JPH07116931B2 - 内燃機関の触媒劣化判別装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化判別装置

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JPH07116931B2
JPH07116931B2 JP3336797A JP33679791A JPH07116931B2 JP H07116931 B2 JPH07116931 B2 JP H07116931B2 JP 3336797 A JP3336797 A JP 3336797A JP 33679791 A JP33679791 A JP 33679791A JP H07116931 B2 JPH07116931 B2 JP H07116931B2
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catalyst
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正彦 寺岡
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも触媒コンバ
ータの上流側の排気通路に設けられた空燃比センサ出力
に基づき機関の空燃比を理論空燃比に制御するととも
に、少なくとも触媒コンバータの下流側の排気通路に設
けられた空燃比センサ出力に基づき触媒コンバータの劣
化判別を行う内燃機関の触媒劣化判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より内燃機関の排気系に空燃比セン
サ(O2 センサ)を設け、このセンサ出力により空燃比
を理論空燃比にフィードバック制御することにより、排
気系に設けられた触媒コンバータの浄化能力を有効活用
してエミッション特性を改善する技術は良く知られてい
る。また、最近では、上流側のO2 センサの特性の経時
変化等を精度良く補償するために、触媒コンバータの下
流にもO2 センサを設けて、フィードバック制御に利用
する、所謂、ダブルO2 センサシステムも開発されてい
る(特開昭61−286550号公報参照)。
【0003】このような技術においても、触媒コンバー
タが劣化すると排気中のHC,CO,NOx 等の成分の
浄化能力が低下するので、触媒コンバータの劣化を検出
することが必要になり、種々の触媒劣化判別方法、装置
が提案されている。例えば、触媒が劣化してくると、空
燃比フィードバック中の下流側O2 センサ出力の反転周
期(理論空燃比相当値を上下する(または横切る)周
期)が短くなってくるので、下流側O2 センサの出力の
反転周期(あるいは理論空燃比相当値を横切る反転回
数)と上流側O2 センサの出力の反転周期(あるいは理
論空燃比相当値を横切る反転回数)の比を求めて、この
比により触媒の劣化を判別する方法が提案されている
(特開昭61−286550号公報,特開昭63−98
7852号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のダブルO2 セン
サシステムにおいては上流側のO2 センサの特性のずれ
や気筒間の空燃比ばらつきに起因する制御空燃比(平均
空燃比、中心空燃比)の理論空燃比からのずれ等を下流
側O2 センサの出力に基づく空燃比補正値を用いて補償
するため、上流側O2 センサの特性が変化してフィード
バック制御される空燃比の中心値(平均値)が理論空燃
比から外れた場合でも通常であればこの空燃比の理論空
燃比からのずれは次第に補償され、空燃比の中心は理論
空燃比近傍に収束する。
【0005】しかし、制御系の安定を図るため、或いは
何らかの原因による空燃比の誤った過補正を防止するこ
とを図るため前述の空燃比補正値には限界値(ガード
値)を設定することが多い。このため、空燃比中心の理
論空燃比からのずれが下流側O 2 センサの出力に基づく
空燃比補正値による補償可能範囲を超えて大きくなった
場合には、下流側O2 センサの出力に基づく空燃比補正
値が上記ガード値に到達すると、理論空燃比からのずれ
はそれ以上補償されず機関は理論空燃比から外れた空燃
比で運転されることになる。
【0006】通常の運転ではこのような事態は生じない
ものの、例えば上流側O2 センサに割れや断線等の異常
が生じた場合や、上流側O2 センサが配置上影響を受け
やすい特定気筒の燃料噴射弁に異常が生じ、燃料噴射量
が過大又は過少になった場合等では上流側O2 センサ出
力が実際の空燃比を反映しなくなり、理論空燃比から大
きく外れた領域で空燃比制御が行われるようになるた
め、このような事態が生じ得る。
【0007】空燃比フィードバック制御中心が理論空燃
比から大きく外れると触媒下流側O 2 センサの位置では
排気空燃比は常にリッチ側又はリーン側になったままで
あり下流側O2 センサ出力はリッチ側出力又はリーン側
出力のまま保持され、出力の反転が生じなくなる。前述
の下流側O2 センサ出力の反転周期から触媒劣化を判断
しているような場合、出力の反転が生じないため、実際
には触媒が劣化しているような場合であっても触媒が劣
化していないとの誤判定がなされることになり、修理点
検等の際の触媒交換の遅れを生じる恐れがある。
【0008】これを防止するために、例えば前回下流側
空燃比センサ出力が反転した後所定時間経過しても次の
反転が生じない場合には触媒劣化判定を中止するように
することも考えられる。しかし、下流側空燃比センサ出
力の反転周期は、運転条件等によって変動する場合があ
るため、前記所定時間の設定によっては劣化判定をすべ
き状態にあるにもかかわらず劣化判定が中止されてしま
う場合が生じ得る。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、触媒劣化判定
