JPH07109929A - 多吸気弁式エンジン - Google Patents

多吸気弁式エンジン

Info

Publication number
JPH07109929A
JPH07109929A JP5277400A JP27740093A JPH07109929A JP H07109929 A JPH07109929 A JP H07109929A JP 5277400 A JP5277400 A JP 5277400A JP 27740093 A JP27740093 A JP 27740093A JP H07109929 A JPH07109929 A JP H07109929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
cylinder
engine
supercharger
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5277400A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Ashihara
安史 芦原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP5277400A priority Critical patent/JPH07109929A/ja
Publication of JPH07109929A publication Critical patent/JPH07109929A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で過給による出力向上と、旋回流
利用による排気ガスの清浄化とを図れるようにする。 【構成】 一つの気筒に吸気弁8を複数設け、自然吸気
用吸気通路Aと過給用吸気通路Bを設ける。自然吸気用
吸気通路Aから燃焼室に流入する吸気と、過給用吸気通
路から燃焼室内に流入する吸気とでは流速に差が生じ
る。この流速差がきっかけとなって燃焼室内に旋回流が
生じ燃焼が改善されて排気ガスが浄化される。すなわ
ち、旋回流発生用の特別な機構、構造が不要になる。こ
のため、きわめて簡単な構成によって高出力化および排
気ガスの清浄化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1気筒当たりに吸気弁
が複数設けられた多吸気弁式エンジンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、出力向上を図るために過給機によ
って吸気量を増やすようにしたエンジンがある。この種
のエンジンとしては、例えば特開昭61−85537号
公報に開示された過給機付きエンジンがある。この公報
に示された過給機付きエンジンは、V型エンジンであっ
て、一方の気筒を4サイクル式の熱機関として用い、他
方の気筒をピストン式過給機として用いるように構成さ
れていた。
【0003】このエンジンに設けられたピストン式過給
機は、4サイクル式内燃機関とクランク軸を共用するよ
うに構成され、クランク軸が1回転する毎にピストンが
気筒内を往復して空気を吸入、吐出する構造になってい
た。そして、空気吐出口が空気溜め室を介して熱機関用
気筒の吸気通路に連通されていた。この吸気通路中には
4サイクル式内燃機関に燃料を供給するための気化器が
介装されていた。
【0004】すなわち、この過給機付きエンジンでは、
過給機による吸気量は気筒内容積の約3倍になり、4サ
イクル式内燃機関が吸気行程にあるときに前記気筒内容
積の約3倍の量の吸気が吸気通路から気筒内に圧送され
ることになる。
【0005】一方、近年では排気ガスが可及的に清浄で
あるエンジンが要請されてきており、それに応えるエン
ジンとして燃焼室内に吸気流からなる渦流を発生させる
ものが提案されている。渦流としてはシリンダ軸線を中
心として旋回するスワールと、シリンダと直交する軸線
を中心として旋回するタンブルとがある。これらのスワ
ールやタンブルを発生させるには、吸気弁の配置や吸気
ポートの傾斜角度等に工夫を凝らしたり、旋回流が発生
するためのきっかけとなる旋回流発生部材を吸気通路に
設けたりして行っていた。
【0006】このようなスワールやタンブルが燃焼室内
に発生すると、燃焼が改善されて排気ガスが清浄になる
