JPH07165878A - 封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH07165878A
JPH07165878A JP31385993A JP31385993A JPH07165878A JP H07165878 A JPH07165878 A JP H07165878A JP 31385993 A JP31385993 A JP 31385993A JP 31385993 A JP31385993 A JP 31385993A JP H07165878 A JPH07165878 A JP H07165878A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
formula
dicyclopentadiene
chemical
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Withdrawn
Application number
JP31385993A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shiraki
啓之 白木
Yasuo Fukuhara
康雄 福原
Masaaki Otsu
正明 大津
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半田付け工程などで高温にさらされたときに
クラックが発生しにくい封止品が得られる半導体封止用
エポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記式化1で表されるジシクロペンタジエン
・フェノール重合体型エポキシ樹脂(A)及びジシクロ
ペンタジエン・フェノール重合体(B)を含有してなる
封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体等の電子部品の
封止に利用されるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体等の電子部品を熱硬化性樹
脂組成物を用いて封止する方法が一般に行なわれてい
る。この場合、熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ
樹脂組成物が最も一般的に用いられている。このエポキ
シ樹脂組成物は、例えば、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族環
状エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;フェノールノボラッ
ク等の硬化剤;三級アミン、イミダゾール等の硬化促進
剤;シリカ、アルミナ等の無機粉末からなる無機充填
材;シランカップリング剤等のカップリング剤;カルナ
ウバワックス、ステアリン酸等の離型剤;カーボンブラ
ック等の着色剤等から構成されている。
【0003】最近では電子部品の小型化、薄型化のた
め、半導体の実装方式が、従来のピン挿入方式(DI
P:デュアル・インライン・パッケージ等)から、表面
実装方式(SOP:スモール・アウトライン・パッケー
ジ、QFP:クォッド・フラット・パッケージ等)へと
移行しつつある。表面実装方式の場合、半導体パッケー
ジは、赤外線リフローによる半田付け工程等で高温処理
(例えば、210〜270℃)され、その際にはパッケ
ージ全体が高温加熱されることになる。上述の、従来の
エポキシ樹脂組成物を使用して封止したパッケージで
は、この工程で、クラックが発生したり、大幅に耐湿性
が低下する等の問題が生じる場合があった。
【0004】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装までの間に吸収された水分が半田付
け工程の加熱で爆発的に水蒸気化し膨張することに起因
すると言われている。そこで、その対策として、後硬化
したパッケージを完全に乾燥し、容器に収納し、密封し
て出荷する方法が採用されている。しかし、この方法は
製品の取り扱い作業が煩雑であるという欠点がある。
【0005】また、封止用樹脂組成物自体の改良も種々
検討されている。例えば、特開昭64−87616号、
特開平1−108256号にはエポキシ樹脂としてビフ
ェニル型エポキシ樹脂を用い、硬化剤としては一般の硬
化剤を用いる組成物が提案されている。また、特開昭6
2−184020号、特開昭62−104830号等に
は、硬化剤としてジシクロペンタジエン・フェノール重
合体を用い、エポキシ樹脂としては一般のエポキシ樹脂
を用いる組成物が提案されている。しかし、これら提案
されている組成物では、いまだ十分な効果が得られてお
らず、改良の余地があった。
【0006】このような事情に鑑み、本発明者等は特開
平3−166220号においてビフェニル型エポキシ樹
脂及びジシクロペンタジエン・フェノール重合体を含ん
