JPH071218A - ボールエンドミル - Google Patents

ボールエンドミル

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Publication number
JPH071218A
JPH071218A JP14811193A JP14811193A JPH071218A JP H071218 A JPH071218 A JP H071218A JP 14811193 A JP14811193 A JP 14811193A JP 14811193 A JP14811193 A JP 14811193A JP H071218 A JPH071218 A JP H071218A
Authority
JP
Japan
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cutting edge
axis
inner peripheral
tip
cutting
Prior art date
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Pending
Application number
JP14811193A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Murakami
靖典 村上
Yuichi Kodera
雄一 小寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
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Publication of JPH071218A publication Critical patent/JPH071218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
    • B23C5/1009Ball nose end mills
    • B23C5/1018Ball nose end mills with permanently fixed cutting inserts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 工具本体11先端部に曲刃チップ13が取り
付けられ、この曲刃チップ13に工具本体11の径方向
からみて円弧状を呈する切刃13cが形成されている。
この切刃13cは、曲刃チップ13の先端内周側に形成
された面取り部20によって、切刃13cが円弧状を呈
する径方向からみて軸線Oに達することなく、その内周
端が軸線Oから工具外周側に離間量eで離間する位置に
形成されている。この離間量e(mm)は、切刃13cがな
す円弧の半径R(mm)に対して、 (R2−e21/2≦R−0.0005(mm) なる関係を満たしている。 【効果】 工具本体11先端部の回転中心部において、
切刃13cに背分力を主とする過大な切削抵抗が生じる
のを防いで、良好な加工面を得ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工具本体の先端部に、
その軸線回りの回転軌跡において略半球状をなす切刃が
形成されたボールエンドミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のボールエンドミルにおいては、
近年、金型などの高硬度材料の加工を目的として、切刃
部分の素材に立方晶窒化硼素(以下、CBNという。)
やダイヤモンドなどの超高硬度焼結体を用いたボールエ
ンドミルが広く使用されつつある。ここで、このような
ボールエンドミルでは、切刃チップの固定手段としてろ
う付けによる固定方法が一般的に採用されているが、超
高硬度焼結体自体はろう付けが困難なため、そのままで
は切刃チップの接合強度が不足するという問題がある。
そこで、例えば実開昭62−181311号に記載され
ているように、超高硬度焼結体の裏側にタングステンカ
ーバイド(WC)などの超硬合金に代表される高硬度焼
結体を積層した複合チップを採用し、この複合チップの
上記高硬度焼結体によって構成される部分を工具本体に
ろう付けすることによって切刃チップの接合強度を確保
