JPH0712166A - ハイドロリックダンパー - Google Patents

ハイドロリックダンパー

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Publication number
JPH0712166A
JPH0712166A JP15391793A JP15391793A JPH0712166A JP H0712166 A JPH0712166 A JP H0712166A JP 15391793 A JP15391793 A JP 15391793A JP 15391793 A JP15391793 A JP 15391793A JP H0712166 A JPH0712166 A JP H0712166A
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JP
Japan
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rotary shaft
shaft
blades
braking force
hydraulic damper
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Application number
JP15391793A
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Inventor
Asaharu Nakagawa
朝晴 中川
Mitsuru Tanigawa
満 谷川
Hidekazu Yasui
秀和 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitagawa Industries Co Ltd
Original Assignee
Kitagawa Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘性流体による粘性抵抗を利用して回転軸の
回転運動を制動させるハイドロリックダンパーにおい
て、簡単な構造で制動力を任意に調整可能にする。 【構成】 ダンパー2は、内部に円筒状の密閉室10が
形成された本体5と、密閉室10に固定されたリング部
材6と、密閉室10に回動自在に支持された回転軸8と
を備えており、密閉室10には粘性流体9が充填されて
いる。回転軸8の内部には、一対の羽根14a,14b
が、ガイド24a,25a及びガイド24b,25bに
よって回転軸8の側面から出し入れ自在に支持されてお
り、羽根14a,14bに設けられた直線状のギア26
a,26bと、回転軸8に挿入された調整軸27の先端
部に形成されたギアとが噛み合っている。従って、調整
軸27を回せば、羽根14a,14bの突出長が矢印の
ように変化して粘性流体9との粘性抵抗が変化するた
め、回転軸8の回転運動に対する制動力が調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘性流体による粘性抵
抗を利用して、ドアの開閉機構をはじめ、精密加工用ロ
ボット,OA機器,電気製品等の各種機構の動作に制動
力を与えるハイドロリックダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のハイドロリックダン
パーとしては、例えば、粘性流体を充填した密閉室に、
羽根を設けた回転軸を挿入し、回転軸が回転するときに
羽根と粘性流体との間に生じる粘性抵抗によって、回転
軸の回転を制動させるというものが知られている。
【0003】しかし、このようなハイドロリックダンパ
ーでは、回転軸に設けられた羽根と粘性流体との粘性抵
抗は常に一定であるため、制動力を調整することができ
ず、適用する装置や機構毎に、羽根の長さや密閉室の寸
法、或は粘性流体の材質等を適宜変更しなければならな
かった。
【0004】また、当然、このハイドロリックダンパー
では、回転軸が360度回転する間で羽根により生じる
抵抗力は一定であるため、常に一定の制動力を得ること
しかできず、各種機構の運動に減速の必要が無いときに
でも必要以上の制動力を生じてしまったり、逆に、大き
な減速が必要なときに制動力が足りなかったりしてい
た。従って、例えば、各種機構を、その動作の開始時に
は、制動力を大きくして緩やかに動作させ、その他で
は、制動力を小さくして高速に動作させるというような
制御をすることはできなかった。
【0005】そこで、このような観点から、例えば、特
公平3ー68250号公報に開示されているように、制
動力を任意に調整することができる多筒式のハイドロリ
ックダンパーが提案されるに至っている。この多筒式の
ダンパーは、外力により回転自在な回転軸を軸止する円
筒状の本体に、粘性流体を密閉した密閉室を設け、この
