JPH07147183A - 面状発熱体およびその製造方法 - Google Patents

面状発熱体およびその製造方法

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JPH07147183A
JPH07147183A JP5319132A JP31913293A JPH07147183A JP H07147183 A JPH07147183 A JP H07147183A JP 5319132 A JP5319132 A JP 5319132A JP 31913293 A JP31913293 A JP 31913293A JP H07147183 A JPH07147183 A JP H07147183A
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JP
Japan
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heating element
electrode
carbon fiber
mixed paper
layer
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JP5319132A
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Inventor
Haruhiko Nomura
晴彦 野村
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Dairin Shoji KK
Original Assignee
Dairin Shoji KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素繊維および繊維間の均一性の条件を緩和
し、高い歩留りで効率良く大量生産することが可能な電
極構造を有する面状発熱体を提供することである。 【構成】 炭素繊維混抄紙1の表面に、対向する2つの
短辺に沿って一対の電極層2が形成される。炭素繊維混
抄紙1の表面において一対の電極層2間にそれらの電極
層2と平行に1または複数の電界平滑用電極層10が形
成される。一対の電極層2間に電圧を印加すると、各電
界平滑用電極層10の各部は同一の電位に保たれ、各電
界平滑用電極層10に沿って等電位面が形成される。そ
れにより、炭素繊維混抄紙1内の電界のばらつきが平滑
化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は面状発熱体およびその
製造方法に関し、特に電極部分の構造の改良および電極
部分の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維混抄紙を用いた面状発熱
体が遠赤外線を効率よく放射する発熱体として注目され
ている。炭素繊維混抄紙は、和紙の製造工程でパルプに
適度に裁断された炭素繊維を混入させることにより製造
される。
【0003】炭素繊維混抄紙を用いた面状発熱体の製造
方法を図13および図14を参照しながら説明する。ま
ず、炭素繊維混抄紙1の表面に、対向する2辺に沿って
帯状の一対の電極を形成する。ただし、図14には、一
対の電極のうち一方の電極2のみが示される。その後、
生乾き状態(未硬化の状態)の樹脂層でその炭素繊維混
抄紙1を挟み、ホットプレスすることにより、その樹脂
層を熱硬化させる。このようにして、炭素繊維混抄紙1
の両面に樹脂層3,4がラミネートされる。そして、電
極2上の樹脂層3の所定箇所を削り取ることにより、樹
脂層3に電気的接続のためのスルーホール5が形成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の面状発熱体にお
いて、炭素繊維混抄紙内に炭素繊維が均一に分布してい
れば、一対の電極間に電圧を印加した場合にそれらの電
極間に均一な電界が発生し、炭素繊維混抄紙の全面から
一様に遠赤外線が放射される。
【0005】しかしながら、炭素繊維の分布または繊維
間の接触に不均一な部分があると、発生する電界がばら
つき、すなわち、電界の場所によるゆらぎが生じる。比
較的長い発熱体を形成した場合には高い電圧を印加する
ことが必要となるが、その場合、電界のばらつき、すな
わち電界の場所によるゆらぎが大きく現れる。このよう
に、電界のばらつきの大きさは電極間の距離に正の相関
をするので、面状発熱体の面積が大きくなって電極間の
距離が長くなるほど、電界のばらつきは大きくなり、結
果として、均一な発熱密度性能が得られなかった。
【0006】また、電界のばらつきが大きくなって異常
電界が発生すると、局所的に面状発熱体が過熱する。そ
のため、検査工程において、製造された炭素繊維混抄紙
のうち炭素繊維の分布がある程度均一なものを選択し、
それ以外のものは破棄することになる。面状発熱体の面