ことが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、過給によ
って出力向上を図りつつスワールやタンブルを利用して
排気ガスの浄化を図ることを考えた。しかし、単に上述
した過給機付きエンジンにスワールやタンブルを発生さ
せる旋回流発生機構を付加したのでは、構造がきわめて
複雑になってしまうという問題が生じた。すなわち、通
常のエンジンに過給機と旋回流発生機構との両方が設け
られるからである。
【0008】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、簡単な構造で過給による出力向上
と、旋回流利用による排気ガスの清浄化とを図ることが
できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多吸気弁式
エンジンは、一つの気筒に吸気弁を複数設けると共に、
これらの吸気弁によって開閉される吸気通路を2系統設
け、一方の吸気通路を自然吸気用とし、他方の吸気通路
を過給用としたものである。
【0010】
【作用】自然吸気用吸気通路から燃焼室に流入する吸気
と、過給用吸気通路から燃焼室内に流入する吸気とでは
流速に差が生じるので、この流速差がきっかけとなって
燃焼室内に旋回流が生じる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1および図2に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る多吸気弁式
エンジンの概略構成を示す縦断面図、図2は吸排気通路
の構成を示す平面図である。本実施例では、V型エンジ
ンに本発明を適用した例について説明する。
【0012】図1および図2において、符号1は本発明
に係る多吸気弁式エンジンである。このエンジン1は、
4サイクル式内燃機関を構成する熱機関用気筒2と、過
給機の一部を構成するピストン式過給機用気筒3とがバ
ンク角が90度となるように一体的に設けられている。
前記熱機関用気筒2は、クランク軸4にコンロッド5を
介して連結されたピストン6が摺動自在に嵌入するシリ
ンダボディ7と、吸気弁8および排気弁9を駆動する従
来周知の動弁機構を有するシリンダヘッド10とから形
成されている。
【0013】前記シリンダヘッド10は、図2に示すよ
うに吸気ポート11および排気ポート12が2つずつ設
けられ、各ポート毎に吸気弁8,排気弁9が設けられて
いる。なお、これらの吸気弁8、排気弁9を駆動する動
弁機構は、各吸気弁8,8および排気弁9,9を所定タ
イミングをもって開閉させる構造になっている。詳述す
ると、2つの吸気弁8,8のうち一方の吸気弁8と他方
の吸気弁8とでは開閉時期が異なるように構成されてい
る。吸気弁開閉時期としては、例えば図2において上側
に位置する吸気弁8(後述する自然吸気用吸気通路Aを
開閉する方の吸気弁)を先に開き、吸気行程の終期に他
方の吸気弁を開くようにすることが考えられる。
【0014】そして、前記2つの吸気ポート11,11
によって形成される2系統の吸気通路のうち一方(これ
を自然吸気用吸気通路として図中符号Aで示す)は、蝶
形のスロットル弁13および気化器14を介してエアク
リーナボックス15に連通されている。このエアクリー
ナボックス15内に設けられた符号16で示すものはエ
アクリーナエレメントである。他方の吸気通路(これを
過給用吸気通路として図中符号Bで示す)は、スロット
ル弁13を介して空気溜め室としてのインレットチャン
バー17に連通されている。なお、図2においては、エ
アクリーナボックス15やインレットチャンバー17は
本実施例を理解し易いように図1と略同じ形状に描いて
ある。また、前記2つの吸気通路A,Bにそれぞれ介装
されたスロットル弁13,13は、不図示の手動式操作
手段に連結され、それぞれ設定された開度をもって連動
して開閉するように構成されている。このスロットル弁
開度は、吸気通路Aに設けられた方のスロットル弁13
が他方のスロットル弁13より開きが大きくなるように
設定される。
【0015】前記インレットチャンバー17は前記エア
クリーナボックス15に隣接して一体的に形成されてお
り、その内方空間は吐出用リード弁装置18を介して後
述する過給機の空気通路19に連通されている。リード
弁装置18は図中矢印で示すように、空気通路19から