でいる組成物を提案している。この組成物は、低吸湿性
であり、半田クラック性は改良されている。しかし、最
近の半導体チップの大型化に伴い、大型チップを封止し
て収納するパッケージ等において、半田クラック性のさ
らなる改良が求められるようになってきている。また、
この組成物は成形時にバリが発生する場合があり、成形
性についても改良すべき課題があることがわかってき
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑みて、
半田付け工程での半田クラックの発生という従来技術の
問題点を解決することが本発明の課題であり、加えて成
形時のバリの発生という問題点を解決することが本発明
のさらなる課題である。すなわち、本発明は半田付け工
程などで高温にさらされたときにクラックが発生しにく
い封止品が得られる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を
提供することを目的としており、さらに加えて、成形時
のバリの発生が少ない半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】半田付け工程での半田ク
ラックの発生を低減するという課題を解決するために、
本発明に係る封止用エポキシ樹脂組成物は下記式化7で
表されるジシクロペンタジエン・フェノール重合体型エ
ポキシ樹脂(A)及び下記式化8で表されるジシクロペ
ンタジエン・フェノール重合体(B)を含有することを
特徴とする。また、加えて、成形時のバリの発生を低減
するという課題をも解決するためには、本発明に係る封
止用エポキシ樹脂組成物は下記式化9で表される構造を
有するノボラック変成化合物(C)をも含有することが
望ましい。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
封止用エポキシ樹脂組成物の必須成分の1つであるジシ
クロペンタジエン・フェノール重合体型エポキシ樹脂
(A)はジシクロペンタジエン骨格を有するため、得ら
れる封止品が低い吸湿性と高い熱時強度を持つようにな
る。
【0013】第2の必須成分であるジシクロペンタジエ
ン・フェノール重合体(B)は硬化剤である。このよう
な硬化剤を必須成分とすることにより、硬化物の吸湿性
が小さくなり、かつ、一般のフェノールノボラックを硬
化剤として用いた場合と同等の耐熱性を持つようにな
る。上記式化8中の繰り返し単位数bは0以上であれば
よいが、有効な耐熱性及び/または吸湿性を示すという
点から0〜5の範囲内であることが好ましい。
【0014】本発明で含有することが望ましい、上記式
化9で表される構造を有するノボラック変性化合物
(C)はグリシジルエーテル基を有しているエポキシ化
合物であり、エポキシ樹脂とフェノールノボラックを反
応して得られるプレポリマーである。このようにエポキ
シ樹脂をプレポリマー化して用いることにより、組成物
中の低分子量成分(モノマー)が減少し、その結果、成
型時のバリが低減することになり、成型作業性を向上さ
せることができる。また、ノボラック変性化合物(C)
が、上記式化9中のXが次の3種類の有機基である場合
には、得られるパッケージの実装時の半田付け工程等に
おけるクラックの発生をさらに低減することができる。
3種類の有機基とは下記式化10で表されるビフェニル
骨格を有する有機基、下記式化11で表されるジシクロ
ペンタジエン系の有機基及び下記式化12で表されるジ
シクロペンタジエン系の有機基の3種である。
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】上記式化9で表される構造を有するノボラ
ック変性化合物(C)を得る方法については、特に限定
されず、エポキシ樹脂とフェノールノボラックが十分溶
融する温度以上(例えば120℃以上)で長時間(例え
ば3時間)、無触媒下または各種触媒存在下で両樹脂を
溶融混合し、プレポリマー化させる方法等があげられ
る。
【0019】また、上記式化9で表される構造を有する
ノボラック変性化合物(C)の封止用エポキシ樹脂組成
物中の含有割合としては全エポキシ樹脂中5〜50重量
%が望ましく、5重量%未満だと成型時のバリの低減が
期待できず、また、50重量%を越えると急激に溶融粘
度が上昇するためパッケージ成型時の充填性に悪影響を
及ぼし、未充填、ワイヤースイープ現象、ダイパッドの
変形等、成型不良が多発する。
【0020】本発明において、上記ジシクロペンタジエ
ン・フェノール重合体型エポキシ樹脂(A)を必須成分
として含んでいれば、他のエポキシ樹脂を併用しても良
い。例えば、一般に使用されているフェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂等を、この発明の効果を阻害しない範囲で適宜
何種類でも併用することができる。また、硬化剤につい
ても、上記ジシクロペンタジエン・フェノール重合体