積が大きくなるほど、炭素繊維の不均一性による電界の
ばらつきが大きくなるので、大面積の面状発熱体ほど歩
留りが悪くなる。そのため、大面積の面状発熱体を大量
生産することが困難となっていた。
【0007】一方、図13および図14に示した製造方
法において、ラミネートされた樹脂層3の一部を削り取
ることによりスルーホール5を形成する工程は容易では
なく、非常に手間がかかり、また、電極面に破損が生じ
ることがある。そのため、このスルーホール5の形成の
ための工程も、面状発熱体を効率的に大量生産すること
の妨げとなっていた。
【0008】この発明の目的は、炭素繊維の均一性の条
件を緩和するとともに、電極間の温度上昇を平均化し、
高い歩留りで効率良く大量生産することが可能な電極構
造を有する面状発熱体を提供することである。この発明
の他の目的は、面状発熱体の電極部分の製造工程を容易
にする製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)第1の発明 第1の発明に係る面状発熱体は、電流供給用電極間に1
または複数の電界平滑用電極を設けたものである。
【0010】(2)第2の発明 第2の発明に係る面状発熱体の製造方法は、炭素繊維混
抄紙の表面に3本以上の帯状の電極を設けるものであ
る。
【0011】(3)第3の発明 第3の発明に係る面状発熱体の製造方法は、電極層の形
成後、スルーホール埋込片を電極層上に設置した後、ス
ルーホール形成用埋込片の一部分が電極層と樹脂層との
間に挟み込まれかつスルーホール形成用埋込片の残りの
部分またはそれに連帯する部分が樹脂層の外部に突出す
るように樹脂層を炭素繊維混抄紙上に積層するものであ
る。
【0012】(4)第4の発明 第4の発明に係る面状発熱体の製造方法は、電極層の形
成後、スルーホールに相当する大きさおよび樹脂層とほ
ぼ同じ厚さを有するスルーホール形成用埋込層を電極層
の所定位置に設置した後、樹脂層を炭素繊維混抄紙上に
積層するものである。
【0013】
【作用】
(1)第1の発明 第1の発明に係る面状発熱体において、一対の電流供給
用電極に電圧を印加する場合、それらの間に設けられた
電界平滑用電極の各部分は同一電位に保たれる。すなわ
ち、電界平滑用電極に沿って等電位が形成される。この
場合、炭素繊維および繊維間の不均一性により必然的に
生じる電界のばらつきの大きさは、電流供給用電極と電
界平滑用電極との間の距離により決まることになる。し
たがって、面状発熱体の面積が大きく一対の電流供給用
電極間の距離が長い場合でも、それらの間に電界平滑用
電極を設けることにより、電界のばらつきを小さくする
ことができる。結果として、電界平滑用電極により炭素
繊維の不均一性に基づく電界のばらつきが平滑化され、
均一な発熱性能が得られる。
【0014】(2)第2の発明 第2の発明に係る面状発熱体の製造方法よれば、炭素繊
維混抄紙の表面に3本以上の帯状の電極を設けることに
より、電極形成後、所望に応じて、それらの電極の各々
を電流供給用の電極、電界平滑用の電極または温度制御
用の電極として用いることができる。また、任意の電極
間で炭素繊維混抄紙を裁断することにより、任意のサイ
ズの面状発熱体を製造することができる。
【0015】(3)第3の発明 第3の発明に係る面状発熱体の製造方法よれば、スルー
ホール形成用埋込片の一部分が電極層と樹脂層との間に
挟み込まれ、かつスルーホール形成用埋込片の残りの部
分またはそれに連帯する部分が外部に突出する。したが
って、その突出した部分を樹脂層に対して上方に引っ張
れば、電極層と樹脂層との間に挟み込まれたスルーホー
ル形成用埋込片のエッジによりその上部の樹脂層が剪断
され、樹脂層に電気的接続のためのスルーホールが形成
される。
【0016】(4)第4の発明 第4の発明に係る面状発熱体の製造方法によれば、スル
ーホール形成用埋込層が電極層上の樹脂層に埋設され
る。したがって、そのスルーホール形成用埋込層を取り
除けば、樹脂層に電気的接続のためのスルーホールが形
成される。
【0017】
【実施例】図1はこの発明の第1の実施例による面状発
熱体の模式的な平面図であり、図2は図1の面状発熱体
の断面図である。
【0018】この面状発熱体は、炭素繊維混抄紙1およ
びその炭素繊維混抄紙1の両面にラミネートされた樹脂
層3,4からなる。樹脂層3,4は、例えばガラス繊維
強化エポキシ樹脂(以下、ガラスエポキシ樹脂と呼ぶ)
により形成される。この面状発熱体は長方形の形状を有
する。
【0019】炭素繊維混抄紙1は次のようにして製造さ
れる。和紙の原料となるコウゾ、ミツマタまたはガンピ
等の靱皮繊維に水を加えてパルプ液を作るともに、例え
ば5mm程度にカッテングされた炭素繊維をその中に混
入し、分散させる。そのパルプ液を抄紙用の網上に流
し、ウエットシートを形成する。そのウエットシートを
搾水用のロールを用いて機械的に脱水し、乾燥させた
後、所定の寸法に裁断する。このようにして、厚さ0.
