JPH07160183A - カラーリップマンホログラム及びその製造方法 - Google Patents

カラーリップマンホログラム及びその製造方法

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JPH07160183A
JPH07160183A JP5307891A JP30789193A JPH07160183A JP H07160183 A JPH07160183 A JP H07160183A JP 5307891 A JP5307891 A JP 5307891A JP 30789193 A JP30789193 A JP 30789193A JP H07160183 A JPH07160183 A JP H07160183A
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hologram
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Yoshiyuki Miyaji
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 レーザー光10,11,12による露光量が
光重合性フイルム3における各色のそれぞれの露光感度
に応じて調節されることにより、表示したい色調に各色
のそれぞれの回折効率が調節されたものである。またそ
の製造方法は、光重合性フイルムにおける各色の露光量
と回折効率との関係をそれぞれグラフ化しておき、表示
したい色調に応じて前記各グラフより各色の必要露光量
を導出し、該各色の露光量に応じて、3原色それぞれの
レーザー光を同軸でかつ照射開始時を同一として光重合
性フイルムに照射してホログラム記録をするものであ
る。 【効果】 所望の回折光波長を所望する回折効率にてホ
ログラムに記録できるため、カラーホログラム記録やカ
ラーホログラム複製における3色同時記録が可能であ
り、また、外観色が低減されるので、ヘッドアップティ
スプレイ用として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーリップマンホロ
グラム、特にヘッドアップティスプレイとして有用なカ
ラーリップマンホログラム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ホログラムは、装飾用、偽造防止
用、光学素子用等に広く利用されるようになってきてお
り、特に最近では波長選択性に優れ、立体感も優れる体
積位相型(リップマン型)のホログラムが注目されてい
る。
【0003】例えば、ホログラムコンバイナーはこのよ
うな光学素子の一例であるが、その機能は半透過性結像
素子と言うことができる。このようなホログラムコンバ
イナーに代表される光学素子としては、ヘッドアップデ
ィスプレー用のコンバイナーが挙げられ、例えば、自動
車用途として合わせガラス形態で用いられている。
【0004】しかしながら、この種の用途に使用されて
いるホログラムは、通常、単一波長で記録されるもので
あり、再生波長が一色に限定されてしまうという問題の
ほか、外観色が目立ち、運転席の前面ガラスに取り付け
るものとしては問題を有している。
【0005】一方、光重合性フイルムからなるカラーホ
ログラムをこの種の用途に使用し、再生波長を多色化す
る要望がある。再生像をカラー化するには、原理的には
3原色に相当するレーザー光を用いてホログラムを記録
すればよいが、光重合性フイルムに含まれる各色素の励
起効率が異なるために、赤、緑、青の3原色をそれぞれ
所望する回折効率にコントロールし、所望の色調を得る
ことは困難である。
【0006】例えば、3原色に相当するレーザー光を、
それぞれ時間をずらし、非同軸で照射してホログラムを
記録すると、3原色における最初のレーザー露光により
モノマー等の感材成分が移動し、所謂「色ずれ」が必ず
生じ、所望の色調を得ることは困難であるという問題が
ある。また、このようにして記録されたカラーリップマ
ンホログラムは、単一波長で記録されるものと同様に外
観色が目立ち、ヘッドアップディスプレー用のコンバイ
ナーとしては問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、所望の色調
に制御されたカラーリップマンホログラムであって、特
にヘッドアップティスプレイ用として、外観色の低減さ
れたカラーリップマンホログラム及びその製造方法の提
供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーリップマ
