JPH07109194B2 - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

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JPH07109194B2
JPH07109194B2 JP63196562A JP19656288A JPH07109194B2 JP H07109194 B2 JPH07109194 B2 JP H07109194B2 JP 63196562 A JP63196562 A JP 63196562A JP 19656288 A JP19656288 A JP 19656288A JP H07109194 B2 JPH07109194 B2 JP H07109194B2
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秀夫 平野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は空気調和装置等に使用されるロータリ圧縮機に
関するものである。
従来の技術 近年、ロータリ圧縮機の高速化が進むにつれて、ローラ
とブレードとの摺動によりローラ外周面の摩耗が増大
し、それにより性能が低下したり、ロックが発生しやす
くなるなどの傾向が従来に比べて強くなり、ローラ外周
面の摩耗の改善が強く望まれている。
以下図面を参照しながら、従来のロータリ圧縮機の一例
(特開昭62−48984号公報)について説明する。
第4図、第5図はロータリ圧縮機の縦断面図、横断面
図、第6図はローラの製造方法を示す斜視図、第7図は
ローラの断面図、第8図は耐摩耗性を示すグラフであ
る。
第4図において、1はケース本体である。このケース本
体1の内部には電動機部2と圧縮機部3とが設けられて
いる。電動機部2はローラ4と一体に回転するシャフト
5には偏心部6が設けられ、この偏心部6は上記圧縮機
部3のシリンダ7内において偏心回転運動するようにな
っている。そして、上記偏心部6には第5図に示すよう
にローラ8が嵌合され、このローラ8にはブレード9が
摺接している。ローラ8はアルミニウム材料によって形
成され、その表面、すなわち外周部、上面部及び下面部
にはセラミックコーティング膜10が施されている。この
セラミックコーティング膜10は、具体的にはアモルファ
スシリコン膜で、炭素および窒素のうち少なくとも一方
の原子を含む膜であり、耐摩耗性に優れている。
ローラ8の製造方法について説明する。
まず第6図に示すようにアルミニウム材料をパイプ状に
連続押し出し成形によってローラ素材11を形成する。つ
ぎに、このローラ素材11を所定長に切断することにより
ローラ本体12を形成し、このローラ本体12に第7図に示
すように表面にセラミックコーティングを施す。このコ
ーティングに際し、アモルファスSi3N4、SiCはCVD法等
で、低温下でしかも比較的高速で着膜できるために量産
性に富んでいる。
しかも、上述のように、ローラ8の表面にセラミックコ
ーティングを施すことにより耐摩耗性を向上できる。す
なわち、第8図に示すように、Si3N4同士の場合にはオ
イル無しの場合に焼付荷重が極端に低くなるが、鋳鉄と
Si3N4とを組合せすることにより、オイル有・無に関係
なく焼付荷重が高くなる。これはセラミック材と金属の
融点が極端に違うため凝着は起さない。しかも、フレオ
ン雰囲気中であるので鉄系側には塩化鉄が形成され、そ
れが摩擦の低減に効果があるからである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、ローラ外周面の角
において、軸受を有する端板と接触しセラミックコーテ
ィング層のはく離が発生しやすく、これを防止するため
に面取り等の対策が必要となるが、これは大巾な性能の
低下を招く。また、ローラの外周面において、始動や除
霜などの過度運転時にブレードのジャンピングが発生
し、ローラ外周面に衝撃荷重が加わり、セラミックコー
ティング層の破壊やはく離が生じる。更に、ローラの母
材として使っているアルミニウム系材料とセラミックコ
ーティング層の熱膨張率の差が大きく、ON−OFF運転に
伴なう熱疲労によりセラミックコーティング層に亀裂や
はく離が生じる。以上述べた信頼性の低下に加え、セラ
ミックコーティング層を形成するため、コスト高になる
という問題点も有する。特に、PVD法を用いる場合は歩
留まりが悪くその傾向は強い。
本発明は上記問題点に鑑み、高速運転におけるローラ外
周面の摩耗を防止できる信頼性の高いロータリ圧縮機を
提供するものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明のロータリ圧縮機は、
シリンダの内壁に沿って偏心回転するピストンを2重に
構成し、外側の第1のローラと内側の第2のローラによ
り形成される隙間を高さ方向中央部の隙間の大きさ<端
部の隙間の大きさとしたものである。
作用 本発明は上記した構成によって、第1のローラと第2の
ローラの間に形成された隙間により第1のローラにすべ
りを発生させ、ブレードに対する第1のローラの相対速
度すなわちすべり速度を小さくし、ピストンの外周面の
摩耗を防止するものである。
実施例 以下、本発明の一実施例のロータリ圧縮機について、図
面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の第1の実施例におけるロータリ圧縮機
の横断面図であり、第2図はピストンの縦断面図であ
る。
第1図において、13はロータリ圧縮機であり、密閉容器
14の内部にシリンダ15が溶接固定されている。16はピス
トンであり、外側に第1のローラ16aと内側に第2のロ
ーラ16bとを有し、軸17の偏心部18に嵌合され、軸17の