2mm前後の炭素繊維混抄紙1が形成される。
【0020】炭素繊維混抄紙1の表面には、対向する2
つの短辺に沿って幅約1cmの帯状に銀ペースト6が印
刷され、導電性の接着剤が塗布された銅箔テープからな
る電流供給用電極層(以下、単に電極層と呼ぶ)2が銀
ペースト6上に接着されている。電極層2上の樹脂層3
の所定箇所に導線取り付け用のスルーホール5が形成さ
れている。このスルーホール5を通して導線7がはんだ
付け等により電極層2に接続されている。
【0021】また、炭素繊維混抄紙1の表面において、
一対の電極層2の間にそれらの電極層2と平行に1また
は複数の電界平滑用電極層10が形成されている。この
実施例では、一対の電極層2間に2つの電界平滑用電極
層10が設けられている。これらの電界平滑用電極層1
0も、電極層2と同様に、銀ペースト11を介して炭素
繊維混抄紙1に接着されている。
【0022】導線7を介して面状発熱体の一対の電極層
2に電圧を印加すると、炭素繊維混抄紙1内に分散され
た炭素繊維に電流が流れ、それらの炭素繊維が発熱して
炭素繊維混抄紙1の表面から前方に遠赤外線が放射され
る。
【0023】この実施例の場合、各電界平滑用電極層1
0の各部分が同一電位に保たれる。すなわち、各電界平
滑用電極層10に沿って等電位が形成される。それによ
り、炭素繊維混抄紙1内の炭素繊維の分布の均一性によ
る電界のばらつきの大きさが、電極間の距離により決ま
ることになる。すなわち、電界のばらつきの大きさが、
炭素繊維混抄紙1の領域Aでは一方の電極層2と一方の
電界平滑用電極層10との間の距離で決まり、炭素繊維
混抄紙1の領域Bでは一方の電界平滑用電極層10と他
方の電界平滑用電極層10との間の距離で決まり、炭素
繊維混抄紙1の領域Cでは他方の電界平滑用電極層10
と他方の電極層2との間の距離で決まる。
【0024】したがって、面状発熱体の面積が大きく一
対の電極層2間の距離が長い場合でも、電界平滑用電極
層10により電界のばらつきを小さくすることができ
る。結果として、電界平滑用電極層10により炭素繊維
の不均一性に基づく電界のばらつきが平滑化される。
【0025】なお、この実施例では、2つの電界平滑用
電極層10が設けられているが、電界平滑用電極層10
の数は面状発熱体の一対の電極層2間の距離に応じて適
宜決定する。また、この実施例では、電界平滑用電極層
10が銀ペースト6上の銅箔テープからなるが、電界平
滑用電極を銀ペーストのみで形成してもよい。さらに、
上記の目的のためなら、如何なる導電性の材料を印刷し
てもよい。
【0026】図3はこの発明の第2の実施例による面状
発熱体の模式的な平面図である。図3の面状発熱体が図
1の面状発熱体と異なるのは、電界平滑用電極層10に
も、電極層2と同様に導線が接続されている点である。
すなわち、一方の電極層2、一方の電界平滑用電極層1
0、他方の電界平滑用電極層10および他方の電極層2
にそれぞれ導線7a,7b,7c,7dが接続されてい
る。
【0027】この実施例の面状発熱体では、導線7a,
7b間、導線7b,7c間および導線7c,7d間にそ
れぞれ独立に電圧を印加することができる。それによ
り、炭素繊維混抄紙1の領域A、炭素繊維混抄紙1の領
域Bおよび炭素繊維混抄紙1の領域Cの発熱密度をそれ
ぞれ独立に制御することができる。
【0028】例えば、この面状発熱体を部屋の壁に縦に
設置した場合、上部の温度を低く、下部の温度を高く設
定することにより、頭寒足熱が実現される。また、部屋
内の下部の温度が低く、上部の温度が高い場合でも、炭
素繊維混抄紙1の下部の領域の温度を高く設定し、炭素
繊維混抄紙1の上部の領域の温度を低く設定することに
よって、部屋全体の空気の温度が均一になるように制御