密閉室内に、回転軸と共に回転する複数の縦割れの可動
円筒と、回転軸に対して回転しない複数の縦割れの固定
円筒とを交互に配設すると共に、本体内部に設けた調整
機構によって、各円筒相互間の離間距離を変化させるこ
とにより制動力を調整するように構成されている。
【0006】つまり、この多筒式のダンパーにおいて、
制動力は、各可動円筒と各固定円筒との相互間隔によっ
て決まり、調整機構によって各円筒相互間の離間距離を
小さくすると回転軸の制動力は増加し、逆に、各円筒相
互間の離間距離を大きくすると回転軸の制動力は減少す
るのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記多
筒式のダンパーでは、その制動力を調整することはでき
るものの、内部構造が極めて複雑であり、それ故に壊れ
やすいという問題があった。そして、これは、一定の動
作を頻繁に繰り返すダンパーにとって最も大きな問題で
あった。
【0008】そこで、本発明は、構造が簡単で、かつ、
制動力を任意に調整可能なハイドロリックダンパーを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、上記問題を解決す
るためになされた本発明は、内部に密閉室を備えた本体
と、該本体の密閉室に挿入され、少なくとも一端が該本
体から突出した回転軸と、前記本体の密閉室内において
前記回転軸に設けられた羽根と、前記本体の密閉室内に
充填された粘性流体と、を備えたハイドロリックダンパ
ーにおいて、前記羽根を前記回転軸に対して出し入れ可
能にすると共に、前記回転軸の内部に、前記羽根の該回
転軸からの突出長を調整する調整機構を設けたこと、を
特徴とするハイドロリックダンパーを要旨としている。
【0010】
【作用及び発明の効果】本発明のハイドロリックダンパ
ーにおいて、本体内の密閉室に挿入された回転軸には、
この密閉室内において羽根が出し入れ可能に設けられて
おり、この羽根の回転軸からの突出長は、回転軸の内部
に設けられた調整機構によって調整される。そして、調
整機構により羽根の突出長を大きくすれば、回転軸が回
転したときに、本体の密閉室内において羽根と粘性流体
との間で生じる粘性抵抗が増加し、回転軸に対する制動
力が大きくなる。逆に、調整機構により羽根の突出長を
小さくすれば、羽根と粘性流体との間で生じる粘性抵抗
が減少し、回転軸に対する制動力が小さくなる。
【0011】つまり、本発明のハイドロリックダンパー
によれば、本体から突出した回転軸の端部に各種機構を
接続することにより、その機構の回転動作に制動力を与
えることができ、しかも、調整機構により回転軸からの
羽根の突出長を調整するだけで、最適な制動力を設定す
ることができる。
【0012】また、所定の制御装置によって、調整機構
を駆動制御するように構成すれば、例えば、各種機構
を、その動作の開始時には、制動力を大きくして緩やか
に動作させ、それ以外では、制動力を小さくして高速に
動作させるといった緻密な制動力調整制御を行うことが
できるようになる。そして、この場合、回転軸からの羽
根の突出長を僅かに変化させるだけで、制動力を十分に
変化させることができるため、制御応答性も非常によ
い。
【0013】そして特に、本発明のハイドロリックダン
パーによれば、上述のような制動力調整機能が極めて簡
単な構成で実現できるため、優れた耐久性を得ることが
できるようになる。
【0014】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下に本発明の好適な第1実施例を図
面と共に説明する。図2に示すように、本実施例のハイ
ドロリックダンパー2は、偏平な中空円筒状に形成され
一端が開口された本体5と、本体5の中空部の内周壁に
沿って固定されたリング部材6と、本体5の中空部の中
心位置に回動自在に挿入された回転軸8と、本体5の開
口部を閉塞して、その中空部内に粘性流体9を充填した
密閉室10を形成する円盤状の蓋12と、を備えてい
る。尚、便宜上、図2において回転軸8だけは外観を表
している。
【0015】回転軸8は、その部位によって3種類の径
を有する円筒状に形成されており、本体5の密閉室10
に収納される大径のローター部8aと、ローター部8a
から図2において上方へ伸び、蓋12の中心位置に設け
られた孔12aから突出して回転運動の制御対象となる
外部機構に接続される小径の接続部8bと、ローター部
8aから図2において下方へ伸び、本体5の底部の中心
位置に設けられた孔5aから突出する中径の下端部8c
とからなる。そして、後で詳述するように、ローター部
8aの側面には、一対の羽根14a,14bが夫々相反
する外側方向に出し入れ自在に設けられており、下端部
8cの端面に取り付けられた調整用摘み16を回すこと
