JPH07112129A - 吸収物品 - Google Patents

吸収物品

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JPH07112129A
JPH07112129A JP5260868A JP26086893A JPH07112129A JP H07112129 A JPH07112129 A JP H07112129A JP 5260868 A JP5260868 A JP 5260868A JP 26086893 A JP26086893 A JP 26086893A JP H07112129 A JPH07112129 A JP H07112129A
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JP
Japan
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water
absorbent
polymer
absorbent article
polymerization
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JP5260868A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Harada
信幸 原田
Takumi Hatsuda
卓己 初田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】良好な吸収特性を有し、コンパクトで薄型であ
り、しかも吸水性重合体の移動がなく、吸水性重合体を
その吸収材中に大量に含有しても、柔軟でかつ経済性に
優れた、吸収物品を提供する。 【構成】 重合により得られた平均サイズ10〜100
0ミクロンの含水ゲル状架橋重合体粒子を、重合の後そ
の含水率を20重量%以下に乾燥処理することなく吸収
材として配置した吸収物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性重合体を具備す
る吸収物品に関する。更に詳しくは吸収量、吸収速度、
安全性に優れ、かつ極めてエネルギ−コスト面的に優れ
た、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の衛生・医療用
品、野菜や肉等の鮮度保持あるいはドリップ吸収シ−ト
等の農林業分野等、吸水ならびに保水が必要とされる分
野に好適に利用できる吸収物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生理用ナプキン或いは使い捨
ておむつ等の吸収物品の吸収材として吸水性重合体が幅
広く使用されている。吸水性重合体としては、例えば、
ポリアクリル酸(塩)架橋重合体、アクリル酸エステル
−酢酸ビニル共重合体のケン化物、架橋ポリビニルアル
コール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重
合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分
解物、澱粉−アクリル酸(塩)グラフト重合体等が知ら
れている。これらは通常粒子径1000〜10ミクロン
の乾燥粒子の形態で使用されている。したがって吸水性
重合体をこれら吸収物品に適用するには、多くの場合、
紙とのサンドイッチやパルプに混入して使用されるため
に特殊な散粒装置を必要としたり、散粒時の微粉の飛散
による作業環境の悪化が問題となることがあった。
【0003】吸水性重合体粒子を吸収材として使用した
吸収物品としては、種々の吸水性重合体粒子の適用が知
られている。例えば、特公昭57−56561号公報に
は、乾燥した吸水性重合体粒子を含有する吸収材が開示
されている。特開昭59−204956号公報では、1
0重量%迄の含水量を有する乾燥された吸水性重合体粒
子と粉砕パルプの圧縮混合物からなる吸収性構造物が開
示されている。特開昭57−73051号公報では、液
体ポリヒドロキシ化合物と乾燥吸水性重合体粒子よりな
る不動化された吸収材組成が開示されている。特開昭5
6−131683および特開昭58−131133号公
報では、乾燥吸水性重合体粒子を水で軟化後、基材に適
用し次いで乾燥することにより得られた吸収物品が開示
されている。特開平1−230671号公報では、乾燥
吸水性重合体粒子と水性液の混合物を具備してなる吸水
化物が開示されている。更に、特開平4−236203
号公報では、重合により得られたシ−ト状含水ゲルを含
有する吸収物品が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でに知られている吸収物品にはいくつかの問題点があっ
た。例えば、これら吸収物品の吸収材の主成分を構成す
る乾燥した吸水性重合体に着眼した場合、重合により吸
水性重合体に転換されうる単量体の水性液を重合し得ら
れる吸水性架橋重合体の含水物を、粉体として扱える含
水率範囲である20%以下にまで乾燥する工程、および
粉末粒子とするための粉砕或いは解砕工程が必須であ
り、その為には多大なエネルギ−を必要とし、得られる
吸水性重合体のコストがかさむばかりか、含水率を20
