JPH07115927A - 即席米の製造方法 - Google Patents

即席米の製造方法

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JPH07115927A
JPH07115927A JP5270951A JP27095193A JPH07115927A JP H07115927 A JPH07115927 A JP H07115927A JP 5270951 A JP5270951 A JP 5270951A JP 27095193 A JP27095193 A JP 27095193A JP H07115927 A JPH07115927 A JP H07115927A
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JP
Japan
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rice
weight
pregelatinized
aqueous solution
water content
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JP5270951A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Hirai
英和 平井
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KUMETA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
KUMETA SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 蒸煮工程において、洗浄装置1にて洗浄した
精白米を蒸煮装置2にて蒸煮し、含水量が57重量%以
上63重量%以下のアルファ化米を作製する。アルファ
化米を、ほぐしコンベア3の無端ベルトにより、水槽中
のショ糖ステアリン酸エステルの含有量が1重量%程度
の水溶液中に搬送し浸漬する。水溶液中に浸漬するアル
ファ化米を、攪拌部の串部にて粒形状が崩れない程度で
ほぐす。ほぐしたアルファ化米を、水切り部で水切り
し、アルファ化米の含水量を62重量%以上69重量%
以下とし、回転熱風式乾燥装置18に投入する。波状の攪
拌ドラムの回転により攪拌移送しつつ、通気孔を介して
流入する熱風との熱交換により、含水量を略8重量%程
度に乾燥し、即席米を製造する。 【効果】 親水性が高い即席米を、付着や凝集せず短時
間で容易に効率よく乾燥でき、注湯復元性が良好で通常
炊飯後と同様の優れた食感の即席米を容易に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルファ化米を乾燥さ
せてなる即席米の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般、精白米を蒸煮あるいは炊飯するこ
とによりアルファ化米とし、このアルファ化米を食に供
している。
【0003】また、従来、熱湯を加えて復元させ、炊飯
後のアルファ化米と同様な食感が得られる即席米が知ら
れている。そして、この即席米を製造する方法として
は、精白米を水洗した後、蒸煮や炊飯によりアルファ化
米を作製し、このアルファ化米をネット式コンベア乾燥
機を用いて、含水量が15重量%以下となるように乾燥
させて、即席米を製造する構成が知られている。
【0004】ところで、アルファ化米をネット式コンベ
ア乾燥機を用いて乾燥する際、アルファ化米がコンベア
に付着したり、コンベアの搬送中の振動などによりブロ
ック状に凝集する問題がある。そこで、アルファ化米の
作製の際、含水量を50重量%以下となるように精白米
を蒸煮もしくは炊飯して、付着や凝集を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成の即席米の製造方法において、アルファ化米の
含水量が50重量%以下に制御されているため、製造後
の即席米の注湯復元後の米飯は、非常に粉っぽく、米粒
が崩れるような弾力性が損なわれた米飯となり、食感が
