JPH07120760A - 高分子分散型液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

高分子分散型液晶表示装置及びその製造方法

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JPH07120760A
JPH07120760A JP28732493A JP28732493A JPH07120760A JP H07120760 A JPH07120760 A JP H07120760A JP 28732493 A JP28732493 A JP 28732493A JP 28732493 A JP28732493 A JP 28732493A JP H07120760 A JPH07120760 A JP H07120760A
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JP
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liquid crystal
polymer
display device
crystal display
substrate
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Application number
JP28732493A
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Toshiro Takei
寿郎 武井
Tetsushi Yoshida
哲志 吉田
Zenta Kikuchi
善太 菊地
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コントラストの高い画像を表示できる高分子
分散型液晶表示装置を提供することである。 【構成】 電極13、14を設けた一対の基板11、1
2をシール材15を介して接合して形成したセル10内
に、樹脂中に液晶を分散させた高分子分散液晶層16を
設けた高分子分散型液晶表示装置において、セル10の
内面に垂直配向処理を施し、基板11、12近傍の液晶
分子を垂直配向させた。また、電極13、14と基板1
1、12と基板近傍の液晶の屈折率を実質的に等しい値
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高分子分散型液晶表
示装置及びその製造方法に関し、特に、表示画像のコン
トラストが高く、応答速度が早く、電極が見えにくい高
分子分散型液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子分散型液晶表示装置は、透明電極
を設けた一対の透明基板を枠状のシール材を介して接合
して形成したセル内に、高分子樹脂中に液晶を分散させ
た高分子分散液晶層を設けたものである。液晶として
は、例えば、誘電異方性が正のネマティック液晶が使用
され、高分子樹脂としては、例えば、光硬化性の樹脂が
使用される。
【0003】高分子分散型液晶表示装置は、両透明基板
の透明電極間に電圧を印加して表示駆動される。高分子
分散液晶層中の液晶分子は電圧(電界)が印加されてい
ない状態ではさまざまな方向を向いており、高分子分散
液晶層による光散乱作用により入射光は散乱される。こ
のため、画面は曇(暗)状態となる。また、透明電極間
にしきい値電圧以上の電圧を印加すると、液晶分子が透
明基板面に対して垂直に一様に配列し、液晶のダイレク
タの方向に進む光に対する屈折率、即ち、常光屈折率と
高分子樹脂の屈折率とがほぼ等しくなる。このため、入
射光は光散乱作用をほとんど受けずに高分子分散液晶層
を透過する。従って、画面は透明(明)状態となる。
【0004】即ち、高分子分散型液晶表示装置は、透過
光量と散乱光量を制御して表示を実現するもので、偏光
板が不要であり、一般に用いられているTN型の液晶表
示装置等に比べて画面が明るいという長所を持ってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高分子分散型液晶表示