することが可能である。逆に、壁面の温度を制御し、必
要な箇所と不必要な箇所とを自由に調整することができ
る。さらに、この面状発熱体を床に設置した場合、所望
の領域の温度を高くあるいは低く設定することができ
る。すなわち、発熱密度を場所・環境と調和するように
調節することができる。
【0029】図4はこの発明の第3の実施例による面状
発熱体の製造方法を説明するための模式的な平面図であ
り、図5はその製造方法により製造された面状発熱体の
模式的な平面図である。
【0030】この製造方法では、図4に示すように、炭
素繊維混抄紙1の表面に複数の電極層2a,2b,2
c,2d,2e,2fをほぼ平行に形成する。その後、
その炭素繊維混抄紙1に樹脂層をラミネートするととも
に、導線7a,7b,7c,7d,7e,7fをそれぞ
れ接続すると、図5に示す面状発熱体が製造される。図
5の面状発熱体の電極層2a,2b,2c,2d,2
e,2fの各々は、所望に応じて、電流供給用電極、電
界平滑用電極、あるいは温度制御用電極として用いるこ
とができる。
【0031】図4に示すように、炭素繊維混抄紙1の表
面に複数の電極層2a,2b,2c,2d,2e,2f
をほぼ平行に形成した後、電極層2b,2c間および電
極層2d,2e間で炭素繊維混抄紙1を裁断することに
より、小サイズの3枚の面状発熱体を製造することがで
きる。あるいは、図5の面状発熱体の製造後、電極層2
b,2c間および電極層2d,2e間で炭素繊維混抄紙
1を裁断することにより、小サイズの3枚の面状発熱体
を製造することもできる。
【0032】このように、炭素繊維混抄紙1の表面に複
数の電極層2a,2b,2c,2d,2e,2fを形成
することにより、電界の平滑化および領域ごとの種々の
温度制御が可能となり、かつ所望に応じて任意のサイズ
の面状発熱体を製造することが可能になる。
【0033】なお、上記第1〜第3の実施例では、直線
状の電極を用いているが、電極の形状はこれには限られ
ない。図6の(a)に示すように、環状の電極2Aおよ
びその中心部に設けられた円形の電極2Bを用いてもよ
い。この場合、電極2Bの中心から半径方向の距離をr
とすれば、図6の(b)に示すように、面状発熱体の各
部の温度上昇ΔTは中心からの距離rに依存して変化す
る。また、電極を、楕円形、その他の任意の形状に形成
することもできる。このように、電極を任意の形状に形
成することにより、面状発熱体の温度分布を所望に応じ
て自由に設定することができる。
【0034】次に、図7を参照して上記実施例の面状発
熱体におけるスルーホール5の形成方法の一例を説明す
る。
【0035】まず、図7の(a)に示すように、炭素繊
維混抄紙1の表面に銀ペースト6を介して電極層2を形
成した後、電極層2上に埋込片20を設置する。埋込片
20は、例えば、金属、硬質の樹脂等により電極層2よ
りも狭い幅の帯状に形成されている。この埋込片20
は、その中央部で屈曲され、一方が埋込部20a、他方
が引張部20bとなっており、埋込部20aが電極層2
に沿うように設置される。
【0036】次に、図7の(b)に示すように、生乾き
状態(未硬化の状態)の樹脂層3,4で炭素繊維混抄紙
1を挟む。この際、埋込片20の埋込部20aが樹脂層
3と電極層2との間に挟み込まれ、かつ把持部20bが
樹脂層3の外部に出るようにする。
【0037】さらに、図7の(c)に示すように、ホッ
トプレスにより樹脂層3,4を熱硬化させる。その結
果、炭素繊維混抄紙1の両面に樹脂層3,4がラミネー
トされる。図8に図7(c)の状態における面状発熱体
の平面図を示し、図9に図8の面状発熱体のX−X線断
面図を示す。図8および図9に示すように、埋込片20
の埋込部20aが炭素繊維混抄紙1と樹脂層3との間に