%以下にする乾燥工程において重合体の劣化が必然的に
生じて、重合体中の可溶成分量の増加が起こるという吸
収諸特性の面からも好ましくないことがあった。
【0005】一方、乾燥した吸水性重合体を含有する吸
収物品に着眼した場合には、乾燥吸水性重合体を目的と
する吸収物品中に挿入するには、作業環境上好ましくな
い乾燥状態の吸水性重合体粒子を取り扱う工程や装置が
必要であり、更に乾燥した吸水性重合体粒子を吸収材と
して吸収物品中に固定化するためには水で軟化・乾燥し
たり、圧縮したりといった工程が更に必要なために吸収
物品を得る工程、装置の煩雑さは依然として解決されて
いなかった。特開平4−236203号公報ではそれら
問題点を解決する方法として、特定重合条件下に得られ
るシ−ト状の含水ゲル状吸水性架橋重合体を直接吸収物
品中に挿入することを示唆しているが、シ−ト状の含水
ゲル状吸水性架橋重合体は、これまで知られている粉末
状の吸水性架橋重合体に比べて表面積が小さくそのため
に吸収速度が遅く、表面積を大きくするにはフィルム状
等への成形操作が必要であった。仮にフィルム成形した
としても吸水膨潤した吸水性重合体間の液体移動空間、
膨潤許容空間の欠如から、得られる吸収物品の吸収量や
吸収速度は不十分であり、柔軟性の点からも満足できる
ものではなかった。従って、良好な吸収特性を有し、コ
ンパクトで薄型であり、しかも吸水性重合体の移動がな
く、吸水性重合体をその吸収材中に大量に含有しても、
柔軟でかつ経済性に優れた、吸収物品が市場において求
められているのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定平
均サイズを有する含水架橋重合体粒子を直接配置した吸
収物品が極めて、吸収諸特性面および経済面から、従来
のものより優れることを見出し本発明に到達した。すな
わち本発明は、少なくとも1つの吸収材として吸水性重
合体を含む吸収物品において、吸水性重合体が、水溶性
エチレン性不飽和単量体の重合により得られた平均サイ
ズ10〜1000ミクロンの含水ゲル状架橋重合体粒子
を、重合の後その含水率を20重量%以下に乾燥処理す
ることなく直接配置したものであることを特徴とする吸
収物品を提供するものである。さらに本発明は、少なく
とも1つの吸収材として吸水性重合体層を含む吸収物品
において、吸水性重合体が、水溶性エチレン性不飽和単
量体の重合により得られた平均サイズ10〜1000ミ
クロンの含水ゲル状架橋重合体粒子を、重合の後その含
水率を20重量%以下に乾燥処理することなく凝集成形
し、直接配置したものであることを特徴とする吸収物品
をも提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。
【0008】本発明の吸収物品の吸収材を構成する吸水
性重合体は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合して
得られる含水ゲル状架橋重合体粒子より構成される。本
発明における粒子とは、重合によって得られる含水ゲル
状架橋重合体がそれぞれ独立した単位の形状で存在して
いることを意味する。好ましい形状は不規則形状または
球状である。本発明における含水ゲル状架橋重合体粒子
は、特定範囲の平均サイズを有していることが必要であ
り、その範囲は10〜1000ミクロンの範囲である。
粒子の大きさがこの範囲よりも大きい場合には得られる
吸収物品の柔軟性および吸収速度が低下する。逆に粒子
の大きさがこの範囲よりも小さい場合には得られる吸収
物品の吸収量および吸収速度が低下するので好ましくな
い。好ましい平均サイズは100〜800ミクロンの範
囲である。
【0009】さらに、元来粒子の状態で存在していた含
水ゲル状架橋重合体粒子をその含水率を20重量%以下
に乾燥処理することなく凝集成形して得られる凝集成形
体は、元来粒子が有していた吸収特性を失うことなく、
含水ゲル状架橋重合体粒子をより扱いやすい成形体とし
て扱えるので、本発明ではより好ましい吸収物品を提供
できる。
【0010】本発明の吸収物品は、重合により得られる
含水ゲル状架橋重合体粒子を、重合の後その含水率を2
0重量%以下に乾燥処理することなく、吸収材を構成す
る吸水性架橋重合体として直接配置したことを特徴とす
る。すなわち本発明の吸収物品は、吸水性重合体を合成
するのに従来必須の工程と考えられていた乾燥工程、お
よび乾燥後の粉砕あるいは解砕工程を経ずに重合工程で
得られた粒子状の含水ゲル状架橋重合体を、粉末化する
ための意図的な乾燥工程や乾燥物の粉砕工程を経ずに、
直接、吸収材の構成材料として適用した吸収物品を提供
するものである。
【0011】本発明において、含水ゲル状とは、架橋さ
れた親水性重合体が水性液を吸収して膨潤した状態をい
う。通常、吸水性重合体は、水を含んだ状態である含水
ゲル状重合体の総重量に対する含水率が、約20〜30
重量%近傍より高い領域でゲル状を呈するようになる。
含水率が20重量%以下の場合、吸水性重合体は脆いか
あるいは堅くなるために、吸収物品中の吸収材として使
用するにはその強度、柔軟度を補強する必要を生じる。
また、含水率を20重量%以下にまで乾燥処理すること
で、吸水性重合体中の可溶成分量が増加する場合があ
