JPH07107551A - 衛星通信回線の設定方法、移動局の位置決定方法およびその登録方法 - Google Patents

衛星通信回線の設定方法、移動局の位置決定方法およびその登録方法

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JPH07107551A
JPH07107551A JP5244656A JP24465693A JPH07107551A JP H07107551 A JPH07107551 A JP H07107551A JP 5244656 A JP5244656 A JP 5244656A JP 24465693 A JP24465693 A JP 24465693A JP H07107551 A JPH07107551 A JP H07107551A
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祐一 乙津
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彰夫 磯
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UCHU TSUSHIN KISO GIJUTSU KENK
UCHU TSUSHIN KISO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Mitsubishi Electric Corp
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UCHU TSUSHIN KISO GIJUTSU KENK
UCHU TSUSHIN KISO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電波伝播の自由空間損失と遅延時間を低減で
き、静止衛星通信や地上無線通回線に対する耐干渉性能
と通信回線の稼働率を向上できる衛星通信回線を得る。 【構成】 遠地点半径Raと静止軌道の半径RgがRa
<=Rg、周期Pと離心率eがe<=(P/Pg)3/2
−1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角iがi>
0で、楕円軌道を有する3機以上の通信衛星の遠地点の
直下点周辺地域において、各通信衛星のアンテナビーム
が共通に照射する地域内に複数の地球局を設置すること
で、通信衛星に対して、高い仰角と3方向以上の方位角
の地球局が得られ、自由空間における小さな電波伝播損
失と短い遅延時間の衛星通信回線を設定することができ
る。更に、従来の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信
及び地上無線通信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通
信回線稼働率とを向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の通信衛星と複
数の地球局とからなる衛星通信の構成に関し、多数の移
動型または固定型地球局と複数の固定型地球局との間
に、複数の通信衛星を経由した音声、画像、データ等の
情報信号の通信回線の設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一定の周期と軌道傾斜角をもつ人工衛星
は地球に対して一定の相対速度を持ち、地球上の多数の
地点の上空を定期的に通過するので、この特長を生かし
た楕円や円軌道の衛星通信システムは、一般に通信サー
ビスエリアを全世界規模に拡張でき、また高い緯度にお
ける地球の通信衛星に対する仰角を静止軌道の衛星通信
システムより高くできる利点を有している。図19は、
例えばG.Maral,M.Bousquet共著の
「SATELLITE COMMUNICATIONS
SYSTEMS」第7章、P249〜251、199
3年、John Wiley&Sons社出版に示され
た従来のモルニア軌道の通信衛星の衛星直下点軌跡の例
である。図19において、501は衛星直下点の軌跡で
ある。図20は、例えばG.Maral,M.Bous
quet共著の「SATELLITE COMMUNI
CATIONS SYSTEMS」第7章、P249〜
251、1993年、John Wiley&Sons
社出版に示された従来のツンドラ軌道の通信衛星の衛星
直下点軌跡の例である。図20において、502は衛星
直下点の軌跡である。図21は、例えばJ.Nauc
k,H.J.Gunter,K.Plate共著の「A
NEW TYPE OF FOR INMARSA
T’s 3rdGENERATION(MOBILE
COMMUNICATION ANDNAVIGATI
ON)」38th CONGRESS OF THE
INTERNATIONAL ASTRONAUTIC
AL FEDERATION,IAF−87−481,
Oct.10−17,1987/Brighton,U
nited Kingdomに示されるルーパス軌道の
通信衛星の衛星直下点の軌跡の例である。図21におい
て、503は衛星直下点の軌跡である。図22は、公開
特許公報平2−179035に示される低高度、円軌道
の通信衛星の配置例である。図22において、101,
102,…,105は通信衛星、505,…,510は
軌道、21はトランク領域(ゲートウエイ)、22は公
衆電話回線網、23はユーザ、2,…5は移動局、70
1,702,703,…,706は衛星相互間の通信回
線、601,602,…,605は地球局と衛星との通
信回線である。
【0003】次に動作について図19を用いて説明す
る。モルニア軌道501の通信衛星の代表的な遠地点高
度は39105Kmで、静止高度35786.1Kmよ
り高く、静止軌道の衛星通信に比して、モルニア軌道の
衛星通信の電波伝播遅延時間は1.1倍長くなり、また
自由空間損失は0.1dB増加する。また、軌道傾斜角
i=63.4度、周期p=12時間であるので、地球局
が通信衛星に対し所要の仰角を確保できる地球の大きさ
に関しては、高緯度63.4度より低い中緯度地域の地
球局が設置できる範囲は高緯度地域の地球局が設置でき
る範囲に比して減少する。また、地球局の衛星からの受
信周波数は、中緯度地域の地球局は高緯度地域の地球局
に比して衛星と地球局との相対速度が大きくなり、より
大きなドップラー周波数シフトを受ける。これらの特長
を生かして、静止衛星通信の困難な旧ソ連の高緯度地域
において、電波伝播遅延時間の影響の少ない軍用衛星通
信に使用されている。
【0004】また図20において、ツンドラ軌道502
の通信衛星の代表的な遠地点高度は46340Kmで、
静止高度35786.1Kmより高く、ツンドラ軌道の
衛星通信の電波伝播遅延時間は、静止軌道の衛星通信に
比して、1.3倍長くなり、また自由空間損失は静止軌
道の衛星通信に比して、2.3dB増加する。また、軌
道傾斜角i=63.4度、周期p=24時間であるの
で、地球局が通信衛星に対し所要の仰角を確保できる地
球の大きさに関しては、高緯度63.4度より低い中緯
度地域の地球局が設置できる範囲は高緯度地域の地球局
が設置できる範囲に比して減少する。また、地球局の衛
星からの受信周波数は、中緯度地域の地球局は高緯度地
域の地球局に比して衛星と地球局との相対速度が大きく
なり、より大きなドプラー周波数シフトを受ける。これ
らの特徴を生かして、静止衛星通信の困難な高緯度地域
において、静止軌道の衛星通信用地球局の仰角より大き
な仰角の地球局が必要とし、電波伝播遅延時間及び自由
空間損失の影響の少ない衛星通信に用いられる。
【0005】また図21において、ルーパス軌道503
の通信衛星の代表的な遠地点高度は41566Kmで、
静止高度35786.1Kmより高く、ルーパス軌道の
衛星通信の電波伝播遅延時間は、静止軌道の衛星通信に
比して、1.16倍長くなり、また自由空間損失は静止
軌道の衛星通信に比して、1.3dB増加する。また、
衛星の周期は14.4時間であるので、5周目の72時
間後に元の位置に戻る。更に、軌道傾斜角i=63.4
度、周期p=14.4時間であるので、地球局が通信衛
星に対し所要の仰角を確保できる地域の大きさに関して
は、高緯度63.4度より低い中緯度地域の地球局が設
置できる範囲は高緯度地域の地球局が設置できる範囲に
比して減少する。また、地球局の衛星からの受信周波数
は、中緯度地域の地球局は高緯度地域の地球局に比して
衛星と地球局との相対速度が大きくなり、より大きなド
プラー周波数シフトを受ける。これらの特徴を生かし
て、ルーパス軌道の通信衛星は、高緯度の海上や陸上地
域における地球局の衛星に対する高仰角が必要な移動体
衛星通信用として検討されている。
【0006】次に動作について図22(a)を用いて説
明する。円軌道505,…,510の典型的な通信衛星
であるイリジウム通信衛星の代表的高度は765Km
で、静止高度35786.1Kmより低く、イリジウム
軌道の衛星通信の電波伝播遅延時間は、静止軌道の衛星
通信に比して、46.8分の1であり、また自由空間損
失は静止軌道の衛星通信に比して、33.4dB減少す
る。また、衛星の周期は100分で、静止衛星の周期の
14.4分の1、軌道傾斜角は98.0度であるので、
緯度が98.0度より低い地域の地球局は、衛星と地球
局との相対速度が大きくなり、地球局の受信周波数は大
きなドプラー周波数シフトを受け、衛星の周期100分
間隔で変化する。このため、地球局は周期100分で飛
翔中の通信衛星に指向して、次々とアンテナビームを切
り替えて通信回線を設定する。移動局2が軌道506の
