JPH0711290A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐硬水性、分散性に優れ、再汚染防止効果を
有し、しかも皮膚刺激性の低い洗浄剤組成物を提供する
こと。 【構成】 下記一般式（１）で表わされるα−スルホ脂
肪酸誘導体を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。 【化１】 ｛式中、Ｒ₁、Ｒ₂：炭素数６〜１８のアルキル基又はア
ルケニル基 Ｒ₃ ：水素、炭素数１〜６のアルキル基又はヒドロ
キシアルキル基 Ｍ₁、Ｍ₂：水素原子、アルカリ金属、一価に相当するア
ルカリ土類金属、置換もしくは非置換のアンモニウム基 Ｚ ：炭素数２〜６の直鎖状もしくは分岐鎖状のア
ルキレン基、又は置換基として水酸基を有する炭素数３
〜８の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基を
表わす。）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、耐硬水性、分散性に優
れ、再汚染防止効果が高く、かつ皮膚に対する刺激性の
極めて低い、衣類、硬質表面、木質表面、皮革表面、毛
髪又は皮膚用に好適な洗浄剤組成物に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】種々の汚れに対する洗浄において、界面
活性剤の存在は不可欠であり、その界面張力低下能やぬ
れ性に基づいた洗浄力の良好な洗浄剤組成物は、非常に
数多く提案されている。しかしながら、本当の意味での
優れた洗浄性能を得るためには、前記の界面活性能によ
り、汚れを落すことだけではなく、硬水中で汚れを落し
易いこと、更に、落した汚れが洗液中に分散され、再び
表面に付着しないこと、即ち、優れた耐硬水性、分散性
により、再汚染を防止するということも考慮しなければ
ならない。従来の洗浄剤組成物は必ずしも充分な耐硬水
性、分散性、再汚染防止性が計られているものではな
く、本当の意味での良好な洗浄性能を有した洗浄剤組成
物ではなかった。また、洗浄剤の皮膚刺激性も重大な問
題点である。如何なる洗浄においても洗浄剤が皮膚に触
れる可能性は充分にあるため、洗浄剤の皮膚に対する刺
激性は極めて低いことが望まれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐硬水性、
分散性に優れ、かつ再汚染防止効果が高く、皮膚に対す
る刺激の極めて低い、衣類、硬質表面、木質表面、皮革
表面、皮膚又は毛髪の洗浄に有効な洗浄剤組成物を提供
することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式（１）で表わされるα−スルホ脂肪酸誘導体を含有
することを特徴とする洗浄剤組成物が提供され、

【化１】 ｛式中、Ｒ₁、Ｒ₂：炭素数６〜１８のアルキル基又はア
ルケニル基 Ｒ₃ ：水素、炭素数１〜６のアルキル基又はヒドロ
キシアルキル基 Ｍ₁、Ｍ₂：水素原子、アルカリ金属、一価に相当するア
ルカリ土類金属、置換もしくは非置換のアンモニウム基 Ｚ ：炭素数２〜６の直鎖状もしくは分岐鎖状のア
ルキレン基、又は置換基として水酸基を有する炭素数３
〜８の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基を
表わす。） 特に、衣類洗浄用に用いること、或いは、硬質表面用、
木質表面用、皮革表面用、皮膚又は毛髪用に用いること
をそれぞれ特徴とする前記洗浄剤組成物が提供される。

【０００５】即ち、本発明者らは、前記の課題を解決す
べく鋭意研究を重ねた結果、洗浄剤組成物に、前記一般
式（Ｉ）で表される特定のα−スルホ脂肪酸誘導体を含
有させることにより、前記目的を達成しうることを見い
出し、本発明を完成するに至った。

【０００６】以下、本発明を更に詳細に説明する。前記
一般式（１）におけるＲ₁、Ｒ₂は、炭素数６〜１８のア
ルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは炭素
数１０〜１６のアルキル基又はアルケニル基である。こ
のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分岐鎖状
でもよい。Ｒ₁、Ｒ₂の具体例としては、例えば、デシル
基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基等が
挙げられるが、これに限られるものではない。一般式
（１）におけるＲ₃は、水素又は炭素数１〜６のアルキ
ル基もしくはヒドロキシアルキル基であるが、より好ま
しくは水素、メチル基、エチル基、エタノール基であ
る。

