JPH07124251A - 動脈内留置用血液フィルタ - Google Patents

動脈内留置用血液フィルタ

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JPH07124251A
JPH07124251A JP17991693A JP17991693A JPH07124251A JP H07124251 A JPH07124251 A JP H07124251A JP 17991693 A JP17991693 A JP 17991693A JP 17991693 A JP17991693 A JP 17991693A JP H07124251 A JPH07124251 A JP H07124251A
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JP
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filter
blood
artery
ring
core material
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Application number
JP17991693A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Nakajima
伸之 中島
Yoshihito Takano
良仁 高野
Takeo Katakura
健男 片倉
Shuzo Yamashita
修蔵 山下
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動脈内への留置および抜去可能であり、捕捉
した組織片などを離脱させることなく回収できる動脈内
留置用血液フィルタを提供する。 【構成】 動脈内留置用血液フィルタ1は、後端側が開
口し、先端側に突出した捕捉空間を形成する折り畳みお
よび拡張可能なフィルタ部材5と、フィルタ部材5の拡
張および折り畳みを行うフィルタ開閉部材とを有してい
る。具体的には、芯材2と、芯材2に移動可能に設けら
れたリング状部材6と、一端が芯材2に固定され、他端
がリング状部材6に固定された複数の弾性部材からなる
フィルタ保持部4と、芯材2の後端側が開口し、芯材2
の先端側に突出した捕捉空間を形成し、折り畳みおよび
拡張可能であるフィルタ部材5と、リング状部材6を前
記芯材の軸方向に移動させフィルタ部材5の開閉を行う
フィルタ部材開閉機構とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動脈内に留置可能な血
液フィルタに関する。具体的には、体外循環回路を形成
して、心臓などの手術を行う場合に使用される動脈内留
置用血液フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動脈硬化性疾患、心疾患の増加に
より、体外循環回路を形成して手術を行う方法が多く用
いられている。体外循環回路は、心臓上下行静脈に接続
される脱血カニューレと、脱血カニューレと人工心肺装
置とを接続する脱血回路と、血液への酸素付加および二
酸化炭素の除去および送血を行う人工心肺装置と、心臓
上行動脈あるいは腸骨動脈に接続される送血カニューレ
と、この送血カニューレと人工心肺装置とを接続する返
血回路により構成されている。つまり、体外循環によ
り、心臓を通過することなく、心臓上下行静脈に接続さ
れた脱血カニューレより流出した血液は、酸素付加およ
び二酸化炭素除去されたのち、心臓上行動脈あるいは腸
骨動脈に接続された送血カニューレにより、患者に返血
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、送血カニュー
レを接続する際、心臓上行動脈根本をクランプし、その
すぐ末梢側に、送血カニューレを接続することが多く、
この場合、返血カニューレより上行動脈内に流入する血
液により、上行動脈弓部がフラッシングされることとな
る。そして、上行動脈弓部付近の血管域で動脈効果症を
呈している患者の場合、血液によるフラッシングによ
り、血管壁から動脈効果巣の組織片、血管壁付着物がは
がれおち、頸動脈を通り脳に流入したり、循環し、心臓
冠動脈に流入する危険性がある。さらに、これら組織片
などが微小血管中でトラップされると、機能障害を引き
起こす危険性もある。また、腸骨動脈に接続した場合も
同様で、腹部大動脈あるいは胸部大動脈の動脈効果巣組
織片などを心臓冠動脈内に流入させる危険性がある。
【0004】これまでにも、静脈内に挿入される血栓除
去用のフィルタは、提案されており、例えば、特開平3
−210273号公報、特開昭61−41444号公報
などがある。しかし、両者とも、静脈内に留置すること
を目的としているため、血液の流れが逆である動脈内に
直接適用できるものではない。また、特開昭61−41
444号公報のものをもし動脈内に適用すると、網目状
フィルタの後端側外面にトラップされた組織片が、フィ
ルタの折り畳みとともに、外面より離脱し、血管中に流
出する危険性がある。そこで、本発明の目的は、動脈内
への留置および抜去可能であり、捕捉した組織片などを
離脱させることなく回収できる動脈内留置用血液フィル
