JPH0716608U - 自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 隠しスライドファスナーのスライダーで、安
定した停止機能を発揮し、かつ組立が容易である。 【構成】 スライダー胴体１の案内柱２の上部に設けた
縦長状の収納条溝４に停止用爪杆３を収め、爪杆３先端
の爪部１２を胴体１のガイド溝１１内に突出させ、爪杆
３後端の係止部１３を収納条溝４内の凹部５に嵌め、そ
の係止部１３の上部をＵ状の板バネ６が押圧するように
板バネ６を案内柱２の上部に配置した自動停止装置付隠
しスライドファスナー用スライダーであって、スライダ
ーの構成部品点数が少なく、しかもスライダーの組立が
簡易である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、隠しスライドファスナーに使用する自動停止機構を備えたスライ ダーであって、停止用の爪部を備えた爪杆と、バネ体である板バネとを別体に成 形して、スライダー胴体の案内柱上面に爪杆の一端と、板バネとを収納し、組立 てた自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、たとえば図９ に示すようにスライダー胴体３０における案内柱３１の上部に爪杆３２の収納条 溝３３を縦設するとともに、案内柱３１の前方側にコイルスプリング３４の収納 用孔部３５を凹設し、この孔部３５にコイルスプリング３４を収納し、コイルス プリング３４は爪杆３２の後端を圧接し、かつ爪杆３２は中央を軸着し、先端の 爪部３６の基部に引手の支軸３７を嵌挿し、爪杆３２における爪部３６が上下に 揺動できるように形成した自動停止装置付スライドファスナー用スライダーが知 られている。

【０００３】 さらに、図１０に示すように、スライダー胴体４１における案内柱４２の上部 にＭ字形の爪杆４３を収納する収納条溝４４を縦設するとともに、案内柱４２の 中央にコイルスプリング４５の収納用孔部４６を凹設し、収納条溝４４に爪杆４ ３を収納し、かつ孔部４６にコイルスプリング４５を収納して爪杆４３の中央凹 部を押圧する状態で孔部４６上端を打潰してコイルスプリング４５を固定し、爪 部４７の基部に引手の支軸４８を嵌挿し、爪杆４３における爪部４７が上下に揺 動できるように形成した自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダー（ 中華民国専利公報、公告第２０６３３号公報参照）が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来知られた自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、たとえ ば上述の第１例のように、最初にコイルスプリング３４の収納用孔部３５にコイ ルスプリング３４を収納し、その上方から爪杆３２の後端を圧接しながら爪杆３ ２を収納条溝３３に嵌入させ、次に爪杆３２の軸孔３８を案内柱３１に設けた軸 孔３９と重合させて後、この軸孔３８、３９に中空軸４０を嵌挿して両側をかし め固定したものであるから、スライダーの組立工程において、軸孔などの重合位 置決め、また中空軸のサイド側から加工など、スライダーの組立作業が複雑なこ と、またスライダーの構成部品点数が多く、安価なスライダーを得ることができ ないなどの問題点があった。

【０００５】 さらに第２例の場合は、爪杆４３の固定は中央においてコイルスプリングを単 に当てがって行うものであるから、きわめて不安定であること、たとえば、係止 部４９は上方から何ら保持されていないので、爪杆４７の先端に進入する力が加 わると、すなわち引手の操作でなくスライダーに開放方向へ摺動させる力が働く と、その反動で爪杆４３は支軸４８を中心としてコイルスプリング４５の弾力に 抗して、他端の係止部４９を上方へ浮き上らせ、胴体の案内柱４２との係合を解 かれ故障の原因となること、またスライダーの組立作業がきわめて面倒なことで ある。

