JPH0715840B2 - 高速原子線放射装置 - Google Patents

高速原子線放射装置

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JPH0715840B2
JPH0715840B2 JP33122189A JP33122189A JPH0715840B2 JP H0715840 B2 JPH0715840 B2 JP H0715840B2 JP 33122189 A JP33122189 A JP 33122189A JP 33122189 A JP33122189 A JP 33122189A JP H0715840 B2 JPH0715840 B2 JP H0715840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はスパッタリングなどに使用する高速原子線放射
装置に関する。
(従来の技術) 常温大気中で熱運動している原子は概ね0.05ev程度の運
動エネルギーを有しているが、これに比べて遥かに大き
い運動エネルギーで飛翔する分子や原子を総称して「高
速原子」と呼び、これが一方向にビーム状に流れる場合
を「高速原子線」と呼んでいる。
従来、スパッタリング技術の内、スパッタエッチングや
二次イオン放出による物質組成分析などにおいて、この
高速原子線を利用するスパッタリング技術がある。そし
て、この高速原子線を使用する装置には通常のスパッタ
リングで使用されるアルゴンなどの不活性ガス以外に塩
素や酸素などのガスを利用するものがある。更に、これ
らの装置は上述のようなガスをイオン化してそのまま射
出するものと、電気的に中性な高速原子線として射出す
るものがある。
この電気的に中性化を行う高速原子線源としては、イオ
ン源から放出されるイオンビームを電子線を利用した中
性化手段などによって電気的中性の高速原子線とするも
のや、更には、次に示す第7図のように高速原子線を直
接射出する装置がある。
第7図の高速原子線放射装置の構成として、まず、円筒
形の陰極1内の中央部には陰極1の側面に沿ったドーナ
ツ状の陽極2が配置されている。この陰極1と陽極2は
真空容器外に配置された直流高圧電源3に接続されてい
る。円筒形の陰極1内部に開口しているガス注入ノズル
4から例えば酸素ガスを注入し、直流高圧電源3で直流
高電圧を印加することによって、円筒形の陰極1内はグ
ロー放電によるプラズマ6が発生し、酸素イオンと電子
が生成される。更に、陰極1の底面から放出される電子
は陽極2を挟んで高周波振動を行い、酸素ガスと衝突し
て酸素イオンを生成する。
こうして生成した酸素イオンは陰極1の底面に向かって
加速されて高速イオンとなる。そして、この酸素イオン
は陰極1の付近に残留している酸素ガス分子と接触して
酸素原子に戻り、また、陰極1の底面近傍の空間で高周
波振動の折り返しを迎える低エネルギーの電子と再結合
して酸素原子に戻る。
このような高速の酸素イオンは上記のように酸素原子に
戻ってもその運動エネルギーの損失は少ないので、その
ままエネルギーが原子に受け継がれて高速原子となる。
そして、この高速原子は円筒形の陰極1の一方の底面に
空けられた放出孔7から高速原子線8となって放出され
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記のような高速原子線放射装置において、放射装置内
に供給されたガスをイオン化する為に、具備されている
電極間に高電圧を印加し、グロー放電やスパーク放電な
どを発生させて供給されたガスをイオン化して加速して
いる。この場合、放電を発生させるために上述のように
高電圧が必要であり、畢竟、加速されたイオンは運動エ
ネルギーが高い状態となってしまう。
ここで、この加速されたイオンに所定の運動エネルギー
を与え且つ中性化するため、多くの場合減速又は加速が
必要となり、特に低い運動エネルギーとしたい場合に、
散乱が大きくなり且つ電極への衝突が多くなるなどして
効率が落ちてしまうという問題がある。
更に、上述のように従来の装置ではイオン化のプロセス
及びこのイオンを再び中性化するプロセスを含んでい
る。各プロセスにはそれぞれ効率があり、プロセスが増
えればそれだけ最終的効率が低下するのは自明である。
例えば従来のイオン化プロセスの効率は数%〜約40%で
あり、中性化のプロセスの効率は約10%〜約80%であ
る。従って、最終的な効率は高くても30%程度となって
しまう。
本発明の目的は、上述の問題を解決して、反応性の高い
高速原子の発生を高効率で容易に得ることができ、且つ
高速原子の運動エネルギーを低い値から高い値まで任意
に設定できる高速原子線放射装置を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の上記目的は、板状電極と該板状電極に対向し表
面積が該板状電極より小さい小型電極とが配置される真
空容器と、板状電極と小型電極とを接続して真空容器外
に配置された直流高圧電源とを有し、板状電極の一箇所
