JPH0717899A - カルボン酸クロリドの製造法 - Google Patents
カルボン酸クロリドの製造法Info
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- JPH0717899A JPH0717899A JP16342693A JP16342693A JPH0717899A JP H0717899 A JPH0717899 A JP H0717899A JP 16342693 A JP16342693 A JP 16342693A JP 16342693 A JP16342693 A JP 16342693A JP H0717899 A JPH0717899 A JP H0717899A
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- chloride
- acid chloride
- isopropylcyclohexanecarboxylic
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Abstract
(57)【要約】
【構成】トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸にリン塩化物を反応させることを特徴とするト
ランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸ク
ロリドの製造法。 【効果】トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸クロリドをシス体の副生なしに製造することが
できる。また有毒な亜硫酸ガスの発生しない製造法であ
る。
ルボン酸にリン塩化物を反応させることを特徴とするト
ランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸ク
ロリドの製造法。 【効果】トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸クロリドをシス体の副生なしに製造することが
できる。また有毒な亜硫酸ガスの発生しない製造法であ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血糖降下作用を示し、
医薬品として有用なN−(トランス−4−イソプロピル
シクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニンの
合成中間体の製造法に関するものである。
医薬品として有用なN−(トランス−4−イソプロピル
シクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニンの
合成中間体の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−(トランス−4−イソプロピルシク
ロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニンは特公
平4−15221号に記載されており、血糖降下作用を
示し、医薬品として有用な化合物であることが知られて
いる。この公報によると該化合物の原料であるトランス
−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸クロリド
は、トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸にチオニルクロリドを反応させて製造している。
ロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニンは特公
平4−15221号に記載されており、血糖降下作用を
示し、医薬品として有用な化合物であることが知られて
いる。この公報によると該化合物の原料であるトランス
−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸クロリド
は、トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸にチオニルクロリドを反応させて製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チオニ
ルクロリドを用いて反応を行った場合、シス体への異性
化が起こり、少量のシス−4−イソプロピルシクロヘキ
サンカルボン酸クロリド(シス体)が副生し、これをそ
の後の精製等により除去することは困難であることがわ
かった。さらには、反応に有毒な亜硫酸ガスが発生する
という問題点もあった。本発明の目的は、シス体への異
性化を抑えたトランス−4−イソプロピルシクロヘキサ
ンカルボン酸クロリドの製造法を提供することである。
ルクロリドを用いて反応を行った場合、シス体への異性
化が起こり、少量のシス−4−イソプロピルシクロヘキ
サンカルボン酸クロリド(シス体)が副生し、これをそ
の後の精製等により除去することは困難であることがわ
かった。さらには、反応に有毒な亜硫酸ガスが発生する
という問題点もあった。本発明の目的は、シス体への異
性化を抑えたトランス−4−イソプロピルシクロヘキサ
ンカルボン酸クロリドの製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カルボン
酸クロリドの製造法について鋭意研究を行った結果、チ
オニルクロリドに代えてリン塩化物を用いればシス体へ
の異性化を起こすことなく、収率的にもチオニルクロリ
ドを用いたときと同程度の結果を得ることを見いだし本
発明を完成した。
酸クロリドの製造法について鋭意研究を行った結果、チ
オニルクロリドに代えてリン塩化物を用いればシス体へ
の異性化を起こすことなく、収率的にもチオニルクロリ
ドを用いたときと同程度の結果を得ることを見いだし本
発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、トランス−4−イソ
プロピルシクロヘキサンカルボン酸にリン塩化物を反応
させることを特徴とするトランス−4−イソプロピルシ
クロヘキサンカルボン酸クロリドの製造法に関するもの
である。
プロピルシクロヘキサンカルボン酸にリン塩化物を反応
させることを特徴とするトランス−4−イソプロピルシ
クロヘキサンカルボン酸クロリドの製造法に関するもの
である。
【0006】本発明において用いられるトランス−4−
イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸は、クミン酸ま
たはそのエステルを水素添加し製造することができる。
本発明において用いられるリン塩化物としては、三塩化
リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等があげられる。リ
ン塩化物の使用量は、トランス−4−イソプロピルシク
ロヘキサンカルボン酸に対して、0.9〜1.5当量、
好ましくは1.0〜1.2当量である。
イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸は、クミン酸ま
たはそのエステルを水素添加し製造することができる。
本発明において用いられるリン塩化物としては、三塩化
リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等があげられる。リ
ン塩化物の使用量は、トランス−4−イソプロピルシク
ロヘキサンカルボン酸に対して、0.9〜1.5当量、
好ましくは1.0〜1.2当量である。
【0007】反応は無溶媒あるいは溶媒中で行われる。
溶媒を用いる場合にはリン塩化物に不活性なものを用い
ればよく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、エーテル等
があげられる。反応を溶媒中で行う場合のトランス−4
−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸の濃度は、通
常、2〜25重量%、好ましくは5〜20重量%であ
る。反応は0℃以上リン塩化物あるいは溶媒の沸点以下
の温度で行うことができるが、好ましくは室温から50
℃である。反応時間は反応温度によっても異なるが、通
常、30分〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
溶媒を用いる場合にはリン塩化物に不活性なものを用い
ればよく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、エーテル等
があげられる。反応を溶媒中で行う場合のトランス−4
−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸の濃度は、通
常、2〜25重量%、好ましくは5〜20重量%であ
る。反応は0℃以上リン塩化物あるいは溶媒の沸点以下
の温度で行うことができるが、好ましくは室温から50
℃である。反応時間は反応温度によっても異なるが、通
常、30分〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
【0008】反応終了後は、必要に応じて、水洗、溶媒
留去して目的とするカルボン酸クロリドを得ることがで
きる。
留去して目的とするカルボン酸クロリドを得ることがで
きる。
【0009】
【発明の効果】本発明の方法を用いればトランス−4−
イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸クロリドをシス
体の副生なしに製造することができる。また有毒な亜硫
酸ガスの発生しない製造法である。
イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸クロリドをシス
体の副生なしに製造することができる。また有毒な亜硫
酸ガスの発生しない製造法である。
【0010】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。尚、本実施例で用いた分析方法を以下に示
す。トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸クロリド約100mgを10mlふた付き試験管へ
正確に秤り採り、メタノール1mlと1N−水酸化ナト
リウム水溶液2mlを加えた。60℃のヒートブロック
上で液が均一になるまで充分加熱した。全量を100m
lメスフラスコに移し、正確に100mlとした。この
溶液10μlをHPLCにより分析した。
説明する。尚、本実施例で用いた分析方法を以下に示
す。トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸クロリド約100mgを10mlふた付き試験管へ
正確に秤り採り、メタノール1mlと1N−水酸化ナト
リウム水溶液2mlを加えた。60℃のヒートブロック
上で液が均一になるまで充分加熱した。全量を100m
lメスフラスコに移し、正確に100mlとした。この
溶液10μlをHPLCにより分析した。
【0011】実施例1 トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸
1.70g(10mmol)と五塩化リン2.17g
(10mmol)に1,2−ジクロロエタン10mlを
加え、オイルバスにて40℃で3時間反応させた。減圧
下溶媒と生成したオキシ塩化リンを留去し、目的とする
カルボン酸クロリドを無色オイルとして1.83g(収
率94%)得た。シス体は検出されなかった。得られた
トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸
クロリドを特公平4−15221号記載の実施例にした
がい、D−フェニルアラニンとアルカリ水性溶媒中で縮
合させることにより、N−(トランス−4−イソプロピ
ルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン
を収率よく得ることができた。
1.70g(10mmol)と五塩化リン2.17g
(10mmol)に1,2−ジクロロエタン10mlを
加え、オイルバスにて40℃で3時間反応させた。減圧
下溶媒と生成したオキシ塩化リンを留去し、目的とする
カルボン酸クロリドを無色オイルとして1.83g(収
率94%)得た。シス体は検出されなかった。得られた
トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸
クロリドを特公平4−15221号記載の実施例にした
がい、D−フェニルアラニンとアルカリ水性溶媒中で縮
合させることにより、N−(トランス−4−イソプロピ
ルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン
を収率よく得ることができた。
【0012】実施例2 トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸
1.70g(10mmol)の1,2−ジクロロエタン
(10ml)溶液に、氷冷攪拌下三塩化リン0.88m
l(10mmol)を滴下し、オイルバスにて40℃で
3時間反応させた。1,2−ジクロロエタンを40ml
加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液と水で洗浄し、硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的と
するトランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸クロリドを無色オイルとして1.80g(収率93
%)得た。シス体は検出されなかった。
1.70g(10mmol)の1,2−ジクロロエタン
(10ml)溶液に、氷冷攪拌下三塩化リン0.88m
l(10mmol)を滴下し、オイルバスにて40℃で
3時間反応させた。1,2−ジクロロエタンを40ml
加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液と水で洗浄し、硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、目的と
するトランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸クロリドを無色オイルとして1.80g(収率93
%)得た。シス体は検出されなかった。
【0013】比較例 トランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸
20gを200mlの1,2−ジクロロエタンに溶解
し、塩化チオニル21g(1.5当量)を室温下で直接
滴下し、滴下終了後80℃温浴中で2時間加熱攪拌しな
がら反応させた。反応終了後、減圧下未反応の塩化チオ
ニルを留去し、無色澄明液体約23gを得た。シス体含
有量は1.0%、反応収率は93.6%であった。
20gを200mlの1,2−ジクロロエタンに溶解
し、塩化チオニル21g(1.5当量)を室温下で直接
滴下し、滴下終了後80℃温浴中で2時間加熱攪拌しな
がら反応させた。反応終了後、減圧下未反応の塩化チオ
ニルを留去し、無色澄明液体約23gを得た。シス体含
有量は1.0%、反応収率は93.6%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】 トランス−4−イソプロピルシクロヘキ
サンカルボン酸にリン塩化物を反応させることを特徴と
するトランス−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボ
ン酸クロリドの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16342693A JPH0717899A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | カルボン酸クロリドの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16342693A JPH0717899A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | カルボン酸クロリドの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717899A true JPH0717899A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15773682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16342693A Pending JPH0717899A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | カルボン酸クロリドの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717899A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004018408A1 (en) * | 2002-08-26 | 2004-03-04 | Glenmark Pharmaceuticals Limited | Synthesis and purification of nateglinide |
US7208622B2 (en) * | 2000-10-18 | 2007-04-24 | Ajinomoto Co., Inc. | Methods for producing nateglinide crystals |
WO2007119580A1 (ja) | 2006-03-31 | 2007-10-25 | Ajinomoto Co., Inc. | カルボン酸クロリド化合物の製造方法 |
US7659428B2 (en) * | 2000-10-18 | 2010-02-09 | Ajinomoto Co., Inc. | Methods for producing acylphenylalanine |
CN109369443A (zh) * | 2018-11-05 | 2019-02-22 | 扬子江药业集团江苏海慈生物药业有限公司 | 一种新的那格列奈h晶型的制备方法 |
-
1993
- 1993-07-01 JP JP16342693A patent/JPH0717899A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7208622B2 (en) * | 2000-10-18 | 2007-04-24 | Ajinomoto Co., Inc. | Methods for producing nateglinide crystals |
US7459582B2 (en) | 2000-10-18 | 2008-12-02 | Ajinomoto Co., Inc. | Methods for producing nateglinide crystals |
US7659428B2 (en) * | 2000-10-18 | 2010-02-09 | Ajinomoto Co., Inc. | Methods for producing acylphenylalanine |
WO2004018408A1 (en) * | 2002-08-26 | 2004-03-04 | Glenmark Pharmaceuticals Limited | Synthesis and purification of nateglinide |
WO2007119580A1 (ja) | 2006-03-31 | 2007-10-25 | Ajinomoto Co., Inc. | カルボン酸クロリド化合物の製造方法 |
CN109369443A (zh) * | 2018-11-05 | 2019-02-22 | 扬子江药业集团江苏海慈生物药业有限公司 | 一种新的那格列奈h晶型的制备方法 |
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