JPH0712781Y2 - パイロット形弁におけるパイロット通路切換機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、パイロット形弁におけるパイロット通路の切
換機構に関するものである。

［従来の技術］ パイロット形電磁弁や、ノズルフラッパ式減圧弁等のパ
イロット形弁は、基本的には主弁に供給される圧力流体
の一部をパイロット弁に導き、これをパイロット流体と
して主弁に出力する内部パイロット式としている。

しかしながら、供給流体圧が低い場合、主弁に異種流体
を流す場合、主弁に供給される流体の質が悪くて流路中
の固定絞りが目詰りする恐れがある場合等においては、
パイロット流体を主弁とは別の供給源からパイロット弁
に導く外部パイロット式とする必要がある。

従来、この種のパイロット形弁は、内部パイロット用及
び外部パイロット用の専用部品を使用して、それぞれ専
用の弁として構成しているために、１個の弁を内部パイ
ロット式と外部パイロット式とに切換えることができな
い。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、簡単な構成を有する
部品によって、現場において簡単な操作で内部パイロッ
ト式と外部パイロット式の切換えができるパイロット形
弁を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案のパイロット形弁は、
複数のポート、及びこれらのポート間の連通を切換える
弁体を有する主弁と、該主弁に上記弁体を駆動するため
のパイロット流体を給排するパイロット弁とよりなるパ
イロット形弁において、上記パイロット形弁が、外部に
開口する切換ボディの取付ポートと、該取付ポートの軸
方向先端のパイロット切換部と、一端がそれぞれ該パイ
ロット切換部に開口する内部パイロット通路及びパイロ
ット流体を出力するためのパイロット出力通路とを備
え、上記取付ポートに、ねじによって進退可能に取付け
られた通路切換用の切換ボディが、基端が外部に開口し
先端が閉鎖されたパイロット通路と、該パイロット通路
をパイロット出力通路に連通させるポートと、上記パイ
ロット切換部の内周面をシールするシールリングとを備
え、取付ポートに対する切換ボディの進退により、上記
シールリングが、パイロット出力通路を内部パイロット
通路とパイロット通路とに切換えて連通させることを特
徴としている。

また、同様の課題を解決するため、上記切換ボディに設
けたシールリングが、該切換ボディの取付ポートに対す
る取付姿勢の反転により、パイロット出力通路を内部パ
イロット通路とパイロット通路とに切換えて連通させる
ことを特徴としている。

［作用］ 切換ボディを、ねじによって取付けポートに対して進退
させると、該切換ボディに設けたシールリングが、パイ
ロット出力通路を内部パイロット通路とパイロット通路
とに切り換えて連通させるので、切換ボディの取付ポー
トに対する進退によって、内部パイロット式と外部パイ
ロット式との切り換えを行うことができる。

上記切換ボディは、先端が閉鎖されたパイロット通路
と、ポートと、シールリングとを有するものであるか
ら、構成が簡単で安価なものとすることができ、しかも
１個のシールリングによって通路の切換を行うので、複
数のシールリングによるシールに比べて、シール不良に
よる流体のリークの機会が少ない。

また、取付ポートに外部パイロット流体を供給する継手
が接続できるので、継手の接続を切換操作と同じ場所で
行うことができる。

さらに、切換操作を切換ボディの取付ポートに対する姿
勢の反転によって行うことができ、この場合も切換ボデ
ィの構成が簡単である。

［実施例］ 第１図は本考案の第１実施例を示し、パイロット形弁の
弁ボディ11には、後記する継手の取付ポート12、パイロ
ット切換部13、及び内部パイロット通路14が順次縮径し
て開設されており、パイロット切換部13にパイロット出
力通路15が開設されている。

取付ポート12に螺着させた切換ボディ17は、頭部17a、
これより小径の延長部17b、及びその先端のパイロット
切換部13に遊挿するシール部17cを備え、頭部17aはドラ
イバ等の回転工具をかける溝18と上記取付ポート12の雌
ねじに螺合する雄ねじを有し、頭部17aから延長部17bに
向けて開設したパイロット通路19は、延長部17bに開設
した径方向のポート20によって外部に開口し、シール部
17cの外周面にシールリング21が嵌着されている。

そして、シールリング21とポート20は、頭部17aの頂面
がボディ11の端面と略同一平面にあるときに、シールリ
ング21が内部パイロット通路14とパイロット出力通路15
を連通させ（第１図下半分参照）、頭部17aが取付ポー
ト12の底面に当接する位置にあるときに、ポート20がパ
イロット出力通路15に対向し、かつシールリング21が内
部パイロット通路14とパイロット出力通路15の連通を遮
断するように関係づけられている（第１図上半分参
照）。