装置において、表示画像のコントラストを高めるために
は、オン時(液晶に電界を印加した状態)の光透過率を
高める必要がある。このためには、電界を印加して液晶
分子を基板に垂直方向に均一に配向させる必要がある
が、従来の高分子分散型液晶表示装置においては、アン
カリング効果等のため基板に隣接する液晶分子の自由な
動きが制限され、液晶分子を均一に垂直配向させるため
には、印加電界を高くしなければならなかった。また、
応答時間が長いという問題もあった。応答時間が長いと
いう問題は、多数の液晶シャッタを高速にオン・オフ制
御する必要のある液晶プリンタや液晶プロジェクタにお
いて顕著となる。
【0006】また、従来の高分子分散型液晶表示装置に
おいては、透明基板としてクラウン(KE)系のガラス
基板を使用し、透明電極としてITO(Indium Tin Oxi
de)電極を使用し、液晶としてネマティック液晶が使用
されている。クラウン系のガラスの屈折率は約1.5で
あり、ITOの屈折率は約1.8と大きく異なってい
る。また、ITOの屈折率は電界無印加時の液晶の平均
屈折率約1.5とも大きく異なっている。このため、入
射光が透明基板と透明電極の界面及び透明電極と液晶の
界面で反射し、透明電極が光って見えてしまうという問
題がある。
【0007】この発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、オン時に入射光を十分に透過させることができ、コ
ントラストの高い画像を表示できる高分子分散型液晶表
示装置を提供することを目的とする。また、この発明は
高速でオン・オフ動作可能な高分子分散型液晶表示装置
を提供することを目的とする。また、この発明は透明電
極が見えにくい高分子分散型液晶表示装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】上記目的を達成す
るため、この発明の第1の観点にかかる高分子分散型液
晶表示装置は、内面に電極をそれぞれ設けた一対の基板
間に樹脂と液晶との複合膜からなる高分子分散液晶層を
設けた高分子分散型液晶表示装置において、前記基板の
内面に垂直配向処理を施し、前記電極に電圧が無印加の
時に、前記基板内面近傍の液晶分子を垂直配向させたこ
とを特徴とする。
【0009】このような構成によれば、基板近傍の液晶
分子が垂直配向しているので、小さい印加電界で液晶分
子を高速に垂直配向させることができる。従って、高速
動作可能で、明るい画像を表示できる高分子分散型液晶
表示装置を提供できる。電界無印加時には、基板近傍の
液晶分子は垂直配向されるが、樹脂等の影響により高分
子分散液晶層の中央部等の液晶分子はランダムに配向す
る。このため、入射光を散乱させることができる。従っ
て、コントラストの高い表示画像が得られる。
【0010】また、この発明の第2の観点にかかる高分
子分散型液晶表示装置は、内面に電極をそれぞれ設けた
一対の基板間に、樹脂と液晶との複合膜から成る高分子
分散液晶層を設けた高分子分散型液晶表示装置におい
て、前記電極と、前記基板と、前記電極及び前記基板近
傍の液晶の屈折率を実質的に等しい値としたことを特徴
とする。
【0011】このような構成によれば、基板と電極と液
晶との屈折率がほぼ等しいため、電極が光って見えると
いう事態が防止でき、美しい表示を実現できる。このよ
うな屈折率の関係を満足するためには、例えば、電極を
インジウムとスズを含む酸化物から構成し、基板を重フ
リント系のガラス基板から構成し、基板及び電極近傍の
液晶分子を垂直配向させればよい。
【0012】また、この発明の第3の観点にかかる高分
子分散型液晶表示装置の製造方法は、一対の基板上に電
極を構成する工程と、前記基板及び電極上に液晶を垂直
配向させるための垂直配向処理を施す垂直配向処理工程
と、前記基板間に液晶と重合材料の混合溶液を配置する
工程と、前記混合溶液中の重合材料を重合させて前記液
晶と樹脂を相分離させ、高分子分散液晶層を形成する工
程、を備えることを特徴とする。
