JPH07165510A - 消毒液 - Google Patents

消毒液

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JPH07165510A
JPH07165510A JP35547793A JP35547793A JPH07165510A JP H07165510 A JPH07165510 A JP H07165510A JP 35547793 A JP35547793 A JP 35547793A JP 35547793 A JP35547793 A JP 35547793A JP H07165510 A JPH07165510 A JP H07165510A
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acid
silver
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JP35547793A
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Kazuo Hayashi
一雄 林
Shoichi Morizaki
昇一 森崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】非常に低濃度で幅広く各種病原性微生物に殺菌
効果があり、かつ、人体に対する毒性、残留性、刺激
性、耐性菌の出現、金属に対する腐食性、作用の持続性
に対する問題点をククリアーした新規な消毒液。 【構成】塩酸等の無機酸或はクエン酸等の有機酸の水溶
液或はそれらの混合液にキトサンを溶解し、使用時の最
終濃度が0.5μg/ml〜100μg/ml好ましく
はおよそ5〜50μg/mlになる様に加えた銀化合物
(好ましくは硝酸銀液)の混合液を撹はん下に光を照射
することにより、粒径が0.5ミクロン以下の微細な銀
(選択図に示される銀粒子の周りの菌のみが特異的に死
滅する)を特殊なマトリックス中に保持することにより
活性化させ、そのことにより、高度な抗菌活性を保持し
た消毒液を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】医療分野・食品分野・畜産分野・
衣料分野・日常雑貨分野等病原性微生物の殺菌・消毒を
必要とする分野。
【0002】
【従来の技術】様々の成書(例えば、MRSA・肝炎ウ
イルス必携 鵜沼直雄、古川恵一共著日本プランニング
センター発行1992年)や各種論文(例えば、化学療
法の領域vol.9,〜No.4,1993,641〜
649)に明かな様に、今日多種多様な病気をもった患
者が多く集まって来る医療機関・病院などでは、日常の
生活環境にごく普通に存在し通常は無害であった微生物
による日和見感染が頻繁に起こっており、新聞紙上でも
「院内感染」という見出しで表現され非常に大きな問題
となってきた。特に、新生児、老齢者、多臓器不全患者
など体の免疫機能が低下して抵抗力が弱っている入院患
者に発生し、中でもMRSAと呼ばれるメチシリンとい
う抗生物質に対する薬剤抵抗性を獲得した黄色ぶどう球
菌による院内感染が多発している。これに感染すると、
有効な治療ができないまま急性肺炎や敗血症を併発して
死亡するケースが多々ある。また、MRSA以外にも、
表1に示す院内感染を起こす微生物の中には、メチシリ
ン以外の抗生物質例えばニューキノロンや殺菌消毒剤に
対しても薬剤抵抗性を持つ菌が出現してきた。更に近
年、臓器移植が盛んになりつつあり、その場合、移植を
受ける患者に対して免疫抑制剤の投与が通例であり、免
疫機能が低下した患者を多く抱えている医療機関では薬
剤耐性菌の存在は人間の生死に関わる問題だけに、院内
感染防止対策にたいへん頭を悩ましているのが現状であ
る。森川ら(The Japanese Journa
l of Antibiotics Vol.46,N
o.6p421−427 1993)の研究によると、
ある病院の入院患者から分離される黄色ぶどう球菌の約
60%、職員の鼻前庭の培養でもその10〜20%にM
RSAが認められている。本菌による院内感染の防止対
策としては、抗生物質の適正使用、保菌者のスクリーニ
ングとその取扱、確実な滅菌と消毒の実施等が挙げられ
るが、病室、ICUの個室化が一般的ではない我国にお
いては、院内感染防止の基本は感染経路の遮断にある
(新太喜治 MRSA院内感染への対策。臨床医15:
