JPH07137641A

JPH07137641A - ステアリングホイール

Info

Publication number: JPH07137641A
Application number: JP5290957A
Authority: JP
Inventors: Masaki Harada; 正樹原田
Original assignee: Nihon Plast Co Ltd
Current assignee: Nihon Plast Co Ltd
Priority date: 1993-11-19
Filing date: 1993-11-19
Publication date: 1995-05-30
Anticipated expiration: 2017-04-08
Also published as: JP3273679B2

Abstract

(57)【要約】【目的】エアバッグ装置に操作性が良く安価なホーン
スイッチを組み込む。【構成】ステアリングホイール本体12に、エアバッグ
装置14を装着する。エアバッグ装置14のエアバッグ28と
カバー体33との間に一対のホーンスイッチ40，41を取り
付ける。ホーンスイッチ40，41は、金属製の上下側の接
点部材42，43間に弾性体44を挟んだ面状スイッチ50と、
この下側接点部材43から延設した塑性変形可能な支持腕
部47とから構成する。上側接点部材42の内側縁部42a を
波形状に形成し、ティアライン38の下側に突出する突出
部42b を形成する。カバー体33を押すと、上下側の接点
部材42，43が接触し、ホーン装置が作動する。エアバッ
グ28が膨張展開すると、支持腕部47が塑性変形し、面状
スイッチ50とともにティアライン38で破断したカバー体
33が展開する。【効果】カバー体33のティアライン38近傍を押動して
も確実にホーン装置が作動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ装置および
ホーンスイッチを備えたステアリングホイールに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、自動車などのステアリン
グホイールにおいて、折り畳んで収納した袋状のエアバ
ッグを膨張展開させることにより、乗員を衝突の衝撃な
どから保護するエアバッグ装置を備えた構成が知られて
いる。

【０００３】そして、このエアバッグ装置は、ステアリ
ングホイールのリム部の内側に位置するボス部に備えら
れており、ガスを噴射するインフレータと、このインフ
レータ乗員側に折り畳まれて収納されたエアバッグと、
このエアバッグを覆う合成樹脂製のカバー体となどから
構成されている。

【０００４】そして、自動車の衝突などの際には、イン
フレータからガスを噴射してエアバッグを膨張展開さ
せ、この膨張の圧力により、カバー体を所定位置で破断
して扉状に展開させ、このカバー体にエアバッグの突出
口を形成するようになっている。

【０００５】また、従来、ステアリングホイールには、
ホーン装置を作動させるためのホーンスイッチが備えら
れている。

【０００６】そして、例えば、特開平４−４３１５８号
公報に記載されているように、いわゆるメンブレンスイ
ッチをカバー体の内部に一体的にインサート成形して、
ホーンスイッチを構成する構造が知られている。また、
このメンブレンスイッチは、ホーンスイッチの接点を構
成する薄い金属板を複数枚積層してなり、このメンブレ
ンスイッチを埋設したカバー体を押動することにより、
ホーンスイッチの接点同士が接触し、ホーン装置が吹鳴
されるようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、メンブレンスイッチ自体の構造が複雑で
あるとともに、このメンブレンスイッチをカバー体の内
部の正確な位置に一体的にインサート成形する製造工程
が必要で、ステアリングホイールの製造コストが高くな
るとの問題を有している。

【０００８】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、エアバッグ装置とホーンスイッチとを備え、ホー
ンスイッチの操作性を向上できるとともに、製造コスト
を低減することができるステアリングホイールを提供す
ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のステアリングホ
イールは、ステアリングホイール本体に、エアバッグ装
置およびホーンスイッチを備え、前記エアバッグ装置
は、通常時は折り畳まれて収納されたエアバッグと、こ
のエアバッグを覆い脆弱な破断線を形成したカバー体と
を有し、前記ホーンスイッチは、前記エアバッグと前記
カバー体との間に配置され、かつ、前記破断線を挾んで
相対向して配置された対をなす面状スイッチと、これら
の面状スイッチから延設され、前記エアバッグ装置およ
び前記ステアリングホイール本体のいずれかに固定され
た塑性変形可能な支持腕部とを有し、前記各面状スイッ
チは、それぞれ前記破断線の前記エアバッグ側に位置す
る突出部を形成したものである。

