JPH0713573A - 遮音板及び車両の遮音構造 - Google Patents

遮音板及び車両の遮音構造

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JPH0713573A
JPH0713573A JP5057196A JP5719693A JPH0713573A JP H0713573 A JPH0713573 A JP H0713573A JP 5057196 A JP5057196 A JP 5057196A JP 5719693 A JP5719693 A JP 5719693A JP H0713573 A JPH0713573 A JP H0713573A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性と遮音性の両方を満足する。 【構成】 貫通した開口部(6a)、(6b)を有し、
間隔をおいて対向する少なくとも2枚の貫通有孔板(5
A)、(5B)の組み合わせからなる遮音板(5)を、
車両のエンジンルームアンダーカバー等として用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通気性を保持しながら
遮音効果を発揮し得る遮音板及びそれを用いた車両の遮
音構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図15に示すように、一般的な車両1に
おいては、エンジンルーム2の下部にアンダーカバー3
が取り付けられている。このアンダーカバー3は、エン
ジンのオイルパン等が路面の突起物に直接衝突するのを
防ぐ他、エンジンルーム2から車外に放射されるエンジ
ン騒音を抑制するための遮音壁としての機能を持つ。
【0003】当然のことながら、アンダーカバー3はそ
の取付け面積が広いほど、その遮音効果が高い。しか
し、取付け面積を広くすると、アンダーカバー3によっ
てエンジンルーム2の密閉度が高まって通気性が悪化
し、エンジンルーム2の雰囲気温度が上昇するという好
ましくない結果を招く。そこで、実際には遮音性を多少
犠牲にしても、アンダーカバー3の取付け面積を小さく
して必要な通気性を確保している。(実開昭59−18
8722号,実開昭60−131470号)。
【0004】一方、実開昭59−153598号公報に
は、図16のような吸音材4が示されている。この吸音
材4は、材料の内部に複数段の小室4aを設け、各段の
小室4aを小孔4bで連通させたものである。この吸音
材4では、音の圧力変化によって材料が弾性変形した際
に、空気が小孔4bを通って小室間4aを移動し、その
移動の際の小孔4bの絞り作用で音響エネルギを減衰し
て吸音効果を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のアン
ダーカバー3のように、車両においては遮音性ばかりで
なく通気性も要求されることがあり、このために、アン
ダーカバー3に開口を設ける場合もあった。しかしなが
らこの場合開口部から騒音が漏れることとなり従来では
その両方を十分に満足する遮音手段がなく、車両の基本
性能である耐熱性、通気性を重視し、遮音性が犠牲とな
る可能性が大であった。しかし、最近では車外騒音の低
減要求が高まり、通気性の維持は勿論であるが、遮音性
の向上も強く要求されるようになってきた。
【0006】一方、上記公報の吸音材は、パネル等の制
振を用途とするものであり、ダッシュロアパネル等に適
用した場合は有効であるが、単にアンダーカバーに適用
しただけでは、通気性を充分に確保することができず、
アンダーカバーのような用途には全く適用不可能であっ
た。
【0007】本発明は、上記事情を考慮し、通気性と遮
音性の両方を満足し得る遮音板を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の遮音板
は、貫通した開口部を有し、間隔をおいて対向する少な
くとも2枚の貫通有孔板の組み合わせからなることを特
徴としている。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の遮音板
であって、前記貫通有孔板の開口部の空気質量と貫通有
孔板間の空気層による空気バネとにより構成される振動
系の共振周波数が、遮音を目的とする音の主周波数より
も低くなるように、貫通有孔板の板厚、開口率、板間隔
が設定されていることを特徴としている。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の遮音板であって、前記各貫通有孔板の開口部の位置
が、貫通有孔板相互で同位置に形成されていることを特
徴としている。
【0011】請求項4の発明は、請求項3記載の遮音板
であって、各貫通有孔板間の空間には各開口部を除いて
吸音材が配置されていることを特徴としている。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の遮音板であって、前記貫通有孔板の開口部の