る。さらにこの場合、含水率20重量%までの乾燥に比
べて多くのエネルギ−及び時間を要する。従って本発明
における、重合により得られる含水ゲル状架橋重合体粒
子は重合ののちその含水率を20重量%以下に乾燥処理
することなく吸収物品中に配置される必要がある。好ま
しい含水率は30〜70重量%の範囲である。
【0012】本発明の含水ゲル状架橋重合体粒子は、吸
収物品中に直接配置される前に活性エネルギ−線照射さ
れることで、含水ゲル状架橋重合体中の重合率を飛躍的
に向上することができると共に含水ゲル状架橋重合体中
の可溶成分量を低減できるので、安全性の面からもより
好ましい吸収物品を提供できる。
【0013】更に、本発明の含水ゲル状架橋重合体粒子
は、凝集成形したのち活性エネルギー照射されること
で、前記粒子状態で照射した場合の効果に加え、柔軟か
つ吸液前後の形態保持性に優れた吸水性重合体を吸収物
品中に設けることができる。すなわち、凝集成形のち活
性エネルギー線照射された成形体は、吸液膨潤する際
に、吸液前の形状に対し、略相似形に膨張する性質を付
与できることになる。これにより吸収物品中における吸
収材を構成する吸水性重合体を液吸収後も所望の位置に
固定化することができる。従ってこれまでにない高濃度
で吸収材中に吸水性重合体を設けた吸収物品をも提供で
きるのである。
【0014】本発明で使用できる水溶性エチレン性不飽
和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無
水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、
2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、スチレンスルホン酸、等のアニオン性不飽
和単量体やその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)
アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリ
レ−ト、等のノニオン性親水性基含有不飽和単量体;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−
ト、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド、等のアミノ基含有不飽和単量体やそれらの4級
化物等を具体的に挙げることができる。また、得られる
含水ゲル状架橋重合体の親水性を極度に阻害しない程度
の量で、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル
(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト等
のアクリル酸エステル類や酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等の疎水性単量体を使用してもよい。水溶性エチレ
ン性不飽和単量体成分としてはこれらのうちから1種ま
たは2種以上を選択して使用することができるが、重合
により得られる吸水性架橋重合体の吸水諸特性を考える
と、(メタ)アクリル酸(塩)、2−(メタ)アクリロ
イルエタンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、(メタ)
アクリルアミド、メトキシポリエチレングリコ−ル(メ
タ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレ−トまたはその4級化物から選択される1
種以上のものが好ましく、更にアクリル酸又はアクリル
酸塩を主成分とするものが好ましい。より好適にはアク
リル酸の30〜90モル%が塩基性物質で中和されてな
る単量体である。
【0015】本発明の含水ゲル状架橋重合体は、得られ
る吸水性架橋重合体の諸特性が所望の基準に達するもの
であれば、すなわち得られる含水ゲル状架橋重合体が粒
子として扱うことができるのであれば、架橋剤を使用せ
ずに得られる自己架橋型のものでも、架橋剤を使用して
得られるものであってもよい。重合により得られる含水
ゲル状架橋重合体が架橋構造を有していない場合、粒子
として本発明の吸収物品への適用が困難となり本発明の
意図するところではない。架橋剤を使用する場合、通常
その使用量は単量体成分に対し0.001〜5モル%、
好ましくは0.01〜1モル%の範囲である。
【0016】本発明で使用できる架橋剤としては、例え
ば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
(ポリ)エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
グリセリントリ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ル
プロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリアリルアミ
ン、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソシアヌレ
−ト、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリト−ル
テトラアクリレ−ト等の少なくとも2個の不飽和基を有
する化合物;グリシジル(メタ)アクリレ−ト、N−メ
チロ−ル(メタ)アクリルアミド、等の少なくとも1個
の重合性不飽和基を有し、かつ単量体の官能基と反応し
うる基を少なくとも1個有する化合物;多価アルコ−
ル、ジエタノ−ルアミン、エピクロルヒドリン、エチレ
ンジアミン、ポリエチレンイミン、硫酸アルミニウム、
等単量体の官能基と反応しうる基を少なくとも2個有す
る化合物、等を具体的に挙げることができ、これらのう
ち反応性を考慮して1種または2種以上を用いることが
できる。
【0017】また含水ゲル状架橋重合体粒子を得るにあ
たっては、必要によりデンプン、セルロ−ス、ポリビニ
ルアルコ−ル、ポリオキシエチレン、等の親水性高分子
の存在下で上記単量体成分を重合させることができる。
これら親水性高分子の量は、水溶性エチレン性不飽和単
量体の重量に対し通常0〜20%、好ましくは0〜10
%の範囲である。
【0018】本発明において、前記水溶性エチレン性不
飽和単量体は、前記理由から重合により得られる含水ゲ
ル状架橋重合体の含水率が20重量%よりも大きくなる
ように、具体的にはその単量体の固形分濃度が80重量
%未満の水性液の状態で重合する。好ましい重合濃度は
30〜50重量%の範囲である。また重合開始の方法と
しては、ラジカル重合触媒を用いる方法、放射線、紫外
線、電子線等を照射する方法等を挙げることができる。
ラジカル重合触媒を用いる方法が簡便で好ましい。用い
られるラジカル重合触媒としては、過酸化物、過硫酸
塩、ハイドロパ−オキサイド、アゾ化合物等が例示でき
る。中でも過酸化水素、過硫酸塩、水溶性アゾ化合物等
の水溶性のラジカル重合開始剤を使用する方法が好まし
い。これらの重合開始剤は、2種以上を混合して使用す
ることも可能であり、更には亜硫酸塩、アスコルビン酸
等を加えてレドックス重合開始剤として使用することも
可能である。ラジカル重合触媒の添加量は既知の量が使
用されるが、通常モノマ−成分に対し0.00001〜
5モル%の範囲である。
【0019】本発明における含水ゲル状架橋重合体を得
るための重合方法は特に制限されず、従来公知の方法を
採用できる。従って、本発明では例えば水溶液重合法、
逆相懸濁重合法等の方法を採用できる。より具体的に
は、特開昭55−133413号公報、特開昭57−3
4101号公報、特開昭60−55002号公報、特開
昭59−38962号公報、特開昭57−34101号
公報、特開昭56−131608号公報、特開昭53−
46389号公報、特開昭57−158209号公報等
に記載の、型枠の中で水溶液重合する方法、重合により
生成する含水ゲル状重合体を細分化しながら水溶液重合
する方法、単量体水溶液を分散剤存在下疎水性有機溶媒
に懸濁させ重合する方法などの重合方法を例示できる。
好ましい重合方法は剪断力により含水ゲル状架橋重合体
を細分化しながら重合する方法である。また重合方法は
バッチ式、連続式いずれの方法も採用可能である。
【0020】水溶液重合法により得られる含水ゲル状架
橋重合体は、塊状の場合があり、本発明に適合した粒子
サイズにするために、重合ののちに細粒子化する工程が
必要な場合がある。重合により得られた含水ゲル状架橋
重合体を所望の平均サイズ粒子にする方法は、従来公知
の方法を採用できる。例えば含水ゲル状架橋重合体に剪
断力を加え、粒子状に成形する方法を挙げることができ
る。具体的には、特開平5−11265号公報、特開平
5−70597号公報等に開示されている、剪断力を利
用したゲル粒子径制御方法を採用できる。含水ゲル状架
橋重合体に剪断力を加え、粒子状に成形するための具体
的な装置としては、ミートチョッパー等のスクリュー型
押し出し機類、加圧ニーダー、インターナルミキサー、
バンバリーミキサー等のニーダー類を例示できる。
【0021】重合により得られた含水ゲル状架橋重合体
粒子は、重合の後、その含水率を20重量%以上に保て
る範囲で水分調整してもよい。この場合、水分量はでき
るだけ均一となるように調節することが好ましい。従っ
て好ましい含水量調節の方法は、マイクロ波乾燥、高い
露点を有する比較的低温の熱風を使用した熱風乾燥等を
例示できる。この場合、含水ゲル状架橋重合体粒子同志
を、物理的に接触させ所望の形状に成形し剪断力等の外
力を実質的に加えることなく、前記方法により含水量調
整することで、含水ゲル状架橋重合体粒子をその粒子特
性を失うことなく種々の形状に凝集成形することもでき
る。
【0022】本発明における凝集成形とは、多数の、元
来は独立した粒子状の含水ゲル状架橋重合体を物理的に
接触させ、凝集体を形成した状態をさすものである。す
なわち、例えば接着剤や繊維状の基材のような第3物質
を介して凝集状態になっているのではなく、含水ゲル状
架橋重合体粒子同士が直接接触することによって連続的
な凝集体を形成している状態である。そして本発明にお
ける凝集成形体は、特定の平均粒子サイズを有する含水
ゲル状架橋重合体から形成されているので、粒子間に液
体が通過できる連続した孔を有しており、一体成形され
たシート状含水ゲル状架橋重合体とは区別されるもので