【0013】前記垂直配向処理工程は、例えば、前記基
板及び前記電極上に垂直配向剤を塗布する工程又は垂直
配向膜を形成する工程からなる。この製造方法によれ
ば、基板近傍の液晶分子が垂直配向されるので、小さい
印加電界で、液晶分子を高速に垂直配向させることがで
きるので、高速動作可能で、明るい画像を表示できる高
分子分散型液晶表示装置を提供できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1はこの発明の第1実施例の高分子分散型液晶
表示装置の断面図である。図示するように、この実施例
の高分子分散型液晶表示装置は、透明電極13、14を
設けた一対の透明基板11、12を枠状のシール材15
を介して接合して形成したセル10内に高分子分散液晶
層(高分子樹脂と液晶の複合膜)16を設けた構成とな
っている。透明基板11、12は、重フリント(SF)
系のガラス基板から構成され、透明電極13、14はI
TOから構成され、透明基板11、12と透明電極1
3、14上には垂直配向剤が塗布され、垂直配向処理が
施されている。
【0015】図2はこの実施例の高分子分散型液晶表示
装置の断面図である。図示するように、高分子分散液晶
層16は透明な高分子樹脂17中に液晶19の溜まり
(液晶溜まり、ドメイン)18を分散させた構造となっ
ている。液晶19は高分子樹脂17に網目状に形成され
た空間を充填しており、いわゆる相分離タイプのもので
ある。
【0016】垂直配向剤の働きにより、透明基板11、
12及び透明電極13、14近傍の液晶分子20は、図
2に示すように、透明電極13、14間に電圧を印加し
ていない(電界無印加)状態で、基板表面にほぼ直角に
配向する(プレチルト角がほぼ90度で配向する)。し
かし、高分子樹脂17がネットワーク状のため、液晶1
9全体としては、ランダムに配向した状態となる。この
ため、入射光は、液晶分子20により散乱され、その表
示は暗くなる。
【0017】一方、透明電極13、14間にしきい値以
上の電圧が印加された状態では、電界によりほぼ全ての
液晶分子20は、図3に示すように、基板表面にほぼ垂
直に配向する。即ち、入射光の進行方向に対し、ほぼ平
行に配向する。このため、入射光の液晶分子20による
散乱が少なくなる。また、液晶19の入射光の進行方向
に対する屈折率は約1.75となり、透明基板11、1
2、透明電極13、14、高分子樹脂17の屈折率にほ
ぼ一致する。このため、透明基板11、12と液晶19
の界面、透明電極13、14と液晶19の界面、高分子
樹脂17と液晶19の界面での光の反射が大幅に減少す
る。従って、入射光の散乱がほとんどなくなり、この高
分子分散型液晶表示装置の表示は明るく(透明状態)に
なる。
【0018】通常、基板近傍の液晶分子は基板及び電極
の表面エネルギー及びアンカリング効果により、電界が
印加されたときにもその配向がほとんど変化しない。し
かし、本実施例においては、基板内面に垂直配向処理が
施してあるので、電界が印加された時には基板近傍の液
晶を含めてほとんど全ての液晶分子が基板面に対して垂
直に配向する。従って、オフからオン(暗から明)への
高速スイッチングが可能である。
【0019】また、基板近傍の液晶19の入射光の進行
方向に対する屈折率n0(しきい値以上の印加電界の時
常光屈折率、しきい値未満の印加電界の時平均屈折率)
は、液晶分子の垂直配向により常時約1.75となる。
また、重フリント(SF)系のガラス基板11、12の
屈折率n2は約1.75であり、ITOからなる透明電
極13、14の屈折率n1は約1.75とできる。この
ため、次式(1)で表される反射率R(基板面に垂直に
入射する光の反射率)はほぼ0となり、透明電極13、
14はほとんど見えなくなる。 R=[(n1 2−n02)/(n1 2+n02)]2 ・・・(1) なお、従来の構成では、液晶19は垂直配向しておら
ず、透明基板11、12はクラウン(K)系のガラスか
ら構成され、透明電極はITOからなる。この場合、基
板近傍の液晶19の屈折率n0は電界無印加時で約1.