した構成のボールエンドミルが提案されている。
【0003】これを図10および図11を参照して簡略
に説明すると、図示のボールエンドミル1は、軸線Oの
回りに回転せしめられる工具本体2の先端部にチップ挿
入溝3が形成され、このチップ挿入溝3にCBNなどの
超高硬度焼結体4を超硬合金などの高硬度焼結体5で挟
み込んでなる複合チップ6が、その超高硬度焼結体4の
表面を上記工具本体2の回転方向(図中矢印A方向)に
向かって露出させた状態で装着され、この複合チップ6
の工具先端側を向く端面6aと超高硬度焼結体4の表面
との交差稜線部が切刃7とされて概略構成され、上記高
硬度焼結体5がチップ挿入溝3の壁面にろう付け固着さ
れることにより、複合チップ6の接合強度が確保されて
いる。
【0004】そして、上述したボールエンドミル1で
は、超高硬度焼結体4を研削加工などによって所定形状
に削り落とすことにより、各切刃7を、工具本体2の軸
線Oに直交する径方向からの側面視に、図10に示すよ
うに1/4円弧を呈するように、また軸線Oに沿う方向
からの正面視に図11に示すように凸曲線を描くように
湾曲させており、しかも各切刃7の内周端7aは正確に
回転中心P0に一致せしめられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ボールエンドミル1では、工具本体2の外周側の切削速
度に比して内周側の切削速度が小さくなるため、切刃7
に加わる切削抵抗は工具本体2の内周側へ向かう程増加
することが知られている。特に回転中心P0の近傍では
切削速度が略0となるために切削抵抗中の背分力が最も
大きくなってしまい、またその切削作用も被削材を削る
というよりは、むしろ被削材を押し潰すようになってし
まう。このため、上述した従来のボールエンドミル1に
よる金型加工等では、切刃7により切削される被削材の
加工面のうち、上記回転中心部分P0によって切削され
る部分においては一定の面粗度以上の平滑な加工面を得
ることが困難となり、この結果当該ボールエンドミル1
による切削加工の後に研磨加工等を施して仕上げを行な
わざるを得なかった。
【0006】また、このように工具本体2の内周側で切
削抵抗が大きくなることから、従来のボールエンドミル
1では切刃7の内周端部で欠損が生じ易く、工具寿命が
損なわれがちであるという欠点があった。また、切刃7
の形成にあたっては、これらを所定形状に湾曲させつつ
それぞれの内周端7aを回転中心P0上で突き合わせね
ばならないので加工精度の要求が高くて加工に手間がか
かるという欠点もあった。なお、この点は再研磨時にも
同様に生じる欠点である。この発明は、このような背景
の下になされたもので、切刃の回転中心部による加工面
の面粗度の劣化を防止するとともに、該回転中心部にお
ける切刃の欠損を防止して工具寿命を向上させ、しかも
製造が容易なボールエンドミルを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決して上
記目的を達するために、本発明は、軸線回りに回転され
る工具本体の先端部に、工具外周側から内周側に向かっ
て、上記工具本体の径方向からみて円弧状を呈する少な
くとも一の切刃が形成されて成るボールエンドミルにお
いて、上記切刃を、当該切刃が円弧状を呈する上記径方
向からみて上記軸線に達することなく、該切刃の内周端
を上記軸線から工具外周側に離間する位置に形成したこ
とを特徴とする。ここで、上記切刃が円弧状を呈する上
記径方向視において、該切刃の上記内周端の上記軸線か
らの離間量e(mm)は、当該切刃がなす上記円弧の半径R
(mm)に対して、 (R2−e21/2≦R−0.0005(mm) なる関係を満たしていることが望ましい。
【0008】
【作用】このような構成のボールエンドミルでは、工具
本体の先端部に形成される切刃は工具本体の軸線に達す
ることなく、その内周端が軸線から外周側に離間した位
置に形成されるように留められており、このため工具本
体の先端部の回転中心部においては上記軸線と切刃の内
周端との間に切刃が存在することはない。従って本発明
のボールエンドミルによれば、上記先端部の回転中心部
における切削抵抗中の、特に背分力の大幅な削減を図る
ことができ、被削材の加工面において押し潰されるよう
な切削作用が生じるのを防いで、切削のみによって面粗
