JPH07114328A - 合わせガラス用耐熱性ホログラム及びそれを用いた透明断熱ガラス - Google Patents

合わせガラス用耐熱性ホログラム及びそれを用いた透明断熱ガラス

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JPH07114328A
JPH07114328A JP25987993A JP25987993A JPH07114328A JP H07114328 A JPH07114328 A JP H07114328A JP 25987993 A JP25987993 A JP 25987993A JP 25987993 A JP25987993 A JP 25987993A JP H07114328 A JPH07114328 A JP H07114328A
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hologram
softening point
heat
glass
laminated
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Shuichi Ikui
秀一 生井
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Satoko Sugawara
聡子 菅原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合わせガラス内に封入してもその分光スペク
トルの特性の変化が少ない極めて耐熱性の優れたホログ
ラムおよびこれを用いた断熱ガラスを得る。 【構成】 バインダーとしてのポリ−N−ビニルカルバ
ゾールまたはその誘導体と光重合開始剤、光増感色素、
光重合可能な重合性化合物とからなる光重合組成物を、
露光、現像して得られる体積位相型ホログラムにおい
て、該光重合可能な重合性化合物の重合後の軟化点が6
0℃以上である合わせガラス用耐熱性ホログラム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合わせガラス内部に加
熱圧着して封入してもホログラムの光学特性変化が小さ
い合わせガラス用耐熱性ホログラム及びそれを用いた透
明断熱ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の体積位相型ホログラム記録材料と
しては、漂白処理銀塩や重クロム酸ゼラチンを記録媒体
とするものが一般に知られており、最近ではポリ−N−
ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリビニルピロリ
ドン又はその誘導体、スチレン−マレイン酸無水共重合
体又はその部分エステルをバインダーポリマーとするホ
ログラム記録材料用フォトポリマーなどがある。しか
し、自動車、電車、建築物の窓ガラスなどのように長時
間高温高湿の環境下にさらされる部位にホログラムを使
用する場合には、ホログラムの湿度および熱に対する高
い耐久性が要求される。ポリビニルピロリドンやスチレ
ン−マレイン酸無水共重合体はそれ自体、耐水性や耐熱
性がなく、これらをバインダーポリマーとしたホログラ
ムは耐久性に劣り、高温、高湿環境下ではホログラムは
消失してしまう。従って、バインダーポリマーとしては
耐湿、耐熱性の高いものを使用するのが好ましく、本出
願人は特願平4−211478号明細書においてこれら
の用途を考慮して、ポリ−N−ビニルカルバゾールまた
はその誘導体をバインダーポリマーとして用いることを
開示した。特に、ホログラムを自動車用窓ガラスなどに
利用する場合にはホログラムの表面の耐擦傷性が低いこ
とから本出願人が特願平4−211479号明細書に開
示したように、合わせガラスに封入して用いるのが好ま
しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】湿式現像によってホロ
グラムを得る方法においては、感光層内の干渉縞内部に
発生する微小空隙によって周囲のバインダ部分との屈折
率差を拡大し、高効率なホログラムを得ている。しか
し、この空隙のために入射光が散乱し、透明性が損なわ
れるという問題点を有している。現像方法を工夫して、
空隙の大きさを小さく抑制し、透明性を向上させること
ができるが、加熱圧着して合わせガラス内に封入しよう
とした場合には、ホログラムの光学特性が大幅に低下
し、場合によっては完全に消失してしまうという問題が
あった。従って本発明の目的は、合わせガラス内に封入
してもその分光スペクトルの特性の変化が少ない極めて
耐熱性の優れたホログラムおよびこれを用いた断熱ガラ
スを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の問題点に着目してなされたもので、ホログラム記録
材料において、重合後の軟化点が60℃以上の光重合性