【０００６】 この考案は、上述の問題点を解消するため考案されたもので、この考案におけ る自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、停止用爪杆３の係止 部１３を上方から板バネ６で包被して保護し、爪杆３の抜脱を防止し、安定した 停止機能が発揮できるように形成し、かつスライダーの組立作業が簡便に行える 自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーを提供することが目的であ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナ ー用スライダーは、スライダー胴体１の案内柱２の上部に爪杆３の収納条溝４を 縦設し、その上方に板バネ６の収納部７を設け、爪杆３は一端に爪部１２また他 端には係止部１３を突設し、板バネ６は一端側より他端側が変形量が大きい形態 に形成し、収納条溝４内で爪杆３の係止部１３が揺動できるように係止させると ともに、他端の爪部１２を胴体１の咬合子ガイド溝１１内に弾出させ、爪杆３の 係止部１３側を板バネ６で包被し、かつ板バネ６の変形量の大きい部分を爪部１ ２に向けて弾接させ、爪部１２の基部に引手１４を連結するための連結環１５の 支軸１６を嵌挿させた自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーを主 な構成としている。

【０００８】 また、スライダー胴体１の案内柱２の上部に配設した板バネ６の収納部７は、 前後に間隔をおいて係止突片８を収納条溝４の両側壁上面に突設して形成し、板 バネ６は側面形状がＵ字形を呈し、板バネ６の上板１７は幅広く形成され、上板 １７の下方に細板状の弾片１９が延設され、上板１７に設けた突片１８を係止突 片間８に嵌入させ、係止突片８を打潰させて板バネ６の上板１７を固定するとと もに、上板１７から延設された弾片１９が爪杆３の上面を押圧するように形成し た自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーである。

【０００９】 さらにスライダー胴体１の案内柱２の上部に配設した板バネ６の収納部７は、 前後に間隔をおいて係止突片８を収納条溝４の両側壁上面に突設して形成し、板 バネ６は側面形状がト字形を呈し、板バネ６は角板状の主板２０における中央部 分に縦長コ字状の切込みを設け、この部分を下方に起曲させて弾片２１を設け、 主板２０の中央横側に突片２２を形成し、この突片２２を係止突片８間に嵌入さ せ、係止突片８を打潰させて板バネ６の主板２０を固定するとともに、主板２０ から起設させた弾片２１が爪杆３の上面を押圧するように形成した自動停止装置 付隠しスライドファスナー用スライダーでもある。

【００１０】

【作用】

この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、上述のよ うな構成であり、その作用について説明すると、スライダー胴体１の案内柱２上 部に装備された爪杆３は、係止部１３側を板バネ６で包被し、板バネ６の変形量 の大きい部分を爪部１２に向けて弾接させたスライダーであるから、スライダー の摺動操作の際、引手１４を引張ると爪杆３が板バネ６の弾力に抗して浮上し、 咬合子列から爪部１２が抜脱しスライダーは前後いずれの方向へも摺動させるこ とがてきる。

【００１１】 また、引手を開放すると板バネ６の弾力によって、爪杆３先端の爪部１２が咬 合子間に圧入され、スライダーの移動を阻止する。なお、爪杆３の係止部１３は 板バネ６の変形の少ない部分で押圧包被されているのでスライダーの摺動操作の 際、係止部１３は胴体１から脱却することがない。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーの実施 例について、図面を参照しながら具体的に説明する。

【００１３】 この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、従来のこ の種のスライダーたとえば図９、図１０に示したスライダーを改良したものであ り、スライダー胴体１の咬合子をカイドする案内柱２の上部に爪杆３を収納でき る収納条溝４をスライダー胴体１の縦方向に凹設し、この収納条溝４の底部の一 部に凹部５が形成されている。そして両側壁上面には板バネ６を収納する収納部 ７が設けられ、この収納部７は側壁上面の外側部分に相前後して間隔をおいて係 止突片８が突設され、この係止突片８間に平坦部９が設けられ、さらに収納条溝 ４の延長線上の胴体１部分に爪孔１０が穿設され、咬合子のガイド溝１１に貫通 している。

