JPH0716095Y2 - 自動車パーツ等の盗難防止用の締結具ロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、ボルトやナットのように多角係合部を有す
る締結具のロック装置に関し、さらに詳しくは、自動車
ホイールやバッテリーさらには四輪駆動車の屋根のラン
プ等のパーツを取り付けているボルトやナットを第三者
が無断で緩めてこれら取り付けパーツを盗むのを防ぐた
めの自動車パーツ等の盗難防止用の締結具ロック装置に
関するものである。

［従来技術および考案の課題］ 一般に、自動車のホイールは、ハブボルトに螺合したナ
ットまたはハブの雄ネジ部に螺合したボルトによってハ
ブに取り付けられているが、これら締結具の係合部は露
出しているため、このままの形態では第三者が容易に上
記締結具を緩めてホイールを盗むことができる。そこ
で、従来より、ホイール取り付け用締結具を特定の者し
か回動できないようにするため、種々の工夫がなされて
きた。たとえば、上記締結具の多角係合部を錠付きキャ
ップで覆い、キャップを取り外すには特種キーを用いな
ければならないようにするのも１つの例である。

しかし、従来のホイール盗難防止装置は、構造的に複雑
で高価なものであったり、適用できるボルトないしナッ
トが限られていたりするため、その改良が望まれてい
た。

この考案は、上記の如き実情に鑑み、構造的に簡単で安
価なものであり、かついかなるタイプの締結具に対して
も適用できる自動車パーツ等の盗難防止用の締結具ロッ
ク装置を提供することを目的とする。

［課題を解決する手段］ この考案による自動車パーツ等の盗難防止用の締結具ロ
ック装置は、 内面に嵌合部が設けられ、かつ外面に従動側係合部が設
けられたリング状のアダプタと、 内面に駆動側係合部が設けられた回動具とよりなり、 アダプタの嵌合部が締結具の多角係合部に嵌め被せられ
て固着されることによって、アダプタと締結具の固着一
体物が形成され、 回動具の駆動側係合部が固着一体物の従動側係合部に係
合されて、回動具が駆動されることによって固着一体物
が回動させられるものである。

［実施例］ つぎに、図示の実施例によりこの考案を具体的に説明す
る。図面は自動車ホイールの盗難防止用の締結具ロック
装置を示す。

この明細書において、先端方向とはハブボルトにナット
を取付ける際のハブボルトに対する前進方向すなわち第
１図の右方向をいうこととする。

この考案によるホイール盗難防止用の締結具ロック装置
は、ホイール取り付けナット（Ａ）に嵌め被せられてこ
れに固着されるアダプタ（１）と、アダプタ（１）に係
合してこれを回動させる回動具（２）とよりなる。

アダプタ（１）とナット（Ａ）の固着一体物（３）は、
第１図に示すように、ハブボルト（６）にねじ合わされ
て、ホイール（７）を車両に固着する。

アダプタ（１）はリング状で、その幅はナット（Ａ）の
六角頭部（A1）をほぼ覆い隠すサイズになされている。
アダプタ（１）内面には、ナット（１）の六角頭部（A
1）に合致する横断面六角形の嵌合部（1a）が形成され
ている。アダプタ（１）の外面は横断面円形で、外周上
の幅方向に横断面欠円形の４本の溝が互いに異なった間
隔で設けられることにより、従動側係合部（1b）が形成
されている。ただし、溝の本数および形状は上記のもの
に限定されない。

アダプタ（１）には、１または複数個のネジ孔（４）
が、ラジアル方向に貫通状に穿設されており、このネジ
孔（４）に止めネジ（５）がねじ込まれてアダプタ
（１）と締結具（Ａ）の固着一体物（３）が形成されて
いる。止めネジ（５）は頭部に回動用の六角凹陥部（5
a）を有する。

回動具（２）は、ホイール（７）の透孔（８）とアダプ
タ（１）との間の隙間に嵌まる先端部を有している。こ
の先端部は円筒形で、内面にはアダプタ（１）外面の従
動側係合部（1b）に合致する駆動側係合部（2a）が形成
されている。回動具（２）の後端部には把手部を設けて
回動を容易にすることができる。あるいは後端部を六角
頭部として、スパナ、レンチ等の工具を用いて回動具
（２）を回動させるようにすることもできる。

アダプタ（１）の外面に設ける溝の形状および数は種々
変更されており、専用の回動具（２）を所有する者しか
アダプターを回動させることができないので、自動車ホ
イールの盗難が防止できる。

上記実施例では、ナットにアダプタを固着しているが、
ボルトであっても同様のアダプタが使用できることは勿
論のことである。

［考案の効果］ この考案による自動車パーツ等の盗難防止用の締結具ロ
ック装置は、以上のとおり構成されているので、構造的
に簡単でしかも安価に、普通のナットあるいはボルトを
ロック装置付きナットあるいはボルトに変えることがで
きる。またこれはいかなるタイプのボルトないしナット
に対しても適用でき、すこぶる使い勝手がよい。しか
も、盗難を防止すべきナットあるいはボルトに対して軸
方向に突出する部分が生じないので、他の部材と干渉し
たり、通行や作業の妨げとなったりするという問題が生
じない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであって、第１図は
固着一体物の取付け状態を示す断面図、第２図は第１図
中のII−II線に沿う断面図、第３図は分解斜視図であ
る。 （１）…アダプタ、（1a）…嵌合部、（1b）…従動側係
合部、（２）…回動具、（2a）…駆動側係合部、（３）
…固着一体物、（Ａ）…ナット（締結具）、（A1）…六
角頭部（多角係合部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内面に嵌合部（1a）が設けられ、かつ外面
   に従動側係合部（1b）が設けられたリング状のアダプタ
   （１）と、内面に駆動側係合部（2a）が設けられた回動
   具（２）とよりなり、アダプタ（１）の幅は、締結具
   （Ａ）の多角係合部（A1）の幅以下であり、アダプタ
   （１）の嵌合部（1a）が締結具（Ａ）の多角係合部（A
   1）に嵌め被せられて固着されることによって、アダプ
   タ（１）と締結具（Ａ）の固着一体物（３）が形成さ
   れ、回動具（２）の駆動側係合部（2a）が固着一体物
   （３）の従動側係合部（1b）に係合されて、回動具
   （２）が駆動されることによって固着一体物（３）が回
   動させられる、自動車パーツ等の盗難防止用の締結具ロ
   ック装置。