JPH07112029A - 医療用バルーン - Google Patents

医療用バルーン

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JPH07112029A
JPH07112029A JP5259800A JP25980093A JPH07112029A JP H07112029 A JPH07112029 A JP H07112029A JP 5259800 A JP5259800 A JP 5259800A JP 25980093 A JP25980093 A JP 25980093A JP H07112029 A JPH07112029 A JP H07112029A
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JP5259800A
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Hisanobu Ishida
壽延 石田
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Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 バルーン4は、血管内の狭窄部を拡張するた
めのバルーンカテーテルのバルーンであり、内層41と
外層42とからなり、内層41は架橋ポリオレフィンよ
り、外層42は未架橋ポリオレフィンより構成されてい
る。このバルーン4は、内層41と外層42をチューブ
状に成形し、このチューブを延伸ブロー成形することに
より形成されている。 【効果】 ポリオレフィン製のため柔軟で、カテーテル
シャフトに良好に折り畳まれる。また、延伸ブロー成形
により外層42が延伸され、厚さが薄くても強度の高い
バルーンとなる。さらに内層41が架橋ポリオレフィン
製のため、成形の途中で破裂することがなく、バルーン
を良好に成形できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、血管(脈管)
等の狭窄部を拡張する脈管形成法に使用される医療用バ
ルーンおよびそれを備えたバルーンカテーテルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、代表的な脈管形成法として、
動脈硬化等により狭窄した血管(脈管)の治療のため
に、先端部にバルーンを有するカテーテルを狭窄部に挿
入し、バルーンにより狭窄部を拡張し、末梢側の血流を
改善する経皮的経管式動脈形成術(PTCA)が行われ
ている。
【0003】このようなバルーンには、血管挿入時や拡
張時に損傷、破裂するようなことがないような耐圧強度
とともに、挿入時および体外への抜去時に、シャフトチ
ューブに巻き付いて折り畳まれた状態となるための柔軟
性が要求される。そのような要求を満たすバルーンの構
成材料として、例えば米国特許4,323,071号明
細書、米国特許4,411,055号明細書に開示され
たポリオレフィンや、特公昭63−26655号公報に
開示されたポリエチレンテレフタレート(PET)、特
開平3−57462号公報に開示されたナイロン等が用
いられている。
【0004】そして、バルーンの製造方法としては、上
記公報等にも記載されているが、上記の材料よりなるチ
ューブをバルーン成形用金型に入れ、このチューブを延
伸、ブロー成形し、バルーン形状に成形する方法が一般
的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィン製のバルーンは、柔軟である反面、バルーン形
状に成形するために、ブロー成形の前にポリオレフィン
を予め架橋しておく必要がある。このため、延伸しても
架橋により結晶化が阻害され、通常の二軸延伸のように
延伸配向による強度の向上が望めなくなる。したがっ
て、バルーンの耐圧強度を確保するには、バルーンの壁
厚を比較的厚くしなくてはならず、これにより、バルー
ンの柔軟性が損なわれてしまう。
【0006】逆に、ポリオレフィンを架橋せず、ポリオ
レフィン単体でバルーンを成形すれば、二軸延伸により
高い結晶性が得られるが、成形の際に、チューブの一部
が膨張し始めると、その部分が極端に薄くなり、バルー
ン形状に成形される前に破裂するのがほとんどである。
この破裂を避けるためには、非常に高精度のチューブと
温度制御が必要となり、そのようにしても、バルーンに
成形するには非常に困難が伴う。
【0007】一方、PETやナイロンについては、ポリ
オレフィンのように架橋しなくてもブロー成形が容易な
ため、薄い壁厚のバルーンでも十分な耐圧強度が得られ
