JPH07119083A - 顔料塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

顔料塗被紙及びその製造方法

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JPH07119083A
JPH07119083A JP17781693A JP17781693A JPH07119083A JP H07119083 A JPH07119083 A JP H07119083A JP 17781693 A JP17781693 A JP 17781693A JP 17781693 A JP17781693 A JP 17781693A JP H07119083 A JPH07119083 A JP H07119083A
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coating layer
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coated
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JP17781693A
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Takao Arai
隆夫 荒井
Koji Igarashi
宏二 五十嵐
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布ムラ及び印刷ムラのない顔料塗被紙又は
その製造方法を提供する。 【構成】 原紙或は下塗層塗設基材の上に、JIS B
0601に規定される10点平均粗さRzを13μm以
下の第1塗布層を塗設し、その上にカーテン塗布装置を
用いて第2塗布層を塗布してなる顔料塗被紙及びその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗布ムラ及び印刷ムラ
のない顔料塗被紙及びその製造方法に関し、特に、カー
テン塗布装置により得られる顔料塗被紙及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、顔料塗被紙は、非塗工の上質
紙と比較して平滑性に優れ、インキの吸収性が均一であ
るため、印刷用紙として広く用いられている。特に、近
年、印刷物の視覚化が進み、多色印刷が施されるカラー
印刷の比率が高まり、顔料塗被紙に対する要求も高いも
のとなっている。
【0003】顔料塗被紙に対する要求品質は数多くある
が、塗層の厚み及び密度が均一で塗布ムラが発生しない
こと、塗布欠陥が発生しないことが重要である。
【0004】塗層の厚み及び密度は、塗層に受理された
印刷インキ或は湿し水の浸透量に影響を及ぼす。つま
り、塗層の厚みが不均一である場合には、インキの塗層
表面における受理量が均一である場合でも、相対的に塗
層の厚みが薄い部分では、印刷インキを塗層で吸収し得
る容量が少ないため、原紙層までインキが浸透し、塗層
表面のインキの量が相対的に低下して濃度ムラを生じた
り、裏面に表面の画像が透ける「裏写り」と呼ばれる障
害が発生したりする。塗層の密度が不均一である場合、
密度が高い部分で、浸透速度が遅くなるため、表面にお
ける印刷インキ或は湿し水の存在量は相対的に多くな
る。特に、印刷インキの表面存在量が多い場合には、相
対的にインキ濃度が高くなり、濃度ムラの原因となった
り、又、印刷インキの固化が不十分な場合には、バック
トラップモトルを生じる。湿し水の表面存在量が多い場
合には、次に転写すべき印刷インキの転写量が抑制され
るため、濃度ムラを生じる。従って、塗層の厚み及び密
度は、印刷品質を考慮した場合、均一であり、塗布ムラ
が発生しないことが望ましい。
【0005】かかるような品質要求を満たす手段とし
て、原紙に多層塗布を塗布する方法がある。つまり、原
紙層の地合に起因する表面凹凸が存在する原紙上に、単
層の塗層を塗布した場合、塗層表面において高い平滑性
を得ることと、塗層の厚み或は密度において高い均一性
を得ることの2つの条件を同時に満たすことは極めて困
難である。従って、多層塗布を行うことにより、最上層
となる第2塗布層(以下、第2塗布層と略す。)が塗布
される第1塗布層で、原紙或は下塗層塗設基材表面の平
滑性を改善し、第2塗布層において、高い平滑性、均一
な厚み及び密度を達成することができる。
【0006】第2塗布層の塗布を行う塗布方式は多岐に
わたるが、具体的には、ブレード塗布方式、エアナイフ
塗布方式、ロール塗布方式等を挙げることができる。こ
れらの塗布方式の共通した特徴としては、比較的に簡単
な操作で、顔料及び接着剤を主成分とする塗布液の塗布