形状が多角形であることを特徴としている。
【0013】請求項6の発明の車両の遮音構造は、請求
項1〜5のいずれかに記載の遮音板を、車両のエンジン
ルームの下部を外部に対して仕切るアンダーカバーとし
て用いたことを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1の発明では、貫通有孔板の開口部の空
気質量と貫通有孔板間の空気層による空気バネとにより
ダイナミックダンパが構成され、この振動系により音波
による空気振動が減衰させられ、透過音波が減少する。
この場合、開口部を通して空気が出入り自由であるか
ら、当然十分な通気性が確保される。
【0015】請求項2の発明では、貫通有孔板板側の共
振周波数の設定を確実に行なうことができる。
【0016】請求項3の発明では、各貫通有孔板の開口
部が同位置となることにより、空気層及び空気バネによ
るダイナミックダンパをより正確に形成することができ
る。
【0017】請求項4の発明では、吸音材によっても吸
音できると共に、貫通有孔板そのものの相互振動による
共鳴をも抑制できる。
【0018】請求項5の発明では、開口部の形状として
種々の多角形の選択をすることができる。
【0019】請求項6の発明では、エンジンルームから
の音を外部に対して遮音することができ、開口部から放
熱することもができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】図1は本発明の一実施例の遮音板を示す。
この遮音板5は、空間Aと空間Bとを音響的に隔絶し、
かつ両空間A、B間を自由に空気が流通できるようにす
るためのもので、自由な空気の流通が可能な円形の貫通
した第1、第2開口部(貫通孔)6a、6bを多数個有
した同一形状の金属製(例えば、アルミニウム、鋼製
等)の第1、第2貫通有孔板5A、5Bを、2枚所定の
間隔をおいて互いに平行に対向配置した構成を有してい
る。この場合、第1、第2開口部6a、6bは全数同一
の大きさであり、第1、第2貫通有孔板5A、5B相互
で同位置に対向配置されている。
【0022】図2、図3は、同実施例の遮音板5を車両
に取り付けた状態を示している。この遮音板5は、車両
11のエンジンルーム12の下面を区画するアンダーカ
バーUCに一体的に設けられている。この部分は、エン
ジン15を冷却した後の空気流16(エンジン騒音もこ
の空気流に乗って外部に出る)が流れる通路であり、こ
こに2枚の第1、第2貫通有孔板5A、5Bからなる遮
音板5が配置されている。勿論、車両1に取り付けるに
当たって、遮音板5の形状、大きさ、第1、第2開口部
6a、6bの個数等は車両に応じて選択しており、図1
のものとは若干異っている。この場合、遮音板5を構成
する第1、第2貫通有孔板5A、5Bの各板厚、開口
率、板間隔は、エンジン15の騒音を有効に遮断し得る
値に設定されている。特に、板間隔を一定値に保つため
に、2枚の第1、第2貫通有孔板5A、5Bは、周縁部
ないしは第1、第2開口部6a、6bを除く位置で、ス
ペーサ5aにより相互に固着されており、両貫通有孔板
5A、5Bにより一枚の一体構造の遮音板5が構成され
ている。遮音板5は、下側の第2貫通有孔板5Bがアン
ダーカバーUCの後部を構成し、前部17a、中間部1
7bと一体となっている。なお、アンダーカバーUCの
中間部17bにはオイルパン15aの最底部15bを外
部へ臨ませる窓17cが設けられている。
【0023】次に作用を説明する。
【0024】エンジンルーム12から下部に致る音は、
アンダーカバーUCによって外部への漏れが規制され
る。特に後部の遮音板5では、音が有効に減衰され、効
果的な遮音が行なわれる。
【0025】エンジンルーム12内の熱は第1、第2開
口部6a、6bから外部へ排出され、通気性をも確保す
ることができる。
【0026】ところでアンダーカバーUCの開口部6
a、6bは、普通に考えれば、その遮音性能が急激に低
下すると思われる。
【0027】ところが、本発明の実施例のように、開口
部6a、6bを設けた板(貫通有孔板)を複数枚(本実
施例では2枚)所定の間隔をおいて対向配置すると、音
響的に別のメカニズムを新たに持つことになる。
【0028】以下、それについて解説する。
【0029】図4は、遮音構造を示す一般的な構成を示
したもので、騒音である入射波が壁Wに当たり、一部反
射し、一部透過する場合を模式的に示している。入射
波、反射波、透過波それぞれの空気の圧力をPi、P
r、Ptとし、空気の速度をVi、Vr、Vtとする。
これを図3のエンジンから放射される騒音に適用すると
領域(I )がエンジンルーム12の内部に相当し、領域
(II)の壁が遮音板、領域(III )がエンジンルーム1
2の外部に相当する。
【0030】更に、この壁Wを本発明の第一実施例の開
口部を有する遮音板5で置き換えると、この遮音板5に