る。しかしながら、これらで構成したバルーンは、素材
そのものが硬いため、柔軟性が劣り、特にバルーンを折
り畳んだ状態では、バルーンの重なりにより硬さが顕著
となり、シャフトチューブの柔軟性を損ねることとな
り、血管内壁を傷つける虞れが高い。また、これらのバ
ルーンは、バルーンの折り畳み癖を非常に付け難く、一
度バルーンを膨らました後にバルーンを萎めると、バル
ーンがシャフトに巻き付かず、羽を広げたような形状と
なり、血管挿入時や抜去時に血管内壁を傷つける危険が
ある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決し、柔軟かつ
高強度であり、さらに良好に成形できる医療用バルーン
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
の本発明により達成される。また、下記(2)ないし
(3)とするのが好ましい。
【0010】(1) 駆動流体の注入、抜去に伴って内
容積を拡張、縮小しうる医療用バルーンであって、内層
と外層とを含む2以上の層からなり、前記内層および前
記外層の一方が実質的に架橋ポリオレフィンより、他方
が実質的に未架橋ポリオレフィンよりそれぞれ構成され
ていることを特徴とする医療用バルーン。
【0011】(2) 内部にルーメンを有する管状体
と、該ルーメンと連通する上記(1)に記載のバルーン
とを少なくとも有することを特徴とするバルーンカテー
テル。
【0012】(3) 引張強度が800kg/cm2以上で
ある上記(1)記載の医療用バルーン。
【0013】
【作用】本発明の医療用バルーンは、従来のバルーンと
異なり、未架橋ポリオレフィンと架橋ポリオレフィンを
組み合わせることにより、実質的に架橋ポリオレフィン
からなる層により成形が容易となり、実質的に未架橋ポ
リオレフィンからなる層で二軸延伸配向により高い結晶
化度を得られるため、成形が容易であり、かつ薄い壁厚
で高強度を有するバルーンが得られる。更にポリオレフ
ィンがPET、あるいはナイロンに較べ柔軟であるた
め、柔軟なバルーンが得られ、また更にバルーンの折り
畳み癖もつけることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図面に基づき説明する。
【0015】図1は、本発明の医療用バルーンをPTC
A用バルーンカテーテルに適用した場合のバルーンカテ
ーテルの構成例の先端部の拡大縦断面図、図2は、同構
成例のカテーテルの基端部を示す図面である。
【0016】同図に示すバルーンカテーテル1は、先端
が開口している内管のルーメン5を有する内管2と、内
管2に同軸的に設けられ、内管2の先端より所定長後退
した位置に設けられ、内管2の外面との間に外管のルー
メン7を形成する外管3と、先端部8および基端部9を
有し、基端部9が外管3に取り付けられ、基端部付近に
て外管のルーメン7と連通する収縮あるいは折り畳み可
能なバルーン4と、さらに、内管2の基端部に固着さ
れ、内部が内管のルーメン5と連通する第1の開口部1
0と、外管3の基端部に固着され、内部が外管のルーメ
ン7と連通する第2の開口部12とを有する分岐ハブ1
4で構成されている。
【0017】内管のルーメン5は、ガイドワイヤーを挿
通するためのルーメンであり、内管2の外径は0.40
〜1.50mm、好ましくは0.55〜1.20mmであ
り、内径が0.25〜1.30mm、好ましくは0.30
〜1.00mmである。
【0018】また、内管2の先端部は、先端側に向かっ
てテーパー状に、あるいは階段状に縮径していることが
好ましい。血管内へのカテーテルの挿入が容易になるか
らである。
【0019】外管のルーメン7は、バルーン4を膨張さ
せるための流体(例えば、血管造影剤)が第2の開口部
12を介して流れ込むためのものであり、外管3の外径
は0.70〜2.00mm、好ましくは0.85〜1.5
0mmである。
【0020】また、外管3の先端部は、内管2と同様
に、先端側に向かってテーパー状に、あるいは階段状に
縮径していることが好ましい。血管内へのカテーテルの
挿入が容易になるからである。
【0021】内管2および外管3の構成材料としては、
ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアミドエラ
ストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーン
ゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の
熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィン
である。
【0022】内管2の外周面のバルーン4に内包される
所定箇所、好ましくは、後述するバルーンの円筒部4a
の中央に対応する箇所には、X線不透過マーカー6が巻
装されている。
【0023】X線不透過マーカー6は、X線不透過材料
で構成され、コイル状に形成されている。なお、このマ
ーカー6は、例えば円筒状としてもよい。X線不透過材
料としては、白金、金、タングステンまたはそれらの合
金であることが好ましく、さらに銀−パラジウム合金で
あることが好ましい。このような材料で構成することに
より、X線透視下で鮮明な造影像を得ることができるの
で、バルーン4の後述する円筒部4aの位置をX線透視
下で容易に確認することができる。
【0024】さらに、内管2には、剛性付与体16が設
けられている。剛性付与体16は、血管の屈曲部におけ
るカテーテルの折れ曲がりを防止し、さらに血管内の高
度の屈曲に対するカテーテルの追随性を高めることがで
きる。
【0025】剛性付与体16としては、網目状の剛性付
与体であることが好ましく、網目状の剛性付与体は、ブ
レード線で形成することが好ましい。ブレード線として
は、例えば、ワイヤーブレードであり、線径0.01〜
0.2、好ましくは0.03〜0.1のステンレス、弾
性金属、超弾性合金、形状記憶合金、アモルファス合金
等の金属線を内管2の外面に網目状に巻き付けることに
より形成でき、より好ましくは、内管2を熱可塑性樹脂
により形成して、上記剛性付与体を巻き付けた内管2の
外側より加熱し(例えば、内管2を加熱ダイスに挿通す
る)、内管2の外壁に剛性付与体を埋没させることが好
ましい。
【0026】また、剛性付与体16は、ブレード線とし
て、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂等の合成繊維を内管2の外面に巻き付けて形成し
てもよい。
【0027】またさらに、剛性付与体16はコイル状の
線状体であってもよく、この場合、線状体の断面形状が
円形、正方形や長方形等の方形、楕円のいずれかの形状
とするのが好ましく、特に方形であるのが好ましい。ま
た、このような線状体の材料は、ステンレス等の金属
や、超弾性合金であるのが好ましい。
【0028】なお、このような剛性付与体は、内管2に
設けずに、外管3に設けてもよく、あるいは、内管2お
よび外管3の両方に設けてもよい。外管3に剛性付与体
を巻き付ける場合、その構成および外管3への巻き付け
方法は、上記内管2の場合と同様とすることができる。
【0029】本発明のバルーン4は、内圧の変化により
拡張、収縮可能なものであり、拡張させない状態では、
内管2の外周に折り畳まれた状態となることができるも
のである。そして、バルーン4は、血管の狭窄部を容易
に拡張できるように少なくとも一部が略円筒状となって
いるほぼ同径の円筒部4aを有する。円筒部4aは、完
全な円筒でなくともよく、多角形状のものであってもよ
い。そして、バルーン4は、基端部9が外管3の先端部
に接着剤または熱融着などにより液密に固着され、先端
部8は、内管2の先端部に同様に液密に固着されてい
る。
【0030】また、バルーン4の内部は、外管3の先端
開口を介して、外管のルーメン7と連通している。この
ルーメン7より、バルーン4内に拡張用流体(例えば、
血管造影剤)を注入し、またはバルーン4内から拡張用
流体を排出することができる。
【0031】なお、バルーン4自体の構成、寸法等につ
いては後に詳述する。
【0032】分岐ハブ14は、内管のルーメン5と連通
する第1の開口部10を有し、内管2に固着された内管
ハブ22と、外管のルーメン7と連通する第2の開口部
12とを有し、外管3に固着された外管ハブ23とから
なっている。第1の開口部10は、内管のルーメン5に
ガイドワイヤーを挿通するためのガイドワイヤーポート
として機能し、第2の開口部12は、バルーン4を拡張
する拡張用流体を外管のルーメン7に注入するためのイ
ンジェクションポートとして機能する。そして、内管ハ
ブ22および外管ハブ23は、固着されている。
【0033】この分岐ハブ14の構成材料としては、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリ
レート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体
等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
【0034】なお、このような分岐ハブを設ける代わり
に、内管のルーメン5、外管のルーメン7のそれぞれ
