JPH0716762A - アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法 - Google Patents

アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法

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JPH0716762A
JPH0716762A JP18926393A JP18926393A JPH0716762A JP H0716762 A JPH0716762 A JP H0716762A JP 18926393 A JP18926393 A JP 18926393A JP 18926393 A JP18926393 A JP 18926393A JP H0716762 A JPH0716762 A JP H0716762A
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英之亮 山中
Shigeki Shimizu
茂樹 清水
Hiroshi Yamada
浩 山田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 優れた耐アブレシブ摩耗性と耐凝着摩耗性お
よび耐塑性変形性を有した硬化層を形成することができ
るアルミニウム材またはアルミニウム合金材の表面硬化
方法をを提供する。 【構成】 表面が硬化されるアルミニウム(Al)材1
を示しており、このアルミニウム材1の硬化すべき表面
には溝2が設けられている。この溝2には肉盛材3が装
填されているが、この肉盛材3としては、銅のパイプ4
に耐凝着性材としてWC−17 vol%Co5を充填し、
それを板状に圧延したものを用いた。この材料は、電子
ビーム溶接機内に入れられ、肉盛材3部分に電子ビーム
が照射される。肉盛材3部分は電子ビームの照射によっ
て加熱,溶融され、その結果、パイプ4の材料である銅
とアルミニウムの金属間化合物とアルミニウムが存在す
るマトリックス合金中に耐凝着性材が均一分散した肉盛
合金が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐アブレシブ摩
耗性と耐凝着摩耗性および耐塑性変形性を有したアルミ
ニウム材あるいはその合金材を製作することができるア
ルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材やその合金材は、軽量で
あるという優れた特性を有しており、各種機器、構造物
などに広く使用されているが、他の金属や合金に比較し
て硬さが低く、耐摩耗性が劣っている。そのため、対摩
耗性が要求される摺動部などに用いる場合には、従来か
らイオン注入,表面焼入れ,硬質メッキ,イオン窒化,
拡散浸透熱処理,溶射などの手法や、更には、アーク,
電子ビーム,レーザービームを利用した溶接による肉盛
りなどの手法によりアルミニウム材あるいはその合金材
の表面の硬化を行い、それら材料の硬さや耐摩耗性の欠
点を補うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アーク
やレーザービーム溶接では、硬化肉盛合金にポロシティ
などの欠陥が多発しやすい欠点を有している。一方、電
子ビーム溶接による硬化肉盛合金の形成は、電子ビーム
溶接が高真空中で行われるためにポロシティなどの欠陥
はほとんど発生しない有利さがある。更に、電子ビーム
溶接では、溶接割れが発生しても、電子ビームによる再
溶融によりその部分を補修できる利点も有する。
【0004】このため、アルミニウム材あるいはその合
金材に電子ビームにより銅などの金属の肉盛溶接を行
い、アルミニウム材あるいはその合金材に硬化肉盛合金
層を形成する方式が多く実用化されている。しかしなが
ら、銅などの金属の肉盛合金は、アブレシブ摩耗(切削
あるいは掘り越しによる摩耗)に対して優れているが、
凝着摩耗(接触の局部が凝着し破壊することによる摩
耗)に対しては劣る欠点を有している。
【0005】この耐凝着摩耗性を向上させるために、セ
ラミックス粉末などの耐凝着性材を肉盛合金に添加しア
ルミニウム材あるいはその合金材の中に分散させること
が考えられる。特開平4−135068に開示されたア
ルミニウム部品の強化方法では、アルミニウム部品の強
化部を凹形にし、セラミックス粉体と耐熱金属粉体の割