ンホログラムは、赤、緑、青の3原色を回折するカラー
リップマンホログラムにおいて、該ホログラムが3原色
それぞれのレーザー光を同軸でかつ照射開始時を同一と
して光重合性フイルムに照射して記録されるものであっ
て、該レーザー光による露光量が光重合性フイルムにお
ける各色のそれぞれの露光感度に応じて調節されること
により、表示したい色調に各色のそれぞれの回折効率が
調節されたものであることを特徴とする。
【0009】本発明のカラーリップマンホログラムの製
造方法は、光重合性フイルムに赤、緑、青の3原色のホ
ログラム記録を行ない、カラーリップマンホログラムを
製造するにあたり、該光重合性フイルムにおける各色の
露光量と回折効率との関係をそれぞれグラフ化してお
き、表示したい色調に応じて前記各グラフより各色の必
要露光量を導出し、該各色の露光量に応じて、3原色そ
れぞれのレーザー光を同軸でかつ照射開始時を同一とし
て光重合性フイルムに照射してホログラム記録をするこ
とを特徴とする。
【0010】また、上記のカラーリップマンホログラム
の製造方法において、各色のホログラム記録が、3原色
それぞれのレーザー光における露光時間を同一とすると
共に、各色の必要とする露光量になるようにそれぞれの
露光強度を調節することにより行なわれることを特徴と
する。
【0011】更に、上記のカラーリップマンホログラム
の製造方法において、各色のホログラム記録が、各色の
レーザー露光強度を固定すると共に、各色の必要とする
露光量になるようにそれぞれの露光時間を調節すること
により行なわれることを特徴とする。
【0012】更に、上記のカラーリップマンホログラム
が、ヘッドアップティスプレイ用であることを特徴とす
る。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。 光重合性フイルムは実質的に固体であるが、レーザー光
(コヒーレント光)に露光されると、モノマーは重合し
てフイルムの非露光領域とは異なる反射率及びレオロジ
ー特性を有する分子量の高いポリマーを生成する。フイ
ルムは実質的には固体であるが、成分は均一露光される
か、又は熱処理されて定着されるまで、レーザー光によ
る露光前、露光中、または露光後に相互拡散する。光重
合性フイルムは、膜厚が1〜100μmの光重合性フイ
ルムであり、成分としては、バインダー、エチレン系不
飽和モノマー、光開始剤として600nm〜680nm
に吸収域を有するレーザー光用赤色色素、400nm〜
490nmに吸収域を有するレーザー光用青色色素、5
00nm〜570nmに吸収域を有するレーザー光用緑
色色素、及び必要に応じて可塑剤等からなる。
【0014】バインダーは、露光前はモノマー及び各色
素のためのマトリックスとしての機能を有し、基本線の
屈折率を与え、また、露光後は反射ホログラムを形成す
るのに必要な物理的及び屈折率特性に寄与する。屈折率
の他に、凝集性、柔軟性、混和性及び引っ張り強度に優
れるものであり、ポリビニルアセテート、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマー
ル、またこれらのポリマーのセグメントを主要部として
含むインターポリマー及びこれらの混合物である。
【0015】また、エチレン系不飽和モノマーとして
は、固体のエチレン系不飽和のカルバゾールモノマー
と、付加重合することができる100℃以上の沸点を有
する液体のエチレン系不飽和化合物との混合物が例示さ
れる。固体のエチレン系不飽和のカルバゾールモノマー
としては、例えばN−ビニルカルバゾールが例示され、
また、液体のエチレン系不飽和化合物としては、例えば
2−フェノキシエチルアクリレート、フェノールエトキ
シ化されたモノアクリレート、エトキシ化されたビスフ
ェノールAジアクリレート、またはこれらの混合物が例
示される。
【0016】また、光開始剤として、赤、青、緑の3原
色色素が添加されるが、600nm〜680nmに吸収
域を有するレーザー光用赤色色素としては、キサンチン
系色素、オキサジン系色素、また、400nm〜490
nmに吸収域を有するレーザー光用青色色素としては、
オキサゾール・オキサジアゾール系色素、スチルベン系
色素、キノロン系色素、クマリン系色素、500nm〜
570nmに吸収域を有するレーザー光用緑色色素とし
ては、クマリン系色素、キサンチン系色素が挙げられ
る。具体的には「特殊機能色素」−技術と市場−、92
頁〜103頁、1986年7月25日、シーエムシー
(株)発行に記載されているものが挙げられる。