通信衛星102のアンテナビーム照射地域内に位置する
時は、移動局2と通信衛星102との間で上り/下りの
衛星通信回線が形成される。同様に、軌道509の通信
衛星105のアンテナビーム照射地域内に存在する移動
局5は通信衛星105との間で上り/下りの衛星通信回
線を形成する。
【0007】ついで、図22(b)を用いて説明する。
通信衛星102のアンテナビームの照射地域内に存在す
る移動局2からの送信信号は、通信衛星102で受信さ
れる。そして、通信衛星102のスイッチングユニット
によって、通信衛星102と通信衛星101との間の衛
星相互間の通信回線702が設定される。その結果、通
信衛星102の受信信号は、衛星相互間の通信回線70
2を経由して通信衛星101に送られる。更にその信号
は通信衛星101のアンテナビームの照射地域内に設け
られたトランク領域(ゲートウエイ)21で受信される
と共に、トランク領域(ゲートウエイ)21内に設けら
れたデータ・ベース・コンピュータによって、ユーザの
位置、宛先情報等が処理された後、公衆電話回線網22
を経由して、ユーザ端末機23に接続される。他方ユー
ザ23からの送信信号は、同じ経路を逆に辿って移動局
2に接続される。このようにして、移動局2と地上公衆
通信回線網のユーザ端末機23との間で双方向の通信回
線が設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の周回軌道衛星通
信システムは以上のように構成されているので、地球局
の周回軌道衛星に対する仰角及び方位角は時々刻々変化
し低い仰角となるので、静止軌道通信衛星に対する仰角
及び方位角とほぼ等しくなる場合がある。更に、地球局
の低仰角の受信アンテナビームと地上無線通信局の送信
アンテナビームと一致する場合がある。これらの場合、
従来の周回軌道衛星通信システムの地球局の受信機が、
静止軌道通信衛星の送信機や地上無線通信局の送信機か
ら電波干渉を受けるという問題点があった。また、周回
軌道衛星通信システムの地球局の仰角が小さくなり、送
信アンテナビームが静止軌道通信衛星の受信アンテナビ
ームまたは地上無線通信局の受信アンテナビームに一致
する場合があり、周回軌道衛星通信システムの地球局の
大電力送信電波信号が静止軌道通信衛星の受信機や地上
無線通信局の受信機に電波干渉を与えるという問題点が
あった。更に、地球局の位置を決定するために、衛星通
信用以外の周波数帯と信号を用いる距離と角度測定法や
他の衛星から受信する位置情報を用いるので、即時に移
動局の現在位置の決定と登録並びに更新をできない問題
点があった。これに加えて、地球局と1つの通信衛星と
で衛星通信回線を形成するために地球局の通信衛星に対
する仰角と方位角が1つに限られ、1つの方位角方向の
高層建造物等の遮蔽の影響により、通信衛星を経由する
地球局の受信電界が小さくなり、衛星通信回線の稼働率
が低下する問題点があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、静止軌道衛星通信より、通信
衛星と地球局間の電波伝播の自由空間損失と遅延時間を
低減でき、また静止軌道通信衛星に対する地球局の仰角
より、大きな仰角と多方向の方位角の地球局を設置で
き、静止衛星通信や地上無線通回線に対する耐干渉性能
と通信回線の稼働率を高めることができる衛星通信回線
を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる衛星通
信回線の設定方法は、遠地点半径Raが静止軌道の半径
Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eがe<=
(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)及び軌
道傾斜角i>0の同一楕円軌道を有する3機以上の通信
衛星の遠地点の直下点周辺地域において、角通信衛星の
アンテナビームが共通に照射される地域内に3方向以上
の仰角と方位角を有する複数の地球局を具備したもので
ある。
【0011】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、遠地点半径Raが静止軌道の半径Rg以下(Ra<
=Rg)、周期Pと離心率eがe<=(P/Pg)3/2
−1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角i=0の
同一楕円軌道を有する3機以上の通信衛星の遠地点の直
下点周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが
共有する照射地域内に3方向以上の仰角と方位角を有す
る複数の地球局とを具備したものである。
【0012】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、昇交点赤径Ωが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜角iがi>0を満たす、2つ以上の楕円軌
道上に配置する、3機以上の通信衛星の遠地点の直下点
周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共通
に照射する地域内に3方向以上の仰角と方位角を有する
複数の地球局を具備したものである。
【0013】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、軌道傾斜角iが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜角iがi>0を満たす、2つ以上の楕円軌
道上に配置する、3機以上の通信衛星の遠地点の直下点
周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共通
に照射する地域内に3方向以上の仰角と方位角を有する
複数の地球局を具備したものである。
【0014】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、離心率周期eが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜角iがi>0を満たす、2つ以上の楕円軌
道上に配置する、3機以上の通信衛星の遠地点の直下点
周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共通
に照射する地域内に3方向以上の仰角と方位角を有する
複数の地球局を具備したものである。
【0015】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、近地点引数ωが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期P、離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜各iがi>0で、2軌道以上に配置する、
3機以上の通信衛星の遠地点の直下点周辺地域におい
て、各通信衛星のアンテナビームが共通に照射する地域
内に3方向以上の仰角と方位角を有する複数の地球局を
具備したものである。
【0016】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、遠地点半径Raが静止軌道の遠地点半径Rg以下
(Ra<=Rg)、周期P、離心率eがe<=(P/P
g)3/ 2 −1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角
iがi>0で、同一楕円軌道の3機以上の通信衛星と軌
道傾斜角i=0の通信衛星とを配置するとともに、3機
以上の通信衛星の遠地点の直下点周辺地域において、楕
円軌道及び軌道傾斜角i=0の各通信衛星のアンテナビ
ームが共通に照射する地域内に4方向以上の仰角と方位
角を有する複数の地球局を具備したものである。
【0017】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、周期PがP=Pg/n(Pg:地球の自転周期
n:2以上の整数)、遠地点半径Raが静止軌道の半径
Rg以下(Ra<=Rg)、及び離心率eがe<=(P
/Pg)2/3 −1の同一の楕円軌道を有する3機以上の
通信衛星からなる通信衛星群が形成するn群の通信衛星
において、通信衛星の直下点経度方向に対して360度
/nの間隔を保ち、直下点緯度方向に対して同一方向に
配置され、且つ相互に同期保持される通信衛星群の遠地
点の直下点付近における、3機以上の通信衛星アンテナ
ビームが共通に照射する地域内に3方向以上の仰角と方
位角を有する複数の地球局を具備したものである。
【0018】この発明に係わる移動局の位置決定方法と
登録方法は、3機以上の通信衛星のアンテナビームが共
通に照射する地域内の移動局と固定局とが通信衛星を経
由して設定する衛星通信回線制御信号用無線チャンネル
において、同期信号が固定局から通信衛星を経由し、移
動局に至り、移動局で折り返した後、再び通信衛星を中
継し、固定局に戻るまでの、固定局と移動局間の同期信
号の往復伝播遅延時間と同期信号が固定局から通信衛星
を経由し、固定局に戻るまでの、固定局と通信衛星間の
同期信号の往復伝播遅延時間との差から計算される各通
信衛星と移動局間の距離に等しい長さの母線を持つ円錐
の底面が地表面に描く3つ以上の円の軌跡の交点を移動
局の位置情報とするとともに、固定局における位置情報
の登録、更新に加えて、衛星通信回線制御用無線チャン
ネルを用いることにより、移動局に対する最新の位置情