損なわれる問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、通常の炊飯
後のアルファ化米の食感に近似した優れた食感が得られ
る即席米の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の即席米の
製造方法は、精白米をアルファ化米とし、このアルファ
化米を脂肪酸エステル化された糖の水溶液中に攪拌しつ
つ浸漬し、この浸漬されたアルファ化米を水切りした後
乾燥するものである。
【0008】請求項2記載の即席米の製造方法は、請求
項1記載の即席米の製造方法において、アルファ化米
は、含水量が57重量%以上63重量%以下であるもの
である。
【0009】請求項3記載の即席米の製造方法は、請求
項1または2記載の即席米の製造方法において、脂肪酸
エステル化された糖の水溶液は、ショ糖ステアリン酸エ
ステルが0.5重量%以上2重量%以下の水溶液である
ものである。
【0010】請求項4記載の即席米の製造方法は、請求
項1ないし3いずれか記載の即席米の製造方法におい
て、水切り後の乾燥は、回転攪拌しつつ熱風を吹き付け
るものである。
【0011】
【作用】請求項1記載の即席米の製造方法は、精白米を
アルファ化米とし、このアルファ化米を脂肪酸エステル
化された糖の水溶液中に攪拌しつつ浸漬し、水切りした
後乾燥するため、乾燥の際の付着や凝集を防止し、親水
性が高い即席米が得られ、乾燥時間が短縮されるととも
に、注湯復元後の米飯の食感が、通常の炊飯後のアルフ
ァ化米の食感に近似した優れた食感となる。
【0012】請求項2記載の即席米の製造方法は、請求
項1記載の即席米の製造方法において、精白米を含水量
が57重量%以上63重量%以下のアルファ化米に調整
するため、注湯復元後の米飯の食感が通常の炊飯後のア
ルファ化米の食感に近似した優れた食感となるととも
に、アルファ化米の粒形状が損なわれることを防止す
る。
【0013】請求項3記載の即席米の製造方法は、請求
項1または2記載の即席米の製造方法において、アルフ
ァ化米を0.5重量%以上2重量%以下のショ糖ステア
リン酸エステルが溶解された水溶液に浸漬するため、乾
燥の際の付着や凝集を防止し、親水性が高い即席米が得
られ、乾燥時間が短縮されるとともに、注湯復元の際の
湯の濁りを抑制して食欲低減を防止し、通常の炊飯後の
アルファ化米の食感に近似した優れた食感となる。
【0014】請求項4記載の即席米の製造方法は、請求
項1ないし3いずれか記載の即席米の製造方法におい
て、脂肪酸エステル化された糖の水溶液中に攪拌しつつ
浸漬した後に水切りしたアルファ化米を、回転攪拌しつ
つ熱風を吹き付けて乾燥するため、むらなく短時間で乾
燥され、乾燥効率が向上する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の即席米の製造方法を実施する
装置の一実施例の構成を図面を参照して説明する。
【0016】図1において、即席米を製造する即席米製
造装置は、精白米を蒸煮してアルファ化米Aを作製する
蒸煮工程、蒸煮工程にて作製されたアルファ化米Aに添
加剤を混和するほぐし工程、ほぐされたアルファ化米A
を乾燥する乾燥工程とから構成されている。
【0017】そして、蒸煮工程は、精白米を図示しない
コンベアにて搬送しつつ洗浄する洗浄装置1と、洗浄後
の精白米を高温の水蒸気にて蒸煮しつつ図示しない無端
ベルトを有するコンベアにて搬送する蒸煮装置2とから
構成されている。
【0018】一方、蒸煮工程に続くほぐし工程は、図2
および図3に示すように、ほぐしコンベア3にて構成さ
れている。そして、このほぐしコンベア3は、水槽4
と、この水槽4中に浸漬するネット状の無端ベルト5が
回転するコンベア部6と、攪拌部7とから構成されてい
る。
【0019】また、水槽4は、上面が開口する箱状に形
成され、駆動モータ10にて回転駆動されるネット状の無
端ベルト5が、プーリ9に掛け渡され浸漬可能に構成さ
れている。さらに、無端ベルト5の幅寸法より若干幅広
で、浸漬する無端ベルト5にて搬送されるアルファ化米
Aが水槽4中の水溶液中に浸漬する程度に浅く形成され
ている。そして、この水槽4には、0.5重量%以上2
重量%以下、好ましくは1重量%のステアリン酸エステ