インレットチャンバー17へのみ空気が流れるように構
成されている。また、空気通路19は、吸入用リード弁
装置20を介してエアクリーナボックス15に連通され
ている。このリード弁装置20は、エアクリーナボック
ス15から空気通路19へのみに空気が流れるように構
成されている。インレットチャンバー17とエアクリー
ナボックス15とを仕切る隔壁に設けられた符号17a
で示すものは、インレットチャンバー17の内圧が設定
圧力以上になるのを防ぐためのリリーフ弁装置である。
このリリーフ弁装置17aは、インレットチャンバー1
7内の空気をエアクリーナボックス15内に導入するよ
うに構成されている。
【0016】前記ピストン式過給機用気筒3は、クラン
ク軸4にコンロッド21を介して連結されたピストン2
2が摺動自在に嵌入するシリンダボディ23と、このシ
リンダボディ23の軸方向端部に固着された空気通路形
成部材24とを備えている。なお、このピストン式過給
機用気筒3は、ボアおよびストロークが共に熱機関用気
筒2と同等に設定されている。
【0017】前記空気通路形成部材24はその内部に前
記空気通路19が形成され、前記インレットチャンバー
17やエアクリーナボックス15に接続されている。ま
た、前記コンロッド21は、前記熱機関用気筒2のコン
ロッド5と同じ位置でクランク軸4に連結されている。
言い換えれば、コンロッド5とコンロッド21とは、ク
ランクピンを共用してクランク軸4に連結されている。
【0018】すなわち、ピストン式過給機は、上述した
ピストン式過給機用気筒3、詳述するとコンロッド2
1、ピストン22、シリンダボディ23、空気通路形成
部材24等によって構成されている。
【0019】次に、本発明に係る多吸気弁式エンジン1
の動作について説明する。この多吸気弁式エンジン1
は、クランク軸4が回ることによって熱機関用気筒2の
ピストン6と、過給機用気筒3のピストン22とがそれ
ぞれシリンダボディ7,23内で往復運動する。熱機関
用気筒2は、従来周知の4サイクルエンジンと同様に吸
気→圧縮→爆発→排気という行程をもって運転される。
【0020】一方、過給機では、ピストン22が下降す
るときに空気通路19が負圧になってエアクリーナボッ
クス15からリード弁装置20を介して新気が空気通路
19に吸い込まれ、ピストン22が上昇するときに空気
通路19内の新気がリード弁装置18を介してインレッ
トチャンバー17に吐出される。この新気の吸入、吐出
は、クランク軸4が1回転する毎に行われる。すなわ
ち、熱機関用気筒2において吸気行程が開始されてから
排気行程が終了時するまでの間に、過給機ではピストン
22が2往復して気筒内容積の2倍の空気がインレット
チャンバー17に吐出されることになる。この場合の気
筒内容積とは、ピストン22が上死点から下死点まで移
動することによって増加するシリンダボディ23内の容
積のことである。
【0021】このように吸気通路Aにシリンダボディ7
内の負圧によってエアクリーナボックス15に吸い込ま
れた空気が流れることになる。そして、吸気通路Aを空
気が流れるときに気化器14によって燃料が噴出され
る。一方、インレットチャンバー17に圧送された空気
は、熱機関用気筒2の吸気弁8が開くと同時に一方の吸
気ポート11を通ってシリンダボディ7内に流入する。
すなわち、2つ設けられた吸気通路の一方(吸気通路
B)に過給機からの圧力空気が流れる。
【0022】熱機関用気筒2は、上述したように一方の
吸気通路Aを介して所定量の燃料が流入し、次に吸気通
路Bを介してインレットチャンバー17から大量の空気
が流入する。そして、2系統の吸気通路を流れる吸気に
流速差があることがきっかけとなって燃焼室内にスワー
ルが発生する。
【0023】したがって、過給によって大量の空気と燃
料が供給されて高出力が得られると共に、燃焼室内にス
ワールが生じることによって燃焼が改善され排気ガスが
浄化される。
【0024】また、気化器14で燃料を大量に噴出させ
ることができるようになると、燃料供給量を制御するに
当たって、ニードルのストローク長を長くとることがで
きる、絞りの精密度が要求されない等の理由により制御
が容易になる。
【0025】さらに、熱機関用気筒2と過給機用気筒3
とでクランク軸4を共用しているため、熱機関用気筒2
の残存不平衡力を過給機用気筒3で打ち消すことができ