が行えることである。しかしながら、これらの塗布方式
では、それぞれの塗布方式に固有の塗布欠陥の発生が避
けられず、高品質な顔料塗被紙を得ることができなかっ
た。
【0007】即ち、ブレード塗布方式は、過剰に塗布液
を塗設する原紙に供給した後、余剰の液をブレードによ
り掻き落とす後計量型の塗布方式である。ブレード塗布
方式において、不可避の塗布欠陥はストリーク及びスク
ラッチであるが、原紙或は下塗層塗設基材に第1塗布層
を設けた塗被紙(以下、第1塗布層塗設基材と略す。)
にブレード塗布を行う場合、かかる塗布欠陥の原因とな
る異物の排除が困難で、欠陥発生は顕著なものとなる。
ストリークやスクラッチの発生した部位では、極めて不
均一となるため、印刷面に重大な欠陥として現れる。
又、ストリークやスクラッチは、オンラインの欠点検出
機や仕上げ工程で選別・除去することも可能であるが、
欠陥部を含めて前後の余白が全てブロークとなり、除去
に要する時間やコスト面からも発生を未然に防ぐべき欠
陥である。
【0008】又、かかる塗布方式では、余剰な液の供給
から計量までの間に、第1塗布層塗設基材に塗布液中の
水或は接着剤成分が必要以上に浸入し、計量時のブレー
ド直下で塗布液に高い圧力が加えられるため、塗布液中
の水或は接着剤成分の第1塗布層塗設基材への浸入は、
更に顕著に進行する。このため、第2塗布層で、相対的
に接着剤成分が少なくなるため、塗層強度が低くなる。
又、余剰分として掻き落とされた液は、供給前の液の組
成と異なり、時間の経過と共に塗布液の組成が変化し、
安定した品質の製品を得ることができない。
【0009】エアナイフ塗布方式は、過剰に塗布液を第
1塗布層塗設基材に供給した後、余剰の液を風圧により
掻き落とす後計量型の塗布方式である。かかる塗布方式
は、エアジェットに圧力分布ムラが発生することが避け
られず、エアナイフパターンと称される塗布層の厚みが
不均一な塗布ムラを発生し易い。又、かかる塗布方法で
は、塗布速度を高速度化する場合、或は液濃度を高濃度
化する場合には、風圧を高くする必要があるが、風圧を
大きくすると、かかるエアナイフパターンの発生が、更
に顕著になるばかりでなく、エアジェットの流れの乱れ
が大きくなり、吹き出しによる騒音も著しいものとな
る。従って、風圧を徒らに大きくすることができないの
で、比較的に高粘度の液を高速で塗布することが要求さ
れる顔料塗被紙の製造には適さない。
【0010】ロール塗布方式は、ロールの組み合わせ等
により様々な形式のものが存在するが、基本的には、複
数ロールを組み合わせてロール間での塗布液の転写によ
り液を計量し、第1塗布層塗設基材に転写する塗布方法
が一般的である。かかる塗布方式は、ロール特有の規則
的な間隔を持つ線状のパターンを有する塗布ムラが発生
し易く、又、塗布ロール面と第1塗布層塗設基材の転写
後の剥離の際に、第2塗布層の厚みも不均一となるスプ
リットパターンと称される塗布ムラが発生し易く、近年
の印刷用紙に対する要求品質を満たすことは難しい。
【0011】カーテン塗布方式は、ブレード、エアナイ
フ及びロール塗布方式における固有の問題を解決する塗
布方式である。しかし、カーテン塗布方式では、第1塗
布層の表面形状が塗布性に重大な影響を及ぼす。つま
り、第1塗布層の表面の形状に関して、深さの深い、平
面に対する傾斜が鋭い窪み(以下、ピットと称す。)が
存在すると、カーテン膜と第1塗布層が接触する領域
(以下、塗布線領域と称す。)で、かかるピットに液が
押し込まれず、空気の残留が起こる。かかる場合には、
塗布層の乾燥時に空気の膨張が起こり、塗布層にブリス
ター上の厚みの薄い塗布層の膨らみ(以下、ブリスター
と略す。)を発生したり、塗布層が破壊され、クレータ
ー状の未塗布部(以下、クレーターと略す。)の形成が
起こり、結果として印刷ムラが起こり、高品質な塗被紙
を得ることが不可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、後計
量型の塗布方式であるブレード塗布方式、エアナイフ塗
布方式、ロール塗布方式では得ることが難しかった塗布
層の厚み及び密度が均一で塗布ムラ及び印刷ムラの発生
がない顔料塗被紙を得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の顔料塗被紙は、
原紙の片面に少なくとも2層以上の塗布層を設けた顔料
塗被紙において、原紙或は下塗層塗設基材上に、JIS
B0601に規定される10点平均粗さRzが13μ
m以下の第1塗布層を設け、該第1塗布層表面に、カー
テン塗布装置を用いて第2塗布層を設けることにより、
塗布層の厚み及び密度が均一で塗布ムラ及び印刷ムラの
発生がない顔料塗被紙を得ることができることを見いだ
