JPH0711884Y2 - 内面研磨用遊星旋回式バレル加工機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は内面の研磨、表面仕上、洗浄、防錆等の加工
を必要とする高圧ガスボンベ等の中空円筒状工作物の内
面研磨用遊星旋回式バレル加工機に関する。

（従来の技術） 従来の内面研磨用遊星旋回式バレル加工機は、実開昭53
−127686号公報に示されているように工作物用ケースに
対し中空円筒状工作物を１個ずつ取り付ける構成であっ
た。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の内面研磨用遊星旋回式バレル加工機は、４個
の工作物用ケースを有するが、各工作物用ケースに対し
１個の工作物しか取り付けることができない。従って一
度に４個の中空円筒状工作物しか研磨することができ
ず、処理能力に問題点があった。

（課題を解決する為の手段） この考案は上記の問題点を解決するため、マガジンケー
ス内へ複数の工作物を収容できるようにした。

即ちこの考案は、機体に回転可能に架設した主軸へター
レットを固着し、該ターレットの円周上に等間隔で複数
個のマガジンケースを自転自在に架設し、前記マガジン
ケースに、内部へ研磨材を装入した中空円筒状工作物
を、円周上に等間隔で複数個取り付けられるようにした
マガジンを装着し、前記主軸と、前記マガジンケースに
夫々回転手段を連結した内面研磨用遊星旋回式バレル加
工機である。また、マガジンは円筒状工作物を保持する
内側円板と、内側円板を支える支柱と、円筒状工作物の
両端を挟持する外側円板とにより構成したものである。

（作用） この考案によれば、中空円筒状工作物をマガジンに複数
個取り付け、これを複数個のケースに装着するようにし
たので一度に十数個乃至数十個の中空円筒状工作物を研
磨することができる。

（実施例） 次にこの考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

機体１は鉄板で構成した箱であって、その中央部に主軸
２が、軸受３、３により横に架設してある。前記主軸２
には、ターレット駆動用ホイール４と円板形のターレッ
ト５が所定の間隔を保って固定されていると共に、遊星
ホイール駆動輪６が回転自在に嵌装してある。前記ター
レット駆動用ホイール４は、有頂の短円筒を横にした形
であって、その頂板4aの中央部を主軸２に直角に固着す
ると共に、該固着部を中心とした同心円周上に数個の軸
受７を等間隔に設置し、この軸受７に対応してターレッ
ト５の同心円周上に軸受7aを設置し、前記軸受７、7aに
マガジンケース８の軸９、9aを回転自在に架設して、軸
９へ駆動用ホイール10を固着してある。前記遊星ホイー
ル駆動輪６には、マガジンケース８の数と同一個数のケ
ース駆動用ホイール11と、遊星ホイール駆動輪６を回転
させる為の連動ホイール12が固定してある。前記マガジ
ンケース８には、ケース蓋8aが蝶着されている。前記タ
ーレット５に架設するマガジンケース８の数は一個以上
何個でもよいが、通常四個を対称的に架設する。前記マ
ガジンケース８は、複数個の中空円筒状工作物23（本実
施例では第３図に示すような高圧ガスボンベ）を取り付
けたマガジン26が装着できるようになっている。また前
記マガジンケース８の架設は主軸２に対し第１図のよう
に水平（主軸と平行）であっても、第６図のように傾斜
（主軸と角度をなす）させても研摩できる。但し、主軸
との傾斜角度が20度を越えると工作物内面が不均一研磨
される虞がある。

尚、第２図中21は公転用モーター、22は自転用モータ
ー、27は減速機である。前記において、公転数Ｎと自転
数ｎの比n/Nは−１にするのが一般的であるが、工作物
によっては、n/Nを変化させた方が良い場合もある。

次にボンベ23を保持するマガジン26の詳細を第４図およ
び第５図に基づいて説明する。

ボンベ23を円周上に等間隔で複数個（図では５個の場合
を示す）保持するための２枚の内側円板13、13aが一定
間隔を保って複数の支柱14に取り付けられている。前記
内側円板13、13aにはボンベ23が通過できる孔15が複数
個（図では５個）開けられている。前記支柱14は杆体29
と、これに嵌装したパイプ30で構成されている。