埋め込まれ、把持部20bが樹脂層3の外部に取り出さ
れている。
【0038】この状態で、図7の(d)に示すように、
埋込片20の把持部20bを把持して樹脂層3に対して
上部後方に引っ張れば、埋込部20aのエッジによりそ
の上部の樹脂層3が剪断され、その樹脂層3の部分が電
極層2から剥ぎ取られる。剥ぎ取られた部分を残りの樹
脂層3から切り取ることにより、電極層2上にスルーホ
ール5が形成される。このスルーホール5を利用して、
電極層2に導線を接続することができる。
【0039】図7の方法を用いれば、面状発熱体の電極
部分の製造工程が容易になり、面状発熱体を効率良く大
量生産することができる。なお、埋込片20を金属等の
導電性の材料で形成すれば、その埋込片20を樹脂層3
から剥ぎ取ることなく、埋込部20aが樹脂層20に埋
め込まれた状態でも、把持部20bを電極の引出し部分
として用いることができる。
【0040】次に、図10を参照して上記実施例の面状
発熱体におけるスルーホール5の形成方法の他の例を説
明する。
【0041】まず、図10の(a)に示すように、炭素
繊維混抄紙1の表面に銀ペースト6を介して電極層2を
形成した後、電極層2の表面の所定箇所に裏面に粘着剤
が塗布された埋込層30を設置する。そして、生乾き状
態の樹脂層3,4で炭素繊維混抄紙1を挟む。この埋込
層30は、例えば、耐熱性がありかつ可撓性の樹脂から
なり、形成すべきスルーホールに対応する形状および寸
法を有し、樹脂層3とほぼ同じ厚さを有する。
【0042】次に、図10の(b)に示すように、ホッ
トプレスにより樹脂層3、4を熱硬化させる。図11に
図10の(b)の状態における面状発熱体の平面図を示
し、図12に図11の面状発熱体のY−Y線断面図を示
す。図11および図12に示すように、電極2上の樹脂
層3に埋込層30が埋設されている。
【0043】その後、図10の(c)に示すように、樹
脂層3に埋設された埋込層30を剥ぎ取ることにより、
電極層2上の樹脂層3にスルーホール5が形成される。
埋込層30は粘着剤により電極層2に粘着されているだ
けであるので、容易に剥ぎ取ることができる。
【0044】図10の方法を用いても、面状発熱体の電
極部分の製造工程が容易になり、面状発熱体を効率良く
大量生産することができる。
【0045】
【発明の効果】第1の発明によれば、炭素繊維の不均一
性に基づく電界のばらつきが電界平滑用電極により平滑
化されるので、異常電界の発生が防止される。したがっ
て、炭素繊維の均一性の条件が緩和され、安全性が確保
されるとともに、大面積の面状発熱体を高い歩留りで効
率良く大量生産することが可能になる。
【0046】第2の発明によれば、電極形成後、所望に
応じて、それらの電極の各々を電流供給用の電極、電界
平滑用の電極または温度制御用の電極として用いること
ができるので、安全性の確保、歩留りの向上および用途
の拡大が実現される。また、任意の電極間で炭素繊維混
抄紙を裁断することにより、任意のサイズの面状発熱体
を製造することができるので、製造ラインを増やすこと
なく種々のタイプの面状発熱体を製造することができ
る。
【0047】第3の発明によれば、樹脂層から突出した
スルーホール形成用埋込片の部分を上方に引っ張るだけ
で樹脂層に電気的接続のためのスルーホールが形成され
るので、面状発熱体の電極部分の製造工程が容易にな
る。したがって、面状発熱体を効率良く大量生産するこ
とが可能になる。
【0048】第4の発明によれば、樹脂層に埋設された
スルーホール形成用埋込層を取り除くだけで樹脂層に電
気的接続のためのスルーホールが形成されるので、面状
発熱体の電極部分の製造工程が容易になる。したがっ
