JPH07119980A - 調理装置 - Google Patents

調理装置

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JPH07119980A
JPH07119980A JP5264671A JP26467193A JPH07119980A JP H07119980 A JPH07119980 A JP H07119980A JP 5264671 A JP5264671 A JP 5264671A JP 26467193 A JP26467193 A JP 26467193A JP H07119980 A JPH07119980 A JP H07119980A
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temperature
food
infrared
case
detecting element
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Takuo Shimada
拓生 嶋田
Hirohisa Imai
博久 今井
Shunichi Nagamoto
俊一 長本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正確に食品温度を検出し、良好な調理を行う
ことを目的とする。 【構成】 集光部19が食品3から放射される赤外線を
集光することで、狭い視野を持つ温度検出器5が形成さ
れる。熱伝導性に優れたホルダー18によって、赤外線
検出素子10と集光部19とを熱結合させ、周囲空気の
温度変化の影響などによる温度検出誤差発生を抑え、正
確に食品温度を検出し良好な調理を行うことが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジ、オーブ
ン、グリル等において食品の温度を検出し、自動調理等
を行なうことを目的とした調理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の調理装置(ここではオー
ブンレンジ)は図9に示すように構成されていた。1は
加熱室であり、加熱室1の底部に設けられた調理台2の
上に食品3が載置され、加熱室1の外側には加熱室1内
に導入する加熱用のマイクロ波を発振するマグネトロン
4が配設されている。調理台2は食品3を均一に加熱す
るために回転するもので、一般にターンテーブルと呼ば
れるものである。また加熱室1の上方には食品3の温度
を検出する赤外線温度センサ5が配設されている。この
ように構成された調理装置では、食品3を調理する場
合、マグネトロン4から発振されたマイクロ波が加熱室
1内に導入され、導入されたマイクロ波によって食品3
が加熱調理され、赤外線温度センサ5から検出される食
品3の温度が予め定めた温度に達すると調理を終了する
ものである。(例えば特開平4−222321号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、食品温度を正確に検出できない場合があ
る。
【0004】まず赤外線温度センサは、感温視野(以後
視野と呼ぶ)に入っている調理台の中央付近に置かれた
食品の平均的な表面温度しか検出できないので、赤外線
温度センサの視野に対し食品の形状が小さい場合や食品
が調理台の端の方に置かれた場合、食品以外の皿や容
器、調理台が視野に入るため食品の温度を正確に検出で
きない。また調理台の回転によって食品の占める比率も
変化するので、食品の温度を正確に検出できない。
【0005】また加熱室内部あるいはその周辺は雰囲気
温度が安定しない。マグネトロン自身の発熱とマグネト
ロンから発振されるマイクロ波による加熱室1の壁面の
温度上昇等で加熱調理中は赤外線温度センサの雰囲気は
1deg/分程度で常に上昇し続け一般的な調理時間で
ある数分から十数分の間では安定することはない。この
雰囲気温度の不安定な状態では、赤外線温度センサ近辺
で雰囲気温度の応答の違いがあると赤外線温度センサ近
辺の温度が不均一となって温度検出誤差が発生する。
【0006】さらにマグネトロンを冷却するために風を
送ったり、あるいは赤外線温度センサ周囲の雰囲気が上
昇した場合に赤外線温度センサ自身を保護するために風
を送るなど赤外線温度センサ近辺では風が流れている場
合が多い。この状況下で使用すると風の影響により赤外
線温度センサ近辺の温度が不均一になり温度検出誤差が
発生する。
【0007】加えて赤外線温度センサから得られる出力
信号は一般にはごく微小の電気信号でありそれに対しマ
グネトロンを駆動する電流、風を送るためのモータを駆
動する電流等は比較的大きいものでそのスイッチングに
よるノイズは温度検出誤差となる。そのためにできるだ
け赤外線温度センサ近辺に電気回路を設け増幅したいの
であるが、この場合電気部品の発熱の問題があり電気部
品の発熱により赤外線温度センサ近辺の温度が不均一に
なり温度検出誤差が発生する。
【0008】これら温度検出誤差はいずれも使用者にと
って不本意な調理の原因となるものであり、本発明は上
記課題を解決するもので、良好な調理のために正確に食
品の温度を検出することによって、出来映えにバラツキ
のない自動調理ができる調理装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の調理装置は食品を加熱する加熱手段と、この
食品の温度を検出する温度検出器と、温度検出器の出力
信号により加熱手段の駆動を制御する制御手段を有し、
