JPH07137750A - 密閉二重袋体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内填物が堅いものからなる減圧，密閉袋体の
場合にも、該袋体に傷やピンホール等の発生しない密閉
二重袋体を提供する。 【構成】 内袋と外袋とを外辺部に形成されたシール部
において接着し、かつ、前記内袋内を密閉した密閉二重
袋体からなり、前記外辺部の一部に、内袋と外袋との間
の空間に対して空気の流通を確保するための空気流通路
３４を形成した密閉二重袋体１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はコーヒー豆のような堅い
物を密封状態にして保存、流通させるのに適した密閉二
重袋体に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、コーヒー豆のように湿気を嫌うも
のは定量ずつを袋体に入れ、減圧，密封した状態で流通
させるようにしている。そして、密封のための袋体とし
ては、気体不透過性の材料が積層してある積層シートに
よるものを利用している。

【０００３】このような密閉袋体は、内填物を収容する
ための入り口部分を除く部分を接着し、真空に近い減圧
雰囲気下で袋体に内填物を収容した後、入り口部分を熱
接着することにより密閉が行われる。

【０００４】このため、内填物がコーヒー豆のような堅
い物の場合には、袋体自体がコーヒー豆に密着し、コー
ヒー豆の凹凸が袋体の表面にそのまま現れるようにな
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
内填物を収容した袋体をそのまま多数重ねた状態で箱詰
めして輸送したりすると、下側にある袋体には相当の荷
重が加わり、更には振動等で袋体同士が擦れあって袋体
にピンホール等が発生する。このため、減圧密閉状態を
維持出来なくなり、不良品の発生に繋る問題点があっ
た。

【０００６】なお、この問題はコーヒー豆に限らず、内
填物が比較的堅いものの場合に共通のことである。

【０００７】かかる問題点に鑑み、本発明の課題は、内
填物がコーヒー豆のような堅い物であっても、減圧，密
封した袋体にピンホール等が発生することがなく、しか
も、整然とした外観を呈する密閉二重袋体を提供するこ
とにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、気体不透過性
の材料による内袋と、文字、図形等の化粧加工を施した
外袋とからなり、これらの内袋と外袋とのそれぞれの外
辺部に形成されたシール部において前記内袋と前記外袋
とを接着すると共に、前記内袋内を密閉するようにした
密閉二重袋体において、前記外辺部の一部に、前記内袋
と前記外袋との間の空間に対して空気の流通を確保する
ための空気流通路を形成した密閉二重袋体からなる。

【０００９】特に、前記密閉二重袋体が上部シール部と
底部シール部及び側部の一つの面に形成された背シール
部とを有するガセット型袋体である場合には、前記空気
流通路を前記背シール部に形成するのが好ましく、ま
た、背シール部を横倒させた場合の下側の外辺部に形成
するのが、空気流通路を目立たなくさせる上でより好ま
しい。

【００１０】

【作用】本発明の密閉二重袋体は、内袋と外袋との間に
通ずる空気流通路を、内袋と外袋のそれぞれの外辺部に
形成されたシール部に有しているため、減圧，密封した
密閉二重袋体を大気中に放置することにより、内袋と外
袋との間に空気層が介在するようになり、この空気層が
袋体同士の相互間の緩衝材として機能するようになる。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明の密閉二重袋体の具体的な構
成を図１〜図４に基づいて説明する。

【００１２】図１は、本発明をガセット型の密閉二重袋
体に適用した斜視図である。この密閉二重袋体１は、気
体不透過性のプラスチックフィルムや金属箔等を利用し
た内袋１０と、文字、図形等の化粧加工を施したプラス
チックフィルムによる外袋２０とからなる。

【００１３】そして、これらの内袋１０と外袋２０との
それぞれの外辺部において、ここでは上部と、底部とな
る下部と、背部とにそれぞれ形成した上部シール部３
１、下部シール部３２、背部シール部３３において熱接
着することにより、内袋１０と外袋２０とを接着すると
共に、さらに内袋１０内を密閉するようにしている。

【００１４】内袋１０の材料としては、例えば、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ナイロン等の延伸プラスチッ
クフィルムと、気体不透過性のバリヤー層と、内袋１０
の内周面層となるシーラント用樹脂層とが順次積層され
てなる積層シートを使用するのが好適である。

【００１５】バリヤー層は、内袋１０に例えば酸素透過
量が２０℃の乾燥状態下で１０ｃｃ／ｍ² ・２４ｈｒｓ
・ａｔｍ以下の条件を持たせるためのものであり、例え
ば、アルミニウム箔等の金属箔、酸化亜鉛，酸化珪素，
酸化インジウム，酸化チタン，酸化アルミニウム等の無
機酸化物や両性金属類の酸化物の蒸着フィルム、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体や塩化ビニリデン等によ
るバリヤー性プラスチックフィルム、エチレン−ビニル
アルコール共重合体や塩化ビニリデン等のバリヤー性樹
脂をコーティングしたプラスチックフィルムを使用し得
る。

【００１６】シーラント用樹脂層は、内袋による密閉部
を形成するためのものであり、内袋１０の内周面層とな
る位置に積層され、例えば、低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体を利用し得
る。

【００１７】一方、外袋２０の材料としては、裏刷りに
より文字、図形等の化粧加工を施されたポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン等の延伸プラスチックフィ
ルムやこの延伸プラスチックフィルムと熱可塑性樹脂フ
ィルムとの積層フィルム等が好適である。