る。このため、熱機関用気筒2が実質的に単気筒エンジ
ンと同じであっても、振動はV形2気筒エンジンと同等
になる。
【0026】次に、本発明を4気筒エンジンに適用した
例を図3〜図8によって説明する。図3は4気筒エンジ
ンに本発明を適用した場合の吸気通路の構成を示す底面
図、図4は図3におけるIV−IV線断面図、図5は図3に
おけるV−V線断面図、図6は図3におけるVI−VI線断面
図、図7は図4におけるVII−VII線断面図、図8は吸排
気弁の開閉時期を示すグラフである。これらの図におい
て前記図1および図2で説明したものと同一もしくは同
等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略す
る。
【0027】本実施例で用いるエンジン1は4気筒形の
もので、中央寄りの2つの気筒が熱機関用気筒となり、
両側の2つの気筒が過給機用気筒となるように構成され
ている。すなわち、図3〜図5中に符号31で示すシリ
ンダヘッドは、中央寄りの2つの気筒(熱機関用気筒)
と対応する部位には吸気弁8,8、排気弁9,9が設け
られ、両側の2つの気筒(過給機用気筒)と対応する部
位には空気通路19の一部となる空気ポート32のみが
形成されている。そして、このエンジン1のクランク軸
(図示せず)は、熱機関用気筒のピストン6と、過給機
用気筒のピストン22とがそれぞれコンロッド5,21
を介して連結されている。なお、クランクピンの位置
は、熱機関用気筒と過給機用気筒とでは位相が180度
ずれている。
【0028】本実施例で用いるインレットチャンバー1
7は、前記シリンダヘッド31から側方へ延びる吸気通
路群の上方に配置され、エアクリーナボックス15はイ
ンレットチャンバー17に対してシリンダヘッド31と
は反対側に配置されている。そして、熱機関用気筒の2
つの吸気通路のうち気化器14が介装された吸気通路A
は図4に示すようにインレットチャンバー17の下方を
通ってエアクリーナボックス15に連通され、他方の吸
気通路Bは図6に示すようにインレットチャンバー17
の下方で上方へ向けられてインレットチャンバー17に
連通されている。また、過給機用気筒の空気通路19
は、インレットチャンバー17の底部にリード弁装置1
8を介して連通されると共に、エアクリーナボックス1
5にリード弁装置20を介して連通されている。
【0029】また、このエンジン1の動弁機構は、1気
筒当たり2つの吸気弁8,8の開閉時期が互いにずれる
ように構成されている。詳述すると、吸気通路Aを開閉
する吸気弁8は通常の4サイクルエンジンと同様に開閉
され、吸気通路Bを開閉する吸気弁8は前記吸気弁が閉
じる直前に開き、圧縮行程に入ってから閉じるように構
成されている。この吸気弁8の開閉時期を図8に示す。
図8においてinAで示す曲線は吸気通路Aを開閉する
吸気弁8の開度を示し、inBで示す曲線は吸気通路B
を開閉する吸気弁8の開度を示し、exは排気弁9の開
度を示す。
【0030】すなわち、燃料が供給される吸気通路Aに
主に吸気負圧が作用するようにして燃料をより多く吸い
込ませ、吸気負圧が小さくなる吸気行程の終期に吸気通
路Bから圧力空気を流入させる構造になっている。
【0031】このように4気筒エンジンに本発明を適用
したとしても、過給機用気筒のピストン22が往復する
ことによってエアクリーナボックス15からインレット
チャンバー17に新気が圧送され、吸気弁8が開いたと
きに吸気通路A,Bから混合気および圧力空気が熱機関
用気筒に流入することになる。吸気行程では、1気筒当
たり2つの吸気弁8のうち吸気通路Aを開閉する吸気弁
8が他方の吸気弁8より先に開いて混合気が吸気通路A
を介して吸い込まれ、燃料が充分に吸入された状態で他
方の吸気弁8が開いてインレットチャンバー17から大
量の空気が送り込まれる。このように片方の吸気通路B
から大量の空気が燃焼室内に流入することで燃焼室内に
スワールが生じることになる。
【0032】したがって、このように構成しても熱機関
用気筒に供給される空気および燃料が共に従来のエンジ
ンに較べて多くなって出力が向上すると共に、燃焼室内
にスワールが生じて燃焼が改善され排気ガスが浄化され
る。また、4気筒エンジンの2気筒を過給機用気筒とし
て用いると、実質的に直列(並列)2気筒エンジンにな
ったとしても、直列(並列)4気筒エンジンと同等の低
