JPH07174474A - 顕熱交換装置とその伝熱板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 この発明は組み立て加工の簡易化、量産に適
し、且つ熱伝導性すこぶる良好な伝熱板を提供し排気中
の熱量を最も有効に回収再利用しようとする顯熱交換装
置である。 【構成】 全面に多数の導気孔２を開孔すると共に該導
気孔２に一定長さの通気筒と直交する多数の伝熱板１を
枠板４内に一定の間隔に併列に設け、導気孔２より室内
の汚染空気を受入れ排気すると同時に還、外気を各伝熱
板１内を上記排気空気と直交に送流し、その間に排棄空
気内の熱量をもっとも有効に回収するように構成されて
いる。また伝熱板の面積と導気孔と非導気孔との面積を
夫々有効に形成し、且つ導気孔と通気筒の形状を還、外
気の送風方向に対して横長楕円型、変形横長三角形、湾
曲円型、半月型、ひょうたん型等に形成した点もその特
徴である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は室内空調と同時に該室
内の排棄熱量を最も有効に回収して再利用行わしめる
等、経済的効果を求めることを主な目的とした顕熱交換
装置とその伝熱板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、室内空調時において室内の汚染空
気を外部に排棄すると同時に室外より新鮮な空気を室内
に導入して該室内の空調管理が行われていたのであるが
近時、上記無雑作に汚染空気と共に室外に排棄されてい
た排気空気中において相当の熱量が含まれていることが
判明し、業界においては該排棄熱量を大巾に再利用しよ
うとする経済的効果が期待されている。かかる目的に鑑
みて全熱交換器等の熱交換処理機器が種々開発されてい
るが、これらの殆んどは内外温度の異なる排気、還、外
気を夫々同一方向に通流行わしるべく形成してなるもの
であるから熱回収作用が完全に行われず、例え各伝熱用
フインを多数枚交互に積層し内外異質の空気を各流通方
向が互いに異なるべく併列設けたとしても該積層せる各
連接部分において洩気する懸念が生じ、且つまた全体形
状が大型化となり嵩高にて構造も非常で複雑である等の
欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記の問題
点に着眼し、組み立て加工の簡易化は勿論のこと量産に
適し、空気の洩出、交錯混流する等の憂いも毛頭無く熱
伝導性すこぶる良好にて完全確実な熱交換作用を求める
ことが出来得、経済的効果も優れている等有効な顕熱交
換装置とその伝熱板を汎く提供しようとするものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成する手段として発明したものであって、以下にて
その概略を説明する。図面はその一実施例であって、全
面に多数の導気孔２を開孔し、且つ該導気孔２に一定長
さの通気筒３を一体的に凸設してなる多数の伝熱板１を
枠板４内に一定の間隔毎に併列設けた顕熱交換器Ａを熱
交換ニユットＢ内に形成せる排気送風通路Ｃ及び還、外
気送風通路Ｄ間に設置し、上記導気孔２より室内の汚染
空気を受入して排気すると同時に還、外気を各伝熱板
１、１，１間の間隔ａ，ａ，ａ内を上記排気空気と直交
に送流させ、その間において排棄空気内の熱量を有効確
実に回収しようとすることを特徴としている。また上
記、伝熱板１は全面に多数の導気孔２を開孔し、該導気
孔２に一定長さの通気筒３を一体的に凸設すると共に上
記、伝熱板１面における熱回収有効面積の比率を導気孔
２の面積と非導気孔面おける面積と同等面積に形成行わ
しめることによって、内外気共に同一の風量で同一の熱
交換作用を同時に容易確実に行わしめることが出来得る
のである。しかも上記、伝熱板１に開孔せる導気孔２及
び通気筒３の形状を還、外気送流方向に対して楕円型、
横長型、湾曲型、ひょうたん型等適宜形状に形成せしめ
ることによって各板間の通流を円滑とすると同時に該空
気流れ中に乱流を生ぜしめより良好な熱交換作用を求め
ることも出来得る。また請求項項記載の如く、各伝熱板
１面に付設せる通気筒３の頭端部の口径３ａを隣接する
伝熱板１の導気孔２の口径２ａより稍径小に形成せしめ
ることによって、組立て加工時において多数の伝熱板
１、１，１を積層し、しかる後に上記伝熱板１を外部よ
り単に軽圧するのみにてごく自然的に各伝熱板１，１，
１を一体的強固に且つ一定の間隔a,a,a を保持しながら
容易に一体的に組立を行わしめることが出来得るのであ
る。