により、羽根14a,14bの突出長が調整できるよう
に構成されている。
【0016】ここで、図2に示すように、本体5の開口
部の内周面には、蓋12の外周面に螺設されたネジ12
bに螺合するネジ5bが螺設されている。また、本体5
の密閉室10の上部周辺には凹部5cが形成されてお
り、この凹部5cには、本体5の開口部と蓋12との間
から粘性流体9が漏れないようにするためのOリング1
8が取り付けられている。また更に、本体5の底部の中
心位置に設けられた孔5aの周辺部には、回転軸8のロ
ーター部8aとほぼ同一の径に形成された円筒状の凹部
5dが形成されており、回転軸8の下端部8cを本体5
の孔5aに挿入したときに、ローター部8aが回動自在
に支持されるようになっている。そして更に、その凹部
5dには、孔5aを中心とする凹部5eが形成されてお
り、この凹部5eには、回転軸8の下端部8cと孔5a
との間から粘性流体9が漏れないようにするためのOリ
ング20が取り付けられている。
【0017】一方、蓋12の中心位置に設けられた孔1
2aの周辺部には、回転軸8のローター部8aとほぼ同
一の径に形成された円筒状の凹部12cが形成されてお
り、回転軸8の接続部8bを蓋12の孔12aに挿入し
たときに、ローター部8aが回動自在に支持されるよう
になっている。また、その凹部12cには、孔12aを
中心とする円形の溝12dが形成されており、この溝1
2dには、回転軸8の接続部8bと孔12aとの間から
粘性流体9が漏れないようにするためのOリング22が
取り付けられている。
【0018】そして、本実施例のハイドロリックダンパ
ー2は、図2に示すように、本体5の中空部の内周壁に
リング部材6を挿入固定すると共に、本体5の孔5aに
回転軸8の下端部8cを挿入し、更に本体5の中空部に
粘性流体9を充填した後、回転軸8の接続部8bを蓋1
2の孔12aに挿通しながら、蓋12のネジ12bと本
体5のネジ5bとを螺合させ、本体5の開口部を閉塞し
て密閉室10を形成することにより構成されている。
【0019】次に、本発明の要旨である回転軸8の内部
構造について、図1及び図3を用いて詳細に説明する。
尚、図1は、ハイドロリックダンパー2を図2における
A−Aの位置で切断したときの断面図であり、図3は、
ハイドロリックダンパー2を図2におけるB−Bの位置
で切断したときの断面図である。
【0020】図1及び図3に示すように、回転軸8のロ
ーター部8aの内部には、対向する内周面から軸中心方
向へ向けて、夫々ガイド24a,24bが形成されてお
り、ガイド24a,24bに対して並行に羽根14a,
14bの厚さだけ隔てた位置には、夫々ガイド25a,
25bが形成されている。そして、羽根14aはガイド
24aとガイド25aとによって、羽根14bはガイド
24bとガイド25bとによって、夫々、ローター部8
aの側面から相反する方向に出し入れ自在に挟持されて
いる。また、羽根14a,14bの各ガイド24a,2
4b側の側面には、夫々、ラック26a,26bが形成
されている。
【0021】そして、ガイド24aとガイド24bとの
間、即ち、ローター部8aの軸中心位置には、先端部の
外周面にピニオン27aが形成された調整軸27が下端
部8cから挿入されており、調整軸27のピニオン27
aは、ローター部8a内において、羽根14a,14b
のラック26a,26bに噛み合っている。また、回転
軸8の下端部8cから突出した調整軸27の端部には、
上述した調整用摘み16が取り付けられている。
【0022】即ち、この調整用摘み16を回すことによ
り調整軸27が回動し、調整軸27のピニオン27aが
羽根14a,14bのラック26a,26bに噛み合っ
て、羽根14a,14bが、図1の矢印に示すように、
ローター部8aの側面から出し入れされることとなる。
つまり、羽根14a,14bのラック26a,26bと
調整軸27(ピニオン27a)及び調整用摘み16とが
本発明の調整機構に対応している。
【0023】尚、図1に示すように、羽根14a,14
bのローター部8aから突出しない側の端部には、夫
々、突起28a,28bが形成されており、この突起2
8a,28bがガイド25a,25bの端部に当接する
ことにより、羽根14a,14bの最大突出長が規制さ
れ、逆に、この突起28a,28bが、ローター部8a
の内周面に当接することにより、羽根14a,14bの
最小突出長が規制されるようになっている。
【0024】ここで、図3に示すように、回転軸8の接
続部8bとローター部8aとは一体に形成されている
が、下端部8cだけは別体で形成されている。つまり、
回転軸8の下端部8cは、調整軸27をローター部8a
内で所定の摩擦力を伴って回動自在に支持するためにロ
ーター部8aの下面に取り付けられた円筒状のキャップ
30である。
【0025】このキャップ30の開口部の内周面には、