(B)を必須成分として含んでいれば、例えばフェノー
ルノボラック、クレゾールノボラック等の他の硬化剤を
併用しても良い。
【0021】なお、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物
中のエポキシ樹脂と硬化剤との当量比は、特に限定はし
ないが、全エポキシ樹脂のエポキシ基数/全硬化剤のフ
ェノール性水酸基数の比が0.7/1.0〜1.3/
1.0であることがが望ましく、0.95/1.0〜
1.2/1.0がより望ましい。0.7/1.0未満で
あると、フェノール性水酸基が反応で多く残存するため
耐湿性の低下が起こり、また1.3/1.0を越える
と、未反応のエポキシ基が多く残存するため、ブリード
アウト等の金型汚れの問題が生じてくる。
【0022】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、
上記必須成分以外にも、必要に応じて、適当な硬化促進
剤、低応力化剤、無機充填材、カップリング剤、離型
剤、着色剤、添加剤、難燃剤等を加えることができる。
【0023】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物に加え
ることができる硬化促進剤としては、例えば、1,8−
ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリ
エチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタ
ノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2
−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール
等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジ
フェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェ
ニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィ
ン類(リン系硬化促進剤);テトラフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテ
トラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン
テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等
が例示できる。本発明では、硬化促進剤として上記のリ
ン系硬化促進剤を使用すると、耐湿信頼性が向上すると
いう格別の効果を奏する。
【0024】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物に加え
ることができる低応力化剤としては例えばシリコーン重
合体等があり、シリコーン重合体の場合はシリコーン系
相溶化剤を併用して加えることが望ましい。そして、こ
のシリコーン重合体としては自硬化性シリコーンゴムあ
るいはゲルが望ましく、自硬化性シリコーンゴムあるい
はゲルについては、互いに反応可能な官能基をそれぞれ
持つ二種類のシロキサン化合物の混合物や単一構造をも
つもの、例えば、ビニル基含有シロキサンの付加重合タ
イプ等がある。これら、自硬化性シリコーンゴムあるい
はゲルは通常硬化前は液状であり、二液または一液タイ
プである。具体的には、両末端にビニル基を持つポリジ
メチルシロキサンとSiH基含有ポリジメチルシロキサ
ンを白金触媒等で硬化させるタイプがあり、本発明にお
いてはこのビニル,SiH付加型のシリコーンゴムが最
も適している。また、シリコーンゴムあるいはゲルと共
に用いられるシリコーン系相溶化剤は、反応性、相溶性
の点で、エポキシ基やハイドロジェン基を有するポリオ
キシアルキレン変性シリコーンが好ましく、配合割合は
重量比で相溶化剤/自硬化性シリコーンゴム=1/99
9〜20/80の範囲であることが望ましい。この比が
1/999未満ではシリコーンゴムの分散性が悪く、低
応力性が期待できず、20/80を越えると、パッケー
ジ成形品表面の捺印性の低下が起こり易くなる。そし
て、低応力化剤を配合することにより耐ヒートショック
性の向上が可能になる。
【0025】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物に加え
ることができる無機充填材としては、例えば、シリカや
アルミナなど通常の封止用エポキシ樹脂組成物に用いら
れるものが挙げられる。また、カップリング剤として
は、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシラ
ンカップリング剤が挙げられる。また、離型剤として
は、例えば、カルナウバワックス、ステアリン酸、モン