又は複数箇所で小型電極に対向して配置されて電気双極
子を有するガス分子を注入するノズルを備える構成の高
速原子線放射装置により達成される。
即ち、前記直流高圧電源によって両電極には同じ大きさ
の電荷が現れるが、前記板状電極に対向する前記小型電
極の部分の表面積が該板状電極より小さく設定されるの
で、小型電極近傍の電界の強さが板状電極近傍より強く
なり、小型電極へ近づく程電気力線の密度が高くなって
ゆく。これは小型電極の板状電極に対向する部分の表面
積が小さくなるほど(一般には小型電極が小さくなれば
なるほど)著しくなる。ここで、この電界の中に板状電
極側から前記ノズルよりある程度の速度で小型電極方向
へ電気双極子が注入されると、電気双極子の小型電極側
にある電荷は板状電極側の電荷よりも強い電界内に存在
することになり、この電気双極子は小型電極へ向かって
加速され、高速原子線となって放射される。
このような電気双極子の小型電極方向への加速は上述の
ように小型電極と板状電極との相対する部分の表面積比
による電界の分布(特に小型電極近傍)に影響され、更
に、電気双極子の双極子モーメントが大きくなる程この
加速は小型電極方向へより大きくなる。また、両電極の
極性はどちらを負極または陽極としても、それに対応し
て電気双極子の向きも変わるので、この交換はまったく
問題はない。
以上のように、本発明は不均一な強電界中に存在する電
気双極子が電界の強い方向に加速されることを利用し、
ガスのイオン化・加速及び中性化のプロセスを経ずに高
速原子線を放射することを可能とする。
更に、前記真空容器内の前記板状電極と前記小型電極と
の間に紫外線を照射する紫外線光源を配置する構成によ
り、両電極間で加速中の電気双極子は紫外線により励起
され、反応性の高い高速原子線を放射することを可能と
する。
(実施例) 以上、添付図面を用いて本発明の実施例について説明す
る。
第1図は本発明の高速原子線放射装置の一実施例を示す
概略構成図である。
真空容器29中に配置された板状電極21と小型電極である
細線状電極22とに真空容器29外に配置された直流高圧電
源28が接続している。板状電極21の中心部にはガス注入
孔23が空けられ、そのガス注入孔23には真空容器29外部
からガスノズル24が導かれている。細線状電極22はガス
ノズル24の吹き出し方向と交差するように配置されてい
る。
電源28以外の要素は真空容器29内に収められ、真空容器
29内が充分に排気された後に任意のタイミングでガスノ
ズル24から電気双極子を有するガス分子が注入される。
ここでこの電気双極子としては、前述のように双極子モ
ーメントが大きいものが好ましく、例えば、アセトアミ
ド・アセトニトリルなどの比較的高分子のものやヨウ化
カリウム・シアン化水素・過酸化水素・塩化ナトリウム
などがあり、更に、通常広く高速原子線として使用され
ているアルゴンやヘリウムなどの元素も高電圧下では電
子の分布に不均一が生じるので、電気双極子としての振
舞いをする。
電源28の接続方向によって板状電極21及び細線状電極22
は陽極・陰極どちらでも設定できるが、例えば、第1図
のように板状電極21を陽極、細線状電極22を陰極とする
と、第2図の電気力線状態を示す断面図のように、電気
力線が板状電極21から細線状電極22へ向かって集中し
て、細線状電極22に近づく程電界が強くなる。
真空容器29内にガスノズル24から注入された電気双極子
は正電荷側が電気力線に沿って細線状電極22に向き、そ
の正電荷端の位置の電界が負電荷端の位置の電界より強
く、その差は細線状電極22に近づくほど大きくなるの
で、電気双極子は注入時の速度ベクトルと電気力線の接
線方向ベクトルとの合成ベクトル方向に向かって加速さ
れる。そして、ガスノズル24からの注入範囲に比較して
細線状電極22を極細くすることで、電気双極子の細線状
電極22との衝突を少なくし、高速原子線27となって放射
口30から放射させることができる。なお、この放射口30
は中央部分が開口していても良いし、全面が開口してい
ても良い。
第3図は本発明の他の実施例を示す概略斜視図である。
ここにおいて、第1図と同様の要素には同一の符号を付
す。
この高速原子線放射装置は第1図の細線状電極22を小球
電極32に置き換えたものであり、この小球電極32はガス
ノズル24の吹き出し方向上に位置している。
細線状電極22よりも表面積が小さくなるのは明らかであ
り、電気力線の収束はガスノズル24の吹き出し方向に垂
直な平面で円状となり且つ収束の変化量が大きくなるの
で、高速原子線27はより密度が高くなる。
第4図も本発明の他の実施例を示す概略斜視図であり、
第3図の実施例と同様に細線状電極22を置き換えたもの
で、これをリング状電極34としている。ここにおいて、
第1図と同様の要素には同一の符号を付す。
前記小球電極32を採用した場合よりも表面積が大きくな
るので、電気力線の収束の変化量は小さくなるが、高速
原子線27の放射は充分可能であり、放射範囲及び状態を