ル化された糖であるショ糖ステアリン酸エステルが溶解
された水溶液11が流入されている。
【0020】なお、アルファ化米Aは含水量が62重量
%以上69重量%以下となるように、コンベア部6にて
搬送されて水槽4中に浸漬される。
【0021】さらに、攪拌部7には、無端ベルト5の幅
方向に沿って軸部13が電動モータ14にて回転自在に複数
軸支され、この軸部13には、径方向に直交するように十
字状に突出する串部15が軸方向に沿って複数並設されて
いる。そして、攪拌部7は、軸部13の回転により串部15
がネット状の無端ベルト5に搬送され浸漬するアルファ
化米Aを水溶液11中でほぐすようになっている。
【0022】また、ほぐしコンベア3の下流側には、水
溶液11中に浸漬されたアルファ化米Aをネット状の無端
ベルト5にて搬送しつつ水切りする水切り部16が設けら
れ、この水切り部16は、漏斗状に形成され、ネット状の
無端ベルト5の下方に配設され、ネット状の無端ベルト
5を介してアルファ化米Aから水切りされた水溶液11を
集水し、一部は水槽4に返送するようになっている。
【0023】一方、ほぐし工程に続く乾燥工程は、図4
ないし図6に示すように、回転熱風式乾燥装置18から構
成されている。
【0024】そして、この回転熱風式乾燥装置18には、
両端が開口し周面に多数の丸穴の通気孔19が穿設された
円筒状の回転ドラム20が、回転自在に支持され、この回
転ドラム20の両端近傍に設けられた4つの受車21にて回
転自在に、長手方向のアルファ化米Aが投入される上流
側が上方に位置するように若干水平方向より傾斜して支
持されている。また、この回転ドラム20内には、両端が
開口し周面に多数の丸穴の通気孔19が穿設され軸方向に
沿って波型に形成された筒状の攪拌ドラム22が内設され
ている。
【0025】なお、各ドラム20,22の通気孔19は、内周
に投入されるアルファ化米Aが挿通不可能に穿設されて
いる。
【0026】さらに、回転ドラム20の両端近傍の外周面
には、回転受歯車24が形成されている。また、この回転
受歯車24には、図示しないモータなどの駆動にて回転さ
れる動力歯車25が噛み合わされ、回転ドラム20が回転す
るようになっている。
【0027】そして、回転熱風式乾燥装置18には、回転
ドラム20の受車21,21にて支持されている間を内包する
ように、角柱状の加熱室部26が設けられている。また、
この加熱室部26には、回転ドラム20の一端上流側に第1
加熱室26a 、他端下流側に第2加熱室26b が回転ドラム
20の軸方向に沿って区画形成されている。
【0028】さらに、各加熱室26a ,26b には、上面に
排気口28が開口形成され、下面は下方に向かって角錐状
に突出形成され下端には送風口29が開口形成されてい
る。そして、各送風口29,29にはエアーヒータ30,30を
介して送風用の送風機31,31が取り付けられ、各排気口
28,28には排気用の排風機32,32が取り付けられてい
る。さらに、送風機31の吸気口31a にはエアフィルタ33
が設けられている。
【0029】また、回転ドラム20の一端上流側には、回
転ドラム20の開口を閉塞するように、入口フィード35が
設けられている。そして、この入口フィード35には、上
端に上方に向かって開口し、アルファ化米Aが投入され
る投入口36が開口形成され、下端には回転ドラム20内の
攪拌ドラム22内に突出する筒状のシュート37が設けられ
ている。
【0030】さらに、回転ドラム20の他端下流側には、
回転ドラム20の開口を閉塞するように、下端に乾燥され
て作製された即席米が排出される排出口38を開口形成す
る出口フィード39が設けられている。なお、入口フィー
ド35および出口フィード39は、回転ドラム20の回転に支
障をきたさないように配設されている。
【0031】次に、上記実施例の動作を説明する。
【0032】まず、蒸煮工程において、洗浄装置1によ
り精白米を図示しないコンベアにて搬送しつつ洗浄す
る。そして、この洗浄後の精白米を、蒸煮装置2の図示
しないコンベア上に投下し、コンベアにて搬送しつつ高
温の水蒸気にて蒸煮し、含水量が57重量%以上63重
量%以下のアルファ化米Aを作製する。
【0033】なお、蒸煮後のアルファ化米Aの含水量が
