを加え、攪拌し
溶解させた。この溶液を80℃に保持しながら、フェノー
ルのモル数に対して、1.5のモル数の比となるようにホ
ルムアルデヒドを徐々に加えた。そして、反応溶液中に
おけるフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の重量平均分
子量が2500に達する時点まで80℃で反応を続けた。重量
平均分子量が2500に達する時点の判定は、反応溶液の粘
度を測定することによって行なった。反応終了後、室温
まで冷却したあと、フェノール類の水酸基のモル数(仕
込み時)に対する、水酸化カリウムのモル数の比が0.85
になるように、50%水酸化カリウム水溶液を加えた。以
上のようにして、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の
アルカリ水溶液を得た。そして、γ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを、水溶液100重量部に対し
て、0.5重量部水溶液中に添加した。以上のようにし
て、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液を調整した。な
お、粘結剤組成物水溶液中の粘結剤組成物(フェノール
−ホルムアルデヒド樹脂及びシランカップリング剤)の
固形分は、50重量%であった。
【0035】[鋳型用粘結剤組成物水溶液5の調整]反
応溶液中におけるフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の
重量平均分子量が1800に達する時点まで反応を続けた以
外は、鋳型用粘結剤組成物水溶液4と同一の方法で、1
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液5を調整した。
【0036】[鋳型用粘結剤組成物水溶液6の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液5の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の水溶液90
重量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、95
%水酸化カリウム5重量部とを混合して、1種の鋳型用
粘結剤組成物水溶液6を調整した。
【0037】[鋳型用粘結剤組成物水溶液7の調整]フ
ェノールに代えてビスフェノールAを使用し、且つホル
ムアルデヒドの量がビスフェノールAのモル数に対して
3倍である以外は、鋳型用粘結剤組成物水溶液4と同一
の方法で、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液7を調整し
た。
【0038】[鋳型用粘結剤組成物水溶液8の調整]フ
ェノールに代えて、フェノールとビスフェノールAとの
混合物(ビスフェノールA/フェノールのモル比は、0.
4/1)を使用し、且つホルムアルデヒドの量が、フェノ
ールのモル数とビスフェノールAのモル数との合計モル
数に対して2倍である以外は、鋳型用粘結剤組成物水溶
液4と同一の方法で、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液
8を調整した。
【0039】[鋳型用粘結剤組成物水溶液9の調整]フ
ェノールに代えてビスフェノールAを使用し、且つホル
ムアルデヒドの量がビスフェノールAのモル数に対して
3倍である以外は、鋳型用粘結剤組成物水溶液5と同一
の方法で、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液9を調整し
た。
【0040】[鋳型用粘結剤組成物水溶液10の調整]フ
ェノールに代えて、フェノールとビスフェノールAとの
混合物(ビスフェノールA/フェノールのモル比は、0.
4/1)を使用し、且つホルムアルデヒドの量が、フェノ
ールのモル数とビスフェノールAのモル数との合計モル
数に対して2倍である以外は、鋳型用粘結剤組成物水溶
液5と同一の方法で、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液
10を調整した。
【0041】[鋳型用粘結剤組成物水溶液11の調整]フ
ェノールに代えてビスフェノールAを使用し、且つホル
ムアルデヒドの量がビスフェノールAのモル数に対して
3倍である以外は、鋳型用粘結剤組成物水溶液6と同一
の方法で、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液11を調整し
た。
【0042】[鋳型用粘結剤組成物水溶液12の調整]フ
ェノールに代えて、フェノールとビスフェノールAとの
混合物(ビスフェノールA/フェノールのモル比は、0.