55、透明基板11、12の屈折率n2は約1.52、
透明電極13、14の屈折率n1は約1.75である。
この場合、その反射率Rは約0.13%であり、透明電
極13、14が見えてしまう。
【0020】以上説明したように、この実施例にかかる
高分子分散型液晶表示装置は、透明基板11、12と透
明電極13、14の内面、即ち、セル10の内面に垂直
配向剤を塗布して垂直配向処理を行ったので、電界印加
時の光透過率が向上し、コントラストの高い画像が表示
できる。また、重フリント系のガラス基板を使用するこ
とにより、透明電極13、14が光って見える事態も防
止できる。
【0021】垂直配向剤としては界面活性剤が使用でき
る。界面活性剤としては、イオン界面活性剤(陽イオン
界面活性剤、陰イオン界面活性剤)、非イオン界面活性
剤、両性界面活性剤等が知られているが、イオン界面活
性剤の場合、透明電極13、14間の漏れ電流の原因に
なり、装置の劣化を早める。また、両性界面活性剤は用
途が異なる。このため、非イオン界面活性剤を使用する
ことが望ましい。非イオン界面活性剤としては、例え
ば、アルキルポリオシエチレンエーテル、アルキルフェ
ニルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸多価アルコー
ルエステル、脂肪酸ショ糖エステルなどを使用できる。
【0022】上記実施例では、透明基板11、12及び
透明電極13、14上に垂直配向剤を塗布したが、例え
ば、図4に示すように、液晶分子20を垂直配向させる
膜(垂直配向膜)22、23を透明基板11、12の内
面に配置してもよい。また、内面反射板を用いる反射型
の液晶表示装置の場合、内面反射板の表面に垂直配向処
理を施してもよい。また、上記実施例は、単純マトリク
スタイプの高分子分散型液晶表示装置と、TFT(薄膜
トランジスタ)高分子分散型液晶表示装置等のアクティ
ブマトリクスタイプの高分子分散型液晶表示装置のいず
れにも適用可能である。また、液晶19としては、ネマ
ティック液晶に限らず、コレステリック液晶、スメクテ
ック液晶、強誘電性を有する液晶、染料を含むゲストホ
ストタイプの液晶等を用いてもよい。
【0023】次に、上記構成の高分子分散型液晶表示装
置の製造方法を説明する。まず、重フリント系ガラスか
らなる透明基板11、12の上にスパッタリング等によ
りITO(Indium Tin Oxide)膜を形成する。次に、こ
のITO膜をフォトエッチングプロセスを用いてエッチ
ングし、透明電極13、14を形成する。次に、透明基
板11、12及び透明電極13、14に垂直配向剤を塗
布し或いは垂直配向膜を形成して垂直配向処理を行う。
【0024】次に、スペーサー(図示せず)及びシール
材15を介して両透明基板11、12を接合してセル1
0を組み立てる。その後、真空注入法等により例えばネ
マティック液晶と光硬化性樹脂材料等の重合材料の混合
溶液をセル10内に注入する。混合溶液の注入は、例え
ば、真空槽内にセル10をセットして槽内を真空状態に
減圧した後、セル10の液晶注入口を混合溶液に浸漬
し、この後、真空槽内を大気圧又はそれより若干高い圧
力に昇圧させることによって行う。
【0025】混合溶液の注入が終了すると、セル10に
紫外線を照射し、セル10内の重合材料を光重合させ
て、液晶19と高分子樹脂17の相分離を行い、高分子
分散液晶層16を形成する。高分子分散液晶層16を形
成後、セル10の注入口を光硬化性樹脂等によって封止
し、図1に示した高分子分散型液晶表示装置が完成す
る。
【0026】なお、上記以外の製造方法を採用してもよ
い。例えば、以下のような製造方法を採用してよい。ま
ず、透明電極13、14を形成した透明基板11、12
上に垂直配向処理を施す。次に、一方の透明基板に液晶
19と重合材料の混合溶液をスピンコーティングする。
シール材15とスペーサを介して一方の透明基板と他方
の透明基板を接合する。その後、重合材料を重合して高
分子分散液晶層16を形成する。また、高分子樹脂17
は光重合性のものに限らず、熱重合性のものでもよい。
熱重合性の高分子樹脂を用いた場合には、加熱して液晶
と高分子樹脂の相分離を行う。
【0027】垂直配向処理を施さないガラス基板間に高
分子分散液晶層を形成した相分離型の高分子分散型液晶
表示装置と、垂直配向処理を施したガラス基板間に高分
子分散液晶層を形成した相分離型の高分子分散型液晶表
