JPH07173737A - ポリエステル捲縮短繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル捲縮短繊維の製造方法

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JPH07173737A
JPH07173737A JP32202993A JP32202993A JPH07173737A JP H07173737 A JPH07173737 A JP H07173737A JP 32202993 A JP32202993 A JP 32202993A JP 32202993 A JP32202993 A JP 32202993A JP H07173737 A JPH07173737 A JP H07173737A
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JP
Japan
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heat treatment
temperature
polyester
tow
high modulus
Prior art date
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Pending
Application number
JP32202993A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Aranaga
知幸 荒永
Hisao Nishinaka
久雄 西中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシン糸等の衣料用の紡績糸やフィルター用
短繊維として好適な高モジュラス且つ寸法安定性を示
し、特に製品加工の熱処理後でも高いモジュラスを維持
する高モジュラス低伸度ポリエステル捲縮短繊維を安定
的に得る方法を提供する。 【構成】 ポリエステルを溶融紡糸し、紡速1500m
/分以下で引き取って未延伸糸トウとなし、該未延伸糸
トウを2段以上の多数で延伸した後、220〜240℃
の温度で緊張又は定長下に熱処理し、更に200〜22
0℃の温度で弛緩熱処理し、続いて高温下に保たれたト
ウを緊張状態で一旦ガラス転移点以下まで強制冷却し、
しかる後捲縮を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高モジュラス低収縮ポ
リエステル捲縮短繊維の製造方法に関する。詳細には、
ミシン糸等の衣料用紡績糸やフィルター用短繊維として
好適な高モジュラス且つ寸法安定性を示し、特に製品加
工の熱処理後でも高いモジュラスを維持する高モジュラ
ス低伸度ポリエステル捲縮短繊維の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、耐熱性、耐薬品性
等の特性に優れているため、衣料を始めとして産業用資
材、寝装具の用途に広く用いられてきたが、近年は産業
用資材の分野での使用が伸びてきており更なる強度と寸
法安定性が要求されるようになってきた。従来、高モジ
ュラス短繊維を得る製造方法として、溶融紡糸された未
延伸トウを多段で高倍率延伸し、適当な温度で熱処理を
行う方法が採られていたが、かかる方法では、高モジュ
ラスにはなるが、寸法安定性に乏しいポリエステル短繊
維しか得られなかった。寸法安定性の向上では緊張熱処
理後に適当な温度で弛緩熱処理を行う方法または特開平
2−210033号公報の記載によれば捲縮付与温度を
130〜140℃とし、弛緩処理効果も同時に得るとい
う方法等が採られている。しかし、かかる方法では、ト
ウ温度がガラス転移温度以上で捲縮付与且つ緊張緩和さ
れるため、モジュラスの低下を導き、寸法安定性に優れ
るが、モジュラスの低いポリエステル短繊維しか得られ
ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し高モジュラス且つ寸法安定性に優れ
たポリエステル捲縮短繊維を安定的に得ることができる
製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、エチレンテレフタレートを主た
る構成単位とするポリエステルを溶融紡糸し、紡速15
00m/分以下で引き取って未延伸糸トウとなし該未延
伸糸トウを2段以上の多段で延伸した後、220〜24
0℃の温度で緊張又は定長下に熱処理し、更に、200
〜220℃の温度で弛緩熱処理し、続いて高温下に保た
れたトウを緊張状態で一旦ガラス転移点以下まで強制冷
却し、しかる後捲縮を付与することを特徴とするポリエ
ステル捲縮短繊維の製造方法である。
