JPH07159303A - ケーブルのクリープ試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者が張力調整を行う必要がなく、作業効
率の向上等を図ることができるケーブルのクリープ試験
装置を提供する。 【構成】 ケーブル試料１２の一端がロードセル１４を
介して支柱９に固定され、試料１２の他端には、回動自
在に吊下げられたＬ型部材１６の端部がリンク部材１５
を介して連結されている。またＬ型部材１６の他端部に
は、てこ装置１７の支点からの距離が短い方の端部が連
結され、他端部には電動巻上げ装置１９のワイヤ２０が
接続されている。さらに、ロードセル１４と巻上げ装置
１９のモータ１８とは、制御装置２１を介して電気的に
接続され、ロードセル１４からの信号により巻上げ装置
１９の動作が制御され、試料１２に印加される荷重また
は張力が調整されるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ケーブルのクリープ試
験装置に係わり、特に自動的に調整された荷重または張
力のもとでケーブルのクリープ試験を行う水平型の装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、光ファイバ複合架空地線（Ｏ
ＰＧＷ）のような架空電線またはケーブルのクリープ試
験は、てこの原理を利用し重りで荷重をかけるように構
成された水平型の装置により行われていた。

【０００３】すなわち、この試験装置においては、図２
に示すように、所定の長さのケーブル試料１が、一端を
固定ナット２により締付け固定されて水平に配置され、
他端部に、棒状のリンク部材３を介して、屈曲部で回動
自在に上から吊下げられたＬ型部材４が連結されてい
る。また、このＬ型部材４の他端部にはてこ装置５の一
方の端部（作用点）が接続され、てこ装置５の他端部に
は重り６が吊下げられている。こうしててこ装置５とＬ
型部材４により、重り６の重量の数倍から数10倍に倍加
された荷重が、ケーブル試料１に印加されている。そし
て、一定温度のもとで１０００〜１００００時間このよ
うな印加状態を継続し、ケーブル試料１に生じたクリー
プひずみを測定する。なお、図中符号７はケーブル取付
部材を示し、８は固定用支柱を示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のクリープ試験装置では、ケーブル試料１にクリ
ープが発生してくると、重り６が下降して、ケーブル試
料１に加えられる荷重または張力が減少してしまうた
め、適宜固定ナット２を回し、ケーブル試料１を固定用
支柱８の方向に動かして、重り６をもとの位置まで上昇
させることにより、張力等を一定に調整しなければなら
なかった。そして、特にクリープの発生が著しい試験開
始日等は、１人が付きっきりで前記した張力調整作業を
行わなければならず、作業効率が極めて悪かった。

【０００５】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、作業者が付いて張力調整作業を行う必
要がなく、試験作業の効率および試験精度の向上を図る
ことができるケーブルのクリープ試験装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のケーブルのクリ
ープ試験装置は、一端を固定され水平に配置されたケー
ブル試料の他端に、倍力機構を介して荷重印加装置によ
り荷重を印加し、前記ケーブル試料に生じるクリープひ
ずみを測定する装置において、前記ケーブル試料の一端
を、荷重または張力を検出するセンサを介して固定する
とともに、前記荷重印加装置としてモータにより駆動さ
れる巻上げ装置を用い、前記巻上げ装置の動作を、前記
センサからの出力信号により制御し、前記ケーブル試料
に加えられる荷重または張力を一定に調整してなること
を特徴とする。

【０００７】本発明においてケーブル試料の固定側端部
に接続するセンサとしては、空気圧等の流体圧、圧電、
弾性、電磁誘導等の現象を利用して加えられた荷重また
は張力を検出する、いわゆるロードセルと呼ばれる検出
機器が使用される。