【０００７】一般式（Ｉ）におけるＭ₁、Ｍ₂は、水素原
子、アルカリ金属、一価に相当するアルカリ土類金属、
又は置換もしくは非置換のアンモニウム基である。ここ
で一価に相当するアルカリ土類金属とは、たとえばＭ₁
とＭ₂が一つのアルカリ土類金属であって、塩を形成し
ている場合等を意味する。具体例には、アルカリ金属と
しては、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アルカリ土
類金属としては、マグネシウム、カルシウムが挙げら
れ、さらに置換もしくは非置換のアンモニウム基として
は、アンモニア由来のアンモニウム基の他に、低級アミ
ン（トリメチルアミン、トリエチルアミン等）、リジ
ン、モノ、ジ又はトリ低級アルカノールアミン（モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等）のアミンから形成された置換アンモニウム等
が挙げられるが、これに限られるものではない。

【０００８】また、一般式（１）におけるＺは炭素数２
〜６の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又は置
換基として水酸基を有する炭素数３〜８の直鎖状、分岐
鎖状もしくは環状のアルキレン基である。Ｚの具体例と
しては、例えば、以下のアミノアルコール残基が挙げら
れる。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イ
ソプロパノールアミン、エチルモノエタノールアミン、
ブチルモノエタノールアミン、Ｎ−メチルグルカミン、
グルカミン等。

【０００９】前記一般式（Ｉ）で表わされるα−スルホ
脂肪酸誘導体はたとえば下記表１に示す反応式に従った
方法で製造することができる。脂肪酸をスルホン化して
得たスルホン化物（２）を塩化チオニルで処理し、対応
する酸ハロゲン化物（３）を得、ついでこのものを所定
のアミノアルコールでアミド化してアミド化物（４）を
得、更にこのアミド化物（４）をα−スルホ脂肪酸でエ
ステル化し、必要に応じて中和する方法〔Ａ法〕あるい
は、脂肪酸もしくは脂肪酸アルキルエステルのスルホン
化物（５）、（６）を所定のアミノアルコールでアミド
エステル化する〔Ｂ法〕によって得られる。

【００１０】

【表１】 上記の方法で得られるアミドエステル化物は、アミド等
を含んだ混合物として得られるが、適宜な精製手段で目
的とするアミドエステルを分離することができる。

【００１１】本発明のα−スルホ脂肪酸誘導体は、洗浄
剤成分として使用されるが、この場合の洗浄剤中濃度
は、洗浄効果が得られる濃度であればいかなる濃度で配
合してもよいが、通常は好ましくは１〜５０重量％、よ
り好ましくは５〜４０重量％である。

【００１２】また、本発明の洗浄剤には、洗浄剤成分と
して種々の洗浄目的に従って通常用いられる成分を、本
発明の効果を損なわない範囲において任意に併用するこ
ともできる。例えば、ゼオライト、炭酸ナトリウム（カ
リウム）、珪酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリ
アクリル酸塩等のビルダー、（ポリ）グリセリン、ソル
ビトール等の保湿剤、（ポリ）エチレングリコール、
（ポリ）プロピレングリコール、メチルセルロース、ポ
リオキシエチレングリコールジステアレート、エタノー
ル等の粘度調整剤、メチルパラベン、ブチルパラベン等
の防腐剤、グリチルリチン酸カリウム、酢酸トコフェロ
ール等の抗炎症剤、その他、殺菌剤、パール化剤、酸化
防止剤、香料、色素、紫外線吸収剤等を必要に応じて配
合することができる。

【００１３】さらに本発明の洗浄剤には、他の界面活性
剤を併用することも可能である。このような界面活性剤
としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α
−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸モノ
（ジ）アルキル（アルケニル）エステル系界面活性剤、
アルキルリン酸エステル系界面活性剤、アミノ酸系界面
活性剤、タウレート系界面活性剤、高級脂肪酸塩等のア
ニオン性界面活性剤や、アルキルサッカライド系界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性
剤等の非イオン性界面活性剤等が好ましく用いられる。