を中止すべき状況を正確に検出し誤判定を防止すること
が可能な触媒劣化判別装置を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明によれば図1の構成を有する触媒劣化判別
装置が提供される。すなわち、内燃機関の排気通路に設
けられた三元触媒CCROの上流側と下流側の排気通路に
は、それぞれ機関排気の空燃比を検出する上流側空燃比
センサと下流側空燃比センサとが設けられる。
【0011】また、下流側空燃比センサ出力に基づいて
空燃比フィードバック制御に用いる定数を算出する定数
演算手段と、算出された前記定数と上流側空燃比センサ
出力とに基づいて機関の空燃比をフィードバック制御す
る空燃比フィードバック制御手段とが設けられている。
更に、触媒劣化判定手段は、空燃比フィードバック制
御実行中の所定期間内での、前記下流側空燃比センサの
出力波形と所定値とで囲まれる部分の面積と、前記下流
側空燃比センサの出力波形の軌跡長との、少なくとも一
方に基づいて触媒の劣化を判別する。
【0012】禁止手段は、前記定数演算手段により算出
された空燃比フィードバック制御に用いる前記定数の値
が所定の限界値(ガード値)に到達したか否かを判定
し、ガード値に到達した場合には触媒劣化判定手段によ
る触媒の劣化判定実行を禁止する。
【0013】
【作用】上述の手段による作用を図2を用いて説明す
る。図2(A) は上流側空燃比センサの出力VOMを示
す。空燃比フィードバック制御中はVOMは理論空燃比
相当出力を中心にリッチ側とリーン側とに交互に変動す
る。図2(B),(C) は上流側空燃比センサ特性のずれや気
筒間の空燃比ばらつきが生じておらず、空燃比制御中心
が理論空燃比付近にある場合の下流側空燃比センサの出
力VOSを示し、図2(B) は触媒が劣化していない場
合、図2(C) は触媒が劣化している場合をそれぞれ示
す。
【0014】図2(B),(C) からわかるように触媒が劣化
していない場合は触媒のO2 ストレージ効果により触媒
下流側での空燃比変動は緩やかであるため、下流側空燃
比センサ出力VOSのリッチ側とリーン側との間の反転
周期は長い(図2(B))。しかし、触媒が劣化してO2
トレージ効果が低くなるとVOSの反転周期は短くなり
次第に上流側空燃比センサ出力VOMの反転周期に近く
なる (図2(c))。
【0015】従って、下流側空燃比センサの反転周期や
後述する軌跡長等を監視することにより触媒劣化を判定
することができる。次に図2 (D)〜(G) は上流側空燃比
の特性がずれたため、或いは気筒間の空燃比ばらつきが
生じたため、空燃比フィードバック制御中心が理論空燃
比から大きく外れた場合の下流側空燃比センサ出力VO
Sの変化を示す。
【0016】前述のように上流側空燃比センサの出力特
性が大きくずれた場合、例えば、実際の機関空燃比はリ
ッチ側になっているにもかかわらず上流側空燃比センサ
がリーン側の出力を発生するような場合が生じる。この
場合、空燃比フィードバック制御手段は上流側空燃比セ
ンサの出力に基づいて、機関空燃比を更にリッチ側に制
御するため空燃比の制御中心は理論空燃比より大幅にリ
ッチ側に移行してしまう。
【0017】通常、このようなずれは、下流側空燃比セ
ンサ出力に基づく空燃比補正により補償されるが、特性
のずれが大きく、下流側空燃比補正量が限界値(ガード
値)に達した後はそれ以上の補正が行われず、機関空燃
比は理論空燃比より大幅にリッチ側の状態に保持され
る。また、上流側空燃比センサの特性がリーン側に大き
くずれた場合には、同様の理由から機関空燃比は理論空
燃比より大幅にリーン側に外れた状態に保持される。
【0018】図2(D),(E) は空燃比制御中心が大幅にリ
ッチ側に移行した場合の下流側空燃比センサ出力VOS
を触媒が劣化していない場合(図2(D))と劣化した場合
(図2(E))について示す。また、図2(F),(G) は空燃比
制御中心が大幅にリーン側に移行した場合の触媒が劣化
していない場合(図2(F))と触媒が劣化した場合(図2
(G))の下流側空燃比センサ出力VOSを示す。
【0019】空燃比制御中心が理論空燃比から外れてい
るため下流側空燃比センサ出力VOSはリッチ側又はリ
ーン側に固定されてしまい、触媒劣化の有無にかかわら
ず反転しなくなるため、VOSの反転周期により触媒劣
化を検出していると触媒が劣化していても触媒が劣化し
ていないとの誤判定がなされる。また、特に空燃比セン
サとしてO2 センサを用いた場合等は、センサ出力は理
論空燃比付近では空燃比変化に応じて大きく変化する
が、理論空燃比から大きく外れた領域では空燃比が多少
変動してもセンサ出力は大きな変動を示さない。
【0020】このため、空燃比制御中心が理論空燃比か
ら大きく外れると触媒が劣化した場合でも出力VOSの
変動幅は非常に小さくなり、後述の下流側空燃比センサ
出力VOSの軌跡長による触媒劣化検出を行った場合で
も正確な劣化検出が困難となり、誤判定がなされる場合
がある。更には、下流側空燃比センサ出力の軌跡長さと
上流側空燃比センサ出力の軌跡長さの比が所定値以上に
て触媒が劣化したと判定するもの等でも、下流側空燃比
補正量がガード値で制限された場合には、この比の値
が、触媒劣化している場合と劣化していない場合とで接
近した値をとるようになるので、同様に誤判定される場
合がある。
【0021】このように、触媒下流側空燃比センサ出力
が触媒の劣化程度に応じた挙動を示さなくなる場合に
は、触媒下流側空燃比センサ出力を用いた触媒劣化判定
方法では誤判定される場合が生ずる可能性がある。本発
明は、下流側空燃比センサ出力VOSに基づいて算出さ
れた空燃比補正量がガード値に達したこと、すなわち、
