JPH07128098A

JPH07128098A - 計装設備遠隔診断システム

Info

Publication number: JPH07128098A
Application number: JP5274702A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Shindo; 信博進藤; Tetsuya Ueno; 哲弥上野; Kihachiro Suzuki; 喜八郎鈴木; Tsutomu Higashiya; 勉東谷
Original assignee: Nittetsu Hokkaido Control Systems Co Ltd
Current assignee: Nittetsu Hokkaido Control Systems Co Ltd
Priority date: 1993-11-02
Filing date: 1993-11-02
Publication date: 1995-05-19

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、計装整備作業の効率化を図るため
に、各プロセスの計測・制御状態を常時遠隔監視する計
装設備遠隔診断システムを提供する。【構成】本発明は、工場内に設置され、該工場の各設
備・機器類に附属する計装設備から発信される多数の計
測信号を取り込み、これらの計装信号の正常作動パター
ンと比較して、変化率、応答速度、その他の関連データ
から異常状態を判定し、異常信号を発信するローカル計
算機と、中央計器室に設置され、該ローカル計算機と電
話線により連結され、ローカル計算機からの異常信号を
受信・解析し、かつローカル計算機に蓄積されたデータ
を取り込む機能を有する中央計算機とからなることを特
徴とする計装設備遠隔診断システムを要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、工場内各プラントに設
置され、該プラントの各設備・機器類に附属する計装設
備の遠隔診断システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】工場等においては、プラントの各設備・
機器類が正常に作動しているか否かを診断することが、
作業を正常に行う上で重要とされている。従来この診断
は、専門の検査員が、直接現場に赴き、各設備・機器類
の作動状態について、巡回点検診断したり、運転員から
状況を聴取し、さらに外観、動きの状態、計器の指示等
を視認して、経験的に判断する等の方法で行われてい
た。しかしながら、このような方法は、運転員の情報
に不確定さがある（特にデータ相互の時間関係）。既
設の記録計は殆どの場合測定信号（ＰＶ値）しか入力さ
れていないためデータ不足である。異常が発生してか
らモニター記録計を設置し、異常に関係する各点の信号
を記録するが、異常状態が再現しないことがある。記
録計相互の時間合わせ、ペン軸のズレ、チャートスピー
ドの違い等による時間差で異常解析ができない。等々の
問題点がある。

【０００３】さらに、最近のように効率化・省力化が要
望されている時代においては、一々専門の検査員が、現
場に赴き、その経験に基いて各設備・機器類の作動状態
から異常状態を判断することは効率的ではなく、各設備
・機器類の作動状態のデータを中央計器室に集め、通常
は検査員は中央計器室に勤務して該データを監視するよ
うにすれば、他の作業にも従事することができ、異常状
態の発生時のみ、現場に赴いて、対応することが可能と
なり、省力化は勿論、人員の配置の効率化をはかること
ができる。

【０００４】ところが、従来はこのような要望に対応す
る適当な手段がなかった。例えば、ボイラードラムレベ
ル制御機構の計装設備の診断について説明すると従来、
下記の各項目について行われていた。（１）蒸気流量計の異常（電源断、配線異常、計測器異
常、計測器ゼロ・スパンドリフト、導圧管詰まり・漏れ
等の診断）。（２）給水流量計の異常（電源断、配線異常、計測器異
常、計測器ゼロ・スパンドリフト、導圧管詰まり・漏れ
等の診断）。（３）ドラムレベルの異常（電源断、配線異常、計測器
異常、計測器ゼロ・スパンドリフト、導圧管詰まり・漏
れ等の診断）。（４）ドラムレベル制御異常（オフセット大、制御ゲイ
ン大、制御ゲイン小、調節弁動作不良等の診断）。そして、（１）蒸気流量計の異常については、指示値が
定常範囲（０〜１００％）内にあるか。各燃料より入熱
量を計算し蒸気流量と比較し判断する。（２）給水流量計の異常については、指示値が定常範囲
（０〜１００％）内にあるか。蒸気流量指示と給水流量
指示との比較により判断する。（３）ドラムレベルの異常については、指示値が定常範
囲（０〜１００％）内にあるか。レベル計指示と実レベ
ル（テレビ水面計）との比較により判断する。（４）ドラムレベル制御異常については、調節計設定値
とレベル計指示との差により判断する。レベル計指示の
ハンチングの度合いより判断する。レベル計指示の制御
遅れの度合いより判断することが行われていた。