4/1)を使用し、且つホルムアルデヒドの量が、フェノ
ールのモル数とビスフェノールAのモル数との合計モル
数に対して2倍である以外は、鋳型用粘結剤組成物水溶
液6と同一の方法で、1種の鋳型用粘結剤組成物水溶液
12を調整した。
【0043】実施例1〜7 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、硬化剤で
あるトリアセチン0.3重量部を添加し混練した。続け
て、予め準備した7種の鋳型用粘結剤組成物水溶液1が
各々1.5重量部となるように添加し混練して、7種の混
練砂を得た。そして、以下の方法で混練砂の流動性・充
填性を測定した。即ち、内径50mm、内部有効長100mmの
試験筒の底部に受台を取り付け、3mm目の篩を通して、
試験筒に混練砂を粗充填する。次に、上部の余分な混練
砂をかき落として、「ジョージ・フィシャー社製のコン
パクタビリティ・テスター」にかけ、10kg/cm2のスク
イズ圧で加圧した。この後における混練砂の高さの減少
を測定し、この減少高さXmm[=C.B.(コンパクタ
ビリティー)]を混練砂の流動性・充填性の指標とし
た。この結果を表1に示した。Xが小さい程、混練砂の
流動性及び充填性が良いことを示している。
【0044】比較例1〜3 鋳型用粘結剤組成物水溶液1に代えて、表1に示したよ
うに鋳型用粘結剤組成物水溶液4,7及び8を用いる以
外は、実施例1と同様にして混練砂を得た。そして、こ
の混練砂を使用して、C.B.を測定し、その結果を表
1に示した。
【0045】比較例4 鋳型用粘結剤組成物水溶液1に代えて、鋳型用粘結剤組
成物水溶液4にブチルアルコールを添加した水溶液を用
いる以外は、実施例1と同様にして混練砂を得た。な
お、ブチルアルコールの添加量は、鋳型用粘結剤組成物
水溶液4を得る際に使用したフェノール1モルに対し
て、0.1モルとした。そして、この混練砂を使用して、
C.B.を測定し、その結果を表1に示した。
【0046】実施例8〜14 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した7種の鋳型用粘結剤組成物水溶液2が各々2.0重量
部となるように添加し混練して、7種の混練砂を得た。
各混練砂のC.B.を実施例1と同様にして測定した。
その結果を表2に示した。なお、表2中には、フェノー
ル類の種類等を表1と同様に記載しておいた。
【0047】比較例5〜7 鋳型用粘結剤組成物水溶液2に代えて、表2に示したよ
うに鋳型用粘結剤組成物水溶液5,9及び10を用いる以
外は、実施例8と同様にして混練砂を得た。そして、こ
の混練砂を使用して、C.B.を測定し、その結果を表
2に示した。
【0048】比較例8 鋳型用粘結剤組成物水溶液2に代えて、鋳型用粘結剤組
成物水溶液5にブチルアルコールを添加した水溶液を用
いる以外は、実施例8と同様にして混練砂を得た。な
お、ブチルアルコールの添加量は、鋳型用粘結剤組成物
水溶液5を得る際に使用したフェノール1モルに対し
て、0.1モルとした。そして、この混練砂を使用して、
C.B.を測定し、その結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】実施例15〜21 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した7種の鋳型用粘結剤組成物水溶液3が各々3.0重量
部となるように添加し混練して、7種の混練砂を得た。
各混練砂のC.B.を実施例1と同様にして測定した。
その結果を表3に示した。なお、表3中には、フェノー
ル類の種類等を表1と同様に記載しておいた。
【0051】比較例9〜11 鋳型用粘結剤組成物水溶液3に代えて、表3に示したよ
うに鋳型用粘結剤組成物水溶液6,11及び12を用いる以
外は、実施例15と同様にして混練砂を得た。そして、こ
の混練砂を使用して、C.B.を測定し、その結果を表
3に示した。
【0052】比較例12 鋳型用粘結剤組成物水溶液3に代えて、鋳型用粘結剤組
成物水溶液6にブチルアルコールを添加した水溶液を用
いる以外は、実施例15と同様にして混練砂を得た。な
お、ブチルアルコールの添加量は、鋳型用粘結剤組成物
水溶液6を得る際に使用したフェノール1モルに対し
て、0.1モルとした。そして、この混練砂を使用して、
C.B.を測定し、その結果を表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】表1〜3の結果から明らかなように、フェ
ノール類とビスフェノール類とアルコール類とアルデヒ
ド化合物との四種の化合物を共縮重合させたフェノール
−アルデヒド変性樹脂を粘結剤組成物の主体として使用
して混練砂を得れば、フェノール類及び/又はビスフェ
ノール類とアルデヒド化合物とを共縮重合させたフェノ
ール(ビスフェノール)−アルデヒド樹脂を粘結剤組成
物の主体として使用した場合に比較して、混練砂のC.