温度検出器は食品から放射される赤外線を集光する集光
部と、この集光部で集光された赤外線を検出する赤外線
検出素子と、集光部、赤外線検出素子を保持する熱伝導
性に優れた材質よりなるホルダーとを備えたものであ
る。
【0010】また集光部、赤外線検出素子及びホルダー
を収納し、食品から放射される赤外線が集光部を介し赤
外線検出素子に入射するための開口部を有し、赤外線を
透過しない材質よりなるケースを備えたものである。
【0011】また食品を載置する調理台を設け、この調
理台の表面は高い放射率を有する材質よりなるものであ
る。
【0012】また食品を収納する加熱室を設け、この加
熱室内壁の表面は高い放射率を有する材質よりなるもの
である。
【0013】特に集光部は赤外線を透過する薄型のフレ
ネルレンズからなるものである。また赤外線検出素子は
星形多対の熱電対素子を配列し熱電対素子の温接点が集
光部の光軸近傍に位置するサーモパイルからなるもので
ある。
【0014】特にホルダーの表面は高い放射率を有する
材質よりなるものである。また熱伝導性に優れた材質か
らなる充填剤によってホルダーと赤外線検出素子あるい
はホルダーと集光部を熱結合するものである。
【0015】また赤外線検出素子は熱伝導性に優れた材
質よりなる基板上に設けられ、赤外線検出素子は基板と
熱結合していることを特徴とするものである。
【0016】また赤外線検出素子の出力信号を増幅する
増幅回路に電源を供給する電源回路をケースの外部に設
けてなるものである。
【0017】またケースに設けた開口部は筒状をなし、
この開口部の内壁面は高い放射率を有する材質よりなる
ものである。
【0018】またケースに設けた開口部は筒状をなし、
この開口部の内壁面に複数の突起部を有することを特徴
とするものである。
【0019】さらにケースに設けた開口部は筒状をな
し、この開口部の断面形状が集光部の有効集光面の形状
に略一致することを特徴とするものである。
【0020】特にケース内部で開口部を含む一方と赤外
線検出素子を含む他方とに仕切る仕切板を設けたもので
ある。
【0021】あるいはケースとホルダー、集光部、赤外
線検出素子との間に断熱板を設けたものである。
【0022】
【作用】本発明は上記した構成によって、集光部が食品
から放射される赤外線を集光するために、感度を損なわ
ないで狭い視野を持つ温度検出器が形成される。食品か
ら放射される赤外線の一部は、集光部において吸収され
てしまい集光部の温度を若干上昇させることになるが、
集光部と熱結合している熱伝導性に優れた材質よりなる
ホルダーがこの温度上昇分をすばやく赤外線検出素子に
伝える。
【0023】また食品から放射される赤外線が集光部を
介し赤外線検出素子に入射するための開口部を有するケ
ースを備えたことにより、食品からケースに放射される
赤外線のうち一部は開口部から集光部を介し赤外線検出
素子に入射し、それ以外はケースにより遮断される。一
方、温度検出器近傍の雰囲気温度が変動した場合、この
雰囲気温度変動量はケースの熱容量などによって緩和さ
れる。ケース内部の温度変動量に関しては、熱伝導性に
優れたホルダーを介して赤外線検出素子にすばやく伝わ
り、赤外線検出素子は基準温度と食品温度との温度差に
応じた電気信号によって制御手段が加熱手段を制御す
る。温度検出器を1つのケースに収納されたユニットと
して提供できるので、取付け、交換など取扱いが容易に
なる。
【0024】また食品を載置する調理台の表面は高い放
射率を有する材質よりなるので、食品が置かれていない
場合など背景としての調理台の温度を正しく検出するこ
とになる。これはほとんどの食品ないし容器は放射率が
0.9以上の高い放射率を有しているからであり、測定
ごとに放射率を校正する必要がなくなる。
【0025】また食品を収納する加熱室内壁の表面は高
い放射率を有する材質よりなるので、加熱室内壁におけ
る赤外線の乱反射の影響を最小限度に抑えられる。つま
り食品温度検出誤差が小さくなる。
【0026】またこの集光部は薄型のフレネルレンズか
らなるために、シリコンなど赤外線を透過する無機材料
を研磨するレンズと比べ成形が容易で、軽く、また安価
に構成できる。フレネルレンズの熱容量は薄型にするこ
とで小さくなるので、食品からの熱がフレネルレンズに
留まらず、すばやくホルダー温度、赤外線検出素子温度
に一致する。
【0027】また赤外線検出素子の構成として星形多対
の熱電対素子を配列しこの熱電対素子の温接点が集光部
の光軸近傍に位置するサーモパイルからなるので、集光
部の光軸を中心に感度が集中する。すなわちサーモパイ
ルの出力は集光部の光軸上にある食品の特定部分にのみ
急峻な指向特性を持つことになる。
【0028】特にホルダーの表面は高い放射率を有する
材質よりなるので、食品から直接集光部に入射するので
なく一旦ホルダー内面で乱反射してから集光部に入射す
る赤外線(一般に迷光と呼ぶ)を最小限度に抑えられ
る。つまり食品からの赤外線を効率よく赤外線検出素子
に結像できるので、温度検出誤差が小さくなる。
【0029】また熱伝導性に優れた材質からなる充填剤
によってホルダーと赤外線検出素子あるいはホルダーと
集光部を熱結合することによって、集光部、ホルダー、
赤外線検出素子それぞれの温度が常時均一になる。
【0030】また赤外線検出素子は熱伝導性に優れた材
質よりなる基板上に設けられ、赤外線検出素子は基板と
熱結合しているので、赤外線検出素子、基板それぞれの
温度が常時均一になる。
【0031】また電源回路をケースの外部に設けている
ので、ケース外部に設けられた電源回路によりケース内