示装置について、表示画像のコントラストを測定した。
測定の結果、透明基板に垂直配向処理を施した高分子分
散型液晶表示装置の方が、コントラストが高いことが確
認された。これは、前述のように、垂直配向処理によ
り、オン時の光透過率が向上したためである。
【0028】次に、この発明の第2実施例を説明する。
この第2実施例は、第1実施例の高分子分散型液晶表示
装置を光シャッタとして使用した液晶プリンタに関す
る。図5に示すように、この液晶プリンタは、光源10
1、液晶シャッタ102、集光レンズ103、感光ドラ
ム104、紙送り機構105、帯電部106、トナー供
給部107、スリット108、除去部109、定着部1
10、制御部111を備える。
【0029】光源101は、光を有効利用するため、発
光管と反射光を一体的に配置したものである。液晶シャ
ッタ102は第1実施例で説明した構成を有する高分子
分散型液晶表示装置から構成され、ライン状に配置され
た複数の光シャッタを有する。また、液晶19として、
二色性染料を含むゲストホストタイプの液晶を使用す
る。
【0030】集光レンズ103は液晶シャッタ102の
表示画像、即ち、液晶シャッタ102の透過光を感光ド
ラム104上に集光する。感光ドラム104は感光体か
らなるドラムであり、帯電部106により帯電され、受
光部分の電荷が消失することにより潜像を形成する。
【0031】紙送り機構105は、感光ドラム104の
回転に同期して記録媒体(紙等)を搬送する。帯電部1
06は感光ドラム104の表面を帯電させる。トナー供
給部107は感光体104の表面にトナーを散布し、潜
像に対応するトナー像を形成する。スリット108は集
光レンズ103からの光のうち、散乱光等の不要光をカ
ットする。除去部109は感光ドラム104の電荷及び
不要トナーを除去する。定着部110は感光体104か
ら記録媒体に転写されたトナー像を加熱して定着する。
【0032】制御部111は、液晶シャッタ102の電
極に印加する電圧を印字データに応じて制御することに
より、各光シャッタをオン・オフする。また、制御部1
11は光シャッタのオン・オフに同期して感光ドラム1
04を回転させ、感光ドラム104の回転に同期して紙
送り機構105による記録媒体の搬送を制御する。
【0033】次に、この液晶プリンタの動作を説明す
る。制御部111は印字データに応じて、液晶シャッタ
102の電極に供給する電圧を制御し、各光シャッタを
オン・オフすると共に感光ドラム104を回転させる。
感光ドラム104の表面は帯電部106により帯電され
る。光シャッタのオン・オフによる明暗パターンは集光
レンズ103により帯電済みの感光ドラム104上に投
影される。この際、集光レンズ103からの光のうち散
乱光等の不要部分がスリット108によりカットされ
る。感光ドラム104の受光部分は電荷を失い、潜像が
形成される。
【0034】潜像が形成された感光ドラム104上にト
ナー供給部107によりトナーが散布され、帯電部分に
トナーが付着し、潜像に対応するトナー像が形成され
る。紙送り機構105は、制御部111の制御下に感光
ドラム104の回転に同期して記録媒体(紙等)を搬送
し、感光体104上のトナー像を記録媒体に転写する。
定着部110は、加熱してトナー像を記録媒体に定着す
る。転写終了後、感光ドラム104の表面の電荷及び不
要トナーが除去部109により除去される。
【0035】高分子分散型液晶表示装置は、偏光板を必
要とせず、表示が明るいという特徴を有する。このた
め、上記構成とすることにより、光源101の出力を小
さくでき、液晶プリンタを低消費電力化することができ
る。また、光シャッタとして第1実施例の高分子分散型
液晶表示装置を使用しているので、高速動作及び出力画
像の高コントラスト化が可能となる。また、液晶として
ゲストホストタイプのものを使用することにより、染料
による光の吸収によりオフを暗くでき、さらに高いコン
トラストが得られる。
【0036】次に、この発明の第3実施例を説明する。
この第3実施例は、第1実施例の高分子分散型液晶表示
装置を表示素子として使用した液晶プロジェクタに関す
る。図6に示すように、この液晶プロジェクタは、光源
201、カラーフィルタ202、平板マイクロレンズ2
03、表示部204、集光レンズ205、絞り206、
投射レンズ207を備える。
【0037】光源201は、光を有効に使用するため、