下流側空燃比センサ出力VOSが図2((D)〜(G))に示し
た状態にあることを検知して、触媒劣化判定を中止する
ことにより誤判定を防止するものである。
【0022】
【実施例】図3は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装
置の一実施例を示す全体概略図である。図3において、
機関本体1の吸気通路2にはエアフローメータ3が設け
られている。エアフローメータ3は吸入空気量を直接計
測するものであって、たとえばポテンショメータを内蔵
して吸入空気量に比例したアナログ電圧の出力信号を発
生する。この出力信号は制御回路10のマルチプレクサ
内蔵A/D変換器101に提供されている。ディストリ
ビュータ4には、その軸がたとえばクランク角に換算し
て720°毎に基準位置検出用パルス信号を発生するク
ランク角センサ5およびクランク角に換算して30°毎
に基準位置検出用パルス信号を発生するクランク角セン
サ6が設けられている。これらクランク角センサ5,6
のパルス信号は制御回路10の入出力インターフェイス
102に供給され、このうちクランク角センサ6の出力
はCPU103の割込み端子に供給される。
【0023】さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供
給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴
射弁7が設けられている。また、機関本体1のシリンダ
ブロックのウォータジャケット8には、冷却水の温度を
検出するための水温センサ9が設けられている。水温セ
ンサ9は冷却水の温度THWに応じたアナログ電圧の電
気信号を発生する。この出力もA/D変換器101に供
給されている。
【0024】排気マニホールド11より下流の排気系に
は、排気ガス中の3つの有毒成分HC,CO,NOx を
同時に浄化するO2 ストレージ効果(過剰の酸素を保持
し未燃焼排気物の浄化に利用する機能)を有する三元触
媒を収容する触媒コンバータ12が設けられている。排
気マニホールド11には、すなわち触媒コンバータ12
の上流側には第1のO2 センサ13が設けられ、触媒コ
ンバータ12の下流側の排気管14には第2のO2 セン
サ15が設けられている。O2 センサ13,15は排気
ガス中の酸素成分濃度に応じた電気信号を発生する。す
なわち、O2 センサ13,15は空燃比が理論空燃比に
対してリーン側かリッチ側かに応じて、異なる出力電圧
を制御回路10のA/D変換器101に出力する。制御
回路10は、たとえばマイクロコンピュータとして構成
され、A/D変換器101、入出力インターフェイス1
02、CPU103の外に、ROM104、RAM10
5、バックアップRAM106、クロック発生回路10
7等が設けられている。
【0025】また、吸気通路2のスロットル弁16に
は、スロットル弁16が全閉か否かを示す信号LLを発
生するアイドルスイッチ17が設けられている。このア
イドル状態出力信号LLは制御回路10の入出力インタ
ーフェイス102に供給される。18は2次空気導入吸
気弁であって、減速時あるいはアイドル時に2次空気を
排気管11に供給して、HC,COエミッションを低減
するためのものである。
【0026】また、19は触媒コンバータ12の三元触
媒が劣化した場合に付勢されるアラーム、20は触媒劣
化判定を中止した場合に付勢されるアラームである。さ
らに、制御回路10において、ダウンカウンタ108、
フリップフロップ109、および駆動回路110は燃料
噴射弁7を制御するためのものである。すなわち、後述
のルーチンにおいて、燃料噴射量TAUが演算される
と、燃料噴射量TAUがダウンカウンタ108にプリセ
ットされると共にフリップフロップ109もセットされ
る。この結果、駆動回路110が燃料噴射弁7の付勢を
開始する。他方、ダウンカウンタ108がクロック信号
(図示せず)を計数して最後にその出力端子が“1”レ
ベルとなったときに、フリップフロップ109がセット
されて駆動回路110は燃料噴射弁7の付勢を停止す
る。つまり、上述の燃料噴射量TAUだけ燃料噴射弁7
は付勢され、従って、燃料噴射量TAUに応じた量の燃
料が機関本体1の燃焼室に送り込まれることになる。
【0027】なお、CPU103の割込み発生は、A/
D変換器101のA/D変換終了後、入出力インターフ
ェイス102がクランク角センサ6のパルス信号を受信
した時、等である。エアフローメータ3の吸入空気量デ
ータQおよび冷却水温データTHWは所定時間もしくは
所定クランク角毎に実行されるA/D変換ルーチンによ
って取込まれてRAM105の所定領域に格納される。
つまり、RAM105におけるデータQおよびTHWは
所定時間毎に更新されている。また、回転速度データN
e はクランク角センサ6の30°CA毎の割込みによっ
て演算されてRAM105の所定領域に格納される。
【0028】以下、図3の制御回路の動作を説明する。
図4,図5は上流側O2 センサ13の出力にもとづいて
空燃比補正係数FAFを演算する空燃比フィードバック
制御ルーチンであって、所定時間たとえば4ms毎に実行
する。ステップ401では、上流側O2 センサ13によ
る空燃比の閉ループ(フィードバック)条件が成立して
いるか否かを判別する。たとえば、冷却水温が所定値以
下の時、機関始動中、始動後増量中、暖機増量中、パワ
ー増量中、触媒過熱防止のための燃料噴射量増量中、上
流側O2 センサ13の出力信号が一度も反転していない
時、燃料カット中等はいずれも閉ループ条件が不成立で
あり、その他の場合が閉ループ条件成立である。閉ルー
プ条件が不成立のときには、ステップ425に進み、空
燃比フィードバックフラグXMFBを“0”とし、ステ
ップ426に進む。なお、空燃比補正係数FAFを1.