【０００５】

【作用】この発明は上記の構造を有するものであって、
上記顕熱交換器用の伝熱板１面に多数凸設せる通気筒３
の頭端部３ｂを隣接側の伝熱板１面に開口せる多数の導
気孔２ｂ内に各挿入し一体的にこれを形成すると共に枠
板４にて固定行わしめることによって、夫々の伝熱板
１、１，１間に一定間隔の間隙を有してなる顕熱交換器
Ａを造成する。上記による顕熱交換器Ａを例えば、図５
の如く熱処理用ユニットＢ内の排気送風通路Ｃ及び還、
外気送風通路Ｄ間に設置し用いるもので、因みに排気用
送風機Ｅの運転により室内側の汚染空気が矢印ＲＡ〜Ｅ
Ａの排気送風通路Ｃを経て排気口より室外に放出する、
またこれと同時に給気用送風機Ｆの運転により外部より
の新鮮な空気は一方のＯＡ〜ＢＡの還、外気送風通路Ｄ
を流れ室内に送流する。その間、室内の排気空気及び室
外よりの外気は両送風通路Ｃ，Ｄ間に配置せる顕熱交換
器Ａを通過するがために排棄空気中の熱量の一部が通気
筒３より伝熱板１に伝熱し、伝熱板１、１，１間を通過
する外気は上記による冷、暖熱を吸収しながら室内に送
流行わしめることとなる。即ち、上記顕熱交換器Ａの作
用によって冷房時には室内の冷却温度の空気を、暖房時
には室内の温められた暖気の熱量を排気と共に全てを排
棄することなく通過空気中の熱量をきわめて有効に再利
用を行わしめ経済的に使用することが出来得るのであ
る。また、上記の如く室内空気の全量を排気することな
く機内送風通路内に設置せる送風通路切換用ダンパーＨ
の操作によりその一部のみを室内に還気させ該排気中の
残存熱量を外気と混入し大巾の熱量の消費を補足すると
ともに上記と同様に顕熱交換器Ａの通過により排気空気
中の熱量を回収し使用熱エネルギーを節減出来得るので
ある。特にこの発明においては、室内環境、時期等によ
り冷暖房を必要とすることなく外気冷房を必要とする場
合でも該外気を顕顕熱交換器Ａの通過により新鮮な外気
の導入と同時に該外気の熱温と室内温度を中和し常時快
適な外気による冷房をも容易に求め得られるのである。
また詳細な説明は省略するがに室内温度の冷えすぎ、或
いは高すぎる等の場合には該顕熱交換器内に併設せる冷
却・加熱コイルＧへの冷、温水等の熱媒の補足によって
容易に解決出来得ることは謂うまでもない。更にこの発
明による場合には導気孔２の面積と板面における非導気
孔２部分の面積の比率を同等とすることによって、夫々
の熱量の異なる空気を同一の風量にて同一の熱交換を行
わしめることが出来得，より良好な熱交換作用が得られ
るのである。

【０００６】

【実施例】以下、実施例を図面について説明すると、１
は熱伝導性良好なアルミ等の金属板にて形成せる伝熱板
１にてその一面に多数の導気孔２を開孔すると共に該導
気孔２に一定の長さを有した通気筒３を一体的に凸設し
てなるもので上記、伝熱板１面における熱回収有効面積
の比率を導気孔２の面積と非導気孔面おける面積と同等
面積に形成されている。

【０００７】上記の如く、板面の一面に多数の通気筒３
を付設してなる伝熱板１を夫々の通気筒３，３，３の頭
端部３ｂ，３ｂ，３ｂを隣接側の伝熱板１面に各開口せ
る多数の導気孔２の口部に各適合し、軽圧行わしめるこ
とによって、夫々の通気筒３の先端が隣接の開孔部分に
係合して一定間隔a,a,a を隔てた熱交換器を造成し、し
かる後に該熱交換器の上下に枠板４を取付けして顕熱交
換器を形成する。

【０００８】更に上記、枠板４に代えて各伝熱板１、
１，１の上下縁部を一定の折巾にＬ形状に折曲形成して
なる枠板５を一体的に取付け行わしめることによって、
熱交換器形成と同時に上記、枠板５の巾寸にて一定の間
隔に確実に保持行わしめることが出来得る。

【０００９】更に上記、各通気筒３の頭端部３ｂの口径
３ａを導気孔２の口径２ａより稍小径寸に形成行わしめ
ることによって、上記通気筒３の頭端部を単に圧接する
のみにて接合作用をより緻密、確実に停持連接するが出
来得るは勿論、且つ各通気筒３の高さ間隔を予め一定の
高さとしたことによって各伝熱板１、１，１を常時一定
の間隔で正確に自動的に設定出来得るのである。

【００１０】また上記、各導気孔２、通気筒３の形状を
図６の真円型、図７の横長楕円型、図８の横長三角型、
図９の弓型、図１０のひょうたん型等使用目的、熱量等
に応じて種々の形状に形成行わしめることによって各板
間を通流する空気中に乱流を生ぜしめより効果的な熱交
換を求めることも出来得るのである。