化合物を使用することを特徴とする。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。第1にホロ
グラムの製作過程を説明する。バインダーポリマー、光
重合性化合物、光重合開始剤および光増感色素からなる
感光材料を、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、ベンゼンおよびクロロベンゼ
ンなどの溶媒に溶解させる。各組成物は、バインダーポ
リマーを100 重量部、重合後の軟化点の高い光重合性化
合物を単一または他の光重合性化合物とのブレンドで5
0〜200 重量部、光重合開始剤を2〜20重量部および
増感色素を0.1 〜2重量部の比率で用いる。溶媒の使用
量は組成によるが、組成物全重量の2〜20倍が好まし
い。
【0006】上記のように溶解して得られた感光液を、
支持体上に塗布し溶媒を蒸発させて感光膜を形成し、記
録担体とする。あるいはまたそれ自体をフィルム化し記
録担体とする。支持体としてはガラスやポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ナイロン、トリアセチルセル
ロース(TAC)などの透明樹脂フィルムなどを使用す
ることができる。
【0007】塗布方法としては、スピンナーコーティン
グ、ブレードコーティングまたはロールコーティングな
ど、またフィルム化には、キャスト、2軸延伸またはカ
レンダーロールなどの方法がある。記録担体の膜厚は、
2μm 〜50μm が好ましい。
【0008】この記録担体を用いて、アルゴンイオン、
ヘリウムネオン、クリプトンイオン、半導体、チタン・
サファイアなどのレーザーを用いてホログラム干渉露光
を行なう。露光後、この記録担体中の未反応物質を溶出
させるため、光重合性化合物の良溶媒に浸漬し、その後
貧溶媒にて収縮させる。そしてその時の応力により干渉
縞の光重合層にボイドやクラックを発生させ、マトリク
スとの屈折率差によりホログラムが形成される。そのボ
イドやクラックの大きさはホログラムの曇価に大きく影
響を及ぼしているため、曇価を下げるためにはボイドや
クラックの大きさを可視光波長以下の大きさに留める必
要がある。そのために現像温度を極力低下させ、さらに
膨潤性の異なる2種類の良溶媒を用意し、膨潤性の高い
溶媒から低い溶媒、そして貧溶媒へと次々浸漬していく
ことで、未反応物質の溶出量を抑制し、膨潤−収縮過程
での応力を緩和することでホログラム層中のボイド径が
小さくなり、透明性の優れたホログラムが得られる。記
録担体に対して膨潤性の高い溶媒としては、アセトン、
メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチルおよび酢酸イソブチルなど比較的未反応モノマ
ーと近接した溶解度パラメーターを持つ溶媒を用い、膨
潤性の低い溶媒には、ジイソブチルケトンおよびジエチ
ルエーテルなど、上記溶媒の溶解度パラメーターを若干
下回る溶媒を用いるのがよい。また、貧溶媒には、n−
ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン
およびイソオクタンなどのアルカン類を用いるとよい。
【0009】次に積層体の製作過程を説明する。上記ホ
ログラムフィルムの両側に中間膜接着剤を介して、2枚
のガラスと積層し、加熱圧着する。この際、一般に自動
車用窓ガラスの接着剤としてはポリビニルブチラール
(PVB)を用いるが、このポリビニルブチラールには
可塑剤が大量に含まれており加熱圧着時、ホログラム中
にこの可塑剤が移行しホログラムが消失してしまうとい
う問題があることから、少なくともホログラム表面側に
は可塑剤を含まない変成ポリオレフィン系樹脂としてエ
チレンビニルアセテート(EVA)などを接着剤として
用いるのがよい。以上のような積層構成体を真空ゴムバ
ック中に入れ、100 ℃で30分間加熱し、内部の空気を
除去しながら仮接着を行なう。続いてオートクレーブ中
で13kg/cm2 の圧力下で135 ℃、30分間加熱し、本
接着を行ない、残存する空気を完全に除去する。
【0010】ところが、加熱圧着中、上記条件で作成し
たボイド径の小さなホログラムは消失してしまうことが
あるということが判明した。特に、このことは、光重合
性化合物として重合後の軟化点が低いものを用いた場合
に顕著である。これは上記加熱圧着条件下では光重合性
化合物の重合体が軟化、変形してしまい、ボイドを埋め
てしまうのが原因と考えられる。そこで、光重合性化合
物として重合後の軟化点が高いものを用いるかまたは添
加することにより加熱圧着中のホログラム層の熱変形を
防止することがてき、ホログラムの光学特性の維持が可
能であることを見いだし、本発明に至った。この重合後
の軟化点の高い光重合性化合物は単一で使用しても他の
光重合性化合物と複数で使用してもその重合体の軟化点
が60℃以上あれば構わない。
【0011】本発明において用いられる材料の例を以下