0としてもよい。他方、閉ループ条件成立の場合はステ
ップ402に進む。
【0029】ステップ402では、上流側O2 センサ1
3の出力VOMをA/D変換して取込み、ステップ40
3にてVOMが比較電圧VR1以下か否かにより空燃比が
リッチかリーンかを判別する。比較電圧VR1は、通常O
2 センサ出力の振幅中心の電圧とされ、本実施例ではV
R1=0.45Vである。ステップ403で空燃比がリー
ン、すなわちVOM≦VR1であればステップ404にて
ディレイカウンタCDLYが正か否かを判別し、CDL
Y>0であればステップ405にてCDLYを0とし、
ステップ406に進む。ステップ406では、ディレイ
カウンタCDLYを1減算し、ステップ407,408
にてディレイカウンタCDLYを最小値TDLでガード
する。この場合、ディレイカウンタCDLYが最小値T
DLに到達したときにはステップ409にて空燃比フラ
グF1を“0”(リーン)とする。なお、最小値TDL
は上流側O2 センサ13の出力においてリッチからリー
ンへの変化があってもリッチ状態であるとの判断を保持
するためのリーン遅延状態であって、負の値で定義され
る。他方、リッチ(VOM>VR1)であれば、ステップ
410にてディレイカウンタCDLYが負か否かを判別
し、CDLY<0であればステップ411にてCDLY
を0とし、ステップ412に進む。ステップ412では
ディレイカウンタCDLYを1加算し、ステップ41
3,414にてディレイカウンタCDLYを最大値TD
Rでガードする。この場合、ディレイカウンタCDLY
が最大値TDRに到達したときにはステップ415にて
空燃比フラグF1を“1”(リッチ)とする。なお、最
大値TDRは上流側O2 センサ13の出力においてリー
ンからリッチへの変化があってもリーン状態であるとの
判断を保持するためのリッチ遅延状態であって、正の値
で定義される。
【0030】次に、ステップ416では、空燃比フラグ
F1の符号が反転したか否かを判別する、すなわち遅延
処理後の空燃比が反転したか否かを判別する。空燃比が
反転していれば、ステップ417にて、空燃比フラグF
1の値により、リッチからリーンへの反転か、リーンか
らリッチへの反転かを判別する。リッチからリーンへの
反転であれば、ステップ418にて、FAF←FAF+
RSRとスキップ的に増大させ、逆に、リーンからリッ
チへの反転であれば、ステップ419にて、FAF←F
AF−RSLとスキップ的に減少させる。つまり、スキ
ップ処理を行う。
【0031】ステップ416にて空燃比フラグF1の符
号が反転していなければ、ステップ420,421,4
22にて積分処理を行う。つまり、ステップ420に
て、F1=“0”か否かを判別し、F1=“0”(リー
ン)であればステップ421にてFAF←FAF+KI
Rとし、他方、F1=“1”(リッチ)であればステッ
プ422にてFAF←FAF−KILとする。ここで、
積分定数KIR,KILはスキップ量RSR,RSLに
比して十分小さく設定してあり、つまり、KIR(KI
L)<RSR(RSL)である。従って、ステップ42
1はリーン状態(F1=“0”)で燃料噴射量を徐々に
増大させ、ステップ422はリッチ状態(F1=
“1”)で燃料噴射量を徐々に減少させる。
【0032】次に、ステップ423では、ステップ42
3,424,426,427にて演算された空燃比補正
係数FAFは最小値たとえば0.8にてガードされ、ま
た、最大値たとえば1.2にてガードされる。これによ
り、何らかの原因で空燃比補正係数FAFが大きくなり
過ぎ、もしくは小さくなり過ぎた場合に、その値で機関
の空燃比を制御してオーバリッチ、オーバリーンになる
のを防ぐ。
【0033】ステップ424では、空燃比フィードバッ
クフラグXMFBを“1”とし、上述のごとく演算され
たFAFをRAM105に格納して、ステップ426に
てこのループは終了する。次に、本発明を上流側O2
ンサ13の出力V1 及び下流側O2 センサ15の出力V
2 の両方を用いて空燃比フィードバック制御を行うダブ
ルO2 センサシステムに適用した場合について説明す
る。
【0034】図6は図4,図5のフローチャートによる
動作を補足説明するタイミング図である。上流側O2
ンサ13の出力VOMにより図6(A) に示すごとくリッ
チ、リーン判別の空燃比信号A/Fが得られると、ディ
レイカウンタCDLYは、図6(B) に示すごとく、リッ
チ状態でカウントアップされ、リーン状態でカウントダ
ウンされる。この結果、図6(C) に示すごとく、遅延処
理された空燃比信号A/F′(フラグF1に相当)が形
成される。たとえば、時刻t1 にて空燃比信号A/F′
がリーンからリッチに変化しても、遅延処理された空燃
比信号A/F′はリッチ遅延時間TDRだけリーンに保
持された後に時刻t2 にてリッチに変化する。時刻t3
にて空燃比信号A/Fがリッチからリーンに変化して
も、遅延処理された空燃比信号A/F′はリーン遅延時
間(−TDL)相当だけリッチに保持された後に時刻t
4 にてリーンに変化する。しかし空燃比信号A/Fが時
刻t 5 ,t6 ,t7 のごとくリッチ遅延時間TDRより
短い期間で反転すると、ディレイカウンタCDLYが最
大値TDRに到達するのに時間を要し、この結果、時刻
8 にて遅延処理後の空燃比信号A/F′が反転され
る。つまり、遅延処理後の空燃比信号A/F′は遅延処
理前の空燃比信号A/Fに比べて安定となる。このよう
に遅延処理後の安定した空燃比信号A/F′にもとづい
て図6(D) に示す空燃比補正係数FAFが得られる。
【0035】次に、下流側O2 センサ15による第2の
空燃比フィードバック制御について説明する。第2の空