【0017】また、光重合性フイルムには、接着性、柔
軟性、硬度等の機械的性質を与えるために、必要に応じ
て可塑剤を含有させることができ、例えばトリエチレン
グリコールジカプリレート、テトラエチレングリコール
ジヘプタノエート等が挙げられる。その他、任意成分と
して光学増白剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、水素供与
体、接着改変剤、被覆助剤、剥離剤等が添加される。
【0018】フォトポリマー組成物における各成分の割
合は、バインダー:25重量%〜90重量%、好ましく
は45重量%〜75重量%、モノマー:5重量%〜60
重量%、好ましくは15重量%〜50重量%、可塑剤:
0〜25重量%、好ましくは0〜15重量%、光開始剤
系:0.1重量%〜10重量%、好ましくは1〜7重量
%、任意成分:0〜5重量%、好ましくは1重量%〜4
重量%である。
【0019】フォトポリマー組成物は、ポリエチレンテ
レフタレートフイルム、ポリメチルメタクリレートフイ
ルム、ポリカーボネートフイルム、セルロートトリアセ
テートフイルム等の透明基体上に塗布して光重合性フイ
ルムとされるか、またはフイルム状に成形した後、透明
基体上に積層される。光重合性フイルム表面には、一次
的な保護層としてポリエチレンまたはポリプロピレンフ
イルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等が積層
される。このような光重合性フイルムは、例えばデュポ
ン社から商品名HRF705、HRF352として市販
されているものを使用することができる。
【0020】カラーリップマンホログラムを作製するた
めの光学系は、図1に示すように、赤色レーザー10、
青色レーザー11、緑色レーザー12から発振されたそ
れぞれのレーザー光を同軸とし、かつ照射開始時を同一
としてその混合光をハーフミラー21で2分し、次い
で、それぞれのレーザー光をレンズ22、23で1点か
らでる発散光に変え、光重合性フイルム3の両側からこ
れら2つの発散光を入射させ、リップマンホログラムと
して干渉させるものである。
【0021】次に、本発明のカラーリップマンホログラ
ム及びその製造方法について説明する。
【0022】上述したように、光重合性フイルムにおけ
る感光成分は、均一露光されるか、又は熱処理されて定
着されるまで、レーザー光による露光前、露光中、また
は露光後に相互拡散するが、本発明は、3原色それぞれ
のレーザー光を同軸でかつ照射開始時を同一として光重
合性フイルムに照射してホログラム記録するものであ
り、各色が露光量に応じた記録がなされることを見出し
たことに基づいている。また、各レーザー光の露光量
を、光重合性フイルムにおける各色のそれぞれの露光感
度に応じて調節しておくと、光重合性フイルムにおける
各色の励起効率が相違するとしても、表示したい色調に
各色のそれぞれの回折効率が調節されることを見出した
ことに基づく。
【0023】各レーザー光の露光量を、光重合性フイル
ムにおける各色のそれぞれの露光感度に応じて調節する
には、光重合性フイルムに、記録したい波長の光をそれ
ぞれ単色光で露光し、露光量(mJ)と回折効率(%)
の関係をグラフ化しておく。そして、記録するにあたっ
ては、上記3グラフから、R、G、Bのそれぞれの所望
の回折効率に対応するに露光量を導き出し、その導出さ
れた各露光量に応じて、各レーザー光の露光強度と照射
時間をそれぞれ調節して照射すればよい。
【0024】各レーザー光の露光強度及び照射時間を調
節する方法としては、 (1)感度の低い赤色色素における露光時間に、他の
青、緑の各レーザーの照射時間を合わせて同一時間とす
ると共に、他の青、緑が必要な露光量となるように各レ
ーザーの出力を低下させるか、または、NDフィルタ
ー、または可変ビームスプリッターを使用して露光強度
を調節して照射する、 (2)赤、青、緑の各色のレーザー出力を、それらのレ
ーザー出力装置が有する固有の出力に固定すると共に、
赤、青、緑各色を所望の露光量となるようにそれぞれ露
光時間を調節して照射する方法がある。
【0025】上記の(1)の方法は、照射開始時と照射
時間を同一とするため、感光成分の拡散による影響が少
なく、各色の回折効率を所望のものに最も調節できる方
法である。
【0026】また、レーザー出力は、赤色レーザー(6
47nm)においては0.01W〜2W、また青色レー
ザー(488nm)においては0.01W〜7W、また
緑色レーザー(514nm)においては0.01W〜7
Wと一定の制約がある。そのため、(2)の方法は、光