1946−1948(1989))とさえ言われてい
る。その意味から、消毒剤の適切な選択とその使用は、
院内感染の防止の上で特に重要な位置を占めていると思
われる。
【0003】表2に現在医療機関で主に使用されている
殺菌剤を挙げたが、個々において様々な欠点もあり、理
想的なものはまだ開発されていない。それに追い打ちを
駆ける様に種々の耐性菌が出現しており、現時点では、
患者やそれを取り巻く医療従事者の衣類や環境からの病
原微生物の除去となると不可能である。
【0004】表3には、現在使用されている個々の薬剤
の問題点を列記してみた。即ち、一般に繁用されている
消毒剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼト
ニウム、塩酸アルキルアミノエチルグリシン、ポビドン
ヨード、イソブロパノール、グラタラール等が挙げられ
る、が、佐々木らの研究(各種消毒剤のMRSAに対す
る殺菌効果について 化学療法の領域vol.9,N
o.2,136−143,1993)にも明かな様に、
常用濃度の塩化ベンザルコニウム、塩化ベントニウム、
塩酸アルキルアミノ エチルグリシン、ポビドンヨード、イソプロパノール各
9mlに10cfu/ml濃度のメチシリン感受性黄
色ブドウ球菌(以下MSSAと略す)、並びにMRSA
1mlを添加し,よく混和後経時的にその殺菌効果を測
定すると、一応の効果が認められるが、その効果の持続
となると疑わしいし、そのほか有機物への吸着性
足の皮膚荒れ等の問題も提起されている。また、小林寛
伊ら(医薬ジャーナル 22:2009−2013,1
986)は、手指の消毒や清拭には効果的でも、噴霧で
はその効果に疑問があると報告しており、運用に当たっ
ても、問題が山積しているのが実態である。また、グラ
タラール等が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に効かな
くなってきてもいる。
【0005】更に、今後の国民の高齢化とともに上述の
各種病原微生物に感染した患者が完治しないまま或は、
不顕在化した状態で在宅医療に移った場合、鼻粘液・尿
等を介しての一般生活環境への菌の放出にも思慮すべき
ところである。が、例えば、廉価で抗菌性が付与された
紙おむつ等の製品は現在のところまだ開発されていな
い。又、不特定多数の患者と一般人が共用する病院内の
公衆電話の受話器、スリッパ等の清拭に適した消毒液は
まだ開発されていないのも実状である。
【0006】医療分野から目を転じ、食品分野を観る
と、食品製造従事者の数10%の鼻腔粘膜にMRSAが
生育しているのも実態である。また、MRSA以外に
も、サルモネラ菌等によるうずらの卵の汚染が食中毒の
原因となっている。これに対しては、まだ充分な対策が
とられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、医師・看護
婦の白衣や手指、患者カルテのファイル表紐、病院のベ
ットのマット、シーツ、スリッパ、床や壁その他患者の
身の回りのもの、病院等での電話の受話器、食器、待会
い室の椅子のカバー、老人用紙オムツ等の医療分野、鶏
卵、うずらの卵等の食品或は屠殺場等の食品産業従事者
の手足等に付着した、薬剤耐性病原微生物の消毒・滅菌
について、鋭意に検討した結果、医療分野・食品分野・
日常雑貨分野等で求められる条件の全てを満たした消毒
・抗菌剤に関するものである。ここでこれらの分野で要
望される殺菌剤に求められる特性について述べる。環境殺菌剤に求められる性能と特性 1)抗菌スペクトルが広く、一様に強い抗菌力を有す
る。 2)低濃度で実用的な抗菌力を有し、効果の発現が速
い。 3)製剤及び使用液が安定で、効力の持続が期侍でき
る。 4)pH、温度、紫外線、有機物、洗剤などにより、効
力の影響を受けないか、影響を受け難いもの。 5)不快臭や刺激臭のないもの。 6)機器、容器材質への残留性・吸着性の無いもの。 7)施設、設備材質に対する腐食性、汚損性が無いも
の。 8)実用性、安全性の高いもの。 9)毒性がないか、もしあったとしても低く、生分解性
が高く、環境汚染の心配がない。 10)使用方法に特別な限定がなく好ましくは、清拭、
洗浄、噴霧が良い。
【0008】
【課題を解決するための手段】今回、我々は、各種細菌
が負に荷電しているのに対して、キチン・キトサンが正
に荷電するとともに、凝集活性が強いこと、アニオン性
高分子マトリックス中に銀イオンが非常に安定した形で
均一にトラップされること、そのトラップされた銀イオ
