JPH07110810B2 - アルド−スレダクタ−ゼの阻害剤 - Google Patents

アルド−スレダクタ−ゼの阻害剤

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JPH07110810B2
JPH07110810B2 JP18217387A JP18217387A JPH07110810B2 JP H07110810 B2 JPH07110810 B2 JP H07110810B2 JP 18217387 A JP18217387 A JP 18217387A JP 18217387 A JP18217387 A JP 18217387A JP H07110810 B2 JPH07110810 B2 JP H07110810B2
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敏明 松崎
晃 小岩井
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、アルドースレダクターゼの阻害剤に関す
る。
〔従来の技術〕
糖尿病は、インシュリンの使用にともない、原疾患によ
る死亡率は低下している。しかし、糖尿病患者の寿命が
延長することにより新たに合併症の問題が発生してい
る。糖尿病合併症でアルドースレダクターゼに起因する
もの、例えば血管障害、網膜症、糖尿病性白内障、神経
障害、腎障害を予防又は治療するための十分に満足でき
る医薬剤はあまり知られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この発明の目的は、アルドースレダクターゼに対して優
れた阻害効果を有し、かつ、生体に対する毒性が極めて
低いアルドーズレダクターゼ阻害剤を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
アルドースレダクターゼは、動物生体内代謝系における
アルドース例えばグルコースをソルビトールに還元する
酵素である。この酵素の作用により生じたソルビトール
が糖尿病患者の眼の水晶体、抹消神経、腎臓等に蓄積さ
れ糖尿病合併症となって現れる〔Jap.J.Opthalmol.,20,
399(1976).Int.Congr.Ser.Excerpta.Med.,403594(19
77).及びMetabolism,28,456(1979)参照〕。
本発明者は、アルドースレダクターゼの働きを阻害する
ことにより糖尿病合併症を予防又は治療するのに有効な
物質について広く検索を行い、この発明をなすに至っ
た。
この発明のアルドースレダクターゼ阻害剤は、式(1)
で示される庶糖エステルの一種あるいは二種以上を有効
成分として含有することを特徴とするアルドースレダク
ターゼの阻害剤である。
(式中、R1、R2、R3は炭素数3〜8の分岐または直鎖の
アシル基を表し、R4はアセチル基または水素を表す。) 前記式(1)で示される化合物は、ナス科ニコチアナ属
植物の葉・花・茎部に含まれている。特に、野性種のた
ばこ植物に多量に含まれている。
式(1)で示される化合物は、ニコチアナ属植物をクロ
ロホルム、酢酸エチル、アセトン、メタノールなどの有
機溶媒に浸せきして抽出した後、抽出物を濃縮して得た
樹脂画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー次いで
高速液体クロマトグラフィーにより順次分離して得られ
る。以下、製造例によりこの発明を詳細に説明する。
〔式(1)で示される化合物の製造例〕 ニコチアナ グルチノーザ(Nicotiana g1utinosa)の
生葉4kgをクロロホルム20lに約2〜3分間浸せきしてク
ロロホルム可溶の葉面樹脂成分を抽出する。こうして得
た抽出液をろ紙でろ過し、ろ液をロータリーエバポレー
ターで35℃下に濃縮し、葉面樹脂44gを得た。この葉面
樹脂の全量を少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーを行った。カラム(カラム径
×高さ=40mm×300mm)に、ワコーゲルC200(商品名)
をつめ、クロロホルム、クロロホルム:アセトン(1:
1)、アセトン、メタノール各1で順次溶出し、4画
分(画分1〜画分4)を得た。上記画分中、画分2を濃
縮したのち再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(カラム径×高さ=40mm×300mm、ワコーゲルC300を使
用)にかけ、クロロホルム、クロロホルム:アセトン
(7:3)、クロロホルム:アセトン(4:6)、アセトン各
300mlで順次溶出し、100mlづつ分取して12の画分(画分
1〜画分12)を得た。上記12の画分のうち画分4及び画
分7をそれぞれ濃縮したのち、以下に示した装置・操作
条件で高速液体クロマトグラフィーを行い、画分4より
物質M1(以下、M1と略記する。)9g、画分7より物質M2
(以下、M2と略記する。)5gを得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件 カラム;シリカゲルカラム型(山村化学社製YMC SIL A0
24) 溶媒;クロロホルム:アセトン(1:1) 流量;1.5ml/分 M1のリテンションタイムは12分で、M2のリテンションタ
イムは19分であった。また、M1及びM2は順相の薄層プレ
ート(メルク社製Art5642)を用いた薄層クロマトグラ
フィーでは、それぞれ1スポットを示し、M1のRf値は0.