よって作られる振動系は、図5に示す2自由度のダイナ
ミックダンパとしての振動系モデル(マスバネモデル)
に相当する。即ち、2枚の第1、第2貫通有孔板5A、
5Bの開口部6の空気質量mA 、mB と、第1、第2貫
通有孔板5A、5B間の中間空気層による空気バネ8と
で2自由度の振動モデルを構成する。
【0031】この振動モデルで見た場合、エンジン騒音
によって、エンジン側の第1貫通有孔板5Aの第1開口
部6aのマス7A(開口部6a内の空気の質量)が励振
されと、この振動が空気バネ8を介して、外気側の第2
貫通有孔板5Bの第2開口部6bのマス7B(開口部6
b内の空気の質量)に伝播される。このマス7Bの振動
が外気を励振して、車外へのエンジン騒音として放射さ
れる。
【0032】ここで、マス7Aとマス7Bの振動伝播率
に注目する。本発明は、この振動伝播率に着目してなさ
れたものである。2自由度振動系は共振点以上で振動伝
播率が1より下回る。つまり、防振領域に入る。よっ
て、図5のモデルにおいても、共振点以上で防振領域
(つまり音響的に遮音領域)に入り、遮音壁としての機
能を果たすことになる。
【0033】したがって、本発明の一実施例の遮音板5
は、2枚の第1、第2貫通有孔板5A、5Bで構成され
るマスバネ系の共振周波数を有孔板の板厚、開口率、間
隔を調整することで遮音目的の音より低く設定し共振周
波数以上の周波数領域の音に対して、遮音壁としての機
能を果たすことになる。
【0034】この、共振周波数を決定する要素を更に具
体的に示すと、図6に示すように、貫通有孔板5A、5
Bの開口率α(開口部6a、6bの中心間距離をL、第
1、第2開口部6a、6bの半径をaとした場合、α=
πa2 /L2 )、板厚t、開口部6の形状、開口部6の
面積、貫通有孔板5A、5B間の距離d等であり、これ
らを組み合わせて、マス7A、7Bを大きく、空気バネ
8を小さくすることにより、共振周波数つまり遮音壁と
して機能する周波数を低く設定することができ、それに
より遮音壁としての性能を向上させることができるよう
になる。
【0035】即ち、図7は本第1実施例の遮音板の板厚
を変えた場合の効果を確認した実験結果を示している。
縦軸は遮音壁透過損失、横軸は周波数を示し、は板厚
が大の場合であり、、と小さくしている。いずれの
板厚の場合も、上の各要素によって決まる共振周波数よ
りも上の周波数領域で、透過損失TLが大きくなり、遮
音壁としての機能を持つことが明らかとなっている。自
動車のエンジン騒音は、騒音の支配的周波数領域が50
0Hz〜2.5KHzの間が支配的となっており、この
共振周波数を500Hz〜1KHz以下に設けることに
より、エンジン騒音に対して完全な遮音壁として機能す
ることができる。
【0036】次に、周波数と透過損失の関係を、理論と
実際の面で検討して見る。
【0037】ここでは、まず図5に示される2枚の相対
する第1、第2貫通有効板5A、5Bで構成される遮音
壁(遮音板5)の透過損失について考える。
【0038】その前に図4のように遮音壁Wで仕切られ
た空間を、領域(I )、(II)、(III )と区別した場
合、領域(I )、(III )は空気、(II)は壁であり、
空気の音響インピーダンスをρC(ρは空気密度、Cは
音速)とすると、
【数1】 の関係が導かれる。
【0039】次に領域(II)について、図6に示す2枚
の第1、第2貫通有孔板5A、5Bに置き換えて考え
る。ここで、有孔板5A、5B相互の共鳴は考えないこ
とにする。その理由は、板間隔を実用値(板間隔d≦4
0mm)にした場合、その1次共振周波数(≧4.25
KHz)がここで遮音を目的とする周波数(1K〜3K
Hz)を大きく上回り、共鳴を無視しても実用上問題が
ないからである。
【0040】第1、第2貫通有孔板5A、5Bには、図
6に示すように、多数の等間隔の第1、第2開口部6
a、b6が形成されているものとする。ここで、第1、
第2貫通有孔板5A、5Bの第1、第2開口部6a、6
bにおける放射波による音場の乱れが開口部6a、6b
近傍の表面に限るとし、入射波、透過波等が平面波であ
ると仮定して話を進める。
【0041】そうすると、領域(I )の音圧P(I )は
【数2】 となる。また、領域(III )の音圧P(III )は
【数3】 となる。
【0042】モデルの振動系に作用する運動について考
えると、図8のようになる。図8の運動を解くと以下に
なる。ただし、mA =mB =mとする。また、fA 、f
B は単位面積当たりに作用する力とする。
【0043】
【数4】 ここで
【数5】 とおき、かつ単位面積当たりの質量mを
【数6】 とおく(ただし、k=空気バネの定数)と、
【数7】 となる。
【0044】ここで、mA には表からP(I)が作用
し、mB には裏からP(III )が作用するので、
【数8】 となる。
【0045】上記式(2)、式(3)を考慮して整理す
ると、
【数9】 となる。
【0046】次に、空気の粒子速度について考える。こ
れらについては、