タを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、後端側が開口し、先端側に突出した捕捉空間を形成
する折り畳みおよび拡張可能なフィルタ部材と、該フィ
ルタ部材の拡張および折り畳みを行うフィルタ開閉部材
とを有する動脈内留置用血液フィルタである。そして、
前記動脈内留置用血液フィルタは、前記フィルタ部材を
折り畳まれた状態にて収納し、かつ先端より前記フィル
タ部材の突出および再収納可能なフィルタ収納部材を有
していることが好ましい。
【0006】また、上記目的を達成するものは、芯材
と、該芯材に移動可能に設けられたリング状部材と、一
端が前記芯材に固定され、他端が前記リング状部材に固
定された複数の弾性部材からなるフィルタ保持部と、前
記芯材の後端側が開口し、前記芯材の先端側に突出した
捕捉空間を形成し、かつ前記フィルタ保持部に固定され
た折り畳みおよび拡張可能であり、さらに拡張した状態
にて後端部側面が動脈内壁にほぼ密着するフィルタ部材
と、前記リング状部材を前記芯材の軸方向に移動させ前
記フィルタ部材の開閉を行うフィルタ部材開閉機構とを
有する動脈内留置用血液フィルタである。そして、前記
フィルタ部材開閉機構は、前記リング状部材に一端が固
定され、他端が前記芯材の後端側に延びたリング状部材
移動用部材であることが好ましい。また、前記リング状
部材移動用部材の前記芯材に固定する固定部材を有して
いることが好ましい。前記フィルタ部開閉機構は、前記
芯材の先端側にて該芯材または前記フィルタ保持部材に
一端が固定され、他端が前記リング状部材に固定された
バネ部材と、前記フィルタ部材を折り畳まれた状態にて
収納し、かつ先端より前記フィルタ部材の突出および再
収納可能なフィルタ収納部材を有していることが好まし
い。
【0007】また、上記目的を達成するものは、内部に
流体流入ルーメンを有する本体チューブと、該本体チュ
ーブを挿通する拡張および収縮または折り畳み可能であ
り、拡張した状態にて動脈内壁にほぼ密着する中空環状
部材と、一端が前記本体チューブに取り付けられ、前記
本体チューブのルーメンと連通し、他端が該本体チュー
ブの後端側に延び、前記中空環状部材に取り付けられ、
該中空環状部材内部と連通する複数の中空環状部材拡張
用チューブと、該中空環状部材拡張用チューブに沿って
設けられた複数の弾性部材と複数の弾性部材の先端部に
設けられた弾性部材固定部とからなるフィルタ保持部
と、該フィルタ保持部および前記中空環状部材に固定さ
れた折り畳みおよび拡張可能なフィルタ部材とからな
り、前記フィルタ保持部の弾性部材は、前記中空環状部
材が拡張していない状態では、前記本体チューブに近接
し前記フィルタ部材を折り畳んだ状態とし、前記中空環
状部材が拡張されることにより、前記弾性部材の他端が
本体チューブより離間し、前記フィルタ部材を拡張させ
るものである動脈内留置用血液フィルタである。
【0008】
【実施例】そこで、本発明の動脈内留置用血液フィルタ
を図面に示した実施例を用いて説明する。図1は、本発
明の動脈内留置用血液フィルタの一実施例の断面図であ
り、図2は、図1の血液フィルタのフィルタ部材が拡張
した状態の外観図である。また、図3は、本発明の動脈
内留置用血液フィルタの他の実施例の断面図であり、図
4は、図3の血液フィルタのフィルタ部材が拡張した状
態の外観図である。また、図5は、本発明の動脈内留置
用血液フィルタの他の実施例の断面図であり、図6は、
図5の血液フィルタのフィルタ部材が拡張した状態の外
観図である。
【0009】本発明の動脈内留置用血液フィルタ1は、
後端側が開口し、先端側に突出した捕捉空間を形成する
折り畳みおよび拡張可能なフィルタ部材5と、フィルタ
部材5の拡張および折り畳みを行うフィルタ開閉部材と
を有している。フィルタ部材5が拡張および折り畳み可
能であるので、動脈内壁への留置および抜去が可能であ
り、さらに、フィルタ部材5の内面にて動脈内を流れる
組織片を捕捉することができ、捕捉後再びフィルタ部材
5を折り畳むことにより、内面に捕捉された組織片を離
脱することなく回収することができ、動脈内留置用フィ
ルタとして優れた効果を有する。
【0010】具体的には、図1に示すように、動脈内留
置用血液フィルタ1は、芯材2と、芯材2に移動可能に
設けられたリング状部材6と、一端が芯材2に固定さ
れ、他端がリング状部材6に固定された複数の弾性部材
からなるフィルタ保持部4と、芯材2の後端側が開口
し、芯材2の先端側に突出した捕捉空間を形成し、かつ
フィルタ保持部4に固定された折り畳みおよび拡張可能
であり、さらに拡張した状態にて後端部側面が動脈内壁
にほぼ密着するフィルタ部材5と、リング状部材6を前
記芯材の軸方向に移動させフィルタ部材5の開閉を行う
フィルタ部材開閉機構とを有している。そして、図1に
示す動脈内留置用血液フィルタでは、フィルタ部材開閉
機構は、リング状部材6に一端が固定され、他端が芯材
2の後端側に延びたリング状部材移動用部材7である本
体チューブにより形成されている。さらに、リング状部
材移動用部材7を芯材の任意位置に固定するための固定
部材9が設けられている。よって、この血液フィルタ1
では、フィルタ部材5が拡張および折り畳みが容易かつ
確実に行うことができ、さらに、動脈内壁への留置およ
び抜去が可能であり、さらに、フィルタ部材5の内面に