したものである。又、その製造方法である。
【0014】ブリスターやクレーターの発生原因は、第
1塗布層とカーテン塗布により形成される第2塗布層の
間に空気層が存在することである。カーテン塗布方式で
は、塗布線領域において第2塗布層が第1塗布層に押し
込まれる圧力、つまり、流体力学的な圧力が、後計量型
の塗布方式における計量部と比較して低い。このため、
第2塗布層の塗布液の第1塗布層への浸透は、キャピラ
リ浸透が支配的に進行するが、ピットの開口径が小さ
く、深さが深い場合には、ピット内部全体に塗布液が充
填されるより早く塗布層の乾燥が進行し、塗布液が不動
化する。従って、ピットの内部に空気が残留し、ブリス
ターやクレーターの発生を見ることになる。
【0015】ここで、ピットの形状を測定する方法とし
ては、光学顕微鏡を用いる方法、走査型電子顕微鏡を用
いる方法、レーザー変位計を用いる方法、触針式表面粗
さ計を用いる方法等が挙げられる。しかし、顕微鏡を用
いる方法は、深さ方向の定量を行うことが難しい。レー
ザー変位計を用いる方法では、レーザー光の照射角度に
よってはピット内底部が死角となる場合が多く、正確な
測定を行うことができない。これらに対して、触針式の
表面粗さ計は、ピットの深さ方向の情報も正確に得られ
る表面形状測定装置である。
【0016】本発明では、触針式表面粗さ計で測定可能
な表面粗さ状態を示すパラメータとして、JIS B0
601に規定される10点平均粗さRz(以下、Rzと
略す。)を採用した。本発明におけるRzとは、第1塗
布層表面の粗さプロファイルより、算出されるものであ
り、粗さプロファイルに相当する断面曲線から基準長さ
を抜き取った部分の平均線に対し、最高から5番目まで
の山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標
高の平均値との差の値である。
【0017】つまり、カーテン塗布される第1塗布層の
Rzは、中心線平均粗さとは異なり、特にピットのよう
に勾配の鋭く、深い谷や高い山が基準長さの範囲内で比
較的低頻度で存在する場合、かかる山や谷の寄与が強調
して評価される表面粗さパラメータである。本発明者ら
は、Rzとブリスターやクレーター発生程度に関して重
ねて検討を行ったところ、Rzを用いることにより、ブ
リスターやクレーターの発生に重大な影響を及ぼすピッ
トの発生程度を定量化することができることを見いだし
た。
【0018】本発明における具体的なRzの測定は、基
準長さ2.5mmとして行った。かかる測定を試料の任
意の方向に最低17回以上行い、得られたRz値の平均
値を本発明におけるRz値とした。
【0019】本発明においては、上記の如く、顔料及び
接着剤を主成分とした塗布液をカーテン塗布装置を用い
て塗布することを特徴としているが、第2塗布層が塗布
される第1塗布層表面の10点平均粗さを13μm以下
とし、第2塗布層をカーテン塗布装置を用いて塗布する
ことにより、塗布層の厚み及び密度が均一で塗布ムラ及
び塗布欠陥の発生がない顔料塗被紙を得る方法を開示し
たものは、未だ見当たらない。
【0020】以下、添付図面に基づき、本発明の実施態
様について詳細に説明する。図1は、本発明の実施態様
を示した顔料塗被紙の第2塗布層塗布用の塗布装置の概
略図である。予め調製された塗布液は、塗布液貯蔵タン
ク11より、給液ポンプ12によってコーターヘッド1
へ送られる。この際、塗布液の送液量は、最終製品の塗
布量と比例関係にあるため、コーターヘッド1への塗布
液の送液量コントロールは、精度よく行う必要がある。
それ故に、給液ポンプ12としては可変流量型の無脈動
定流量ポンプが適当である。
【0021】コーターヘッド1の内部は、マニホールド
6、スリット2からなり、それぞれ高精度の仕上げが施
されている。供給された塗布液はマニホールド6に満た
され、更にスリット2に送られるときに通過する狭い間
隙において、給液ポンプ12の送液による動圧の影響が
軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、リッ
プ3より流出し、垂直なカーテン膜4を形成する。
【0022】幅方向でプロファイルが均一となった垂直
カーテン膜4は、連続走行している第1塗布層塗設基材
5と接触し、第1塗布層塗設基材5に塗布される。ここ
で、エッジガイド10a、10bは、コーターヘッド1
の幅を超えず、更に、第1塗布層塗設基材5の幅を超え
て設けられ、垂直カーテン膜は第1塗布層塗設基材5の
幅を超えて形成される。垂直カーテン膜4が第1塗布層
塗設基材5の幅を超えて形成されているのは、垂直カー
テン膜4の両端部における塗層の厚塗りを防止するため
である。第1塗布層塗設基材5の幅を超えて流下する塗
布液は、受液槽9に回収され、塗布液貯蔵タンク11に