報の送出と移動局における位置情報の表示とを具備した
ものである。
【0019】この発明に係わる移動局から通信衛星を経
由して固定局に至る上り衛星通信回線の設定方法は、3
機以上の通信衛星のアンテナビームが共通に照射する地
域内の移動局と固定局とが通信衛星を経由して形成す
る、音声信号等の情報用無線チャンネルと地上通信網ユ
ーザ端末機に対する呼び出し識別信号等の通信回線制御
信号用無線チャンネルとからなる衛星通信回線におい
て、移動局からの地上通信網ユーザ端末機に対する呼び
出し信号を基に、移動局発信の上りの回線制御信号用無
線チャンネルを3機以上の通信衛星経由で固定局へ送信
し、固定局が通信衛星経由の3波以上の回線制御信号用
無線チャンネルの受信電界強度を比較し、最大の受信電
界強度の回線制御信号用無線チャンネルに対応する通信
衛星に割り当てられている情報信号用無線チャンネルを
指定し、下りの回線制御信号用無線チャンネルによって
移動局へ送信し、移動局が固定局の指定する通信衛星の
情報信号用無線チャンネルに切り替え、移動局から通信
衛星を経由し固定局に至る情報信号の固定局における導
通確認を具備したものである。
【0020】この発明に係わる固定局から通信衛星経由
の移動局に至る下り衛星通信回線の設定方法は、3機以
上の通信衛星アンテナビームが共通に照射する地域内の
移動局と固定局とが衛星を経由して形成する、電話信号
等の情報信号用無線チャンネルと移動局に対する呼び出
し識別信号等の回線制御信号用無線チャンネルとからな
る衛星通信回線において、移動局が、地上通信網ユーザ
端末機からの移動局に対する呼び出し識別信号を、固定
局発信の下りの回線制御信号用無線チャンネルを通信衛
星を経由して受信し、移動局に対する呼び出し識別信号
が移動局の識別信号と同じ場合、移動局は応答信号を移
動局発信の上りの回線制御信号用無線チャンネルを3機
以上の通信衛星を経由して固定局へ送信し、固定局が通
信衛星群経由の3波以上の回線制御用無線チャンネルの
受信電界強度を比較し、最大の受信電界強度の回線制御
信号用無線チャンネルに対応する通信衛星に割り当てら
れている通信無線チャンネルを指定し、下りの回線制御
信号用無線チャンネルによって移動局へ送信し、移動局
が固定局が指定する通信衛星の情報信号用無線チャンネ
ルに切り替えてから、指定の通信衛星を経由して固定局
へ送信し、固定局において移動局から通信衛星を経由し
固定局に至る情報信号の導通確認を具備したものであ
る。
【0021】
【作用】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法は、
遠地点半径Raが静止軌道の半径Rg以下(Ra<=R
g)、周期Pと離心率eがe<=(P/Pg)3/2 −1
(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角iがi>0
で、同一楕円軌道を有する3機以上の通信衛星の遠地点
の直下点周辺地域において、各通信衛星のアンテナビー
ムが共通に照射する地域内に複数の地球局を設置するこ
とで、通信衛星に対して高い仰角と3方向以上の方位角
の地球局が得られ、自由空間における小さな電波伝播損
失と短い遅延時間の衛星通信回線を設定することができ
る。更に、従来の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信
及び地上無線通信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通
信回線稼働率とを高めることができる。
【0022】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、遠地点半径Raが静止軌道の半径Rg以下(Ra<
=Rg)、周期Pと離心率eがe<=(P/Pg)3/2
−1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角iがi=
0で、同一楕円軌道を有する3機以上の通信衛星の遠地
点の直下点周辺地域において、各通信衛星のアンテナビ
ームが共通に照射する地域内に複数の地球局を設置する
ことで、通信衛星に対して高い仰角と3方向以上の方位
角の地球局が得られ、自由空間における小さな電波伝播
損失と短い遅延時間の衛星通信回線を設定することがで
きる。更に、従来の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通
信及び地上無線通信回線に対する耐電波干渉性能と衛星
通信回線稼働率とを高めることができる。
【0023】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、昇交点赤径Ωが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜角iがi>0を満たす、2つ以上の楕円軌
道情に配置される、3機以上の通信衛星の遠地点の直下
点周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共
通に照射する地域内に複数の地球局を設置することで、
通信衛星に対して高い仰角と3方向以上の方位角の地球
局が得られ、自由空間における小さな電波伝播損失と短
い遅延時間の衛星通信回線を設定することができる。更
に、従来の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信及び地
上無線通信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通信回線
稼働率とを高めることができる。
【0024】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、軌道傾斜角iが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜角iがi>0を満たす2つ以上の楕円軌道
上に配置される、3機以上の通信衛星の遠地点の直下点
周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共通
に照射する地域内に複数の地球局を設置することで、通
信衛星に対して、大きな仰角と3方向以上の地球局が得
られ、自由空間における小さな電波伝播損失と短い遅延
時間の衛星通信回線を設定することができる。更に、従
来の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信及び地上無線
通信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通信回線稼働率
とを高めることができる。
【0025】この発明に係わる衛星通信回線設定法は、
離心率eが異なり、遠地点半径Raが静止軌道の遠地点
半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期Pと離心率eがe
<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)及
び軌道傾斜角iがi>0を満たす2つ以上の楕円軌道上
に配置される、3機以上の通信衛星の遠地点の直下点周
辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共通に
照射する地域内に複数の地球局を設置することで、通信
衛星に対して、高い仰角と3方向以上の地球局が得ら
れ、自由空間における小さな電波伝播損失と短い遅延時
間の衛星通信回線を設定することができる。更に、従来
の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信及び地上無線通
信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通信回線稼働率と
を高めることができる。
【0026】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、近地点引数ωが異なり、遠地点半径Raが静止軌道
の半径Rg以下(Ra<=Rg)、周期P、離心率eが
e<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)
及び軌道傾斜角iがi>0を満たす2つ以上の楕円軌道
上に配置される、3機以上の通信衛星の遠地点の直下点
周辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共通
に照射する地域内に複数の地球局を設置することで、通
信衛星に対して大きな仰角と3方向以上の地球局が得ら
れ、自由空間における小さな電波伝播損失と短い遅延時
間の衛星通信回線を設定することができる。更に、従来
の楕円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信及び地上無線通
信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通信回線稼働率と
を高めることができる。
【0027】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、遠地点半径Raが静止軌道の半径Rg以下(Ra<
=Rg)、周期P、離心率eがe<=(P/Pg)3/2
−1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角iがi>
0を満たす2つ以上の楕円軌道上に配置される、3機以
上の通信衛星と軌道傾斜角iがi=0を満たす楕円また
は円軌道上に配置される、通信衛星とにおいて、3機以
上のi>0を満たす楕円軌道通信衛星の遠地点の直下点