燃比フィードバック制御としては、第1の空燃比フィー
ドバック制御定数としてのスキップ量RSR,RSL、
積分定数KIR,KIL、遅延時間TDR,TDL、も
しくは上流側O2 センサ13の出力VOMの比較電圧V
R1を可変にするシステムと、第2の空燃比補正係数FA
F2を導入するシステムとがある。
【0036】たとえば、リッチスキップ量RSRを大き
くすると、制御空燃比をリッチ側に移行でき、また、リ
ーンスキップ量RSLを小さくしても制御空燃比をリッ
チ側に移行でき、他方、リーンスキップ量RSLを大き
くすると、制御空燃比をリーン側に移行でき、また、リ
ッチスキップ量RSRを小さくしても制御空燃比をリー
ン側に移行できる。したがって、下流側O2 センサ15
の出力に応じてリッチスキップ量RSRを補正すること
により空燃比が制御できる。また、リッチ積分定数KI
Rを大きくすると、制御空燃比をリッチ側に移行でき、
また、リーン積分定数KILを小さくしても制御空燃比
をリッチ側に移行でき、他方、リーン積分定数KILを
大きくすると、制御空燃比をリーン側に移行でき、ま
た、リッチ積分定数KIRを小さくしても制御空燃比を
リーン側に移行できる。従って、下流側O2 センサ15
の出力に応じてリッチ積分定数KIRおよびリーン積分
定数KILを補正することにより空燃比を制御できる。
リッチ遅延時間TDRを大きくもしくはリーン遅延時間
(−TDL)を小さく設定すれば、制御空燃比はリッチ
側に移行でき、逆に、リーン遅延時間(−TDL)を大
きくもしくはリッチ遅延時間(TDR)を小さく設定す
れば、制御空燃比はリーン側に移行できる。つまり、下
流側O2 センサ15の出力VOSに応じて遅延時間TD
R,TDLを補正することにより空燃比が制御できる。
さらにまた、比較電圧VR1を大きくすると制御空燃比を
リッチ側に移行でき、また、比較電圧VR1を小さくする
と制御空燃比をリーン側に移行できる。従って、下流側
2 センサ15の出力VOSに応じて比較電圧VR1を補
正することにより空燃比を制御できる。
【0037】これらスキップ量、積分定数、遅延時間、
比較電圧を下流側O2 センサによって可変とすることは
それぞれに長所がある。たとえば、遅延時間を可変とす
れば非常に微妙な空燃比の調整が可能であり、また、ス
キップ量を可変とすれば遅延時間のように空燃比のフィ
ードバック周期を長くすることなくレスポンスの良い制
御が可能である。従って、これら可変量は当然2つ以上
組み合わされて用いられ得る。
【0038】次に、空燃比フィードバック制御定数とし
てのスキップ量を可変にしたダブルO2 センサシステム
について説明する。図7,図8は下流側O2 センサ15
の出力VOSにもとづく第2の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば512ms毎に実
行される。ステップ701〜706では、下流側O2
ンサ15によって閉ループ条件か否かを判別する。たと
えば、上流側O2 センサ13による閉ループ条件の不成
立(ステップ701)に加えて、冷却水温THWが所定
値(たとえば70℃)以下のとき(ステップ702)、
スロットル弁16が全閉(LL=“1")のとき(ステッ
プ703)、回転速度Ne 、車速、アイドルスイッチ1
7の信号LL、冷却水温THW等にもとづいて2次空気
が導入されているとき(ステップ704)、軽負荷のと
き(Q/Ne <X1) (ステップ705)、下流側O2
ンサ15が活性化していないとき(ステップ706)、
等が閉ループ条件が不成立であり、その他の場合が閉ル
ープ条件成立である。閉ループ条件不成立であれば、ス
テップ719に進み、空燃比フィードバックフラグXS
FBをリセットし("0")、閉ループ条件成立であればス
テップ708に進み、空燃比フィードバックフラグXS
FBをセットする("1")。
【0039】ステップ709〜718のフローについて
説明する。ステップ709は、下流側O2 センサ15の
出力VOSをA/D変換して取り込み、ステップ710
にてVOSが比較電圧VR2(たとえばVR2=0.55
V)以下か否かを判別する、つまり、空燃比がリッチか
リーンかを判別する。なお、比較電圧VR2は触媒コンバ
ータ12の上流、下流で生ガスの影響による出力特性が
異なることおよび劣化速度が異なること等を考慮して上
流側O2 センサ13の出力の比較電圧VR1より高く設定
されているが、この設定は任意でもよい。(例えば、V
R1と同じ0.45V)この結果、VOS≦VR2(リー
ン)であればステップ711,712,713に進み、
VOS>VR2(リッチ)であればステップ714,71
5,716に進む。すなわち、ステップ711では、R
SR←RSR+ΔRS(一定値)とし、つまり、リッチ
スキップ量RSRを増大させて空燃比をリッチ側に移行
させ、ステップ712,713では、RSRを最大値M
AX(9%)にてガードし、他方、ステップ714にて
RSR←RSR−ΔRSとし、つまり、リッチスキップ
量RSRを減少させて空燃比をリーン側に移行させ、ス
テップ715,716にてRSRを最小値MIN(1
%)にてガードする。なお、最小値MINは過渡追従性
がそこなわれないレベルの値であり、また、最大値MA
Xは空燃比変動によりドライバビリティの悪化が発生し
ないレベルの値である。
【0040】ステップ717では、リーンスキップ量R
SLを、 RSL←10%−RSR とする。つまり、RSR+RSL=10%とする。ステ
ップ718では、スキップ量RSR,RSLをRAM1
05に格納する。そして、ステップ720に進む。
【0041】このようにRSRにガード値(MAX,M