度の高い良好な加工面を得ることが可能となる。また、
このように回転中心部における切削抵抗が低減されるこ
とから、切刃の内周端における欠損を防止することが可
能となるとともに、この内周端を回転中心と一致させる
必要もないので、切刃の形成が容易である。
【0009】なお、この場合、上記回転中心部では切刃
が存在しないために切削が行われず、未切削部分が残る
ことになるが、実際にはボールエンドミルの径方向への
送りによってこの未切削部分が回転中心からずれること
により、結局この未切削部分は切刃で削り取られること
になるから、問題はない。
【0010】ここで、切刃がなす円弧の半径をR(mm)と
し、かつこの切刃が円弧状を呈する径方向からみて、切
刃の内周端が軸線から離間する離間量をe(mm)とする
と、上記円弧の中心から切刃の内周端までの軸線方向の
距離は、 (R2−e21/2(mm) で表わされることとなる。一方、上述した従来例のよう
に、切刃の内周端が軸線上に一致する場合には、上記円
弧の中心から切刃の内周端までの軸線方向の距離はR(m
m)に等しくなる。従って、上記従来例に対する本発明の
ボールエンドミルの切刃の内周端の軸線方向における後
退量は、 R−(R2−e21/2(mm) で表わされることとなる。
【0011】しかるに、この後退量があまりに小さすぎ
ると、言い換えると上記離間量eが小さすぎると、切刃
の内周端が工具本体の軸線に接近してしまって上述した
作用が奏功されなくなってしまうおそれがある。このた
め、上記後退量については、0.0005(mm)以上に設
定されるのが望ましく、従って上記離間量eは半径Rに
対して、 (R2−e21/2≦R−0.0005(mm) なる関係を満たすように設定されるのが望ましい。
【0012】
【実施例】図1ないし図5は、本発明の一実施例を示す
ものである。これらの図に示すボールエンドミル10
は、略円柱状をなす工具本体11の先端部にチップ挿入
溝12,12が形成され、これらチップ挿入溝12,1
2にそれぞれ曲刃チップ13,13と直刃チップ14,
14とが一つずつ装着されてなるもので、各チップ挿入
溝12,12の工具回転方向(図中矢印A方向)の前方
側は工具本体11の先端側および外周側に向かって大き
く切り欠かれてチップポケット15,15とされてい
る。
【0013】上記曲刃チップ13は各チップ挿入溝12
の先端側に取り付けられる一方、上記直刃チップ14は
この曲刃チップ13の基端側に取り付けられており、こ
れらはいずれもCBNやダイヤモンド等を主成分とする
超高硬度焼結体17と超硬合金等の高硬度焼結体18と
が積層されて構成された複合チップにより形成されてい
る。そして、これら曲刃チップ13および直刃チップ1
4は、それぞれその超高硬度焼結体17の部分を工具本
体11の上記工具回転方向に向けて露出させた状態でチ
ップ挿入溝12に挿入され、上記高硬度焼結体18の部
分がチップ挿入溝12にろう付けされることによって工
具本体11と一体化されている。
【0014】ここで、上記直刃チップ14は四角形平板
状をなすもので、その工具外周側を向く面(外周逃げ
面)14aと超高硬度焼結体17部分の工具回転方向を
向く面(すくい面)14bとの交差稜線部には切刃14
cが形成され、それぞれこの切刃14cを、チップ挿入
溝12から工具本体11の外周側へ工具軸線Oと平行
に、かつ互いの直刃チップ14,14で軸線Oから等し
い量だけ突出させた状態でチップ挿入溝12に挿入さ
れ、ろう付けされている。
【0015】一方、各曲刃チップ13の工具先端側を向
く面(先端逃げ面)13aと工具回転方向を向く面(す
くい面)13bとの交差稜線部にも切刃13cが形成さ
れている。ところが、この曲刃チップ13においては上
記先端逃げ面13aは略円弧状に曲折されており、これ
により両曲刃チップ13,13の切刃13c,13c
は、軸線O方向先端側からの正面視には図2に示すよう
に軸線Oを通って径方向に一直線に延びる方向に配置さ
れる一方、上記すくい面13b,13bに直交する方向
からの上面視には、両切刃13c,13c合わせて図1
や図4に示すように、軸線O上に中心を有し先端側に向
けて膨らむように湾曲する略半円状に形成され、軸線O
回りに一の略半球面状の回転軌跡を描くこととなる。な
お、これら切刃13cの外周側の部分は軸線Oに平行に
延びて直刃チップ14の切刃14cに連なるように形成
