JPH07118812A - 耐熱鋳鋼タービンケーシング及びその製造法 - Google Patents

耐熱鋳鋼タービンケーシング及びその製造法

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JPH07118812A
JPH07118812A JP5267032A JP26703293A JPH07118812A JP H07118812 A JPH07118812 A JP H07118812A JP 5267032 A JP5267032 A JP 5267032A JP 26703293 A JP26703293 A JP 26703293A JP H07118812 A JPH07118812 A JP H07118812A
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heat
cast steel
resistant cast
less
turbine casing
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JP5267032A
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Masao Shiga
正男 志賀
Mitsuo Kuriyama
光男 栗山
Kishio Hidaka
貴志夫 日高
Shigeyoshi Nakamura
重義 中村
Hiroshi Fukui
寛 福井
Toshio Fujita
利夫 藤田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温でのクリ−プ破断強度が高く、良好な溶
接性を有し、主蒸気温度及び圧力が621 ℃、250 kgf/cm
2の超々臨界圧タービンに用いる耐熱鋳鋼ケーシングを
提供する。 【構成】 ケーシングは、重量比でC 0.06〜0.16%、
Si 0.4%未満、Mn 1%未満、Cr 8〜12%、Ni 0.2〜
0.9%、V 0.05〜0.3%、Nb 0.01〜0.15%、N0.01〜
0.08%、Mo 1%未満、W 1%を越え3%未満、B 0.002
7%未満を含み、残部が実質的にFeからなる耐熱鋳鋼に
より構成し、Ni/Wを0.25〜0.75とするのがよく、ま
たTa 0.15%以下及びZr 0.1%以下の少なくとも一種
を添加してもよく、さらに次式で計算されるCr当量が4
〜10とするのがよい。 Cr当量=Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V+5Nb-40C-30N-30B-2Mn-4N
i-2Co

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な耐熱鋳鋼タービ
ンケーシングおよびその製造法に係り、特に621℃以上
における高いクリ−プ破断強度と、良好な溶接性を有
し、主蒸気温度及び圧力がそれぞれ621℃、250 kgf/cm2
の超々臨界圧タービンの高圧及び中圧内部ケーシング並
びに主蒸気止め弁及び加減弁ケーシングに好適な耐熱鋳
鋼で構成されたタ−ビンケーシングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸気タ−ビンは蒸気温度最大566
℃、蒸気最大圧力246 kgf/cm2 である。このケーシング
材としては1Cr−1Mo−1/4V 低合金鋳鋼や、11Cr−1
Mo−V−Nb−N鋳鋼が用いられている。
【0003】しかし、石油、石炭などの化石燃料の枯渇
及び省エネの観点から、火力発電プラントの高効率化が
望まれている。発電効率を上げるためには蒸気タ−ビン
の蒸気温度を上げるのが最も有効な手段である。これら
の高効率タ−ビン用材料としては、現用ケーシング材で
は強度不足で、これよりも高強度の材料が必要である。
しかし、前述した鋳鋼はいずれも、蒸気温度621℃以
上の高温蒸気タ−ビンケーシングとしては、高温強度が
不足である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来ケーシング
材料よりも高温強度の高い材料としては、発明者らが開
発した、特開昭61-23749号公報に示されているオーステ
ナイト系鋳鋼が知られている。しかし、これらの合金は
高温クリ-プ破断強度に優れているが、コストが高い上
に熱膨張係数が大きいために、タ-ビンの起動停止時に
大きな熱応力を発生する問題があった。
【0005】本発明の目的は、熱膨張係数が従来使用材
と同等で、621℃以上でのクリ-プ破断強度の高く、かつ
溶接性の良好なフェライト系耐熱鋳鋼タービンケーシン
グとその製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の耐熱鋳鋼タービンケーシングは、重量比で
C 0.06〜0.16%、Si 0.4%未満、Mn 1%未満、Cr 8
〜12%、Ni 0.2〜0.9%、V 0.05〜0.3%、Nb 0.01〜
0.15%、N 0.01〜0.08%、Mo 1%未満、W 1%を超え
3%未満、B 0.0027%未満を含み、残部がFe及び不可
避不純物からなる耐熱鋳鋼で構成されていることを特徴
とする。そしてNi/W比が0.25〜0.75であることが好
ましい。
【0007】また本発明の別の耐熱鋳鋼タービンケーシ
ングは、重量比でC 0.09〜0.14%、Si 0.3%未満、M
n 0.40〜0.70%、Cr 8〜10%、Ni 0.4〜0.7%、V 0.
