JPH07122257A - 電池用セパレータ - Google Patents

電池用セパレータ

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JPH07122257A
JPH07122257A JP5257175A JP25717593A JPH07122257A JP H07122257 A JPH07122257 A JP H07122257A JP 5257175 A JP5257175 A JP 5257175A JP 25717593 A JP25717593 A JP 25717593A JP H07122257 A JPH07122257 A JP H07122257A
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JP
Japan
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separator
battery
hydrophilic
porous
membrane
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Withdrawn
Application number
JP5257175A
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English (en)
Inventor
Takafumi Uemiya
崇文 上宮
Takeshi Sakamoto
健 坂本
Akira Harada
章 原田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン通過性、耐アルカリ性、耐酸化性、耐
熱性、保液性に優れ、さらにガス透過性に優れた電池用
セパレータを提供する。 【構成】 アルカリ水溶液を電解液として用いる電池に
おいて、正極と負極の間に設けられるセパレータが、フ
ッ素樹脂等からなる疎水性多孔性膜の多孔性空間にポリ
ビニルアルコールやポリエチレンイミンなどの親水性高
分子が固定化された膜から形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池用セパレータに関
し、特に、ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素
電池などのアルカリ水溶液を電解液として用いる電池の
セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池において、たとえばニッ
ケル−カドミウム電池では、活物質として金属カドミウ
ムを含む負極と、活物質としてオキシ水酸化ニッケルを
含む正極とが、セパレータを挟んで渦巻き状に巻かれ、
これが電槽内に収められて強アルカリ液に漬けられてい
る。
【0003】このようなアルカリ蓄電池のセパレータと
して、ポリアミド繊維の織布や不織布またはこれらとセ
ロファンもしくはポリビニルアルコールフィルムを併用
したものが採用されてきた。また最近、特に耐アルカリ
性や耐酸化性の点で、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ンからなる織布や不織布が一部用いられてきた。
【0004】また、特開平4−286863号公報に
は、多孔質構造を有するポリテトラフルオロエチレンな
どのフッ素樹脂にプラズマによって表面処理を施して親
水化したものを、アルカリ蓄電池用セパレータとして用
いることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セパレータには、イオ
ンの通過がよいこと、アルカリに強いこと、酸化されに
くいこと、熱に強いこと、電解液を十分保持できるこ
と、過充電時には正極から発生する酸素ガスを負極で還
元させるため速やかにガスを透過できることなどが要求
される。
【0006】ポリアミド繊維の織布や不織布、またはこ
れらとセロファンもしくはポリビニルアルコールを併用
したものは、耐アルカリ性や耐酸化性に問題がある。た
とえば、ナイロン不織布は、電池内で分解を受けること
がある。このような分解は、炭酸ガスやアンモニアを発
生させ、電池内圧を大きくして電池の特性に悪影響を及
ぼすことがある。ポリプロピレン等のポリオレフィンか