IN)を設けた結果、RSRがガード値に達した後は、
下流側O2 センサ出力によるそれ以上の空燃比補正は行
われない。図9は噴射量演算ルーチンであって、所定ク
ランク角たとえば360°CAに実行される。ステップ
901では、RAM105より吸入空気量データQ及び
回転速度データNe を読出して基本噴射量TAUP(理
論空燃比を得る噴射時間)を演算する。たとえばTAU
P←α・Q/Ne (αは定数)とする。ステップ902
では、最終噴射量TAUを、TAU←TAUP・FAF
・β+γにより演算する。なお、β,γは他の運転状態
パラメータによって定まる補正量である。次いで、ステ
ップ903にて、噴射量TAUをダウンカウンタ108
にセットすると共にフリップフロップ109をセットし
て燃料噴射を開始させる。そして、ステップ904にて
このルーチンを終了する。
【0042】なお、上述のごとく、噴射量TAUに相当
する時間が経過すると、ダウンカウンタ108の出力信
号によってフリップフロップ109がリセットされて燃
料噴射は終了する。図10,図11は触媒劣化判別ルー
チンであって、所定時間たとえば4ms毎に実行される。
ステップ1001では、空燃比フィードバックフラグX
MFBにより上流側O2 センサ13の出力VOMによる
空燃比フィードバック制御中(XMFB=“1")か否か
を判別し、ステップ1002では、リーンモニタにより
上流側O2 センサ13の出力VOMがリーン側に所定期
間以上張り付いているか否かを判別し、ステップ100
3では、リッチモニタにより上流側O2 センサ13の出
力VOMがリッチ側に所定期間以上張り付いているか否
かを判別し、ステップ1004では、空燃比フィードバ
ックフラグXSFBにより下流側O2 センサ15の出力
VOSによる空燃比フィードバック制御中(XSFB=
“1")か否かを判別する。
【0043】この結果、上流側O2 センサ13の出力V
OMによる空燃比フィードバック制御中(XMFB=
“1")であって、該出力VOMがリーン側もしくはリッ
チ側に張り付いてなく、かつ下流側O2 センサ15の出
力VOSによる空燃比フィードバック制御中(XSFB
=“1")のときのみ、図11ステップ1005以降を実
行する。
【0044】ステップ1005とステップ1006は下
流側O2 センサの出力に基づいて演算されたスキップ量
RSRがガード値MAX又はMINに達しているか否か
の判定である。すなわちステップ1005ではRSRが
MAX(9%)に達しているか否かが、また、ステップ
1006ではRSRがMIN(1%)に達しているか否
かが判定され、MIN<RSR<MAXの場合にのみス
テップ1007で後述する触媒劣化判定が実行される。
【0045】RSRがMAX又はMINに達している場
合にはステップ1009からステップ1015が実行さ
れる。ステップ1009では触媒劣化判定に用いるカウ
ンタCT1 と後述する劣化判定用のパラメータ(CS,
VOMi , VOSi 等)がリセットされ、ステップ10
10ではカウンタCT2 が+1 カウントアップされる。
【0046】次いでステップ1011では判定期間T2
が経過したか否かを判別し、CT2 >T2 であればステ
ップ1012で判定中止アラームフラグALMSをセッ
トし("1")、ステップ1013で判定中止アラーム20
を付勢して触媒劣化判定が中止されていることを報知す
る。次いでステップ1014では修理,点検のためアラ
ームフラグALMSをバックアップラムRAM106に
格納してステップ1015でカウンタCT2 をリセット
してルーチンを終了する。なお触媒劣化判定を実行した
場合もステップ1008でCT2 がリセットされる。
【0047】これによりRSRがガード値MAX又はM
INに達している場合には触媒劣化判定が中止され、誤
判定が防止されると共に、劣化判定中止アラームが出さ
れ、運転者に異常が報知される。次に、ステップ100
7で示した触媒劣化判定サブルーチンについて説明す
る。
【0048】図12は下流側O2 センサ出力VOSの反
転回数を用いた場合の触媒劣化判定を示す。図12にお
いてサブルーチンがスタートするとステップ1201で
はカウンタCT1 が+1 カウントアップされ、ステップ
1202では所定の判定期間T1 が経過したか否かが判
定され、CT1 <T1 の場合にはステップ1203に進
み下流側空燃比センサ15の出力VOSが前回ルーチン
実行時と較べてリッチ側(VOS≧VR2)からリーン側
(VOS<VR2)に、又はリーン側からリッチ側に反転
したか否かが判別され、VOSが反転している場合には
ステップ1204でカウンタCSを+1 カウントアップ
する。カウンタCSは所定時間内のVOS反転回数を計
数するためのカウンタである。
【0049】ステップ1202で判定期間T1 が経過し
ていた場合はステップ1205に進み、カウンタCSの
値から触媒が劣化しているか否かを判定する。すなわ
ち、判定期間T1 内のVOS反転回数が所定値CS0
上である場合は、図2(C) に示す状態であると考えられ
るので触媒が劣化したと判定し、ステップ1206でア
ラームフラグALMをセット("1")すると共に、ステッ
プ1207で触媒劣化アラーム19を付勢し、触媒が劣
化したことを報知する。またステップ1205でCS<
CS0 であった場合は図2(B) に示す状態であると考え
られるので触媒劣化なしと判定し、ステップ1208で
アラームフラグALMをリセット("0")、ステップ12
09でアラームを消勢する。上記実行後ステップ121
0では触媒劣化判定が実行されたことを示すため、判定
中止アラームフラグALMSのリセット("0")と判定中