ある。
【0023】本発明の含水ゲル状架橋重合体粒子を凝集
成形する方法は特に限定されない。例えば、エンボス、
押し出し、圧延などの通常の方法が挙げられる。また含
水ゲル状重合体を所望の形状の容器、型枠、袋等に充填
する方法でもよい。重合により得られたフレッシュな含
水ゲル状重合体は、通常、重合熱により40〜90℃程
度の温度を有しており、このものを積み重ねた状態で放
冷することでも凝集体が得られる。凝集成型の形状につ
いては、得られる吸収物品の使用目的に応じて任意に選
択できる。例えば、シート状、テープ状、マット状、棒
状、紐状、板状、柱状、球状、不定形等、用途、目的に
応じて適宜選択することができる。また大きさ、長さ、
幅についても特に制限はない。また、一旦凝集成形した
後、任意の形状に裁断して使用することもできる。
【0024】凝集成形体が、本発明のより好ましい形状
であるシート状あるいはマット状のものである場合に
は、例えば、支持体として、含水ゲル状架橋重合体との
接着性の小さいものを選び、一定方向へ移送される支持
体上に含水ゲル状架橋重合体粒子を散布し、これを均し
ながら広げ、粒子同志が密着した状態で、該支持体上の
含水ゲル状架橋重合体粒子を熱風、蒸気、ヒーター等で
加熱乾燥する方法、同様の支持体上の含水ゲル状重合体
を、親水性有機溶媒中に浸漬して脱水する方法、同様の
支持体上の含水ゲル状架橋重合体に高周波電界を与え、
誘電加熱乾燥する方法等によって目的とする凝集成形体
とすることができる。この際、支持体と含水ゲル状架橋
重合体の接着性が大きいと、含水ゲル状架橋重合体が水
分を失って収縮する際に、面状態の含水ゲル状重合体に
歪みが生じ、含水ゲル状重合体同士の凝集が不十分とな
り、得られる吸水性材料の強度が小さくなる場合があ
る。含水ゲル状架橋重合体との接着性が小さい支持体と
しては、例えば、表面がフッ素樹脂等の非粘着性材料で
覆われた支持体が挙げられる。
【0025】本発明におけるより好ましい凝集成形体の
具体的大きさとしては、少なくとも一部が連続する凝集
面を有しているシート状であって、好ましくは片面(表
面あるいは裏面)が、5cm2 以上、より好ましくは1
0cm2 以上、さらに好ましくは15cm2 以上の面積
を有するものである。この場合、例えば凝集面は、任意
の形状の貫通孔を1個あるいは複数個有している面でも
よい。またウエーブがかかっていたり、ヒダ状であって
もよい。さらに、短冊状、ひも状、ストリップ状であっ
てもよい。
【0026】本発明においてより好ましくは、含水ゲル
状架橋重合体粒子は、厚みを、約0.3〜20mmに規
制して面状に成型される。該厚みが、約0.3mm未満
では、得られる吸水性材料の強度が小さくなり取扱い性
が悪くなる。一方、厚みが20mmを越えると、得られ
る吸水性重合体が厚くなり、本発明の目的のコンパクト
で薄型の吸収物品を提供するための吸水性重合体として
好ましくないことがある。
【0027】このようにして得られる、含水ゲル状架橋
重合体粒子からなる凝集成形体は、含水ゲル状であるた
めにそれ自体可撓性を有しているものであるが、その可
撓性を更に増すために可塑剤を添加しておくことができ
る。好適な可塑剤としては、例えばグリセリン、エチレ
ングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリビニルア
ルコ−ル等の多価アルコ−ル類を例示できる。可塑剤は
溶液状態で、例えば含水ゲル状架橋重合体粒子に対し、
凝集成形工程の前後において、噴霧、被覆、浸漬等種々
の方法で添加できる。可塑剤の使用量は吸水性架橋重合
体100重量部に対し、0.01〜100重量部の範囲
で使用されることが好ましい。
【0028】吸収特性を改善する目的で種々の界面活性
剤や無機あるいは有機の微粒子を含水ゲル状架橋重合体
粒子に添加しておくこともできる。これらの助剤成分
は、得られる吸収物品の吸水速度を高める作用をする場
合や、含水ゲル状重合体の成型を容易にする作用をする
場合がある。例えば、界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアシルエステル、オキシエチレンオキシプロ
ピレンブロック共重合体、ショ糖脂肪酸エステル等を挙
げることができる。水不溶性無機微粒子としては、雲
母、パイロフィライト、カオリナイト、ハルサイト、お
よび他の類似した粘土鉱物および主に50μm以下の平
均粒子径を有する二酸化ケイ素粒子から成るアエロジル
200(日本アエロジル株式会社製)およびカープレッ
クス#80(シオノギ株式会社製)のような微粒子状の
シリカ等を挙げることができる。水不溶性有機微粒子と
しては、カーボンブラック、活性炭およびパルプ粉等を
挙げることができる。なかでも微粒子状シリカが吸水速
度を高める作用が大きく好ましい。これらの助剤成分の
使用量は、含水ゲル状架橋重合体粒子100重量部に対
し、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部
添加される。
【0029】本発明において、含水ゲル状架橋重合体粒
子に照射される活性エネルギー線は、紫外線、電子線、
放射線等の高いエネルギーをもつものである。中でも高
い浸透性を有するものが好ましく、電子線、ガンマー線
