JPH07140049A - ガスセンサー検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存の設備に大幅な変更を加えることなく設
置でき、しかもガス漏れ監視システム全体を止めること
なく、特定のガス検出ヘッドの感度を検査すること。 【構成】 標準ガスを収容するガスボンベ１１から止弁
１２を介して標準ガスの供給を可能ならしめるととも
に、標準ガスと被監視領域のサンプルとを切換弁１４に
より選択的にガス検出ヘッド１に供給する。処理回路１
５により指示計６に正常状態を示す擬似信号を出力し、
ガス検出ヘッド１からの信号を判定機能を備えた制御装
置１７に出力させる。これによりガス検出ヘッド検査時
にも指示計６に警報動作を起こさせることなく、特定の
ガス検出ヘッドだけを検査できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、生産設備などからのガ
ス漏れを検出するガスセンサーと、このガスセンサーか
らの信号を伝送回線を介し受ける指示計とからなるガス
漏れ監視システムにおける、ガスセンサーの感度の経年
変化やこれに付属する信号処理手段の劣化等を一定の周
期で自動的に検査する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガス漏れを検出するガスセンサーは、そ
の信頼性を維持するために一定濃度に調製された標準ガ
スを現場に持ち込んで一定期間毎にその検出感度がチェ
ックされている。このような手法は、ガスセンサーの数
が少ない場合には可能であるとしても、生産設備のガス
漏れを監視するような大規模なガス漏れ監視システムで
は、ガスセンサーの数が数十以上にもなるため、検査に
時間が掛かるばかりでなく多くの人手を要するという問
題がある。

【０００３】このような問題を解消するため、各ガスセ
ンサー毎に標準ガスを充填した小型ガスボンベを設け、
電磁弁を介してガスセンサーに標準ガスを供給する流路
を形成し、電磁弁により標準ガスを一定時間毎に注入し
て検査することも考えられるが、既存のガスセンサーや
システムに大幅な変更を要するばかりでなく、ガス漏れ
監視システムを一時的に停止させねばならないという問
題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであってその目的とするところ
は、既設のガス検出ヘッドに簡単に取り付けることがで
き、しかもガス漏れ監視システムの動作を止めることな
く特定のガス検出ヘッドのガスセンサーだけを定められ
た期間毎に自動的に検査することができるガスセンサー
検査装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、標準ガスを収容するガスボ
ンベから所定量のガスを取出すガス流量調整機構と、該
ガス流量調整機構とサンプリング流路を切換える流路切
換手段と、被検査ガス検出ヘッドの出力信号を判定する
判定手段と、被検査ガス検出ヘッドからの信号を前記判
定手段及び指示計の何れか一方に切換える信号切換手段
と、前記指示計に正常状態を示す擬似信号を出力する擬
似信号出力手段と、所定時間毎に前記ガス調整機構、流
路切換手段、信号切換手段、及び擬似信号出力手段を作
動させ、前記ガスボンベから標準ガスを前記被検査ガス
検出ヘッドに供給し、その出力信号を前記判定手段に出
力するとともに、前記擬似信号を前記指示計に出力させ
る制御手段を備えるようにした。

【０００６】

【作用】ガスセンサーを検査する場合には、指示計と接
続している信号回線に擬似信号を出力してシステムの動
作を通常状態に維持させる一方、ガスセンサーに標準ガ
スを供給してガスセンサーからの信号を取り込み、標準
ガスに対する検出出力のレベルを判定する。

【０００７】

【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図２は本発明の一実施例を示すも
のであって、図中符号１は、監視領域近傍に配置される
ガス検出ヘッドで、検出すべきガスに感度を有するガス
センサー２をチャンバー３に収容し、サンプリングポン
プ４により要監視領域に延設された配管２１を介して被
検ガスを吸引するように構成されている。

【０００８】５は信号処理回路で、伝送回線Ｃ、及び出
力信号線Ｃ’を介して遠隔点に配置された監視装置本体
をなす指示計６から作動電力の供給を受けるとともに、
ガスセンサー２からの出力信号を所定の電流値、例えば
４ミリアンペア乃至２０ミリアンペアの範囲の電流値に
変換して伝送回線Ｃにより指示計６に検出信号として伝
送するように構成されている。

【０００９】すなわち、ベースとなる４ミリアンペアの
電流で処理回路５の作動電力を賄い、４乃至２０ミリア
ンペアを信号に使用する伝送方式で、この実施例ではベ
ースとなる４ミリアンペアの電流が流れている場合に
は、ガス検出ヘッド１が正常状態であり、またこの値が
零となった場合にはガス検出ヘッドに異常が生じたもの
と指示計６が判断するようにシステムが構成されてい
る。