【００１０】

【作用】本発明のステアリングホイールでは、操作者が
カバー体を押圧すると、このカバー体を介して少なくと
も一方の面状スイッチが押動され、ホーン装置が吹鳴さ
れる。操作者がカバー体の破断線近傍を押圧した場合に
は、各面状スイッチは突出部を介して押動され、ホーン
装置が吹鳴される。また、エアバッグが膨張展開する
と、支持腕部が塑性変形しながら対をなす面状スイッチ
とともにカバー体を押し上げ、このカバー体が破断線に
て破断されて、エアバッグの突出口が形成される。一旦
展開したカバー体は、カバー体自らの弾性復元力により
復帰変形しようとするが、塑性変形した支持腕部により
支持された面状スイッチにより押さえられるため、形成
されたエアバッグの突出口がカバー体により塞がれるこ
とが抑制される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明のステアリングホイールの一実
施例の構成を図面を参照して説明する。

【００１２】図２において、11は自動車のステアリング
ホイールで、このステアリングホイール11は、ステアリ
ングホイール本体12の乗員側となる上側に、エアバッグ
装置14などを装着して構成されている。

【００１３】そして、ステアリングホイール本体12は、
環状をなすリム部15と、このリム部15の内側に位置する
ボス部16と、これらのリム部15およびボス部16を連結し
た複数のスポーク部17とから構成されている。

【００１４】また、図２および図３に示すように、ステ
アリングホイール本体12のボス部16の車体側となる下側
には、図示しないステアリングシャフトに嵌着される金
属製のボス21が配置され、このボス21に、スポーク部17
の芯金などが固着されるボスプレート22が溶接して固着
されている。

【００１５】一方、エアバッグ装置14は、図１ないし図
４に示すように、ボスプレート22に一体または別体に設
けた図示しないブラケットに固定されるベースプレート
24を有している。このベースプレート24は、平面略矩形
板状をなし、中央部にインフレータ取付孔24a が形成さ
れているとともに、このインフレータ取付孔24a を囲ん
で、ボルト用通孔24c と、このボルト用通孔24c よりも
小径のリベット用通孔24d とが形成されている。さら
に、このベースプレート24の周辺部は、下方に向かって
屈曲されて、筒状をなす周壁部25が形成されている。そ
して、この周壁部25には、カバー体取付孔25a が複数形
成され、前後に位置する周壁部25からは、断面略Ｌ字状
をなすホーンスイッチ取付部25b が延設されているとと
もに、両側に位置する周壁部25からは、ベースプレート
24のブラケットに固定される断面略Ｌ字状をなす取付片
部25c が延設されている。

【００１６】そして、このベースプレート24のインフレ
ータ取付孔24a には、略円柱状をなすインフレータ26が
下側から嵌合されているとともに、このベースプレート
24の上側には、インフレータ26の上側部を覆うようにし
て、袋状をなすエアバッグ28が折り畳まれて収納されて
いる。

【００１７】また、インフレータ26の内部には、点火器
および推進薬などが収納され、この推進薬を燃焼させる
ことにより、上側の周面に形成されたガス噴射孔26a か
ら窒素ガスなどを急激に噴射して、折り畳まれたエアバ
ッグ28を急激に膨張展開させるようになっている。さら
に、インフレータ26の高さ方向の中間位置には、平面略
矩形状をなすフランジ部26b が設けられ、このフランジ
部26b に、ベースプレート24のボルト用通孔24c に連通
するボルト用通孔26c が形成されている。

【００１８】一方、エアバッグ28の開口部28a の近傍に
は、ベースプレート24のボルト用通孔24c に連通するボ
ルト用通孔28b と、ベースプレート24のリベット用通孔
24dに連通するリベット用通孔28c とが形成されてい
る。

【００１９】また、29はリテーナで、このリテーナ29
は、断面略コの字状の環状をなし、ベースプレート24の
ボルト用通孔24c に挿通するスタッドボルト29a が固着
されているとともに、ベースプレート24のリベット用通
孔24d に連通するリベット用通孔29b が形成されてい
る。