止アラーム20の消勢が行われ、ステップ1211では
修理点検のためフラグALM及びALMSがバックアッ
プラムRAM106に格納され、ステップ1212でカ
ウンタCT1 ,CSをクリアした後サブルーチンを終了
する。尚、上流側空燃比センサ出力VOMの判定期間T
1 内のVOM反転回数も別のカウンタCMにてカウント
し、(CS/CM)が所定値以上のとき、触媒劣化と判
定することもできる。
【0050】図13,14は触媒劣化判定の別の実施例
を示すフローチャートである。本実施例では、上流側O
2 センサ13の出力VOMの軌跡長LVOMと下流側O
2 センサ15の出力VOSの軌跡長LVOSとを用いて
触媒劣化判定を行っている。図2(B),(C) に示すように
空燃比制御中心が理論空燃比から大幅に外れていない場
合には、下流側O2 センサ出力VOSは触媒が劣化する
につれて変動幅が大きく、又変動周期が短くなる。この
ため触媒劣化後のVOSの波形の軌跡長(図2(C))は、
触媒が劣化していない場合(図2(B))より大きくなる。
従ってVOSの軌跡長を監視することにより触媒の劣化
を判定することができる。
【0051】本実施例では下流側O2 センサ出力VOS
の軌跡長LVOSと上流側O2 センサ出力VOMの軌跡
長LVOMとの比が所定値以上になった場合に触媒が劣
化したと判定する。図13においてサブルーチンがスタ
ートするとステップ1301では上流側O 2 センサ13
の出力VOMの軌跡長LVOMが近似的にLVOM←L
VOM+|VOM−VOMi-1 |により演算される。こ
こでVOMi は前回ルーチン実行時の上流側O2 センサ
出力である(図18参照)。次いでステップ1302で
は次回のルーチン実行に備えVOMi-1 ←VOMの更新
が行われる。
【0052】ステップ1303,1304では上記と同
様に下流側O2 センサ出力VOSの軌跡長LVOSの演
算とVOSi-1 の更新が行われる。次いで図14、ステ
ップ1305ではカウンタCT1 の+1 カウントアップ
が行われ、ステップ1306ではCT1 が所定の判定期
間T1 を越えたか否かが判定される。CT1 >T1 であ
る場合にはステップ1307でLVOSとLVOMとの
比が所定値K以上か否かを判定し、LVOS/LVOM
≧Kである場合には触媒劣化と判定し、ステップ130
8,1309にてアラームフラグALMのセットと触媒
劣化アラーム付勢が行われる。またLVOS/LVOM
<Kである場合はアラームフラグALMのリセット(ス
テップ1310)と触媒劣化アラームの消勢(ステップ
1311)とが行われる。
【0053】また上記動作終了後アラームフラグALM
Sのリセットと判定中止アラーム20の消勢(ステップ
1312)、バックアップラムRAM106への格納
(ステップ1313)、パラメータのクリア(ステップ
1314)が行われるのは、図12の実施例と同様であ
る。なお、本実施例では、下流側O2 センサ出力VOS
の軌跡長LVOSと上流側O2 センサ出力VOMの軌跡
長LVOMとの比を用いて触媒劣化の判定を行っている
が、下流側O2 センサ出力VOSの軌跡長LVOSのみ
を用いて、LVOSが所定値以上になったときに触媒が
劣化したと判定するようにしても良い。
【0054】次に図15,16に触媒劣化判定の更に別
の実施例を示す。本実施例では上述の軌跡長LVOS,
LVOMに加えて、VOS及びVOMとそれぞれ比較電
圧V R2 ,VR1とによって囲まれる面積AVOS,AVO
M(図2(A),(B),(C) の斜線部分) を用いることにより
更に精度の高い判定を可能としている。図2(B) に示す
ように触媒が劣化していない場合は下流側O2 センサ出
力VOSの軌跡長LVOSは比較的小さいが、VOSと
比較電圧とで囲まれる面積AVOSは比較的大きくな
る。
【0055】一方、図2(C) に示すように触媒が劣化し
た場合は前述のように軌跡長LVOSは比較的大きくな
るのに対して、面積AVOSは比較的小さくなる。この
ため、軌跡長LVOSと共に面積AVOSを監視するこ
とにより触媒劣化の有無をより正確に判定することがで
きる。尚、これらの詳細は本願出願人が先に出願した特
願平3−331810号に記載されている。
【0056】本実施例では上流側O2 センサ出力VOM
の軌跡長LVOMと面積AVOM及び下流側O2 センサ
出力VOSの軌跡長LVOSと面積AVOSとを用い
て、LVOS/LVOM、AVOS/AVOMを演算
し、図17(A)、または図17(B)に示すマップか
ら触媒劣化の有無を判定している。図15でルーチンが
スタートするとステップ1501,1502では上流側
2 センサ13の出力VOMの軌跡長LVOM、面積A
VOM及び下流側O2 センサ15の出力VOSの軌跡長
LVOS、面積AVOSが演算される。ここで軌跡長L
VOM,AVOSは図13と同じ式で演算され、面積A
VOM,AVOSは近似的に以下の式を用いて演算され
る(図18参照)。
【0057】AVOM←AVOM+|VOM−VR1| AVOS←AVOS+|VOS−VR2| VR1 ,VR2はそれぞれ上流側と下流側O2 センサ出力の
比較電圧である。次いでステップ1503では次回のル
ーチン実行に備えてVOMi-1 ←VOM,VOSi-1
VOSの更新が行われ、図16ステップ1504に進
む。
【0058】ステップ1504ではカウンタCT1 の+
1 カウントアップが行われ、ステップ1505ではCT
1 が所定の判定時間T1 を越えたか否かが判定される。
CT 1 >T1 である場合にはステップ1506で軌跡長
比LVOS/LVOM及び面積比AVOS/AVOMを