【0005】本発明に用いる原料たるポリエステルは、
テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる
ポリエチレンテレフタレートを主たる対象とするが、テ
レフタル酸成分の一部を他のジカルボン酸成分に置き換
えたり、および/またはエチレングリコール成分の一部
を他のジオール成分で置き換えたポリエステルであって
もよい。また必要に応じて改質剤、添加剤を加えてもよ
い。
【0006】本発明の溶融紡糸条件としては例えば次の
条件が採用される。極限粘度0.55〜0.65のポリ
エステルを280〜300℃、好ましくは285〜29
5℃で溶融し紡糸する。溶融温度が低いと、メルトフラ
クチャーやノズル孔への詰まりが発生し、安定した紡糸
が行えない。また、溶融温度が高いと、ポリマーの熱劣
化が進み、高強度なポリエステルが得られにくくなる。
【0007】紡速は1500m/分以下、好ましくは1
200m/分以下とする。ここで紡速が1500m/分
を越える場合にあっては、目的とする高モジュラス、低
伸度特性が得られなくなるので好ましくない。
【0008】次に上記の如くして得られた未延伸糸トウ
は数本〜数10本束ねて延伸工程へ送られる。
【0009】本発明の延伸条件としては次の条件が採用
される。本発明においては、先ず2〜3段の多段延伸が
行われる。例えば3段延伸では、1段目では温浴中、2
段目では高雰囲気温度下、3段目では加熱ローラー間で
延伸する。かかる方法では徐々に延伸することによっ
て、従来の方法の問題であった延伸操業性の悪化を改善
するだけでなく、得られる短繊維の延伸度化も達成する
ことが可能となる。
【0010】次に行なう、本発明の熱処理は以下によ
る。即ち、220〜240℃の温度で緊張または定長下
に熱処理を行なう。熱処理時間としては繊維の結晶化度
を高めるに充分な時間が必要であり好ましくは4.5〜
6秒間が必要である。熱処理時間が220℃より低いと
充分な結晶化が行われず、高モジュラスな繊維とはなら
ない。熱処理温度が240℃より高いと繊維の溶断が発
生し、操業性が著しく低下する。また、熱処理の時間が
4.5秒以下であると、充分な結晶化が行われず、高モ
ジュラスな繊維にはならない。熱処理時間が6秒以上に
なると紡糸と延伸のバランスが崩れ、生産性が低下す
る。あるいは、熱処理を施す加熱ローラーを大型化した
り、個数を増加させねばならず、設備維持のメンテナン
スに多大な費用がかかり、経済的とは言えない。
【0011】次に行う本発明の弛緩熱処理は以下によ
る。即ち、200〜220℃の温度で弛緩状態で熱処理
を行なう。この熱処理は寸法安定性の向上を目的として
おり、緊張あるいは定長熱処理を受けたトウを200〜
220℃の雰囲気温度下で5.3秒以上7秒以下の時間
で弛緩熱処理を行い、延伸によって受けた非晶部の歪み
を取り除き、高温下での繊維の収縮を低下させる。この
場合、弛緩処理を行う雰囲気温度は、緊張/定長処理温
度より低い温度が望ましい。この雰囲気温度が200℃
より低いと、繊維の非晶部に保持された歪みの除去が充
分とは言えず、寸法安定性に優れた繊維を得ることは出
来ない。雰囲気温度が220℃より高いと、緊張/定長
処理によって結晶化した部分のモジュラス低下が起こ
り、寸法安定性に優れるが、モジュラスの低い繊維とな
る。
【0012】最後に、弛緩熱処理を受けた繊維を瞬時に
ガラス転移点以下まで強制冷却した後、捲縮を付与す
る。本発明において、この部分が最も重要なポイントで
ある。この場合、緊張/定長あるいは弛緩熱処理を施し
たトウをガラス転移点以下まで温度を下げないと、充分
にモジュラスを固定することはできず、結局捲縮付与後
の緊張緩和でモジュラス低下を余儀なくされる。
【0013】本発明によれば、溶融紡糸されたポリエス
テル未延伸糸を多段延伸、高温熱処理、高温弛緩処理、
強制冷却することにより、高配向、寸法安定性に優れた
高モジュラス低収縮ポリエステル短繊維が得られる。か
かるポリエステル短繊維の製造方法によって得られたポ
リエステル短繊維は、高強度、低伸度の優れた物理的性
質を有するとともに、優れた寸法安定性を保持すること
から、ミシン糸等の衣料用やフィルター用短繊維として
極めて好適であり、また、かかる製造法によって延伸操
業性が著しく向上する。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、本発明の評価に用いた物性の測定方法は以下に
よる。破断強度、破断伸度:テンシロンにより糸長50
mm、引っ張り速度20cm/分で測定した。沸水処理
後の伸度10%時の強度:試料を布に包み、130℃に
熱水中に30分間浸漬した後取り出し軽く吸水紙で水を
切る。風乾後上記の引っ張り試験機により伸度10%の