回転に従いシリンダ15の内壁に沿い偏心回転運動をす
る。
第2図に示すように、ピストン16には第1のローラ16a
と第2のローラ16bの間には隙間が形成され、かつ第2
のローラ16bの外径は高さ方向中央部に比べ上部や下部
において小さく設定されている。すなわち、第2のロー
ラ16bの中央部の隙間は、軸17の偏心部18と同じかそれ
以上の高さの範囲で偏心部18と第2のローラ16bとの隙
間と同等に設定され、上部、下部の隙間は中央部より大
きく設定されている。また、第1のローラ16aの肉厚
は、第2のローラ16bに比べ厚く設定されている。19は
ブレードでありバネ20と背圧により付勢され常時第1の
ローラ16aの外周に当接し、シリンダ15の内部空間を低
圧側の吸入室21と高圧側の圧縮室22に区分している。な
お、23は吸入管であり、吸入室21に接続されている。
以上のように構成されたロータリ圧縮機について、以下
第1図を用いて動作を説明する。
軸17の回転によりピストン16にシリンダ15の内壁に沿っ
て偏心回転し、それに伴ない吸入室21において冷媒の吸
入を行ない、圧縮室22において冷媒の圧縮及び吐出弁
(図示せず)を介した密閉容器14内部への吐出を行なっ
ている。しかし、ピストン16は軸17の偏心部18に回転自
在に取付けられているので、その運動は偏心部18中心と
ともに行なう運動と、偏心部18中心まわりの運動との組
合せとなり、ブレード19の先端におけるピストン16のす
べり速度Vは次式で与えられる。
V=r・Wp+e・Ws・cosθ/cosα ここで、r=ピストン半径、e:偏心量、Wp、Ws:ピスト
ン自動角速度、軸回転角速度、θ:クランク角度、 R:シリンダ半径を示す。
ピストン16の回転運動は主にピストン16の内周と偏心部
17の油膜による摩擦モーメントと、ピストン16の外周と
ブレード19の先端の摺動部における接線力により決ま
り、軸17の回転数が増すにつれ、ピストン17の自転速度
は増し、上式によりブレード19先端におけるピストン16
のすべり速度は大きくなる。しかし、ピストン16が2重
構造であり、第1のローラ16aと第2のローラ16bの間で
すべりが発生し、第1のローラ16aの自転角速度は小さ
く、遅い。更に、第1のローラ16aと第2のローラ16bの
上部と下部における隙間は中央部より大きいため、油膜
による摩擦モーメントは小さく、第1のローラ16aの自
転角速度は更に小さくなる。
その結果、ブレード19の先端における第1のローラ16
a、すなわちピストン16のすべり速度は非常に小さく、
ピストン16の外周面における摩耗を防止できる。また、
ブレード19の先端において発生する動力損失も小さく、
ロータリ圧縮機の効率を向上でき、空気調和装置の消費
電力を低減できるという効果も有する。
第3図は本発明の第2の実施例におけるロータリ圧縮機
のピストンの縦断面図を示すものである。
図中、24はピストンであり、外側に第1のローラ24aと
内側に第2のローラ24bを有する。第2のローラ24bはた
いこ型であり、外径は中央部で最大となり、上部と下部
の端部で最小となっている。また、第1のローラ24aの
肉厚は第2のローラ24bより厚く設定されている。
本実施例は第1の実施例と同様の作用及び効果を有する
が、特に、内側にある第2のローラ24bをたいこ形状に
して、第1のローラ24aとの隙間を中央部より端部にお
いて大きくしていることに特徴がある。そのため、第1
のローラ24aは図中矢印の方向にも回転可能であり、ピ
ストン24の上下端面の相手側の端板に沿って動き、始動
運転などの過度運転においても第1ローラ24aが端板に
片当りすることなく滑らかな運転ができる。したがっ
て、始動運転を更に高速化でき、かつ除霜運転も更に高
速化できるため空気調和装置の立上り性能や快適性を向
上できるという効果も有する。なお、第1のローラ24a
の肉厚は厚く、上下端面におけるシール性能は十分確保
できているため、第2のローラ24bの高さを第1のロー
ラ24aより下げることができ、これにより始動時の第2
のローラ24bの上下方向隙間が温度上昇により詰まるこ
とはなく、更に始動時の高速化が可能となる。
発明の効果 以上のように本発明は、シリンダの内壁に沿って偏心回
転するピストンを2重に構成し、前記外側の第1のロー
ラと内側の第2のローラにより形成される隙間を高さ方
向中央部の隙間の大きさ<端部の隙間の大きさとしたも
のであり、ピストンの外周摩耗を防止できロータリ圧縮
の信頼性を向上できるだけでなく、効率も向上できて、
更にロータリ圧縮機を高速化でき、空気調和装置の立上
り性能や快適性を向上できるなどの効果も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例におけるロータリ圧縮機
の断面図、第2図な第1の実施例のピストンの縦断面
図、第3図は本発明の第2の実施例におけるロータリ圧
縮機のピストンの縦断面図、第4図は従来のロータリ圧
縮機の縦断面図、第5図は従来のロータリ圧縮機の横断
面図、第6図は従来のロータリ圧縮機のローラの製造方
法を示す斜視図、第7図は従来のロータリ圧縮機のロー
ラの縦断面図、第8図は従来のロータリ圧縮機のローラ
材料の耐摩耗性を示すグラフである。 15……シリンダ、16……ピストン、16a……第1のロー
ラ、16b……第2のローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダの内壁に沿って偏心回転するピス
    トンを2重に構成し、外側の第1のローラと内側の第2
    のローラにより形成される隙間を、高さ方向中央部の隙
    間の大きさをA、高さ方向端部の隙間の大きさをBとし
    た場合、A<Bとしたロータリ圧縮機。
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