に、例えば後端に開口部を形成するポート部材を有する
チューブを液密に取り付けるようにしてもよい。
【0035】上記のガイドワイヤーポートにガイドワイ
ヤーを挿通した状態で、例えばセルジンガー法により血
管内に留置されたシースの内腔より、カテーテルの先端
部を血管内へ挿通し、ガイドワイヤーを先行させなが
ら、ガイドワイヤーとカテーテルとを交互に進行させる
ことにより、バルーン4を血管内の狭窄部に位置させる
ことができる。
【0036】そして、バルーン4が狭窄部に達したこと
を、X線透視下でマーカー6の位置を目印に確認してか
ら、インジェクションポートより上記拡張用流体を注入
し、バルーン4を拡張することにより、血管内の狭窄部
が拡張される。
【0037】次に、本発明の医療用バルーンの構成につ
いて説明する。
【0038】図3は、図1に示すバルーン4の構成を拡
大して示す縦断面図である。同図に示すように、バルー
ン4は、内層41と外層42とを積層してなる薄肉部材
40で構成されている。そして、本発明において、内層
41および外層42は、その一方が、実質的に架橋ポリ
オレフィンで構成され、もう一方は、実質的に未架橋ポ
リオレフィンで構成されている。図示の例では、内層4
1が架橋ポリオレフィンで、外層42が未架橋ポリオレ
フィンでそれぞれ構成されている。
【0039】ここで、架橋ポリオレフィンとは、化学架
橋、放射線架橋等により架橋されたポリオレフィンをい
い、また、未架橋ポリオレフィンとは、上記の架橋処理
が実質的になされておらず、延伸加工により結晶配向が
可能な、または結晶配向したポリオレフィンをいう。
【0040】このような架橋ポリオレフィンとして用い
られるポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレンとアクリル酸とを共重合したアイオノマー等の、
架橋可能なポリオレフィンが挙げられ、その中でも、ポ
リエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特に、柔軟性
が極めて良好な点で、直鎖状低密度ポリエチレンが好ま
しい。
【0041】また、上記未架橋ポリオレフィンとして用
いられるポリオレフィンとしては、例えば、直鎖状低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピ
レン共重合体等が挙げられ、その中でも特に、ポリプロ
ピレンが好ましい。
【0042】図示の例では、内層41を架橋ポリオレフ
ィンで構成し、外層42を未架橋ポリオレフィンで構成
したが、本発明はこれに限定されず、内層41を未架橋
ポリオレフィンで構成し、外層42を架橋ポリオレフィ
ンで構成してもよい。
【0043】なお、本発明のバルーンは、前記内層41
と外層42とを少なくとも有していればよく、例えば、
内層41と外層42との間に、これらの層を接着する接
着剤からなる層等の中間層を有するものや、内層41の
内側にさらに最内層を有するもの(図示せず)等、内層
41および外層42を含む3層以上の積層体であっても
よい。
【0044】また、本発明における内層41および外層
42は、実質的に上記ポリオレフィンから構成されてい
ればよく、その他の不純物を若干含んでいてもよい。
【0045】このように、バルーン4が、架橋ポリオレ
フィンからなる層と、未架橋ポリオレフィンからなる層
との2層から少なくとも構成されているため、架橋ポリ
オレフィンの層により、破裂等を生じることなく良好に
バルーン形状に成形でき、かつバルーン4の折り畳み癖
を良好につけることができ、また未架橋ポリオレフィン
の層により、バルーン4として必要な強度を十分に付与
することができる。すなわち、バルーン4の強度および
耐久性と、柔軟性を両立することができ、よって、バル
ーン4の厚さを従来のバルーンよりも薄くすることがで
きる。
【0046】内層41および外層42の厚さとしては、
架橋ポリオレフィンからなる方の層の厚さを3〜15μ
m 程度、より好ましくは5〜10μm 程度とするのが好
ましく、未架橋ポリオレフィンからなる方の層の厚さを
5〜30μm 程度、より好ましくは10〜25μm 程度
とするのが好ましい。そして、バルーン4を構成する薄
肉部材40の厚さとしては10〜40μm 程度、より好
ましくは15〜30μm 程度とするのが好ましい。ま
た、バルーンの全長としては、10.00〜75.00
mm、好ましくは15.00〜50.00mmである。ま
た、バルーン4の円筒部4aの寸法としては、拡張時の
最大外径が1.50〜10.00mm、好ましくは1.5
0〜5.00mm程度であり、長さは5.00〜60.