B.の値が小さくなることが分かる。従って、実施例1
〜21に係る方法で得られた混練砂は、比較例1〜12に係
る方法で得られた混練砂に比べて、流動性が良好で、模
型への充填性に優れていることが分かる。
【0055】実施例22〜28 実施例15〜21で使用した7種の各鋳型用粘結剤組成物水
溶液3を90重量部使用し、これに表4に示したエーテル
アルコール類を10重量部添加した鋳型用粘結剤組成物水
溶液を準備した。そして、国産珪砂6号100重量部に対
し、この鋳型用粘結剤組成物水溶液を各々3.5重量部添
加混練し、混練砂を得た。この混練砂を50mmφ×50mmh
のガス用木型に充填して、CO2ガス圧2kg/cm2,CO2
ガス流量20L/min.でCO2を1分間通気して、テストピ
ースを得た。これを24時間放置した後、抗圧力試験機
で、このテストピースの抗圧力(鋳型強度:kgf/cm
2)を測定した。その結果を表4に示した。
【0056】実施例29〜35及び比較例13 実施例22〜28との比較のため、実施例15〜21で使用した
7種の各鋳型用粘結剤組成物水溶液3を用いて、エーテ
ルアルコール類を添加しない他は実施例22と同様にして
テストピースを作成し、その抗圧力を測定した。その結
果も表4に示した。更に、比較例9で使用した鋳型用粘
結剤組成物水溶液6を用いて、エーテルアルコール類を
添加しない他は実施例22と同様にしてテストピースを作
成し、その抗圧力を測定した。この結果も表4に示し
た。
【0057】
【表4】
【0058】表4の実施例22〜28と実施例29〜35とを比
較すれば明らかな通り、エーテルアルコール類を配合し
た鋳型用粘結剤組成物水溶液を使用した場合には、鋳型
の強度が顕著に向上することが分かる。なお、実施例22
〜28における混練砂の流動性は、実施例15〜21の場合及
び実施例29〜35の場合とほぼ同様であった。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、ある特定のフェノ
ール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有する、本発
明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し、耐火性粒状材料
と混練して混練砂を得れば、この混練砂は流動性及び模
型への充填性に優れている。流動性の良好な混練砂は、
十分に混練することができ、粘結剤組成物と耐火性粒状
材料との混合を均一にすることができる。また、この混
練砂を使用すれば、模型に緊密に充填することができ、
得られる鋳型の表面に凹凸が生じたり、或いは鋳型の表
面強度が低下するということを防止しうる。従って、本
発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用して得られた鋳型
で、鋳物を得ると、砂カミ,焼着,差し込み,絞られ等
の鋳物欠陥の発生を防止することができ、鋳物品質の低
下を防止しうるという効果を奏するのである。また、本
発明に係る鋳型用粘結剤組成物に、更にエーテルアルコ
ール類を添加配合すれば、得られる鋳型の強度が顕著に
向上するという効果を奏する。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール−アルデヒド変性樹脂を主体
    として含有する鋳型用粘結剤組成物において、該フェノ
    ール−アルデヒド変性樹脂が、フェノール類と、ビスフ
    ェノール類と、アルコール類と、アルデヒド化合物とを
    共縮重合して得られたものであることを特徴とする鋳型
    用粘結剤組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール類のモル数とビスフェノール
    類のモル数とアルコール類のモル数との合計モル数に対
    する、アルデヒド化合物のモル数の比が1.0〜5.0である
    請求項1記載の鋳型用粘結剤組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール類のモル数に対する、ビスフ
    ェノール類のモル数の比が0.01〜100である請求項1又
    は2記載の鋳型用粘結剤組成物。
  4. 【請求項4】 フェノール類のモル数とビスフェノール
    類のモル数との合計モル数に対する、アルコール類のモ
    ル数の比が0.0001〜0.5である請求項1及至3のいずれ
    か一項に記載の鋳型用粘結剤組成物。
  5. 【請求項5】 フェノール類として、フェノールとクレ
    ゾールとの混合物を使用する請求項1及至4のいずれか
    一項に記載の鋳型用粘結剤組成物。
  6. 【請求項6】 アルコール類として、炭素数2〜10の一
    価アルコールを用いる請求項1及至5のいずれか一項に
    記載の鋳型用粘結剤組成物。
  7. 【請求項7】 アルコール類として、プロピルアルコー
    ル,イソプロピルアルコール,ブチルアルコール,イソ
    ブチルアルコール,sec-ブチルアルコール及びtert-ブ
    チルアルコールよりなる群から選ばれたものを使用する
    請求項1及至6のいずれか一項に記載の鋳型用粘結剤組
    成物。
  8. 【請求項8】 フェノール−アルデヒド変性樹脂を主体
    とし、更にエーテルアルコール類が配合されている請求
    項1及至7のいずれか一項に記載の鋳型用粘結剤組成
    物。
  9. 【請求項9】 フェノール−アルデヒド変性樹脂を主体
    とし、更にオキシアニオン化合物が配合されている請求
    項1及至8のいずれか一項に記載の鋳型用粘結剤組成
    物。
  10. 【請求項10】 オキシアニオン化合物として、硼酸,四
    硼酸ナトリウム10水和物,硼酸カリウム10水和物,メタ
    硼酸ナトリウム,五硼酸ナトリウム,過硼酸塩,アルミ
    ン酸塩,錫酸塩よりなる群から選ばれた1種又は2種以
    上を用いる請求項9記載の鋳型用粘結剤組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1及至10のいずれか一項に記載の
    鋳型用粘結剤組成物を用い、且つ硬化剤として有機エス
    テル及び/又は炭酸ガスを用いることを特徴とする鋳型
    の製造方法。
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