JPH0712952Y2 - 発進停止機構付き指針表示式時計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、時計の発進停止機構における、巻真と規制
レバー係合部の構造に関するものである。

〔考案の概要〕

時計の発進停止機構で、巻真先端の移動量を用いて、規
制レバーを動作させる構造において、巻真の停止位置に
よって、前記レバーと前記巻真先端との係合位置を変化
させることで、レバーの作動量を機能上の必要最低限に
押さえ、これによってレバーの占有面積を極力少なくし
て、時計の小型化を可能とする時計の発進停止機構を構
成するものである。

〔従来の技術〕

従来の発進停止機構は、第５図に示すものが知られてい
た。即ち、第５図に示す例は、巻真１の側面部に規制レ
バー２の先端部2aが通常時は圧接している。巻真１を通
常状態1aから針回し状態1bへ移動すると、規制レバー２
は図示しないバネ力で2bの位置へ回転して、腕部2cが規
正またはリセットスイッチ機構として働く構成になって
いた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、第５図に示すような従来の発進停止機構
を用い、レバーが巻真の針回し状態にある時、レバーの
形状が巻真に近接して配置せざるを得なかった。この場
合、図示しないが、通常、巻真の中間部に装着される針
回し用のつづみ車の歯形部は、レバーと干渉しないよう
に、巻真軸上の時計体の外周側の位置に配置することと
なるため、巻真先端部にての、時計中心から時計外形を
結ぶ線上のつづみ車を巻真中間部に軸支するための必要
寸法が大きくなり、時計の小形への障害となる問題を有
している。

この考案の目的は、従来の問題である時計の発進停止機
構による時計の小形化への障害を解決することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記問題を解決するためにこの考案は時計の規制レバー
の作動を巻真先端の動きを用いて行う構造において、前
記レバーの形状を針回し用つづみ車の歯形部の内側へ入
り込むことが可能な形状とすると共に、複数段に位置決
めされる巻真先端とレバーの巻真係合部とを巻真の位置
によって変化させることで、レバーの動きを減少させ、
時計中心から時計外形を結ぶ直線上のスペースを有効に
活用し、且つ、規正部，リセットスイッチ部の占有スペ
ースも少なくし、小形時計の提供を容易にするものであ
る。

〔作用〕

上記のように構成された発進停止機構を用いると、巻真
先端で作動される規制レバーは、通常状態および１段ひ
かれた状態では同位置に停止し、更に１段ひかれて針回
し状態になった時のみ回転して規正・リセット機能を果
たす。更に前記レバーの先端は、規正リセット状態時
に、巻真の軸中心近くになるよう形成されているため、
つづみ車の歯形部内側に入り込むことが可能な構造にで
きる。

〔実施例〕

以下この考案の実施例を第１図，第２図，第３図及び第
４図によって説明する。図面において、１は巻真であり
切換バネ３によって複数段に位置決めし且つ切換重さを
設定する山形部1a、巻真１が針回し位置に位置決めされ
た時につづみ車４の穴4bと締め代力によって係合し巻真
の回転力をつづみ車４へ伝達する先端部1b、そして山形
部1aと先端部1bの間につづみ車を軸支する軸受部1cとを
有している。更に巻真１は図示しないカレンダ機構修正
用の修正車５と係合し修正を行う段部1dを有し、地板６
の横穴によって軸支されている。７は日の裏車であり歯
車の一端は二番車８と噛み合い、他端はつづみ車のクラ
ウン歯形部4aと噛み合っており、巻真１からの針回し力
を指針輪列へ伝達する。９は規正レバーであり地板６に
設けられた案内ピン6aに回転自在に軸支されている。規
正レバー９には、案内ピン6a部による回転中心から巻真
１の先端部1b方向へ延びる作動量規正部9a、規正レバー
９の圧接力によって規正される四番車10側へ規正部9b、
集積回路等を実装した回路ブロック11のリセットスイッ
チパターン部11a部へ延びる弾性を有する腕部9c、そし
て、作動量規正部9aを巻真１に圧接すると共に、規正
力，リセットスイッチ力を発生させる戻しバネ部9dを有
する。前記戻しバネ部9dは地板６の壁6bに圧接してバネ
力を保っている。次に作動について説明すると、第４図
の状態は巻真１の通常状態12と１段引き出した状態13で
の規正レバー９の停止位置を示す。規正レバー９の作動
量規正部9aが巻真１の先端部1bの側面に圧接して停止し
ている。

第３図の状態は巻真１が針回し状態を示す。巻真１の先
端部1bはつづみ車４の穴部4bと締め代力によって係合し
ている。規正レバー９の先端部9aはつづみ車４のクラウ
ン歯形部4aの内側部まで入り込み且つ巻真先端部1bとは
隙間を保持し停止している。この時、規正レバー９の規
正部9bとリセット部9cは所定の位置へ圧接している。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように、針回し状態において、
従来の構造では、つづみ車は巻真の中間部に有るのが、
通常であったが、本考案の構造では、つづみ車のクラウ
ン歯形部は、巻真先端よりも時計の中央部方向に、規制
レバーも、つづみ車にたいして時計の中央部方向に、配
置できるので、従来の構造での問題であった規制レバー
の巻真中心軸上に占めるスペースの大幅な減少を計るこ
とが可能となり、時計の小型化を品質を損なうことなく
実現出来る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す平面図、第２図は本考案実
施例を示す断面図、第３図は本考案実施例を示す要部平
面図、第４図は本考案実施例を示す要部平面図、第５図
は従来例を示す平面図である。 １…巻真、３…切換バネ ４…つづみ車、５…修正車 ６…地板、７…日の裏車 ８…二番車、９…規正レバー 10…四番車、11…回路ブロック

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】地板（６）に軸支され、複数位置に切り換
   えし、地板（６）に保持するつづみ車（４）を軸支する
   巻真（１）と、巻真（１）の切り換え位置に応じて動作
   する規制レバー（９）を有する発進停止機構付き指針表
   示式時計において、つづみ車（４）は、中央部に回転中
   心となる穴（4b）と外周部に指針輪列に連なる日の裏車
   （７）に常時噛み合うクラウン歯形部（4a）からなり、
   巻真（１）の軸受部（1c）乃至先端軸部（1b）に軸支さ
   れて、地板（６）内に保持され、規制レバー（９）の巻
   真（１）の先端軸部（1b）に接・離する作動規制部（9
   a）の端部は、巻真切り換えの通常乃至一段引き出した
   状態では、巻真（１）の先端軸部（1b）に接触し、針り
   回し状態では、巻真（１）の先端軸部（1b）から離れ、
   つづみ車（４）のクラウン歯形部（4a）の内側に位置す
   ることを特徴とする発進停止機構付き指針表示式時計。