JPH0718286U - 減速装置用永久磁石の極性検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 渦電流式減速装置の永久磁石の組立時に磁石
極性の自動確認をするための極性検査装置を提供する。 【構成】 磁石支持リング９に永久磁石１０の複数を互
いに極性を逆向きにして周設した磁石組立体４を載置す
る回転テーブル１と、磁化した金属片を収容し、一端に
光電スイッチ６を取着した非磁性円筒７からなり、該金
属片が一定距離にあるときスイッチが作動する検出器２
と、上記検出器２からの検出信号により永久磁石の極性
誤設置を検出するアンプユニット３からなる。 【効果】 人手による極性確認作業を省いて、永久磁石
の誤配置を確実に検出することができ、磁石組立体の組
立能率の向上、品質の確保ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、永久磁石を使った渦電流式減速装置の組立時に磁石極性の自動確 認をするための検査装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

永久磁石を使った渦電流式減速装置は、その一例を図４に示すとおり、回転軸 １２に軸支した支持体１３にヨーク用の磁石支持リング９を回動自在に軸支し、 該磁石支持リング９の外周磁極面に円弧状のポールピースを有する永久磁石１０ の複数を互いに極性を逆向きにして周設し、上記永久磁石群のポールピースに互 いに磁気的に絶縁した強磁性体複数のスイッチ板１５を対向せしめ、油圧シリン ダー１４により上記磁石支持リング９を支持体１３に対し所定角度回動自在に設 けてなる。

【０００３】 そして、永久磁石１０とスイッチ板１５が重なり合ったとき、隣接する永久磁 石間には隣接するスイッチ板１５およびローターの円筒部１６内周面を含めて磁 気回路が構成され、該円筒部１６内周面には渦電流現象が起こり、これにより制 動トルクが発生し、その制動トルクに見合って車両は減速される。

【０００４】 また、上記重なり位置から磁石支持リング９を回動し、永久磁石１０が隣接す るスイッチ板１５にそれぞれ半分ずつ重なり合う状態にすれば、隣接する永久磁 石間には１枚のスイッチ板を含めて磁気回路が構成され、ローターの円筒部１６ 内周面には永久磁石から発生する磁束が作用しないため渦電流は流れず制動トル クは発生しない仕組みからなる。

【０００５】 上記磁石組立体は、図３に示すように、磁石支持リング９の外周面に、互いに 極性を逆向きにした永久磁石１０の複数を隣接磁石間に磁石支持金具１１を介在 して磁石を押さえ込み、磁石支持金具１１を貫通したねじ釘を磁石支持リング９ に螺着してなる。この際の磁石は予め着磁された永久磁石を組立治具を使って１ 個づつ組込んで行くか、未着磁の磁石を組込んだ後、専用の磁化装置で、例えば 隣接する２つの磁石を互いに逆極性となるように磁化する動作を順次繰り返しな がら全磁石を磁化処理するなどの方法で組立てられる。

【０００６】 そして、上記のごとく組立てられた磁石組立体は、非磁性ケースに磁化された 金属片を入れた検査治具を検査対象の磁石に近づけ、ケース内の金属片の動きを 作業者が目視して極性の判断を行なうか、または方位磁石を使って磁針の指示方 向を目視して極性の判断を行なっていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記のごとく、従来の渦電流式減速装置における磁石組立体の極性検査装置は 、いずれも作業者の目視により極性の判断を行なう方法が採られているため、能 率が上がらず、また誤判断を起こす恐れもある。

【０００８】 この考案は、上記従来装置に見られる欠点を排除し、自動的に極性の判断を能 率良く行なえる磁石組立体の極性検査装置を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案の減速装置用永久磁石の極性検査装置は、 磁石支持リングに永久磁石の複数を互いに極性を逆向きにして周設した磁石組立 体を載置する回転テーブルと、磁化した金属片を収容し、一端に光電スイッチを 取着した非磁性円筒からなり、該金属片が一定距離にあるときスイッチが作動す る検出器と、上記検出器からの検出信号により永久磁石の極性誤設置を警報する アンプユニットからなる。