て動脈内を流れる組織片を捕捉することができ、捕捉後
再びフィルタ部材5を折り畳むことにより、内面に捕捉
された組織片を離脱することなく除去することができ
る。
【0011】芯材2は、フィルタ保持部4の先端側の固
定部を形成し、さらに本体チューブ7およびリング状部
材6の内部を挿通しており、本発明の血液フィルタの中
心軸を形成している。芯材2としては、ステンレス鋼
線、ピアノ線、バネ用高張力鋼などの多少の可撓性とあ
る程度の剛性を有するものが用いられており、長さとし
ては、100〜800mm程度である。リング状部材6
は、後述するフィルタ保持部4の後端側を保持するもの
であり、内部に芯材2を挿通し、芯材2に対して移動可
能に設けられており、芯材2を挿通する挿通孔を有して
いる。そして、リング状部材6の後端部には、本体チュ
ーブ7の先端部が固定されている。そして、芯材2の先
端には、先端部3が形成されており、先端部3は、挿入
時に血管壁などに損傷を与えないように丸みを帯びた形
状となっている。そして、この芯材2の先端部3または
芯材2の先端に、フィルタ保持部4を構成する弾性部材
4aの先端が固定されている。弾性部材4aの後端は、
リング状部材6に固定されている。フィルタ保持部4
は、複数の弾性部材4aにより構成されており、図1に
示すように、通常状態では、ほぼ芯材2と平行となって
おり、弾性部材4aの中間部も芯材2よりあまり離間し
ていない。さらに、図1に示すように、フィルタ部材収
納部材8内に収納された状態となっている。
【0012】フィルタ保持部4は、複数、例えば、2〜
8本程度、好ましくは、3〜6本の弾性部材4aで形成
されており、弾性部材4aは、ある程度の弾性と剛性を
有する材料により形成されている。具体的には、弾性部
材4aとしていは、バネ用高張力鋼線、ピアノ線などの
金属線、ポリアミド、フッ素樹脂(PTFE,ETF
E)などの比較的剛性の高い樹脂により形成された合成
樹脂線状体などが好適に使用される。フィルタ保持部4
の長さ、言い換えれば、弾性部材4aの長さとしては、
25〜70mm程度が好適である。そして、図1に示す
ように、フィルタ保持部4の中間部より先端側には、フ
ィルタ部材5が、固定されており、折り畳まれた状態と
なっている。フィルタ保持部4は、リング状部材6が芯
材2の先端側に移動することにより、図2に示すように
弾性部材4aが湾曲し、フィルタ部材5を拡張させる。
これによりフィルタ部材5は、芯材2の後端側が開口
し、芯材2の先端側に突出した捕捉空間を形成する。図
2に示すように、フィルタ部材5は、弾性部材4aに固
定されており、さらに、開口部5aは、フィルタ部材5
を完全に広げたときほぼ円状となるように形成されてい
る。このため、弾性部材4aの湾曲によりフィルタ部材
5が拡張された状態では、フィルタ部材5は、各弾性部
材4a間にゆとりをもった状態となっている。そして、
この血液フィルタでは、動脈血がフィルタ部材5の開口
部5a側から先端側に流れるため、その血流によりフィ
ルタ部材5の開口部5aまたはその付近の部分が、血管
内壁にほぼ密着する。そして、フィルタ保持部4の拡張
時の径としては、10〜30mm程度が好ましい。
【0013】フィルタ部材5は、上記のような機能を発
揮するために、図2に示すように、ほぼ円錐形に形成さ
れている。そして、開口部の径としては、10〜30m
m程度が好適である。そして、フィルタ保持部の湾曲の
終了により、フィルタ部材5の各弾性部材4a間は、折
り畳まれ、フィルタ部材5の内表面に捕捉された組織片
は、折り畳まれたフィルタ部材5内に収納され、血液フ
ィルタ1の動脈からの抜去時に血液に中に流出すること
がない。フィルタ部材5としては、合成樹脂、例えば、
ポリオレフィン繊維(ポリプロピレン繊維、ポリエチレ
ン繊維)、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などによ
り形成された網目状のものが好適である。網目状のもの
としては、織布、不織布のいずれでもよい。また、フィ
ルタ部材5の網目の程度としては、40〜500μm程
度が好ましく、より好ましくは、50〜300μmであ
り、特に、100〜200μmが好ましい。そして、こ
の血液フィルタ1が用いられる際の血液は、基本的には
ヘパリン化されているので、フィルタ部材に接触するこ
とによる、血栓の発生はないものと考えるが、安全のた
めに、フィルタ部材5aを抗血栓性処理してもよい。抗
血栓性処理としては、抗血栓性材料のコーティングまた
固定が考えられ、抗血栓性材料としては、公知のもの、
例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
プロピルセルロース、メチルビニルエーテル無水マレイ
ン酸共重合体、HEMA−ST−HEMAのブロックコ
ポリマー、血栓溶解性物質(ウロキナーゼやストレプト
キナーゼ等)、血栓形成抑制物質(ヘパリンなどの多糖
類やプロスタグランジン、抗トロンビン剤等)が好適で
ある。抗血栓性処理方法としては、上記ような物質を塗
布すること、またイオン結合や共有結合によって結合さ
せる方法、材料中に混合する方法などが好適である。特
に、結合させることが好ましい。
【0014】そして、本体チューブ7は、上述のよう
に、先端部にリング状部材6が取り付けられており、内