周辺地域において、楕円軌道及びi=0を満たす楕円ま
たは円軌道上の各通信衛星のアンテナビームが共通に照
射する地域内に複数の地球局を設置することで、通信衛
星に対して、高い仰角と4方向以上の地球局が得られ、
自由空間における小さな電波伝播損失と短い遅延時間の
衛星通信回線を設定することができる。更に、従来の楕
円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信及び地上無線通信回
線に対する耐電波干渉性能と衛星通信回線稼働率とを高
めることができる。
【0028】この発明に係わる衛星通信回線の設定方法
は、周期PがP=Pg/n(Pg:地球の自転周期
n:2以上の整数)、遠地点半径Raが静止軌道の半径
Rg以下(Ra<=Rg)、及び離心率eがe<=(P
/Pg)2/3 −1の同一の楕円軌道を有する3機以上の
通信衛星からなる通信衛星群が形成するn群の通信衛星
において、通信衛星の直下点経度が360度/nの間隔
を保ち、直下点緯度が同一である通信衛星の遠地点の直
下点付近における、3機以上の通信衛星アンテナビーム
が共通に照射する3方向以上の仰角と方位角を有する複
数の地球局を設置することで、自由空間における小さな
電波伝播損失と短い遅延時間の地球局と衛星との間及び
衛星相互間の通信回線を設定することができる。更に、
従来の楕円及び円軌道衛星通信、静止軌道衛星通信及び
地上無線通信回線に対する耐電波干渉性能と衛星通信回
線稼働率とを高めることができる。
【0029】この発明に係わる移動局の位置決定と登録
法は、3機以上の通信衛星のアンテナビームが共通に照
射する地域内の移動局と固定局とが通信衛星を経由して
形成する衛星通信回線制御信号用無線チャンネルを用
い、同期信号が固定局から通信衛星を経由し、移動局に
至り、移動局で折り返した後、再び通信衛星を中継し、
固定局に戻るまでの、固定局と移動局間の同期信号の往
復伝播遅延時間と同期信号が固定局から通信衛星を経由
し、固定局に戻るまでの、固定局と通信衛星間の同期信
号の往復伝播遅延時間との差から計算される各通信衛星
と移動局間の距離に等しい円錐の稜が地表面に描く3つ
以上の円の軌跡の交点を移動局の位置情報とすること
で、固定局における移動局の位置情報の登録、更新に加
えて、衛星通信回線制御用無線チャンネルを用い、移動
局に対する最新の位置情報の送出と移動局における位置
情報の表示とを即時に行うこととができる。
【0030】この発明に係わる移動局から通信衛星を経
由し固定局に至る上り衛星通信回線の設定方法は、3機
以上の通信衛星のアンテナビームが共通に照射する地域
内の移動局と固定局とが通信衛星を経由して形成する、
電話信号等の情報信号用無線チャンネルと地上通信網ユ
ーザ端末機に対する呼び出し識別信号等の回線制御信号
用無線チャンネルとからなる衛星通信回線において、移
動局からの地上通信網ユーザ端末機に対する呼び出し信
号を基に、移動局発信の上りの回線制御信号用無線チャ
ンネルを用いて、3機以上の通信衛星経由で固定局へ送
信し、固定局が通信衛星経由の3波以上の回線制御信号
用無線チャンネルの受信電界強度を比較し、最大の受信
電界強度の回線制御信号用無線チャンネルに対応する通
信衛星に割り当てられている情報信号用無線チャンネル
を指定し、下りの回線制御信号用無線チャンネルによっ
て移動局へ送信し、移動局が固定局の指定する通信衛星
の情報信号用無線チャンネルに切り替え、移動局から通
信衛星を経由し固定局に至る情報信号の導通を、固定局
において確認することで、衛星通信回線稼働率を高める
ことができる。
【0031】この発明に係わる固定局から通信衛星を経
由し移動局に至る下り衛星通信回線の設定方法は、3機
以上の通信衛星アンテナビームが共通に照射する地域内
の移動局と固定局とが通信衛星を経由して形成する、電
話信号等の情報信号用無線チャンネルと移動局に対する
呼び出し識別信号等の回線制御信号用無線チャンネルと
からなる衛星通信回線において、移動局が、地上通信網
ユーザからの移動局に対する呼び出し識別信号を、固定
局発信の下りの回線制御信号用無線チャンネルを3機以
上の通信衛星を経由して受信し、移動局に対する呼び出
し識別信号が移動局に登録されている識別符号と同じ場
合、移動局は応答信号を移動局発信の上りの回線制御信
号用無線チャンネルを用いて3機以上の通信衛星を経由
して固定局へ送信し、固定局が通信衛星経由の3波以上
の回線制御信号用無線チャンネルの受信電界強度を比較
し、最大の受信電界強度の回線制御信号用無線チャンネ
ルに対応する通信衛星に割り当てられている情報信号用
無線チャンネルを指定し、下りの回線制御信号用無線チ
ャンネルによって移動局へ送信し、移動局が固定局が指
定する通信衛星の情報信号用無線チャンネルに切り替え
てから、指定の通信衛星を経由して固定局へ送信し、固
定局において移動局から通信衛星を経由し固定局に至る
情報信号の導通を確認することで、衛星通信回線の稼働
率を高めることができる。
【0032】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1(a)は軌道長半径a=2661
3.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i=4
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引数ω
=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=
12時間(地球自転周期24時間の2分の1)の楕円軌
道を有する通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡を示す。
図中、511は同一楕円軌道の通信衛星の直下点の1時
間毎の軌跡、111,…,116,…,122は通信衛
星、また、図1(b)は軌道長半径a=26613.5
Km、離心率e=0.579、軌道傾斜角i=40.0
度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引数ω=27
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=12時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡を示
す。図中、512は同一楕円軌道の通信衛星の直下点の
1時間毎の軌跡、141,…,146,…,152は通
信衛星、ここで、図2は遠地点付近における、同一楕円
軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡である。51
1は通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、113,…,
116,…,119は通信衛星、1115,1116,
1117は地球局が通信衛星に対する仰角EL >=80
度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の地域、
2116の斜線の部分は地球局が3機の通信衛星11
5,116,117に対する仰角EL >=80度を同時
に満たす地域である。
【0033】次に、動作について説明する。便宜上、通
信衛星の直下点の軌跡が遠地点と赤道上との間で交差し
ない場合(例えば遠地点高度ra =31471Km、近
地点高度rp =9000Km、離心率e=0.422)
の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、通信衛星の直下
点の軌跡が交差する場合(例えば遠地点高度ra =35
671Km、近地点高度rp =4800Km、離心率e
=0.579)の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡及
び遠地点付近における通信衛星の直下点の1時間毎の軌
跡との3つの動作領域に分けて説明する。
【0034】先ず、通信衛星の直下点の軌跡が遠地点と
赤道上との間で交差しない場合の通信衛星の直下点の1
時間毎の軌跡511の場合について説明する。例えば、
通信衛星の遠地点の直下点の軌跡は北緯40度の地点を
通過する。この地点付近では、通信衛星の速度は小さく
なり、地表面の速度に最も近づくので各通信衛星相互間
の距離は最も小さくなり、多くの通信衛星113,…,
116,…,119が遠地点付近に集まる。他方、通信
衛星の近地点の直下点の軌跡は南緯40度の地点を通過
する。この地点付近では、通信衛星の速度は大きくな
り、地表面の速度を上回るので各通信衛星相互間の距離
は最も大きくなり、近地点付近は一つの通信衛星122
となる。通信衛星の高度は遠地点付近の方が近地点付近
より高いので、通信衛星の地表面に対する相対速度は遠
地点付近の方が近地点付近より小さくなる。従って、地
球局が遠地点付近の通信衛星115,116,117に
対し、仰角EL >=80度を満たす円形の地域は、近地
点付近の通信衛星122に対し、仰角EL >=80度を
満たす円形の地域より大きくなる。
【0035】また、通信衛星の直下点の軌跡が遠地点と
赤道上との間で交差する場合の通信衛星の直下点の1時
間毎の軌跡512の場合について説明する。例えば、通
信衛星の遠地点の直下点の軌跡は北緯40度の地点を通
過する。この地点付近では、通信衛星の速度は小さくな
り、地表面の速度に最も近づくので各通信衛星相互間の
距離は最も小さくなり、多くの通信衛星143,…,1
46,…,149が遠地点付近に集まる。他方、通信衛
星の近地点の直下点の軌跡は南緯40度の地点を通過す