ンに光照射すると微細でかつ表面積が広く抗菌活性の強
い銀のコロイド状粒子ができることを発見し、更にでき
たコロイド状粒子は2年以上に渡って非常に安定で抗菌
活性を維持していることを確認し、本発明を完成させ
た。
【0009】本発明の消毒・抗菌剤の製法とその物性、
更にその抗菌活性について、具体例に即してその代表例
をのべる。君津化学工業株式会社(東京都千代田区神田
2丁目15−4)製のキトサン商品名キミツキトサング
レードH(Lot No.10806)10gを、1%
クエン酸液900mlに加え良く攪はんし完全に溶解さ
せた後、100mlの1%クエン酸液に500mgの硝
酸銀を溶解させた液を、キトサン液に加え、スターラー
で攪はんしながら、光を照射することによって得る。こ
うして得られた消毒液は、淡褐色〜黒紫色で少し粘凋な
コロイド状の液体である。使用に際しては、適宜水で希
釈する。
【0010】
【作用】この様にして得た消毒液の抗菌活性について以
下の方法を用いて検討した。本剤の抗菌活性の測定にお
いては、標準菌株として、aeruginosa
−2,coli NIH JC−2、aure
us 209−J PC、pneumoniae
KC−1を、また臨床の現場より分離されたキノロン耐
性黄色ぶどう球菌を含むMRSA15株を対象として、
日本化学療法学会の最小発育阻止濃度(MIC)測定法
(日本化学療法学会誌、29巻1号76−79頁 19
81年)に準拠して行ったところ、本液の活性化銀濃度
が5μg/mlの濃度においてでさえ、検討した全ての
菌に殺菌効果が認められた。
【0011】また、有機酸として1%酢酸を使用したも
のを手に散布した時、有機酸の蒸散とともに、手の表面
にできたコーティング膜の水溶性が低下し、膜強度のあ
るキトサン膜ができる。一般にキトサン膜は、アルコー
ルの透過性を防ぐ為、低濃度のアルコール水からのアル
コール濃縮膜として用いられていることもあり、手の表
面に形成された膜によっても、度々その上からアルコー
ル散布を行ってもアルコールが内部に浸透することが防
止され、手荒れの防止効果があることも見つかった。更
に本消毒液の安全性についても、実験的、文献的に検肘
し後に論じるが、何等問題点を認められなかった。
【0012】
【実施例】2Lのビーカーにクエン酸(和光純薬試薬特
級Lot No.CDF 0402)10gを精製水9
00mlに溶解させ、マグネチックスターラーで攪拌し
ながら、キトサン(君津化学工業株式会社製商品名キミ
ツキトサングレードH(Lot No.3K0409
1)10gを入れ、一晩攪拌し、溶解させる。もし、完
全に溶解しないときは、ガーゼにて濾過し、淡黄色の透
明な濾液を得る。別途、硝酸銀(和光純薬試薬特級)5
00mgを100mlの精製水に溶解させ、キトサン液
に撹拌下、滴加する。滴加終了後、蛍光灯の光照射下、
一昼夜攪拌混合する。混合当初は、淡黄色であるが、や
がてコロイド状の銀を生成し、それに伴って、液の色
は、淡紫色〜淡褐色〜黒紫色に変化する。この様にし
て、粒子径が0.5μ以下の活性化銀を含有する消毒液
をえる。本液の使用に際しては、適宜希釈して使用す
る。
【0013】評価試験結果 1)本剤の抗菌活性について 本剤の抗菌活性の測定においては、標準菌株として、
aeruginosa E−2,coli
IH JC−2、aureus 209−JPC、
pneumoniae KC−1を、また臨床の現
場より分離されたキノロン耐性黄色ぶどう球菌を含むM
RSA15株を対照として、日本化学療法学会の最小発
育阻止濃度(MIC)測定法(日本化学療法学会誌29
巻1号76−79頁 1981年)に準拠して行った。
即ち、前培養に栄研社製 感受性試験用ブイヨン倍地
を用い、感受性測定は、Mueller−Hinton
agar(MHA)を用いた平板希釈法(37℃,1
8,20時間培養)により検討した。また、対比の為、
試薬ブランクとしての生理食塩水、並びにキトサン液、
硝酸銀液を同様な操作を経ることにより、測定した。ま
た、市場で使用されている、抗菌剤との活性を比較する
為、各種、抗生剤、特にキノロン耐性菌とのからみでオ
フロキサシン等のニューキノロン剤についても、同時に
そのMIC値を測定し対比した。表4の結果から明かな
様に、本剤は、5μg/mlの濃度においてでさえ、一
つの高度キノロン耐性菌を除いて、全ての細菌に対して
抗菌活性を示した。これは、Cyprofloxaci
n,Ofloxacin等が100μg/mlで抗菌活
