JPH07113162A - 薄膜の製造方法及び製造装置 - Google Patents

薄膜の製造方法及び製造装置

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JPH07113162A
JPH07113162A JP25817093A JP25817093A JPH07113162A JP H07113162 A JPH07113162 A JP H07113162A JP 25817093 A JP25817093 A JP 25817093A JP 25817093 A JP25817093 A JP 25817093A JP H07113162 A JPH07113162 A JP H07113162A
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JP
Japan
Prior art keywords
thin film
opening
manufacturing apparatus
electron beam
polymer substrate
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Pending
Application number
JP25817093A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Honda
和義 本田
Kaji Maezawa
可治 前澤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は薄膜の製造装置及び製造方法に関す
るもので、特に、薄膜を安定に作製することを目的とす
る。 【構成】 真空中で円筒状キャン5の表面に沿って移動
する高分子基板4上に電子ビーム蒸着法によって薄膜を
形成する薄膜の製造装置と方法において、薄膜を形成す
る際の蒸気入射角を制限する遮蔽板9の開口部を2カ所
以上設け、膜形成初期側に設けた第1の開口部13に於
いて形成される薄膜の厚みを0を越えて3nm以内と
し、第1の開口部に於て電子ビームの反射電子によって
基板を円筒状キャンに密着させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜の製造方法及び製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現代社会に於て薄膜の果たす役割は非常
に広範囲であり、日常生活の様々な部分において薄膜が
利用されている。磁気テープの分野においても記録媒体
の高密度化を目指し、薄膜磁気記録媒体の研究開発が盛
んである。高密度薄膜磁気記録媒体の中でも、Co系酸
化物薄膜は既にビデオテープとして商品化されており、
注目を集めている。
【0003】テープ状のCo酸化物系薄膜磁気記録媒体
を製造する方法としては、連続巻き取り電子ビーム蒸着
法が特にその生産性において他を凌いでいる。即ち(図
2)のように長尺の高分子基板が円筒状キャンの周面に
沿って走行中に磁性層を電子ビーム蒸着することによっ
て磁気記録媒体の量産が出来る。磁性体としてCo、ま
たはCo−Niを用い、酸素雰囲気蒸着を行う事によっ
て長尺の磁気テープが生産できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高分子基板上に電子ビ
ーム蒸着法によって薄膜を形成するにあたっては高分子
基板の熱損傷防止が必須である。薄膜を高速成膜すれば
するほど電子ビーム蒸発源への投入パワーを高くする必
要があり、蒸発源からの熱輻射および高堆積速度で飛来
する蒸着原子の凝縮熱はますます増加する。そのため高
分子基板を円筒状キャンに密着させて、膜形成時の熱負
荷をキャンに逃がす手段として、電子ビームの照射が行
われている。すなわち(図3)の様に、高分子基板がキ
ャンに接した後に張り付け用電子銃からの電子ビームを
高分子基板の表面に照射すると高分子基板がキャンに密
着して、その後引き続いて行われる蒸着時の基板熱損傷
を防止することが出来る。
【0005】しかしながら張り付け用に独立した電子銃
を設置すると、設備が大がかりになってしまい、設備投
資及び運転費用が増加してしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明は、真空中で円筒状キャンの表面に沿って移動す
る高分子基板上に直接あるいは下地層を介して電子ビー
ム蒸着法によって薄膜を形成する薄膜の製造方法におい
て、前記薄膜を形成する際の蒸気入射角を制限する遮蔽
板の開口部を2カ所以上設け、膜形成初期側に設けた第
1の開口部に於いて形成される前記薄膜の厚みを0を越
えて3nm以内とし、前記第1の開口部に於て前記電子
ビームの反射電子によって前記基板を前記円筒状キャン
に密着させることを特徴とするもの、及び真空中で円筒
状キャンの表面に沿って走行する高分子基板上に直接あ
るいは下地層を介して電子ビーム蒸着法によって薄膜を
形成する薄膜の製造装置において、前記薄膜を形成する
際の蒸気入射角を制限する遮蔽板の開口部を2カ所以上
設け、第1の開口部を膜形成初期側かつ前記電子ビーム
蒸発源からの反射電子が飛来する領域に設け、さらに前
記第1の開口部に於て形成される前記薄膜の厚みを0を
越えて3nm以内になる様に定めることを特徴とするも
のである。
【0007】
【作用】張り付け用に独立した電子銃を設けなくとも、
蒸着初期部分に設けた第1の開口部に入った蒸発源から