らなる織布や不織布は、濡れ性が悪く、電解液の保液性
に劣る。また、不織布は孔径が大きい。したがって、こ
れらは、正極と負極との短絡を防止するため、気孔率を
下げてイオンの透過性をある程度犠牲にしなければなら
ない場合があった。
【0007】そこで、保液性を向上させるため、ポリオ
レフィンを発煙硫酸や濃硫酸で処理して親水基を導入す
ることもできる。しかし、この処理ではポリオレフィン
の変質の問題が発生する。また、導入できるスルホン酸
基等の親水基の数にも限界があるため、十分な保液性を
得ることは困難である。
【0008】また、これらの問題とは別に、高電流密度
での充放電や電池の大型化に伴って、電池作動時の温度
上昇に伴うセパレータの耐熱性が問題になっている。急
速な充電を行なうときには、電池内の温度上昇が大き
く、ポリアミドやポリオレフィン系の材料だけでは耐熱
性が不足し、電池の充放電特性や寿命に影響が出る。
【0009】特開平4−286863号公報には、耐熱
性の高いフッ素樹脂をセパレータに用いることを試みて
いる。しかし、同公報に開示されるようなプラズマ処理
によってフッ素樹脂に導入できる親水基の数には限界が
あり、この場合も十分満足できる保液性を得るには至っ
ていない。また、フッ素樹脂セパレータについては、さ
らにガス透過性を向上させることが望まれていた。
【0010】本発明の目的は、イオン通過性、耐アルカ
リ性、耐酸化性、耐熱性、保液性に優れ、さらにガス透
過性に優れたセパレータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電池用セパレー
タは、疎水性樹脂からなる多孔性膜の多孔性空間に1種
または2種以上の親水性高分子を固定化した膜からなる
ことを特徴とする。
【0012】本発明において、多孔性膜を形成する疎水
性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン、またはフッ素樹脂が好ましく用いられる。多
孔性膜は、織布、不織布または延伸膜等から形成するこ
とができる。
【0013】本発明において、フッ素樹脂には、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフ
ッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン等の重合
体、ならびにテトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデ
ンとの共重合体、パーフルオロエチレンプロピレン共重
合体、パーフルオロアルキルエーテルとテトラフルオロ
エチレンとの共重合体等の共重合体を用いることができ
る。本発明において、疎水性樹脂多孔性膜は、疎水性樹
脂がマトリクスとなって内部に空間を有しており、その
空間が膜の表面から裏面まで貫通しているものを対象と
しており、独立気泡のみを有する膜は除外している。
【0014】フッ化ビニリデン重合体やその共重合体
は、特定の溶媒に溶解し得るので、第3の非溶媒と組合
せることによりセルロースエステル膜の製造方法と類似
の手法で気孔率60%以上のものを得ることができる。
ポリテトラフルオロエチレンでは、たとえば特公昭42
−13560や特公昭51−18991のように、該樹
脂の結晶融点以下の温度で少なくとも一軸方向、好まし
くは一軸および二軸方向に延伸し、次いで延伸状態のま
ま結晶融点以上に加熱することにより、繊維状体が相互
に一体的に連結した三次元的網目構造を有する気孔率6
0%以上、さらには90%以上の多孔体が得られる。
【0015】本発明において、フッ素樹脂等の多孔性膜
の気孔率は、十分な保液性およびガス透過性を確保する
ため、70%以上が望ましい。また、正極と負極の短絡
を防止するために、多孔性膜の平均孔径は、50μm以
下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm
以下がさらにより好ましい。なお、孔径の下限値は、主
として正極から発生する酸素量によって定められると考
えられる。しかしながら、この酸素量は過充電時の電流
量に依存し、その電流量は使用温度、電池サイズ、活物
質の性能等により影響を受けるため、孔径の下限値は特
定されない。平均孔径は、電池において電極を構成する
粒子が多孔性膜を通過しないよう設定される。
【0016】本発明において、親水性高分子には水溶性