重合性フイルムにおける各色の感度が低すぎてレーザー
出力を調整できない場合や、また希望する色調とするた
めに、各色の回折効率を大きく相違させる必要がある場
合に適用される。この場合には、各レーザーの照射開始
時を同一とし、照射時間を各色で相違させるものであ
り、希望する色調を多様化できるという利点がある。
【0027】以上、ホログラム感材として光重合性フイ
ルムを使用する場合について記載したたが、上記した所
望する色調に調節されたカラーリップマンホログラムの
製造方法は、ホログラム感材として銀塩、重クロム酸ゼ
ラチンを使用する場合においても、同様に適用できる。
【0028】このようにして記録された、カラーリップ
マンホログラムは、図2に示すようにしてホログラム像
が再生される。即ち、撮影の際の一方の発散点近傍に設
置した表示体25から出た光を反射方向に回折し、その
回折像をあたかも撮影の際の他方の発散点近傍に設置さ
れた表示体の像25’から出たように行うものであり、
その結像倍率及び像位置は、撮影時の発散点と記録材料
との相対距離L,L’によって決まり、しかも、記録の
際の波長またはそれと特定の関係がある波長の光しか回
折せず、他の波長の光は透過するので、像を重畳または
合成できるものである。
【0029】本発明のカラーリップマンホログラムは、
各色の記録が、同軸で行なわれるために、ホログラム再
生にあたっては、各色は加色混合され、外観色の低減し
たホログラムとできる。
【0030】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、所望の回折光
波長を所望する回折効率にてホログラムに記録できるた
め、カラーホログラム記録やカラーホログラム複製にお
ける3色同時記録が可能であり、また、外観色が低減さ
れるので、ヘッドアップティスプレイ用として有用であ
る。
【0031】
【実施例1】 (各色の露光感度の測定)光重合性フイルム(デュポン
社製「HRF705」、ポリエチレンテレフタレート透
明フイルム(膜厚50μm)上に、膜厚20μmの光重
合性フイルムが積層され、保護膜としてポリエチレンテ
レフタレートフイルム(膜厚23μm)が積層)の保護
膜を剥離した後、図1に示すカラーリップマンホログラ
ム光学系に配置した。
【0032】まず、赤色レーザー(クリプトンレーザ
ー)により、波長647nm、露光強度1.40mwに
て、記録角度を0°と0°とし、5mJ/cm2 の露光
量となるように照射した後、高圧水銀灯を用いて100
mJ/cm2 紫外線を照射し、更に120℃で120分
間加熱処理し、反射型のホログラムを作製した。
【0033】得られた、ホログラムの光学特性を透過型
分光器で測定したところ、回折角度0°で、回折効率は
10%であった。
【0034】光重合性フイルムを未記録のものにかえ、
また露光量をそれぞれ10mJ/cm2 、15mJ/c
2 、20mJ/cm2 、30mJ/cm2 、40mJ
/cm2 、50mJ/cm2 、60mJ/cm2 、70
mJ/cm2 、80mJ/cm2 、100mJ/cm2
とした以外は同様にしてそれぞれホログラムを作製し、
それぞれ回折効率を測定した。得られたそれぞれの露光
量に対する回折効率の関係を図3に示す。
【0035】次に、光重合性フイルムを未記録のものに
変え、緑色レーザー(アルゴンレーザー)により、波長
514nm、露光強度2.60mwにて、同様に5mJ
/cm2 の露光量となるように照射した後、高圧水銀灯
を用いて100mJ/cm2紫外線を照射し、更に12
0℃で120分間加熱処理し、反射型のホログラムを作
製した。得られた、ホログラムの光学特性を透過型分光
器で測定したところ、回折角度0°で回折効率は20%
であった。
【0036】光重合性フイルムを未記録のものにかえ、
また露光量をそれぞれ10mJ/cm2 、15mJ/c
2 、20mJ/cm2 、30mJ/cm2 、40mJ
/cm2 、50mJ/cm2 とした以外は同様にしてそ
れぞれホログラムを作製し、それぞれ回折効率を測定し
た。得られたそれぞれの露光量に対する回折効率の関係
を図4に示す。
【0037】また、光重合性フイルムを未記録のものに
変え、青色レーザー(アルゴンレーザー)により、波長
488nm、露光強度1.80mwにて、同様に5mJ
/cm2 の露光量となるように照射した後、高圧水銀灯
を用いて100mJ/cm2紫外線を照射し、更に12
0℃で120分間加熱処理し、反射型のホログラムを作
製した。得られた、ホログラムの光学特性を透過型分光
器で測定したところ、回折角度0°で回折効率は30%
であった。