に示す。バインダーポリマーとしては、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール又はその誘導体で、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、ビニルカルバゾール−スチレン共重合体、
ビニルカルバゾール−塩化ビニル共重合体、ビニルカル
バゾール−メチルメタクリレート共重合体、ビニルカル
バゾール−ビニルアントラセン共重合体、ビニルカルバ
ゾール−ビニルピリジン共重合体、ビニルカルバゾール
−アクリレート共重合体、ビニルカルバゾール−エチル
アクリレート共重合体、ビニルカルバゾール−アクリロ
ニトリル共重合体、ビニルカルバゾール−ブチルアクリ
レート共重合体、ビニルカルバゾール−ニトロビニルカ
ルバゾール共重合体、ニトロ化ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルアミノカルバゾール、ビニルカルバ
ゾール−N−メチルアミノビニルカルバゾール共重合
体、ハロゲン置換ポリ−N−ビニルカルバゾール、ビニ
ルカルバゾール−ジブロムビニルカルバゾール共重合
体、ポリヨードビニルカルバゾール、ポリベンジリデン
ビニルカルバゾール、ポリプロペニルカルバゾール等が
あげられる。
【0012】光重合化合物とは、分子内にアクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の重合可
能な基を1個以上含有するモノマー又はオリゴマーであ
る。特に、耐熱性を考慮し重合後の軟化点の高いモノマ
ーとしては、トリブロモフェニルアクリレート、テトラ
ブロモフェノキシエチルジアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド
(以下EO)変成トリアクリレートなどの多官能性アク
リレートや、これらのアクリレートに対応するメタクリ
レートなどが挙げられる。また、これらの化合物は単一
又は複数の混合物として使用しても良い。
【0013】光重合開始剤としては、ベンゾイルアルキ
ルエーテル類、ケタール類、オキシム、エステル類、ベ
ンゾフェノン、チオキサントン誘導体、キノン、チオア
クリドンなどの芳香族ケトン類、1,3−ジ(t−ブチ
ルジオキシカルボニル)ベンゼン、ヨードニウム塩類、
ジアニン、ローダミン、サフラニン、マラカイトグリー
ン、メチレンブルーなどのアルキルまたはアルキルホウ
酸塩、ジ(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、ジ
(t−ブチルパーオキシ)テレフタレート、ジ(t−ブ
チルパーオキシ)フタレート、3,3′,4,4′−テ
トラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ンなどの有機過酸化物、鉄−アレーン錯体、ビスイミダ
ゾール類、N−アリールグリシン、トリアジンなどを使
用することができる。
【0014】増感色素としては、例えばミヒラーズケト
ンなどの芳香族アミン、キサンテン系色素、チオピリリ
ウム塩、メロシアニン・キノリン系色素、クマリン系色
素、ケトクマリン系色素、アクリジンオレンジ、ベンゾ
フラビン、ジアニン、フタロシアニン、シアニンボレー
ト、ポルフィリン、ローダミン、サフラニン、マラカイ
トグリーン、メチレンブルー、メチレングリーン、スク
ワリリウム系色素などが用いられる。
【0015】この中では特に、光重合開始剤として有機
過酸化物、ヨードニウム塩やトリアジンを、増感色素と
してクマリン系色素、ジエチルアミノ系色素や、スクワ
リリウム系色素を用いることが望ましい。クマリン系、
ジエチルアミノ系色素を用いる際には488 nmや514.5 nm
のアルゴンイオンレーザーに、またスクワリリウム系色
素を用いる際には633 nmのHe−Neレーザー、647 nm
のクリプトンイオンレーザー、780 nmの半導体レーザー
やチタン・サファイアレーザーに感光性を持つ記録担体
とすることができる。
【0016】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例により説明
する。 実施例1 ポリ−N−ビニルカルバゾール(分子量800,000 )
((株) アナン製、商品名ツビコール210)を0.5
g、EO変成トリブロモフェノキシエチルアクリレート
(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアB
R−31)を0.25g、EO変成トリブロモフェニルメタ
クリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロ
ンティアBR−30M)を0.25g、2,4,6−トリス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン(TCT)を0.