42、M2のRf値は0.29であった。M1及びM2は、それぞれ下
記にそのデータを示すように13C−NMR、IRによる分
析、及びアルカリ分解して調べた結果から、庶糖と低級
脂肪酸のエステル化合物であることが判明した。13 C−NMR(δppm,重クロロホルム中) 庶糖炭素のケミカルシフト; M1;60.6,61.6,64.3,68.5,69.1,70.6,71.4,72.0,79.3,8
2.6,89.7,104.2 M2;60.9,61.7,64.2,68.8,69.6,71.0,71.5,73.4,77.2,8
1.5,88.8,104.7 IR(cm-1); M1;3450,1748 M2;3450,1748 M1及びM2の低級脂肪酸のモル組成比は表−1に示すとお
りであった。表−1中、炭素記号に付した数字は脂肪酸
の炭素数を表す。
M1には酢酸が存在し、M2には酢酸が存在していなかっ
た。
さらに、M1とM2の化学構造を調べるためにD2OとH2Oを
用いた同位体効果による13C−NMRによる測定からそれ
ぞれのエステルの位置を決定した。その結果、M1では、
グルコースの6位、フラクトースの1,4,6位に由来する
炭素シグナルが、M2ではグルコースの6位、フラクトー
スの1,3,4,6位に由来する炭素のシグナルが二重線に分
離することから、M1は(2,3,4−トリーO−アシル)−
α−D−グルコピラノシルー(3−Oアセチル)−β−
D−フラクトフラノシド、M2は(2,3,4−トリ−O−ア
シル)−α−D−グルコピラノシルーβ−D−フラクト
フラノシドであると同定された。
次ぎに、M1及びM2を別々にそれぞれ下記の条件で、高速
液体クロマトグラフィーを数回繰り返して行い、M1から
化合物1,2,3,4,5及び6をそれぞれ0.2,0.4,1.2,1.0,2.0
及び2.0gを得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件. カラム;YMC A314,ODS型 溶媒;メタノール:アセトニトリル:水=8:2:1.5 流量;0.8ml/分 化合物1〜6のリテンションタイムはそれぞれ9,11,13,
15,18,21分であった。
また、M2から化合物7,8,9,10,11及び12をそれぞれ0.1,
0.3,0.3,1.5,0.6及び0.5gを得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件. カラム;YMC A314,ODS型 溶媒;メタノール:アセトニトリル:水=8:2:2 流量;1.0ml/分 化合物7〜12のリテンションタイムはそれぞれ11,13,1
6,18,25,34分であった。
上記化合物1〜12において、前記式(1)中R1,R2,R3
の炭素数の和、R4の種類及び脂肪酸の組成比率は表−2
に示すとおりであった。脂肪酸の組成比率は、それぞれ
の化合物について、加水分解後の脂肪酸組成及び加水分
解前のTMS化物のガスクロマトグラフィー面積比より算
出した。
すなわち、加水分解後の脂肪酸組成は、化合物No.1〜12
のそれぞれについて1mgをサンプル管にとり、1NKOH80%
メタノール溶液に溶解し、100℃、15分間加水分解し
た。この加水分解物に4℃下、6NHC1を加えた後、エチ
ルエーテルを添加し、沈殿物を沈殿させた後、該エーテ
ル液をガスクロマトグラフィー(カラム;フェーズドシ
リカキャピラリーunisole 400,ガスクロ工業社製、60〜
150℃の4℃/min昇温)で分析した。
次に、TMS化物については、化合物No.1〜12のそれぞれ
についてBSTFAでトリメチルシリル化した後、ガスクロ
マトグラフィー(カラム;フェーズドシリカキャピラリ
ー、OV−1,ヒューレットパッカード社製、290℃)で分
析した。
〔投与量、投与方法〕 この発明のアルドースレダクターゼ阻害剤の成人1日当
たりの投与量は、患者の症状に応じて適宜定められる
が、通常、体重1kg当たり1mg〜100mgである。投与経路
は、経口、皮下注射、静脈注射、局所的投与などが好ま
しい。また、投与剤の形態は、製薬上許容しうる賦形剤
又は溶剤との混和により常法で製剤した散剤、顆粒、錠
剤、カプセル、注射液、局所用剤等いずれでもよい。
〔作用・効果〕
糖尿病合併症の多発する血管、抹消神経、眼の水晶体・
網膜などにアルドースレダクターゼの存在が明らかにさ
れている。通常、細胞内に取り込まれたグルコースの大
部分は、ヘキソキナーゼによって解糖系へと代謝される