【0038】光重合性フイルムを未記録のものに変え、
また露光量をそれぞれ10mJ/cm2 、15mJ/c
2 、20mJ/cm2 、30mJ/cm2 、40mJ
/cm2 とした以外は同様にしてそれぞれホログラムを
作製し、それぞれ回折効率を測定した。得られたそれぞ
れの露光量に対する回折効率の関係を図5に示す。
【0039】(カラーリップマンホログラムの作製)赤
色回折効率が40%、緑色回折効率が60%、青色回折
効率が40%のカラーリップマンホログラムの作製を試
みた。
【0040】図3から赤色回折効率が40%のものとす
るには40mJ/cm2 、図4から緑色回折効率が60
%のものとするには20mJ/cm2 、図5からは、青
色回折効率が40%のものとするには7mJ/cm2
露光量が必要であることがわかる。
【0041】赤色レーザー10の出力を1.40mWと
する場合、露光量を40mJ/cm2 とするためには露
光時間は約28秒必要である。次に、この感度の低い赤
色に合わせて露光時間(28秒)を固定し、緑色レーザ
ー11による露光強度を、NDフィルターを使用して
0.71mWに調整し、露光量が20mJ/cm2 とな
るように調整する。また、同様に青色レーザー12によ
る露光強度を、NDフィルターを使用して0.25mW
に調整し、露光量が7mJ/cm2 となるように調整し
た。
【0042】そして、これにもとづき、図1に示す光学
系において、未記録の光重合性フイルムに、赤色レーザ
ー10による露光強度を1.40mWとし、露光時間は
約28秒、緑色レーザー11による露光強度を、NDフ
ィルターを使用して0.71mWに調整し、露光時間は
約28秒、また、同様に青色レーザー12による露光強
度を、NDフィルターを使用して0.25mWに調整
し、露光時間は約28秒とし、各レーザーを同時に、か
つ同軸で同一時間(28秒)照射した後、高圧水銀灯を
用いて100mJ/cm2 紫外線を照射し、更に120
℃で120分間加熱処理し、反射型のホログラムを作製
した。図6に、各色レーザーの照射タイミングを示す。
【0043】得られた、ホログラムの光学特性を透過型
分光器で測定したところ、赤色の回折効率は40%、緑
色の回折効率は63%、青色の回折効率は40%であ
り、所望する回折効率のカラーリップマンホログラムが
得られた。
【0044】また、このカラーリップマンホログラム
を、自動車用途として合わせガラス形態でヘッドアップ
ティスプレイ用としたところ、外観色は殆ど確認されな
かった。
【0045】
【実施例2】実施例1において、赤色レーザー10の出
力を1.40mWとする場合、露光量を40mJ/cm
2 とするためには露光時間は約28秒必要である。次
に、緑色レーザー11として露光強度が1.00mWの
ものを使用し、露光量が20mJ/cm2 となるように
露光時間を20秒とする。また、同様に青色レーザー1
2として露光強度が0.5mWのものを使用し、露光量
が7mJ/cm2 となるように露光時間を14秒とす
る。
【0046】そして、これにもとづき、図1に示す光学
系において、未記録の光重合性フイルムに、赤色レーザ
ー10による露光強度を1.40mWとし、露光時間は
約28秒、緑色レーザー11による露光強度を1.00
mWとし、露光時間を約20秒、また、同様に青色レー
ザー12による露光強度を0.5mWとし、露光時間を
約14秒、同軸で同時に記録角度を45°とし照射した
後、高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2 紫外線を照
射し、更に120℃で120分間加熱処理し、反射型の
ホログラムを作製した。図7に、各色レーザーの照射タ
イミングを示す。
【0047】得られた、ホログラムの光学特性を透過型
分光器で測定したところ、赤色の回折効率は35%、緑
色の回折効率は63%、青色の回折効率は45%であ
り、所望する回折効率に近いカラーリップマンホログラ
ムが得られた。
【0048】また、このカラーリップマンホログラム
を、自動車用途として合わせガラス形態でヘッドアップ
ティスプレイ用としたところ、外観色は殆ど確認されな
かった。
【0049】
【比較例】実施例1における各色のレーザーの露光強
度、露光時間を同一とするが、赤色レーザーによる記録
角度を45°と45°、緑色レーザーによる記録角度を
45°と62°、青色レーザーによる記録角度を30°
と54°とし、照射開始時を相違させ、まず、赤色レー
ザーにより28秒照射し、照射後に照射角度を上述のよ
うに変更した後、緑色レーザーにより28秒照射し、そ
の照射後に照射角度を上述のように変更した後、青色レ