040 g、スクワリリウム系色素(SQD)(日本感光性
色素(株)製、NK−2990)0.001 gを、クロロベンゼ
ン9gに溶解させて、感光液とした。
【0017】上記感光液を両面仮接着処理したPETフ
ィルム(帝人(株)製、商品名H−7W、厚さ50μm
)基板上に成膜用アプリケーターを用いて塗布し、ド
ライヤーによる熱風乾燥の後、オーブンにて70℃で3
0分乾燥させて感光膜を形成した。さらに感光膜表面に
空気中の酸素による重合阻害を防止するため、ポリビニ
ルアルコール(PVA)水溶液をスピンコートした。
【0018】得られた記録担体を、図1の光学系でホロ
グラム露光した。露光条件は、波長647 nm、露光エネル
ギー500 mJ/cm2 、θg=20°であった。露光を終え
た記録担体は、表面のPVAを水洗して取り除き、液温
を22℃に保ったメチルイソブチルケトンに30秒、続
いてジイソブチルケトンに2分間浸漬した後、n−ヘプ
タンに30秒浸漬した。次に引き上げた後風乾してホロ
グラムを得た。なお図1において、1はクリプトンイオ
ンレーザー装置、2はシリンドリカルレンズ、3はコリ
メーションレンズ、4は記録担体、5は屈折率マッチン
グ液、6はガラスブロック、θgはレーザーのガラスブ
ロックへの入射角を示す。
【0019】得られたホログラムの両側に中間膜接着剤
を介して2枚のガラスと図2の様な積層構成となるよう
積層させた。ここで、中間膜接着剤はフィルム基板側に
はポリビニルブチラール(積水(株)製、商品名エトレ
ックフィルム、厚さ760 μm)を、ホログラム表面側に
は変成ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム状接着剤
(武田薬品(株)製、商品名デュミランフィルムF−3
00、厚さ400 μm )をそれぞれ使用した。この積層体
を真空ゴムバックに挿入し、真空ポンプにて脱気しなが
らオーブン中で100 ℃で30分加熱圧着して予備接着を
行なった。その後、室温まで冷却し、ゴムバックの中を
大気圧に戻し、積層体を取り出した。この積層体をオー
トクレーブにて135 ℃、13kg/cm2 で30分間加熱圧
着して残存する空気を完全に除去し、本接着とした。な
お図2において、7はクリヤガラス、8は変成ポリオレ
フィン系樹脂、9はホログラム、10は支持フィルム、
11はポリビニルブチラールを示す。
【0020】積層前のホログラムと積層後の積層体の分
光透過スペクトル変化を図3に示す。積層後の回折効率
保持率は99%と極めて高いものとなった。この実施例
と同様のBR−31とBR−30Mとを重量比で1:1
で混ぜ合わせ、70℃で加熱溶融させ、室温まで冷却し
たものに紫外線を照射して軟化点測定用試料とした。な
お、紫外線照射は100 Wの超高圧水銀灯火を5 m/min
の速度で通過させることによって行なった。この試料片
のビカット軟化点をJIS K7206に規定されている方
法により測定したところ、75.5℃であった。
【0021】この積層体の合わせガラスの分光透過スペ
クトルは、図3に示すように1300nm近傍の近赤外域に回
折ピークを有し、熱的作用の大きい近赤外線を有効に遮
断しており、透明断熱性を有していることがわかった。
【0022】実施例2 EO変成トリブロモフェノキシエチルアクリレート(第
一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアBR−
31)を0.35g、EO変成トリブロモフェニルメタクリ
レート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンテ
ィアBR−30M)を0.15gとする以外は実施例1と同
様にして、ホログラムを得た。更に、そのホログラムを
実施例1と同様に積層した。積層後の回折効率保持率は
96%であり、特性変化は小さなものであった。また、
BR−31とBR−30Mをこの実施例同様、7:3で
混ぜ合わせ、実施例1と同様にしてビカット軟化点を測
定したところ、61℃であった。また、本実施例の透過
スペクトルもほぼ実施例1と同様であり、透明断熱性を
有していた。
【0023】実施例3 光重合可能なモノマーをEO変成トリブロモフェニルメ
タクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフ
ロンティアBR−30M)0.5 gのみとする以外は実施
例1と同様にして感光膜を形成し、ホログラム露光を行
なった。
【0024】露光後の記録担体を30℃に保ったメチル
イソブチルケトンに30秒間浸漬し、続いてジイソブチ
ルケトンに2分間、n−ヘプタンに30秒間浸漬させ、
引き上げた後風乾し、ホログラムを得た。その後、実施
例1と同様に積層を行なった。積層後の回折効率保持率
は100 %であり、特性変化は全くないものであった。
【0025】この際、光重合可能なモノマーはBR−3
0Mのみであるので、このBR−30Mを実施例1と同
様にしてビカット軟化点を測定したところ、112.2 ℃で
あった。また、本実施例の透過スペクトルもほぼ実施例
1と同様であり、透明断熱性を有していた。
【0026】比較例1 光重合可能なモノマーをEO変成トリブロモフェノキシ
エチルアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名ニ