15〜0.25%、Nb 0.04〜0.08%、N 0.02〜0.06%、Mo
0.40〜0.80%、W 1.4〜1.9%、B 0.001〜0.0025%を
含み、残部がFe及び不可避不純物からなる耐熱鋳鋼で
構成されていることを特徴とする。
【0008】上記本発明の各耐熱鋳鋼タービンケーシン
グの組成にさらにTa 0.15%以下及びZr 0.1%以下の
うち少なくとも一種を含有させることが好ましい。また
次式で計算されるCr当量が4〜10であることが好まし
い。
【0009】 Cr当量=Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V+5Nb-40C-30N-30B-2Mn-4Ni-2Co (1) さらに、本発明の各耐熱鋳鋼タービンケーシングを構成
する耐熱鋳鋼は625 ℃、105 hクリープ破断強度を9 kgf
/mm2以上、室温衝撃吸収エネルギーを1 kgf-m以上を有
し、溶接性が良好なものとする。更に、より高い信頼性
を確保するには、625 ℃、105 hクリープ破断強度を10
kgf/mm2以上、室温衝撃吸収エネルギーを2 kgf-m以上で
あることが好ましい。
【0010】本発明は耐熱鋳鋼タービンケーシングの製
造法は、上記各耐熱鋳鋼ケーシング材を目標組成とする
合金原料を電気炉で溶解し、とりべ精錬後、砂型鋳型に
鋳込み成形することを特徴とする。そして鋳込み成形の
後に、1000〜1150℃で焼鈍し、1000〜1100℃に加熱し急
冷する焼準熱処理を行い、550〜750℃及び670〜770℃で
2回焼もどしを行うことが好ましい。
【0011】
【作用】本発明にかかる耐熱鋳鋼の組成成分を次のよう
に限定した。Cは高い引張強さを得るために0.06%以上
必要な元素であるが、0.16%を超えると、高温に長時間
さらされた場合に金属組織が不安定になり、長時間クリ
−プ破断強度を低下させるので、0.06〜0.16%に限定さ
れる。特に0.09〜0.14%が好ましい。
【0012】Nはクリ−プ破断強度の改善及び有害な
(靭性及び疲労強度を低下させる)δフェライト組織の
生成防止に効果があるが、0.001%未満ではその効果が
十分でな0.08%を越えると靭性を低下させると共に、ク
リ−プ破断強度も低下させる。特に0.02〜0.06%が好ま
しい。
【0013】Mnは脱酸剤として添加するものであり、
少量の添加でその効果は達成され、1%を越える多量の
添加はクリ−プ破断強度を低下させる。特に0.4〜0.7%
が好ましい。
【0014】Siも脱酸剤として添加するものである
が、真空カーボン脱酸法などの製鋼技術によれば、Si
脱酸は不要である。またSiを低くすることにより有害
なδフェライト組織生成防止効果がある。したがって、
添加する場合には0.4%以下に抑える必要があり、特に
0.3%未満が好ましい。
【0015】Vはクリ−プ破断強度を高める効果があ
る。0.05%未満ではその効果が不十分で0.3%を越える
とδフェライトを生成して疲労強度を低下させる。特
に、0.15〜0.25 %が好ましい。
【0016】Nb は高温強度を高めるのに非常に効果的
な元素であるが、あまり多量に添加すると、特に大型鋼
塊では粗大な共晶Nb炭化物が生じ、かえって強度を低
下させたり、疲労強度を低下させるδフェライトを析出
させる原因になるので0.15%以下に抑える必要がある。
また0.01%未満のNbでは効果が不十分である。特に大
型鋼塊の場合は0.02〜0.1%が、より0.04〜0.08%が好
ましい。
【0017】Niは靭性を高め、かつ、δフェライトの
生成を防止するのに非常に有効な元素であるが、0.2%
未満ではその効果が十分でなく、0.9 %を越える添加は
クリ−プ破断強度を低下させるので好ましくない。特に
0.4〜0.7 %が好ましい。
【0018】Crは高強度及び高温酸化を改善する効果