【００１０】１０は、本発明が特徴とするガスセンサー
検査装置で、標準ガスが充填されたガスボンベ１１と、
ガス流量調整機構を構成する電磁止弁１２及び流量調整
弁１３と、流路切換手段を構成する電磁切換弁１４と、
ガス検出ヘッド１からの信号の切換えや、擬似信号の発
生、及び指示計６への警報信号の出力を行う処理回路１
５と、検査結果等を表示する表示器１６と、制御装置１
７と、初期設定データを入力する設定パネル１８等によ
り構成されている。

【００１１】上述のガス流量調整機構は、電磁止弁１２
によりガスボンベ１１からのガス吐出を制御し、流量調
整弁１３によりガスボンベ１１からのガスガス流量を所
定値に調整してから切換弁１４を介してガス検出ヘッド
１に供給するように構成されている。

【００１２】図３は、前述のガスセンサー検査装置の概
要を示すものであって、図中符号２５は切換回路２５
で、接続切換手段４５からの信号により端子Ｔ１、Ｔ１
に入力するガス検出ヘッド１からの信号をスイッチＳ
１、Ｓ２により制御装置１７側、もしくは後述する擬似
信号発生回路２６、及び警報信号発生回路２７を介して
端子Ｔ₂、Ｔ₂に出力するように構成されている（図４参
照）。

【００１３】擬似信号発生回路２６は、擬似信号発生手
段４１からの信号によりスイッチＳ₃をオンオフして、
端子Ｔ₂、Ｔ₂間に基準抵抗抵抗Ｒsを接続する。この抵
抗Ｒsは、前述したように指示計６が異常と判断しない
程度の値の電流を発生させる程度の抵抗値に設定されて
いる。この結果、ガス検出ヘッド１が伝送回線Ｃから切
り離されても、指示計６に少なくとも４ミリアンペアの
電流、つまり擬似信号が供給されて、指示計６がガス検
出ヘッド１に異常が生じたと判定させないようにするこ
とができる。

【００１４】警報信号発生回路２７は、警報手段３８か
らにより常時、オン状態に維持され、ガスセンサー検査
装置１０によりガス検出ヘッド１に異常が認められた場
合にスイッチＳ₄をオフとして、伝送回線Ｃに流れる電
流を遮断して指示計６によりガス検出ヘッド１に異常を
生じたことを判定させるものである。

【００１５】また、制御装置１７にはスタートスイッチ
Ｄ１、テストスイッチＤ２、コールスイッチＤ３、警報
解除スイッチＤ４、ガス注入時間設定器Ｄ５、ガス抜き
時間設定器Ｄ６、警報レベル設定器Ｄ７、Ｄ８及び判定
周期設定器Ｄ９が設けられている。なお、図中符号Ｌ
１、Ｌ２、及びＬ３はそれぞれ電源ランプ、警報及びテ
ストモード表示ランプ、及びＣＰＵ停止表示ランプを示
す。

【００１６】このように構成された検査装置１０は、切
換弁１４のガス吐出口１４ｃを配管２０によりガス検出
ヘッド１のガス取入口に、また切換弁１４の第２の流入
口１４ｂを監視すべき環境に連通している既設の配管２
１に接続し、またガス検出ヘッド１と伝送回線Ｃとを切
り離して、端子Ｔ₁、Ｔ₁とガス検出ヘッド１とを出力信
号線Ｃ’によりに接続し、また伝送回線Ｃを端子Ｔ２、
Ｔ２に接続するという簡単な工事で既存のガス漏れ検査
システムに接続することができる。

【００１７】図１は、上述した制御装置１７を構成して
いるマイクロコンピュータが奏すべき機能を示すもの
で、図中符号３０、及び３１は、それぞれガス注入時間
設定器Ｄ５、ガス抜き時間設定器Ｄ６から入力された標
準ガスの注入時間ｔ１、及び排出時間ｔ２を記憶する注
入時間記憶手段及び排出時間記憶手段である。３２、及
び３３はそれぞれ電磁弁制御手段、及び切換弁制御手段
で、後述する検査工程制御手段３５からの信号により起
動して、前記注入時間ｔ１、及び排出時間ｔ２に基づい
て電磁止弁１２、切換弁１４の開閉動作を制御するもの
である。

【００１８】３７は、比較手段で、警報レベル設定器Ｄ
７、Ｄ８から入力された基準値を記憶する警報レベル記
憶手段３６と、ガス検出ヘッド１からの信号とを比較
し、ガス検出ヘッド１の信号が基準値を逸脱した場合に
は警報手段３８を作動させて、警報ランプＬ₂を作動さ
せるとともに、警報信号発生手段２７を構成しているス
イッチＳ４を開放して、伝送回線Ｃの電流を常時とは異
なる状態、この実施例では回線を遮断して零電流とする
ための信号を出力するものである。３９は、履歴記憶手
段で、正規化手段４０により正規化されたガス検出ヘッ
ド１から出力を最新のデータとして最も古いデータを更
新するものである。