強度を測定する。 乾熱収縮率:1/15g/dの初荷重下の長さL0 を測
定後、160℃×30分の乾熱処理を行い、同様の荷重
下で長さL1 を測定し、次式から算出した。 乾熱収縮率(%)=L0 −L1 /L0 ×100 極限粘度(IV):オルトクロロフェノール溶液とし
て、オストワルド粘度計を用いて測定した。
【0015】実施例1 極限粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートを2
90℃で溶融し、ギアポンプより紡糸口金から吐出し、
紡速1100m/分でトウ缶に受け、太さ4.2デニー
ルの未延伸糸を作成した。次に、この未延伸糸を70℃
の温浴中で第1段延伸、170℃の雰囲気下で第2段延
伸、220℃の加熱ローラー間で第3段延伸および6秒
の熱処理、200℃の雰囲気下で4秒×7秒の弛緩熱処
理、冷却ローラーで30℃まで強制冷却した後、再びそ
の延伸糸を95℃まで加熱し、クリンパーによって捲縮
を付与、それにカットすることでポリエステル短繊維を
得た。本例で用いた延伸条件、熱処理条件、冷却条件と
得られた繊維の物性および延伸操業条件を表1に示す。
【0016】実施例2 実施例1と同じ未延伸糸を第1、2段は実施例1と同様
に延伸した後、220℃の加熱ローラー間で第3段延伸
および4.5秒の熱処理、180℃の雰囲気下で4%×
5.3秒の弛緩熱処理、以下実施例1と同様にポリエス
テル短繊維を得た。本例で用いた延伸条件、熱処理条
件、冷却条件と得られた繊維の物性および延伸操業条件
を表1に示す。
【0017】比較例1 実施例1と同じ未延伸糸を70℃の温浴中で第1段延
伸、170℃の雰囲気下で第2段延伸、220℃の加熱
ローラーで6秒の熱処理、200℃の雰囲気下で4%×
7秒の弛緩熱処理、引き続き加熱ローラーでトウの温度
をガラス転移点以上に保ったまま、クリンパーで捲縮を
付与、それをカットすることでポリエステル短繊維を得
た。本例で用いた延伸条件、熱処理条件、冷却条件と得
られた繊維の物性および延伸操業条件を表1に示す。
【0018】比較例2 実施例1と同じ未延伸糸を70℃の温浴中で第1段延
伸、170℃の雰囲気下で第2段延伸、220℃の加熱
ローラーで4.5秒の熱処理、200℃の雰囲気下で4
%×5.3秒の弛緩熱処理、引き続き加熱ローラーでト
ウの温度をガラス転移点以上に保ったまま、クリンパー
で捲縮を付与、それをカットすることでポリエステル短
繊維を得た。本例で用いた延伸条件、熱処理条件、冷却
条件と得られた繊維の物性および延伸操業条件を表1に
示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の製造方法による
ポリエステル短繊維は、高モジュラスで、且つ低収縮で
あり、耐高速縫製や寸法安定性が期待され、ミシン糸等
の紡績糸用あるいは、フィルター用原綿の製造に極めて
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 1/22 J // D02G 3/46

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる構成単
    位とするポリエステルを溶融紡糸し、紡速1500m/
    分以下で引き取って未延伸糸トウとなし、該未延伸糸ト
    ウを2段以上の多段で延伸した後、220〜240℃の
    温度で緊張又は定長下に熱処理し、更に200〜220
    ℃の温度で弛緩熱処理し、続いて高温下に保たれたトウ
    を緊張状態で一旦ガラス転移点以下まで強制冷却し、し
    かる後捲縮を付与することを特徴とするポリエステル捲
    縮短繊維の製造方法。
JP32202993A 1993-12-21 1993-12-21 ポリエステル捲縮短繊維の製造方法 Pending JPH07173737A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114108111A (zh) * 2020-08-27 2022-03-01 中国石油化工股份有限公司 一种仿棉型涤纶短纤维及其制备方法
CN114574981A (zh) * 2021-12-07 2022-06-03 浙江恒逸高新材料有限公司 一种涡流纺专用涤纶短纤维的制备方法

Cited By (4)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114108111A (zh) * 2020-08-27 2022-03-01 中国石油化工股份有限公司 一种仿棉型涤纶短纤维及其制备方法
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