が好ましい。本発明において、含水ゲル状架橋重合体粒
子に照射される活性エネルギー線の吸収線量は、含水ゲ
ル状架橋重合体の含水率、重合体の種類、あるいは照射
雰囲気によっても異なるが、一般に、1〜1000kG
yの範囲、好ましくは10〜500kGyの範囲であ
る。1000kGyを越える吸収線量では、得られる吸
収物品の吸収量が小さくなり過ぎることがあり、1kG
y未満の吸収線量では、得られる吸収物品の吸収速度や
吸水性重合体の吸液後の形態保持性に改良がみられない
ことがある。 本発明の吸収物品は、前述の含水ゲル状
架橋重合体を粒子の形態あるいは凝集成形体の形態で、
吸収材の少なくとも一部を構成する吸水性重合体として
重合ののち、直接配置されたものであるが、この場合吸
収材として公知の他の吸収材と組み合わせて配置しても
よい。他の吸収材としては、例えば、木材パルプ、綿、
羊毛、レーヨン、ビニロン、アセテート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、等の天然あるいは半合成、合成繊
維;これら繊維を使用したウエブ、織布、不織布;クレ
ープ紙、ティッシュ等を例示できる。組み合わせる方法
としては、従来より粉末状の吸水性重合体粒子との組み
合わせで知られている方法、すなわち混合、挟着等の方
法を採用できる。
【0030】上記方法あるいは構成で得られた吸収材
は、少なくとも一方が液透過性のシートで覆われて、本
発明の吸収物品とされる。液透過性のシートとしては、
例えば細孔を形成させた合成樹脂フィルムや不織布、紙
等を用いればよく、そのほか天然繊維もしくは合成樹脂
よりなる編物、織物、ネット等を用いてもよい。液不透
過性シートの例としては、ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロン
フィルム等が挙げられ、不織布の素材としては、レーヨ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が
挙げられる。
【0031】吸収物品の作成例としては、吸収材を液透
過性のシートと液透過性のシート、あるいは液透過性の
シートと液不透過性のシートで挟持して、その周縁を接
着剤で接着するか、各素材を選んでヒートシールや超音
波接着等公知の方法で接着すればよい。
【0032】このようにして得られる本発明の吸収物品
は、従来の粉末状吸水性重合体を含有する吸収物品に比
べ薄くコンパクトであるにもかかわらず、従来と同等以
上の吸収性能を示すものである。
【0033】本発明の吸収物品は、吸水性架橋重合体が
含水ゲル状で重合ののち直接配置されているため、良好
なる吸水性(吸水速度および吸水量)を有し、吸水性重
合体を吸収物品中の所望の位置に固定化できるものであ
り、ゲルブロッキングを防止するために、従来の吸水性
重合体粒子を使った吸水性物品のように、繊維状マトリ
ックス中に比較的低い濃度で組み込む必要がなく、吸収
物品中に比較的高い濃度で含水ゲル状架橋重合体粒子を
組み込むことができる。本発明の吸収物品は、吸収物品
中の吸収材の全重量に対し、約40〜100重量%の吸
水性重合体を配置した吸水性物品をつくることが可能に
なる。好ましい吸収材中の吸水性重合体の使用量は約5
0〜100重量%、より好ましくは約60〜100重量
%の吸水性重合体含有量である。このように高い重合体
濃度の吸収物品を作成しても、本発明の吸収物品は、吸
収物品の製造工程、包装工程および輸送工程で、吸収物
品内において吸水性重合体の移動および吸水性重合体の
こぼれがない。また、粉塵がたつこともない。
【0034】得られる本発明の吸収物品は、尿、経血の
ような体液をはじめ、肉、魚あるいは果物、野菜等食品
の汁等の多くの流体を吸収するのに好適であり、おむ
つ、失禁用品、ベッドパッドのような製品、生理用ナプ
キン、タンポンのような生理用品およびタオル、包帯、
食品用鮮度保持シートのような製品に適用可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の吸収物品は、柔軟性が大きく、
良好なる吸水性(吸水速度および吸水量)を有し、吸液
前および吸液後の吸水性重合体の固定に優れ、吸水性重
合体の残存単量体および可溶成分が少ない。従って、吸
水ないし吸湿を目的とする種々の用途に用いることがで
きる。例えば、衛生材料、結露吸水シート、農業用保水
シート、土木用止水剤、メディカルシーツ、食品用鮮度
保持剤、食品用ドリップ吸収材、雑貨用吸水剤等の用途
が挙げられる。また、吸収物品の製造時、およびこれら
の用途に用いる際に、粉塵が発生することがなく、環境
を汚染することがない。従来の吸収物品と同等以上の吸
収特性を有しながら、薄くコンパクトである。また柔軟
性が高く使用対象によくフィットし、使い勝手がよいと
いった特徴を有している。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の吸収物品の構
造および製法を更に具体的に説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。尚実施例および比較例中の
部および%は重量部である。
【0037】尚、本発明における含水ゲル状架橋重合体