57重量%以下では、製造した即席米の注湯復元後の米
飯の食感がパサつくとともに芯が残り、63重量%より
多いとどろどろするような状態となり、後述する水溶液
11中に浸漬してほぐす際に、アルファ化米Aと水溶液11
との混合状態が悪くなり、乾燥の際の付着や凝集を生じ
乾燥効率が低下するとともに、製造した即席米の注湯復
元後の米飯の粒形状がくずれ、歯応えなどの良好な食感
が得られないため、アルファ化米Aの含水量を57重量
%以上63重量%以下とする。
【0034】次に、蒸煮工程にて蒸煮により作製された
アルファ化米Aを、ほぐしコンベア3のネット状の無端
ベルト5上に投下する。そして、駆動モータ10にて各プ
ーリ9を介して回転されるネット状の無端ベルト5によ
り、アルファ化米Aを、水槽4中のショ糖ステアリン酸
エステルの含有量が0.5重量%以上2重量%以下、好
ましくは1重量%の水溶液11中に搬送し浸漬する。さら
に、アルファ化米Aを、ネット状の無端ベルト5により
水溶液11中を搬送しつつ、攪拌部7の電動モータ14にて
回転する軸部13に突出する串部15にて、アルファ化米A
の粒形状が崩れない程度のゆっくりした回転速度で引っ
掻くようにほぐす。
【0035】なお、ショ糖ステアリン酸エステルは、含
水量が60重量%程度のアルファ化米Aと親和性を有す
る親水性のショ糖に、潤滑油のような作用を示す親油性
の脂肪酸であるステアリン酸基を有している。
【0036】したがって、ショ糖ステアリン酸エステル
の含有量が0.5重量%未満では、乾燥の際の付着や凝
集を生じ乾燥効率が低下するとともに、製造される即席
米の親水性が低下し、即席米の注湯復元後の米飯の水分
量や弾力性などが低下し、しいては、舌触りや歯応えな
どの食感が損なわれる。
【0037】さらに、ショ糖ステアリン酸エステルの含
有量が2重量%より多いと、後述する即席米の注湯復元
後に水切りして排水される水が白濁し、食欲が損なわれ
るとともに、ショ糖ステアリン酸エステルは高価である
ためコストが増大する問題があるため、ショ糖ステアリ
ン酸エステルの含有量を0.5重量%以上2重量%以下
とする。
【0038】また、ショ糖ステアリン酸エステルの親水
性親油性バランス(Hydrophilic Lipophilic Balance:
HLB)は、アルファ化米との混合性、作製された即席
米の注湯復元性に起因する親水性が良好で、注湯復元後
の米飯の水分量や弾力性、および、舌触りなどのため、
HLBの値が1〜16のものが好ましい。
【0039】そして、ほぐされたアルファ化米Aを、水
槽4外に搬送して水切り部16で水切りし、アルファ化米
Aの含水量を62重量%以上69重量%以下とする。一
方、水切り部16にて、ネット状の無端ベルト5を介して
アルファ化米Aから水切りされた水溶液11を集水し、一
部は水槽4に返送するようになっている。
【0040】なお、水溶液11への浸漬によるアルファ化
米Aの含水量が62重量%未満では、十分にショ糖ステ
アリン酸エステルがアルファ化米Aに膨潤されていない
ので、乾燥の際の付着や凝集を生じ乾燥効率が低下する
とともに、製造される即席米の親水性が低下し、即席米
の注湯復元性が低下し、しいては食感が損なわれる。さ
らに、含水量が69重量%より多いと、水分量が多くな
ることによるアルファ化米Aのべたつきが増大し、粒形
状が損傷するとともに、乾燥の際の付着や凝集を生じ乾
燥効率が低下する問題があるため、アルファ化米Aの含
水量を62重量%以上69重量%以下とする。
【0041】次に、ショ糖ステアリン酸エステル水溶液
11が浸透されたアルファ化米Aを、乾燥工程の回転熱風
式乾燥装置18に投入する。
【0042】すなわち、回転熱風式乾燥装置18のシュー
ト37の投入口36から入口フィード35を介して回転ドラム
20の攪拌ドラム22内に、例えば攪拌ドラム22の容積に対
して3割程度となるように、アルファ化米Aを投入され
る。
【0043】なお、回転熱風式乾燥装置18の各加熱室26
a ,26b 内は、エアフィルタ33,33を介して各送風機3
1,31より送風される空気が、各エアーヒータ30,30に
て熱せられ、送風口29,29より熱風40を、例えば1.5
m/秒程度で送風するとともに、排風機32,32にて排気口
28,28より排気し、回転ドラム20の攪拌ドラム22内が略