【０００８】

【作用】本発明のクリープ試験装置においては、ケーブ
ル試料の固定端側にロードセルのような荷重または張力
の検出センサが介挿されるとともに、荷重印加装置とし
て電動巻上げ装置が用いられており、この巻上げ装置の
動作が前記張力等の検出センサからの信号により自動的
に制御され、ケーブル試料に加えられる張力等が常に一
定の規定値になるように調整される。このように本発明
の試験装置を用いることにより、張力の調整が自動的に
なされるので、クリープ試験の際に作業者が付いている
必要がなく、作業の効率と測定精度の向上が図られる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明のケーブルのクリープ試験装置の
一実施例を模式的に示す図である。図において、符号９
は固定用の支柱を示し、その適当な高さの位置にケーブ
ル取付部材１０が、固定ナット１１により固定されてい
る。そしてケーブル取付部材１０には、所定の長さに切
断されたケーブル試料１２に取着された端末金具１３の
一方が、ロードセル１４を介して取着され、ケーブル試
料１２は、他端部を以下に示す連結部材に吊下げられ水
平に支持されている。すなわち、ケーブル試料１２の他
端部には棒状のリンク部材１５が連結され、このリンク
部材１５の他端部には、中央屈曲部で上から吊下げら
れ、この吊下点の回りに回動自在に構成されたＬ型部材
１６の一方の端部、すなわち支点である吊下点からの距
離が短い方の端部が連結されている。また、このＬ型部
材１６のもう一方の端部には、水平に配置されたてこ装
置１７の支点からの距離が短い方の端部が、垂直棒状部
材を介して連結されている。さらに、てこ装置１７の他
端部には、モータ１８により駆動される巻上げ装置１９
のワイヤ２０が接続され、このワイヤ２０により垂直下
方に荷重（引張り荷重）がかけられている。なお、リン
ク部材１５とＬ型部材１６との連結、およびＬ型部材１
６とてこ装置１７から吊下げられた垂直棒状部材との連
結は、連結点の回りの回動が自在で相互の角度が自由に
変えられるように、ビス止め等により行うことが望まし
い。またさらに、ロードセル１４の出力端子と巻上げ装
置１９を駆動するモータ１８とは、制御装置２１を介し
て電気的に接続されており、ロードセル１４からの信号
により巻上げ装置１９の巻上げ動作が制御され、ケーブ
ル試料１２に印加される荷重または張力が一定に調整さ
れるように構成されている。

【００１０】このような構造のクリープ試験装置によれ
ば、てこ装置１７とＬ型部材１６との組合わせにより、
巻上げ装置１９のワイヤ２０による引張り荷重に対し
て、数倍から数10倍に倍加された荷重または張力が、ケ
ーブル試料１２の軸方向に印加され、その結果軸方向に
ケーブル試料１２のクリープひずみが検出測定される
が、ケーブル試料１２にクリープが生じそれによりケー
ブル試料１２にかかる張力等が減少すると、その変化が
直ちにロードセル１４により検出され信号が出力され
る。そして、ロードセル１４からの信号を受けた制御装
置２１は、この信号と記憶されたデータ等から所定の制
御動作を行って巻上げ装置１９のモータ１８に制御信号
を出力し、この信号を受けたモータ１８が巻上げ装置１
９のドラムを回転駆動し、ワイヤ２０による引張り荷重
を増大させる。このようにして、ケーブル試料１２に印
加される荷重または張力が自動的に一定の規定値に調整
されるので、試験の際に張力調整のために作業者が付い
ている必要がなく、作業効率および測定精度の向上を図
ることができる。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したように本発明の装置によれ
ば、ケーブルのクリープ試験において、自動的に張力の
調整がなされ、試験作業の効率を向上させおよび測定精
度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のケーブルのクリープ試験装置の一実施
例を模式的に示す図。

【図２】従来からのケーブルのクリープ試験装置を模式
的に示す図。

【符号の説明】

１、１２…ケーブル試料 ２、１１…固定ナット ３、１５…リンク部材 ４、１６…Ｌ型部材 ５、１７…てこ装置 ６………重り ７、１０…ケーブル取付部材 ８、９……固定用支柱 １３………端末金具 １４………ロードセル １８………モータ １９………巻上げ装置 ２０………ワイヤ ２１………制御装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が固定され水平に配置されたケーブ
   ル試料の他端に、倍力機構を介して荷重印加装置により
   荷重を印加し、前記ケーブル試料に生じるクリープひず
   みを測定する装置において、 前記ケーブル試料の一端を、荷重または張力を検出する
   センサを介して固定するとともに、前記荷重印加装置と
   してモータにより駆動される巻上げ装置を用い、前記巻
   上げ装置の動作を、前記センサからの出力信号により制
   御し、前記ケーブル試料に加えられる荷重または張力を
   一定に調整してなることを特徴とするケーブルのクリー
   プ試験装置。