部に芯材2を挿通するルーメンを有するとともに、芯材
2の後端側に延びており、芯材2の後端部は、この本体
チューブ7の後端より突出している。本体チューブ7
は、その後端部または中間部付近を持って、芯材2の先
端側に移動させることにより、リング状部材6を芯材2
の先端側に移動させるために設けられている。つまり、
この本体チューブ7は、リング状部材6の移動機構を構
成している。本体チューブ7としては、可撓性チュー
ブ、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリオレフィンエラ
ストマー(例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリブ
テンの混合物など)、ポリアミドエラストマー、ポリエ
ステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーなどの
可撓性合成樹脂チューブ、シリコンゴム、ラテックスゴ
ムなどのゴム製チューブが好適に使用される。本体チュ
ーブ7の長さとしては、100〜750mm程度が好適
である。
【0015】そして、上述のフィルタ部材と同様の理由
により、血液と接触する部分、具体的には、本体チュー
ブ7の外表面、内表面に抗血栓性処理を行うことが好ま
しい。同様に、リング状部材6、芯材2,先端部3にも
抗血栓性処理を行うことが好ましい。抗血栓性処理方法
および抗血栓性材料としては、上述のものが好適に使用
できる。さらに、本体チューブ7の後端には、リング状
部材移動用部材7を芯材の任意位置に固定するための固
定部材9が設けられている。具体的には、固定部材9
は、本体チューブ7の後端に取り付けられた固定リング
部材9aと、このリング状固定部材9aに螺合するネジ
部を有する回転リング9bにより構成されている。固定
リング部材9aは、内部に先端側に向かって縮径するテ
ーパ状のネジ穴を有し、回転リング9bは、上記ネジ穴
に螺合するとともに、螺合の進行により、芯材2方向に
湾曲する突出部9cを有している。そして、螺合の進行
により、回転リング9bの突出部9cは芯材2側に近づ
き、最終的には芯材2と把持し、これにより芯材2に、
回転リング9bが固定される。
【0016】さらに、血液フィルタ1の動脈内への挿入
および抜去をより容易なものとするために、フィルタ部
材5を折り畳んだ状態にて収納し、かつ先端よりフィル
タ部材5の突出および再収納可能なフィルタ収納部材8
を有していることが好ましい。この血液フィルタ1で
は、フィルタ収納部材8は、リング状部材6より先端側
部分の血液フィルタ1を収納するやや拡径した先端部収
納部8aと、本体チューブ2の後端付近まで延びる本体
部収納部8bとを有している。収納部材8としては、可
撓性チューブ、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリオレ
フィンエラストマー(例えば、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ンとポリブテンの混合物など)、ポリアミドエラストマ
ー、ポリエステルエラストマーなどの可撓性合成樹脂チ
ューブ、シリコンゴム、ラテックスゴムなどのゴム製チ
ューブが好適に使用される。そして、収納部材の長さと
しては、70〜750mm程度が好適である。
【0017】次に、図3に示す本発明の血液フィルタに
ついて説明する。この実施例の血液フィルタ20は、基
本的構成は、図1に示したものと同じであり、相違する
のは、フィルタ部材開閉機構である。具体的には、図3
に示すように、動脈内留置用血液フィルタ20は、芯材
22と、芯材22に移動可能に設けられたリング状部材
26と、一端が芯材2に固定され、他端がリング状部材
26に固定された複数の弾性部材からなるフィルタ保持
部24と、芯材22の後端側が開口し、芯材22の先端
側に突出した捕捉空間を形成し、かつフィルタ保持部2
4に固定された折り畳みおよび拡張可能であり、さらに
拡張した状態にて後端部側面が動脈内壁にほぼ密着する
フィルタ部材25と、リング状部材26を前記芯材の軸
方向に移動させフィルタ部材25の開閉を行うフィルタ
部材開閉機構とを有している。そして、フィルタ部開閉
機構は、芯材2の先端側にて芯材2またはフィルタ保持
部24に一端が固定され、他端がリング状部材26に固
定されたバネ部材21と、フィルタ部材25を折り畳ま
れた状態にて収納し、かつ先端よりフィルタ部材25の
突出および再収納可能なフィルタ収納部材28により構
成されている。よって、この血液フィルタ20では、フ
ィルタ部材が拡張および折り畳みが容易かつ確実に行う
ことができ、さらに、動脈内壁への留置および抜去が可
能であり、さらに、フィルタ部材の内面にて動脈内を流
れる組織片を捕捉することができ、捕捉後再びフィルタ
部材を折り畳むことにより、内面に捕捉された組織片を
離脱することなく除去することができる。
【0018】芯材22は、フィルタ保持部4の先端側の
固定部を形成し、さらに本体チューブ7およびリング状
部材6の内部を挿通しており、本発明の血液フィルタの
中心軸を形成している。芯材2としては、ステンレス鋼
線、ピアノ線、バネ用高張力鋼線などの多少の可撓性と
ある程度の剛性を有するものが用いられており、長さと