が、糖尿病疾患のようにアルドースレダクターゼ活性が
亢進している状態では、ヘキソキナーゼと競合してグル
コースをソルビトールへと代謝してしまう。ソルビトー
ルは比較的安定な物質で、細胞内に蓄積し、その結果、
細胞内浸透圧の上昇を招き組織障害を来すことになる。
この発明のアルドースレダクターゼ阻害剤は、以下の実
施例から明きらかなようにアルドースレダクターゼの活
性を阻害する作用効果を有するので、糖尿病合併症の予
防と治療に有効と考えられる。
〔実施例〕
アルドースレダクターゼ阻害剤の検定は、マロン(Malo
n)ら及び寺島らの方法〔Diabetes,29861(1980)及び
J.Pharmaco1,Exp.Therap.,229226(1984)〕に従い、赤
血球を用いて行った。即ち、ラットの血液から常法に従
い赤血球を取り出し、クレーブス・リンガー(Krebs−R
inger)の重炭酸塩緩衝液に懸濁し、その中に64mM(ミ
リモル)のグルコースと前記製造例で分離した化合物1
〜化合物12及びM1,M2をそれぞれ、0,25,50,100μgの
四水準として加え、5%CO2インキュベーター中37℃、
3時間培養する。培養終了後、遠心分離して赤血球を採
取し、赤血球に対し3倍容量の冷6%過塩素酸を加えテ
フロンの棒で赤血球を摩砕し、ソルビトールを抽出す
る。摩砕液を2N(規定)KOHで中和し、遠心分離した上
澄液を用いてソルビトールを分析する。上澄液に一定量
のニコチン酸アミド二リン酸(NAD)とソルビトール脱
水素酵素及びグリシン緩衝液を加え、30℃30分間インキ
ュベートする。試料中のソルビトールの量に対応してソ
ルビトール脱水素酵素により生成した還元型ニコチン酸
アミド二リン酸(NADH)の量を、蛍光法で定量すること
により生成ソルビトールの量を定量する。
阻害剤無添加のときのソルビトール生成量を100とし、
添加時のソルビトール生成量を相対値で表示し、アルド
ースレダクターゼ阻害効果を示した。結果は表−3に示
すとうりであった。
表−3から明らかなように、化合物1〜12、及びM1M2
ずれもラットの血液中赤血球によるアルドースレダクタ
ーゼに対する阻害効果が認められた。
〔急性毒性試験〕 マウスを用いて経口投与により急性毒性試験を行った。
(1)被験物質;前記製造例と全く同様にして製造した
M1M2及び化合物1〜12を被験物質として用いた。被験物
質は、オリーブ油に溶解して用いるが、溶解しにくいた
め溶解助剤としてジメチルスルフォキシド(DMSO)を用
いた。
被験物質各1000mgを0.35mlのDMSOに溶解し、これにオリ
ーブ油を加え5.0mlの被験物質溶液(検体)を調製し
た。また対照として被験物質を含まない0.35mlのDMSOを
含むオリーブ油5.0mlを調製した。
(2)試験動物;10週齢の雌のICR−SLCマウス(SPF動
物)を1検体当たり6匹、対照用に6匹を用いた。
(3)投与方法・量;各検体をマウス体重10g当たり0.1
mlの割合で胃ゾンデを用いて強制的に投与した。投与は
2回行い、1回目の投与後2時間目に2回目の投与を行
った。マウス1匹当たりの投与量は4000mg/kgであっ
た。
(4)検査;投与後13日間飼育観察を続け、14日目に屠
殺解剖して肉眼所見をとった。
(5)試験結果;投与後供試動物に死亡はなく生存率10
0%であり、一般状態にも異常は認められなかった。ま
た解剖時の剖見所見でも特に異常は認められなかった。
従つて、被験物質の最小致死量は4000mg/kgより高い値
であると推定され、急性経口毒性に関しては厚生省の基
準によれば極めて安全性の高い物質であり、普通薬に属
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 AED // C07H 13/02 C12N 9/99

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で示される化合物を有効性分とし
    て含有するアルドースレダクターゼの阻害剤 (式中、R1、R2、R3は炭素数3〜8の分岐または直鎖の
    アシル基を表し、R4はアセチル基または水素を表す。)
JP18217387A 1987-07-23 1987-07-23 アルド−スレダクタ−ゼの阻害剤 Expired - Lifetime JPH07110810B2 (ja)

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