70℃以上となるように、各加熱室26a ,26b 内を加熱
する。そして、第1加熱室26a と第2加熱室26b とは、
適宜温度差を付けてもよい。
【0044】なお、乾燥温度が70℃未満だと、乾燥時
間が長くなり、製造性が低下するとともに、長時間の加
熱により、アルファ化米が蒸される状態となり、製造さ
れた即席米の注湯復元後の米飯の水分量や弾力性がばら
ついたり、歯応えなどの食感が損なわれる。さらに、長
時間の攪拌により、粒形状が損傷する問題がある。この
ため、乾燥温度を70℃以上に設定するそして、攪拌ド
ラム22内に投入されたアルファ化米Aを、図4ないし図
6に示すように、波状の攪拌ドラム22の回転により攪拌
移送しつつ、通気孔19を介して回転する回転ドラム20の
攪拌ドラム22内に流入する熱風40との熱交換により、含
水量が15重量%以下、好ましくは、略8重量%程度に
乾燥する。
【0045】なお、含水量が15重量%以上では、製造
された即席米の保存性が低下する問題があるため、含水
量が15重量%以下に乾燥する。
【0046】この後、回転ドラム20から出口フィード39
の排出口38を介して排出し、即席米が製造される。
【0047】なお、コンベア式の乾燥装置など各種乾燥
装置を用いても乾燥できるが、回転熱風式乾燥装置18を
用いて乾燥することにより、むらなく短時間で運転コス
トを低減して乾燥できる。
【0048】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0049】蒸煮工程として電気炊飯器を用い、ほぐし
工程として図7および図8に示すバッチ式ほぐし装置42
を用い、乾燥工程として加熱室を1室設けた簡易回転熱
風式乾燥装置を用いて、即席米を作製し、この即席米を
注湯復元して、各種品質試験を測定した。
【0050】なお、電気炊飯器は、例えば容積が4lの
ステンレス釜を設け、熱量が1270Wcalの熱源ヒータ
にて炊飯するものを用いた。
【0051】また、バッチ式のほぐし装置42は、図7お
よび図8に示すように、下面が閉塞され上面が開口し底
部に水抜き部43を設けた円筒状の釜部44と、この釜部44
内に着脱自在に装着されるアルファ化米Aが挿通不可能
な網にて構成された円筒状の笊部45と、下端に複数設け
た串部15を設けた軸部13を電動モータにて回転させる攪
拌部7とから構成されたものを用いた。
【0052】そして、精白米30gを水道水で洗米し水
切り後に、精白米を電気炊飯器のステンレス釜内に投入
するとともに、全重量が69gとなるように水道水を流
入し、このステンレス釜を電気炊飯器に装着して炊飯す
る。
【0053】一方、バッチ式ほぐし装置42の釜部44内
に、24℃の水道水60ccにショ糖ステアリン酸エステ
ル0.6gを溶解して調整した水溶液11を流入する。
【0054】そして、炊飯後の含水量が57重量%以上
63%以下、好ましくは61重量%のアルファ化米A
を、バッチ式ほぐし装置42の釜部44内に装着した笊部45
内に投入し、釜部44内の水溶液11中に、含水量が62重
量%以上69重量%以下となるように数分間、好ましく
は67重量%となるように約3分間程度浸漬する。さら
に、この浸漬中に、攪拌部7の軸部13をアルファ化米A
の粒形状が崩れない程度のゆっくりした速度で回転さ
せ、串部15にて水溶液11中に浸漬するアルファ化米Aを
ほぐす。
【0055】この後、笊部45を釜部44から取り出し、水
切りした後のアルファ化米Aを、風速が1.5m/秒で
80℃の熱風を発生する簡易回転熱風式乾燥装置に投入
し乾燥する。なお、含水量が15重量%以下となるよう
に数分間、好ましくは含水量が8.6重量%程度となる
ように10分間乾燥させ、即席米を作製する。
【0056】そして、この作製した即席米30gに沸騰
水200ccを注湯して、3分間浸漬させて復元し、水切
りした後、30秒間蒸らして米飯を作製する。
【0057】また、比較試料として、蒸煮後のアルファ
化米Aの含水量を変えたもの、ショ糖ステアリン酸エス
テルの代わりに親水基に親油基をエステル結合した各種
食品添加物を用いた水溶液を用いたもの、ショ糖ステア
リン酸エステルの含有量の異なる水溶液11を用いてほぐ
し工程を行ったもの、水溶液11への浸漬時間を変えたも