性を示していないのと比べて、画期的なことである。ま
た、この抗菌活性は、硝酸銀200μg/mlに相当し
ており、本剤の活性化銀は、硝酸銀のみに比較して、ほ
ぼ40倍以上抗菌活性が高いものと推察できる。
【表4】
【0014】2)繊維、布等に含浸させた時の、抗菌活
性について 繊維、布等に含浸させた状態での抗菌活性を予測するた
めに、十條キンバリー株式会社製(東京都中央区)のキ
ムワイプ(ワイパーS−200)に含浸させた後、風乾
にて乾燥させ、それを適切な大きさにきり、培養用血液
寒天培血の上面に強く抑えて張り付けた。これにマイク
ロプランターを使用して、抗菌活性測定で使用した菌を
測定対象として調べた。即ち、マイクロプランターの上
段左上から右に順次、P.aeruginosa E−
2、E.coli JC−2、S.aureus 20
9−JPC、K.pneumoniae KC−1その
後順次臨床分離のMRSA15株を植菌した。比較対照
として、キトサン液のみを含浸させてえられた紙につい
ても、同様に行い、本剤の抗菌活性の確認を行った。結
果を図1に示す。シャーレ番号1は無処置のコントロー
ル、シャーレ番号24の右半分は、本消毒液を含浸させ
た紙、シャーレ番号25の右半分は、本消毒液と同濃度
のキトサンのみを含浸させた紙である。試験結果から明
かな様に、活性化銀を含まない部位は、菌の発育を阻止
できなかったが、本剤をコーティングした部位は、完全
に全ての菌の発育を阻止した。又、キトサンのみでは、
効果はなかった。 3)殺菌・消毒の効果を肉眼的に確認する目的で、微分
干渉顕微鏡による形態学的変化について検討を行った。 測定対象として、Staphylococcus au
reus 209−PJC、Pseudomonas
aeruginosa E−2、並びにEscheri
hia coli NIH JC−2を使用した。代表
例としてP.aeruginosa E−2の形態変化
の写真を図2に示すが、全ての菌とも、菌体はばらばら
に溶菌し、死滅していた。即ち、写真1はコントロー
ル、写真2は本消毒液を使用した時の結果である。写真
2において、銀粒子の回りの菌が特異的に死滅している
のが明瞭に判る。また、糸や布等に本剤をコーティング
した際の効果を確認する為、ガーゼの布を解し、その糸
に本剤、並びに1%濃度キトサン液を含浸させたもの、
及び各々の糸を蒸留水100mlで2回づつ洗浄したも
のを、マイクロフィルム状のMHA上に乗せて、それに
各菌液(10/ml濃度)を5μlずつ滴加し、37
℃にて3時間培養した。その写真結果を図2の写真3に
示す。写真から本剤を含浸した場合は、糸の回りの菌
は、完全に死滅し、細胞の内容物が溶出していることが
明瞭に観察される。また、キトサンを含浸した糸、洗浄
した糸に付いては、***した細胞が分離して離れること
が出来ず、糸に絡み付いている状態を明瞭に示してい
た。この結果より、目視的にも、本剤の効果を明瞭に示
していた。 4)殺菌曲線の検討 本剤が、どれほどの早さで、また、どの程度菌の発育を
阻止し、死滅させるかを確認する為に、最終濃度が各々
50μg/ml、25μg/ml、12.5μg/m
l、6.25μg/ml、5.0μg/ml濃度、並び
に1000μg/mlの硝酸銀及び対象として、生理食
塩水並びにキトサン液を調製し、24時間後の生菌数を
測定した。当初添加した、菌数は、1ml当り4.88
×10個であった。この結果より、5.0μg/ml
濃度であれば、10〜10個の菌を24時間後に完
全に死滅させることが、明かとなった。
【0015】本剤が医療の現場で使用されるに際して、
注意すべき重要なポイントの一つに本剤の安全性に対し
て十分な考慮がなされる必要がある。本剤の人体に対す
る安全性について詳しく考察する。本消毒剤の成分の一
つであるキチン・キトサンについては、生理活性等その
特異な性質故最近とみにその研究が盛んになった物質
で、それらについての総説は、キチン、キトサン研究会
編、「最後のバイオマスキチン、キトサン」技報堂出版
並びにその姉妹編「キチン、キトサンの応用」に詳し
い。その応用例として、抗菌剤、吸収性縫合糸、凝集
剤、バイオリアクターとしての多孔性ビーズ、細胞培養
用のカプセル、分離機能膜の素材等がある。キトサン、
キトサン分解物及びキトサンオリゴ糖に細菌増殖抑制作
用があることは、内田らの報告書(細菌キチナーゼによ
るキトサンの分解と利用、キチン・キトサン及び関連酵
素の基礎・応用研究の新展開(文部省科研総合B報告書