高分子が好ましく用いられる。水溶性高分子には、たと
えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコー
ル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
ヒドロキシル基を含む高分子(重合体または共重合
体)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のカルボキ
シル基を含む高分子(重合体または共重合体)、ポリア
クリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミ
ン、ポリエチレンイミン等の窒素を含む高分子(重合体
または共重合体)、ポリスチレンスルホン酸、ナフィオ
ン(登録商標)等のスルホン酸基を含む高分子(重合体
または共重合体)またはそれらの組合せを用いることが
できる。たとえば、ポリビニルアルコールおよびポリエ
チレンイミンは、重合度などの点で品質的に安定な市販
品をそのまま使用することができる。水溶性高分子は、
疎水性樹脂多孔性膜の撥水性を抑え親水性を与えるため
の物質として、膜の多孔性空間内に水不溶化される。
【0017】水不溶化にあたり、まず水溶性高分子の水
溶液が調製され、この水溶液を疎水性樹脂多孔性膜に含
浸させて多孔性空間内に高分子を導入する。次いで、水
溶性高分子の水不溶化のため、架橋処理が行なわれる。
この水不溶化のため、熱処理、アセタール化処理、エス
テル化処理、重クロム酸カリによる化学反応、または電
離性放射線による架橋反応等を行なうことができる。多
孔性空間の内部に水溶性高分子を均一に分布させるた
め、たとえば、希薄な水溶液について数回にわたり含浸
と乾燥を繰返し、内部空間の水溶性高分子の濃度を高め
ていくことができる。また、多孔性膜の孔径が小さいと
きには、まず、エタノール、メタノール、アセトン、ま
たは界面活性剤水溶液中に多孔性膜を浸漬し、次いで水
中に浸漬して多孔性空間内に水が保持されるよう処理を
行なう。その後、水溶性高分子の水溶液に多孔性膜を浸
漬すれば、多孔性空間内に高分子を効率的に導入するこ
とができる。
【0018】水不溶化された高分子は、疎水性樹脂多孔
性膜の表面に化学的に結合されているだけでなく、高分
子自体の架橋によって分子量を増大させ水不溶化させる
ことができる。水不溶化された高分子は、疎水性樹脂多
孔性膜にからみつき、多孔性構造の表面を覆う。
【0019】また、疎水性樹脂が不溶で、かつ親水性樹
脂が可溶の溶媒に、親水性樹脂を溶解し、疎水性樹脂の
多孔性膜をこれに浸漬した後、乾燥することにより、多
孔性膜内に親水性樹脂を閉じ込めることもできる。
【0020】一方、密閉型アルカリ蓄電池では、たとえ
ば、急速充電時に正極で酸素が発生する。そこで、酸素
による内圧上昇を防止するため、セパレータに酸素ガス
透過能力が要求される。セパレータの酸素ガス透過率
は、親水性高分子を部分的に設けないことで、すなわち
完全に親水化処理を行なわずに疎水性の部分を残してお
くことにより高まることが本発明者の研究により明らか
になった。
【0021】すなわち、本発明の好ましい態様におい
て、親水性高分子の多孔性膜における分布は、不均一で
あり、これにより、多孔性空間は、親水性を有する第1
の部分と、第1の部分よりも親水性が低いかまたは疎水
性を有する第2の部分とを備える。第1の部分は、第2
の部分よりも多く親水性高分子を含むことができる。ま
た、第2の部分は親水性高分子を含まない部分とするこ
とができる。第2の部分の性質は、多孔性膜を構成する
疎水性樹脂の影響が強く、第1の部分の性質は親水性高
分子の影響が強い。
【0022】図1は、このような部分を形成したセパレ
ータの具体例を示す。図1(a)に示すセパレータで
は、親水性が低いかまたは疎水性である部分1(図にお
いて斜線で示す)がストライプ状に形成されている。他
の部分2は、親水性高分子によって十分な親水性を付与
されている。
【0023】図1(b)に示すセパレータでは、親水性
が低いかまたは疎水性である部分11(斜線で示す)
が、スポット状あるいは水玉状に設けられている。他の
部分12は、十分な親水性を付与されている。
【0024】以上に示すようなパターンを形成するに
は、たとえば、多孔性膜に親水ポリマー溶液を含浸させ