ので作製した即席米を用いた。
【0058】一方、各種品質試験の評価は、複数人に試
食アンケートにより、甘味、旨味、香り、舌触り、歯応
え、粘りなどの食感結果と、即席米の製造工程中のほぐ
し工程におけるほぐれ状態と、乾燥工程における乾燥の
際の攪拌状態および乾燥性と、各工程における計量容易
性と、注湯復元性と、保存性とを観察し比較評価した。
【0059】そして、食感結果は、電気炊飯器での炊飯
後のアルファ化米Aの含水量を57重量%以上63重量
%以下のものは、パサつきや芯の残りがなく食感が良好
であった。また、脂肪酸エステル化された糖以外の親水
基および親油基を有する食品添加剤を用いた水溶液のも
のは、香りが損なわれたり、味や歯応えなど損なわれて
いたが、脂肪酸エステル化された糖の水溶液にアルファ
化米を浸漬したものは、他の水溶液に浸漬したものよ
り、甘味、旨味、香り、舌触り、歯応え、粘りなどが良
好であった。特に、HLBの値が1〜16のショ糖ステ
アリン酸エステルを0.5重量%以上2重量%以下のも
のを用いたものは、甘みが強すぎたり、舌上で油っぽさ
を感じるなどの舌触りが悪くなるなどがなく、食感結果
が通常の炊飯後の米飯と変わらない優れた食感結果が得
られた。
【0060】また、ほぐし工程におけるほぐれ状態の結
果は、アルファ化米の含水量が69重量%より多いもの
は、アルファ化米Aのべたつきが増大し、ほぐれ状態が
悪く粒形状が損傷していたが、アルファ化米Aの含水量
を57重量%以上63重量%以下のものは、容易にほぐ
れ、ほぐし後の粒形状も崩れることなく良好であった。
【0061】一方、乾燥の際の攪拌状態および乾燥性、
計量容易性の結果、アルファ化米の含水量が69重量%
より多いもの、ショ糖ステアリン酸エステルが0.5重
量%未満の水溶液を用いたものは、ほぐし後の粒が再び
付着しやすく、乾燥状態設定の際の計量性が悪く、攪拌
乾燥中で回転ドラムに付着したり、粒同士が付着して団
子状になったりし、部分的に乾燥むらを生じていたが、
アルファ化米Aの含水量を57重量%以上63重量%以
下のもの、脂肪酸エステル化された糖の水溶液にアルフ
ァ化米を浸漬したものは、計量性、乾燥状態および乾燥
性とも良好であった。
【0062】さらに、ショ糖ステアリン酸エステルが2
重量%より多いものは、乾燥後の即席米の表面にショ糖
ステアリン酸エステルが粉を噴いたようになり、外観が
損なわれるとともに、搬送、計量の際、晶出したショ糖
ステアリン酸エステルが即席米から剥がれ落ち、装置が
汚れるなどの問題があったが、ショ糖ステアリン酸エス
テルを0.5重量%以上2重量%以下のものは、ショ糖
ステアリン酸エステルが粉を噴いたように晶出すること
がなかった。
【0063】また、注湯復元性の結果、アルファ化米の
含水量が略60重量%から大きく外れるにしたがって、
注湯後の米飯状態の水分量や弾力性などにばらつきを生
じていたが、アルファ化米Aの含水量を57重量%以上
63重量%以下のものは、良好に注湯復元できた。さら
に、ショ糖ステアリン酸エステルが0.5重量%以上2
重量%以下のものは、注湯復元後の水切りにより排水す
る水の白濁もあまりなく、食欲が損なわれることもなか
った。
【0064】さらに、保存性試験の結果、乾燥後の含水
量が15重量%以下のものは、即席米の保存性が良好
で、含水量が少なくなるにしたがって、長期保存性が可
能となった。
【0065】したがって、上記実施例によれば、精白米
を蒸煮や炊飯にて作製した含水量が57重量%以上63
重量%以下のアルファ化米Aを、0.5重量%以上2重
量%以下のショ糖ステアリン酸エステルが溶解された水
溶液11中に攪拌しつつ浸漬し、水切りした後、回転攪拌
しつつ熱風40を吹き付けて乾燥するため、乾燥の際の付
着や凝集を防止でき、親水性が高い即席米を、短縮時間
でむらなく容易で効率よく乾燥製造できるとともに、注
湯復元後の米飯の食感が、炊飯後のアルファ化米Aの食
感に近似した優れた食感となる即席米を製造できる。さ
らに、攪拌や乾燥時でのアルファ化米Aの粒形状が損な
われることを防止でき、粒形状が良好な即席米が得られ
るとともに、注湯復元の際の湯の濁りを抑制して食欲低
減を防止できる。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の即席米の製造方法によれ