振動エンジンが得られる。
【0033】また、上述した各実施例では吸気弁8を1
気筒当たり2つ設け、これらの吸気弁8,8で2系統の
吸気通路(吸気通路A,B)をそれぞれ開閉させる例を
示したが、1気筒当たり吸気弁を3つ以上設け、これら
の吸気弁によって2系統の吸気通路を開閉させるように
することもできる。この例を図9に示す。
【0034】図9は吸気弁を3つ設けた他の例を示す構
成図で、同図(a)は燃料供給用吸気通路を2つの吸気
弁によって開閉させると共に過給用吸気通路を1つの吸
気弁によって開閉させる例を示し、同図(b)は燃料供
給用吸気通路を1つの吸気弁によって開閉させると共に
過給用吸気通路を2つの吸気弁によって開閉させる例を
示す。同図において前記図1ないし図8で説明したもの
と同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳
細な説明は省略する。
【0035】図9(a),(b)において、符号8aは
吸気通路Aを開閉させる吸気弁、8bは吸気通路Bを開
閉させる吸気弁である。なお、排気弁9はこの例では1
つとしたが、その数量は適宜変更することが可能であ
る。すなわち、排気弁を2つとすると共に吸気弁を3つ
とし、3つの吸気弁の両側の吸気弁によって開閉される
吸気通路を過給用とすれば、燃焼室内にタンブルが発生
することになる。
【0036】さらに、本発明は上述した2気筒エンジン
や4気筒エンジンの他に、6気筒エンジン、8気筒エン
ジンあるいは3気筒エンジンにも適用することができ
る。これらの多気筒エンジンに実施するに当たっては、
熱機関用気筒と過給機用気筒の配置は図10に示すよう
に行う。
【0037】図10は総気筒数に応じたクランク軸の構
成、クランクピン配置およびシリンダ配置を説明するた
めの図である。同図においてaは前記図1および図2で
説明したような2気筒エンジンに本発明を適用した場合
を示し、bは図3〜図8で説明したような4気筒エンジ
ンに本発明を適用した場合を示し、同様にcはV形6気
筒エンジン、dは直列(並列)6気筒エンジン、eはV
形8気筒エンジン、fはV形3気筒エンジンにそれぞれ
本発明を適用した場合を示す。また、クランク軸に複数
設けられたコンロッド連結部のうち過給機用気筒のコン
ロッドが連結される部分にはハッチングを施してある。
【0038】さらに、クランクピン配置およびシリンダ
配置は、図11および図12に示したようにクランク軸
を軸方向端部から見たときの状態を示している。図11
は2気筒エンジンに用いられるクランク軸の正面図、図
12は3気筒エンジンに用いられるクランク軸の正面図
である。
【0039】多気筒エンジンに本発明を適用するに当た
っては、図10中にa,c,eおよびfで示すようなV
形多気筒エンジンであれば、Vバンクの一方と他方とに
熱機関用気筒と過給機用気筒とを振り分けるようにす
る。このようにすると、このV形エンジンを自動二輪車
に搭載する場合には、クランク軸方向を車体左右方向に
向けると共に過給機用気筒を後側に位置づけることによ
って、エンジン後部の上方に広い空間が形成される。こ
れは、過給機用気筒には動弁機構が設けられておらず、
熱機関用気筒に較べて上方突出寸法が小さくて済むから
である。自動車に搭載する場合には、クランク軸方向を
車幅方向に向けると共に過給機用気筒を前側に位置づけ
ることによって、ボンネットのスラントノーズ化が図れ
る。
【0040】また、図10中にbおよびdで示すように
気筒が一列に並べられた多気筒エンジンであれば、クラ
ンク軸方向両端部に過給機用気筒を位置づけるようにす
る。このようにすると、このエンジンを自動二輪車に搭
載する場合には、クランク軸方向を車体左右方向に向け
ることによって、乗員がニーグリップし易くなる。これ
は、エンジンの最も外側となる部分に上方突出寸法の小
さな過給機用気筒が位置づけられるからである。自動車
に搭載する場合には、クランク軸方向を車体前後方向に
向けることによって、ボンネットのスラントノーズ化が
図られ、クランク軸方向を車幅方向に向けることによっ
て、タイヤハウスの部分を低くすることができる。
【0041】さらに、振動特性としては、図10中cの
場合には実質的に並列3気筒エンジンでありながらV6
気筒エンジンと同等の振動になり、dの場合には実質的
に並列4気筒エンジンでありながら並列6気筒エンジン