しては、100〜800mm程度である。そして、この
実施例の血液フィルタでは、芯材22の基端部にて、芯
材22を先端側に押し出すことによりフィルタ部材25
をフィルタ収納部材28より突出させる。また、使用後
に、芯材22の基端部にて、芯材22を後端側に引き込
むことによりフィルタ部材25はフィルタ収納部材28
内に収納される。このため芯材22としては、トルクの
伝達性の高いものを用いることが好ましい。よって、芯
材22としては、ピアノ線、バネ用高張力鋼線が好まし
い。リング状部材26は、後述するフィルタ保持部24
の後端側を保持するものであり、内部に芯材22を挿通
し、芯材22に対して移動可能に設けられており、芯材
22を挿通する挿通孔を有している。
【0019】そして、芯材22の先端には、先端部23
が形成されており、先端部23は、挿入時に血管壁など
に損傷を与えないように丸みを帯びた形状となってい
る。そして、この芯材22の先端部23または芯材22
の先端に、フィルタ保持部24を構成する弾性部材24
aの先端が固定されている。そして、弾性部材24aの
後端は、リング状部材26に固定されている。フィルタ
保持部24は、複数の弾性部材24aにより構成されて
おり、図3に示すように、フィルタ収納部材28に収納
された状態では、ほぼ芯材22と平行となっており、弾
性部材24aの中間部も芯材2よりあまり離間していな
い。フィルタ保持部24は、複数、例えば、2〜8本程
度、好ましくは、3〜6本の弾性部材24aで形成され
ており、弾性部材24aは、ある程度の弾性と剛性を有
する材料により形成されている。具体的には、弾性部材
24aとしていは、バネ用高張力鋼線、ピアノ線などの
金属線、ポリアミド、フッ素樹脂(PTFE,ETF
E)などの比較的剛性の高い樹脂により形成された合成
樹脂線状体などが好適に使用される。フィルタ保持部2
4の長さ、言い換えれば、弾性部材24aの長さとして
は、25〜70mm程度が好適である。
【0020】そして、芯材2の先端側にて芯材2または
フィルタ保持部24に一端が固定され、他端がリング状
部材26に固定されたバネ部材21が設けられている。
そして、バネ部材21は、伸張された状態で固定されて
おり、フィルタ収納部材28より、突出すると、バネ部
材は収縮するためその作用により、フィルタ保持部24
を構成する弾性部材24aが湾曲する。また、再び、バ
ネ部材21がフィルタ収納部材28内に収納されると、
バネ部材は伸張した状態となる。フィルタ保持部4の拡
張時の径としては、10〜30mm程度が好ましく、そ
のような径になるようなバネ部材が選択され、固定され
る。図3に示すように、フィルタ保持部24の中間部よ
り先端側には、フィルタ部材25が、折り畳まれた状態
にて、固定されている。フィルタ保持部24は、リング
状部材26が芯材22の先端側に移動することにより、
言い換えれば、上記のように、フィルタ収納部材28よ
りフィルタ保持部24およびバネ部材21が突出するこ
とにより、バネ部材21の収縮作用により、図4に示す
ように弾性部材24aが湾曲し、フィルタ部材25を拡
張させる。これによりフィルタ部材25は、芯材22の
後端側が開口し、芯材22の先端側に突出した捕捉空間
を形成する。図4に示すように、フィルタ部材5は、弾
性部材24aに固定されており、さらに、開口部25a
は、フィルタ部材25を完全に広げたときほぼ円状とな
るように形成されている。このため、弾性部材24aの
湾曲によりフィルタ部材25が拡張された状態では、フ
ィルタ部材25は、各弾性部材24a間にゆとりをもっ
た状態となっている。そして、この血液フィルタ20で
は、動脈血がフィルタ部材25の開口部25a側から先
端側に流れるため、その血流によりフィルタ部材25の
開口部25aまたはその付近の部分が、血管内壁にほぼ
密着する。
【0021】フィルタ部材25は、上記のような機能を
発揮するために、図4に示すように、ほぼ円錐形に形成
されている。そして、開口部の径としては、10〜30
mm程度が好適である。そして、フィルタ保持部の湾曲
の終了により、フィルタ部材25の各弾性部材24a間
は、折り畳まれ、フィルタ部材25の内表面に捕捉され
た組織片は、折り畳まれたフィルタ部材25内に収納さ
れ、血液フィルタ20の動脈からの抜去時に血液に中に
流出することがない。フィルタ部材25としては、上述
したものが好適に使用できる。フィルタ収納部材28
は、上述のとおり、芯材22の操作に伴い、リング状部
材より先端側部分を収納部材28より突出させ、フィル
タ部材25を拡張させること、および再びフィルタ部材
25を折り畳ませる機能を補助する。さらに、この収納
部材28を設けることにより、血液フィルタ20の動脈
内への挿入および抜去をより容易なものとなる。
【0022】そして、この血液フィルタ20では、フィ
ルタ収納部材28は、リング状部材26より先端側部分
の血液フィルタ1を収納するやや拡径した先端部収納部
28aと、芯材の後端付近まで延びる本体部収納部8b
とを有している。収納部材8としては、可撓性チュー
ブ、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリオレフィンエラ
ストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプ
ロピレンエラストマー)、ポリアミドエラストマー、ポ
リエステルエラストマーなどの可撓性合成樹脂チュー
ブ、シリコンゴム、ラテックスゴムなどのゴム製チュー
ブが好適に使用される。そして、収納部材の長さとして
は、70〜750mm程度が好適である。
【0023】さらに、収納部材28の後端には、収納部
材28を芯材の任意位置に固定するための固定部材29
が設けられている。具体的には、固定部材29は、収納
部材28の後端に取り付けられた固定リング部材29a
と、このリング状固定部材29aに螺合するネジ部を有
する回転リング29bにより構成されている。そして、
固定リング部材29aは、内部に先端側に向かって縮径
するテーパ状のネジ穴を有し、回転リング29bは、上
記ネジ穴に螺合するとともに、螺合の進行により、芯材
22方向に湾曲する突出部29cを有している。そし
て、螺合の進行により、回転リング29bの突出部29
cは芯材22側に近づき、最終的には芯材22を把持
し、これにより芯材22に、回転リング29bが固定さ
れる。そして、上述の実施例の血液フィルタ1と同様の
理由により、血液と接触する部分、具体的には、フィル
タ部材25、フィルタ収納部材28、リング状部材2
6、芯材22,先端部23の外表面、内表面に抗血栓性
処理を行うことが好ましい。抗血栓性処理方法および抗
血栓性材料としては、上述のものが好適に使用できる。
【0024】次に、図5に示す実施例の血液フィルタに
ついて説明する。この実施例の血液フィルタ40は、内
部に流体流入ルーメン42を有する本体チューブ41
と、本体チューブ41を挿通する拡張および収縮または
折り畳み可能であり、拡張した状態にて動脈内壁にほぼ
密着する中空環状部材47と、一端が本体チューブ41
に取り付けられ、本体チューブ41のルーメン42と連
通し、他端が本体チューブ41の後端側に延び、中空環
状部材47に取り付けられ、中空環状部材内部47と連
通する複数の中空環状部材拡張用チューブ43と、中空
環状部材拡張用チューブ43に沿って設けられた複数の
弾性部材44aと複数の弾性部材44aの先端部に設け
られた弾性部材固定部44bとからなるフィルタ保持部
44と、フィルタ保持部44および中空環状部材47に
固定された折り畳みおよび拡張可能なフィルタ部材45
とからなり、フィルタ保持部44の弾性部材44aは、
中空環状部材47が拡張していない状態では、本体チュ
ーブ41に近接しフィルタ部材45を折り畳んだ状態と
し、中空環状部材47が拡張されることにより、弾性部
材44aの他端が本体チューブ41より離間し、フィル
タ部材45を拡張させるものである。そして、本体チュ
ーブ41は、後端部に常時閉塞し、流体注入器51を接
続したとき開口する逆止弁49を有している。
【0025】本体チューブ41は、内部に流体流入ルー
メン42を有するチューブ体であり、フィルタ保持部4
4の先端側の固定部を形成し、本発明の血液フィルタ4
0の基本骨格を形成している。本体チューブ41として
は、可撓性チューブ、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポ
リオレフィンエラストマー(例えば、ポリエチレンエラ
ストマー、ポリプロピレンエラストマー、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リプロピレンとポリブテンの混合物など)、ポリアミド
エラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタ
ンエラストマーなどの可撓性合成樹脂チューブ、シリコ
ンゴム、ラテックスゴムなどのゴム製チューブが好適に
使用される。そして、本体チューブ41の長さとして
は、100〜800mm程度が好適である。
【0026】中空環状部材47は、本体チューブ41を
挿通し、拡張および収縮または折り畳み可能であり、拡
張した状態にて動脈内壁にほぼ密着する。中空環状部材
47は、その内部が、中空環状部材拡張用チューブ43
によって、本体チューブ41のルーメン42と連通して
おり、本体チューブ41のルーメン42に流入された流
体により、中空環状部材は拡張する。中空環状部材47
としては、伸縮性材料により形成し、流体の流入により
伸張することにより拡張するもの、また、ほとんど伸縮
性のない材料により形成し、流体の流入により形成形状
に拡張するもののいずれであってもよい。好ましくは、
ある程度の伸縮性を有する材料により形成することであ
る。このような材料で形成することにより、動脈内壁へ
の密着がより確実なものとなり、内壁に損傷を与えるこ
とも少ない。また、中空環状部材47の拡張時の外径と
しては、10〜30mm程度であることが好ましい。伸
縮性材料としては、ポリオレフィンエラストマー(例え
ば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラス
トマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリブテンの混合
物など)、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラ
ストマー、ポリウレタンエラストマーなどの伸縮性合成
樹脂、シリコンゴム、ラテックスゴムなどのゴムが好適