ば、精白米をアルファ化米とし、このアルファ化米を脂
肪酸エステル化された糖の水溶液中に攪拌しつつ浸漬
し、水切りした後乾燥するため、注湯復元性が良好な親
水性の高い即席米を、付着や凝集することなく容易で、
むらなく短時間で効率よく乾燥でき、安価で製造性が向
上できるとともに、注湯復元後の米飯の食感が、通常の
炊飯後のアルファ化米の食感に近似した優れた食感が得
られる。
【0067】請求項2記載の即席米の製造方法によれ
ば、請求項1記載の即席米の製造方法において、精白米
を含水量が57重量%以上63重量%以下のアルファ化
米に調整するため、注湯復元後の米飯の食感が通常の炊
飯後のアルファ化米の食感に近似した優れた食感が得ら
れるとともに、アルファ化米の粒形状が損なわれること
を防止できる。
【0068】請求項3記載の即席米の製造方法によれ
ば、請求項1または2記載の即席米の製造方法におい
て、アルファ化米を0.5重量%以上2重量%以下のシ
ョ糖ステアリン酸エステルが溶解された水溶液に浸漬す
るため、注湯復元性が良好な親水性の高い即席米を、付
着や凝集することなく容易で、むらなく短時間で効率よ
く乾燥でき、安価で製造性が向上できるとともに、注湯
復元の際の湯の濁りを抑制して食欲低減を防止でき、注
湯復元後の米飯の食感が通常の炊飯後のアルファ化米の
食感に近似した優れた食感が得られる。
【0069】請求項4記載の即席米の製造方法によれ
ば、請求項1ないし3いずれか記載の即席米の製造方法
において、脂肪酸エステル化された糖の水溶液中に攪拌
しつつ浸漬した後に水切りしたアルファ化米を、回転攪
拌しつつ熱風を吹き付けて乾燥するため、むらなく短時
間で乾燥でき、乾燥効率が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の即席米の製造方法の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図2】同上即席米の製造方法を実施する装置のほぐし
コンベアを示す側面断面図である。
【図3】同上一部を切り欠いた斜視図である。
【図4】同上即席米の製造方法を実施する装置の回転熱
風式乾燥装置を示す一部を切り欠いた側面図である。
【図5】同上軸方向の断面図である。
【図6】同上回転ドラムを示す側面図である。
【図7】本発明の即席米の製造方法の他の実施例のほぐ
し工程を実施するバッチ式ほぐし装置を示す斜視図であ
る。
【図8】同上一部を切り欠いた側面図である。
【符号の説明】
2 蒸煮装置 3 ほぐしコンベア 11 ショ糖ステアリン酸エステル水溶液 18 回転熱風式乾燥装置 40 熱風 A アルファ化米

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精白米をアルファ化米とし、 このアルファ化米を脂肪酸エステル化された糖の水溶液
    中に攪拌しつつ浸漬し、 この浸漬されたアルファ化米を水切りした後乾燥するこ
    とを特徴とする即席米の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルファ化米は、含水量が57重量%以
    上63重量%以下であることを特徴とする請求項1記載
    の即席米の製造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪酸エステル化された糖の水溶液は、
    ショ糖ステアリン酸エステルが0.5重量%以上2重量
    %以下の水溶液であることを特徴とする請求項1または
    2記載の即席米の製造方法。
  4. 【請求項4】 水切り後の乾燥は、回転攪拌しつつ熱風
    を吹き付けることを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    か記載の即席米の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103783410A (zh) * 2012-11-01 2014-05-14 钰嘉(上海)食品有限公司 一种调味速食米及其制备方法

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