て、電子線等を照射して架橋、固定化する際、所望のパ
ターンを有するマスクで多孔性膜を覆い、その上から電
子線等を照射すればよい。この方法によれば、パターン
に従って電子線が照射された部分に親水ポリマーを選択
的に固定化することができる。照射されなかった部分の
ポリマーは、溶解すればよい。
【0025】また、図1(c)に示すように、セパレー
タの対向する1対の主要面の片方だけ疎水性である部分
21(斜線で示す)を設けることもできる。部分21
は、他の部分22よりも親水性高分子の含量が少ないか
または該高分子を含まない部分とすることができる。部
分21は、部分22よりも親水性が低いかまたは疎水性
である。このようなセパレータをNi−Cd電池または
Ni−MH電池等に用いる場合、疎水性の面をNi極に
接するようにするのが好ましい。
【0026】1つの多孔性膜において、親水性ポリマー
の分布を不均一にすることが困難な場合、複数の別体の
多孔性膜を準備し、幾つかの膜について親水性の度合、
疎水性の度合を変えればよい。たとえば、それぞれの膜
に異なる含量の親水ポリマーを固定化し、それらの膜を
重ね合わせることができる。また、十分な親水性を有す
る膜と、この膜よりも親水性が低いかまたは疎水性であ
る膜を重ね合わせることもできる。後者の膜は、親水基
を少量含むかまたは親水基を全く含まない膜とすること
ができる。図1(d)は疎水性膜31と親水性膜32と
を重ね合わせてなるセパレータの例を示している。この
ような膜の組成は、上述したとおりとすることができ
る。このように膜を重ね合わせたものは、図1(c)の
ように1つの膜において片面だけを疎水性にしたものと
同等の効果をもたらすことができる。
【0027】本発明は、アルカリ水溶液を電解液として
用いる蓄電池に適用され、特にニッケル−カドミウム電
池やニッケル−水素電池などのアルカリ二次電池に好ま
しく適用できるが、これらに限定されることなく、たと
えば鉄−ニッケル電池、亜鉛−ニッケル電池などにも適
用することができる。
【0028】
【作用】本発明のセパレータにおいて、疎水性樹脂から
なる多孔性膜は、強度、耐薬品性、耐熱性という機能を
受け持つ。この多孔性膜に、親水性ポリマーを固定化す
ることによって、ポリオレフィンの濃硫酸等による処理
やフッ素樹脂のプラズマによる処理に比べて、より多く
の親水基を導入することができる。このため、本発明は
従来のセパレータよりも保液力に優れている。本発明の
セパレータを用いた電池では、充放電反応の繰返しによ
って、セパレータ内の電解液がNi−Cd電池のCd
極、Ni−水素電池の水素吸蔵合金極に吸い取られるこ
とが抑制され、電池の寿命は長くなる。本発明では、疎
水性樹脂膜の優れた機械強度、耐薬品性および耐熱性を
ベースとして、これに十分な親水性を付与するものであ
る。
【0029】特にフッ素樹脂は、化学的安定性に優れて
いる。たとえば、フッ素樹脂は、耐アルカリ性、耐酸化
性に優れ、また240℃まで熱可塑性を示さず耐熱性に
も優れている。また、フッ素樹脂については、上述した
ようなプロセスを用いてモロフォロジーの良好な多孔性
膜を得ることができる。多孔性膜の最大孔径を、電極を
構成する粒子よりも小さくすれば、正負の電極間で短絡
が生じる恐れもない。
【0030】このようなフッ素樹脂多孔性膜の多孔性空
間に、水溶性高分子を固定化すれば、この膜に親水性が
付与される。この場合、フッ素樹脂そのものの化学的安
定性や耐熱性を損なわずに親水化が行なわれる。一方、
フッ素樹脂を従来技術に従ってプラズマ処理やコロナ放
電により親水化すると、その化学的安定性や耐熱性が低
下してしまう。
【0031】また特筆すべきことは、以下の実施例に示
す通り、本発明に用いるセパレータが、プラズマ処理に
よって親水化した従来のセパレータよりもガス透過性に
優れていることである。ガス透過性が向上する理由は明
らかではないが、本発明に従って親水化したセパレータ
を有する電池は、従来のセパレータを有する電池よりも
充電末期のガス発生による内圧上昇を効果的に抑制する
ことができる。
【0032】さらに、本発明で用いられるセパレータ
は、多孔性空間に保持される水溶性高分子の濃度を正確
に調整することができ、この調整により電池の条件に応
じて親水性や保液性を制御することができる。さらに、
水溶性高分子の種類や不溶化の程度によっても、電池の
条件に応じて、保液性等のセパレータの特性を制御する