に使用できる。また、伸縮性の低い材料としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレ
フタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイ
ドなどの熱可塑性樹脂が好適である。
【0027】中空環状部材拡張用チューブ43は、本体
チューブ41の先端部に、図5に示すように、枝分かれ
するように、取り付けられ、本体チューブ41のルーメ
ン42と連通している。そして、他端が本体チューブ4
1の後端側に延び、中空環状部材47に取り付けられ、
かつその内部と連通している。そして、この拡張用チュ
ーブ43は、複数設けられることが好ましく、2〜8本
程度が好適であり、特に3〜6本が好適である。そし
て、フィルタ保持部44は、中空環状部材拡張用チュー
ブ43に沿って設けられた複数の弾性部材44aと複数
の弾性部材44aの先端部に設けられた弾性部材固定部
44bとを有している。弾性部材44aは、通常状態で
は、図5に示すように、ほぼ本体チューブと平行に、か
つ近接した状態となっている。そして、ルーメン42内
を通過して流入した流体により、中空環状部材拡張用チ
ューブ43および中空環状部材47内が満たされ、さら
に中空環状部材47が拡張することにより、図6に示す
ように、弾性部材44aが中空環状部材47に押され
て、その他端部が広がり本体チューブ41より離間す
る。固定部44bの先端部は、挿入時に血管壁などに損
傷を与えないように丸みを帯びた形状となっている。
【0028】弾性部材44aは、ある程度の弾性と剛性
を有する合成樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ポリアミドなどにより全体が形成されたもの、
また、ピアノ鋼、ステンレス鋼などにより全体が形成さ
れたもの、固定部44bを合成樹脂により形成し、弾性
部材44aをピアノ鋼、ステンレス鋼などにより形成し
たものなどが考えられる。フィルタ保持部44の長さ、
言い換えれば、弾性部材44aの長さとしては、25〜
70mm程度が好適である。フィルタ保持部44は、複
数、例えば、2〜8本程度、好ましくは、3〜6本の弾
性部材44aで形成されていることが好ましく、さら
に、中空環状部材拡張用チューブ43は、フィルタ保持
部44の弾性部材44aの内面に固着されていることが
好ましい。このようにすることにより、弾性部材44a
は、中空環状部材47の拡張時に、中空環状部材47お
よび拡張用チューブ43の両者より力を受けるので、そ
の変形が容易なものとなり、後述するフィルタ部材45
の拡張も確実なものとなる。
【0029】そして、図5に示すように、フィルタ保持
部44の中間部より先端側には、フィルタ部材45が、
折り畳まれた状態にて、固定されている。フィルタ保持
部44は、上述のように、中空環状部材47が拡張する
ことにより変形し、フィルタ部材45を拡張させる。こ
れによりフィルタ部材45は、本体チューブ41の後端
側が開口し、本体チューブ41の先端側に突出した捕捉
空間を形成する。図6に示すように、フィルタ部材45
は、弾性部材44aおよび中空環状部材27に固定され
ており、さらに、フィルタ部材45を完全に広げたとき
断面がほぼ円状となるように形成されている。このた
め、中空環状部材47が拡張し、動脈内壁に密着した状
態となっても、フィルタ部材45は、各弾性部材44a
間にゆとりをもった状態となっていることもある。そし
て、この血液フィルタ40では、動脈血がフィルタ部材
45の後端側から先端側に流れるため、その血流により
フィルタ部材45の後端側またはその付近の部分が、血
管内壁にほぼ密着する。
【0030】フィルタ部材45は、上記のような機能を
発揮するために、図6に示すように、ほぼ円錐形に形成
されている。そして、フィルタ保持部44の湾曲の終了
により、フィルタ部材45の各弾性部材4a間は、折り
畳まれ、フィルタ部材45の内表面に捕捉された組織片
は、折り畳まれたフィルタ部材5内に収納され、血液フ
ィルタ40の動脈からの抜去時に血液に中に流出するこ
とがない。フィルタ部材45としては、合成樹脂、例え
ば、ポリオレフィン繊維(ポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維)、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維など
により形成された網目状のものが好適である。網目状の
ものとしては、織布、不織布のいずれでもよい。また、
フィルタ部材45の網目の程度としては、40〜500
μm程度が好ましく、より好ましくは、50〜300μ
mであり、特に、100〜200μmが好ましい。
【0031】そして、本体チューブ41は、図5に示す
ように、後端部に常時閉塞し、流体注入器(例えば、シ
リンジ)51を接続したとき開口する逆止弁49を有し
ている。そして、この実施例の血液フィルタ40では、
使用前に、シリンジにより、血液フィルタ40内(ルー
メン42、拡張用チューブ43,中空環状部材47内)
の空気を吸引により減少させることにより、血液フィル
タの先端部は動脈内への挿入が容易なものとなる。そし
て、動脈内に挿入したのち、シリンジにより生理食塩
水、X線造影剤などの流体を注入し、中空環状部材47