第２図は上記取付ポート12に螺着される継手23を示し、
この継手23は、継手ボディ24、ユニオンナット25、及び
チューブグリップ26を備えている。

上記継手ボディ24は、六角部24a両側の、取付ポート12
とユニオンナット25が螺合する雄ねじ、軸方向の通路24
b、及びその入口側のチューブ挿入溝24cを有し、該チュ
ーブ挿入溝24cに挿入されたナイロン（登録商標）チュ
ーブ28は、ユニオンナット25の継手ボディ24への螺着に
よりチューブグリップ28で締付けられて、継手23に気密
に取付けられる。

次に、上記第１実施例におけるパイロット通路の切換操
作を述べる。

第１図の下半分は、切換ボディ17の頭部17aの頂面が弁
ボディ１の端面と略同位置平面にある状態を示し、シー
ルリング21は、内部パイロット通路14とパイロット出力
通路15が連通してパイロット通路19とパイロット出力通
路15の連通を遮断する内部パイロット式の位置にある。
この状態においては、ボディ11と頭部17aの頂面とが略
同一平面にあるので、取付ポート12にごみ等が付着する
ことがない。

上記切換ボディ17を、ドライバ等によって回転させて取
付ポート12に螺入させると、頭部17aが取付ポート12の
底面に当接する位置において、シールリング21が内部パ
イロット通路14とパイロット出力通路15の連通を遮断す
るとともに、ポート20がパイロット出力通路15に対向し
て、パイロット通路19とパイロット出力通路15が連通す
る（第１図上半分参照）。したがって、切換ボディ17の
螺入によってあいたスペースに、継手23を螺着して外部
パイロット式に切換えることができる。

上記切換操作は、切換ボディ17の弁ボディ11に対する進
退のみでよく、かつ内部パイロット式と外部パイロット
式間の切換えに特別の部品を必要としないので、ユーザ
ーが必要に応じて極めて容易に行うことができる。ま
た、外部パイロット流体を供給する継手23をパイロット
通路の切換えと同一の場所で接続できるので、継手の接
続も簡単である。

上述の操作を逆に行うと、外部パイロット式にしたパイ
ロット通路を、再度内部パイロット式に切換えることが
できる。

第３図及び第４図は本考案の第２実施例を示し、第２実
施例におけるパイロット通路の切換機構は、切換ボディ
30とナット31を備えている。

上記切換ボディ30は、パイロット切換部13に挿入される
シール部30aと内部パイロット通路14に遊挿可能な延長
部30bを有し、シール部30aに軸方向に開設したパイロッ
ト通路33は、シール部30aの軸方向長さの中心部に径方
向に開設させたポート34によって外部に開口し、ポート
34開口の軸方向両側に、パイロット切換部13との間をシ
ールする一対のシールリング35,35が嵌着されている。
また、ナット31は、軸方向の貫通孔36と、取付ポート12
に螺合する雄ねじと、ドライバ等を係止する溝37と、上
記シール部30aと延長部30bが嵌着する嵌合部38a,38bを
備えている。

そして、上記切換ボディ30のポート34とシールリング3
5,35は、シール部30aの端面がパイロット切換部13の底
面に当接する状態において、ポート34がパイロット出力
通路15に対向するとともに、シールリング35,35が該通
路15の両側をシールするように関係づけられている。

上記第２実施例は、嵌合部38bに延長部30bを嵌着させた
第３図上半分に示す状態においては、内部パイロット通
路14とパイロット出力通路15がパイロット通路33によっ
て連通している。

ナット31を回転させて、切換ボディ30とナット31を取付
ポート12から一体的に抜き出し、切換ボディ30を反転さ
せてシール部30aを嵌合部38aに嵌着し、再度ナット31を
取付ポート12に螺入させると、（第３図下半分参照）。
切換ボディ30の取付姿勢の変更（反転）によってパイロ
ット通路33が外部に向けて開口するので、外部パイロッ
ト式にすることができる。