タン酸等が挙げられ、着色剤としては、例えば、カーボ
ンブラックなどがある。しかし、ここに例示したものに
限定されるわけではない。
【0026】また、以上の配合成分からなる封止用エポ
キシ樹脂組成物を成型材料とするには、配合成分を均一
に混合し、加熱溶融、冷却、粉砕する通常のプロセスで
製造することができる。その際に使用する装置として
は、例えば、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ロール
等が挙げられる。
【0027】
【作用】本発明に係る封止用エポキシ樹脂組成物がジシ
クロペンタジエン・フェノール重合体型エポキシ樹脂
(A)及びジシクロペンタジエン・フェノール重合体
(B)を含有することは得られる硬化物が高い耐熱性と
低い吸湿性を持つように作用する。さらにノボラック変
性化合物(C)を含有することはノボラック変性化合物
(C)がエポキシ樹脂とフェノールノボラックを反応し
て得られるプレポリマーであるため、組成物中の低分子
量成分(モノマー)が減少し、溶融粘度を高める作用を
し、その結果、成型時のバリを低減できるようになる。
【0028】また、ノボラック変性化合物(C)が、前
記式化10で表されるビフェニル骨格を有する有機基、
前記式化11で表されるジシクロペンタジエン系の有機
基または前記式化12で表されるジシクロペンタジエン
系の有機基を有する構造の場合には、ノボラック変性化
合物(C)を含有することは熱時強度を向上する作用を
し、その結果、実装時の半田付け工程等におけるクラッ
クの発生がさらに低減できるようになる。
【0029】また、リン系の硬化促進剤を含有すること
は耐湿信頼性を向上させ、また、低応力化剤としてポリ
オキシアルキレン変性シリコーン及び自硬化性ポリオル
ガノシロキサンを含有することは、硬化物の弾性率を下
げる作用をし、その結果、得られるパッケージ成形品の
耐ヒートショック性を向上できるようになる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例及び比較例
を示す。 (実施例1〜9及び比較例1、2)表1〜表3に示す原
材料を同表に示す割合で配合し、さらに無機充填材とし
て平均粒子径14μmの溶融シリカを290重量部、カ
ップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランを2重量部、離型剤としてカルナウバワックスを1
重量部、着色剤としてカーボンブラックを1重量部配合
し、得られた配合物を加熱ロールにより、混練温度85
℃で8分間混練した。その後、約5mmφに粉砕し、半
導体封止用樹脂組成物(エポキシ樹脂成型材料)を作製
した。
【0031】表1〜表3に示す各原材料の詳細について
説明する。ジシクロペンタジエン・フェノール重合体型
エポキシ樹脂(A)としては、前記式化7で表され、エ
ポキシ当量が262、融点(軟化点)が65℃のエポキ
シ樹脂「EXA7200」(大日本インキ化学工業株式
会社の商品名)を用いた。ビフェニル型エポキシ樹脂と
しては、下記式化13で表される(但し、式中のaは
0)、エポキシ当量195、融点105℃のエポキシ樹
脂「YX4000H」(油化シェルエポキシ株式会社の
商品名)を用いた。また、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂としては、エポキシ当量195、融点70℃の
エポキシ樹脂「ESCN195XL」(住友化学工業株
式会社の商品名)を用いた。
【0032】
【化13】
【0033】前記式化8で表されるジシクロペンタジエ
ン・フェノール重合体(B)としてはその構造式が下記
式化14で示される、平均分子量550、OH当量18
0、融点101℃のフェノール系硬化剤「DPR500
0」(三井東圧化学株式会社の商品名)を用いた。ま
た、(B)以外の硬化剤としては、OH当量104、融
点82℃のフェノールノボラック「タマノール752」
(荒川化学工業株式会社の商品名)を用いた。
【0034】
【化14】
【0035】表1〜表3のエポキシ樹脂の欄に示したノ
ボラック変性化合物(C)として次の3種類の化合物
(C−1、C−2及びC−3)を下記に示す方法により
合成して用いた。
【0036】 (C−1の合成) 前記のビフェニル型エポキシ樹脂「YX4000H」−−−390重量部 前記のフェノールノボラック「タマノール752」 −−−105重量部 トリフェニルホスフィン(TPP) −−−0.3重量部 以上の原料を配合したものを、150℃で4時間加熱す
ることにより、Xが前記式化10(式中のeは0)で表
されるビフェニル骨格を有する有機基である、前記式化
9で表される構造を有するノボラック変性化合物(C−
1)を合成した。
【0037】 (C−2の合成) 下記式化15の構造のエポキシ樹脂「ZX−1257」──514重量部 〔「ZX−1257」は東都化成株式会社の商品名〕 前記のフェノールノボラック「タマノール752」 ──105重量部 トリフェニルホスフィン(TPP) ──0.4重量部 以上の原料を配合したものを、150℃で4時間加熱す