る。この地点付近では、通信衛星の速度は大きくなり、
地表面の速度を上回るので各通信衛星相互間の距離は最
も大きくなり、近地点付近に集まる通信衛星152は少
なくなる。通信衛星の高度は遠地点付近の方が近地点付
近より高いので、通信衛星の地表面に対する相対速度は
遠地点付近の近地点付近より小さくなる。従って、地球
局が遠地点付近の通信衛星115,116,117に対
し、仰角EL >=80度を満たす円形の地域は、近地点
付近の通信衛星122に対し、仰角EL >=80度を満
たす円形の地域より大きくなる。
【0036】さらに、通信衛星の周期は12時間で、通
信衛星が近地点から昇交点を経て遠地点までの飛翔時間
及び遠地点から降交点を経て近地点までの飛翔時間は、
それぞれ6時間であるから、通信衛星の遠地点付近の直
下点の軌跡は360度×(12時間/24時間)=18
0度毎に同じ軌跡を示し、この例では遠地点付近の通信
衛星の直下点地域の地球局が仰角EL >=80度を満た
す2地域はアジア太平洋地域及びヨーロッパ大西洋岸地
域が対応する。
【0037】ここで、地球局が3機の通信衛星に対する
仰角EL >=80度を同時に満たす地域について説明す
る。図2は7機の通信衛星の遠地点付近における1時間
毎の直下点の軌跡である。この遠地点付近における通信
衛星115,116,117の地表面との相対速度は小
さくなり、各通信衛星115,116,117は相互に
近づき、地球局が通信衛星115に対する仰角EL >=
80度を満たす地域1115、地球局が通信衛星116
に対する仰角EL >=80度を満たす地域1116、及
び地球局が通信衛星117に対する仰角EL >=80度
を満たす地域1117は、それぞれ同一時期に重なる。
この斜線で示す地域2116内の全ての地球局は3機の
通信衛星115,116,117に対して同一時期に仰
角EL >=80度を2時間確保できる衛星通信回線を設
定できる。従って、図示していないが、同一楕円軌道の
衛星を(3機/2時間)×24時間=36機を配置すれ
ば、本斜線地域2116内の全ての地球局は前後に連な
る3機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を24時
間保持できる衛星通信回線を設定できる。
【0038】さらに、図示していないが、同一楕円軌道
の通信衛星を(3機/2時間)×24時間×2=72機
を配置すれば、アジア太平洋岸地域及びヨーロッパ大西
洋岸地域のそれぞれの地域内において、地球局は前後に
連なる3機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を2
4時間保持できる地域内衛星通信回線を設定できる。
【0039】実施例2.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図3は軌道長半径a=2661
3.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i=
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引数ω
=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=
12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌
跡を示す。ただし、遠地点は除く。図中、513は楕円
軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、171,
…,176,…,180は通信衛星、ただし、通信衛星
175は3時間遠地点にとどまる。1174,117
5,1176は地球局が通信衛星に対する仰角EL >=
80度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の地
域、斜線の部分2175は地球局が3機の通信衛星に対
する仰角EL >=80度を同時に満たす地域である。
【0040】次に、動作について説明する。便宜上、楕
円軌道(例えば遠地点高度ra =31471Km、近地
点高度rp =9000Km、離心率e=0.422、軌
道傾斜角i=0.0度)の通信衛星の直下点の1時間毎
の軌跡と遠地点付近における通信衛星の直下点の1時間
毎の軌跡との2つの動作領域に分けて説明する。
【0041】先ず、通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡
513の場合について説明する。例えば、通信衛星の遠
地点の直下点の軌跡513はすべて赤道上の地点を通過
する。遠地点付近では、通信衛星の速度は小さくなり、
地表面の速度に最も近づくので各通信衛星相互間の距離
は最も小さくなり、多くの通信衛星173,…,17
5,…,178が遠地点付近に集まる。他方、近地点付
近では、通信衛星の速度は大きくなり、地表面の速度を
上回るので各通信衛星相互間の距離は最も大きくなり、
近地点付近は一つの通信衛星180となる。通信衛星の
高度は遠地点付近の方が近地点付近より高いので、通信
衛星の地表面に対する相対速度は遠地点付近の方が近地
点付近より小さくなる。従って、地球局が遠地点付近の
通信衛星174,175,176に対する仰角EL >=
80度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の地
域は、地球局が近地点付近の通信衛星180に対する仰
角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点を中心とす
る円形の地域より大きくなる。
【0042】また、通信衛星の周期は12時間で、通信
衛星が近地点から昇交点を経て遠地点までの飛翔時間及
び遠地点から降交点を経て近地点までの飛翔時間は、そ
れぞれ6時間であるから、通信衛星の遠地点付近の直下
点の軌跡は360度×(12時間/24時間)=180
度毎に同じ軌跡を示し、この例では地球局が通信衛星に
対する仰角EL >=80度を満たす赤道付近の2地域は
パプアニューギニア地域及びブラジル大西洋岸地域が対
応する。
【0043】ここで、地球局が遠地点付近における7機
の通信衛星に対する仰角EL >=80度を満たす地域に
ついて説明する。図3(b)は7機の通信衛星の1時間
毎の遠地点付近における直下点のの軌跡である。ただ
し、通信衛星175は遠地点に3時間留まる。この遠地
点付近における通信衛星174,175,176の地表
面との相対速度は小さくなり、各通信衛星174,17
5,176は相互に近づき、地球局が通信衛星174に
対する仰角EL >=80度を満たす地域1174、地球
局の通信衛星175に対する仰角EL >=80度を満た
す地域1175、及び地球局の通信衛星176に対する
仰角EL >=80度を満たす地域1176は、同時期に
重なる。この斜線で示す地域2175内の全ての地球局
は3機の通信衛星174,175,176に対して仰角
EL >=80度を同時期に3時間保持する衛星通信回線
を設定できる。従って、図示していないが、同一軌道要
素の衛星を(1機/3時間)×24時間=8機を配置す
れば、本斜線地域2175内の全ての地球局は前後に連
なる3機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を24
時間保持する衛星通信回線を設定できる。
【0044】さらに、図示していないが、同一軌道要素
の通信衛星を(1機/3時間)×24時間×2=16機
を配置すれば、赤道付近のパプアニューギニア地域及び
ブラジル大西洋岸地域のそれぞれの地域内において、地
球局は前後に連なる3機の通信衛星に対して仰角EL >
=80度を24時間保持できる地域内衛星通信回線を設
定できる。
【0045】実施例3.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図4(a)は軌道長半径a=26
613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i
=40.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引
数ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期
P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎
の軌跡を示す。図中、511は楕円軌道の通信衛星の直
下点の1時間毎の軌跡、111,…,116,…,12
2は通信衛星、また、図4(b)は軌道長半径a=26
613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i
=40.0度、昇交点経度Ω=140.0度、近地点引
数ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期
P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎
の軌跡を示す。図中、514は楕円軌道の通信衛星の直
下点の1時間毎の軌跡、202,…,206,…,21
2は通信衛星、ここで、図5は遠地点付近における、昇
交点経度Ω=160.0度と140.0度との2つの楕
円軌道上の14機の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡
である。1116,1206,1207は地球局が通信
衛星に対する仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直