と同等の振動になる。また、eの場合には実施的に並列
4気筒エンジンでありながらV形8気筒エンジンと同等
の振動になり、fの場合には、過給機用気筒のピスト
ン、コンロッド等の往復重量を熱機関用気筒のピスト
ン,コンロッドの往復重量の2倍に設定することによっ
て、実質的に並列2気筒でありながらV形4気筒エンジ
ンと同等の振動になる。
【0042】加えて、上述した各実施例では過給機用気
筒のボア、ストロークを熱機関用気筒のボア、ストロー
クと同等に設定したが、本発明はこのような限定にとら
われることなく、過給機用気筒のボア、ストロークは適
宜変更することができる。すなわち、過給効率を実施例
に対して増減させることもできる。また、過給機用気筒
のピストン、コンロッド、シリンダ等の構成部品は、熱
機関用気筒のそれに較べて熱負荷を受けない分、耐熱
性、強度の面で低級化、軽量化できる。
【0043】また、熱機関用気筒に燃料を供給するに当
たっては、気化器以外に燃料噴射装置を用いてもよい。
さらに、上述した各実施例では過給機をエンジンに設け
た例を示したが、本発明はこのような限定にとらわれる
ことなく、過給用吸気通路はエンジンとは別体の過給機
に連通させてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る多吸気
弁式エンジンは、一つの気筒に吸気弁を複数設けると共
に、これらの吸気弁によって開閉される吸気通路を2系
統設け、一方の吸気通路を自然吸気用とし、他方の吸気
通路を過給用としたため、自然吸気用吸気通路から燃焼
室に流入する吸気と、過給用吸気通路から燃焼室内に流
入する吸気とでは流速に差が生じるので、この流速差が
きっかけとなって燃焼室内に旋回流が生じる。
【0045】したがって、過給によって高出力化を図れ
ると共に、燃焼室内に旋回流が生じることによって燃焼
が改善されて排気ガスが浄化される。すなわち、過給を
利用して燃焼室内に旋回流を発生させるため、旋回流を
発生させるための特別な機構、構造が不要になる。この
ため、きわめて簡単な構成によって高出力化および排気
ガスの清浄化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多吸気弁式エンジンの概略構成を
示す縦断面図である。
【図2】吸排気通路の構成を示す平面図である。
【図3】4気筒エンジンに本発明を適用した場合の吸気
通路の構成を示す底面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図3におけるV−V線断面図である。
【図6】図3におけるVI−VI線断面図である。
【図7】図4におけるVII−VII線断面図である。
【図8】吸排気弁の開閉時期を示すグラフである。
【図9】吸気弁を3つ設けた他の例を示す構成図であ
る。
【図10】総気筒数に応じたクランク軸の構成、クラン
クピン配置およびシリンダ配置を説明するための図であ
る。
【図11】2気筒エンジンに用いられるクランク軸の正
面図である。
【図12】3気筒エンジンに用いられるクランク軸の正
面図である。
【符号の説明】
2 熱機関用気筒 3 過給機用気筒 4 クランク軸 5 コンロッド 6 ピストン 8 吸気弁 11 吸気ポート 14 気化器 15 エアクリーナボックス 17 インレットチャンバー 18 リード弁装置 19 空気通路 20 リード弁装置 21 コンロッド 22 ピストン 31 シリンダヘッド A 吸気通路 B 吸気通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの気筒に吸気弁を複数設けると共
    に、これらの吸気弁によって開閉される吸気通路を2系
    統設け、一方の吸気通路を自然吸気用とし、他方の吸気
    通路を過給用としたことを特徴とする多吸気弁式エンジ
    ン。
JP5277400A 1993-10-12 1993-10-12 多吸気弁式エンジン Pending JPH07109929A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5277400A JPH07109929A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 多吸気弁式エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5277400A JPH07109929A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 多吸気弁式エンジン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07109929A true JPH07109929A (ja) 1995-04-25