【００１４】 一方、爪杆３は一端に爪部１２を直角に曲折した状態に突設され、他端には係 止部１３が爪部１２と同方向に突設され、かつ爪部１２の基部は凹曲面状に形成 され、引手１４を連結する連結環１５の支軸１６がこの部分に嵌挿される。

【００１５】 さらに板バネ６は、図４と図７に示すように代表的には二通りの形態がある、 まず図４に示す板バネ６は、側面形状が図５に示すようにＵ字形を呈し、板バネ ６の上板１７は幅広く形成され、中央横側に突片１８が突出状に形成され、そし て上板１７の終端から細板状の弾片１９が湾曲的に延設され、バネの変形量は弾 片１９の先端部が大きいように形成されている。

【００１６】 また図７に示す板バネ６は、側面形状が図８に示すようにト字形を呈し、角板 状の主板２０には中央に縦長コ字状の切込みを設け、この切込み部分を下方に起 曲させて、弾片２１を斜設した板バネである。そしてバネの変形量は弾片２１の 先端部が大きくなるように形成され、かつ主板２０の中央横側に突片２２が突出 状に形成されている。

【００１７】 この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、図１に示 すように胴体１、爪杆３、板バネ６、引手１４および連結環１５の５部品から構 成されたものであり、スライダーの組立てを説明すると、まず、案内柱２に設け られた収納条溝４に爪杆３を嵌装させるが、その際爪部１２の基部に引手１４を 連結するための連結環１５の支軸１６を嵌挿させ、この状態で係止部１３を凹部 ５に嵌入させ、爪部１２を爪孔１０に挿入させる。次に爪杆３の上面にＵ字形の 板バネ６の弾片１９を当接させ、この際弾片１９の先端が爪部１２方向を向くよ うにセットする。そして上板１７を案内柱２の上面の収納部７に載置するととも に、突片１８を係止突片８間の平坦部９に載嵌し、その後で係止突片８を打潰し て上板１７を固定し、板バネ６を配設してスライダーは完成する。

【００１８】 図６に示したスライダーの組立ては、上述のスライダーの組立てと同様に、胴 体１に爪杆３を嵌装し、その状態で爪杆３の上面に板バネ６の弾片２１を当接さ せるが、その際弾片２１の先端が爪部１２方向を向くようにセットし、そして主 板２０を案内柱２の上面の収納部７に載置するとともに、突片２２を係止突片８ 間の平坦部９に載嵌し、係止突片８を打潰して主板２０を固定し、板バネ６を配 設してスライダーの組立ては完了する。

【００１９】

【考案の効果】

この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、以上説明 したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏する。

【００２０】 この考案の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライダーは、胴体１の 案内柱２の上部に爪杆３の収納条溝４を縦設し、その上方に板バネ６の収納部７ を設け、爪杆３は一端に爪部１２、他端に係止部１３を突設し、板バネ６は一端 側より他端側が変形量が大きい形態に形成し、収納条溝４内で係止部１３が揺動 可能に係止させるとともに、爪部１２を胴体１内に弾出させ、係止部１３側を板 バネ６で包被し、かつ板バネ６の変形量の大きい部分を爪部１２に向けて弾接さ せたスライダーであるから、スライダーの摺動操作の際、爪杆３が確実に作動し 円滑な摺動操作が行える。さらに爪杆３の係止部１３側を板バネ６で包被し保護 しているので、係止部１３が胴体１から脱却することがなく長期の使用に耐えら れるスライダーであり、また、スライダーの構成部品が少なく、しかも側面から の加工もないからスライダーの組立て作業が簡易に行える利点がある。

【００２１】 この考案のスライダーは、案内柱２の上部に配設した板バネ６の収納部７は、 前後に間隔をおいて係止突片８を収納条溝４の両側壁上面に突設して形成し、板 バネ６はＵ字形を呈し、上板１７は幅広くかつ中央横側に突片１８が形成され、 上板１７の下方に細板状の弾片１９が延設され、突片１８を係止突片８間に嵌入 させ、係止突片８を打潰させて板バネ６の上板１７を固定するとともに、弾片１ ９が爪杆３の上面を押圧するように形成したから、理想的な弾性変形が行われる Ｕ字形の板バネ６を、簡単な構造および加工によって正確に案内柱２に装備させ ることができる利点がある。