部に電源が供給される。ケース内部では赤外線検出素子
より出力された電気信号をケース外部に出力する。ここ
で電源回路が発熱することによる温度上昇はケースによ
って遮断され、ケース内部における自己発熱は少なくな
る。
【0032】またケースに設けた開口部は筒状をなし、
この開口部の内壁面は高い放射率を有する材質よりなる
ので、食品から直接集光部に入射するのでなく一旦開口
部の内壁面で乱反射してから集光部に入射する赤外線
(迷光)を最小限度に抑えられる。つまり食品からの赤
外線を効率よく赤外線検出素子に結像できるので、温度
検出誤差が小さくなる。開口部が筒状であり、食品を集
光部あるいは赤外線検出素子から隔てているので食品か
ら飛散する汚れや蒸気が集光部に付着しにくくなる。ま
た加熱手段あるいは食品からの熱によって集光部が変形
することもなくなる。加熱手段がマグネトロンで構成さ
れている場合、電波漏洩量も減衰し温度検出器が出力す
る電気信号に重畳するノイズも低減する。
【0033】特に開口部の内壁面に複数の突起部を有す
るので、複数の突起部がいわゆる遮光ネジとして作用
し、迷光を阻止する。
【0034】さらに開口部の断面形状が集光部の有効集
光面の形状に略一致するので、食品からケースに放射さ
れる赤外線のうち開口部からケース内部に入射した赤外
線はそのまま有効に集光部に入射し赤外線検出素子の受
光面で効率よく結像する。
【0035】またケース内部で開口部を含む一方と赤外
線検出素子を含む他方とに仕切る仕切板を設けたこと
で、開口部等より流入する周囲空気の流れ、即ち風は赤
外線検出素子には至らぬよう仕切板で遮断される。
【0036】あるいはケースとホルダー、集光部、赤外
線検出素子との間に断熱板を設けることによって、ケー
ス外部で雰囲気温度が変動したり食品以外の発熱体が存
在してもケース内部への直接の影響は与えない。
【0037】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図面に基づい
て説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号
を付して説明を省略する。本実施例では、調理装置とし
て、オーブンレンジに応用した例について説明する。
【0038】図1において、1は加熱室であり、加熱室
1の底部に設けられた調理台2の上に食品3が載置さ
れ、加熱室1の外側には加熱室1内に導入する加熱用の
マイクロ波を発振するマグネトロン4が配設されてい
る。調理台2は食品3を均一に加熱するために回転する
もので、一般にターンテーブルと呼ばれるものである。
また加熱室1の上方には食品3の温度を検出する温度検
出器で非接触で食品3の温度に応じた電気信号を出力す
る。7は演算手段で温度検出器5からの電気信号を処理
して食品3の温度を演算する。8は制御手段で演算手段
7から得られる食品3の温度によりマグネトロン4の入
切制御あるいはパワー制御等を行う。9は操作手段で使
用者が調理開始あるいは調理モードの設定操作等を行う
もので、この操作情報は制御手段8に出力される。
【0039】ここで加熱室1の内壁面は天井面、底面を
含め、放射率が高くなるよう全てつや消しの黒体塗装が
なされている。これにより加熱室1内壁における赤外線
の乱反射の影響を最小限度の抑えられるので検出すべき
食品3の温度誤差が小さくなるという効果がある。
【0040】また調理台2には0.9以上の高い放射率
を有するガラス皿が設けられ、このガラス皿の上に置か
れた食品3の表面温度を温度検出器5で検出する構成で
ある。もし調理台2上に食品3が置かれていなかった場
合や食品が非常に小さかったり調理台の隅の方に置かれ
ていた場合は、温度検出器5は調理台2の表面温度を検
出することになる。食品3は一般的に水あるいは氷の放
射率とほぼ等しく0.9以上の高い放射率を有すること
が知られているので、調理台2の放射率もこれと同じく
しておくことで、食品3に対しても調理台2に対しても
同じ温度換算手段を用いることができる。測定ごとの放
射率校正も不要になるという効果がある。
【0041】次に温度検出器5の構造を図2を用いて説
明する。10は食品3から放射される赤外線を熱電変換
する赤外線検出素子でサーモパイル型とよばれるもので
ある。食品3の温度に応じて変わる赤外線量を温接点1
0A、冷接点10B間に発生する電圧により冷接点10
Bと食品3との温度差を検出するものであり、温度換算
の構成は広く知られているものである。(例えば「トラ
ンジスタ技術増刊、温度・湿度センサ活用ハンドブッ
ク」;トランジスタ技術編集部編、CQ出版社、198
8年。)温接点10Aはヒートシンク11の空孔部に位
置させ冷接点10Bはヒートシンク11と熱的に接続し
て保持され、キャン12内に収納されている。
【0042】キャン12は通常TO−5あるいはTO−
18と呼ばれる熱伝導性の高いアルミニウム性のパッケ
ージからなり、キャン12の内部には不活性ガスが封入
されている。
【0043】キャン12の一方には赤外光を通過させる
窓13が設けてあり、6μm〜14μm帯となる波長の
赤外線を透過するシリコンからなるフィルタ14を設け
ていて、他方には出力ピン15が延出していて、プリン
ト基板16と電気的にも熱的にも接続している。17は
冷接点10Bの温度を検出する基準温度検出素子でサー
ミスタ等で構成されていてキャン12に密着しプリント
基板16と電気的にも熱的にも接続している。
【0044】18は赤外線検出素子10を収容したキャ
ン12を保持する円筒状のホルダーで、19は集光部で
