JPH0712038U - フライパン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼肉料理にも使用できるフライパンを提供す
る。 【構成】 黒鉛材料よりなり表面に耐熱樹脂のコーティ
ングを施してなる平板を、金属製のフライパン本体の底
板上にに装着し、あるいは柄を有する金属枠に嵌着する
ことにより、フライパンの底部を黒鉛材料で構成した。 【効果】 鉄板に比し軽量で熱容量や熱伝導率において
遥かに優れた黒鉛板でフライパンの底部を構成したの
で、料理が焦げ付き難く、従って焼肉料理にも使用でき
る上に、周壁や柄が付いているので取り扱いが容易であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、多目的に使用できるフライパンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般にフライパンは炒め物に適しており、軽量で扱い易いが、板厚が薄く焦げ 付き易いので焼肉料理などには不向きであり、一方肉厚の鉄板は焼肉料理には適 しているが、成形が困難で周壁や取っ手がないために、重量が大きくて取り扱い や持ち運びに不便であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、従来のフライパンと同様に軽量で取り扱いが容易であり、し かも板厚の大きな鉄板と同様、焼肉料理に使用しても焦げ付くおそれのない加熱 用調理器を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案によるフライパンは、図１に示すように、黒鉛材料よりなり表面に耐熱 樹脂のコーティング２を施してなる平板１の周縁を、柄３を有する金属枠４に嵌 着して構成し、あるいは図２に示すように、上記黒鉛板１を、底板を有する金属 製フライパン本体の該底板上に装着したものである。

【０００５】

【作用】

黒鉛材料は、鉄に比し比重は１／４〜１／５であるが、熱容量は約２倍、熱伝 導率は約５倍であり、例えば板厚１１ｍｍの黒鉛板は、重量においては板厚２． ５ｍｍの鉄板と同程度であるにも拘らず、熱容量では板厚５〜６ｍｍの鉄板に匹 敵し、熱伝達率はアルミニウムと同等である。従って従来のフライパンと同程度 の重さの黒鉛板で、鉄板と同等以上の焼け具合（焦げ付き難さなど）の焼肉が、 より弱火で調理できる上に、火炎が偏って部分的に加熱されても全板面にわたっ て温度分布が均一になり、板面のスペースが有効に利用できる。また黒鉛板１の 表面に形成された弗素樹脂あるいはシリコン樹脂などの耐熱性コーティング層２ は、黒鉛材表面から黒鉛粉末が剥離してくるのを防止することにより、食品調理 器としての黒鉛材料の利用を可能にしたものであり、更に金属枠４又は金属製の フライパン本体７は、衝撃により黒鉛板１が欠けたり割れたりするのを防止する と共に、柄３を取り付けて取り扱いを容易にするためのものである。

【０００６】

【実施例】

図１〜２は本考案の一実施例を示したもので、平板１は黒鉛材料よりなる平板 を円形、方形等任意の形状に切削し、表面に耐熱性樹脂によるコーティング層２ を形成したものであり、この黒鉛板１の周縁を、図１に示すように、上方に開い た円錐台状の金属枠４に嵌挿して固定する。本実施例では固定方法として、図２ に示すように、黒鉛板１の周面の２〜３箇所に設けた凹溝５に、金属枠４に形成 した凸部６を係合することにより固定しているが、黒鉛板１の周面の複数箇所に ねじ孔あるいは盲孔を設けて、ビスで固定することもできる。

【０００７】 上述のように構成されたフライパンは、底板１が板厚の大きい鉄板と同等以上 の熱容量と熱伝導率を備えているので、焼きそばや野菜炒めばかりでなく、焼肉 料理にも使用しても鉄板のような焦げ付きが全くなく、また使用後は単に油など の汚れを紙で拭き取るだけでよいので、後始末もきわめて簡単である。また熱伝 導率が高い上に熱膨張係数はアルミニウムの１／５ときわめて低いので、熱せら れた調理器を水で急冷しても熱衝撃で割れるおそれはない。

【０００８】 図３は本考案の他の実施例を示したもので、上記黒鉛板１を、黒鉛板１の形状 と同形の底板８を有する金属製フライパン本体７の該底板８上に装着したもので ある。フライパン本体７と黒鉛板１とは周面あるいは底面の２〜３箇所でビス止 め９しており、これによって金属底板８と黒鉛板１が密着し熱伝導が良くなり、 底板８の耐熱性が向上するという利点があるが、もちろん図２のような固定方法 でもよい。図４は更に他の実施例を示したもので、フライパン本体７を枠状の本 体部分７と底板８とに分離し、本体部分７に溶着された取付板１０に底板８をビ ス止め９したものである。このように構成すれば、黒鉛板１の裏側へ油や汁が漏 れるのを防ぐことができる。

【０００９】 図５は本考案に用いる黒鉛板の製造方法の一例を示したもので、コークス紛等 のカーボン粉末を結合材としてのピッチと共に混練機により混練し、これを粉砕 機で粉砕したのち圧縮成形機で成形し、この成形物を途中ピッチ含浸装置により ピッチを含浸させながら焼成炉で焼成し、更に高温の黒鉛化炉で黒鉛化する。こ うして得られた黒鉛板１を円形あるいは方形に切削加工し、表面に弗素樹脂、シ リコン樹脂などの耐熱性樹脂を塗布・含浸させてコーティング層２を形成するの である。なお図２等の断面図中、ハッチングは樹脂含浸部分を示している。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によるフライパンは上述のように、底板がカーボンを原料とする黒鉛材 料で形成されているので、従来のフライパンに比し熱容量、熱伝導率において遥 かに優れており、また表面に形成されたコーティング層が、比較的脆い黒鉛材表 面から粉末が剥離してくるのを防止し、また金属枠４が衝撃強度の劣る黒鉛材料 を保護すると共に、円錐形の周壁や柄３の取り付けを可能にし、従ってこれを焼 肉料理に使用した場合に、焦げ付き難い上に、従来の焼肉用鉄板に比し軽量で取 り扱いや運搬に便利であるという利点がある。なお図１の構造では、底板と金属 枠との熱膨張係数の違いにより、底板の周囲に僅かに隙間を生じるが、黒鉛板は 熱伝導が良好で周縁まで高温に熱せられるので、肉汁などが底板と金属枠の隙間 から漏出するおそれは殆どなく、またたとえ漏出してもバーナあるいはヒータの 熱で焼却されるので問題はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるフライパンの一実施例を示す分解
斜視図。

【図２】同上の要部縦断面図。

【図３】本考案の他の実施例を示す縦断面図。

【図４】本考案の更に他の実施例を示す縦断面図。

【図５】本考案に用いる黒鉛板の製造方法の一例を示す
工程図。

【符号の説明】

１ 黒鉛板あるいは平板 ２ コーティング層 ３ 柄 ４ 金属枠 ５ 凹溝 ６ 凸部 ７ フライパン本体 ８ 底板 ９ ビス １０ 取付板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 黒鉛材料よりなり表面に耐熱樹脂のコー
   ティングを施してなる平板の周縁を、柄を有する金属枠
   に嵌着して成るフライパン。
2. 【請求項２】 黒鉛材料よりなり表面に耐熱樹脂のコー
   ティングを施してなる平板を、該平板と同形の底板を有
   する金属製フライパン本体の該底板上に装着して成るフ
   ライパン。