【数10】 となり、式(1)より
【数11】 であるから、これを用いて式(8)、式(9)を整理す
ると、
【数12】 となる。両辺をPiで割り、
【数13】 と置くと、
【数14】 となる。これを行列式で書くと、
【数15】 となり、これを整理すると、
【数16】 となり、そうすると、
【数17】 となる。
【0047】透過損失TLは、
【数18】 で表されるから、前式を変形して整理することにより、
【数19】 となり、前式に代入して
【数20】 となる。この式(20)が透過損失を求めるための理論
式である。
【0048】この理論式を用いて、ある幾つかのサンプ
ルについて試算を行ってみた。
【0049】この場合のサンプルは、α=0.2、t=
20mm、d=20mm、a=20mmを中心に、パラ
メータを変更したものである。その結果、図9に示すよ
うなデータが得られた。この結果を考察すると、t→
大、α→小、d→大にするほど、防振、透過損失も大き
くなり、遮音性能が増大する。特に板間距離dは、d→
大にする程より低周波数から遮音性能を持つことができ
る。
【0050】次に、上記理論の検証を行った。
【0051】実験装置は、図10に示すように、上端開
放の縦、横、高さが600mmの木箱21の内部に定音
源22を配置し、木箱21の開口にサンプルとしての遮
音板5を配置し、遮音板5の上方1400mmの高さの
評価点に配置したマイクロホン23で音の透過率を測定
したものである。
【0052】この実験においては、t=10mm、α=
0.2、d=0〜40mm(0、10、20、40)の
場合を測定した。
【0053】これによれば、図11(a)に示す結果が
得られた。図11(b)に同じサンプル条件に対する理
論解を示す。これらの結果を比較して見ると、効果の現
れる周波数(立上がり周波数)が理論と実際とでほぼ一
致した1KHz近傍となっている。なお、当然ながら、
実験結果では、理論導出時に無視した板間共鳴による効
果の落ち込みが現れている。
【0054】以上のことから、共振周波数の決定は、モ
デルにより計算で求める方法も可能であるが、実際には
板間共鳴を始めとした様々な相互作用があるため実験的
に求めるのが好ましい。
【0055】次に、本発明の他の実施例を図12、図1
3、図14を参照して説明する。
【0056】図12の実施例は、第1、第2貫通有孔板
35A、35Bの第1、第2開口部6a、6bの周囲の
壁61a、61bを、対向する第1、第2貫通有孔板3
5B、35Aの方向に向かって円筒状に突出させ、第
1、第2開口部6a。6bの周囲の板厚tだけを増加し
て、開口部6で構成する空気マス量を大きくしたもので
ある。これによれば、全体の板厚は変化させずに空気マ
スだけを大きくすることができるので、一定の遮音性能
を保持したまま、軽量コンパクト化を図ることができ
る。
【0057】図13の実施例は、2枚の第1、第2貫通
有孔板45A、45Bの第1、第2開口部6a、6bの
大きさを相違させたものである。この場合、エンジンル
ーム側の第1貫通有孔板45Aの第1開口部6aを大き
くすることで、遮音壁としての性能は維持したまま、通
気性能が向上する。
【0058】図14の実施例は、図12の実施例の第
1、第2開口部6a、6bを除く第1、第2貫通有孔板
35A、35B間に吸音材37を設けたものである。こ
れによれば、第1、第2貫通有孔板35A、35Bの共
鳴をも規制でき通気性能を損なわずに、遮音性能を向上
させることができる。
【0059】なお、上記実施例においては、貫通有孔板
を2枚対向させた場合を示したが、それ以上の枚数の貫
通有孔板を組み合わせることも可能である。
【0060】また、上記実施例では、開口部が円形の場
合を示したが、多角形等の他の形状にしてもよい。
【0061】また、上記実施例では、各貫通有孔板の全
部の開口部の形状及び径を揃えた場合を示したが、各貫
通有孔板の開口部の形状や大きさを、各板上で適当に変
化させてもよい。また、板厚や間隔を板の面に沿った位
置で変化させてもよい。
【0062】また、上記実施例では、前置エンジンタイ
プの車両に本発明の遮音板を取り付けた場合を示した
が、エンジンの位置に限定されない。ただし、冷却風の
出口側に設けた方が遮音上効果的である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の本発明
によれば、通気性と遮音性とを併せ持たせることができ
る。
【0064】請求項2の発明では、音の周波数に合わせ
て共振周波数を設定し、確実な遮音ができる。
【0065】請求項3の発明では、より正確な遮音構造
とし、確実な遮音ができる。
【0066】請求項4の発明では、貫通有効板の共鳴を
も規制でき、より遮音効果を高めることができる。
【0067】請求項5の発明では、開口部が多角形であ
り成形が容易となる。
【0068】請求項6の発明では車両のアンダーカバー
として適用した、エンジンルーム部から外部に漏れる音
を効果的に遮断することができる。しかも、エンジンル