赤外線検出素子10に入射する赤外光の角度を絞るため
に設けたものでホルダー18とホルダーキャップ20に
より固定されている。ホルダー18が食品から輻射熱を
受けるとそれが温度検出誤差発生の要因となるので、食
品3から直接赤外光がホルダー18にあたらないようホ
ルダー18をケース21に収納している。また集光部1
9も食品からの輻射熱の影響を受けるのでこれはすばや
く冷接点10Bに熱伝導させるためにホルダー18は熱
伝導性に優れた材料、例えばアルミニウム等で構成して
いる。ホルダー18の内面は赤外線の反射を防ぐためつ
や消しの黒色塗装がなされており、食品3から直接集光
部19に入射するのでなく一旦ホルダー18内面で乱反
射してから集光部19に入射する赤外線(迷光)の影響
を最小限度に抑えている。
【0045】またキャン12とホルダー18との間に、
あるいは集光部19、ホルダーキャップ20とホルダー
18との間には放熱器に用いる熱結合用のコンパウンド
が充填されている。これにより食品3から放射される赤
外線の一部が集光部19において吸収されてしまい集光
部19の温度を若干上昇させても、その温度上昇分はす
ばやく拡散、均一化されてキャン12ひいては冷接点1
0B及び基準温度検出素子17と同一の温度となる。
【0046】つまりサーモパイルの冷接点10Bは、キ
ャン12、窓13、プリント基板16、基準温度検出素
子17、ホルダー18、ホルダーキャップ20さらに集
光部19などと熱結合することで熱容量が大きくなり温
度変動が抑えられるとともに、食品3からの輻射熱によ
り集光部19などが受熱した場合はこの温度変化を速や
かに冷接点温度に伝える効果を持っている。温度が変化
する場合、速やかに熱が拡散、均一化するためである。
【0047】赤外線検出素子10からの出力信号、基準
温度検出素子17からの出力信号はプリント基板16よ
りコネクタ22、リード線23を通してケース21外に
伝えられ信号処理するものである。ケース21は断熱性
が高くかつ赤外線を透過しない樹脂からなり、開口部2
1Aが設けられ、またホルダー18全体を支持するため
にプリント基板16を固定する基板支持部21Bを設け
ている。さらにケース21とホルダー18の間、あるい
はケース21とプリント基板16の間は断熱空気層を形
成している。これはケース21外の雰囲気温度変動の影
響を緩和するためである。
【0048】このように食品3から放射される赤外線
が、集光部19を介し赤外線検出素子10に入射するた
めの開口部21Aを備えたことにより、開口部21Aか
ら集光部19を介し赤外線検出素子10に入射する有効
な赤外線以外はケース21外壁で遮断される。また温度
検出器5を1つのケース21に収納されたユニットとし
て提供できるので、取付け、交換など取扱いが容易にな
る。
【0049】開口部21Aを含むケース21の内壁面
は、放射率が高くなるよう全てつや消しの黒体塗装がな
されている。開口部21Aは筒状をなし、内壁面には遮
光ネジとして波形状の複数の突起部を設けている。これ
により食品3から直接集光部19に入射するのでなく一
旦開口部21Aの内壁面で乱反射してから集光部19に
入射する赤外線(迷光)を最小限度に抑えられる。つま
り食品3からの赤外線を効率よく赤外線検出素子10に
結像できるので、温度検出誤差が小さくなる。また開口
部21Aが筒状であり、食品3を集光部19あるいは赤
外線検出素子10から隔てているので食品3から飛散す
る汚れや蒸気が集光部19に付着しにくくなる。また加
熱手段4あるいは食品3からの熱によって集光部19が
変形することもなくなる。加熱手段4がマグネトロンで
構成されている場合、電波漏洩量も減衰し温度検出器が
出力する電気信号に重畳するノイズも低減する。
【0050】逆にケース21の外壁面は放射率が低くな
るよう樹脂メッキされている。これは測温対象である食
品3などから放射された赤外線によってケース21が暖
められにくくするためである。ケース21の外壁面を樹
脂メッキすることで、電磁波ノイズに対するシールドの
効果もある。
【0051】また開口部21Aの断面形状が集光部19
の有効集光面の形状に略一致するよう構成し、食品3か
らケース21に放射される赤外線のうち開口部21Aか
らケース21内部に入射した赤外線はそのまま有効に集
光部19に入射、屈折し赤外線検出素子10の受光面で
効率よく結像させている。
【0052】集光部19は赤外線を透過するポリエチレ
ンからなる薄型(0.3mm厚程度)のフレネルレンズ
からなる。この温度検出器5の視野角βはフレネルレン
ズによって3゜に絞っている。集光部19において集光
される食品3からの赤外線が正確に赤外線検出素子10
において結像するよう、光軸は合わせられている。小孔
を設けることで視野角βを絞る方法では、せいぜい20
゜程度が限界であるのに対し、フレネルレンズからなる
集光部19を備えることで非常に狭い視野を持つ温度検
出器5が形成される。今、温度検出器5(のうちの集光
部19)と測温対象である食品3との距離Lが30c
m、視野角βが3゜であるとすると、視野は(式1)に
より直径Dが約1.6cmなる円形となる。
【0053】 D =2*L*tan(β/2) =2*30*tan1.5゜ (式1) これは視野角βが20゜であった時と比べ直径Dで約
0.15倍、視野面積Sで約0.022倍となる値であ
るが、食品3の温度を検出する空間分解能として適切な
値である。フレネルレンズを薄型化することでできるだ
け受熱しにくい構成にもなっている。
【0054】特に集光部19として、シリコン、ゲルマ
ニウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウムなどの無機
材料で赤外線を透過するレンズを構成するのでなく、ポ
リエチレン樹脂を用いたので成形が容易で薄く、軽く、
また安価にできる。研磨や反射防止膜の塗布なども不要
で量産しやすい。
【0055】赤外線検出素子10要部を裏側からみた平
面図(表側から赤外線が入射する場合)を図3に示す。
有機膜10Cの表側に赤外線を吸収するための円形の板
状の金ブラック10Dが配置され、有機膜10Cの裏側
で金ブラック10Dに対応する位置に熱電対素子10E
が設けられている。熱電対素子10Eは電極10F、1
0F間を接続する導電性材料で構成されていて、金ブラ
ック10Dの中心点を囲むように100対の折り畳み部
(図3では15対のみ図示)を有している。各折り畳み
部では2つの異種金属(例えばビスマスとアンチモン)
が内側と外側との間を交互に往復するように星形に10
0対直列に接続されている。この異種金属の接合部10
A、10Bは一方が金ブラック10Dの内部で金ブラッ
ク10Dの中心点近傍に位置していて、赤外線により温
度上昇した金ブラック10Dつまり赤外線の光量を検知
する温接点10Aになっている。また他方は金ブラック
10Dの外側に位置していて、基準温度となる冷接点1
0Bとなっている。したがって異種金属の接合部である
温接点10Aと冷接点10Bとに生じる電位差を集積し
てなる電圧値が両端の電極10F、10F間に生じ、そ
の電圧値から温接点10Aの温度(ひいては食品3の温
度)を検出するようになっている。金ブラック10Dの
直径は集光部19の焦点距離f及び視野角β(3゜)を
元に食品3が集光部19を介して金ブラック10D上に
結像する像高を元に定められているまた。金ブラック1
0D及び温接点10Aの熱容量は小さく、基準温度とな
る冷接点10Bの熱容量を大きくなるように構成され、
温接点10Aと冷接点10Bとの熱の授受は出来るだけ
2つの異種金属を伝わる伝導熱のみによって行うよう有
機膜10Cは断熱材料で構成されている。
【0056】赤外線検出素子10からの出力電圧は図4
に示すような指向特性を持つ。図4において横軸は視野
角であり、縦軸はサーモパイルからの出力電圧をパーセ
ント表示化したものである。実線で示したのは集光部1
9を設けなかった場合で、星形に100対直列に熱電対
素子を接続したサーモパイル自身の有する指向特性を示
し、点線は集光部19を設け視野を絞った場合の総合的
な指向特性を示している。温接点10Aが金ブラック1
0Dの中心点に近接しているために、中心軸上の感度が
最大となっていることがわかる。またこの指向特性は熱
電対素子10Eの配列が円形なので中心軸0゜を中心と
する同心円状の感度分布になっている。ここで集光部1
9の光軸と赤外線検出素子10中の金ブラック10Dの
中心点は一致させるものとする。
【0057】集光部19を設けた場合は、視野角βが小
さくなるだけでなく、両端で急峻に感温しにくくなって
いる。つまり感温する領域と感温しない領域が明確に分
離されるようになる。つまり集光部の光軸を中心に感度
が集中するので集光部19の光軸上にある食品3の特定
部分にのみ急峻な指向特性を持つ温度検出器5が実現す
ることになる。よって食品3の平均的な温度でなく食品
3の特定部分の温度を正確に検出できる。
【0058】集光部19としてフレネルレンズを用いる
場合の注意点として、入射光線の画角が大きくなるにつ
れてフレネルレンズの立ち上がり面による光線のけられ
が増大し、その結果周辺光量(入射光線の画角が大きい
位置からの光量)が低下することが知られているが、サ
ーモパイルの構成として星形で多対の熱電対素子10E
を配列しこの熱電対素子10Eの温接点10Aがフレネ
ルレンズ光軸上に略一致するので、フレネルレンズ光軸
上の感度が最大となり測温対象である食品3の温度に対
応する出力電圧を効率よく得ることができる。フレネル
レンズも光軸(中心軸)近傍を通過する赤外線ほど光量
が大きくなるので、サーモパイルの有する指向特性と組
み合わせることで、食品3から放射される赤外線を効率
よく集められる。
【0059】図2においてプリント基板16は、穴あけ
したアルミニウムなどの金属板の表面に樹脂を一様に塗
布し、その上に導体パターンを銅メッキで形成したもの
である。プリント基板16本体が金属板でできているた
めガラスエポキシなどのプリント基板に比べ一桁以上大
きな熱伝導率を得ることができる。また図5に示すよう
にプリント基板16上の配線部16Aに用いられる銅箔
を厚く(例えば70μm程度に)かつ太くするとともに
表面全体をアースパターン16Bで覆うことで、放熱特
性を向上させプリント基板全体の温度均一化を図ってい
る。またプリント基板16は赤外線検出素子10、基準
温度検出素子17と熱結合しているので、赤外線検出素
子10、基準温度検出素子17、プリント基板16それ
ぞれの温度は常時均一になる。
【0060】図2に示した構成でケース21の外の雰囲
気温度が変化した場合、即ち加熱室1の周囲温度が変化
した場合温接点10Aには雰囲気温度の影響がケース2
1からプリント基板16へ伝わるか、またはリード線2
3あるいはリード線23を引き出すためのケース21の
開口部からプリント基板16へ伝わり、キャン12のプ
リント基板16との接着部が影響を受けその輻射熱の影
響を受ける。一方冷接点10Bには雰囲気温度の影響は
直接ホルダー18からキャン12、ヒートシンク11を
介して影響を受ける。ここでホルダー18はアルミニウ