下点を中心とする円形の地域、2206の斜線の部分は
地球局が3機の通信衛星に対する仰角EL >=80度を
同時に満たす地域である。
【0046】次に、動作について説明する。便宜上、軌
道長半径a=26613.5Km、離心率e=0.42
2、軌道傾斜角i=40.0度、昇交点経度Ω=14
0.0度、近地点引数ω=270.0度、平均近点離角
M=0.0deg.、周期P=12時間の楕円軌道の通
信衛星の直下点の1時間毎の軌跡と昇交点経度Ωが異な
る2つの楕円軌道上の遠地点付近における14機の通信
衛星の直下点の1時間毎の軌跡との2つの動作領域に分
けて説明する。
【0047】先ず、軌道長半径a=26613.5K
m、離心率e=0.422、軌道傾斜角i=40.0
度、近地点引数ω=270.0度、昇交点経度Ω=14
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=12時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡通信
衛星の直下点の1時間毎の軌跡514の場合について説
明する。例えば、通信衛星の遠地点の直下点の軌跡は北
緯40度の地点を通過する。この地点付近では、通信衛
星の速度は小さくなり、地表面の速度に最も近づくので
各通信衛星相互間の距離は最も小さくなり、多くの通信
衛星204,205,207,208が遠地点付近に集
まる。他方、通信衛星の近地点の直下点の軌跡は南緯4
0度の地点を通過する。この地点付近では、衛星の速度
は大きくなり、地表面の速度を上回るので各通信衛星相
互間の距離は最も大きくなり、近地点付近は一つの通信
衛星212となる。通信衛星の高度は遠地点付近の方が
近地点付近より高いので、通信衛星の地表面に対する相
対速度は遠地点付近の方が近地点付近より小さくなる。
従って、遠地点付近の通信衛星205,206,207
に対する地球局が仰角EL >=80度を満たす通信衛星
の直下点を中心とする円形の地域は、近地点付近の通信
衛星212に対する地球局が仰角EL >=80度を満た
す通信衛星の直下点を中心とする円形の地域より大きく
なる。
【0048】ここで、地球局が仰角EL >=80度を満
たす通信衛星の直下点を中心とする円形の地域について
説明する。図5は昇交点経度Ωが160.0deg.と
140.0deg.との2つの楕円軌道上の14機の通
信衛星の1時間毎の遠地点付近における直下点の軌跡で
ある。この遠地点付近における通信衛星115,11
6,117,205,206,207の地表面との相対
速度は小さくなり、各通信衛星115,116,11
7,205,206,207は相互に近づき、地球局が
仰角EL >=80度を満たす通信衛星206の直下点を
中心とする円形の地域1206、地球局が仰角EL>=
80度を満たす通信衛星207の直下点を中心とする円
形の地域1207、及び地球局が仰角EL >=80度を
満たす通信衛星116の直下点を中心とする円形の地域
1116は同時期に重なる。この斜線で示す地域220
6内の全ての地球局の仰角は3機の通信衛星に対して同
時に仰角EL >=80度を満たすことができる。従っ
て、本斜線地域2206内のすべての地球局は隣り合う
3機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を同じ時期
に1時間保持できる衛星通信回線を設定できる。従っ
て、図示していないが、2つの楕円軌道上に((2機/
1時間)×24時間=48機/軌道)×2軌道=96機
を配置すれば、本斜線地域2206内の全ての地球局は
隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を
24時間保持する衛星通信回線を設定できる。
【0049】さらに、図示していないが、昇交点経度Ω
が異なる2つの楕円軌道上に通信衛星を((2機/1時
間)×24時間=48機/軌道)×2軌道=96機)×
2=192機配置すれば、アジア太平洋岸地域及びヨー
ロッパ大西洋岸地域のそれぞれの地域内において、地球
局は隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL >=80
度を24時間保持する衛星通信回線を設定できる。
【0050】実施例4.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図6(a)は軌道長半径a=26
613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i
=40.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引
数ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期
P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎
の軌跡を示す。図中、511は楕円軌道の通信衛星の直
下点の1時間毎の軌跡、111,…,116,…,12
2は通信衛星、また、図6(b)は軌道長半径a=26
613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i
=45.5度、近地点引数ω=160.0度、昇交点経
度Ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期
P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎
の軌跡を示す。図中、515は同一軌道要素の楕円軌道
の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、231,…,2
36,…,242は通信衛星、ここで、図7は遠地点付
近における、軌道傾斜角i=40.0度と45.5度と
の2つの楕円軌道上の14機の通信衛星の直下点の1時
間毎の軌跡である。1116,1117,1236は地
球局が通信衛星に対する仰角EL >=80度を満たす通
信衛星の直下点を中心とする円形の地域、2236の斜
線の部分は地球局が3機の通信衛星に対する仰角EL >
=80度を同時に満たす地域である。
【0051】次に、動作について説明する。便宜上、軌
道長半径a=26613.5Km、離心率e=0.42
2、軌道傾斜角i=45.5度、近地点引数ω=27
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均近点離角
M=0.0度、周期P=12時間の楕円軌道の通信衛星
の直下点の1時間毎の軌跡と軌道傾斜角iが異なる2つ
の楕円軌道の遠地点付近における14機の通信衛星の直
下点の1時間毎の軌跡と2つの動作領域に分けて説明す
る。
【0052】先ず、軌道長半径a=26613.5K
m、離心率e=0.422、軌道傾斜角i=45.5
度、近地点引数ω=270.0度、昇交点経度Ω=14
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=12時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡51
5の場合について説明する。例えば、通信衛星の遠地点
の直下点の軌跡は北緯45.5度の地点を通過する。こ
の地点付近では、通信衛星の速度は小さくなり、地表面
の速度に最も近づくので各通信衛星相互間の距離は最も
小さくなり、多くの通信衛星234,235,237,
238が遠地点付近に集まる。他方、通信衛星の近地点
の直下点の軌跡は南緯45.5度の地点を通過する。こ
の地点付近では、衛星の速度は大きくなり、地表面の速
度を上回るので各通信衛星相互間の距離は最も大きくな
り、近地点付近に集まる通信衛星242は少なくなる。
通信衛星の高度は遠地点付近の方が近地点付近より高い
ので、通信衛星の地表面に対する相対速度は遠地点付近
の方が近地点付近より小さくなる。従って、遠地点付近
の通信衛星235,236,237に対する地球局が仰
角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点を中心とす
る円状の地域は、近地点付近の通信衛星242に対する
地球局が仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点
を中心とする円形の地域より大きくなる。
【0053】ここで、通信衛星14機に対する地球局が
仰角EL >=80度を満たす地域にについて説明する。
図7は軌道傾斜角iが40.0deg.と45.5de
g.との2つの楕円軌道上の14機の通信衛星の1時間
毎の遠地点付近における直下点の軌跡である。この遠地
点付近における通信衛星235,236,237,11
5,116,117の地表面との相対速度は小さくな
り、各通信衛星235,236,237,115,11
6,117は相互に近づき、地球局が通信衛星116に
対する仰角EL >=80度を満たす地域1116、地球
局が通信衛星117に対する仰角EL >=80度を満た
す地域1117、及び地球局が通信衛星236に対する
仰角EL >=80度を満たす地域1236は重なる。こ
の斜線で示す地域2236内の全ての地球局の仰角は3
機の通信衛星に対して同時に仰角EL >=80度以上を
確保できる。従って、本斜線地域2236内のすべての
地球局は隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL >=
80度を同時期に保持できる衛星通信回線を設定でき
る。従って、図示していないが、軌道傾斜角iが40.