がある。12 %を越えると有害なδフェライト組織生成
の原因となり、8 %より少ないと高温高圧蒸気に対する
耐酸化性が不十分となる。またCr添加は、クリープ破
断強度を高める効果があるが、過剰の添加は有害なδフ
ェライト組織生成及び靭性低下の原因となる。特に8.0
〜10%、より8.5〜9.5%が好ましい。
【0019】Wは高温長時間強度を顕著に高める効果が
ある。1%より少ないWでは、621〜650℃で使用する耐
熱鋼としては効果が不十分である。またWが3%を越え
ると靭性が低くなる。1.2〜2.0 %が好ましく、特に1.4
〜1.8 %が好ましい。
【0020】Mo添加は、高温強度向上のために行なわ
れる。しかし、本発明鋳鋼の様に1%を超えるWを含む
場合には、1%以上のMo添加は靭性及び疲労強度を低下
させるので、1%未満に制限される。特に0.4〜0.8%が
好ましく、より0.55〜0.70%が好ましい。
【0021】本発明において、重要な点はNi/W比の調
整である。Ni/W比を0.25〜0.75に調整することによ
り、621℃、250 kgf/cm2以上の超々臨界圧タービン高圧
および中圧内部ケーシング並びに主蒸気止め弁および加
減弁ケーシングに要求される、625℃、105hクリープ破
断強度9 kgf/mm2以上、室温衝撃吸収エネルギー1 kgf-m
以上の耐熱鋳鋼ケーシング材が得られる。
【0022】Ta及びZrの添加は、低温靭性を高める効
果があり、Ta 0.15%以下及びZr0.1%以下の単独また
は複合添加で十分な効果が得られる。Taを0.1%以上添
加した場合には、Nbの添加を省略することができる。
【0023】本発明の耐熱鋳鋼ケーシング材は、δフェ
ライト組織が混在すると、高温クリープ破断強度及び低
温靭性が低くなるので、組織は均一な焼もどしマルテン
サイト組織が好ましい。焼もどしマルテンサイト組織を
得るために、(1)式で計算されるCr当量を、成分調整
により10以下にしなければならない。Cr当量をあまり
低くすると高温クリープ破断強度が低下してしまうの
で、4以上にしなければならない。特に、Cr当量 6〜9
が好ましい。
【0024】B添加は高温(621℃以上)クリ-プ破断強度
を著しく高める。B含有量が0.0028%を超えると、溶接
性が悪くなるため、上限は0.0028%に制限される。大形
ケーシングのB含有量は0.0005〜0.0025%が好ましく、
特に0.001〜0.002%が好ましい。
【0025】タービンケーシングは、621℃以上の高圧
蒸気に曝されるので、内圧による高応力が作用する。そ
のため、クリープ破壊防止の観点から、ケーシング材は
9kgf/mm2以上の625℃、105hクリープ破断強度が要求さ
れる。また、タービン起動時には、メタル温度が低い時
に熱応力が作用するので、脆性破壊防止の観点から、1k
gf-m以上の室温衝撃吸収エネルギーが要求される。特
に、より高い信頼性を確保するためには、625℃、105h
クリープ破断強度 10kgf/mm2以上、室温衝撃吸収エネル
ギー 2kgf-m以上であることが好ましい。
【0026】欠陥の少ないケーシングを作製するには、
鋳塊重量50トン前後と大形になるので、高度な製造技術
が要求される。上記の本発明にかかるフェライト系の耐
熱鋳鋼ケーシング材は、その耐熱鋳鋼を目標組成とする
合金原料を電気炉で溶解し、とりべ精錬後、砂型鋳型に
鋳込み成形することにより健全なものが作製できる。鋳
込み前に、十分な精錬及び脱酸を行うことにより、引け
巣等の鋳造欠陥の少ないものにできる。
【0027】また、成形された耐熱鋳鋼を1000〜1150℃
で焼鈍熱処理後、1000〜1100℃に加熱し急冷する焼準熱
処理、550〜750℃及び670〜770℃で2回焼もどしを行う
ことにより、621℃以上の蒸気中で使用可能な蒸気タ−