粒子の平均サイズ、含水率、および吸収物品の吸収量、
吸収速度、柔軟度は以下の方法で測定した。
【0038】[1]:含水ゲル状架橋重合体粒子の平均
サイズ サンプリングした含水ゲル状架橋重合体粒子(固形分α
重量%)25gを、20重量%塩化ナトリウム水溶液1
200g中に投入し、スタ−ラ−チップを300rpm
で回転させ、60分間撹拌した。撹拌終了後、フルイ
(目開き2000ミクロン、850ミクロン、60ミク
ロン、30ミクロン、150ミクロン、75ミクロン、
および45ミクロン)に上記分散液を投入し、さらにフ
ルイの上から6000gの20重量%塩化ナトリウム水
溶液をゆっくり注ぎ、含水ゲル状架橋重合体粒子を分級
した。分級されたそれぞれのフルイ上の含水ゲル状架橋
重合体粒子を充分に水切り後、その重量を秤量した。フ
ルイの目開きは、下記の数式1に従い含水ゲル状架橋重
合体粒子の固形分α重量%相当のフルイの目開きR
(α)に換算した。対数確率紙に固形分α重量%相当の
含水ゲル状架橋重合体粒子の粒度分布をプロットした。
得られたグラフよりフルイ上の割合が50重量%になる
ようなフルイの目開きを読取り、これをサンプルの平均
サイズとした。
【0039】
【数1】
【0040】R(α):固形分α重量%の含水ゲル状架
橋重合体粒子に換算した時のフルイの目開き (ミクロ
ン) w:分級、水切り後の含水ゲル状重合体の総重量
(g) γ:20%塩化ナトリウム水溶液中で膨潤した含水ゲル
状架橋重合体粒子を分級したフルイの目開き (ミクロ
ン) [2]:含水ゲル状架橋重合体粒子の含水率 サンプリングした含水ゲル状架橋重合体5gをシャーレ
に広げ、180℃で120分間乾燥させた。下記の数式
2に従い含水ゲル状架橋重合体粒子の含水率を求めた。
【0041】
【数2】
【0042】 B1:含水ゲル状架橋重合体の乾燥後の重量 (g) (実施例1)内容積75リットル、油圧式加圧カバー、
2本のZ型羽根、ジャケットおよび温度計を備えたステ
ンレス製の機械加圧ニーダー(栗本鐡工所製)に、アク
リル酸ナトリウム70モル%とアクリル酸30モル%と
からなる単量体の水溶液30kg(単量体濃度34重量
%)と、架橋剤としてのN,N´−メチレンビスアクリ
ルアミド12.6g(対単量体0.1モル%)とを投入
し、窒素ガスを吹き込み反応系内を窒素置換した。ジャ
ケットに30℃の温水を通じて加温し、Z型羽根を40
rpmで回転撹拌させながら、重合開始剤として過硫酸
ナトリウム14gとL−アスコルビン酸0.6gを添加
した。重合開始剤を添加して1分後に重合が開始し、1
2分後に82℃の重合ピーク温度に到達し、粒子状の含
水ゲル状重合体が得られた。ジャケットの温水温度を7
0℃に上げ、油圧装置を稼働させて加圧カバーを含水ゲ
ル状重合体の上に降ろした。約0.4kg/cm2 の面
圧が含水ゲル状重合体にかかるように油圧を調整し、該
荷重下に20分間Z型羽根による回転撹拌を続けた。反
応終了後、含水ゲル状架橋重合体粒子(1)を得た。得
られた含水ゲル状架橋重合体粒子(1)の平均サイズは
460ミクロンであり、含水率は65重量%であった。
ついで、平らなポリテトラフルオロエチレンの板上に、
含水ゲル状架橋重合体粒子(1)25gを押し広げ、厚
み約4mm、大きさ100×100mmに凝集成型し
た。このものを、家庭用電子レンジに入れ、5分間部分
乾燥処理を行い、含水ゲル状架橋重合体粒子が凝集した
シート状の吸水性重合体(1A)を得た。吸水性重合体
(1A)を、ポリエチレン袋中に密閉し、ガンマー線照
射装置を用い、25kGyの吸収線量で処理した。得ら
れたガンマー線照射後の吸水性重合体(1B)の含水率
は34重量%であり、手で引っ張っても一体のシート状
物として取り扱うことができるものであった。さらに柔
軟性が大きく、重合体の脱落もなかった。このものの可
溶成分量は0.6%と少なく、未重合モノマー量は30
ppm(対吸水性重合体)と少なかった。市販の使い捨
ておむつピンポンパンツLサイズ(株式会社 資生堂
製)のポリエチレンフィルムからなる防水材シートの中
央を縦方向に切断し、粉末状の吸水性重合体、綿状パル
プおよび吸水紙からなる吸収材を取り除いた。このよう
にして得られた使い捨ておむつのシャシーに、シート状
の吸水性重合体(1B)を組み込み、防水材シートの切
れ目を粘着テープで塞ぎ本発明の吸収物品(1)とし
た。得られた本発明の吸収物品(1)は、薄く、しなや
かで良好な感触であった。得られた吸収物品(1)を、
体重10kgの幼児をもとにした、排尿管を備えたベビ
ーモデルに装着し、生理食塩水を60ml/10sec
の速度で排出させた。30分毎に同様の排尿操作を行
い、生理食塩水が吸収物品(1)から漏れ出るまでに吸
収された生理食塩水を測定したところ、本発明の吸収物
品(1)は320mlの生理食塩水を吸収した。また吸
収材として挿入されたシート状の吸水性重合体(1B)
は、生理食塩水を吸収して元の形状と相似形に膨張して
おり、液吸収後もシート状態を維持していた。
【0043】(比較例1)実施例1で得られた含水ゲル
状架橋重合体粒子(1)を、その含水率が5重量%にな
るまで150℃の熱風乾燥機中で乾燥した。ついでこの
ものを粉砕し、20メッシュの篩を通過せしめて粉末状
の乾燥吸水性重合体を得た(可溶成分量6%、未重合モ