【００１４】本発明の洗浄剤組成物は、耐硬水性、分散
性に優れ、洗浄時において高い再汚染防止効果を発揮す
るものである。該洗浄剤組成物は衣類を含む各種製品用
洗浄剤組成物として有効であり、また、本発明の組成物
は極めて低い皮膚刺激性を有するものであるので、特
に、人体の少なくとも一部に接触した態様において適用
される用途、すなわち、硬質表面用、木質表面用、皮革
表面用、皮膚用及び毛髪用の洗浄剤組成物として好まし
く適用される。この場合、硬質表面としては、食器、自
動車のボディー等の金属表面や、プラスティックス表
面、セラミックス表面等が挙げられる。木質表面として
は、家具や、柱の表面がある。皮革表面としては、ハン
ドバックやブーツ等の表面が挙げられる。従って、本発
明の洗浄剤組成物は、人体と接触する用途に用いる洗浄
剤、例えば、ボディシャンプー、シャンプー等の皮膚毛
髪用液体洗浄剤や、食器用液体洗浄剤、住居用の壁や床
用の液体洗浄剤などとして好適なものである。また、本
発明の洗浄剤組成物は、用途に応じて、固形状、粉体
状、ペースト状又は液体状にして用いることができる。

【００１５】

【実施例】以下に、実施例を挙げて更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

【００１６】実施例１、比較例１、２ 以下表２に示す各界面活性剤Ａ〜Ｅを含有する洗浄剤組
成物について、以下に示す方法で皮膚刺激性、分散性及
び耐硬水性を評価した。 （皮膚刺激性）５重量％の界面活性剤水溶液を試験液と
して、上腕部クローズドパッチテストを５日間、２０検
体について行った。評価方法は次の通りである。 ＜評価方法＞ ○：赤変、発疹等の発症例＝０件 △：発症例＝１ ×：発症例＝２以上 （分散性）０．０１重量％のカーボンブラックと０．１
重量％の界面活性剤を含む試料水溶液を５０ｍｌ調製
し、２５℃の恒温浴中で５時間振とうした。その後２４
時間静置し、分散状態を以下の方法に従って評価した。 ＜評価方法＞ ○：均一にカーボンブラックが分散し
ている。 ×：分離層が存在する。 （耐硬水性）０．５重量％の界面活性剤水溶液４０ｍｌ
を１００ｍｌのビーカーに入れ、１重量％の酢酸カルシ
ウム水溶液８．５ｍｌを滴下し、耐硬水性を以下の方法
に従って評価した。 ＜評価方法＞ ○：ビーカーの底に貼ったタイプ文字
が見える。 ×：ビーカーの底に貼ったタイプ文字が見えない。

【００１７】

【表４】 Ａ：モノエタノールアミンビスα−スルホパルミチン酸
アミドエステルＮａ塩 Ｂ：ジエタノールアミンビスα−スルホステアリン酸ア
ミドエステルＮａ塩 Ｃ：イソプロパノールアミンビスα−スルホミリスチン
酸アミドエステルＮａ塩 Ｄ：グルカミンビスα−スルホパルミチン酸アミドエス
テルＮａ塩 Ｅ：Ｎ−メチルグルカミンビスα−スルホミリスチン酸
アミドエステルＮａ塩 Ｆ：ドデシル硫酸エステルＮａ塩 Ｇ：ヤシ油脂肪酸石鹸Ｎａ塩

【００１８】実施例２ 〔衣類用洗浄剤（粒状洗剤）〕 （成分） （重量％） モノエタノールアミンビスα−スルホＣ₁₄〜₁₆脂肪酸アミドエステルＮａ塩 １５．０％ アルキルベンゼンスルホン酸Ｋ塩 １０．０％ アルコールエトキシレート ５．０％ ゼオライト ２０．０％ 炭酸カリウム ５．０％ 炭酸ナトリウム ２０．０％ 硫酸ナトリウム １８．５％ 酵素 ０．５％ 水分 ６．０％ 上記組成の衣類用粒状洗浄剤を製造した。この衣類用粒
状洗浄剤は再汚染防止能が優れており、良好な洗浄効果
が得られた。

【００１９】実施例３ 〔衣類用洗浄剤（粒状洗剤）〕 （成分） （重量％） ジエタノールアミンビスα−スルホＣ₁₆〜₁₈脂肪酸アミドエステルＮａ塩 １３．０％ α−スルホＣ₁₄〜₁₈脂肪酸メチルエステルＮａ塩 ７．０％ Ｃ₁₄〜₁₈α−オレフィンスルホン酸Ｋ塩 １３．０％ アルコールエトキシレート ４．０％ ゼオライト ２０．０％ 炭酸カリウム ６．０％ ケイ酸ナトリウム ８．０％ 炭酸ナトリウム ９．０％ 硫酸ナトリウム ２３．５％ 酵素 ０．５％ 水分 ６．０％ 上記組成の衣類用粒状洗浄剤を製造した。この衣類用粒
状洗浄剤は再汚染防止能が優れており、良好な洗浄効果
が得られた。