【００２０】そして、これらのベースプレート24、イン
フレータ26、エアバッグ28、およびリテーナ29を組み合
わせ、各リベット用通孔24d ，28c ，29b を挿通する図
示しないリベットを装着するとともに、リテーナ29のス
タッドボルト29a を各ボルト用通孔24c ，28b に挿通し
てこのスタッドボルト29a にナット30を螺合することに
より、インフレータ26とエアバッグ28とがベースプレー
ト24に固定されている。

【００２１】また、ベースプレート24には、エアバッグ
28の上側を覆うカバー体33が取り付けられている。この
カバー体33は、合成樹脂にて一体に形成され、ステアリ
ングホイール本体12のボス部16およびスポーク部17の一
部を覆う上板部34と、この上板部34の下面側に突設され
た略角筒状をなす取付壁部35とを有している。

【００２２】そして、この取付壁部35は、ベースプレー
ト24の周壁部25の外側に嵌合するとともに、この取付壁
部35には、この周壁部25に形成したカバー体取付孔25a
に連通するリベット取付孔35a が形成されている。

【００２３】また、エアバッグ28を覆う上板部34には、
上板部34の下面側を肉薄に凹設してカバー体33の他の部
分より脆弱に形成された破断線としてのティアライン38
が形成されている。そして、このティアライン38は、両
側方向を長手方向とする中央破断線38a と、前後方向を
長手方向として中央破断線38a の両端部に連続する側部
破断線38b ，38b とにより平面略Ｈ字状に形成されてい
る。

【００２４】そして、エアバッグ28の膨張の際には、こ
のエアバッグ28の膨張の圧力により、カバー体33の上板
部34がこのティアライン38に沿って開裂し、前後一対の
扉片部34a ，34b が形成され、さらに、これらの扉片部
34a ，34b が前後に展開して、エアバッグ28の突出口が
形成されるようになっている。

【００２５】さらに、折り畳まれて収納されたエアバッ
グ28と、このエアバッグ28を覆うカバー体33との間に
は、前後一対のホーンスイッチ40，41が取り付けられて
いる。各ホーンスイッチ40，41は、導電性を有する上下
側の接点部材42，43間に、絶縁性を有する弾性体44を配
置して構成されている。

【００２６】そして、各上側接点部材42は、ステンレス
あるいはリン青銅などの薄板にて略矩形平板状に形成さ
れ、それぞれカバー体33の扉片部34a ，34b の下側に配
置されているとともに、中央破断線38a を挾んで前後に
相対向する内側縁部42a は、それぞれ波形状に屈曲して
わずかな間隙を介して組み合わされ、それぞれ中央破断
線38a の下側に交互に突出する突出部42b が形成されて
いる。さらに、各上側接点部材42には、それぞれ接点接
続部42c が形成されており、これらの接点接続部42c
に、それぞれリード線45の端部に接続された接続片45a
がリベット45b などにより接続されている。そして、こ
のリード線45は、ボスプレート22の裏面側に導出され
て、このボスプレート22の裏面側に設けられた図示しな
い接続装置に接続され、この接続装置を介して、車体側
に設けられた電源装置やホーン機構などに電気的に接続
されている。

【００２７】一方、下側接点部材43は、上側接点部材42
よりも若干厚さ寸法の大きい鉄板などから形成され、平
面矩形板状をなす接点面部46と、この接点面部46の長手
方向に沿った一側部から一体に延設されたうえ、下方に
向かって断面略Ｌ字状に屈曲された支持腕部47とを有し
ている。

【００２８】そして、各接点面部46には、それぞれ略円
錐台状などをなす複数の接点部46aが、プレス加工によ
り所定間隔で上側に向かってエンボス状に突設されてい
る。また、この接点面部46の内側縁部46b は、上側接点
部材42の内側縁部42a とほぼ同形状に形成されていると
ともに、この上側接点部材42の内側縁部42a に沿って配
置されており、上側接点部材42の各突出部42b に沿っ
て、それぞれ中央破断線38a の下側に交互に突出する突
出部46c が形成されている。さらに、これらの接点面部
46の周縁部の少なくとも内側縁部46b には、合成樹脂や
ゴムなどからなる柔軟性のある保護部46d が形成されて
いる。