戻された後、再び塗布される。又、第1塗布層塗設基材
5が切断した時等塗布が中断された場合も、塗布液は受
液槽9に回収される。
【0023】連続走行している第1塗布層塗設基材5と
垂直カーテン膜4との塗布線領域には、第1塗布層塗設
基材5に同伴する空気流を可能な限り遮蔽し、カーテン
周辺の空気の回流等で垂直カーテン膜4が乱れることな
く第1塗布層塗設基材5に達するようにするため、遮風
板8が設けられている。又、第1塗布層塗設基材5の搬
送方向は、塗布線領域の直前でロール7により方向転換
することにより、第1塗布層塗設基材5に同伴する空気
の塗布線領域への影響を最小限にとどめるように構成さ
れている。
【0024】形成させた垂直カーテン膜4を安定した状
態で塗布するためには、第1塗布層塗設基材5からコー
ターヘッド1下部の流出部までの高さがある程度必要と
されるが、本実施態様においてはその高さを制御するこ
とも可能であり、垂直カーテン膜4の安定に適した高さ
は60〜300mm、好ましくは100〜250mm、
更に好ましくは120〜180mmである。
【0025】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、様々な変形が可能であることは言うまでもな
い。前述した実施態様において、形成したカーテン膜の
幅は第1塗布層塗設基材5の幅より大としたが、これは
塗布層両端部における塗布量の増加を防止するためであ
って、このような塗布量増加が小であるか、もしくはあ
まり問題とされない場合、又は特公昭49−14130
号公報等に開示される方法、その他塗布量増加防止方法
を採用することにより解消しうる場合には、垂直カーテ
ン膜を第1塗布層塗設基材5の幅に一致させるか、或は
これより多少小としても差し支えない。
【0026】又、カーテンヘッドにプロファイル調整機
構或は制御機構を付設することも可能である。特に、図
1に示されるスリット2に開度プロファイル調整機構を
付設すると、特に塗布幅が大きくなった場合に、幅方向
でより均一な塗布量プロファイルを得ることができる。
【0027】本発明における顔料塗被紙は、原紙の片面
或は両面に少なくとも2層の顔料及び接着剤を主成分と
して構成される塗布層を設けたものを指す。
【0028】本発明において用いることができる原紙と
しては、一般に使用される上質紙、中質紙、更紙、合成
紙、プラスティックフィルム等を例外なく含む。
【0029】本発明において、第1塗布層の塗布に用い
ることができる塗布方式としては、ブレード、エアナイ
フ、ロッド、メータリングバー、カーテン、ダイ、リッ
プ、スライドホッパー、コンマ、マイクログラビア、ゲ
ートロール、パドル、グラビアロール、リバースロール
等の塗布方式が挙げられる。又、第1塗布層の塗布は、
抄紙機に付設してオンマシン形式で塗布する方式、抄紙
機と独立して、オフマシン形式で塗布する方式のいずれ
の方式を採ることも可能である。
【0030】本発明において、第2塗布層の塗布に用い
ることができる塗布方式としては、カーテン塗布方式に
限定されるが、塗布ヘッドの方式として、エクストルー
ジョン方式、スライド方式を例外なく含む。又、第2塗
布層の塗布装置は、単独のラインに設置することも、抄
紙機に付設したオンマシン形式をとることや第1塗布層
や下塗層塗布基材の塗布装置と組み合わせて同一のライ
ンに設置することも可能である。
【0031】本発明において、顔料及び接着剤を主成分
とする塗布液とは、顔料と接着剤、その他添加剤と共に
水に溶解もしくは分散せしめた液であって、顔料、接着
剤、その他添加剤の固形分濃度が、10〜70重量%の
ものを言う。顔料、接着剤の配合割合は、一般に顔料1
00重量部に対し、接着剤が5重量部以上、好ましく
は、10〜70重量部であることが望ましい。
【0032】本発明で用いられる顔料としては、カオリ
ン、クレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、レーキ、プラスチ
ックピグメント、バインダーピグメント等が挙げられ
る。
【0033】本発明に用いられる接着剤としては、スチ
レン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル系、エチレン・酢
ビ系、ブタジエン・メチルメタクリル系、酢ビ・ブチル
アクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコー
ル、無水マレイン酸共重合体、イソブテン・無水マレイ
ン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共
重合体等の合成系接着剤、酸化澱粉、エーテル化澱粉、
エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュド
ライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆蛋白
等の天然系接着剤などのような一般に知られた接着剤が
挙げられる。又、必要に応じて、増粘剤、保水剤、耐水
化剤、着色剤等の通常の塗被紙用顔料塗布液に配合され
る各種助剤が適宜使用できる。
【0034】本発明において、第2塗布層或は第1塗布
層に用いられる顔料及び接着剤を主成分とする塗布液の
塗布量は、乾燥重量規準で、1g/m2以上、好ましく
は、3〜30g/m2が適当である。
【0035】
【作用】本発明において、第2塗布層が塗布される第1
塗布層表面の10点平均粗さRzを13μm以下とし、
第2塗布層がカーテン塗布装置を用いて塗布することに
より、塗布層の厚み及び密度が均一で塗布ムラ及び印刷
ムラ発生がない顔料塗被紙を得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の効果を一層明瞭とするために
実施例を掲げる。なお、実施例中の部数は、全て重量部
を示し、特にことわりのない限り、濃度は固形分濃度の
重量%、塗布量は、乾燥塗布量を示す。Rzの測定は、
触針式表面粗さ計である東京精密(株)製のハンディー
サーフE−30Aにより行った。
【0037】実施例1 坪量60g/m2の上質紙に、ブレード塗布装置によ
り、塗布量が10g/m2となるように、以下の配合の
固形分濃度が56%の第1塗布層塗布液を、塗布速度1
000m/分で塗布し、第1塗布層を設けた第1塗布層
塗設基材の作製を行った。なお、このときの第1塗布層
のRzは11.1μmであった。
【0038】 <第1塗布層塗布液配合> 市販重質炭酸カルシウム(カービタル90) 100部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.2部 市販燐酸エステル化澱粉 9部 市販スチレン・ブタジエン・ラテックス 8部 アンモニア 0.1部
【0039】以下の配合で固形分濃度が48%の第2塗
布層塗布液を作製し、この第1塗布層塗設基材にカーテ
ン塗布装置を用い、800m/分の塗布速度で、以下の
塗布液を塗布量が15g/m2になるように塗布、乾燥
を行い、顔料塗被紙を得た。
【0040】 <第2塗布層塗布液配合> 市販重質炭酸カルシウム(カービタル90) 20部 市販1級カオリン(ウルトラホワイト90) 70部 市販サチンホワイト 10部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.3部 市販燐酸エステル化澱粉 3部 スチレン・ブタジエン・ラテックス 18部
【0041】実施例2 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
重質炭酸カルシウム(カービタル90)80部、市販重
質炭酸カルシウム(カービタル75)20部とした以外
は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。この
とき、第1塗布層のRzは、12.2μmであった。
【0042】実施例3 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
重質炭酸カルシウム(カービタル90)30部、市販2
級カオリン(ハイドラスパース)70部とした以外は、
実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。このと
き、第1塗布層のRzは、8.9μmであった。
【0043】実施例4 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
2級カオリン(ハイドラスパース)70部、市販1級カ
オリン(ウルトラホワイト90)30部とした以外は、
実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。このと
き、第1塗布層のRzは、7.2μmであった。
【0044】比較例1 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
重質炭酸カルシウム(カービタル90)50部、市販重
質炭酸カルシウム(カービタル75)50部とした以外
は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。この
とき、第1塗布層のRzは、13.8μmであった。
【0045】比較例2 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
重質炭酸カルシウム(カービタル75)60部、市販2