変更するという意味で効果的である。そして、このリン
グ状電極34の直径はあまり小さいと小球電極32を大きく
した場合と同等となってしまうので、リングの太さの10
倍程度が好適である。
第5図も本発明の他の実施例を示す概略斜視図である。
真空容器29内で板状電極41は同一形状・同一面積の2枚
の長方形板からなっており、この2枚の板状電極41の間
に一列に並べられたガスノズル44が配置されている。そ
して、このガスノズル44に平行に相対峙して細線状電極
42が配置されている。また2枚の板状電極41の両方には
電源28の一方の極が接続され、他方の極が細線状電極42
に接続されている。
この高速原子線放射装置では、細線状電極42に垂直な平
面における電気力線の収束状態が第2図と同様の状態と
なり、高速原子線は細線状電極42に対して平行線上の放
射密度がほぼ一定となる。従って、より広範囲の高速原
子線放射を行うことができる。
更に、第6図も本発明の他の実施例を示す概略斜視図で
ある。この実施例では第1図の装置において、真空容器
29の側壁に紫外線照射装置50が配置されている。この他
の構成要素は第1図と同様であり、これらの要素には第
1図と同一の符号を付している。紫外線照射装置50は真
空容器29内で板状電極21と細線状電極22との間の空間
で、電気双極子が存在する部分に紫外線を照射する。
このように紫外線を受けた電気双極子は励起され、放射
される高速原子線27を反応性の高いものとすることがで
る。このような紫外線照射装置50は上記第1図以外の実
施例の装置にも適用可能である。
なお、上記各実施例において、板状電極と小型電極の極
性はどちらを負極または陽極としても同様の結果を得る
ことができる。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明の高速原子線放射装置によれ
ば、前記板状電極より前記小型電極の該板状電極に対向
する部分の表面積を小さく設定して、小型電極へ向かう
電気力線の密度を高くし、電気双極子を含むガスを電界
の不均一化によって電気的に直接加速するので、高速原
子線発生効率低下の原因となるイオン化・中性化などの
プロセスが存在せず、注入した電気双極子のほとんどを
高速原子線とする極めて大きな発生効率を得ることがで
きる。
また、数10eV程度の低運動エネルギー高速原子線の場合
でも、電気的な直接の加速であるので発生効率低下の要
因は少なく、効率の良い発生が可能である。
更に紫外線照射装置を導入することによってガス分子を
励起し、反応性を高めることができる。
以上のように、数10eV程度の低運動エネルギーの高速原
子線によって材料に損傷を与えずに微細パターン加工や
材料分析を行うことができる。さらに高速原子線は全体
としては電気的に中性であるので、イオンビームでは適
用が困難であるプラスチックやセラミックスなどの絶縁
体を対象とする加工や分析の場合にも非常に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高速原子線放射装置の一実施例を示す
概略構成図、 第2図は電気力線状態を示す断面図、 第3図、第4図、第5図、第6図は本発明の他の実施例
を示す概略構成図、 第7図は従来の高速原子線放射装置を示す概略斜視図で
ある。 (図中符号) 1…円筒形陰極、2…ドーナツ状陽極 3…直流高圧電源、4…ガス注入ノズル 6…プラズマ、7…放出孔 21…板状電極、22……細線状電極 23…ガス注入口、24…ガスノズル 27…高速原子線、28…直流高圧電源 29…真空容器、30…放射口 32…小球電極、34…リング状電極 41…板状電極、42…細線状電極 44…ガスノズル 50…紫外線照射装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状電極と該板状電極に対向し表面積が該
    板状電極より小さい小型電極とが配置される真空容器
    と、前記板状電極と前記小型電極とを接続して前記真空
    容器外に配置された直流高圧電源と、前記板状電極の一
    箇所又は複数箇所で前記小型電極に対向して配置されて
    電気双極子を有するガス分子を注入するノズルとを備え
    ることを特徴とする高速原子線放射装置。
  2. 【請求項2】前記真空容器内の前記板状電極と前記小型
    電極との間で前記電気双極子に紫外線を照射する紫外線
    光源を備えることを特徴とする請求項(1)の高速原子
    線放射装置。
JP33122189A 1989-10-20 1989-12-22 高速原子線放射装置 Expired - Lifetime JPH0715840B2 (ja)

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JPH03219597A JPH03219597A (ja) 1991-09-26
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