ローター部8aの下端に周設されたネジ8dに螺合する
ネジ30aが螺設されており、キャップ30の中心部に
は、ローター部8aから突出した調整軸27の端部を挿
通するための孔30bが設けられている。また、この孔
30bのローター部8c側の周囲には、凹部32が形成
されており、この凹部32には、孔30bと調整軸27
との間から粘性流体9が漏れないようにするため、及
び、調整軸27に所定の摩擦力を与えるためのOリング
34が取り付けられている。
【0026】そして、調整軸27の所定位置には、調整
軸27自身がキャップ30、即ち回転軸8の下端部8c
から抜けないようにするためのフランジ27bが形成さ
れており、この調整軸27を、ピニオン27aが形成さ
れた側からローター部8aに挿入し、ローター部8aか
ら突出した調整軸27の端部をキャップ30の孔30b
に挿通した状態で、キャップ30のネジ30aを、ロー
ター部8aのネジ8dに螺合することにより、調整軸2
7がローター部8a内で所定の摩擦力を伴って回動自在
に支持されている。
【0027】つまり、調整軸27は、Oリング34によ
り所定の摩擦力を伴って、回転軸8内に回動自在に支持
されることとなり、調整用摘み16を回したとき以外
は、回転軸8に対して回転しないようになっている。ま
た、回転軸8の接続部8b及びローター部8aは、実際
には、図1及び図2の一点鎖線で示すように、その軸方
向に2分割された半円柱状の部材を夫々接合することに
より形成されている。
【0028】つまり、接続部8b及びローター部8a
は、2分割された半円柱の状態で、羽根14a,14b
を、夫々、ガイド24aとガイド25aとの間、及び、
ガイド24bとガイド25bとの間に挿入し、その後、
接合されることより形成されている。そして、このよう
に回転軸8の接続部8b及びローター部8aを形成する
ことにより、羽根14a,14bを容易にローター部8
a内に配設できるようにしているのである。
【0029】次に、ハイドロリックダンパー2の底面図
を図4に示す。図4に示すように、調整用摘み16に
は、それを容易に回すことができるように、プラスドラ
イバー及びマイナスドライバー兼用の十字溝16aが形
成されており、更に、回転軸8の下端部8c(キャップ
30)に対する現在の回転位置が分かるように”・”印
が表示されている。また、回転軸8の下端部8cには、
羽根14a,14bのローター部8aからの突出長を示
す目盛りが表示されている。
【0030】以上のように構成された本実施例のハイド
ロリックダンパー2においては、調整用摘み16をドラ
イバー等で、図4において反時計廻りに回せば、羽根1
4a,14bが回転軸8のローター部8aからより多く
突出し、回転軸8が回転したときに、羽根14a,14
bと密閉室10内の粘性流体9との間に生ずる粘性抵抗
が増加して、回転軸8の回転運動に対する制動力が増加
する。
【0031】また、逆に、調整用摘み16を、図4にお
いて時計廻りに回せば、羽根14a,14bのローター
部8aに対する突出長が小さくなり、回転軸8が回転し
たときに、羽根14a,14bと粘性流体9との間で生
ずる粘性抵抗が減少して、回転軸8の回転運動に対する
制動力が減少する。
【0032】即ち、本実施例のハイドロリックダンパー
2によれば、蓋12から突出した回転軸8の接続部8b
に、回転運動の制御対象となる各種機構を接続すること
により、その機構の回転運動に制動力を与えることがで
き、しかも、本体5の底面から突出した回転軸8の下端
部8cに設けられた調整用摘み16を回すだけで、回転
軸8のローター部8aに設けられた羽根14a,14b
の突出長を変化させ、最適な制動力を設定することがで
きるようになる。
【0033】そして特に、本実施例のハイドロリックダ
ンパー2によれば、制動力の調整機能が極めて簡単な構
成で実現されているため、優れた耐久性を得ることがで
きる。例えば、本実施例のハイドロリックダンパー2
を、シャッターに適用する場合には、シャッターの巻き
上げロールの軸に回転軸8の接続部8bを接続するよう
に構成すればよい。また、レール上を移動する門扉に適
用する場合には、門扉のローラに回転軸8の接続部8b
を接続するように構成すればよい。そして、このように
構成すれば、シャッターや門扉の開閉速度を任意に調整
することができるようになる。
【0034】尚、上述の実施例において、本体5の中空
部内にリング部材6を設けているのは、ローター部8a
及び羽根14a,14bに対する密閉室10の形状を、
リング部材6の交換だけで容易に変更することができる
ようにするためである。例えば、上述の実施例におい
て、リング部材6の内周の形状は真円であったが、その
形状を楕円にすれば、羽根14a,14bの突出長が同
じであっても、回転軸8の回転角度によって、羽根14