ることにより、Xが前記式化11で表されるジシクロペ
ンタジエン系の有機基である、前記式化9で表される構
造を有するノボラック変性化合物(C−2)を合成し
た。なお、エポキシ樹脂「ZX−1257」は下記式化
15の構造を有する、エポキシ当量が257、融点(軟
化点)が52℃のエポキシ樹脂である。
【0038】
【化15】
【0039】 (C−3の合成) 前記のジシクロペンタジエン・フェノール重合体型エポキシ樹脂 「EXA7200」 ──364重量部 前記のフェノールノボラック「タマノール752」 ──105重量部 トリフェニルホスフィン(TPP) ──0.3重量部 以上の原料を配合したものを、150℃で4時間加熱す
ることにより、Xが前記式化12で表されるジシクロペ
ンタジエン系の有機基である、前記式化9で表される構
造を有するノボラック変性化合物(C−3)を合成し
た。
【0040】表1〜表3の硬化促進剤の欄の2E4MZ
は2−エチル−4−メチルイミダゾールを示し、TPP
はトリフェニルホスフィンを示している。また、実施例
9において使用した低応力化剤は、相溶化剤であるハイ
ドロジェン基含有ポリオキシアルキレン変性シリコーン
(水素当量2500、東芝シリコーン株式会社製、品番
MDT−20)10重量部と自硬化性シリコーンゴムで
あるポリオルガノシロキサン(東レダウコーニングシリ
コーン株式会社製、品番SE1821)90重量部とか
らなるものを用いた。なお、このポリオルガノシロキサ
ンは二液タイプのビニル,SiH付加型のシリコーンゴ
ムである。
【0041】上記で得られた半導体封止用樹脂組成物
(エポキシ樹脂成型材料)を、トランスファー成型機を
用いて170〜175℃で90秒間成型し、次いで17
5℃で6時間の後硬化をして、下記の吸湿率、熱時強
度、耐半田クラック性、ヒートショック性及び吸湿半田
後の耐湿信頼性の各評価用サンプルを得た。各種性能
を、次に示す方法により測定、評価し、得られた結果を
表1〜表3に示した。
【0042】(1)バリ 各実施例及び比較例の封止用樹脂組成物(エポキシ樹脂
成型材料)を、トランスファー成型機と20μmのスリ
ットを備えるバリ評価用金型を用いて170〜175℃
で90秒間成型し、20μmのスリットに発生したバリ
の長さを測定して評価した。
【0043】(2)吸湿率 50mmφ、3.0mm厚の円板を評価用サンプルとし
て上記の条件で作製し、この評価用サンプルを85℃、
85%RHで72時間吸湿させたときの重量変化より吸
湿率を求めた。
【0044】(3)熱時強度 100mm×10mm×4mmの曲げ試験用サンプルを
上記の条件で作製し、この試験用サンプルを用いて、J
ISK−6911に準拠して、240℃の雰囲気での曲
げ試験を行い、得られた破壊応力値から熱時曲げ強度を
求め、熱時強度とした。
【0045】(4)半田クラック性 8mm×17mm×0.4mmの大きさの半導体チップ
を、42アロイよりなるリードフレームに銀ペーストを
用いて装着し、次いでこの半導体チップを、外形幅が4
00ミルの26ピンSOP成型用の金型を用いて、上記
の条件で各実施例及び比較例の封止用樹脂組成物により
封止成型及び後硬化を行なって評価用サンプルを得た。
得られた半導体チップが封止されている評価用サンプル
を、85℃、85%RHで72時間吸湿させた後、26
0℃の半田槽に10秒間浸漬して評価した。評価法はサ
ンプルの外観観察、及び超音波探査装置によるサンプル
の内部観察により行なった。得られた結果を表1〜表3
に、(クラックの発生したサンプル数)/(10秒間浸
漬した総サンプル数)として示した。
【0046】(5)ヒートショック性 上記(4)耐半田クラック性の試験の場合と同じ、半導
体チップが封止されている評価用サンプルを作製し、こ
の評価用サンプルについて、液相中で低温側−65℃5
分間、高温側150℃5分間の加熱・冷却サイクル試験
を500サイクル行なった。このサイクル試験を終えた
サンプルについて、クラックの発生の有無を調べた。評
価法はサンプルの外観観察により行なった。得られた結
果を表1〜表3に、(クラックの発生したサンプル数)
/(サイクル試験した総サンプル数)として示した。
【0047】(6)吸湿半田後の耐湿信頼性(USPC
BT) 線幅3μmのクシ形アルミニウム配線回路を備える、ガ
ラス系保護膜付きの、8mm×17mm×0.4mmの
大きさの半導体チップ(評価用半導体素子)を、42ア
ロイよりなるリードフレームに銀ペーストを用いて装着
し、次いでこの半導体チップを、外形幅が400ミルの
26ピンSOP成型用の金型を用いて、上記の条件で各
実施例及び比較例の封止用樹脂組成物により封止成型及
び後硬化を行なって評価用サンプルを得た。得られた評
価用半導体素子が封止されている評価用サンプルを、8
5℃、85%RHで72時間吸湿させた後、260℃の