級カオリン(ハイドラスパース)40部とした以外は、
実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。このと
き、第1塗布層のRzは、13.9μmであった。
【0046】比較例3 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
重質炭酸カルシウム(カービタル75)85部、市販2
級カオリン(ハイドラスパース)15部とした以外は、
実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。このと
き、第1塗布層のRzは、18.6μmであった。
【0047】比較例4 実施例1における第1塗布層塗布液配合の顔料を、市販
重質炭酸カルシウム(カービタル75)100部とした
以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。
このとき、第1塗布層のRzは、25.8μmであっ
た。
【0048】比較例5 第2塗布層の塗布装置として、ブレード塗布装置を使用
した以外は、実施例3と同様の方法で、顔料塗被紙を得
た。
【0049】比較例6 第2塗布層の塗布装置として、エアナイフ塗布装置を使
用した以外は、実施例3と同様の方法で、顔料塗被紙を
得た。
【0050】比較例7 第2塗布層の塗布装置として、リバースロール塗布装置
を使用した以外は、実施例3と同様の方法で、顔料塗被
紙を得た。
【0051】得られた顔料塗被紙は、全て同一の条件で
カレンダー処理を行った後に評価した。
【0052】顔料塗被紙の評価項目としては、次に述べ
る通りである。 [ブリスター或はクレーター]第2塗布層のブリスター
或はクレーターの発生状況は、60倍の光学式顕微鏡を
用いて、1mmx1mmの平方範囲内のブリスター及び
クレーターの数を目視計測する方法を採った。 [塗布ムラの発生状況]厚み及び密度の均一性は、目視
により観察し、目立った塗布ムラがある場合に、ムラの
発生状況を記述した。 [印刷ムラ]塗布ムラと密接な関係のある印刷後の印刷
ムラは、印刷後に目視評価した。印刷ムラの評価は、4
色刷りローランドオフセット印刷機にて、湿し水過多の
条件で印刷し、一昼夜室温にて放置し、サンプルのシア
ンの単色の網点の面積率が50%の印刷部に関して、目
視により行った。(単位:5段階評価で5が最も優れ
る)
【0053】
【表1】
【0054】<評価結果>表1のような評価結果を得た
が、実施例のようにカーテン塗布装置を用い、第1塗布
層のRzを13μm以下とすることにより、ブリスター
やクレーター、塗布ムラ及び印刷ムラの発生が見られ
ず、品質的に満足の得られる顔料塗被紙を得ることがで
きた。比較例1〜4に示すように、Rzが13μmを超
えると、第1塗布層のピットの発生に起因するブリスタ
ー及びクレーターの発生個数が多くなり、特に印刷ムラ
となって現れ、比較例5〜7では、カーテン塗布装置以
外の塗布装置の固有の塗布欠陥の発生が見られ満足の得
られる品質の塗被紙を得ることができなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、塗布層の厚み及び密度
が均一で塗布ムラの発生がなく、印刷ムラが発生しない
顔料塗被紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すカーテン塗布装置の
概略図。
【符号の説明】
1 コーターヘッド 2 スリット 3 リップ 4 カーテン膜 5 第1塗布層塗設基材 6 マニホールド 7 ロール 8 遮風板 9 受液槽 10a、10b エッジガイド 11 貯蔵タンク 12 給液ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の片面に少なくとも2層以上の塗布
    層を設けた顔料塗被紙において、原紙或は下塗層塗設基
    材上に、JIS B0601に規定される10点平均粗
    さRzが13μm以下の第1塗布層を設け、該第1塗布
    層表面に、カーテン塗布装置を用いて第2塗布層を設け
    てなることを特徴とする顔料塗被紙。
  2. 【請求項2】 原紙の片面に少なくとも2層以上の塗布
    層を設けた顔料塗被紙の製造方法において、原紙或は下
    塗層塗設基材に、JIS B0601に規定される10
    点平均粗さRzが13μm以下となるように第1塗布層
    を塗設して後、該第1塗布層上に、カーテン塗布装置を
    用いて第2塗布層を塗設することを特徴とする顔料塗被
    紙の製造方法。
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