【００２９】また、各支持腕部47は、それぞれカバー体
33の上板部34の下面側から前後の取付壁部35の内面側に
沿って略Ｌ字状に屈曲形成されているとともに、それぞ
れ下端部に、固定片部47a が形成されている。そして、
各固定片部47a は、ベースプレート24のホーンスイッチ
取付部25b に係合する中央固定部47b と、ベースプレー
ト24の周壁部25に沿ってこの中央固定部47b の両側に延
設された側部固定部47c とから構成されている、さら
に、中央固定部47b には、ベースプレート24のカバー体
取付孔25a に連通するリベット取付孔47d が形成されて
おり、各側部固定部47c は、カバー体33の取付壁部35の
下端部を嵌合する断面略Ｕ字状に屈曲されている。

【００３０】そして、各支持腕部47の固定片部47a を、
ベースプレート24の周壁部25と、カバー体33の取付壁部
35との間に挾持した状態で、ベースプレート24のカバー
体取付孔25a とカバー体33および固定片部47a のリベッ
ト取付孔35a ，47d とを挿通してリベット49を装着する
ことによりカバー体33および前後のホーンスイッチ40，
41がベースプレート24に取り付けられている。

【００３１】また、この状態で、各ホーンスイッチ40，
41の下側接点部材43，43は、リベット49により固着され
たベースプレート24を介してボス21に電気的に接続され
ており、このボス21に嵌着されるステアリングシャフト
を介して、図示しないバッテリーのマイナス端子に電気
的に接続されている。

【００３２】さらに、弾性体44は、例えば、ポリクロロ
プレンおよびクロロプレン共重合体などからなる絶縁性
と弾性とを有した平板状の材料からなり、下側接点部材
43の各接点部46a を１つあるいは複数挿通させる細長楕
円形状の長孔44a が複数形成されているとともに、上側
接点部材42とほぼ同形状をなす内側縁部44b が形成され
ている。

【００３３】そして、この弾性体44は、上下側の接点部
材42，43間に両面粘着テープあるいは接着剤などにより
接着され、これらの上下側の接点部材42，43および弾性
体44が一体化されて、面状スイッチ50が形成されてい
る。

【００３４】また、この状態で、下側接点部材43の各接
点部46a は、それぞれ弾性体44の長孔44a に嵌入されて
いるとともに、自然状態において、各接点部46a の上端
部と、上側接点部材42の下面とが、若干の間隙を介して
離間しつつ対向するようになっている。

【００３５】そして、この弾性体44の付勢力に抗して上
側接点部材42を押動し、上側接点部材42と下側接点部材
43の接点部46a とが接触した状態で、ホーンスイッチ4
0，41が閉成されるようになっている。

【００３６】また、ボス部16の下側部は、合成樹脂製の
下部カバー54により覆われている。

【００３７】そして、このような構成において、カバー
体33の上面を押圧すると、このカバー体33の上板部34が
下方に彎曲して弾性変形するとともに、この上板部34に
より面状スイッチ50の上側接点部材42が下方に押動され
る。すると、弾性体44が圧縮された状態で、この上側接
点部材42の下面が下側接点部材43の接点部46a に接触
し、上下側の接点部材42，43が電気的に接続されて、ホ
ーン装置が吹鳴されるようになっている。

【００３８】また、自動車が衝突した際などには、図示
しない衝撃センサからの信号によりインフレータ26が起
動され、エアバッグ28の内部に窒素ガスなどが急激に噴
射されて、折り畳まれたエアバッグ28が急激に膨張展開
する。

【００３９】すると、このエアバッグ28の膨張の圧力に
より、各面状スイッチ50によりカバー体33が上方に押し
上げられ、このカバー体33の上板部34がティアライン38
に沿って一気に破断し、前後一対の扉片部34a ，34b が
形成される。さらに、エアバッグ28の膨張展開に伴い、
各ホーンスイッチ40，41の各支持腕部47が塑性変形しな
がら、前後の面状スイッチ50，50とともに扉片部34a ，
34b が前後に展開して、エアバッグ28の突出口が形成さ
れ、この突出口から、乗員側の前面にエアバッグ28が膨
張展開するようになっている。