【００１０】

【作用】

磁石支持リングに永久磁石の複数を互いに極性を逆向きにして周設した磁石組 立体を載置した回転テーブルを微速で回転するか、または隣接する磁石の中心間 距離を１ピッチとして間欠的に回すかして、各永久磁石を順次検出器に対向させ る。すると、検出器内に収容した磁化金属片が永久磁石に対向する極面の極性が 永久磁石の極性と互いに逆向きのときは、磁化金属片は永久磁石に引き付けられ てスイッチの作動範囲外に位置しており、光電スイッチは作動しない。しかし、 金属片極面の極性が永久磁石の極性と同じときは、反発されて磁化金属片はスイ ッチの作動範囲内の位置に移動し、光電スイッチは作動する。

【００１１】 したがって、互いに極性を逆向きにして周設した磁石組立体に対して、光電ス イッチは永久磁石の１つおきごとに作動し、スイッチはＯＮーＯＦＦ動作を規則 正しく繰り返すことになる。しかし、永久磁石の極性が間違って配置されている と、スイッチの規則正しいＯＮーＯＦＦ動作の繰り返しが崩れる。このリズムが 崩れたときの検出信号によりアンプユニットを介して警報が発せられ、誤配置の 永久磁石を検出する。

【００１２】

【実施例】

この考案の実施例を図面に基づいて説明する。 減速装置用永久磁石の極性検査装置は、磁石支持リング９に永久磁石１０の複 数を互いに極性を逆向きにして周設した磁石組立体４を載置する回転テーブル１ と、磁化した金属片５を収容し、一端に光電スイッチ６を取着した非磁性円筒７ からなり、該金属片５が一定距離にあるときスイッチが作動する検出器２と、上 記検出器２からの検出信号により永久磁石１０の極性誤設置を警報するアンプユ ニット３からなる。

【００１３】 上記回転テーブル１は、減速装置を介してモータにより駆動され、微速で回転 するか、または隣接磁石の中心線が交わってなす角度ごと間欠的に回るように構 成する。そして、該回転テーブル１上に載置された磁石組立体４の磁石極面から 発する磁束の磁界内に先端を位置させて検出器２を対設する。

【００１４】 検出器２は、図２に示すように、磁化した金属片５を収容した非磁性円筒７の 一端に光電スイッチ６が組込まれてなり、他方の端を上記磁石組立体４の磁石極 面に向けて設置される。そして、光電スイッチ６はケーブル８によりアンプユニ ット３に接続される。

【００１５】 なお、非磁性円筒７は金属片５の移動距離Ｌの光電スイッチ６設置側の１／３ の範囲においてスイッチＯＮとなるようにすることが望ましい。例えば、金属片 ５の大きさを直径３ｍｍ×長さ１０ｍｍの場合には、移動距離Ｌを５０ｍｍとし 、光電スイッチ６設置側の５０／３範囲内をスイッチＯＮとする。

【００１６】

【考案の効果】

この考案の減速装置用永久磁石の極性検査装置は、人手による極性確認作業を 省いて機械的に永久磁石の誤配置を確実に検出することができ、磁石組立体の組 立能率の向上、品質の確保ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例における概略説明図である。

【図２】図１における検出器の詳細を磁石組立体との関
係において示す説明図である。

【図３】渦電流式減速装置の磁石組立体の組立途中にお
ける状態を示す斜視図である。

【図４】渦電流式減速装置の一例で下半部は断面して示
す全体の正面図である。

【符号の説明】

１ 回転テーブル ２ 検出器 ３ アンプユニット ４ 磁石組立体 ５ 金属片 ６ 光電スイッチ ７ 非磁性円筒 ８ ケーブル ９ 磁石支持リング １０ 永久磁石 １１ 磁石支持金具 １２ 回転軸 １３ 支持体 １４ 油圧シリンダー １５ スイッチ板 １６ 円筒部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁石支持リングに永久磁石の複数を互い
   に極性を逆向きにして周設した磁石組立体を載置する回
   転テーブルと、磁化した金属片を収容し、一端に光電ス
   イッチを取着した非磁性円筒からなり、該金属片が一定
   距離にあるときスイッチが作動する検出器と、上記検出
   器からの検出信号により永久磁石の極性誤設置を警報す
   るアンプユニットからなる減速装置用永久磁石の極性検
   査装置。