半田槽に10秒間浸漬した。次いで138.5℃、85
%RHの条件下で20Vの300時間の連続通電試験を
行った。この通電試験を終えたサンプルについて、抵抗
値を調べ試験前の初期値から大きく抵抗値が変化したも
のを不良とした。得られた結果を表1〜表3に、(不良
個数)/(試験した総サンプル個数)として示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】表1〜表3から明らかなように、本発明の
実施例は比較例に比べ半田付け工程での半田クラックの
発生が少なくなっている。また、前記式化9で表される
構造を有するノボラック変成化合物(C)をも含有して
いる実施例2〜9では実施例1及び比較例に比べ成形時
のバリの発生が少なくなっている。
【0052】
【発明の効果】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は上
記のように構成されているので下記の効果を奏する。
【0053】請求項1記載の発明に係る封止用エポキシ
樹脂組成物によれば、得られる封止品(パッケージ)が
半田付け工程などで高温にさらされたときにクラックが
発生しにくくなるという効果を奏する。
【0054】請求項2記載の発明に係る封止用エポキシ
樹脂組成物によれば、請求項1記載の発明の効果に加え
て、成形時のバリの発生が少ないので成型作業性が改善
されるという効果を奏する。
【0055】請求項3〜7記載の発明に係る封止用エポ
キシ樹脂組成物によれば、請求項1記載の発明の効果に
加えて、半田付け工程などで高温にさらされたときにク
ラックがさらに発生しにくくなる効果を奏する。
【0056】請求項8記載の発明に係る封止用エポキシ
樹脂組成物によれば、上記の効果に加えて、得られる封
止品(パッケージ)の耐湿信頼性が向上するという効果
を奏する。
【0057】請求項9記載の発明に係る封止用エポキシ
樹脂組成物によれば、上記の効果に加えて、得られる封
止品(パッケージ)のヒートショック性が改善されると
いう効果を奏する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式化1で表されるジシクロペンタジ
    エン・フェノール重合体型エポキシ樹脂(A)及び下記
    式化2で表されるジシクロペンタジエン・フェノール重
    合体(B)を含有してなる封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 下記式化3で表される構造を有するノボ
    ラック変成化合物(C)をも含有する請求項1記載の封
    止用エポキシ樹脂組成物。 【化3】
  3. 【請求項3】 前記式化3中のXが下記式化4で表され
    るビフェニル骨格を有する有機基であることを特徴とす
    る請求項2記載の封止用エポキシ樹脂組成物。 【化4】
  4. 【請求項4】 前記式化3中のXが下記式化5で表され
    るジシクロペンタジエン系の有機基であることを特徴と
    する請求項2記載の封止用エポキシ樹脂組成物。 【化5】
  5. 【請求項5】 前記式化3中のXが下記式化6で表され
    るジシクロペンタジエン系の有機基であることを特徴と
    する請求項2記載の封止用エポキシ樹脂組成物。 【化6】
  6. 【請求項6】 前記ノボラック変性化合物(C)の含有
    割合が全エポキシ樹脂中の5〜50重量%であることを
    特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかに記載
    の封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 全エポキシ樹脂のエポキシ基数/全硬化
    剤のフェノール性水酸基数の比が0.7/1.0〜1.
    3/1.0であることを特徴とする請求項1から請求項
    6までのいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 リン系の硬化促進剤を含有していること
    を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記
    載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 低応力化剤としてポリオキシアルキレン
    変性シリコーン及び自硬化性ポリオルガノシロキサンを
    含有し、かつ、ポリオキシアルキレン変性シリコーン/
    自硬化性ポリオルガノシロキサンの重量比が1/999
    〜20/80であることを特徴とする請求項1から請求
    項8までのいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成
    物。
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