【００４０】このように、本実施例のステアリングホイ
ール11によれば、広い面積を有するカバー体33のいずれ
かの部分を押圧することにより、ホーン装置を吹鳴させ
ることができ、ホーンスイッチ40，41の操作性を向上す
ることができる。

【００４１】特に、操作者がカバー体33の中央部に位置
するティアライン38の中央破断線38a の近傍を押動し、
この中央破断線38a に沿ってカバー体33が変形した場合
にも、ホーンスイッチ40，41の上下側の接点部材42，43
には交互に中央破断線38a の下側に突出する突出部42b
，46c が形成されているため、面状スイッチ50が確実
に押動され、上下側の接点部材42，43を確実に接触させ
て、ホーン機構を操作性良く確実に動作させることがで
きるとともに、カバー体33の各部分におけるホーンスイ
ッチ40，41の操作荷重をほぼ一定にすることができる。

【００４２】さらに、ホーンスイッチ40，41の上下側の
接点部材42，43に中央破断線38a の下側に突出する突出
部42b ，46c を形成したため、折り畳んだエアバッグ28
の反力がカバー体33のティアライン38に集中的に加わる
ことを抑制することができる。そこで、カバー体33のテ
ィアライン38の部分の変形を防止でき、カバー体33の外
観を良好にすることができる。

【００４３】また、エアバッグ28が膨張展開する際に
は、支持腕部47，47の屈曲部分近傍を支点として回動す
る面状スイッチ50によりカバー体33が押し上げられるた
め、このカバー体33の上板部34を、自動車の車室内の過
酷な温度条件下においても、ティアライン38に沿って瞬
間的に確実に破断することができる。

【００４４】そして、下側接点部材43の接点面部46の周
縁部の少なくとも内側縁部46b には、合成樹脂やゴムな
どからなる柔軟性のある保護部46d が形成されているた
め、エアバッグ28の展開時に、この下側接点部材43から
カバー体33を保護することができる。なお、この保護部
46d は、下側接点部材43の接点面部46の周縁部の全体に
形成することもでき、上側接点部材42の内側縁部42a あ
るいは周縁部の全体に形成することもできる。

【００４５】また、一旦展開したカバー体33の扉片部34
a ，34b は、塑性変形した金属製の支持腕部47，47によ
り支持された面状スイッチ50，50により押さえられ、扉
片部34a ，34b の開き角度が保持されるようになってい
る。そこで、カバー体33自らの弾性力により扉片部34a
，34b が復帰変形して、エアバッグ28の突出口が塞が
れることがなく、エアバッグ28を円滑に膨張展開させる
ことできる。

【００４６】さらに、各ホーンスイッチ40，41は、上下
側の接点部材42，43間に弾性体44を接着して構成されて
いるとともに、カバー体33とは別体をなして、カバー体
33とエアバッグ28との間に配置されている。そこで、部
品点数を削減できるとともに、インサート成形などの複
雑な工程を不要にでき、量産性を向上し、製造コストを
低減することができる。

【００４７】そして、各ホーンスイッチ40，41は、カバ
ー体33とは別体をなすため、汎用性が高く、種々の形状
のカバー体33に装着できる一方、種々の形状の上下側の
接点部材42，43を組み合わせることにより、種々の形状
のカバー体33に適合させることができる。

【００４８】また、各面状スイッチ50は、金属製の上下
側の接点部材42，43間に弾性体44を接着して構成されて
おり、ホーンの操作性を良好にできるとともに、面状ス
イッチ50の厚さ寸法を小さくしてもホーンストロークを
確保できるため、エアバッグ装置14を薄型化することで
きる。

【００４９】なお、上記の実施例のホーンスイッチ40，
41においては、支持腕部47の強度および曲げ角度などに
より、エアバッグ28が膨張した際の面状スイッチ50の開
き角度が変化するため、この支持腕部47の板厚、幅寸法
および屈曲部分の曲率などを適宜設定することにより、
破断したカバー体33の扉片部34a ，34b の開き角度を最
適に調整することができる。