ム等の熱伝導性に優れた材料で構成されているため冷接
点10Bにも雰囲気温度の変化を温接点10Aと同様に
十分応答良く熱伝導させることができる。従って温接点
10A、冷接点10Bにほぼ同等の応答で雰囲気温度の
変化が影響することになる。また温接点10A、冷接点
10Bと同等の応答で基準温度検出素子17も雰囲気温
度の影響を受け、冷接点10Bの温度に応じた出力を基
準温度検出素子17より得ることができ、食品と冷接点
10Bとの温度差に応じた出力電圧を温接点10A、冷
接点10B間に発生する。図1の演算手段7はこの出力
電圧により赤外線検出素子10により冷接点10Bと食
品との温度差を演算し、基準温度検出素子17で冷接点
10Bの温度を換算しそれを加算することで食品の温度
を演算するものである。
【0061】使用者は加熱室1に食品3を入れ調理台2
上に載置し操作手段9で調理開始を指示すると、制御手
段8がマグネトロン4を駆動して食品3の加熱調理を始
める。食品3が加熱され温度上昇するとそれに応じ温度
検出器5からの出力信号が変化し演算手段7が食品3の
温度を演算して制御手段8に出力する。制御手段8は演
算手段7から得られる食品3の温度が予め定めた設定温
度に達するとマグネトロン4の駆動を停止する。
【0062】ここで設定温度は操作手段9により使用者
が設定できるものであっても構わないし、温度検出器5
で検出できる食品3の初期温度により例えば冷凍食品の
温度であれば解凍適温、冷蔵庫内程度の温度であれば牛
乳あたため適温等と決まるものであっても構わない。ま
た制御手段8は演算手段7の結果により食品3の温度上
昇から予め定めた別の温度に達した時点で能力を下げた
り断続駆動にするなどして食品3の温度を均一にするな
どの制御も行う。
【0063】更に図2に示すように本発明では風を遮る
仕切板24を設けている。図2の破線Aにおける断面図
を図6に示す。図6に示すように仕切板24はホルダー
18と密着して覆いケース21にも密着している。即ち
開口部21Aより流入する空気が赤外線検出素子10、
キャン12、プリント基板16、および基準温度検出素
子17に直接流れ込まないように構成しているので、風
の影響による誤差の発生を最小限に抑えることが可能と
なる。またこの構成は同時にホルダー18およびキャン
12、赤外線検出素子10等を固定することもできるの
で、振動等により食品3の視野位置がずれ誤差が発生す
ることを防止する効果もあり、また水分、油分等がプリ
ント基板16に付着するなどして発生する故障原因を防
止する効果もある。
【0064】図7に赤外線検出素子10および基準温度
検出素子17の出力信号を処理し食品の温度を検出する
検出回路例を示す。検出回路はケースの外部に設けた演
算手段7、電源回路25、ケース21内部のプリント基
板16上に設けた内部信号処理回路26より構成してい
る。電源回路25は、交流電源26よりトランス27を
介しダイオード29、30、31、32より成るブリッ
ジ回路で全波整流しコンデンサ33で平滑化し直流電源
としている。更に三端子レギュレータ34とコンデンサ
35で安定化した直流電源を演算手段7と内部信号処理
回路26に供給する。内部信号処理回路26ではコンデ
ンサ36で再度直流電源を安定させる。内部信号処理回
路26は赤外線検出素子10の出力信号を増幅する増幅
回路37を含む。増幅回路37はオペアンプ38、39
と抵抗40、41、42、43より構成されている。直
流電源を抵抗40、41で分圧し、中点電位をオペアン
プ38でボルテージフォロワし基準電位をつくってい
る。この基準電位が赤外線検出素子10の冷接点10B
と接続し温接点10Aがオペアンプ39の非反転入力端
子に接続している。
【0065】またオペアンプ39の反転入力端子は抵抗
42を介して基準電位に接続しまた抵抗43を介し出力
端子に接続している。即ち温接点10Aと冷接点10B
との間に発生する電圧が抵抗42、43で決まる増幅率
で増幅することになり、食品の温度が冷接点10Bより
高いときには基準電位より高い電圧、低いときには基準
電位より低い電圧として温度差にほぼ比例した電圧を得
ることができる。
【0066】ここでキャン12から電源のグランドに接
続しているが、これはノイズ除去とプリント基板16の
温度を銅箔よりすばやくキャン12に熱伝導させる効果
がある。また内部信号処理回路26は基準温度検出素子
17の信号も処理するもので、基準温度検出素子17は
ここではサーミスタで構成していて、抵抗44と直列回
路を形成して電源に接続している。サーミスタ17と抵
抗44との中点電位により冷接点10Bの温度を検出す
ることができる。基準温度検出素子17はサーミスタを
使わずとも可能で半導体を使う方法などもある。演算手
段7はAD変換回路45と演算回路46より構成される
もので、食品と冷接点10Bとの温度差に応じ増幅され
た電圧と冷接点10Bの温度に応じて得られる電圧をA
D変換回路45でデジタル化し、マイクロコンピュータ
等より成る演算回路46で適切なパラメータを乗算し加
算して食品3の温度として演算する。
【0067】電源回路25と内部信号処理回路26の接
続および内部信号処理回路26と演算手段7はリード線
23にてケース21内外の接続をしている。この構成
で、特に発熱を起こしやすい部品のトランス28、ダイ
オード29、30、31、32、三端子レギュレータ3
4をケース21外部に設けているので、ケース21内部
で発熱の影響により温度検出誤差が発生することを防止
できている。ここで、AD変換回路45、演算回路46