a,14bとリング部材6との離間距離が変化するた
め、回転軸8の回転角度によって、種々の制動力を得る
ことができるようになる。
【0035】また、上述の実施例において、ローター部
8aに設けた羽根14a,14bは2枚であったが、こ
の枚数は、必要に応じて適宜設定すればよい。ここで、
上述の第1実施例においては、ハイドロリックダンパー
2の制動力を、手動によって調整する場合について説明
したが、この場合では、回転軸8が1回転する間で、羽
根14a,14bにより生じる粘性抵抗は一定であるた
め、常に一定の制動力を得ることしかできなかった。
【0036】そこで、以下に、第2実施例として、回転
軸が回転中に、その制動力を任意に調整可能なハイドロ
リックダンパーについて説明する。本実施例のハイドロ
リックダンパー40は、第1実施例のハイドロリックダ
ンパー2における、回転軸8の下端部8c(キャップ3
0)と調整軸27とに相当する部分が、周知のステッピ
ングモータの原理を利用した一体のアクチュエータとし
て構成されており、その他の構成については、概ね同じ
であるため、この相違点を中心に説明する。
【0037】図5に示すように、本実施例のハイドロリ
ックダンパー40において、回転軸42のローター部8
aから下方向に突出した調整軸44の端部は、所謂ステ
ッピングモータのローターとして構成されており、その
外周面には、周知の歯が形成されている。そして、ロー
ター部8aの下端には、この調整軸44の端部を覆うよ
うに、回転軸42の下端部42cとしてのキャップ46
が取り付けられており、その内部は円筒状に形成されて
いる。このキャップ46の内部において、調整軸44の
端部(ローター)の周囲には、周知の極歯を備えた図示
しないステータ鉄芯が挿入されており、このステータ鉄
芯には、2相のコイル48が巻装されている。また、キ
ャップ46の外周面には、2相のコイル48の各両端に
夫々接続された電極50a〜50dが周設されている。
【0038】一方、本体5の底面において、キャップ4
6の周囲には、円筒状のカバー52が取り付けられてお
り、このカバー52の所定位置には、キャップ46の電
極50a〜50dに夫々接触する電極54a〜54dが
固定されている。そして、電極54a〜54dには、夫
々、電線56a〜56dが接続されており、この電線5
6a〜56dを介して、カバー52の外部から、キャッ
プ46の2相のコイル48に給電するように構成されて
いる。
【0039】つまり、本実施例のハイドロリックダンパ
ー40では、調整軸44とキャップ46とによって周知
のステッピングモータを構成しており、電線56a〜5
6dを介してキャップ46内の2相のコイル48を励磁
することにより、調整軸44を回転軸42に対して任意
の角度に回転させるようにしているのである。
【0040】尚、キャップ46の開口部の内周面には、
ネジ46aが螺設されており、キャップ46と回転軸4
2のローター部8aとの接続は、第1実施例の場合と全
く同様に、ローター部8aの下端に周設されたネジ8d
に、キャップ46のネジ46aを螺合することにより行
われている。また、キャップ46には、第1実施例にお
けるキャップ30のOリング34と全く同様に、Oリン
グ58が取り付けられており、粘性流体9が漏れること
と、調整軸44が回転軸42に対して容易に回転してし
まうこととが防止されている。
【0041】また、カバー52の開口部における外周面
には、ネジ52aが螺設されており、このネジ52a
を、本体5の底面においてキャップ46の周辺に螺設さ
れたネジ5fに螺合することにより、カバー52が本体
5の底面に固定されている。このように構成された本実
施例のハイドロリックダンパー40においては、カバー
52から引き出された電線56a〜56dを所定の通電
駆動回路に接続し、それをコンピュータ等の制御装置で
制御することにより、制動力を任意に制御可能となる。
即ち、制御装置により電線56a〜56dを介してキャ
ップ46の2相のコイル48に通電すると、それに応じ
て調整軸44が回転軸42に対して回転し、羽根14
a,14bのローター部8aからの突出長が変化するの
である。
【0042】そして、本実施例においては、電線56a
〜56dと2相のコイル48とは、カバー52、即ち本
体5に固定された電極54a〜54dと、キャップ46
に周設した電極50a〜50dとによって接続されてい
るため、回転軸42(キャップ46)が回転している最
中でも、2相のコイル48への通電制御が可能となって
いる。
【0043】従って、本実施例のハイドロリックダンパ
ー40によれば、例えば、精密加工用ロボット,OA機
器,電気製品等の回転運動の制御対象となる各種機構
を、その動作の開始時には、制動力を大きくして緩やか
に動作させ、その他では、制動力を小さくして高速に動