ビンケーシングが製造できる。焼鈍及び焼準温度は、10
00℃以下では炭窒化物を十分固溶させることが出来ず、
あまり高くすると結晶粒粗大化の原因になる。また、2
回焼もどしは、残留オーステナイトを完全に分解させ、
均一な焼きもどしマルテンサイト組織にすることができ
る。上記の製法で作製することにより、9kgf/mm2以上の
625℃、105hクリープ破断強度と1kgf-m以上の室温衝撃
吸収エネルギーが得られ、621℃以上の蒸気中で使用可
能な蒸気タ−ビンケーシングにできる。
【0028】図1は本発明にかかわる蒸気タービンの断
面図である。蒸気は主蒸気管1より入り、内部ケーシン
グ2に取り付けられた静翼3によって所定の方向に噴射さ
れ、その噴射によってロータシャフト4に取り付けられ
た動翼5を回転させる。仕事をした蒸気は外部ケーシン
グ6と内部ケーシング2との間を通り、冷却蒸気出口7よ
り排出される。更にこの排出された蒸気は、より低圧の
蒸気で作動する蒸気タービンへ送られるか、またはボイ
ラに送られ再加熱され再び蒸気タービンへ送られる。な
お、タービンの起動/停止及び出力調整は、ボイラから
送られて来る蒸気を、図2に示す主蒸気止め弁9および
加減弁10で流量調節することにより行われる。これら主
蒸気止め弁9と加減弁10の各ケーシングは互いに溶接11
によって接合されている。
【0029】以下、内部ケーシングには本発明に係る9
Crフェライト系鋳鋼が、ロータシャフトには本発明に
係る鋼と同じくフェライト系の12Cr鍛鋼が、外部ケ
ーシングにはCr-Mo-V鋳鋼がそれぞれ用いられる。
【0030】特に、本発明においては、621℃、250kgf/
cm2以上の超々臨界圧タービン高圧及び中圧内部ケーシ
ング並びに主蒸気止め弁ケーシング及び加減弁ケーシン
グに好適である。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。 〔実施例1〕本発明にかかるフェライト系の耐熱鋳鋼及
び比較材について、溶接性試験、室温における衝撃試
験、高温クリープ試験(625℃)等を実施した。
【0032】表1および表2は上記各種試験に供した試
料の化学組成を示す。試料は、大形ケーシングの厚肉部
を想定して、高周波誘導溶解炉を用い200kg溶解し、最
大厚さ200mm、幅380mm、高さ440mmの砂型に鋳込み、鋳
塊を作製した。表1に示す試料No.1〜10は比較材であ
り、表2に示す試料No.11〜14は本発明材である。その
うち試料No.1およびNo.2は現流タ−ビンに使用されて
いるCr-Mo-V鋳鋼および11Cr-1Mo-V-Nb-N 鋳鋼である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】各試料は、1050℃×8h炉冷の焼鈍処理後、
大形蒸気タ-ビンケーシングの厚肉部を想定して次の条
件で熱処理(焼準・焼もどし)した。
【0036】試料No.1:1050℃×8h 空冷 710℃×7h 空冷 710℃×7h 炉冷 試料No.2〜No.14: 1050℃×8h 空却 720℃×7h 空冷 720℃×7h 炉冷 溶接性評価は、JIS Z3158に準ずる斜めY形溶接われ試験
により行った。図3はその試験片形状および寸法を示
す。予熱、パス間および後熱開始温度は150℃に、後熱
処理は400℃×30分にした。
【0037】表3は比較材について、表4は本発明材に
ついて、それぞれ室温の引張特性、20℃におけるVノッ
チシャルピ−衝撃吸収エネルギ−、625℃における105
クリ−プ破断強度及び溶接割れ試験結果を示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】適量のB、Mo及びWを添加した本発明材
No.11〜14 のクリープ破断強度及び衝撃吸収エネルギー
は、超々臨界圧タービンロータに要求される特性(625