されている。
【0016】さらに、これら曲刃チップ13の上記すく
い面13bの工具内周側かつ先端側の端縁部には、それ
ぞれシンニング部19が形成されている。このシンニン
グ部19は、上記端縁部における超高硬度焼結体17の
部分を、軸線O方向先端側および工具内周側に向かうに
従い、それぞれ上記高硬度焼結体18の部分側に向かっ
て陥没する方向に傾斜するように切り欠いて形成された
もので、切刃13cの内周側は、このシンニング部19
と上記先端逃げ面13aとの交差稜線部に延長して形成
されている。
【0017】従って、曲刃チップ13の切刃13cは、
工具外周側かつ基端側から先端逃げ面13aとすくい面
13bとの交差稜線部に沿って、軸線Oを含む平面上を
工具内周側かつ先端側に向かった後、上記シンニング部
19に達して、上記軸線Oを含む平面に対し工具回転方
向後方側に後退する方向に傾斜して曲折せしめられるこ
ととなる。なお本実施例では、このシンニング部19に
よる切刃13cの内周端側の傾斜は、直刃チップ14の
外周逃げ面14a側からの側面視に図3に示すように軸
線Oに対して傾斜角α=10°とされ、また軸線O方向
先端側からの正面視にも図5に示すように傾斜角β=1
0°とされている。
【0018】そして本実施例では、各曲刃チップ13の
軸線Oに隣接する内周側先端部にそれぞれ面取り部20
が形成されており、上記切刃13cの内周側はこの面取
り部20によって軸線Oにまで達することなく、軸線O
から工具外周側に離間した位置までに留められる。従っ
て当該切刃13cの内周端13dは、図5に示すように
曲刃チップ13の先端逃げ面13aと上記シンニング部
19とこの面取り部20との交点に形成されることとな
る。ここで、上記面取り部20は、各曲刃チップ13の
上記内周側先端部を、上記すくい面13b側からの上面
視において、図4に示すように軸線O方向基端側に向か
うに従い該軸線O側に接近する方向に斜めに切り欠くこ
とによって形成されており、これによって当該ボールエ
ンドミル10の先端中心部には、上記上面視に先端側に
向かってV字状に開口する切欠溝が形成されることとな
る。また、本実施例では両面取り部20,20の開角
γ、すなわち上記V字状切欠溝の開口角は90゜ に設定
されており、しかもこの開角γは該上面視に軸線Oを中
心として対称に振り分けられている。
【0019】このような構成のボールエンドミル10で
は、上述のように曲刃チップ13の切刃13cが、面取
り部20によってその内周端13dが軸線Oに達するこ
となく、該軸線Oから工具外周側に離間した位置までに
留められており、工具本体11の先端部の回転中心部に
おいて軸線Oと切刃13cの内周端13dとの間に切刃
部分が存在することはない。従って、当該ボールエンド
ミル10先端の回転中心部近傍においては、上述した従
来例のように切削速度が略0になることによって切削抵
抗中の背分力が極端に増大するようなことはなく、また
この回転中心部によって被削材の加工面が押し潰される
ような切削作用を受けることもない。このため、上記構
成のボールエンドミル10によれば、このような切削抵
抗の増大や、被削材を押し潰すような切削作用によっ
て、加工面の面粗度が劣化するのを防ぐことができる。
特に、金型等の加工においては、従来のように切削加工
の後に研磨加工を施したりせずとも、切削加工のみによ
って面粗度の高い良好な加工面を得ることが可能とな
り、これによって加工効率の大幅な向上を図ることが可
能となる。
【0020】また、このように回転中心部において切刃
に過大な切削抵抗が作用するのを避けることができるか
ら、切刃13cの内周端13d近傍における欠損等の事
態をも未然に防止することができ、これにより工具寿命
の延長を図ることも可能となる。特に本実施例では、切
刃13cの内周側にシンニング部19が形成され、上記
内周端13dはこのシンニング部19と曲刃チップ13
の先端逃げ面13aとの交差稜線部上に形成されている
から、切刃13cの内周側に向かって大きくなる切削抵
抗に対し、当該内周端13dの近傍では切刃13cのす
くい角をシンニング部19の上記傾斜角αに準じて負角
側に設定することができ、これによって切刃13cの刃
先強度の向上を図って欠損等の発生をより効果的に防止
することが可能となる。さらに、上述した従来例のよう