【００１９】４１は、擬似信号発生手段で、この実施例
においては前述の擬似信号発生回路２６のスイッチＳ３
を作動させて、伝送回線Ｃを抵抗Ｒsで短絡して、指示
計６が異常状態とは判定しない所定値の電流を伝送回線
Ｃに発生させるものである。３５は、前述の検査工程制
御手段で、テストスイッチＤ２、もしくは判定周期記憶
手段４２に設定された周期で検査に必要な一連のシーケ
ンスを実行させるものである。判定周期記憶手段４２
は、判定周期設定器Ｄ９から入力された検査周期を記憶
するものである。なお、図中符号４４は、コールスイッ
チＤ３が押下された時に履歴記憶手段３９のデータを表
示器１６に出力する履歴読出手段を、また４５は、切換
回路２５を作動させるための信号を出力する接続切換手
段を示す。

【００２０】次ぎにこのように構成した装置の動作を図
５に示したフローチャートに基づいて説明する。ガス検
出ヘッド１の経年変化を調査するためにコールスイッチ
Ｄ３が押下すると（ステップ イ）、履歴読取手段４４
により履歴記憶手段３９に格納されている過去の検査デ
ータが順次呼び出され表示器１６にトレンド形式で表示
される（ステップ ロ）。これによりガス検出ヘッド１
の検出感度等の経時的変化を知ることができる。

【００２１】ガス検出ヘッド１を臨時に検査すべくテス
トスイッチＤ２を押下すると（ステップ ハ）、判定動
作に入る（ステップ ニ）。すなわち、検査工程制御手
段３５から信号が出力して切換手段４５からの信号によ
り切換回路２５により指示計６に接続しているガス検出
ヘッド１が検査装置１０側に切換えられる。このとき警
報ランプＬ２がフリッカして検査モードに入ったことを
表示する。同時に擬似信号発生手段４１からの信号が出
力して擬似信号発生回路２６のスイッチＳ３が抵抗Ｒs
に接続されて、端子Ｔ２、Ｔ２に抵抗Ｒsが接続され
る。

【００２２】これにより抵抗Ｒsの値により決まる電流
が伝送回線Ｃに流れ、これが擬似信号として指示計６に
入力する。この結果、指示計６は、あたかもガス検出ヘ
ッド１がガス漏れのない正常な環境におかれている場合
と同一の信号を受け、ガス検査ヘッド１との接続が断た
れたのにも関らず警報を発しない。これにより、誤報を
発することなく、特定のガス検出ヘッド１の検査が可能
となる。

【００２３】そして、ガス調整機構の切換弁１４が操作
されるため、ガス検出ヘッド１は、配管２１との接続が
断たれ、代わって流量調整弁１３に接続される。この状
態で所定時間Δｔが経過すると、電磁弁１２が開放され
てボンベ１１から標準ガスが流量調整弁１３を介してガ
ス検出ヘッド１２に供給される。なお、既に切換弁１４
により流量調整弁１３をガス検出ヘッド１に接続させた
後に、電磁止弁１２によりガスボンベ１１から標準ガス
を供給するため、ガスボンベ１１の内圧が直接、ガスセ
ンサー２に印加するのが防止される。

【００２４】標準ガスの流入開始から予め設定した時間
が経過した段階、つまりガスセンサー２が新しい濃度の
ガスに対して十分に応答した段階で、ガス検出ヘッド１
の出力が取り込まれ、正規化手段４０により正規化され
る。正規化された信号は、履歴記憶手段３９に格納され
る。所定時間が経過した段階で、電磁止弁１２を閉弁し
てガス検出ヘッド１への標準ガスの注入を停止する。ガ
ス検出ヘッド１に流れ込んだ標準ガスが大気に拡散する
に要する時間が経過した時点で、検査工程制御手段３５
は、切換弁１４、及び切換回路２５、及び擬似信号発生
回路２６を初期の状態に復帰させて、ガス検出ヘッド１
からの信号を指示計６に出力させる。

【００２５】一方、履歴記憶手段３９に格納された信号
は、比較手段３７により基準値と比較される。いま取り
込んだガス検出ヘッド１の出力信号のレベルが基準値を
逸脱している場合には、警報手段３８は警報ランプＬ２
を点灯させるとともに、警報信号発生回路２７を構成し
ているスイッチＳ４をオフとする。これにより伝送回線
Ｃの電流が零となるため、指示計６が警報を発すること
になる。

【００２６】このようにしてテストが終了した段階で、
図示しないリセットスイッチ等によりテストモードを解
除する（ステップ ホ）。なお上記テストモードで警報
が発令されている場合には（ステップ ヘ）、警報解除
釦Ｄ４を押下ことにより警報ランプＬ₂が消灯し、また
警報信号発生回路２７のスイッチＳ４を強制的にオンに
して指示計６の警報を停止させることができる（ステッ
プ ト）。