℃、105h強度≧9kgf/mm2、20℃衝撃吸収エネルギー≧1k
g-m)を十分満足する。また、Ta、及びZrを添加した試
料 No.13及び14 の20℃における靭性は、かなり優れて
いる。また、本発明材には溶接割れが認められず、溶接
性が良好である。図4はB量と溶接割れの関係を示す。
B量の多い比較材 No.3及び No.4には、溶接割れが発生
した。表3、表4で、機械的性質に及ぼすMoの影響を見
ると、Mo 1.18%を含む比較材 No.6は、クリープ破断強
度は高いものの、衝撃値が低く、要求される靭性を満足
できない。一方、Mo 0.11%を含む比較材 No.5は、靭性
は高いものの、クリープ破断強度が低く、要求される強
度を満足できない(図5)。
【0041】図6は機械的性質に及ぼすNi/W比の影
響を示す。Ni/W比をあまり高めるとクリープ破断強
度が低くなる。逆にNi/W比をあまり低くすると室温
衝撃吸収エネルギーが低くなる。Ni/W比を0.25〜0.7
5に調整することにより、温度621℃、圧力250kgf/cm2
上の超々臨界圧タービン高圧及び中圧内部ケーシング並
びに主蒸気止め弁及び加減弁ケーシングに要求される、
625℃、105hクリープ破断強度 9kgf/mm2以上、室温衝撃
吸収エネルギー 1kgf-m以上の耐熱鋳鋼ケーシング材が
得られる。特に、Ni/W比を 0.25〜0.75に調整するこ
とにより、625℃、105hクリープ破断強度 10kgf/mm2
上、室温衝撃吸収エネルギー 2kgf-m以上の優れた耐熱
鋳鋼ケーシング材が得られる。
【0042】〔実施例2〕本発明にかかる耐熱鋳鋼を目
標組成とする合金原料を電気炉で1トン溶解し、とりべ
精錬後、砂型鋳型に鋳込み成形した。この成形した鋳鋼
を1050℃×8hで保持し炉冷の焼鈍熱処理後、1050℃×8h
で保持し衝風冷の焼準熱処理、730℃×8h保持し炉冷の
2回焼もどしを行った。この試作ケーシングを切断し調
査した結果、超々臨界圧タービンケーシングに要求され
る特性(625℃、105hクリープ強度≧9kgf/mm2、20℃衝撃
吸収エネルギー≧1kg-m)を十分満足することと、溶接性
が良好であることが確認された。これにより、621℃以
上の蒸気中で使用可能な蒸気タ−ビンケーシングが製造
できることが実証された。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、625℃クリ-プ破断強度
及び室温靭性の高いフェライト系耐熱鋳鋼が得られるの
で、温度650℃までの超々臨界圧タ-ビン用ケーシングお
よびその類の高温部材を従来のオーステナイト系耐熱鋳
鋼に代わり、フェライト系耐熱鋳鋼(本発明材)で作製す
ることができる。
【0044】これまでのオーステナイト系耐熱鋳鋼に代
わり、本発明にかかる耐熱鋳鋼をタービンケーシングに
使用することにより、材料コストを著しく低減すること
ができる。また、本発明にかかるフェライト系耐熱鋳鋼
はオーステナイト系耐熱鋳鋼に比べ熱膨張係数が小さい
ので、タービンの急起動が容易になると共に、熱疲労損
傷を受け難いなどの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱鋳鋼タービンケーシングを構成要
素とする蒸気タービンの断面図である。
【図2】主蒸気止め弁および加減弁それぞれのケーシン
グを示す図である。
【図3】本発明にかかる耐熱鋳鋼の溶接割れ試験片形状
を示す図である。
【図4】本発明材におけるB量と溶接割れの関係を示す
図である。
【図5】本発明材における機械的性質に及ぼすMoの影
響を示す図である。
【図6】本発明材における機械的性質におよぼすNi/
W比の影響を示す図である。
【符号の説明】