【００２２】 さらにこの考案のスライダーに用いる板バネ６は、必ずしもＵ字形の板バネ６ でなくとも、たとえば主板２０の中央に縦長コ字状の切込みを設け、この部分を 下方に起曲して弾片２１を設け、ト字形の板バネ６であっても、理想的な弾性変 形が行われ、しかも板バネ６を簡単な構造および加工によって正確に案内柱２に 装備させることができる利点があるなど、その効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動停止装置付隠しスライドファスナー用スラ
イダーの分解斜視図である。

【図２】図１に示した自動停止装置付隠しスライドファ
スナー用スライダーの平面図である。

【図３】図１に示した自動停止装置付隠しスライドファ
スナー用スライダーの縦断面図である。

【図４】Ｕ字形の板バネの平面図である。

【図５】図４に示したＵ字形の板バネの側面図である。

【図６】他の実施例の自動停止装置付隠しスライドファ
スナー用スライダーの縦断面図である。

【図７】ト字形の板バネの平面図である。

【図８】図７に示したト字形の板バネの側面図である。

【図９】公知例を示した自動停止装置付隠しスライドフ
ァスナー用スライダーの縦断面図である。

【図１０】他の公知例を示した自動停止装置付隠しスラ
イドファスナー用スライダーの縦断面図である。

【符号の説明】

１ 胴体 ２ 案内柱 ３ 爪杆 ４ 収納条溝 ６ 板バネ ７ 収納部 ８ 係止突片 １２ 爪部 １３ 係止部 １６ 支軸（連結環） １７ 上板 １８ 突片 １９ 弾片 ２０ 主板 ２１ 弾片 ２２ 突片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴体１の案内柱２の上部に爪杆３の収納
   条溝４を縦設し、その上方に板バネ６の収納部７を設
   け、爪杆３は一端に爪部１２、他端に係止部１３を突設
   し、板バネ６は一端側より他端側が変形量が大きい形態
   に形成し、収納条溝４内で係止部１３が揺動可能に係止
   させるとともに、爪部１２を胴体１内に弾出させ、係止
   部１３側を板バネ６で包被し、かつ板バネ６の変形量の
   大きい部分を爪部１２に向けて弾接させ、爪部１２の基
   部に引手の支軸１６を嵌挿させたことを特徴とする自動
   停止装置付隠しスライドファスナー用スライダー。
2. 【請求項２】 案内柱２の上部に配設した板バネ６の収
   納部７は、前後に間隔をおいて係止突片８を収納条溝４
   の両側壁上面に突設して形成し、板バネ６はＵ字形を呈
   し、上板１７は幅広くかつ中央横側に突片１８が形成さ
   れ、上板１７の下方に細板状の弾片１９が延設され、前
   記突片１８を係止突片８間に嵌入させ、係止突片８を打
   潰させて板バネ６の上板１７を固定するとともに、弾片
   １９が爪杆３の上面を押圧するように形成した請求項１
   記載の自動停止装置付隠しスライドファスナー用スライ
   ダー。
3. 【請求項３】 案内柱２の上部に配設した板バネ６の収
   納部７は、前後に間隔をおいて係止突片８を収納条溝４
   の両側壁上面に突設して形成し、板バネ６は主板２０の
   中央に縦長コ字状の切込みを設け、該部を下方に起曲さ
   せて弾片２１を設け、主板２０の中央横側に突片２２を
   形成し、この突片２２を係止突片８間に嵌入させ、係止
   突片８を打潰させて板バネ６の主板２０を固定するとと
   もに、弾片２１が爪杆３の上面を押圧するように形成し
   た請求項１記載の自動停止装置付隠しスライドファスナ
   ー用スライダー。