Family

ID=17583021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5277400A Pending JPH07109929A (ja) 1993-10-12 1993-10-12 多吸気弁式エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07109929A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1102197C (zh) * 1997-07-07 2003-02-26 本田技研工业株式会社 带增压泵的火花点火式四冲程内燃机
CN1107792C (zh) * 1997-07-29 2003-05-07 本田技研工业株式会社 往复运动式压缩机
CN100360773C (zh) * 2006-04-06 2008-01-09 郑哲立 超高增压双循环变排量内燃机

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1102197C (zh) * 1997-07-07 2003-02-26 本田技研工业株式会社 带增压泵的火花点火式四冲程内燃机
CN1107792C (zh) * 1997-07-29 2003-05-07 本田技研工业株式会社 往复运动式压缩机
CN100360773C (zh) * 2006-04-06 2008-01-09 郑哲立 超高增压双循环变排量内燃机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7299787B2 (en) Internal combustion engine intake device
JPS6312820A (ja) 2サイクル内燃機関
EP0402091B1 (en) A four-cycle twelve cylinder engine
US7296563B2 (en) Internal combustion engine intake device
TWI301172B (ja)
JPS63263214A (ja) 船外機用v型2サイクルエンジン
US7444974B2 (en) Internal combustion engine intake device
JPH07109929A (ja) 多吸気弁式エンジン
JP2653858B2 (ja) 内燃エンジン
US7392778B2 (en) Internal combustion engine intake device
JPH0988746A (ja) V型多気筒エンジンの吸気装置
JPH0663453B2 (ja) 2サイクル内燃機関
JP2001336425A (ja) 4サイクルv型エンジンを搭載した船外機
JPS63179130A (ja) 自動2輪車の過給エンジン
JPH05302521A (ja) 2サイクルエンジンの掃気装置
JP2726717B2 (ja) 2サイクル内燃機関の排気装置
JPS637253B2 (ja)
JP3912640B2 (ja) 船外機用エンジンにおける高圧燃料ポンプ駆動装置
JPS5996432A (ja) 過給式多気筒内燃機関における過給用気筒の弁装置
JPH02233827A (ja) クランク室圧縮付吸気方による4行程エンジン吸気量増加方
JP2777421B2 (ja) 2サイクルエンジン
JPH04234523A (ja) 2サイクルv型多気筒エンジン
JPS639628A (ja) 2サイクル内燃機関
US20140102408A1 (en) Multi-cylinder internal combustion engine using exhaust gases to increase cylinder filling
JPH0450428A (ja) 2サイクル燃焼