1 主蒸気管 2 内部ケーシング 3 静翼 4 ロータシャフト 5 動翼 6 外部ケーシング 7 冷却蒸気出口 9 主蒸気止め弁 10 加減弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F03B 11/02 7504−3H (72)発明者 中村 重義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 藤田 利夫 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でC 0.06〜0.16%、Si 0.4%未
    満、Mn 1%未満、Cr 8〜12%、Ni 0.2〜0.9%、V
    0.05〜0.3%、Nb 0.01〜0.15%、N 0.01〜0.08%、M
    o 1%未満、W 1%を超え3%未満、B 0.0027%未満を
    含み、残部がFe及び不可避不純物かるなる耐熱鋳鋼で
    構成されていることを特徴とする耐熱鋳鋼タービンケー
    シング。
  2. 【請求項2】 前記耐熱鋳鋼におけるNiとWの含有量
    の比Ni/Wが0.25〜0.75であることを特徴とする請求
    項1記載の耐熱鋳鋼タービンケーシング。
  3. 【請求項3】 重量比でC 0.09〜0.14%、Si 0.3%未
    満、Mn 0.40〜0.70%、Cr 8〜10%、Ni 0.4〜0.7
    %、V 0.15〜0.25%、Nb 0.04〜0.08%、N0.02〜0.0
    6%、Mo 0.40〜0.80%、W 1.4〜1.9%、B 0.001〜0.
    0025%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる耐
    熱鋳鋼で構成されていることを特徴とする耐熱鋳鋼ター
    ビンケーシング。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれかに記載の耐熱
    鋳鋼タービンケーシングの組成にさらにTa 0.15%以下
    及びZr 0.1%以下のうち少なくとも一種を含有する耐
    熱鋳鋼で構成されていることを特徴とする耐熱鋳鋼ター
    ビンケーシング。
  5. 【請求項5】 前記耐熱鋳鋼は次式により計算されるC
    r当量が4〜10であることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の耐熱鋳鋼タービンケーシング。 Cr当量=Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V+5Nb-40C-30N-30B-2Mn-4N
    i-2Co
  6. 【請求項6】 前記耐熱鋳鋼は625℃、105hクリープ破
    断強度を9 kgf/mm2以上、室温衝撃吸収エネルギーを1 k
    gf-m以上を有し、溶接性が良好であることを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載の耐熱鋳鋼タービン
    ケーシング。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の耐
    熱鋳鋼ケーシング材を目標組成とする合金原料を電気炉
    で溶解し、とりべ精錬後、砂型鋳型に鋳込み成形するこ
    とを特徴とする耐熱鋳鋼タービンケーシングの製造法。
  8. 【請求項8】 前記鋳込み成形後に、1000〜1150℃で焼
    鈍し、1000〜1100℃に加熱し急冷する焼準熱処理を行
    い、550〜750℃及び670〜770℃で2回焼もどしを行うこ
    とを特徴とする請求項7記載の耐熱鋳鋼タービンケーシ
    ングの製造法。
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