合をほぼ1:1として混合粉体を供給し、供給と同時に
高密度エネルギー溶接により肉盛するようにしている。
しかしながら、この方法で高密度エネルギー溶接の方式
として、電子ビーム溶接を使用した場合、粉体が飛散し
溶接が不可能となる問題が生じる。
【0006】本発明は、上述した点に鑑みて成されたも
ので、優れた耐アブレシブ摩耗性と耐凝着摩耗性および
耐塑性変形性を有した硬化層を形成することができるア
ルミニウム材またはアルミニウム合金材の表面硬化方法
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に基づくアルミニ
ウム材あるいはその合金材の表面硬化方法は、アルミニ
ウム材あるいはその合金材の表面に、内部にセラミック
ス材あるいはセラミックス材と金属の混合材を有した金
属パイプを設け、この金属パイプ部分に電子ビームを照
射し、アルミニウム材あるいはその合金材に厚膜硬化肉
盛合金層を形成するようにしたことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明に基づくアルミニウム材あるいはその合
金材の表面硬化方法は、アルミニウム材あるいはその合
金材の表面に、内部にセラミックス材あるいはセラミッ
クス材と金属の混合材を有した金属パイプを設け、この
金属パイプ部分に電子ビームを照射し、アルミニウム材
あるいはその合金材に厚膜硬化肉盛合金層を形成して、
アルミニウム材あるいはその合金材の表面の硬化を行
う。
【0009】このセラミックス粉末などの耐凝着性材粉
末を充填した金属パイプの肉盛材は、板状に圧延される
ため、耐凝着性材粉末は金属に包まれて固形化してい
る。金属パイプにはアルミニウム材あるいはその合金材
となじみの良い金属が使用され、かつ板状の肉盛材はア
ルミニウム合金材表面に切削された溝の中に挿入されて
電子ビーム溶接されるため、溶融金属と耐凝着性材粉末
のなじみが良好となり、耐凝着性材粉末の飛散が少な
く、かつ、耐凝着性材粉末は溶融金属中にほぼ均一に分
散する。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。図1は表面が硬化されるアルミニウム(Al)材
1を示しており、このアルミニウム材1の硬化すべき表
面には深さが1mmで幅が4mmの溝2が設けられている。
この溝2には肉盛材3が装填されているが、この肉盛材
3としては、外径が3mm、内径が2mmの銅(Cu)のパ
イプ4に耐凝着性材としてWC−17 vol%Co(炭化
タングステンにコバルトを含有させたセラミックス材
料)5を充填し、それを1mm×4mm断面の板状に圧延し
たものを用いた。
【0011】上記図1に示した材料は、図示していない
が電子ビーム溶接機内に入れられ、アルミニウム材1の
肉盛材3部分に電子ビームが照射される。この電子ビー
ムの照射は、肉盛材3に沿って行われ、肉盛材3部分は
電子ビームの照射によって加熱され、肉盛材3は溶融し
てアルミニウム材1内部に分散する。すなわち、パイプ
4の材料である銅とアルミニウムの金属間化合物とアル
ミニウムが存在するマトリックス合金中に耐凝着性材が
均一分散した肉盛合金が形成される。
【0012】上記した方法に使用した肉盛材は、Cuが
75 vol%、WC−17%Coが25 vol%の配合比と
なる。この肉盛合金の外観の観察を行ったが、ビード外
観は良好であり、染色浸透探傷試験後も欠陥は認められ
なかった。また、顕微鏡で組織観察を行ったが、肉盛合
金中にWCはほぼ均一に分散し、マトリックス金属の組
織は主としてα(Al)およびα(Al)とθ(CuA
)の共晶であった。
【0013】上記した実施例では、セラミックス材とし
てWC−17%Coを用いたが、他のセラミックス材を
用いても良い。例えば、炭化チタン(TiC)粉末を銅
パイプ内に充填させて電子ビーム溶接を行ったが、同様
に良好な結果が得られた。図2は銅パイプ内に各種のセ
ラミックス材を充填させた肉盛材を用い、その上から電
子ビーム溶接を行ってアルミニウム材の表面硬化実験を
行った時の評価結果を示している。
【0014】この実験と合わせて、アルミニウム合金表
面に銅やニッケルなどの金属粉末とセラミックス粉末な
どの耐凝着性材粉末を溶射した被膜を肉盛材として電子
ビーム溶接して肉盛する方法を実験した。この溶射被膜
は金属パイプを使用する方法に比較して肉盛材の飛散が
多く、ビード外観が良好でなく、また、耐凝着性材の分
散が不均一で分散量が少なく、更に、溶け込み深さが2