12−15頁、1985)で詳しく述べられている。キ
チン、キトサンは、人間が古代より食品として食べてい
るカニ、エビ、キノコ類に沢山ふくまれていることか
ら、安全性に関しては問題ない。と考えて良い。ちなみ
に、荒井ら(荒井君枝、キトサンの毒性について 東海
水研報、56、89−94、1986年)によると、マ
ウスに一日体重1Kg当り18gを19日間連続投与し
た亜急性毒性の結果でも全く無害であった。また、ラッ
トの飼料にキトサンを2−5%添加して、成長、摂取
量、肝臓等の影響を調べたが、全く影響は認められなか
った、とのことである。また、使用している各種無機、
有機酸は食品添加物として既に汎用されていることを考
えると特に問題がないと判断できる。銀並びに銀イオン
については、日本では衛生試験法、食品衛生法、工場排
水基準等その他の関係法規に規定項目として見あたらな
い。米国における銀の水質基準(US Public
Health Service.Drinking W
ater Standards,1962.USPHS
Pub.No.956.Govt.Printing
Office,Wshington,D.C.)によ
ると、0.05mg/lであるが、この数値は、飲料水
から銀がすべて吸収された場合でも、銀の体内蓄積量が
1gを越えないという推定のもとにつくられており、”
銀は人体に対して安全であり、何等かの健康障害と関係
していない。銀が発ガン性や突然変異に関係していると
いう報告は全くない。”(新殺菌工学実用ハンドブック
発行書サイエンスフォーラム1991年、467〜47
7頁)とのことである。しかし、念の為に、その急性毒
性並びに長期慢性毒性についても検討を行こなった。そ
の結果を、表 5に示すが、生理食塩水を投与した対照
動物と比較して、解剖学的に胃・腸管・肝臓・腎臓等に
何等異常を認めなかった。
【0016】
【発明の効果】この様にして得た消毒液の寒天培地での
抗菌活性、繊維、布等に付着させた時の抗菌活性、殺菌
曲線、顕微鏡による抗菌活性の評価更に、生体に対する
安全性についても併せて検討した。その試験結果を含め
て総合的に評価した結果以下の結論が得られた。 1.本消毒液は、現在医療分野において問題になってい
る、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、
キノロン耐性黄色ブドウ球菌、緑膿菌その他、大腸菌、
腸炎球菌、サルモネラ等の病原微生物に対して強力な抗
菌作用を有している。 2.本消毒剤固有の特徴の一つは、正に荷電した本消毒
剤のマトリックス中に負に荷電した各種病原微生物をイ
オン的に結合して、取り込むことにより、菌を逃がさな
くし、活性化銀で死滅させるものである。 3.顕微鏡による観察結果から明らかになったことは、
取り込まれた菌は、活性化された銀粒子により(おそら
く活性酸素の関与が考えられるが)、或は微生物の呼吸
器系に及ぼす影響により、非常に限定された濃度で、特
異的に死滅する。 4.本消毒剤は、非常に安定で2年以上室温で放置して
もその効力に影響はない。また、使用に際し、温度、光
等外部環境により効力の低下を認めない。 5.衣服や皮膚に付けても、何等臭い、刺激性がない。 6.本液剤が乾燥することにより、コーティング膜が形
成される。そのコーティング膜が形成されている限りに
おいて、本剤の活性は維持されていると共に、そのコー
ティング膜を除去すれば、容易に取り除くことが可能で
ある。そのため、不必要な器財、皮膚に対する残留性は
ない。また、目的に応じて、蒸発可能な酸を使用するこ
とにより、難溶性、不溶性コーティング膜が形成され長
期に渡って保護膜を形成させることも可能である。 7.マウスを使った実験より、その安全性が高いことが
確認された。また、環境に残留しても、その主剤の生分
解性が高く、環境汚染については特段問題がない。 8.使用法においても多用性であり、清拭、洗浄、噴霧
いずれでも可能である。また、乾燥させることにより、
保護皮膜としても使用可能である。即ち、本消毒剤は、
現在市販されている消毒剤、抗菌剤に比較して、優れた
特性を有していることが確認された。この様な特性を全
て備えた消毒液は、今まで開発されておらず、以上の観
点から、本消毒液には、新規で有用な特許性があると判
断できる。本剤の効能・効果について試験データを基に
述べたが、その効果効能はここで記載した事例に限定さ
れるものではない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 3つのシャーレをトから見た平面図 キムワイプに含浸させた本剤の抗菌活性を証明するため