ーム部の通気性も十分確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の遮音板の概略斜視図であ
る。
【図2】本発明の一実施例の遮音構造を適用した車両の
前半部分の側面図である。
【図3】本発明の一実施例の遮音構造を適用した車両の
底面図である。
【図4】本発明の一実施例の遮音板の性能の解析に用い
る説明図である。
【図5】本発明の一実施例の遮音板の性能の解析に用い
るモデル(ダイナミックダンパ)の説明図である。
【図6】本発明の一実施例の遮音板の性能の解析に用い
る遮音板の各寸法の定義内容の説明図であり、(a)は
遮音板の斜視図、(b)は平面図である。
【図7】本発明の一実施例の遮音板の性能を評価する特
性図である。
【図8】本発明の一実施例の遮音板の性能の解析に用い
る振動モデルの図である。
【図9】本発明の一実施例の遮音板の性能(透過損失T
L)を理論解析した結果を示す図であり、(a)は貫通
有孔板の板厚を変えた場合の透過損失の変化を示す図、
(b)は貫通有孔板の開口率を変えた場合の透過損失の
変化を示す図、(c)は貫通有孔板の間隔を変えた場合
の透過損失の変化を示す図である。
【図10】本発明の一実施例の遮音板の性能を検証する
実験装置の側断面図である。
【図11】本発明の一実施例の遮音板の性能を評価する
ための説明図であり、(a)は検証実験の結果を示す
図、(b)は理論解の図である。
【図12】本発明の他の実施例の遮音板の要部拡大断面
図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例の遮音板の要部拡
大断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例の遮音板の要部拡
大断面図である。
【図15】従来の車両の底面図である。
【図16】従来の吸音材の断面図である。
【符号の説明】 5 遮音板 5A、35A、45A 第1貫通有孔板 5B、35B、45b 第2貫通有効板 6a 第1開口部 6b 第2開口部 8 空気バネ 11 車両 12 エンジンルーム 37 吸音材 UC アンダーカバー
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】次に、空気の粒子速度について考える。こ
れらについては、
【数10】 となり、式(1)より
【数11】 であるから、これを用いて式(8)、式(9)を整理す
ると、
【数12】 となる。両辺をPiで割り、
【数13】 と置くと、
【数14】 となる。これを行列式で書くと、
【数15】 となり、これを整理すると、
【数16】 となり、そうすると、
【数17】 となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】透過損失TLは、
【数18】 で表されるから、前式を変形して整理することにより、
【数19】 となり、前式に代入して
【数20】 となる。この式(20)が透過損失を求めるための理論
式である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通した開口部を有し、間隔をおいて対
    向する少なくとも2枚の貫通有孔板の組み合わせからな
    ることを特徴とする遮音板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遮音板であって、前記貫
    通有孔板の開口部の空気質量と貫通有孔板間の空気層に
    よる空気バネとにより構成される振動系の共振周波数
    が、遮音を目的とする音の主周波数よりも低くなるよう
    に、前記貫通有孔板の板厚、開口率、板間隔が設定され
    ていることを特徴とする遮音板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の遮音板であっ
    て、前記各貫通有孔板の開口部の位置が、貫通有孔板相
    互で同位置に形成されていることを特徴とする遮音板。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の遮音板であって、各貫通
    有孔板間の空間には各開口部を除いて吸音材が配置され
    ていることを特徴とする遮音板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の遮音板
    にであって、前記貫通有孔板の開口部の形状が多角形で
    あることを特徴とする遮音板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の遮音板
    を、車両のエンジンルームの下部を外部に対して仕切る
    アンダーカバーとして用いたことを特徴とする車両の遮
    音構造。
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