前記支柱14の両端にはボルト16、16aが螺合して突設さ
れており、該ボルト16、16aは、外側円板18、18aの孔17
に挿入されナット19により固定される。前記外側円板1
8、18aの内側には弾力性のあるゴムライニング20、20a
が施してあり、この弾性力によってボンベ23を前記外側
円板18、18a内に確実に保持している。第４図中28は、
内側円板13、13aの中心軸線上の支柱14aの中心部に固着
された星型のガイド板で、ボンベ23のマガジン26への装
着を容易にしている。即ち、ボンベ23を内側円板13、13
aの一方の孔15より他方の孔15へ挿通する際にボンベ23
の先端がガイド板28上に載るので作業が容易となる。

以上の構造に基づいてこの実施例の動作を説明する。

先ず研磨材と、要すれば水及びコンパウンド（これらの
混合物をマスと総称する）をボンベ23内に装入し、ボン
ベ23の蓋を締める。前記マスの装入量は、ボンベの内容
量の30〜70％であり、好ましくは40〜60％とする。マス
量が30％以下ではボンベ23の側面25に比べ端面24が研磨
不足となり（第３図）、70％以上では研磨力が低下す
る。

マスが装入されたボンベ23をマガジン26の内側円板13、
13aの孔15内に挿通し、５本のボンベの全てが夫々の孔1
5内に挿通されたならば、外側円板18、18aでボンベ23の
両端を挟持してマガジン26へのセットが終了する。

次にボンベ23がセットされたマガジン26四個を夫々のマ
ガジンケース８へセットし、公転用モーター21を駆動す
る。ここで自転用モーター22を停止しておくと公転数Ｎ
と自転数ｎの比n/Nは−１となる。自転用モーター22を
駆動するとその割合により、n/Nは変化させることがで
きるが、ここではn/Nは−１として説明する。公転用モ
ーター21の駆動によりマガジンケース８はボンベ23と共
に主軸２のまわりを自公転する。これによりボンベ23内
のマスはボンベ内面24、25を摺動するので、研磨するこ
とができる。研磨が終了したならば、前記操作と反対の
操作によりボンベ23をマガジンケース８から取り外し、
マスを排出し、内面を洗浄、防錆および乾燥処理をする
ことにより研摩を完了する。

（考案の効果） この考案は中空円筒状工作物をマガジンに複数個取り付
け、そのマガジンをターレットの円周上にマガジンケー
スを介して複数個設置し、遊星旋回させるようにしたの
で、一度に複数個の中空円筒状工作物の内面を研磨し、
能率を著しく向上した効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は同じく側
面図、第３図はこの考案の実施例で研磨される工作物の
ボンベの一部断面拡大図、第４図はこの考案の実施例に
使用されるマガジンの一部断面拡大正面図、第５図は同
じく拡大側面図、第６図はこの考案の他の実施例の正面
図である。 １…機体 ２…主軸 ５…ターレット ６…遊星ホイール駆動輪 ８…マガジンケース 13、13a…内側円板 18、18a…外側円板 21…公転用モーター 22…自転用モーター 23…中空円筒状工作物 26…マガジン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体に回転可能に架設した主軸へターレッ
   トを固着し、該ターレットの円周上に等間隔で複数個の
   マガジンケースを自転自在に架設し、前記マガジンケー
   スに、内部へ研磨材を装入した中空円筒状工作物を、円
   周上に等間隔で複数個取り付けられるようにしたマガジ
   ンを装着し、前記主軸と、前記マガジンケースに夫々回
   転手段を連結した内面研磨用遊星旋回式バレル加工機
2. 【請求項２】マガジンは円筒状工作物を保持する内側円
   板と、内側円板を支える支柱と、円筒状工作物の両端を
   挟持する外側円板とにより構成した実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の内面研磨用遊星旋回式バレル加工機