【０００５】しかしながら、従来の異常判定処理システ
ムは、測定信号の「上・下限異常」と調節計の設定値と
測定信号の差「偏差異常」を判定するだけのものであ
る。

【０００６】従って、上記のボイラードラムレベル制御
機構の計装設備の診断においても、可能な項目は（１）
蒸気流量計の異常、（２）給水流量計の異常、（３）ド
ラムレベルの異常とも、電源断、配線異常、計測器異常
の各項目のみ、また（４）ドラムレベル制御異常につい
ては、オフセット大の項目を診断できるに過ぎなかっ
た。しかも（１）〜（３）については、設備停止と計装
設備異常との判断がつかない。しかも、これらの診断は
運転員のヒヤリング、現在の指示値、又は記録計の記録
により必要によるトレースを実施するものである。従っ
て、確実な設備診断とは言えなかった。他の事例につい
ても、同様な問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点の解決するものであって、計装整備作業の効率
化を図るために、各プロセスの計測・制御状態を常時遠
隔監視する計装設備遠隔診断システムを提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、工
場内に設置され、該工場の各設備・機器類に附属する計
装設備から発信される多数の計測信号を取り込み、これ
らの計装信号の正常作動パターンと比較して、変化率、
応答速度、その他の関連データから異常状態を判定し、
異常信号を発信するローカル計算機と、中央計器室に設
置され、該ローカル計算機と電話線により連結され、ロ
ーカル計算機からの異常信号を受信・解析し、かつロー
カル計算機に蓄積されたデータを取り込む機能を有する
中央計算機とからなることを特徴とする計装設備遠隔診
断システムを要旨とするものである。

【０００９】以下、本発明を詳細に説明する。図１は本
発明の構成を示す説明図、図２は、本発明を発電用ボイ
ラーのボイラードラムレベル制御機構の計装設備の診断
に適用した場合の実例を示す説明図、図３および図４は
異常状態の判断原理を示す図、図５はグラフの拡大およ
び移動状態を示す図である。

【００１０】図１において、１は工場に設けられた各設
備・機器類に附属する計装設備から発信される多数（例
えば４０点）の計測信号で、アイソレータ２、Ａ／Ｄ変
換器３、入力端子４を介してローカル計算機５に入力
し、処理され、蓄積される。６はローカル計算機５の出
力端子，７はモデムである。８は該ローカル計算機５と
中央計器室に設置された中央計算機１２とを連絡する専
用電話回線、９は該専用電話回線の端末に設けたセレク
タ、１０はモデム、１１は中央計算機１２の入力端子で
ある。

【００１１】図２において、１３はボイラードラム、１
４はその給水配管、１５はオリフィス、１８は調節弁で
ある。また１６はオリフィスに取り付けた流量を指示す
る発信器でその信号は調節計１７に伝達され、前記調節
弁１８を調節する。１９はボイラードラム１３の水位を
指示する発信器でレベル設定調節計２０と接続してい
る。２１はレベル設定調節計２０の発信器、２２は蒸気
配管、２３は該配管に設置したオリフィスである。

【００１２】

【作用】本発明は、このように構成されているので、先
ず、予め計装信号の正常作動パターンをローカル計算機
５に設定しておく。計装設備から発信される信号１はア
イソレータ２に取り込まれ、さらにＡ／Ｄ変換器３、入
力端子４を介してローカル計算機５に入力し、データ処
理され、例えば１時間分のデータが蓄積・編集され、同
時にリアルタイムのデータが画面表示される。

【００１３】計装設備から異常信号が発信されると、該
信号はローカル計算機５に入力し、予め設定されていた
正常作動パターンと比較される。すなわち、変化率、応
答速度、さらにはその他の関連データによって正常パタ
ーンの値と比較され、異常状態が判定される。異常状態
と判定されると、該ローカル計算機５から、異常状態を
示す信号が、端子６、モデム７、専用電話回線８、セレ
クタ９、モデム１０、端子１１を介して中央計器室に設
置された中央計算機１２に伝達される。そこで該中央計
器室に勤務する検査員は、該データを解析し、また必要
に応じてローカル計算機５に蓄積されているデータを呼
び出し、これらのデータを解析して異常状態か否かを判
断し、異常と判断した場合は現場に赴き、所要の措置を
講ずる。

【００１４】

【実施例】図２は、本発明を発電用ボイラーのボイラー
ドラムレベル制御機構の計装設備の診断に適用した場合
の実例を示すものである。図２において、発信器１６、
１９、２１等からの信号は、図１に示すローカル計算機
５に入力し、該計算機５において、従来の「上・下限異
常」「偏差異常」に加えて、「変化率異常」、「応答速
度異常」および必要に応じてその他の関連データを比較
して異常診断のためのデータ処理が行われる。

【００１５】変化率異常処理は計装信号の瞬時値データ
をローカル計算機５に取り込み、１０秒毎にｔａｎθを
計算して、その変化率を求め、その変化率が設定パラメ
ータを越えると異常と見做す（図３参照）。また応答速
度異常処理は計装信号の瞬時値データをローカル計算機
５に取り込み、応答速度の計算を行う。図４において、
Ｐ１をＮｏ１信号の最大変化率の起点、Ｐ２をＮｏ２信
号の最大変化率の起点、Ｐ０を最大変化率の応答するま
での時間、ｔ₁をサンプリング周期、ｔ₂をＮｏ１信号
の高さＴ１まで到達する時間、ｔ₃をｔ₂とｔ₁の差と
すると、変化率最大値の点を記憶、変化率最大値を
記憶し、Ｎｏ１信号の変化率最大値の点（時間）とＮｏ
２信号の変化率最大値の点の差Ｐ０＝Ｐ２−Ｐ１を求
め、その値が設定パラメータより大であれば異常と判定
する。また、Ｎｏ２信号の傾きθを求める（ｔａｎθ＝
Ｔ２／ｔ₁）。Ｎｏ２信号の傾きにおける高さＴ１に到
達するまでの時間ｔ₂を求める（ｔ₂＝Ｔ１／ｔａｎ
θ）。Ｎｏ１信号とＮｏ２信号の高さＴ１に到達するま
での時間を求める（ｔ₃＝ｔ₂−ｔ₁）。このｔ₃の値
が設定パラメータより大であれば異常と判定する（図４
参照）。