ューフロンティアBR−31)を0.5 gのみとする以外
は実施例1と同様にして感光膜を形成し、ホログラム露
光を行なった。
【0027】露光後、実施例1と同様に現像処理を行な
い、ホログラムを得た。更に、そのホログラムを実施例
1と同様に積層した。そのスペクトル変化を図4に示
す。すると、ホログラムは熱により消失してしまってい
ることがわかる。
【0028】この際、BR−31を実施例1と同様にし
てビカット軟化点を測定したところ、38.8℃であった。 比較例2 EO変成トリブロモフェノキシエチルアクリレート(第
一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンティアBR−
31)を0.40g、EO変成トリブロモフェニルメタクリ
レート(第一工業製薬(株)製、商品名ニューフロンテ
ィアBR−30M)を0.10gとする以外は実施例1と同
様にして、ホログラムを得た。更に、そのホログラムを
実施例1と同様に積層した。積層後の回折効率保持率は
80.3%であり、特性は大きく変化した。また、BR−3
1とBR−30Mをこの実施例同様、8:2で混ぜ合わ
せ、実施例1と同様にしてビカット軟化点を測定したと
ころ、53.5℃であった。
【0029】さらに、上記の各実施例および比較例から
得られた、重合体のビカット軟化点とホログラム回折効
率保持率との関係を、図5に示し、光重合性モノマー混
合比並びに重合体ビカット軟化点および回折効率保持率
を表1にまとめて示した。これらより、光重合性化合物
の重合後のビカット軟化点が60.0℃以上である際にはホ
ログラム特性は熱による影響をほとんど受けないことが
示される。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
て、バインダーとしてのポリ−N−カルバゾールまたは
その誘導体と光重合開始剤、光増感色素、光重合性化合
物とならなる光重合組成物を、露光、現像して得られる
体積位相型ホログラムにおいて、重合後の軟化点が60
℃以上である光重合性化合物を単独でもしくは他の光重
合性化合物と組み合わせて使用することにより、合わせ
ガラス内部に加熱圧着して封入してもその分光スペクト
ルの特性変化の少ない極めて耐熱性の優れたホログラム
が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例で用いたホログラム露光光学系
の説明図である。
【図2】本発明の一例の合わせガラスの積層構成を示す
断面図である。
【図3】実施例1で得られたホログラムの合わせガラス
封入後の透過スペクトル線図である。
【図4】比較例1で得られたホログラムの合わせガラス
封入後の透過スペクトル線図である。
【図5】各実施例および比較例で得られたホログラム組
成中の重合体のビカット軟化点と加熱圧着後の回折効率
の保持率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 クリプトンイオンレーザー装置 2 シリンドリカルレンズ 3 コリメーションレンズ 4 記録担体 5 屈折率マッチング液 6 ガラスブロック 7 クリヤガラス 8 変成ポリオレフィン系樹脂 9 ホログラム 10 支持フィルム 11 ポリビニルブチラール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーとしてのポリ−N−ビニルカ
    ルバゾールまたはその誘導体と光重合開始剤、光増感色
    素、光重合可能な重合性化合物とからなる光重合組成物
    を、露光、現像して得られる体積位相型ホログラムにお
    いて、該光重合可能な重合性化合物の重合後の軟化点が
    60℃以上であることを特徴とする合わせガラス用耐熱性
    ホログラム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の合わせガラス用耐熱性ホ
    ログラムが反射型ホログラムであり、かつそのブラッグ
    波長が近赤外にあって、該ホログラムが中間膜接着剤を
    介して2枚のガラスと積層されていることを特徴とする
    透明断熱ガラス。
JP25987993A 1993-10-18 1993-10-18 合わせガラス用耐熱性ホログラム及びそれを用いた透明断熱ガラス Pending JPH07114328A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020158300A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 ソニー株式会社 ホログラム記録用組成物、ホログラム記録媒体、ホログラム光学素子、及びこれを用いた光学装置、光学部品並びにホログラム回折格子の形成方法
WO2020189780A1 (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
EP3461636B1 (en) 2017-09-29 2021-05-19 Wayray AG Laminated holographic display and manufacturing thereof

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