をケース21外部に設けたことは本発明を拘束するもの
でなくケース21内部にあっても構わないが、ケース2
1外部に設けることでケース21全体を小型化できる効
果がある。
【0068】これによりケース21外部に設けられた電
源回路25によりケース21内部に電源が供給され、ケ
ース21内部では赤外線検出素子10より熱電変換され
出力される電気信号を増幅回路37により処理するの
で、赤外線検出素子10より直接出力される微小電圧が
ケース21外部に出ることはなくノイズの影響による誤
差を低減でき、かつケース21内部の部品の発熱による
誤差発生を抑えることも可能で、良好な調理を実現でき
る。
【0069】次に本発明の第2の実施例を図8を用いて
説明する。第1の実施例と異なる点は、ケース21とホ
ルダー18、集光部19、赤外線検出素子10との間に
断熱板47を設けることによって、ケース21外部にお
ける食品温度や周囲温度などの変化に対する影響を大幅
に抑えたことにある。これにより断熱板47の内部温度
はより安定するので食品の温度検出精度が飛躍的に向上
する。断熱板としては、導電性の金属を用いることで外
部からの電磁波ノイズに対するシールドの効果を持たせ
ている。これによりホルダー18や赤外線検出素子10
などから見た外部の周囲温度がほぼ完全に均一化される
効果もある。さらにケース21を大型化してホルダー1
8などとの距離をかせぐ(空気断熱層を広げる)ことな
くケース21外部とホルダー18などとの断熱が実現で
きる。
【0070】ここで断熱板47の構成としてケース21
を2重構造にしたものでもよい。以上の説明はサーモパ
イル型の赤外線検出素子で行ったが、焦電型でも同様の
効果があり、この場合にはヒートシンク11、キャン1
2を駆動部を有するチョッパに置き換えればよい。さら
に、赤外線検出素子10として、上記以外に硫化鉛(P
bS)などの熱抵抗変化形を利用したサーミスタ・ボロ
メータなどを用いてもよい。
【0071】また集光部19の構成としてフレネルレン
ズで説明したが、カセグレンミラーなど反射鏡を用いて
集光しても構わない。
【0072】またキャン12とホルダー18との間に、
あるいは集光部19、ホルダーキャップ20とホルダー
18との間に放熱器に用いる熱結合用のコンパウンドを
充填剤として用いたが、接着剤と兼用してもよい。
【0073】さらに赤外線検出素子10を1個で説明し
たが、複数にしたりあるいは1個でも走査するなどして
複数箇所の食品温度を検出してその最高温度や最低温度
あるいは平均温度処理して食品3の仕上がりを良くする
こともできる。温度検出器5が測温する視野位置を調理
台2の中心点からずらし、調理台2が回転することで食
品3の複数箇所の温度を検出してもよい。
【0074】本発明は、電子レンジ以外のオーブントー
スターやガステーブルなど他の調理装置でも応用可能で
ある。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
の効果がある。
【0076】(1)集光部の光軸を中心に赤外線検出素
子の感度が集中するので、食品の特定部分の温度が正確
に検出でき、この食品温度に応じた加熱によって出来映
えにバラツキのない良好な自動調理ができる。特に集光
部と熱結合している熱伝導生に優れた材質よりなるホル
ダーによって食品温度や周囲温度などの変化に対する影
響(過渡特性)が最小限に抑えられ、食品の温度検出精
度が飛躍的に向上する。
【0077】(2)開口部から入射する赤外線だけを有
効に赤外線検出素子に集光させるので、温度検出器の視
野外に発熱体が存在しても、その影響はケースにより遮
断される。また温度検出器近傍の周囲温度が変動した場
合この雰囲気温度変動量はケースの熱容量などによって
緩和されるので食品の温度検出精度が飛躍的に向上す
る。特に温度検出器を1つのケースに収納されたユニッ
トとして提供できるので、取付け、交換など取扱いが容
易になる。
【0078】(3)食品が置かれていない場合など背景
としての調理台の温度を正しく検出できる。放射率の校
正も必要なく温度換算が簡単に行える。
【0079】(4)加熱室内壁における赤外線の乱反射
の影響を最小限度に抑えられるので、食品の温度検出精
度が飛躍的に向上する。
【0080】(5)集光部は薄型のフレネルレンズから
なるために、軽く、また安価に構成できる。フレネルレ
ンズの熱容量は薄型にすることで小さくなるので、食品
からの熱がフレネルレンズからすばやく拡散、均一化す
るので、食品の温度検出精度が向上する。フレネルレン
ズの透過率も向上するのでS/N比も向上する。
【0081】(6)サーモパイルの出力は集光部の光軸
上にある食品の特定部分にのみ急峻な指向特性を持つの
で、食品の特定部分の温度が正確に検出でき、この食品
温度に応じた加熱によって出来映えにバラツキのない良
好な自動調理ができる。
【0082】(7)ホルダーの表面は高い放射率を有す
る材質よりなるので、迷光の影響を最小限度に抑えら
れ、食品の温度検出精度が向上する。
【0083】(8)熱伝導性に優れた材質からなる充填
剤によって、集光部、ホルダー、赤外線検出素子それぞ
れの温度が常時均一になるため、温度検出器近傍の周囲
温度が変動した場合にも精度よく食品の温度が検出でき
る。
【0084】(9)熱伝導性に優れた材質よりなる基板
上によって、赤外線検出素子と基板の温度が常時均一に
なるため、温度検出器近傍の周囲温度が変動した場合に
も精度よく食品の温度が検出できる。(10)電源回路
が発熱することによる温度上昇はケースによって遮断さ
れ、ケース内部における自己発熱は少なくなるので、ケ