メタルハライドランプ等の発光管と反射鏡を一体的に配
置したものである。カラーフィルタ202は、染料や顔
料を用いたもの、或いは、光学多層膜から構成される。
一枚の基板に3原色(赤、緑、青)のフィルタを配置し
てもよく、また、3枚の基板に異なった色のフィルタを
形成し、色を合成しても良い。色を合成する場合は、マ
イクロレンズ202と表示部204も色毎に配置し、こ
れらの透過光を合成する。
【0038】表示部204は第1実施例にかかる高分子
分散型液晶表示装置から構成され、二次元画像を表示す
る。一般に、高分子分散型液晶表示装置は、時分割性能
が低く、表示容量が小さい。そこで、本実施例では、表
示容量の大きいアクティブマトリクスタイプの高分子分
散型液晶表示装置を使用する。
【0039】アクティブマトリクスタイプの高分子分散
型液晶表示装置の一方の透明基板には、図7に示すよう
に、アドレス配線221、データ配線222、アドレス
配線とデータ配線の交点に配置された薄膜トランジスタ
223及び画素電極(表示電極)224を備える。アド
レス配線221は、データを書き込む画素を選択するた
めのもので、対応する薄膜トランジスタ223のゲート
電極に接続される。データ配線222は、画素に書き込
むデータを供給するためのもので、対応する薄膜トラン
ジスタ223のドレイン電極に接続される。薄膜トラン
ジスタ223のソース電極は対応する画素電極224に
接続される。アドレス配線221、データ配線222、
画素電極224は、ITO等の透明導電膜から構成され
る。一方、他方の基板には、対向電極が形成されてい
る。
【0040】薄膜トランジスタ223の形成部分は、光
を透過しない。このため、マイクロレンズ203は、フ
ィルタ202からの光を薄膜トランジスタ223を避け
て画素電極224上に集光する。集光レンズ205は、
表示部204を透過した光を絞り206の開口部分に集
光する。このため、表示部204を構成する高分子分散
型液晶表示装置がオンの時、画素から出射した光は、集
光レンズ205、絞り206を通って投射レンズ207
に至る。一方、表示部204を構成する高分子分散型液
晶表示装置がオフの時、画素から出射する光は散乱光で
ある。このため、集光レンズ205を透過した光は絞り
206によりカットされ、投射レンズ207に到達しな
い。投射レンズ207は供給された光(画像)をスクリ
ーン208に投射する。スクリーン208は、投射レン
ズ207からの投射光を反射光として利用するフロント
型、透過光として使用するリア型のいずれでもよい。
【0041】このような構成によれば、平板マイクロレ
ンズ203の働きにより、アクティブマトリクスタイプ
の高分子分散型液晶表示装置の画素電極を透過する光量
を増加することができる。従って、小容量の光源201
を用いて明るい画像を投射できる。また、表示部204
として、第1実施例の構造を有するアクティブマトリク
スタイプの高分子分散型液晶表示装置を使用することに
より、動作速度が早く、コントラストの高い画像を表示
できる。
【0042】なお、この発明は上記実施例に限定されな
い。例えば、第1実施例では、透明基板、透明電極、液
晶の屈折率は完全に一致しなくてもよく、その差を約5
%(望ましくは3%)以内に納めれば、ほぼ一致してい
ると見なせ、透明電極による反射は実質的に抑えること
ができる。また、透明基板と透明電極の材質は、それぞ
れ、重フリント系のガラス基板、ITO膜である必要は
なく他の材料を使用してもよい。また、垂直配向剤とし
て非イオン界面活性剤を使用したが、他の垂直配向剤を
使用してもよい。第2、第3実施例においては、第1実
施例の高分子分散型液晶表示装置を使用したが、他の構
成の高分子分散型液晶表示装置を使用してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の高分子
分散型液晶表示装置によれば、高速動作可能で、高コン
トラストの画像が得られる。基板と電極と液晶の屈折率
をほぼ等しい値とすることにより、電極が光って見える
という事態を防止でき、美しい表示を実現できる。ま
た、この発明にかかる高分子分散型液晶表示装置の製造
方法によれば、高速動作可能で、高コントラストの画像
が得られる高分子分散型液晶表示装置が得られる。基板
と電極と液晶の屈折率をほぼ等しい値とすることによ
り、電極が光って見えるという事態を防止でき、美しい