作させるといった、緻密な制動力の調整制御をすること
ができるようになる。そして、この場合、ローター部8
aからの羽根14a,14bの突出長を僅かに変化させ
るだけで、制動力を十分に変化させることができるた
め、制御応答性も非常によい。
【0044】尚、上述の第2実施例のハイドロリックダ
ンパー40は、回転軸42の下端部42cとしてのキャ
ップ46と調整軸44とを、一体のアクチュエータとし
て構成したものであったが、例えば、キャップ46内に
モータ等のアクチュエータを固定しておき、このモータ
の回転軸と調整軸44とを連結することにより、調整軸
44を回転軸42に対して回転させるように構成しても
よい。また、そのモータの回転軸と調整軸44とをギア
等の減速機構を介して接続するように構成してもよい。
【0045】また、上述の第2実施例のハイドロリック
ダンパー40において、密閉室10の内周壁となるリン
グ部材6の内周壁の所定位置に突起を形成しておき、羽
根14a,14bが、この突起の寸前まで回転してきた
ときに、羽根14a,14bの突出長を大きくするよう
に制御すれば、羽根14a,14bが、その突起に当接
して、その位置で、回転軸42の回転を確実に停止させ
ることができるようになる。
【0046】ここで、上述の第1及び第2実施例では、
羽根14a,14bに形成したラック26a,26b
と、調整軸27,44の先端に形成したピニオン27a
とを噛み合わせることにより、回転軸8,42に対する
羽根14a,14bの突出長を調整するものであった
が、本発明の調整機構は、このような構成に限定される
ものではない。
【0047】例えば、図6に示すように、回転軸60の
ローター部60aに、2枚の羽根62a,62bを、バ
ネ64によって互いに近接する方向に付勢力が与えられ
るように配設し、羽根62aと羽根62bとの間に、先
端が円錐状に形成された調整軸66を挿入するように構
成してもよい。
【0048】そして、この場合、羽根62aと羽根62
bとの間への調整軸66の挿入量を増やすと、羽根62
a,62b同士の間隔が大きくなって、羽根62a,6
2bのローター部60aに対する突出長が増加し、逆
に、調整軸66の挿入量を減らすと、バネ64の付勢力
によって羽根62a,62b同士の間隔が小さくなっ
て、羽根62a,62bのローター部60aに対する突
出長が減少することとなる。
【0049】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の回転軸8を説明するために、ハ
イドロリックダンパー2を軸方向に垂直な方向に切断し
た場合の断面図である。
【図2】 第1実施例のハイドロリックダンパー2の全
体構成を説明する説明図である。
【図3】 第1実施例の回転軸8を説明するために、ハ
イドロリックダンパー2を軸方向に切断した場合の断面
図である。
【図4】 第1実施例のハイドロリックダンパー2の底
面図である。
【図5】 第2実施例のハイドロリックダンパー40を
説明する説明図である。
【図6】 その他の調整機構を説明する説明図である。
【符号の説明】
2,40…ハイドロリックダンパー 5…本体 8,42,60…回転軸 9…粘性流体
10…密閉室 14a,14b,62a,62b…羽根
16…調整用摘み 26a,26b…ラック 27a…ピニオ
ン 27,44,66…調整軸 64…バネ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に密閉室を備えた本体と、 該本体の密閉室に挿入され、少なくとも一端が該本体か
    ら突出した回転軸と、 前記本体の密閉室内において前記回転軸に設けられた羽
    根と、 前記本体の密閉室内に充填された粘性流体と、 を備えたハイドロリックダンパーにおいて、 前記羽根を前記回転軸に対して出し入れ可能にすると共
    に、 前記回転軸の内部に、前記羽根の該回転軸からの突出長
    を調整する調整機構を設けたこと、 を特徴とするハイドロリックダンパー。
JP15391793A 1993-06-24 1993-06-24 ハイドロリックダンパー Pending JPH0712166A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001187934A (ja) * 1999-10-19 2001-07-10 Tok Bearing Co Ltd 回転ダンパ
KR101829767B1 (ko) * 2017-12-29 2018-02-19 박해동 가변 전단형 점성 댐퍼
JP2022057499A (ja) * 2020-09-30 2022-04-11 株式会社オリジン ダンパー

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