【００１１】

【発明の効果】この発明は上記の如く、伝熱板１の一面
に開孔せる多数の導気孔２に一定長さの通気筒３を一体
的に付設し、これを多数枚、各間隔ａ，ａ，ａを隔てて
併列に形成してなるもので、従来の如く放熱板に多数の
パイプを挿通することなく組立てと同時に上記の通気筒
３をして自然的にパイプの作用を有し、特に内外の全く
異質の空気を夫々直交に送流行なわしめ、より良好な熱
交換作用を求めることが出来得ることは謂うまでもな
い。またかかる通気筒３の夫々が伝熱板の加工と同時に
一工程にて付設されているがために加工組立て等の諸作
業も確実容易である等の特徴を有し、且つ伝熱板１の導
気孔２の面積と、非導気孔面における面積の比率が同等
に形成されているがために夫々異なる異質の排気、外気
を同一風量で同一の熱交換を同時に行われるは勿論、特
に上記、熱交換作用が直交状に行われるので排棄空気内
の熱量をより有効に回収出来得る等、顕著な効果を有し
ている。

【００１２】また、請求項３記載の如く、伝熱板１に開
孔せる導気孔２、通気筒３の形状を還、外気送流方向に
対して楕円型、横長型、湾曲型、ひょうたん型等種々の
孔形に形成行わしめることによって熱交換面が拡大し、
各板間に乱流が生じより有効な熱交換作用が求め得ら
れ、外観上、意匠的においてもきわめて良好である。

【００１３】また、請求項４項記載の如く、各伝熱板１
の上下縁部を一定の折巾にＬ形状に折曲してなる枠板５
を一体的に形成行わしめることによって各伝熱板１、
１，１の間隔ａ，ａ，ａを何等の計測具を用いることな
く併設と同時に自動的に一定の間隔で設定出来得、且つ
板縁を保護し剛強とする効果がある。

【００１４】更に請求項５項記載の如く、各伝熱板１の
通気筒３の頭端部３ｂの口径３ａを隣接する伝熱板１の
導気孔２の口径２ａより径小に形成行わしめることによ
って、単に伝熱板１を外部から軽圧するのみにて隣接す
る伝熱板１の導気孔２内に確実に導入出来得、以て空気
洩れの憂いも無く、伝熱機能をより有効とする。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係る顕熱交換器の全体図、

【図２】 同上、顕熱交換器用伝熱板の正面図、

【図３】 同上、側面図、

【図４】 他の実施例を示す顕熱交換器の通気筒と導気
孔の接続部分拡大断面図、

【図５】 熱交換ユニット内に顕熱交換器を設置した一
実施例の説明図、

【図６】 他の実施例を示す伝熱板の正面図、

【図７】 同上伝熱板の正面図、

【図８】 同上伝熱板の正面図、

【図９】 同上伝熱板の正面図、

【図１０】同上伝熱板の正面図である。

【符号の説明】

１ 伝熱板 ２ 導気孔 ３ 通気筒 ４ 枠板 ５ 折曲枠部分

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適当な面積を有し、且つ導熱性良好な材
   質にて形成し、全面に多数の導気孔２を開孔すると共に
   該導気孔２に一定長さの通気筒３を一体的に凸設してな
   る多数の伝熱板１を枠板４内に一定の間隔毎に併列設け
   た顕熱交換器Ａを熱交換ニユットＢ内に形成せる排気送
   風通路Ｃ及び還、外気送風通路Ｄ間に設置し、上記導気
   孔２より室内の汚染空気を受入して排気すると同時に
   還、外気を各伝熱板１、１，１間の間隔ａ，ａ，ａ内を
   上記、排気空気と直交に送流行わしめ、その間に排棄空
   気内の熱量を有効に回収しようとすることを特徴とする
   顕熱交換装置。
2. 【請求項２】 請求項１項記載の顕熱交換装置におい
   て、適当な面積を有し、且つ導熱性良好な材質にて形成
   し、且つ該伝熱板１全面に多数の導気孔２を開孔し、夫
   々の導気孔２に一定長さの通気筒３を一体的に凸設する
   と共に上記、伝熱板１面における熱回収有効面積の比率
   を導気孔２の面積と非導気孔面における面積と同等面積
   に形成せしめたことを特徴とする顕熱交換器用の伝熱
   板。
3. 【請求項３】 請求項１項及び２項記載の伝熱板１にお
   いて、該伝熱板１に開孔せる導気孔２及び通気筒３の形
   状を還、外気の室内送風方向に対して横長楕円型または
   変形横長三角型、湾曲円型、半月型、ひょうたん型等適
   宜の形状に形成せしめたことを特徴とする顕熱交換器用
   の伝熱板。
4. 【請求項４】 請求項２項及び３項記載の伝熱板１にお
   いて、各伝熱板１の上下縁部を一定の折巾にＬ形状に折
   曲形成し枠板５を一体的に形成せしめたことを特徴とす
   る顕熱交換器用の伝熱板。
5. 【請求項５】 請求項２項及び３項記載の伝熱板１にお
   いて、各伝熱板１面に付設せる通気筒３の頭端部３ｂの
   口径３ａ、または該通気筒３の形状を頭端方向に従って
   稍先細筒状に形成すると共に該通気筒３頭端部３ｂの口
   径３ａを隣接する伝熱板１の導気孔２の口径２ａより径
   小に形成せしめたことを特徴とする顕熱交換器用の伝熱
   板。