【００２０】実施例４ 〔台所用洗浄剤〕 （成分） （重量％） モノエタノールアミンビスα−スルホミリスチン酸アミドエステルＮａ塩 １３．０％ ポリオキシエチレン（ＥＯｐ＝３）アルキル硫酸エステルＮａ塩 ５．０％ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ３．０％ ドデシルジメチルアミンオキシド ２．５％ エタノール ４．０％ 黄色２０３号 微量 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成の台所用洗浄剤（ＰＨ７．０）を製造した。こ
の台所用洗浄剤は再汚染防止能が優れており、食器上の
汚れ残りもなく、良好な洗浄効果が得られた。また、こ
の台所用洗浄剤は使用後の手荒れを感じさせないもので
あった。

【００２１】実施例５ 〔台所用洗浄剤〕 （成分） （重量％） Ｎ−メチルグルカミンビスα−スルホミリスチン酸アミドエステルＮａ塩 １０．０％ ポリオキシエチレン（ＥＯｐ：３）アルキル硫酸エステルＮａ塩 ３．０％ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ５．０％ エタノール ４．０％ 黄色２０３号 微量 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成の台所用洗浄材（ｐＨ７．０）を製造した。こ
の台所用洗浄剤は再汚染防止能が優れており、食器上の
汚れ残りもなく、良好な洗浄効果が得られた。また、こ
の台所用洗浄剤は使用後の手荒れを感じさせないもので
あった。

【００２２】実施例６ 〔シャンプー〕 （成分） （重量％） ジエタノールアミンビスα−スルホミリスチン酸アミドエステルＮａ塩 １２．０％ ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ４．０％ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ３．０％ β−カロチン 微量 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成のシャンプー（ｐＨ６．５）を製造した。この
シャンプーは再汚染防止能が優れており、洗浄効果が高
い上、使用中にきしみ感がなく、洗い上りも良好であっ
た。

【００２３】実施例７ 〔シャンプー〕 （成分） （重量％） イソプロパノールアミンビスα−スルホミリスチン酸アミドエステルＮａ塩 ８．０％ ポリオキシエチレン（ＥＯｐ：３）アルキル硫酸エステルＮａ塩 ７．０％ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ４．０％ ドデシルアミンオキシド ２．５％ 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成のシャンプー（ｐＨ６．５）を製造した。この
シャンプーは再汚染防止能が優れており、洗浄効果が高
い上、使用中にきしみ感がなく、洗い上りも良好であっ
た。

【００２４】実施例８ 〔住居用洗浄剤〕 （成分） （重量％） モノエタノールアミンビスα−スルホパルミチン酸Ｎａ塩 ５．０％ ポリオキシエチレン（９）ドデシルエーテル ２．５％ 黄色２０３号 微量 香料 微量 イオン交換水 バランス 上記組成の住居用洗浄剤（ｐＨ７．０）を製造した。こ
の住居用洗浄剤は再汚染防止能が優れており、良好な洗
浄効果が得られた。また、この住居用洗浄剤は手に付着
した場合も手荒れを感じさせないものであった

【００２５】

【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、耐硬水性、分
散性に優れ、再汚染防止効果を有し、皮膚刺激性が極め
て低い。そして、本発明の洗浄剤組成物は、衣類用に或
いは人体の少なくとも一部に接触した状態で使用する用
途、例えば硬質表面用、木質表面用、皮革表面用、皮膚
用、毛髪用に好ましく適用される。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記一般式（１）で表わされるα−スル
   ホ脂肪酸誘導体を含有することを特徴とする洗浄剤組成
   物。 【化１】 ｛式中、Ｒ₁、Ｒ₂：炭素数６〜１８のアルキル基又はア
   ルケニル基 Ｒ₃ ：水素、炭素数１〜６のアルキル基又はヒドロ
   キシアルキル基 Ｍ₁、Ｍ₂：水素原子、アルカリ金属、一価に相当するア
   ルカリ土類金属、置換もしくは非置換のアンモニウム基 Ｚ ：炭素数２〜６の直鎖状もしくは分岐鎖状のア
   ルキレン基、又は置換基として水酸基を有する炭素数３
   〜８の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基を
   表わす。）
2. 【請求項２】 衣類洗浄用に用いることを特徴とする請
   求項１記載の洗浄剤組成物。
3. 【請求項３】 硬質表面用、木質表面用、皮革表面用、
   皮膚又は毛髪用に用いることを特徴とする請求項１記載
   の洗浄剤組成物。