ことができる。このように、本発明に従えば、電池の正
極作用物質、負極作用物質、電解液等に応じて適切な特
性のセパレータを備える電池を提供することができる。
【0033】
【実施例】
実施例1 住友電気工業株式会社製ポアフロン(登録商標)(PT
FE延伸膜)の気孔率80%、平均孔径10μm、膜厚
100μmのものを、ポリビニルアルコール(クラレポ
バールPVA−217,平均重合度1750、けん化度
88モル%、株式会社クラレ製)0.5%の水溶液に浸
漬した。次に、ポリビニルアルコール水溶液を含浸させ
た多孔性膜に6Mradの電子線を照射してポリビニル
アルコールの水不溶化を行ない、親水性樹脂層を形成し
た。このようにして得られた膜を電池のセパレータとし
て用いた。
【0034】電池の正極には、水酸化ニッケル粉末、ニ
ッケル粉末およびコバルト粉末を充填した公知の発泡式
ニッケル極を用いた。
【0035】負極には、MmNi3.8 Mn0.4 Al0.3
Co0.5 (Mmはミッシュメタルを示す)の水素吸蔵合
金を用い、この合金粉末を2%のポリビニルアルコール
水溶液と混合してペースト状にし、発泡ニッケル多孔体
(住友電気工業株式会社製セルメット(登録商標))に
充填してローラープレスを行なった。
【0036】以上のように作製された正極と負極との間
にセパレータを挟んでスパイラル状に巻き、径22.5
mm、高さ49.2mmサイズの電槽に収納後、比重
1.20の水酸化カリウム水溶液に水酸化リチウム30
g/lを溶解させた電解液を注入し、その後封口して密
閉型電池を作製した。
【0037】実施例2 住友電気工業株式会社製ポアフロン(登録商標)の気孔
率80%、平均孔径10μm、膜厚100μmのもの
を、市販の30%ポリエチレンイミン水溶液をイソプロ
ピルアルコールで7%溶液に希釈したものに、10分間
浸漬し、風乾後、5%グリオキサール水溶液中に1分間
浸漬して架橋処理を行ない、親水性樹脂層を形成した。
次に、この膜を水洗し、セパレータとして用いた。この
セパレータを用いる以外は実施例1と同様にして密封型
電池を作製した。
【0038】実施例3 エチレン・ビニルアルコールランダム共重合体(クラレ
社製、商品名エバール)をイソプロピルアルコール:水
=7:1の溶液に溶解し、ここに実施例1で用いたのと
同じポアフロン膜を浸漬した。その後引き上げて、水に
浸漬することにより、膜内に該共重合体からなる親水性
樹脂層を形成した。得られた膜を、セパレータに用い、
実施例1と同様にして密封型電池を作製した。
【0039】実施例4 ポアフロン膜の代わりにポリエチレン不織布を用いる他
は実施例1と同様にして親水ポリマー層を形成し、セパ
レータを作製した。得られたセパレータを用いて実施例
1と同様の密封型電池を作製した。
【0040】実施例5 実施例1と同様にしてポリビニルアルコール水溶液をポ
アフロン膜に含浸させた。次に、幅0.5mmの鉛棒を
10mm間隔に並べ、この鉛棒を介して膜に6Mrad
の電子線を照射した。膜において電子線の照射された部
分は、含浸されたポリビニルアルコールの固定化が進む
一方、鉛棒によって照射が遮られた部分は、固定化が抑
制された。これにより、照射されなかった部分に疎水性
の部分を残すことができた。このようにして得られたセ
パレータを用い、実施例1と同様にして密封型電池を作
製した。
【0041】実施例6 実施例3と同様にしてセパレータを作製した後、セパレ
ータの片面をイソプロピルアルコールを含む布で拭き、
表面を疎水性にした。この膜を界面活性剤を溶解した水
に浸漬し、乾燥した後、セパレータとして用い、実施例
1と同様の密封型電池を作製した。
【0042】実施例7 厚み50μmのポアフロン膜を用いて実施例1と同様に
親水化処理を行なった。得られた膜と、界面活性剤を塗
布した厚み50μmのポアフロン膜とを積層して、セパ
レータを作製した。このセパレータを用いて実施例1と
同様の密封型電池を作製した。
【0043】実施例8 厚み25μmのポアフロン膜2枚を実施例1と同様にそ
れぞれ親水化処理した。得られた2枚の膜で、厚さ50
μmのスルホン化処理したポリプロピレン不織布(気孔
率60%)を挟み、積層体としてのセパレータを得た。
このセパレータを用いて実施例1と同様の密封型電池を
作製した。
【0044】実施例9 厚み25μmのポアフロン膜を実施例1と同様にして親