00mm、好ましくは10.00〜40.00mmであ
る。
【0047】また、特に、得られたバルーン4の引張強
度が800kg/cm3以上となるように、バルーン4およ
び内層41、外層42の各厚さや、未架橋ポリオレフィ
ンからなる層の結晶化度を適宜設定することが好まし
い。これにより、血管内の狭窄部を拡張するのに必要な
強度を十分に満足することができる。
【0048】この引張強度は、特公平63−26655
号に記載されている、下記の膜方程式により計算するこ
とができる。
【0049】σ2=pr/h ここで、σ2は膜(バルーンを構成する薄肉部材)の引
張強度であり、pは加えられた圧力であり、rは半径で
あり、hは壁の厚さである。
【0050】そして、このようなバルーン4の製造方法
としては、例えば、一方を架橋したポリオレフィンから
なる層とし、他方を未架橋のポリオレフィンからなる層
として、内層41および外層42をまずチューブ状に成
形した後、例えば上記の公報に記載のように、延伸ブロ
ー成形によりバルーン状に成形することが挙げられる。
【0051】内層41と外層42とをチューブ状に成形
する方法としては、例えば次のようなものが挙げられ
る。
【0052】 ポリオレフィンからなる内層41をチ
ューブ状に成形し、放射線架橋等により架橋し、その
後、内層41の外表面に未架橋のポリオレフィンを塗
布、スプレー、ディッピング、電線被覆法による押出成
形等により被覆して、未架橋ポリオレフィンからなる外
層42を形成する。
【0053】 未架橋のポリオレフィンをチューブ状
に成形して、未架橋ポリオレフィンからなる内層41を
形成した後、架橋剤を含有するポリオレフィンあるいは
後述の自己架橋型ポリオレフィンを内層41の外表面に
例えば押出成形により被覆して、架橋ポリオレフィンか
らなる外層42を形成する。
【0054】 未架橋のポリオレフィンからなるチュ
ーブを形成した後、チューブ表面のみを架橋して、未架
橋ポリオレフィンからなる内層41と、架橋ポリオレフ
ィンからなる外層42をチューブ状に形成する。
【0055】ポリオレフィンの架橋処理としては、例え
ば、有機過酸化物(例えばジクミルペルオキシド)等の
架橋剤を材料中に混合する方法や、電子線照射、γ線照
射による放射線架橋、また、ポリオレフィンとして水分
架橋性のポリマー(自己架橋性ポリオレフィン)を用
い、このポリマーを成形し、水分と接触させることによ
り架橋する方法(水分架橋)を行うことが挙げられる。
なお、上記した水分架橋性のポリマーとしては、例え
ば、シラン架橋性ポリマーである三菱油化(株)の「リ
ンクロン(商品名)」が好適に使用される。
【0056】このように内層41および外層42を形成
した後、例えば図4に示す構造の金型内に上記チューブ
を挿入し、延伸処理を施しながらブロー成形を行うこと
により、未架橋ポリオレフィンが延伸されて結晶配向
し、薄くかつ十分な引張強度を有するバルーン4が得ら
れる。そして、内層41または外層42が架橋ポリオレ
フィンから構成されているため、ブロー成形の途中で破
裂等を生じることなく、バルーン4を良好に成形でき
る。
【0057】図4に示す金型18は、バルーン4の先端
部8および基端部9を構成する開口部19および開口部
20と、バルーン4の円筒部4aを形成する円筒部18
aを有している。
【0058】このようなブロー成形において、バルーン
4を成形するための上記チューブの加熱温度は、使用す
るポリオレフィンの種類により異なるが、架橋ポリオレ
フィンの融点よりも高い温度であり、かつ、未架橋ポリ
オレフィンの融点までの範囲にある温度とするのが好ま
しい。これにより、架橋ポリオレフィンが溶融状態とな
って、ブロー成形によりバルーン形状に膨らまされ易く
なり、かつ、架橋されているため局部的に膨張しパンク
することなく、容易にバルーン形状に成形されるととも
に、未架橋ポリオレフィンが融点より低い温度とされて
良好に延伸配向がなされる。したがって、加熱温度がそ
のような範囲内となるように、架橋ポリオレフィンおよ
び未架橋ポリオレフィンの種類を選択することが好まし
い。
【0059】具体的には、例えば内層41を架橋された
直鎖状低密度ポリエチレンとし、外層42を未架橋のポ
リプロピレンとし、加熱温度は80〜160℃、より好
ましくは115〜150℃とするのが好ましい。
【0060】また、内層41および外層42の延伸処理
は、ブロー成形前にあらかじめ延伸してもよく、ブロー
成形時のチューブの膨張に伴う延伸配向のみでもよい。
【0061】また、チューブの加熱は、金型に装着され
た状態で行っても、金型の外でチューブのバルーン形状
としたい部分を加熱してから、金型を該部分に装着して
もよい。
【0062】以上、本発明の医療用バルーンおよびバル
ーンカテーテルを、PTCA用拡張カテーテルを例とし
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、大動脈内用バルーンカテーテル、血管内視
鏡、各種モニター用カテーテル、血栓除去用バルーンカ
テーテル、尿管用バルーンカテーテル、胆管用バルーン
カテーテル等のバルーンおよびバルーンカテーテルとし
て用いることもできる。