【００１８】このように、内袋１０と外袋２０とは、積
層シートによっても形成される得るが、図面では便宜上
一枚のシートで示している。

【００１９】また、内袋と外袋のそれぞれの外辺部に形
成されたシール部は、あらかじめ接着面にヒートシール
層を形成しておくか、あるいは、ドライラミネート等で
行われる。このヒートシール層には、前述したシーラン
ト用樹脂層と同様に、低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体を利用できる。

【００２０】具体的には、内袋１０用の長方形のシート
と、同じ形状の外袋２０用のシートとを重ね合わせたも
のを、図２に示すように、両側については内側にＭ形に
折り曲げ、中央部分では合掌形状になるように折り曲
げ、斜線で示す下部領域及び合掌形状の合わせ部分を熱
接着することにより、上方を開口した二重袋体をつく
る。

【００２１】なお、図２では、便宜上、内袋１０用のシ
ートと外袋２０用のシートとを一枚のシートで表示して
いる。また、合掌形状の合わせ部分は、図２に矢印で示
すように袋体の面に平行になるように折り曲げる。

【００２２】かくして得られた二重袋体に、減圧雰囲気
下でコーヒー豆のような内填物を充填した後、同じ雰囲
気下で上部領域を熱接着し、図１に示される密閉二重袋
体１を得る。

【００２３】本実施例では、図１に示すように、背部シ
ール部３３における内袋と外袋のそれぞれの外辺部の熱
接着部に、数箇所の位置においてシール抜け部を形成す
ることにより、背部シール部３３の一部に、内袋１０と
外袋２０との間の空間に対して空気の流通を確保するた
めの複数の空気流通路３４を形成している。空気流通路
３４の幅は約５ｍｍ以上であれば十分であり、また、背
部シール部３３の長さの１０％程度が空気流通路３４と
されていれば十分である。

【００２４】空気流通路３４は、該空気流通路３４に相
当する部分に、内袋１０と外袋２０とを接着するヒート
シール層を形成しないか、あるいは、ドライラミネート
用の接着剤を配置しないようにするだけで良く、その結
果、背部シール部３３には図３に示すような空気流通路
３４がシール抜け部として形成される。

【００２５】かくして、空気流通路３４が存在すると、
減圧雰囲気下で内填物を充填する際に、内袋１０と外袋
２０との間にある空気が引かれた状態で熱接着されて
も、これを大気中に出せば、空気流通路３４を通して内
袋１０と外袋２０との間の空間に空気が入り込み、図４
に示すような空気層３５が形成される。

【００２６】一方、内填物がコーヒー豆のような場合に
は、内袋１０は、減圧，密閉のためにコーヒー豆に密着
し、その表面に凹凸ができる。

【００２７】しかして、図４に示すような空気層３５が
存在すると、内填物に起因して内袋１０の表面に凹凸を
有する袋体が多数重ねられた時でも、前述の空気層３５
が隣り合う袋体との間で緩衝材の作用を果たし、振動等
で内袋１０と内部の内填物との間あるいは袋体相互の凹
凸の間の擦れ合いが防止できる。

【００２８】その結果、内填物がコーヒー豆のような堅
い物であっても、擦れ合いによって内袋１０に傷やピン
ホール等が生ずることを防止できる。

【００２９】なお、空気流通路３４は、図１に示したよ
うに背部シール部３３の表側ではなく、裏側、すなわち
背面に接する方の背部シール部に形成すれば、空気流通
路３４が目立たなくなる。

【００３０】また、上記実施例ではガセット型の袋体に
ついて説明したが、本発明はこれに限らず、ピロー型、
スタンドパック型、三方シール型等の種々の密閉二重袋
体に適用することが可能である。

【００３１】

【発明の効果】本発明の密閉二重袋体によれば、内袋と
外袋との接着部を内袋と外袋とのそれぞれの外辺部に形
成すると共に、該接着部に空気流通路を形成し、内袋と
外袋との間に空気層を形成したことにより、堅いものが
充填された減圧，密閉の袋体にした場合でも、内袋に傷
やピンホール等が発生することがなく、特に輸送中の不
良品の発生を防止し得る。

【００３２】また、本発明の密閉二重袋体は、減圧，密
閉袋体であっても、外観が整然とするために体裁が良好
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】内填物が充填されているガセット型の袋体から
なる本発明の密閉二重袋体の例を示す斜視図である。

【図２】ガセット型の袋体を作成するときの方法を説明
するための斜視図である。

【図３】図１の線Ａ−Ａによる部分断面図である。

【図４】図１の線Ｂ−Ｂによる断面図である。

【符号の説明】

１ 密閉二重袋体 １０ 内袋 ２０ 外袋 ３１ 上部シール部 ３２ 下部シール部 ３３ 背部シール部 ３４ 空気流通路 ３５ 空気層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井元 義典 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 気体不透過性の材料による内袋と、文
   字、図形等の化粧加工を施した外袋とからなり、これら
   の内袋と外袋とのそれぞれの外辺部に形成されたシール
   部において前記内袋と前記外袋とを接着すると共に、前
   記内袋内を密閉するようにした密閉二重袋体において、
   前記外辺部に形成されたシール部の一部に、前記内袋と
   前記外袋との間の空間に対して空気の流通を確保するた
   めの空気流通路を形成したことを特徴とする密閉二重袋
   体。
2. 【請求項２】 密閉二重袋体が、上部シール部と底部シ
   ール部及び側部の一つの面に形成された背シール部とを
   有するガセット型袋体であり、空気流通路を前記背シー
   ル部に形成したことを特徴とする請求項１記載の密閉二
   重袋体。