て、面状発熱体を効率良く大量生産することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による面状発熱体の模
式的な平面図である。
【図2】図1の面状発熱体の一部の断面図である。
【図3】この発明の第2の実施例による面状発熱体の模
式的な平面図である。
【図4】この発明の第3の実施例による製造方法を説明
するための炭素繊維混抄紙の模式的な平面図である。
【図5】この発明の第3の実施例による製造方法により
製造された面状発熱体の模式的な平面図である。
【図6】環状および円形の電極を示す図およびそれらの
電極を用いた面状発熱体の温度分布を示す図である。
【図7】面状発熱体におけるスルーホールの形成方法の
一例を示す断面図である。
【図8】埋込片が埋設された面状発熱体の電極部分の平
面図である。
【図9】図8の面状発熱体のX−X線断面図である。
【図10】面状発熱体におけるスルーホールの形成方法
の他の例を示す断面図である。
【図11】埋込層が埋設された面状発熱体の電極部分の
平面図である。
【図12】図11の面状発熱体のY−Y線断面図であ
る。
【図13】従来の面状発熱体におけるスルーホールの形
成前の状態を示す断面図である。
【図14】従来の面状発熱体におけるスルーホールの形
成後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 炭素繊維混抄紙 2,2a,2b,2c,2d,2e,2f 電極層 2A,2B 電極 3,4 樹脂層 5 スルーホール 6,11 銀ペースト 7,7a,7b,7c,7d,7e,7f 導線 10 電界平滑用電極層 20 埋込片 20a 埋込部 20b 把持部 30 埋込層 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維を含むシートに帯状の電流供給
    用電極を設けた面状発熱体において、 前記電流供給用電極間に1または複数の電界平滑用電極
    を設けたことを特徴とする面状発熱体。
  2. 【請求項2】 炭素繊維混抄紙の表面に3本以上の帯状
    の電極を設けることを特徴とする面状発熱体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 炭素繊維混抄紙に電極層を形成した後、
    前記電極層が形成された炭素繊維混抄紙上に樹脂層を積
    層し、前記電極層上の前記樹脂層に電気的接続のための
    スルーホールを形成する面状発熱体の製造方法におい
    て、 前記電極層の形成後、スルーホール形成用埋込片を前記
    電極層上に設置した後、前記スルーホール形成用埋込片
    の一部分が前記電極層と前記樹脂層との間に挟み込まれ
    かつ前記スルーホール形成用埋込片の残りの部分または
    それに連帯する部分が前記樹脂層の外部に突出するよう
    に前記樹脂層を前記炭素繊維混抄紙上に積層することを
    特徴とする面状発熱体の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭素繊維混抄紙に電極層を形成した後、
    前記電極層が形成された炭素繊維混抄紙上に樹脂層を積
    層し、前記電極層上の前記樹脂層に電気的接続のための
    スルーホールを形成する面状発熱体の製造方法におい
    て、 前記電極層の形成後、前記スルーホールに相当する大き
    さおよび前記樹脂層とほぼ同じ厚さを有するスルーホー
    ル形成用埋込層を前記電極層の所定位置に設置した後、
    前記樹脂層を前記炭素繊維混抄紙上に積層することを特
    徴とする面状発熱体の製造方法。
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