【0063】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき説明す
る。
【0064】(実施例1)バルーンを成形するためのチ
ューブ(パリソン)は以下のようにして作製した。 ま
ず直径0.5mmの銅線に直鎖状低密度ポリエチレンを外
径0.8mmとなるように被覆し、これに電子線を500
kv,30Mradで照射して、架橋ポリオレフィンか
らなるチューブ状の内層41を作製した。次に、ポリプ
ロピレンを外径1.0mmとなるように被覆し、外層42
を形成して、2層のチューブを得た。
【0065】続いて、このチューブの一端部を閉塞して
から、この一端部を下記寸法からなる図4に示す形状の
金型に挿入した。
【0066】[金型の寸法] キャビティの直径D:3.0mm キャビティの長さA+B+C:29(5+20+4)mm 続いて、このチューブを長さ5cmにわたり140℃とな
るように加熱し、加熱した部分を軸方向に1.5倍に延
伸し、引き続いて、チューブの他端より空気を導入し
て、チューブの内部を10秒間加圧した。その後、加圧
を持続しながら、加熱を止め、金型およびチューブを室
温まで冷却してから加圧を緩め、成形されたチューブを
金型より取り外した。そして、このチューブをバルーン
状に成形された部分の両端で切断し、図1および図3に
示す構造のバルーン4を得た。
【0067】得られたバルーン4は、円筒部4aにおけ
る厚さが20μm 、1気圧の内圧を加えた時の外径が
2.8mmであった。
【0068】このバルーン4の一端を封鎖し、他端より
内部に窒素吹き込み圧を加えていったところ、17気圧
でバルーン4が破裂した。この時の破裂形状はバルーン
の軸方向に大きく裂けていた。
【0069】上記した計算式によりこのバルーン4の引
張強度を計算したところ、1190kg/cm2と計算され
た。
【0070】(比較例1)0.5mmの銅線に、実施例1
の内層41と同様の直鎖状低密度ポリエチレンを外径
1.0mmととなるように被覆し、実施例1と同じ条件下
で電子線架橋を行い、架橋されたポリオレフィンのみか
らなる1層のチューブを得た。
【0071】このチューブを用い、実施例1と同様にし
て延伸ブロー成形を行ったところ、肉厚20μm、外径
2.7mmのバルーンを得た。
【0072】このバルーンの耐圧性能および引張強度
を、実施例1と同様にして求めたところ、耐圧性能は1
0.5気圧であり、引張強度は710kg/cm2と計算さ
れた。
【0073】(比較例2)0.5mmの銅線に、実施例1
の外層42と同様のポリプロピレンを外径1.0mmとと
なるように被覆して、未架橋のポリオレフィンのみから
なる1層のチューブを10個作製した。
【0074】これらのチューブそれぞれにつき、実施例
1と同様にして延伸ブロー成形を行ったが、8個が成形
中に破裂してしまい、このようなチューブからはバルー
ンの成形がきわめて困難であることが確認された。ま
た、バルーンに成形されたものについては、5〜50μ
m の範囲で偏肉が観察され、実用には不適なものであっ
た。
【0075】以上の結果より、柔軟性の高い架橋ポリオ
レフィンからなる層および未架橋ポリオレフィンからな
る層を組み合わせた本発明の医療用バルーンは、成形性
が良く、しかも十分な強度を有するバルーンとなってい
ることが確認された。
【0076】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の医療用バルー
ンは、駆動流体の注入、抜去に伴って内容積を拡張、縮
小しうる医療用バルーンであって、内層と外層とを含む
2以上の層からなり、前記内層および前記外層の一方が
実質的に架橋ポリオレフィンより、他方が実質的に未架
橋ポリオレフィンよりそれぞれ構成されていることを特
徴とするため、ポリオレフィンそのものの柔軟性を発揮
し、シャフトチューブへの折り畳み癖を良好に付けられ
るばかりでなく、延伸処理により高い結晶化度を得られ
るため、薄肉ながら強度が高いものとなり、さらに成形
性も良好なバルーンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルーンカテーテルの構成例の先
端部を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係るバルーンカテーテルの構成例の基
端部を示す図面である。
【図3】本発明のバルーンの構成を拡大して示す縦断面
図である。
【図4】本発明のバルーンを製造するための金型の構成
例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
4 バルーン 41 内層 42 外層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動流体の注入、抜去に伴って内容積を
    拡張、収縮しうる医療用バルーンであって、 内層と外層とを含む2以上の層からなり、前記内層およ
    び前記外層の一方が実質的に架橋ポリオレフィンより、
    他方が実質的に未架橋ポリオレフィンよりそれぞれ構成
    されていることを特徴とする医療用バルーン。
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