に切刃の形成にあたって切刃の内周端を回転中心上に正
確に突き合わせる必要もなくなるため、切刃13cの形
成をきわめて容易に行なうことができるという利点も得
ることができる。この点は、切刃13cの再研磨時にお
いても同様である。
【0021】一方、上記構成のボールエンドミル10に
よる切削では、面取り部20,20によって上記回転中
心部に切刃自体が存在しないことから、該回転中心部で
は切削は行なわれない。このため、この面取り部20,
20により形成される上記V字状の切欠溝によって、被
削材に切削されない突起状の未切削部分が残るのではな
いかという危惧が生じがちである。しかしながら、この
ようなボールエンドミル10による切削では、工具本体
11はその軸線O回りに回転されて切刃13c,14c
により被削材を切り込みつつ、該軸線Oに対する径方向
に送りが与えられて被削材を切削してゆくものであり、
実際にはこの径方向に工具本体11が送られてゆくこと
により、上記未切削部分は回転中心部からずれて切刃1
3cによる切削領域に移り、結果的に切刃13cによっ
て削り取られることとなる。従って、上述のように被削
材に突起状の未切削部分が残されるようなことはない。
【0022】ところで、このような構成を採った場合、
上記すくい面13b側からの側面視において切刃13a
がなす円弧の半径をRとするとともに、この側面視にお
いて切刃13cの内周端13dの軸線Oからの離間量を
eとすると、上記円弧の中心から切刃13cの内周端1
3dまでの軸線O方向における距離は、 (R2−e21/2 で表わされることとなる。一方、上述した従来例のよう
に切刃の内周端が軸線上に一致するように延長されてい
る場合には、上記円弧の中心から切刃の内周端、すなわ
ち切刃と軸線との交点までの該軸線方向の距離は、当然
Rに等しくなる。従って、本実施例において切刃13c
を該切刃13cが描く円弧に沿って延長した仮想線と軸
線Oとの交点からの、実際の切刃13cの内周端13d
の軸線O方向の後退量は、 R−(R2−e21/2 で表わされることとなる。
【0023】ここで、この後退量が小さくなること、す
なわち上記離間量eが小さくなることは、取りも直さず
切刃13cの内周端13dが軸線Oに接近することを意
味しており、この後退量が小さくなり過ぎて内周端13
dが軸線Oに接近し過ぎると、切刃13cに作用する切
削抵抗が従来と変わらずに大きくなってしまい、上述し
た作用効果が奏功されなくなるおそれがある。従って、
上記後退量については0.0005(mm)以上に設定され
るのが好ましく、よって上記離間量e(mm)は半径R(mm)
に対して、 (R2−e21/2≦R−0.0005(mm) なる関係を満たすように設定されるのが望ましい。
【0024】一方、逆に上記後退量が大きくなると、切
刃13cの内周端13dは軸線Oに対して工具外周側に
漸次離間してゆくため切削抵抗の低減は図られるもの
の、工具先端の回転中心部において切削作用が生じない
領域が過剰に拡大してしまい、加工に支障を来すおそれ
が生じるおそれがある。従って、上記後退量の上限につ
いては、工具寸法や切削条件によって差異はあるもの
の、0.01mm程度以下に抑えられるのが望ましく、従
って上記離間量e(mm)は上記半径R(mm)に対して、 (R2−e21/2≧R−0.01 (mm) なる関係をも満たす範囲に設定されるのが望ましい。
【0025】なお、本実施例では、本発明を工具本体1
1に略1/4円弧状の切刃13cが2つ設けられた2枚
刃のボールエンドミル10に用いた場合の例について説
明したが、例えばこれを図6ないし図9に示すような略
1/4円弧状の切刃13cが1つの1枚刃のボールエン
ドミル21に用いてもよい。さらに、3枚刃以上のボー
ルエンドミルにおいて本発明を用いてもよい。ただし、
図6ないし図9においては、図1ないし図5に示した実
施例と同様の構成要素については、同一の符号を配して
説明を省略してある。また、この実施例では、面取り部
20によって形成される切欠溝の軸線Oに対する開角γ
は30°に設定されている。
【0026】さらに、上記実施例ではいずれも切刃13
cの内周側にシンニング部19を形成し、このシンニン
グ部19と先端逃げ面13aとの交差稜線部上に当該切
刃13cの内周端13dが位置するように形成したが、
このようなシンニング部19を設けず、工具本体11の