mm未満の場合もあり、金属パイプを用いて電子ビーム溶
接を行った場合に比較して明らかに劣っていた。
【0015】図3はアルミニウムの母材(JIS A5
052)に対して各種肉盛材を用いた場合の大越式迅速
摩耗試験の結果を示したものである。図中点線のAはア
ルミニウムの母材のみの場合、点線のBは肉盛材として
Cuのみを用いた場合である。また、実線のCは肉盛材
としてCu+25 vol%(WC−17%Co)を用いた
場合、実線のDは肉盛材としてCu+48 vol%(WC
−17%Co)を用いた場合、一点鎖線のEは肉盛材と
してCu+52 vol%TiCを用いた場合を示してい
る。
【0016】なお、図3の横軸は摩擦速度であり、縦軸
は比摩耗量である。また、上記した摩耗試験は、回転円
板としてSUJ2(ビッカース硬さHV650)を用
い、面圧一定の条件(最終荷重2.1Kgf)および摩
擦距離600mの条件で行った。また、肉盛材の電子ビ
ーム溶接の条件は、加速電圧が40KV、ビーム電流が
70mAであった。
【0017】図3から明らかなように、セラミックス材
を銅パイプ内に充填した肉盛材を使用した場合には、い
ずれの摩耗条件においても、アルミニウム母材よりも比
摩耗量が小さく、優れた耐摩耗性を示している。また、
銅のみの肉盛合金に比較すると、摩擦速度が低い場合に
は比摩耗量が小さく優れた耐摩耗性を示している。
【0018】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこれらの実施例に限定されず幾多の変形が可能であ
る。例えば、母材としてアルミニウムを用いたが、アル
ミニウム合金材を母材とした場合にも本発明を適用する
ことができる。また、平板状の母材のみならず、円筒状
の母材の場合にも本発明を適用することができる。その
場合、円筒状の母材の周囲に溝を設け、その溝にリング
状の肉盛材を埋め込めば良い。更に、金属パイプの材料
として銅を用いたが、他の金属を用いても良く、また、
アルミニウム製のパイプを用いても良い。
【0019】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明では、アルミ
ニウム材あるいはその合金材の表面に、内部にセラミッ
クス材あるいはセラミックス材と金属の混合材を有した
金属パイプを設け、この金属パイプ部分に電子ビームを
照射し、アルミニウム材あるいはその合金材に厚膜硬化
肉盛合金層を形成したので、優れた耐アブレシブ摩耗性
と耐凝着摩耗性および耐塑性変形性を有した硬化層を形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるアルミニウム母材と
肉盛材の断面を示す図である。
【図2】アルミニウム材の表面硬化実験の評価結果を示
す図である。
【図3】各種肉盛材を用いた場合の大越式迅速摩耗試験
の結果を示した図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム母材 2 溝 3 肉盛材 4 銅パイプ 5 セラミックス材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. アルミニウム材あるいはその合金材の表面に、内部にセ
    ラミックス材あるいはセラミックス材と金属の混合材を
    有した金属パイプを設け、この金属パイプ部分に電子ビ
    ームを照射し、アルミニウムあるいはその合金材に厚膜
    硬化肉盛合金層を形成するようにしたアルミニウム材あ
    るいはその合金材の表面硬化方法。
JP18926393A 1993-07-01 1993-07-01 アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法 Expired - Lifetime JP2906012B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010150621A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Hitachi Ltd 複合材料および複合材料の製造方法
CN109648187A (zh) * 2019-02-12 2019-04-19 黄山学院 一种工具钢搅拌摩擦加工改性的方法及改性用填充板材结构

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