第５図及び第６図は本考案の第３実施例を示し、第３実
施例における内部パイロット通路14aは、パイロット切
換部13側の開口に雌ねじを備えている。

一方切換ボディ40は、シール部40a、その両側の内部パ
イロット通路14aに螺合するねじ部40b,40c、及びねじ部
40cの軸方向に延設した延長部40dを備え、延長部40dは
内部パイロット通路14aに遊挿可能にされている。また
切換ボディ40のねじ部40bからシール部40aに向けて開設
したパイロット通路42は、シール部40aの軸方向中心部
に径方向に開設した通路43によって外部に開口し、シー
ル部40aの上記通路43の開口の両側に一対のシールリン
グ44,44が嵌着されており、取付部40b及び延長部40dの
頂面にドライバをかける溝45,45が形設されている。

そして、上記通路43とシールリング44,44は、ねじ部40
b,40cが内部パイロット通路14aに螺着したときに、通路
43がパイロット出力通路15に対向するとともに、シール
リング44,44がその両側をシールするように関係づけら
れている。

なお、第６図中の符号46は、この切換機構をノズルフラ
ッパ式減圧弁に設ける場合の固定絞りを示すが、パイロ
ット形電磁弁に設ける場合、固定絞りが必要ないことは
勿論である。

上記切換ボディ40は、取付部40bが内部パイロット通路1
4aに螺着した第５図上半分に示す状態においては、延長
部40dの先端が弁ボディ11の端面より内側に位置し、取
付部40cが螺合した同下半分に示す状態においては、取
付部40bが取付ポート12の内方に位置して取付ポート12
に継手23を螺着することができる。

上記切換ボディ40による内外パイロット式の切換操作
は、実質的に第２実施例と同じであるから、詳細な説明
は省略する。

第７図は、上記第２実施例を組込んだノズルフラッパ式
減圧弁50を示している。

上記減圧弁50は、切換ボディ30の取付ポート12に対する
取付姿勢の変更により、図示の内部パイロット式を外部
パイロット式に切換えることができる。また、固定絞り
46（第６図参照）に目詰りが生じても、切換ボディの交
換によって対応することができる。

なお、上記減圧弁50の具体的構成は、本考案に関係がな
いので省略する。

［考案の効果］ 本考案におけるパイロット通路の切換機構は、切換ボデ
ィの取付ポートに対する進退または取付姿勢の変更によ
って、内部式及び外部式のパイロット通路の切換えがで
きるので、切換えのために特別な部品を必要としないば
かりでなく、切換操作が極めて容易である。

また、取付ポートを利用して外部パイロット流体を供給
できるので、パイロット通路の切換えと外部パイロット
流体の供給を同じ場所で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の縦断拡大図、第２図は継
手の半部縦断拡大図、第３図は同上第２実施例の縦断拡
大図、第４図は同上切換ボディの縦断面図、第５図は同
上第３実施例の縦断拡大図、第６図は同上切換ボディの
縦断面図、第７図は本考案の第２実施例をノズルフラッ
パ式の減圧弁に設した状態を示す縦断面図である。 11……弁ボディ、12……取付ポート、14,14a……内部パ
イロット通路、15……パイロット出力通路、17,30,40…
…切換ボディ、19,33,42……パイロット通路、21,35,44
……シールリング。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のポート、及びこれらのポート間の連
   通を切換える弁体を有する主弁と、該主弁に上記弁体を
   駆動するためのパイロット流体を給排するパイロット弁
   とよりなるパイロット形弁において、 上記パイロット形弁が、外部に開口する切換ボディの取
   付ポートと、該取付ポートの軸方向先端のパイロット切
   換部と、一端がそれぞれ該パイロット切換部に開口する
   内部パイロット通路及びパイロット流体を出力するため
   のパイロット出力通路とを備え、 上記取付ポートに、ねじによって進退可能に取付けられ
   た通路切換用の切換ボディが、基端が外部に開口し先端
   が閉鎖されたパイロット通路と、該パイロット通路をパ
   イロット出力通路に連通させるポートと、上記パイロッ
   ト切換部の内周面をシールするシールリングとを備え、
   取付ポートに対する切換ボディの進退により、上記シー
   ルリングが、パイロット出力通路を内部パイロット通路
   とパイロット通路とに切換えて連通させる、 ことを特徴とするパイロット形弁におけるパイロット通
   路切換機構。
2. 【請求項２】切換ボディに設けたシールリングが、該切
   換ボディの取付ポートに対する取付姿勢の反転により、
   パイロット出力通路を内部パイロット通路とパイロット
   通路とに切換えて連通させる、 ことを特徴とする請求項１に記載したパイロット形弁に
   おけるパイロット通路切換機構。