および拡張用チューブを拡張させる。
【0032】
【作用】次に、本発明の動脈内留置用血液フィルタの作
用を、図1、図2、図7および図8を用いて説明する。
胸部の開心を行った後、心臓上行動脈52の上部であ
り、大動脈弓より上流側に本発明の血液フィルタ1を挿
入する。挿入時は、図1に示すように、フィルタ部材5
が拡張していない状態(収納部材8にフィルタ部材5が
収納された状態)にて、先端側が動脈の下流側となるよ
うに挿入する。そして、図2および図7に示すように、
フィルタ収納部材8の先端部よりフィルタ部材5を突出
させる。そして、本体チューブ7の後端に取り付けられ
た固定部材9の回転リング9bをゆるめて、芯材2を手
で保持した状態で、本体チューブ7を先端側に押し込
む。これにより、フィルタ保持部4の弾性部材4aは湾
曲し、フィルタ部材5が拡張する。そして、保持部4a
がほぼ動脈内壁に当接した状態となった位置にて、固定
部材9の回転リング9bを回転させ、回転リング9bを
芯材に固定する。これによりフィルタ部材5の拡張状態
が維持される。そして、フィルタ部材5の開口部側より
先端側に向かって動脈血が流れているため、フィルタ部
材5の周縁部またはその付近は、血流に押されて動脈内
壁に密着し、図7に示す状態となる。
【0033】そして、図7に示すように、送血カニュー
レ53を心臓上行動脈52であり、かつ血液フィルタ1
より上流側に挿入し、脱血カニューレ(図示せず)を心
臓上下行静脈に挿入し、送血カニューレ53および脱血
カニューレをチューブを用いて人工心肺装置と接続し、
体外循環回路を作成する。そして、開心術終了後、本体
チューブ7の後端に取り付けられた固定部材9の回転リ
ング9bをゆるめて、芯材2を手で保持した状態で、本
体チューブ7を後端側に引っ張る。これにより、フィル
タ保持部4の弾性部材4aは直線状態となり、フィルタ
部材5が弾性部材4a間に折り畳まれた状態となる。そ
して、フィルタ部材5の内面に捕捉された組織片は、フ
ィルタ部材5の折り畳みにより内部に捕捉される。ま
た、フィルタ部材5は、フィルタ収納部材8内に再び収
納される。そして、血液フィルタ1は動脈より抜去され
る。
【0034】また、心臓上行動脈の動脈硬化病変が著し
い場合には、上記のような心臓上行動脈ではなく、図8
に示すように、腸骨動脈の一方に送血カニューレを挿入
するとともに、他方の腸骨動脈より、本発明の血液フィ
ルタ1を挿入することも考えられる。従って、血液フィ
ルタ1としては、腸骨動脈より挿入して使用可能な長さ
を有していることが好ましい。そして、この血液フィル
タ1は、図8に示すように、フィルタ部材は拡張し、腹
部大動脈あるいは胸部大動脈の動脈効果巣組織片などを
補足するため、それらが心臓冠動脈内に流入することを
防止する。
【0035】
【発明の効果】本発明の動脈内留置用血液フィルタは、
後端側が開口し、先端側に突出した捕捉空間を形成する
折り畳みおよび拡張可能なフィルタ部材と、フィルタ部
材の拡張および折り畳みを行うフィルタ開閉部材とを有
している。フィルタ部材が拡張および折り畳み可能であ
るので、動脈内壁への留置および抜去が可能であり、さ
らに、フィルタ部材の内面にて動脈内を流れる組織片を
捕捉することができ、捕捉後再びフィルタ部材を折り畳
むことにより、内面に捕捉された組織片を離脱すること
なく除去することができ、動脈内留置用フィルタとして
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の動脈内留置用血液フィルタの
一実施例の断面図である。
【図2】図2は、図1の血液フィルタのフィルタ部材が
拡張した状態の外観図である。
【図3】図3は、本発明の動脈内留置用血液フィルタの
他の実施例の断面図である。
【図4】図4は、図3の血液フィルタのフィルタ部材が
拡張した状態の外観図である。
【図5】図5は、本発明の動脈内留置用血液フィルタの
他の実施例の断面図である。
【図6】図6は、図5の血液フィルタのフィルタ部材が
拡張した状態の外観図である。
【図7】図7は、本発明の血液フィルタの作用を説明す
るための説明図である。
【図8】図8は、本発明の血液フィルタの作用を説明す
るための説明図である。
【符号の説明】
1 動脈内留置用血液フィルタ 2 芯材 3 先端部 4 フィルタ保持部 4a 弾性部材 5 フィルタ部材 6 リング状部材 7 本体チューブ 8 フィルタ収納部材 9 固定部材 20 動脈内留置用血液フィルタ 40 動脈内留置用血液フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 修蔵 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端側が開口し、先端側に突出した捕捉
    空間を形成する折り畳みおよび拡張可能なフィルタ部材
    と、該フィルタ部材の拡張および折り畳みを行うフィル
    タ開閉部材とを有することを特徴とする動脈内留置用血
    液フィルタ。
JP17991693A 1993-06-27 1993-06-27 動脈内留置用血液フィルタ Pending JPH07124251A (ja)

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