ノマー量400ppm)。この乾燥吸水性重合体粒子1
7gを実施例1と同様におむつ中に挿入し、比較吸収物
品(1)を得た。このものを実施例と同様にベビーモデ
ルに装着し、生理食塩水の吸収量を測定したところ、比
較吸収物品(1)は200mlの生理食塩水しか吸収せ
ずに漏れを生じた。
【0044】(実施例2)アクリル酸25モル%とアク
リル酸ナトリウム75モル%とからなる単量体の水溶液
472g(単量体濃度30重量%)に、架橋剤としての
ポリエチレングリコールジアクリレート(ポリエチレン
グリコール部分の平均重合度8)0.39g(対単量体
0.2モル%)、および重合開始剤としての過硫酸ナト
リウム0.19gを添加し、室温にて撹拌、溶解させ
た。あらかじめ系内を窒素置換した還流冷却器付き20
00mlフラスコにシクロヘキサン1000mlとソル
ビタンモノステアレート4gを仕込み、220rpmで
撹拌しながら40〜45℃で界面活性剤を溶解させた。
次いで前述の、重合開始剤を含む単量体水溶液を滴下
し、懸濁させた。浴温を昇温し、55℃に保持したとこ
ろ重合が開始し、10分後に72℃の重合ピーク温度に
到達した。浴温を昇温し、内温を70℃に保持して10
0分間反応を行った。得られた重合物の懸濁液を濾別
し、ゲル状架橋重合体粒子(2)を得た。得られた含水
ゲル状架橋重合体粒子(2)の平均サイズは120μm
であり、含水率は70重量%であった。また可溶成分量
は2%であり、未重合モノマー残量は300ppmであ
った。含水ゲル状架橋重合体粒子(2)100部を粉砕
パルプ70部とニーダー中で混合し、混合物20gを、
サイズ幅10cm、長さ20cmのポリエチレンフィル
ムとポリプロピレン不織布で挟み、周囲をヒートシール
して本発明の吸収物品(2)を得た。このものはペット
用シートとして有用であった。
【0045】(実施例3)実施例2で得られた含水ゲル
状架橋重合体粒子(2)風乾し、含水率を55重量%と
したのち、ガンマー線照射装置を用い、100kGyの
吸収線量で処理した。得られた吸水性重合体(2)の可
溶成分量は0.3%、未重合モノマー残量は60ppm
であった。吸水性重合体(2)をティッシュペーパーで
挟着一体化し、さらにポリエチレン不織布からなる袋中
に封入して、本発明の吸収物品(3)を得た。このもの
を肉のドリップ吸収材として使用したところ、良好なド
リップ吸収能を示した。
【0046】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/14 LTB 7242−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの吸収材として吸水性重
    合体を含む吸収物品において、吸水性重合体が、水溶性
    エチレン性不飽和単量体の重合により得られた平均サイ
    ズ10〜1000ミクロンの含水ゲル状架橋重合体粒子
    を、重合の後その含水率を20重量%以下に乾燥処理す
    ることなく直接配置したものであることを特徴とする吸
    収物品。
  2. 【請求項2】 含水ゲル状架橋重合体粒子がアクリル酸
    又はアクリル酸塩を主成分とする水溶性エチレン性不飽
    和単量体の水性液を重合して得られたものである請求項
    1記載の吸収物品。
  3. 【請求項3】 含水ゲル状架橋重合体粒子が、重合後、
    活性エネルギ−線照射されたものである請求項1または
    2記載の吸収物品。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの吸収材として吸水性重
    合体を含む吸収物品において、吸水性重合体が、水溶性
    エチレン性不飽和単量体の重合により得られた平均サイ
    ズ10〜1000ミクロンの含水ゲル状架橋重合体粒子
    を、重合の後その含水率を20重量%以下に乾燥処理す
    ることなく凝集成形し、直接配置したものであることを
    特徴とする吸収物品。
  5. 【請求項5】 吸水性重合体が、含水ゲル状架橋重合体
    粒子を、凝集成形したのち、更に活性エネルギ−線照射
    し、直接配置したものである請求項4記載の吸収物品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997016492A1 (fr) * 1995-11-02 1997-05-09 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resine absorbant l'eau, matiere absorbante et procede de production

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US6001911A (en) * 1995-11-02 1999-12-14 Nippon Shikubai Co., Ltd. Absorbent resin, absorbent material and method of manufacturing the same

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