ース内部の温度は常時安定し、精度よく食品の温度が検
出できる。
【0085】(11)ケースに設けた開口部は筒状をな
し、この開口部の内壁面は高い放射率を有する材質より
なるので、迷光の影響を最小限度に抑えられる。
【0086】(12)特に開口部の内壁面に複数の突起
部を有するので、複数の突起部がいわゆる遮光ネジとし
て作用し、迷光を阻止できる。
【0087】(13)さらに開口部の断面形状が集光部
の有効集光面の形状に略一致するので、食品からケース
に放射される赤外線のうち開口部からケース内部に入射
した赤外線はそのまま有効に集光部に入射し赤外線検出
素子の受光面で効率よく結像し、結果として精度よく食
品の温度が検出できる。
【0088】(14)開口部より流入する周囲空気の流
れ、即ち風は赤外線検出素子には至らぬよう仕切板で遮
断されるので、風の影響による誤差発生を抑えることも
可能で、良好な調理を実現できる。
【0089】(15)ケースとホルダー、集光部、赤外
線検出素子との間に断熱板を設けることによって、ケー
ス外部における食品温度や周囲温度などの変化に対する
影響(過渡特性)が最小限に抑えられ、食品の温度検出
精度が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の調理装置の構成図
【図2】同実施例における温度検出器の断面図
【図3】同実施例におけるサーモパイル要部を示す平面
【図4】同実施例における温度検出器の指向特性を示す
【図5】同実施例におけるプリント基板の導体パターン
を示す図
【図6】同実施例における温度検出器の要部断面図
【図7】同実施例の調理装置の電気回路図
【図8】本発明の他の実施例の調理装置の構成図
【図9】従来例の調理装置の構成図
【符号の説明】
3 食品 4 加熱手段 5 温度検出器 8 制御手段 10 赤外線検出素子 18 ホルダー 19 集光部 21 ケース 21A 開口部 24 仕切板 25 電源回路 37 増幅回路 47 断熱板

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品を加熱する加熱手段と、前記食品の温
    度を検出する温度検出器と、前記温度検出器の出力信号
    により前記加熱手段の駆動を制御する制御手段を有し、
    前記温度検出器は前記食品から放射される赤外線を集光
    する集光部と、前記集光部で集光された赤外線を検出す
    る赤外線検出素子と、前記集光部、前記赤外線検出素子
    を保持する熱伝導性に優れた材質よりなるホルダーとを
    備えた調理装置。
  2. 【請求項2】集光部、赤外線検出素子及びホルダーを収
    納し、食品から放射される赤外線が前記集光部を介し前
    記赤外線検出素子に入射するための開口部を有し、赤外
    線を透過しない材質よりなるケースを備えた請求項1記
    載の調理装置。
  3. 【請求項3】食品を載置する調理台を設け、前記調理台
    の表面は高い放射率を有する材質よりなる請求項1記載
    の調理装置。
  4. 【請求項4】食品を収納する加熱室を設け、前記加熱室
    内壁の表面は高い放射率を有する材質よりなる請求項1
    記載の調理装置。
  5. 【請求項5】集光部は赤外線を透過する薄型のフレネル
    レンズからなる請求項1記載の調理装置。
  6. 【請求項6】赤外線検出素子は星形多対の熱電対素子を
    配列し前記熱電対素子の温接点が集光部の光軸近傍に位
    置するサーモパイルからなる請求項1記載の調理装置。
  7. 【請求項7】ホルダーの表面は高い放射率を有する材質
    よりなる請求項1記載の調理装置。
  8. 【請求項8】熱伝導性に優れた材質からなる充填剤によ
    ってホルダーと赤外線検出素子あるいは前記ホルダーと
    集光部を熱結合する請求項1記載の調理装置。
  9. 【請求項9】赤外線検出素子は熱伝導性に優れた材質よ
    りなる基板上に設けられ、前記赤外線検出素子は前記基
    板と熱結合していることを特徴とする請求項1記載の調
    理装置。
  10. 【請求項10】赤外線検出素子の出力信号を増幅する増
    幅回路に電源を供給する電源回路を前記ケースの外部に
    設けてなる請求項1記載の調理装置。
  11. 【請求項11】ケースに設けた開口部は筒状をなし、前
    記開口部の内壁面は高い放射率を有する材質よりなる請
    求項1又は請求項2記載の調理装置。
  12. 【請求項12】ケースに設けた開口部は筒状をなし、前
    記開口部の内壁面に複数の突起部を有することを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の調理装置。
  13. 【請求項13】ケースに設けた開口部は筒状をなし、前
    記開口部の断面形状が集光部の有効集光面の形状に略一
    致することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の調
    理装置。
  14. 【請求項14】ケース内部で開口部を含む一方と赤外線
    検出素子を含む他方とに仕切る仕切板を設けた請求項1
    又は請求項2記載の調理装置。
  15. 【請求項15】ケースとホルダー、集光部、赤外線検出
    素子との間に断熱板を設けた請求項1又は請求項2記載
    の調理装置。
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