【００１６】従って、上下限異常と変化率異常の２つの
データを組み合わせることにより、（１）蒸気流量計の
異常、（２）給水流量計の異常、（３）ドラムレベルの
異常の内、電源断、配線異常、計測器異常の各項目につ
いて異常診断を行うこともできる。例えば、蒸気流量の
配線異常のときは、流量指示値が０％以下で下限異常、
指示値の低下する早さで変化率異常が診断され、設備停
止と計装設備異常との区別ができる。また、（１）蒸気
流量計の異常、（２）給水流量計の異常の内、計測器ゼ
ロ・スパン、オフセット大の問題については、蒸気流量
を正として給水流量と比較することにより診断すること
もできる。さらに、（４）ドラムレベル制御異常の内、
制御ゲイン大の問題については、上下限異常と変化率異
常の２つのデータを組み合わせることにより、診断可能
である。すなわち、制御系はゲインが大きいときは発散
現象（ハンチング）を起こす。従ってその大きさ・繰り
返しを上下限異常で検出し、制御遅れによるレベル変動
との見分けを変化率異常で行い、同時刻にこの２点が検
出されるとき制御ゲイン大と判断する。また、（４）ド
ラムレベル制御異常の内、制御ゲイン小および調節弁不
良については、応答速度異常により診断することが可能
である。すなわち、制御ゲイン小（不足）の判断はドラ
ムレベル信号に対しての給水流量信号の追従の早さが基
準内に収まっているか否かで行うことができる。

【００１７】さらに、本発明においては、上記のような
作業により、異常と診断されたときには、そのデータが
異常発生時間の前後３０分に亘り、異常項目とともに保
存される。また、異常診断グループの登録により、該グ
ループの１点が異常と診断されると、グループの全デー
タが異常発生時間の前後３０分に亘り保存される。

【００１８】また、本発明においては、異常診断グルー
プの登録により、中央計算機において、異常関連データ
を、解析画面に同一グラフ表示することができ、さらに
は、該グラフ画面をＸ軸、Ｙ軸とも拡大表示することが
できる（図５左側参照）。また、表示されたグラフデー
タの任意のデータを１点づつＸ軸、Ｙ軸とも移動させる
ことができる（図５（ｂ）参照）。従って、データ間の
時間に関する異常解析を容易に行うことができる。ま
た、本発明は、データの伝送に当たりビット数を８ビッ
トに圧縮することにより、伝送時間の短縮を図ってい
る。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、計装設
備の異常診断を自動的かつ広範囲に亘って確実に、しか
も異常の兆候を早期に判断できるので、設備の安定操業
を期待することができる。また、検査員が中央計器室に
おいて遠隔診断することが可能であるので、検査・整備
要員の削減と省力化・効率化を図ることができる等々、
効率的な操業に資するところ極めて大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成を示す説明図。

【図２】本発明を発電用ボイラーのボイラードラムレベ
ル制御機構の計装設備の診断に適用した場合の実例を示
す説明図。

【図３】本発明における変化率異常処理の実例を示す
図。

【図４】本発明における応答速度異常処理の実例を示す
図。

【図５】（ａ），（ｂ）は本発明における解析画面の拡
大および移動の態様を示す図。

【符号の説明】

１計測信号２アイソレータ３Ａ／Ｄ変換器４入力端子５ローカル計算機６出力端子７モデム８専用電話回線９セレクタ１０モデム１１入力端子１２中央計算機１３ボイラードラム１４給水配管１５オリフィス１６発信器１７調節計１８調節弁１９発信器２０レベル設定調節計２１発信器２２蒸気配管２３オリフィス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者東谷勉北海道室蘭市仲町12番地ニッテツ北海道制御システム株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】工場内に設置され、該工場の各設備・機
器類に附属する計装設備から発信される多数の計測信号
を取り込み、これらの計装信号の正常作動パターンと比
較して、変化率、応答速度、その他の関連データから異
常状態を判定し、異常信号を発信するローカル計算機
と、中央計器室に設置され、該ローカル計算機と電話線
により連結され、ローカル計算機からの異常信号を受信
・解析し、かつローカル計算機に蓄積されたデータを取
り込む機能を有する中央計算機とからなることを特徴と
する計装設備遠隔診断システム。