の反射電子によって高分子基板を円筒状キャンに密着さ
せることが出来るので高分子基板の熱損傷を防止するこ
とができる。また、第1の開口部で形成される薄膜の厚
さは薄いので、薄膜全体の特性に及ぼす影響はほとんど
ない。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について(図1)を用
いて説明する。排気系1によって真空排気された真空槽
2の中で巻き出しロール3から回転方向12に沿って巻
出された長尺の高分子基板4はガイドロール11及び円
筒状キャン5の表面に沿って走行中に電子銃18より電
子ビーム6を照射されている電子ビーム蒸発源7より遮
蔽板9の開口部13、14において蒸着を受けた後に、
巻き取りロール10に巻きとられる。高分子基板は円筒
状キャン周面に沿った後、蒸着初期部分に設けられた第
1の開口部において、蒸発源7から反射した反射電子を
照射される。反射電子は真空槽壁面などに衝突を繰り返
しながら運動し、第1の開口部13に達した高分子基板
に様々な入射角で照射される。反射電子の照射によって
高分子基板とキャンの静電引力による密着性が高まり、
薄膜の形成が基板の熱損傷無しに行われる。
【0009】第1の開口部13の開口幅が広い方が、当
然反射電子の量は増加するが、開口幅が広くなるにつれ
て、第1の開口部で形成される薄膜の厚さも厚くなる。
従って第1の開口部で形成される薄膜の膜厚は薄膜全体
の特性に与える影響の小さい範囲にする必要があり、基
板の密着性と膜特性の兼ね合いで第1の開口部の開口幅
が決まる。
【0010】高分子基板としてポリエチレンテレフタレ
ート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PE
N)基板を用い、酸素雰囲気での蒸着材料としてCoを
用いて膜厚50nm〜200nmのCo酸化物薄膜を電
子ビーム蒸着法によって形成した。先に(図3)で説明
したような張り付け用電子銃は用いていない。蒸気遮蔽
板の開口部は2カ所設け、第2の開口部での蒸気入射角
を高分子基板法線から70度から50度で一定として第
1の開口部の幅を変化させた。第1の開口部で形成され
た薄膜の膜厚は第2の開口部を塞いで第1の開口部のみ
で薄膜を形成することによって求めた。第1の開口部で
形成される薄膜の膜厚は破断面の透過電子顕微鏡像から
求めたが、膜厚が非常に薄い場合、高分子基板の搬送速
度を遅くして蒸着を行い、膜厚が搬送速度に反比例する
ものとして膜厚を算出した。(表1)に成膜条件と蒸着
結果について示す。蒸着結果は基板熱損傷の有無と膜面
内磁化曲線の印加磁界ゼロでの残留磁化と飽和磁化の比
を表す角型比で評価した。また、(表1)で第1開口部
の膜厚が0となっているのは第1開口部を完全に塞いだ
場合である。
【0011】
【表1】
【0012】(表1)から分かるように、張り付け用電
子銃を用いなくとも、第1開口部を設けることによって
高分子基板の熱損傷を防ぐことが出来る。また、第1開
口部で形成する薄膜の厚さが3nm以下の場合には角型
比が0.90以上であり、第1開口部を設けない場合と
同等以上の角型比が得られている。なお、張り付け用電
子銃を用い、第1開口部を設けない場合の角型比は0.
90であった。張り付け用電子銃を用いない(表1)の
結果で第1開口部を塞いだ場合の角型比が0.9より幾
分小さいのは、高分子基板の熱損傷によってガスが発生
し、これによって膜成長が乱れ、角型比が低下したもの
と思われる。
【0013】(図4)は本発明で蒸着に先立って基板に
イオン照射を行った場合を示す図である。イオン照射は
カウフマン型イオン源を用い、イオン照射部分を通過す
る間にビーム電圧400V、加速電圧200Vのアルゴ
ンイオンが中和電子と共に1平方cmあたり1mA照射
される様にした。形成する薄膜の膜厚は200nmとし
た。(表2)にイオン照射のある場合とない場合につい
ての(表1)と同様の実験結果について示す。
【0014】
【表2】
【0015】(表2)から分かるように、イオン照射を
行った場合の方が、イオン照射を行わない場合よりも高
い基板温度(キャン温度)まで基板の熱損傷が起きな
い。これは基板がキャンに接してからイオン照射を行う
ことによって基板の除電並びに、脱ガスが行われ、これ
によって反射電子が照射されたときの基板とキャンの密
着性が高まるためと思われる。
【0016】これまで述べた実験結果から、第1開口部
では反射電子をできるだけ多く取り込み、かつ蒸発原子
はあまり取り込まないことが基板の熱損傷防止と薄膜特
性の確保の両立のために重要である。従ってこうした観
点から第1の開口部の前記基板走行方向の開口幅が、開
口部全体の開口幅合計に占める割合が、前記第1の開口
部に於て形成される前記薄膜の厚みが前記薄膜全体の厚
みに占める割合よりも大きくすることや、第1の開口部
が、前記電子ビームを照射されている蒸発源の蒸発中心
から前記遮蔽板の開口部端部を直線で結んで規定される
蒸発源直視域を含まないようにすることは本発明の効果
を増加させる。また、第1の開口部付近の前記反射電子
を、前記第1の開口部に向けて旋回させるための電場発
生装置や、磁場発生装置を設ける事によっても本発明の
効果を増加させることが出来る。(表3)は、電場発生
装置や、磁場発生装置を設ける事によっても本発明の効
果が増加することを示す実験結果である。形成する薄膜
の膜厚は200nmとした。電場の発生は第1開口部近
傍にー10kVの電極を設けることによって行い、磁場