表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例にかかる高分子分散型液
晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す高分子分散型液晶表示装置の構成及
び電界無印加時の液晶分子の配向状態を説明するための
拡大断面図である。
【図3】電界印加時の液晶分子の配向状態を説明するた
めの図である。
【図4】透明基板内面に垂直配向膜が形成された高分子
分散型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図5】この発明の第2実施例にかかる液晶プリンタの
構造を示す図である。
【図6】この発明の第3実施例にかかる液晶プロジェク
タの構造を示す図である。
【図7】図6に示す表示部の構成を説明するための平面
図である。
【符号の説明】
11、12・・・透明基板、13、14・・・透明電極、15
・・・シール材、16・・・高分子分散液晶層、17・・・高分
子樹脂、18・・・液晶溜まり(ドメイン)、19・・・液
晶、20・・・液晶分子、22、23・・・垂直配向膜、10
1・・・光源、102・・・液晶シャッタ、103・・・集光レ
ンズ、104・・・感光ドラム、104・・・紙送り機構、1
05・・・帯電部、106・・・トナー供給部、108・・・ス
リット、109・・・除去部、110・・・定着部、111・・
・制御部、201・・・光源、202・・・カラーフィルタ、
203・・・平板マイクロレンズ、204・・・表示部、20
5・・・集光レンズ、206・・・絞り、207・・・投射レン
ズ、208・・・スクリーン、221・・・アドレス配線、2
22・・・データ配線、223・・・薄膜トランジスタ、22
4・・・画素電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に電極をそれぞれ設けた一対の基板間
    に樹脂と液晶との複合膜からなる高分子分散液晶層を設
    けた高分子分散型液晶表示装置において、 前記基板の内面に垂直配向処理を施し、前記電極に電圧
    が無印加の時に、前記基板内面近傍の液晶分子を垂直配
    向させたことを特徴とする高分子分散型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記電極はインジウムとスズとを含む酸化
    物から構成され、前記基板は重フリント系のガラス基板
    から構成されることを特徴とする請求項1記載の高分子
    分散型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】内面に電極をそれぞれ設けた一対の基板間
    に、樹脂と液晶との複合膜から成る高分子分散液晶層を
    設けた高分子分散型液晶表示装置において、 前記電極と、前記基板と、前記電極及び前記基板近傍の
    液晶の屈折率を実質的に等しい値としたことを特徴とす
    る高分子分散型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】一対の基板上に電極を構成する工程と、 前記基板及び電極上に液晶を垂直配向させるための垂直
    配向処理を施す垂直配向処理工程と、 前記基板間に液晶と重合材料の混合溶液を配置する工程
    と、 前記混合溶液中の重合材料を重合させて前記液晶と高分
    子樹脂を相分離させ、高分子分散液晶層を形成する工
    程、を備えることを特徴とする高分子分散型液晶表示装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記垂直配向処理工程は、前記基板及び前
    記電極上に垂直配向剤を塗布する工程又は垂直配向膜を
    形成する工程を含むことを特徴とする請求項4記載の高
    分子分散型液晶表示装置の製造方法。
JP28732493A 1993-10-25 1993-10-25 高分子分散型液晶表示装置及びその製造方法 Pending JPH07120760A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129375A1 (ja) * 2012-03-01 2013-09-06 シャープ株式会社 液晶表示装置

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