先端側からの正面視に切刃13cが、工具外周側から径
方向に沿って真直ぐに、軸線Oから離間した内周端13
dに達するようにしてもよい。さらにまた、上記実施例
では曲刃チップ13の切刃13cを、工具外周側に向か
って図2に示すように径方向に真直ぐ延びるように形成
したが、例えば図11に示した従来例のように工具回転
方向に向けて曲折するように形成してもよい。また、各
チップ13,14における超高硬度焼結体17の厚さ等
は必要に応じて適宜変更され得るものであり、さらに直
刃チップ14は必ずしも必要でないことも勿論である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、工
具本体の先端部における回転中心部において、切削速度
が略0になることにより切刃に背分力を主とする過大な
切削抵抗が生じるのを防いで、被削材の加工面が押し潰
されるような切削作用を抑えることができ、切削のみに
よって面粗度の高い良好な加工面を得ることが可能とな
る。また、切削抵抗の低減が図られることから切刃の欠
損等も防止して工具寿命の延長が図られるとともに、切
刃の形成を容易にすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すボールエンドミル10
のすくい面13a側からの上面図である。
【図2】図1に示すボールエンドミル10の先端側から
の正面図である。
【図3】図1に示すボールエンドミル10先端部の外周
逃げ面14a側からの側面図である。
【図4】図1に示すボールエンドミル10先端部のすく
い面13b側からの拡大上面図である。
【図5】図1に示すボールエンドミル10先端部の回転
中心部の先端側からの拡大正面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示すボールエンドミル2
1の上面図である。
【図7】図6に示すボールエンドミル21の正面図であ
る。
【図8】図6に示すボールエンドミル21先端部の側面
図である。
【図9】図6に示すボールエンドミル21先端部の拡大
上面図である。
【図10】従来のボールエンドミル1先端部の拡大上面
図である。
【図11】図10に示すボールエンドミル1の正面図で
ある。
【符号の説明】
10,21 ボールエンドミル 11 工具本体 13 曲刃チップ 13a 先端逃げ面 13b すくい面 13c 切刃 13d 切刃13cの内周端 19 シンニング部 20 面取り部 O 軸線 e すくい面13b側からの上面視における内周端13
dの軸線Oからの離間量 R 切刃13cがなす円弧の半径 A 工具回転方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の先端部
    に、工具外周側から内周側に向かって、上記工具本体の
    径方向からみて円弧状を呈する少なくとも一の切刃が形
    成されて成るボールエンドミルにおいて、 上記切刃は、当該切刃が円弧状を呈する上記径方向から
    みて上記軸線に達することなく、該切刃の内周端が上記
    軸線から工具外周側に離間する位置に形成されているこ
    とを特徴とするボールエンドミル。
  2. 【請求項2】 上記切刃が円弧状を呈する上記径方向視
    において、該切刃の上記内周端の上記軸線からの離間量
    e(mm)が、当該切刃がなす上記円弧の半径R(mm)に対し
    て、 (R2−e21/2≦R−0.0005(mm) なる関係を満たしていることを特徴とする請求項1記載
    のボールエンドミル。
JP14811193A 1993-06-18 1993-06-18 ボールエンドミル Pending JPH071218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14811193A JPH071218A (ja) 1993-06-18 1993-06-18 ボールエンドミル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14811193A JPH071218A (ja) 1993-06-18 1993-06-18 ボールエンドミル

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