【００５０】また、上記の実施例では、上下側の各接点
部材42，43および各弾性体44の内側縁部42a ，46b ，44
b をいずれも波形状に形成して突出部42b ，46c を形成
したが、少なくとも各上側接点部材42の内側縁部42a に
突出部42b を形成しておけば良く、例えば、図５に示す
下側接点部材61のように、下側接点部材61の内側縁部62
を直線状に形成することもでき、あるいは、図示しない
が、各弾性体44の内側縁部44b も直線状に形成すること
もできる。

【００５１】さらに、図６に示すように、上下に対をな
す上下側の各接点部材42，43について、互いに内側縁部
42a ，46b の波形状をずらして形成し、前側のホーンス
イッチ40の上側接点部材42の突出部42b が後側のホーン
スイッチ41の下側接点部材43の突出部46c 上に位置する
とともに、後側のホーンスイッチ41の上側接点部材42の
突出部42b が前側のホーンスイッチ40の下側接点部材43
の突出部46c 上に位置するように配置することもでき
る。

【００５２】そして、上記の各実施例においては、上下
側の各接点部材42，43および各弾性体44の内側縁部42a
，46b ，44b をいずれも波形状にして突出部42b ，46c
を形成したが、例えば、矩形状をなす突出部を形成
し、あるいは、三角状をなす突出部などを形成すること
もできる。

【００５３】また、上記の各実施例では、カバー体33の
下面側から角筒状をなす取付壁部35を突設したが、例え
ば、角筒状ではなく、カバー体33の下面側から４枚の平
板状をなす取付壁部を突設してエアバッグの四方を取り
囲み、あるいは、カバー体33の周縁部に連続して取付壁
部を突設することもできる。

【００５４】

【発明の効果】本発明のステアリングホイールによれ
ば、操作者がカバー体を押圧することにより、このカバ
ー体を介して少なくとも一方の面状スイッチを押動し、
ホーン装置を吹鳴できる。操作者がカバー体の破断線近
傍を押圧した場合にも、各面状スイッチは突出部を介し
て押動されるため、ホーン装置を操作性良く吹鳴させる
ことができる。また、エアバッグが膨張展開する際に
は、支持腕部が塑性変形しながら対をなす面状スイッチ
とともにカバー体を押し上げ、このカバー体を破断線に
て破断して、エアバッグの突出口を形成できる。一旦展
開したカバー体は、カバー体自らの弾性復元力により復
帰変形しようとするが、塑性変形した支持腕部により支
持された面状スイッチにより押さえられるため、形成さ
れたエアバッグの突出口がカバー体により塞がれること
が抑制され、エアバッグを円滑に膨張展開させることで
きる。面状スイッチをカバー体にインサート成形する必
要がなく、製造コストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のステアリングホイールの一実施例を示
す一部を切り欠いた斜視図である。

【図２】同上ステアリングホイールの平面図である。

【図３】同上ステアリングホイールの図２のＩ−Ｉ断面
図である。

【図４】同上ステアリングホイールの分解斜視図であ
る。

【図５】本発明の他の実施例を示すホーンスイッチの分
解斜視図である。

【図６】本発明のさらに他の実施例を示すホーンスイッ
チの分解斜視図である。

【符号の説明】

11 ステアリングホイール 12 ステアリングホイール本体 14 エアバッグ装置 28 エアバッグ 33 カバー体 38 破断線としてのティアライン 40，41 ホーンスイッチ 42b 突出部 47 支持腕部 50 面状スイッチ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ステアリングホイール本体に、エアバッ
グ装置およびホーンスイッチを備え、前記エアバッグ装置は、通常時は折り畳まれて収納され
たエアバッグと、このエアバッグを覆い脆弱な破断線を
形成したカバー体とを有し、前記ホーンスイッチは、前記エアバッグと前記カバー体
との間に配置され、かつ、前記破断線を挾んで相対向し
て配置された対をなす面状スイッチと、これらの面状ス
イッチから延設され、前記エアバッグ装置および前記ス
テアリングホイール本体のいずれかに固定された塑性変
形可能な支持腕部とを有し、前記各面状スイッチは、それぞれ前記破断線の前記エア
バッグ側に位置する突出部を形成したことを特徴とした
ステアリングホイール。