演算し、ステップ1507でこの軌跡長比と面積比とに
基づいて図17(A)、または図17(B)のマップか
ら触媒劣化の有無を判定する。
【0059】ステップ1507で触媒劣化と判定された
場合にはアラームフラグALMのセット(ステップ15
08)、触媒劣化アラーム付勢(ステップ1509)
が、また触媒が劣化していないと判定された場合にはア
ラームフラグALMのリセット(ステップ1510)、
触媒劣化アラームの消勢(ステップ1511)が行われ
る。これらの動作終了後アラームフラグALMSのリセ
ットと判定中止アラーム20の消勢(ステップ151
2)、バックアップラムRAM106への格納(ステッ
プ1513)、パラメータのクリア(ステップ151
4)が行われるのは図12,13の実施例と同様であ
る。
【0060】また、上記実施例では下流側O2 センサ出
力に基づいてスキップ量RSRを変更する空燃比制御の
場合についてのみ説明したが、本発明は、下流側O2
ンサ出力に基づいて前述の積分定数や遅延時間、比較電
圧等の制御定数を変更する空燃比制御の場合にも同様に
適用可能である。この場合、劣化判定中止の要否(図1
1、ステップ1005,1006)はRSRがガード値
に達したか否かの代わりに、これらの制御定数がガード
値に達したか否かで判断すれば良い。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、下流側空燃比センサ出
力に基づく空燃比補正量がガード値に達した場合に触媒
劣化判定動作を中止するようにしたことにより、上流側
空燃比センサ特性のずれ等が生じた場合に触媒劣化の誤
判定が生じることを防止できるので、誤判定による触媒
交換時期の遅れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】触媒劣化による下流側空燃比センサ出力の変化
を説明する図である。
【図3】本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一実
施例を示す全体概略図である。
【図4】図3の制御回路の動作を説明するためのフロー
チャートの一部である。
【図5】図3の制御回路の動作を説明するためのフロー
チャートの一部である。
【図6】図4,図5の制御動作を補足説明するタイミン
グ図である。
【図7】図3の制御回路の動作を説明するためのフロー
チャートの一部である。
【図8】図3の制御回路の動作を説明するためのフロー
チャートの一部である。
【図9】図3の制御回路の動作を説明するためのフロー
チャートの一部である。
【図10】図3の制御回路の触媒劣化判別動作を説明す
るためのフローチャートの一部である。
【図11】図3の制御回路の触媒劣化判別動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図12】図11の触媒劣化判定サブルーチンの実施例
を示すフローチャートの一部である。
【図13】図11の触媒劣化判定サブルーチンの別の実
施例を示すフローチャートの一部である。
【図14】図11の触媒劣化判定サブルーチンの別の実
施例を示すフローチャートの一部である。
【図15】図11の触媒劣化判定サブルーチンの、図1
2から図14とは別の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図16】図11の触媒劣化判定サブルーチンの、図1
2から図14とは別の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図17】図15,図16の触媒劣化判定に用いるマッ
プを示す図である。
【図18】空燃比センサ出力の軌跡長と面積の定義を示
す図である。
【符号の説明】
1…機関本体 2…エアフローメータ 4…ディストリビュータ 5,6…クランク角センサ 10…制御回路 12…触媒コンバータ 13…上流側O2 センサ 15…下流側O2 センサ 17…アイドルスイッチ 19…触媒劣化アラーム 20…判定中止アラーム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられた、O2
    ストレージ効果を有する三元触媒と、 該三元触媒の上流側の排気通路に設けられ、前記機関の
    空燃比を検出する上流側空燃比センサと、 前記三元触媒の下流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する下流側空燃比センサと、前記下流側空燃比センサの出力に基づいて空燃比フィー
    ドバック制御に用いる定数を算出する定数演算手段と、 前記定数と前記上流側空燃比センサ出力とに基づいて機
    関の空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバ
    ック制御手段と、 前記空燃比フィードバック制御実行中の所定期間内で
    の、前記下流側空燃比センサの出力波形と所定値とで囲
    まれる部分の面積と、前記下流側空燃比センサの出力波
    形の軌跡長との、少なくとも一方に基づいて前記三元触
    媒の劣化を判別する触媒劣化判定手段と、 前記定数演算手段により算出された空燃比フィードバッ
    ク制御に用いる定数の値が所定のガード値に達したとき
    前記触媒劣化判定手段による触媒劣化判定を禁止する
    禁止手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の触媒劣
    化判別装置。
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