に、20種の菌をマイクロプランターでシャーレ中の培
地に植菌した時のコロニーの形成を示した図で、点が菌
のコロニーを示す。左の列は、コロニーの形成を示す図
で、右の列は各菌の位置を示す為の模式図である。
【図2】 微分干渉顕微鏡写真の模式図
【符号の説明】 番号1は、本消毒液を使用していないコントロールのシ
ャーレを、番号24は、本消毒液を含浸させた半円形の
キムワイプを培地上に貼り着けたシャーレを、番号25
は、比較の為にキトサン液のみを含浸させたキムワイプ
を培地上に貼り着けたシャーレを示す。 右の列の図の1は、標準菌株P.aeruginosa
E−2 2は、E.coli NIH JC−2 3は、S.aureus 209−J PC 4は、K.pnuemoniae KC−1 5〜20は臨床現場から分離されたMRSAである。A
は、本消毒液を含浸させたキムワイプ。Bは、比較の
為、キトサン液のみを含浸させたキムワイプ。 写真1 未処理のP.aeruginosa E−2の
顕微鏡写真の模式図で、Pは、正常なP.aerugi
nosa E−2の菌体を示す。 写真2 本消毒液の銀粒子の回りの菌体がばらばらに溶
菌して死滅しているのを示す。Aは銀粒子を示す。 写真3 本消毒液を含浸させたガーゼの糸に、菌が絡み
着き離れることが出来ず、死滅しているのを示す。Bは
ガーゼの糸。Cは分離出来ずに死滅した菌の塊。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機酸或は有機酸の水溶液或はそれらの混
    合液にキトサンを溶解し、使用時の最終濃度が0.5μ
    g/ml〜100μg/ml好ましくはおよそ5〜50
    μg/mlになる様に調整された銀化合物(好ましくは
    硝酸銀液)を含有する消毒液あるいはその濃縮液。
  2. 【請求項2】無機酸或は有機酸の水溶液或はそれらの混
    合液にキトサンを溶解し、使用時の最終濃度が0.5μ
    g/ml〜100μg/ml好ましくはおよそ5〜50
    μg/mlになる様に調整された銀化合物(好ましくは
    硝酸銀液)を含有する溶液に光照射することにより、銀
    イオンが酸化され、銀コロイド粒子となり活性化された
    活性化銀を含有する消毒液あるいはその濃縮液。
  3. 【請求項3】無機酸としては、0.1〜10%(生体に
    触れた時に生体にとって悪影響を及ぼさない程度の濃
    度、好ましくは1%程度)の希塩酸、りん酸等,有機酸
    としては、0.1〜10%(生体に触れた時に生体にと
    って悪影響を及ぼさない程度の濃度、好ましくは1〜3
    %程度)の酢酸、蟻酸、蓚酸、クエン酸、リンゴ酸、ア
    スコルビン酸等の有機酸、或はそれらの混合物、好まし
    くはクエン酸を用いた請求項1の消毒液。
  4. 【請求項4】無機酸としては、0.1〜10%(生体に
    触れた時に生体にとって悪影響を及ぼさない程度の濃
    度、好ましくは1%程度)の希塩酸、りん酸等,有機酸
    としては、0.1〜10%(生体に触れた時に生体にと
    って悪影響を及ぼさない程度の濃度、好ましくは1〜3
    %程度)の酢酸、蟻酸、蓚酸、クエン酸、リンゴ酸、ア
    スコルビン酸等の有機酸、或はそれらの混合物、好まし
    くはクエン酸を用いた請求項2の消毒液。
  5. 【請求項5】使用するキトサン濃度としては、0.1〜
    5%好ましくは0.5〜2%で、その脱アセチル化度が
    10〜95%が好ましい請求項1の消毒液。
  6. 【請求項6】使用するキトサン濃度としては、0.1〜
    5%好ましくは0.5〜2%で、その脱アセチル化度が
    10〜95%が好ましい請求項2の消毒液。 【請求項6】照射する光に関しては、光源としては、自
    然光、太陽光、白熱光源、水銀ランプ等を用いて、1
    0,000〜1,000,000Lux・Hour好ま
    しくは、50,000Lux・Hour相当量照射する
    ことにより、銀を活性化しコロイド化して得た請求項2
    の消毒液。 【請求項6】粒子径が、10ミクロン以下、好ましくは
    0.5ミクロン以下の銀コロイド粒子を含有する請求項
    2の消毒液。
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