ーザーにより28秒照射した。ついで、高圧水銀灯を用
いて100mJ/cm2 紫外線を照射し、更に120℃
で120分間加熱処理し、反射型のホログラムを作製し
た。図8に、各色レーザーの照射タイミングを示す。
【0050】得られた、ホログラムの光学特性を透過型
分光器で測定したところ、赤色の回折効率は55%、緑
色の回折効率は30%、青色の回折効率は10%であ
り、上記の実施例のものに比して、所望する回折効率か
らは悪いことがわかる。尚、上記ではR、G、Bのそれ
ぞれの記録角度を相違させたが、記録角度を同一として
も同一結果が得られた。
【0051】また、自動車用途として合わせガラス形態
でヘッドアップティスプレイ用としたところ、最初に照
射した赤色光に反応が支配され、外観色の観察されるも
のであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーリップマンホログラムの作製
方法を示す概略図である。
【図2】 本発明のカラーリップマンホログラムの再生
方法を示す概略図である。
【図3】 実施例1で使用した光重合性フイルムにおけ
る、赤色レーザーの露光量と得られる回折効率との関係
を示す図である。
【図4】 実施例1で使用した光重合性フイルムにおけ
る、青色レーザーの露光量と得られる回折効率との関係
を示す図である。
【図5】 実施例1で使用した光重合性フイルムにおけ
る、緑色レーザーの露光量と得られる回折効率との関係
を示す図である。
【図6】 実施例1におけるカラーリップマンホログラ
ムの製造において、各色レーザーの照射タイミングの説
明図である。
【図7】 実施例2におけるカラーリップマンホログラ
ムの製造において、各色レーザーの照射タイミングの説
明図である。
【図8】 比較例におけるカラーリップマンホログラム
の製造において、各色レーザーの照射タイミングの説明
図である。
【符号の説明】
図中、3は光重合性フイルム、10は赤色レーザー、1
1は青色レーザー、12は緑色レーザー、21はハーフ
ミラー、22、23はレンズ、25、25′は像であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤、緑、青の3原色を回折するカラーリ
    ップマンホログラムにおいて、該ホログラムが3原色そ
    れぞれのレーザー光を同軸でかつ照射開始時を同一とし
    て光重合性フイルムに照射して記録されるものであっ
    て、該レーザー光による露光量が光重合性フイルムにお
    ける各色のそれぞれの露光感度に応じて調節されること
    により、表示したい色調に各色のそれぞれの回折効率が
    調節されたものであることを特徴とするカラーリップマ
    ンホログラム。
  2. 【請求項2】 カラーリップマンホログラムが、ヘッド
    アップティスプレイ用である請求項1記載のカラーリッ
    プマンホログラム。
  3. 【請求項3】 光重合性フイルムに赤、緑、青の3原色
    のホログラム記録を行ない、カラーリップマンホログラ
    ムを製造するにあたり、該光重合性フイルムにおける各
    色の露光量と回折効率との関係をそれぞれグラフ化して
    おき、表示したい色調に応じて前記各グラフより各色の
    必要露光量を導出し、該各色の露光量に応じて、3原色
    それぞれのレーザー光を同軸でかつ照射開始時を同一と
    して光重合性フイルムに照射してホログラム記録をする
    ことを特徴とするカラーリップマンホログラムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 各色のホログラム記録が、3原色それぞ
    れのレーザー光における露光時間を同一とすると共に、
    各色の必要とする露光量になるようにそれぞれの露光強
    度を調節することにより行なわれるものである請求項3
    記載のカラーリップマンホログラムの製造方法。
  5. 【請求項5】 各色のホログラム記録が、各色のレーザ
    ー露光強度を固定すると共に、各色の必要とする露光量
    になるようにそれぞれの露光時間を調節することにより
    行なわれるものである請求項3記載のカラーリップマン
    ホログラムの製造方法。
  6. 【請求項6】 カラーリップマンホログラムが、ヘッド
    アップティスプレイ用である請求項3記載のカラーリッ
    プマンホログラムの製造方法。
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