0度と45.5度との2つの楕円軌道上に((2機/1
時間)×24時間=48機/軌道)×2軌道=96機を
配置すれば、本斜線地域2236内の全ての地球局は隣
り合う3機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を2
4時間保持する衛星通信回線を設定できる。
【0054】さらに、図示していないが、軌道傾斜角i
が40.0度と45.5度との2つの楕円軌道上に
(((2機/1時間)×24時間=48機/軌道)×2
軌道=96機)×2=192機を配置すれば、アジア太
平洋岸地域及びヨーロッパ大西洋岸地域のそれぞれの地
域内において、各地球局は隣り合う3機の通信衛星に対
して仰角EL >=80度を24時間保持できる地域内衛
星通信回線を設定できる。
【0055】実施例5.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図8(a)は軌道長半径a=26
613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角i
=40.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引
数ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周期
P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎
の軌跡を示す。図中、511は同一軌道要素の楕円軌道
の24機の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、11
1,…,116,…,122は通信衛星、また、図8
(b)は軌道長半径a=26613.5Km、離心率e
=0.501、軌道傾斜角i=40.0度、近地点引数
ω=270.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均
近点離角M=0.0度、周期P=12時間の楕円軌道の
通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡を示す。ただし、遠
地点は除く。図中、516は楕円軌道の通信衛星の直下
点の1時間毎の軌跡、261,…,265,…,270
は通信衛星、ただし、通信衛星265は3時間遠地点に
留まる。ここで、図9は離心率eが0.422と0.5
01との2つの楕円軌道上の遠地点付近における、通信
衛星の直下点の1時間毎の軌跡である。1116,12
65,1117,1118は地球局が通信衛星に対して
仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点を中心と
する円形の地域、2265の斜線の部分は地球局が3機
の通信衛星に対して仰角EL>=80度を同時に満たす
地域である。
【0056】次に、動作について説明する。便宜上、軌
道長半径a=26613.5Km、離心率e=0.50
1、軌道傾斜角i=40.0度、近地点引数ω=27
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均近点離角
M=0.0度、周期P=12時間の楕円軌道の通信衛星
の直下点の1時間毎の軌跡と離心率eが0.422と
0.501との2つの楕円軌道の遠地点付近における1
4機の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡との2つの動
作領域に分けて説明する。
【0057】先ず、軌道長半径a=26613.5K
m、離心率e=0.501、軌道傾斜角i=40.0
度、近地点引数ω=270.0度、昇交点経度Ω=16
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=12時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡通信
衛星の直下点の1時間毎の軌跡516の場合について説
明する。例えば、通信衛星の遠地点の直下点の軌跡は北
緯40度の地点を通過する。この地点付近では、通信衛
星の速度は小さくなり、地表面の速度に最も近づくので
各通信衛星相互間の距離は最も小さくなり、多くの通信
衛星264,265,266,267,268が遠地点
付近に集まる。他方、通信衛星の近地点の直下点の軌跡
は南緯40度の地点を通過する。この地点付近では、衛
星の速度は大きくなり、地表面の速度を上回るので各通
信衛星相互間の距離は最も大きくなり、近地点付近は一
つの通信衛星270となる。通信衛星の高度は遠地点付
近の方が近地点付近より高いので、通信衛星の地表面に
対する相対速度は遠地点付近の方が近地点付近より小さ
くなる。従って、遠地点付近の通信衛星264,26
5,266に対する地球局が仰角EL >=80度を満た
す通信衛星の直下点を中心とする円形の地域は、近地点
付近の通信衛星270に対する地球局が仰角EL >=8
0度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の地域
より大きくなる。
【0058】ここで、地球局が通信衛星14機に対する
仰角EL >=80度を満たす地域にについて説明する。
図9は離心率eが0.422と0.501との2つの楕
円軌道上の遠地点付近における14機の通信衛星の遠地
点付近における直下点の軌跡である。この遠地点付近に
おける通信衛星115,116,117,264,26
5,266の地表面との相対速度は小さくなり、各通信
衛星115,116,117,264,265,266
は相互に近づき、通信衛星116の直下点と通信衛星2
65の直下点とは重なる。地球局の通信衛星116に対
する仰角EL >=80度を満たす地域1116、地球局
の通信衛星117に対する仰角EL >=80度を満たす
地域1117、及び地球局の通信衛星118に対する仰
角EL >=80度を満たす地域1118は重なる。この
斜線で示す地域2265内の全ての地球局は3機の通信
衛星に対して仰角EL >=80度を同時に確保すること
ができる。従って、本斜線地域2265内のすべての地
球局は隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL >=8
0度を同時期に保持できる衛星通信回線を設定できる。
従って、図示していないが、離心率e=0.422の楕
円軌道上に(2機/1時間)×24時間=48機と離心
率e=0.501の楕円軌道上に(1機/3時間)×2
4時間=8機との合計56機を配置すれば、本斜線地域
2265内の全ての地球局は隣り合う3機の通信衛星に
対して仰角EL >=80度を同時期に24時間保持でき
る衛星通信回線を設定できる。
【0059】さらに、図示していないが、離心率e=
0.422の楕円軌道上に48機×2=96機、離心率
eが0.501の楕円軌道上に8機×2=16機、合計
112機を配置すれば、アジア太平洋岸地域及びヨーロ
ッパ大西洋岸地域のそれぞれの地域内において、各地球
局は隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL >=80
度を24時間保持できる地域内衛星通信回線を設定でき
る。
【0060】実施例6.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図10(a)は軌道長半径a=2
6613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角
i=40.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点
引数ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周
期P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間
毎の軌跡を示す。図中、511は同一軌道要素の楕円軌
道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、111,…,
116,…,122は通信衛星、また、図10(b)は
軌道長半径a=26613.5Km、離心率e=0.4
22、軌道傾斜角i=40.0度、近地点引数ω=26
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均近点離角
M=0.0度、周期P=12時間の楕円軌道の通信衛星
の直下点の軌跡を示す。図中、517は楕円軌道の通信
衛星の直下点の軌跡、294,…,297,…,300
は通信衛星、ここで、図11は近地点引数ωが270度
と260度との2つの楕円軌道上の遠地点付近におけ
る、14機の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡であ
る。1297,1298,1116は地球局が通信衛星
に対する仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点
を中心とする円形の地域、2298の斜線の部分は地球
局が3機の通信衛星に対する仰角EL >=80度を同時
に満たす地域である。
【0061】次に、動作について説明する。便宜上、軌
道長半径a=26613.5Km、離心率e=0.42
2、軌道傾斜角i=40.0度、近地点引数ω=26
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均近点離角
M=0.0度、周期P=12時間の楕円軌道の通信衛星
の直下点の1時間毎の軌跡と近地点引数ωが270度と
260度との2つの楕円軌道上の遠地点付近における、
14機の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡との2つの
動作領域に分けて説明する。
【0062】先ず、軌道長半径a=26613.5K
m、離心率e=0.422、軌道傾斜角i=40.0
度、近地点引数ω=260.0度、昇交点経度Ω=16
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=12時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡51
7の場合について説明する。例えば、通信衛星の遠地点
の直下点の軌跡は北緯40度の地点を通過する。この地
点付近では、通信衛星の速度は小さくなり、地表面の速
度に最も近づくので各通信衛星相互間の距離は最も小さ
くなり、多くの通信衛星294,295,296,29
7,298が遠地点付近に集まる。他方、通信衛星の近
地点の直下点の軌跡は南緯40度の地点を通過する。こ
の地点付近では、衛星の速度は大きくなり、地表面の速
度を上回るので各通信衛星相互間の距離は最も大きくな
り、近地点付近は一つの通信衛星302となる。通信衛
星の高度は遠地点付近の方が近地点付近より高いので、
通信衛星の地表面に対する相対速度は遠地点付近の方が
近地点付近より小さくなる。従って、遠地点付近の通信
衛星295,296,297に対する地球局が仰角EL
>=80度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形
の地域は、近地点付近の通信衛星302に対する地球局
が仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点を中心
とする円形の地域より大きくなる。
【0063】ここで、地球局が通信衛星14機に対する
仰角EL >=80度を満たす地域にについて説明する。
図11は近地点引数ωが260度と270度との2つの
楕円軌道上の遠地点付近における14機の通信衛星の1
時間毎の遠地点付近における直下点の軌跡である。この
遠地点付近における通信衛星115,116,117,
296,297,298の地表面との相対速度は小さく
なり、各通信衛星115,116,117,296,2
97,298は相互に近づき、地球局が通信衛星116
に対する仰角EL >=80度を満たす地域1116、地
球局が通信衛星297に対する仰角EL >=80度を満
たす地域1297、及び地球局が通信衛星298に対す
る仰角EL >=80度を満たす地域1298は相互に重
なる。斜線で示す地域2298内の全ての地球局は3機
の通信衛星に対して仰角EL >=80度を同時に確保す
ることができる。従って、本斜線地域2298内のすべ
ての地球局は隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL
>=80度を同時期に保持できる衛星通信回線を設定で
きる。従って、図示していないが、近地点引数ωが26
0度と270度との2つの楕円軌道上に((2機/1時
間)×24時間)/軌道)×2軌道=96機を配置すれ
ば、地球局は隣り合う3機の通信衛星に対して仰角EL
>=80度を同時期に24時間保持できる衛星通信回線
を設定できる。
【0064】さらに、図示していないが、近地点引数ω
が260度と270度の楕円軌道上に96機×2=19
2機を配置すれば、アジア太平洋岸地域及びヨーロッパ
大西洋岸地域のそれぞれの地域内において、隣り合う3
機の通信衛星に対して仰角EL >=80度を24時間保
持できる地域内衛星通信回線を設定できる。
【0065】実施例7.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図12(a)は軌道長半径a=2
6613.5Km、離心率e=0.422、軌道傾斜角
i=40.0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点
引数ω=270.0度、平均近点離角M=0.0度、周
期P=12時間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間
毎の軌跡を示す。図中、511は同一軌道要素の楕円軌
道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡、111,…,
116,…,122は通信衛星、また、図12(b)は
軌道長半径a=42246.2Km、離心率e=0.