の発生は第1開口部近傍に水冷したサマリウムーコバル
ト系の永久磁石を設置して行った。なお、(表3)に示
した実験はイオン照射無しで行った。
【0017】
【表3】
【0018】(表3)に示したように、電場発生装置あ
るいは磁場発生装置を用いることにより、高い基板温度
まで高分子基板の熱損傷が発生しない。これはさきに述
べたように、第1の開口部付近の前記反射電子を、前記
第1の開口部に向けて旋回させるための電場発生装置
や、磁場発生装置を設ける事によって、第1開口部に取
り込まれる反射電子が増加したために基板と円筒状キャ
ンの間の密着性が増したものと思われる。
【0019】これまで、実施例の中で基板としてポリエ
チレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートを
用いた場合についてのみ述べたが、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリイミドその他の高分子基板をはじめ、円筒
状キャンに沿って走行させることの出来る基板材料であ
ればこれを用いることが出来る。さらに、実施例として
は薄膜としてCo−O磁性層を形成する場合についての
み述べたが、磁性層としてCo−NiーOをはじめとす
る他の酸化物薄膜を用いる場合、Fe系その他磁性金属
材料を用いる場合、磁性層の形成に先立って下地層を形
成した後に磁性層を形成する場合や、磁性層以外の薄膜
を形成する場合についても本発明が有効であることは言
うまでもない。
【0020】
【発明の効果】以上の様に本発明の薄膜の製造方法及び
製造装置によれば、優れた特性を有する薄膜が安定に得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜の製造方法の一例を示す図
【図2】従来の薄膜磁気記録媒体の製造方法の一例を示
す図
【図3】従来の薄膜磁気記録媒体の製造方法の一般的な
例を示す図
【図4】本発明の薄膜の製造方法の一例を示す図
【符号の説明】
1 排気系 2 真空槽 3 巻き出しロール 4 高分子基板 5 円筒状キャン 6 電子ビーム 7 電子ビーム蒸発源 8 ガス導入ノズル 9 遮蔽板 10 巻き取りロール 11 ガイドロール 12 回転方向 13 第1の開口部 14 第2の開口部 16 密着用電子銃 17 密着用電子ビーム 18 電子銃

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中で円筒状キャンの表面に沿って移動
    する高分子基板上に直接あるいは下地層を介して電子ビ
    ーム蒸着法によって薄膜を形成する薄膜の製造方法にお
    いて、前記薄膜を形成する際の蒸気入射角を制限する遮
    蔽板の開口部を2カ所以上設け、膜形成初期側に設けた
    第1の開口部に於いて形成される前記薄膜の厚みを0を
    越えて3nm以内とし、前記第1の開口部に於て前記電
    子ビームの反射電子によって前記基板を前記円筒状キャ
    ンに密着させることを特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記高分子基板が前記円筒状キャンに沿い
    始めてより後に前記高分子基板にイオン流を照射し、そ
    の後に前記第1の開口部に前記高分子基板を導くことを
    特徴とする請求項1記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】真空中で円筒状キャンの表面に沿って走行
    する高分子基板上に直接あるいは下地層を介して電子ビ
    ーム蒸着法によって薄膜を形成する薄膜の製造装置にお
    いて、前記薄膜を形成する際の蒸気入射角を制限する遮
    蔽板の開口部を2カ所以上設け、第1の開口部を膜形成
    初期側かつ前記電子ビーム蒸発源からの反射電子が飛来
    する領域に設け、さらに前記第1の開口部に於て形成さ
    れる前記薄膜の厚みが0を越えて3nm以内になる様に
    前記第1の開口部の開口幅を定めることを特徴とする薄
    膜の製造装置。
  4. 【請求項4】前記第1の開口部の前記基板走行方向の開
    口幅が、開口部全体の開口幅合計に占める割合が、前記
    第1の開口部に於て形成される前記薄膜の厚みが前記薄
    膜全体の厚みに占める割合よりも大きいことを特徴とす
    る請求項3記載の薄膜の製造装置。
  5. 【請求項5】前記第1の開口部が、前記電子ビームを照
    射されている蒸発源の蒸発中心から前記遮蔽板の開口部
    端部を直線で結んで規定される蒸発源直視域を含まない
    ことを特徴とする請求項3または4記載の薄膜の製造装
    置。
  6. 【請求項6】前記第1の開口部付近の前記反射電子を、
    前記第1の開口部に向けて旋回させるための電場発生装
    置を設けたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに
    記載の薄膜の製造装置。
  7. 【請求項7】前記第1の開口部付近の前記反射電子を、
    前記第1の開口部に向けて旋回させるための磁場発生装
    置を設けたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに
    記載の薄膜の製造装置。
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