【００２７】リセットスイッチ等によりテストモードを
解除した状態でスタートスイッチＤ１が押下されると
（ステップ チ）、検査工程制御手段３５は、履歴記憶
手段３９のデータをクリアする（ステップ リ）。そし
て、判定周期記憶手段４２に格納されているデータの基
づいて（ステップ ヌ）上述の判定動作を実行する（ス
テップ ル）。すなわち、ガス検出ヘッド１が切換回路
２５により指示計６から切り離されて検査装置１０に接
続され、また指示計６と接続する伝送回線Ｃにスイッチ
Ｓ３を介して抵抗Ｒsが接続されて指示計６に擬似信号
が出力される。これにより、通常のガス漏れ監視動作中
の特定のガス検出ヘッド１だけが、自動的に検査され、
検査により得られたガス検出ヘッド１のデータにより履
歴記憶手段３９の一番古いデータが更新される。ガス検
出ヘッド１の検査が終了すると、検査工程制御手段３５
は、接続切換手段４５により切換回路２５を、また擬似
信号発生手段４１により擬似信号発生回路２６をガス漏
れ検知が可能な状態に復帰させる。以下、このようなガ
ス検出ヘッド１の検査工程を、判定周期記憶手段４２に
格納された周期データに基づいて通常のガス漏れ動作に
割り込ませながら自動的に実行する。

【００２８】なお、リセットが行われた後に（ステップ
ホ）スタートスイッチＤ１が押下されることがなくて
も過去にスタートスイッチＤ１が押下されていれば（ス
テップ オ）、そのまま上述と同様の自動検査モードに
入って判定周期記憶手段４２のデータに基づいて判定動
作を実行する。一方、電源投入後にスタートスイッチＤ
１が押されていない場合には再び初期の状態に戻り、特
定のモードが選択されるのを待つ。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
標準ガスを収容するガスボンベから所定量のガスを取出
すガス流量調整機構と、ガス流量調整機構とサンプリン
グ流路を切換える流路切換手段と、被検査ガス検出ヘッ
ドの出力信号を判定する判定手段と、被検査ガス検出ヘ
ッドからの信号を判定手段及び指示計の何れか一方に切
換える信号切換手段と、指示計に正常状態を示す擬似信
号を出力する擬似信号出力手段と、所定時間毎にガス調
整機構、流路切換手段、信号切換手段、及び擬似信号出
力手段を作動させ、標準ガスをガス検出ヘッドに供給
し、その出力信号を判定手段に出力するとともに、擬似
信号を指示計に出力させる制御手段を備えるようにした
ので、既存のガス検出ヘッドに対しても簡単に取り付け
ることができるばかりでなく、指示計側で誤報を生じさ
せることなく警報システムを通常に動作させた状態でガ
ス検出ヘッドの検出感度等を自動的に検査することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガスセンサー検査装置を構成している
制御装置の機能を示すためのブロック図である。

【図２】本発明のガスセンサー検査装置の一実施例をガ
ス漏れ監視システムに組み込んだ状態で示す装置の構成
図である。

【図３】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図４】同上装置における擬似信号発生部の一実施例を
示すブロック図である。

【図５】同上装置の動作を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ ガス検出ヘッド ２ ガスセンサー ３ チャンバ ４ ポンプ ５ 信号処理回路 １０ ガスセンサー検査装置 １１ 標準ガスボンベ １２ 電磁止弁 １３ 流量調整弁 １４ 切換弁 １５ 処理回路 １６ 表示器 １７ 制御装置 １８ 設定パネル ２０ 指示計 Ｃ 伝送回線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 射場 俊郎 東京都小平市上水本町５丁目20番１号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 小池 英樹 東京都小平市上水本町５丁目20番１号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 標準ガスを収容するガスボンベから所定
   量のガスを取出すガス流量調整機構と、該ガス流量調整
   機構とサンプリング流路を切換える流路切換手段と、被
   検査ガス検出ヘッドの出力信号を判定する判定手段と、
   被検査ガス検出ヘッドからの信号を前記判定手段及び指
   示計の何れか一方に切換える信号切換手段と、前記指示
   計に正常状態を示す擬似信号を出力する擬似信号出力手
   段と、所定時間毎に前記ガス調整機構、流路切換手段、
   信号切換手段、及び擬似信号出力手段を作動させ、前記
   ガスボンベから標準ガスを前記被検査ガス検出ヘッドに
   供給し、その出力信号を前記判定手段に出力するととも
   に、前記擬似信号を前記指示計に出力させる制御手段を
   備えてなるガスセンサー検査装置。