水化処理した。得られた膜を厚さ75μmのスルホン化
処理したポリプロピレン不織布(気孔率60%)と積層
し、セパレータを得た。このセパレータを用いて実施例
1と同様の密封型電池を作製した。
【0045】比較例1 セパレータとして従来から使用されている発煙硫酸に浸
漬したポリプロピレン不織布を用いる以外は、実施例1
と同様にして密閉型電池を作製した。
【0046】比較例2 住友電気工業株式会社製ポアフロン(登録商標)の気孔
率80%、平均孔径10μm、膜厚100μmのもの
を、0.5Torr窒素中で放電電力10Wのプラズマ
処理により親水化し、セパレータとして用いた。このセ
パレータを用いる以外は、実施例1と同様にして密封型
電池を作製した。
【0047】以上11種の電池について、0.5Aで7
時間充電−0.5Aで0.9Vまで放電のサイクル試験
を行なった。5サイクル目の放電容量は、いずれも2.
5Ahであった。この値をもって各電池の容量とした。
次に、11種の電池について2.5Aで1.5時間の充
電−2.5Aで0.9Vまで放電の急速充放電サイクル
を長期間繰返して試験を行なった。その結果を表1に示
す。表1に示す通り、本発明に従う実施例1〜9の電池
は寿命が長く、急速充放電サイクルにおいても酸素ガス
をうまくセパレータを介して透過させ、内圧を低く保っ
ていることがわかる。また、セパレータに疎水性の部分
または親水性の低い部分を設けることによって、ガスの
透過が促進され、電池の内圧が低く抑えられることがわ
かる。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
イオン透過性に優れ、電解液を十分に保持できかつ充電
時の酸素ガス透過性に優れたセパレータを用いることに
より、アルカリ水溶液を電解液として用いる電池におい
て、電池の特性や寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21 親水性が低いかまたは疎水性である部
分 2,12,22 十分な親水性を付与された部分 31 疎水性膜 32 親水性膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性樹脂からなる多孔性膜の多孔性空
    間に1種または2種以上の親水性高分子を固定化した膜
    からなることを特徴とする、電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 前記疎水性樹脂がフッ素樹脂であり、ア
    ルカリ水溶液を電解液として用いる電池に使用されるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 前記親水性高分子が、ヒドロキシル基を
    含む高分子、カルボキシル基を含む高分子、イミンを含
    む高分子およびスルホン酸基を含む高分子からなる群か
    ら選択される1種または2種以上の高分子であることを
    特徴とする、請求項1記載の電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記親水性高分子の多孔性膜における分
    布が不均一であり、これにより、前記多孔性空間が、前
    記親水性高分子によって親水性を有する第1の部分と、
    前記第1の部分よりも親水性が低いかまたは疎水性を有
    する第2の部分とを備えることを特徴とする、請求項1
    記載の電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 前記第2の部分が、前記多孔性膜におい
    てスポット状またはストライプ状に形成される、請求項
    4記載の電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】 前記第2の部分が、前記多孔性膜の対向
    する1対の主要面の一方に形成される、請求項4記載の
    電池用セパレータ。
  7. 【請求項7】 前記多孔性膜は、複数の別体の膜を重ね
    合わせて形成したものであり、前記複数の膜は親水性を
    有する第1の膜と、前記第1の膜よりも親水性が低いか
    または疎水性を有する第2の膜とを含む、請求項4記載
    の電池用セパレータ。
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