0、軌道傾斜角i=0.0度、近地点引数ω=270.
0度、昇交点経度Ω=60.0度、平均近点離角M=
0.0度、周期P=24時間の静止軌道の通信衛星の直
下点の軌跡を示す。図中、518は円軌道の通信衛星の
直下点の軌跡、321は通信衛星、ここで、図13は楕
円軌道上の遠地点付近における、7機の通信衛星の直下
点の1時間毎の軌跡と静止通信衛星の直下点の軌跡であ
る。1115,1116,1117は地球局が通信衛星
に対する仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点
を中心とする円形の地域、1321は地球局が通信衛星
に対する仰角EL >=40度を満たす通信衛星の直下点
を中心とする楕円形の地域、2321の斜線の部分は3
機の楕円軌道の通信衛星に対して仰角EL >=80度及
び1機の静止通信衛星に対する仰角EL >=40度とを
同時に満たす地域である。
【0066】次に、動作について説明する。便宜上、軌
道長半径a=26613.5Km、離心率e=0.42
2、軌道傾斜角i=40.0度、近地点引数ω=26
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均近点離角
M=0.0度、周期P=12時間の楕円軌道の通信衛星
の直下点の1時間毎の軌跡と1機の静止軌道通信衛星の
直下点の軌跡との2つの動作領域に分けて説明する。
【0067】先ず、軌道長半径a=26613.5K
m、離心率e=0.422、軌道傾斜角i=40.0
度、近地点引数ω=270.0度、昇交点経度Ω=16
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=12時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡51
1の場合について説明する。例えば、通信衛星の遠地点
の直下点の軌跡は北緯40度の地点を通過する。この地
点付近では、通信衛星の速度は小さくなり、地表面の速
度に最も近づくので各通信衛星相互間の距離は最も小さ
くなり、多くの通信衛星114,115,116,11
7,118が遠地点付近に集まる。他方、通信衛星の近
地点の直下点の軌跡は南緯40度の地点を通過する。こ
の地点付近では、衛星の速度は大きくなり、地表面の速
度を上回るので各通信衛星相互間の距離は最も大きくな
り、近地点付近は一つの通信衛星122となる。通信衛
星の高度は遠地点付近の方が近地点付近より高いので、
通信衛星の地表面に対する相対速度は遠地点付近の方が
近地点付近より小さくなる。従って、遠地点付近の通信
衛星115,116,117に対する地球局が仰角EL
>=80度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形
の地域は、近地点付近の通信衛星122に対する地球局
が仰角EL >=80度を満たす通信衛星の直下点を中心
とする円形の地域より大きくなる。
【0068】また、静止軌道通信衛星の直下点の軌跡5
18の場合について説明する。例えば、通信衛星の直下
点の軌跡は赤道上の地点に留まる。従って、この地点の
通信衛星321に対する地球局が仰角EL >=40度を
満たす地域1321は通信衛星の直下点を中心とする楕
円形の地域となる。
【0069】ここで、地球局の楕円軌道通信衛星3機及
び静止軌道通信衛星1機に対する仰角が所要の角度以上
を満たす地域にについて説明する。図13は楕円軌道上
の7機の通信衛星の1時間毎の遠地点付近における直下
点の軌跡と静止軌道通信衛星の直下点の軌跡とである。
楕円軌道511の遠地点付近における通信衛星115,
116,117の地表面との相対速度は小さくなり、各
通信衛星115,116,117は相互に近づき、地球
局が通信衛星115に対する仰角EL >=80度を満た
す地域1115、地球局が通信衛星116に対する仰角
EL >=80度を満たす地域1116、地球局が通信衛
星117に対する仰角EL >=80度を満たす地域11
17、及び地球局が静止軌道通信衛星321に対する仰
角EL >=40度を満たす地域1321は相互に重な
る。この斜線で示す重なり合う地域2321内の全ての
地球局の仰角は3機の楕円軌道通信衛星115,11
6,117に対して仰角EL >=80度、さらに1機の
静止軌道通信衛星321に対して仰角EL >=40度を
同時に確保できる。従って、本斜線地域2321内にお
いて、楕円軌道通信衛星に対し仰角EL >=80度と静
止軌道通信衛星に対し仰角EL >=40度とを満たすア
ンテナビームの地球局を用いて、衛星通信回線を設定で
きる。
【0070】実施例8.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図14は軌道長半径a=2030
9Km、離心率e=0.671、軌道傾斜角i=40.
0度、昇交点経度Ω=160.0度、近地点引数ω=2
70.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=8時
間の楕円軌道の通信衛星の直下点の1時間毎の軌跡を示
す。図中、519は楕円軌道の通信衛星の直下点の1時
間毎の軌跡、351,…,354,…,358,36
7,…,370,…,374は通信衛星、図15は地球
局が通信衛星直下点の緯度が40度で経度が120度離
れた2機の通信衛星を経由して形成する地球局と通信衛
星及び通信衛星相互間の通信回線を示す。図中、35
3,354,355,369,370,371は通信衛
星、711は衛星の直下点の緯度が40度で、経度が1
20度離れた通信衛星相互間の通信回線、601,60
2は地球局と通信衛星との通信回線、2354は3機の
通信衛星353,354,355のアンテナビームが共
通に照射する地域で、地球局が通信衛星との間で仰角E
L >=80度を保持できる通信回線設定地域、2370
は3機の通信衛星369,370,371のアンテナビ
ームが共通に照射する地域で、地球局が通信衛星との間
で仰角EL >=80度を保持できる通信回線設定地域、
11は衛星通信回線設定地域2370内の移動局、31
は衛星通信回線設定地域2354内の固定局である。
【0071】次に、動作について説明する。便宜上、軌
道長半径a=20309.9Km、離心率e=0.67
1、軌道傾斜角i=40.0度、近地点引数ω=27
0.0度、昇交点経度Ω=160.0度、平均近点離角
M=0.0度、周期P=8時間の楕円軌道の通信衛星の
直下点の1時間毎の軌跡と地球局が2機の通信衛星を経
由して形成する衛星通信回線との2つの動作領域に分け
て説明する。
【0072】先ず、軌道長半径a=20309.9K
m、離心率e=0.671、軌道傾斜角i=40.0
度、近地点引数ω=270.0度、昇交点経度Ω=16
0.0度、平均近点離角M=0.0度、周期P=8時間
(地球自転周期24時間の3分の1)の楕円軌道の通信
衛星の直下点の1時間毎の軌跡519の場合について説
明する。例えば、通信衛星の遠地点の直下点の軌跡は北
緯40度の地点を通過する。この地点付近では、通信衛
星の速度は小さくなり、地表面の速度に最も近づくので
各通信衛星相互間の距離は最も小さくなり、多くの通信
衛星353,354,355,369,370,371
が遠地点付近に集まる。他方、通信衛星の近地点の直下
点の軌跡は南緯40度の地点を通過する。この地点付近
では、衛星の速度は大きくなり、地表面の速度を上回る
ので各通信衛星相互間の距離は最も大きくなり、近地点
付近に集まる通信衛星358,366,374は少なく
なる。通信衛星の高度は遠地点付近の方が近地点付近よ
り高いので、通信衛星の地表面に対する相対速度は遠地
点付近の方が近地点付近より小さくなる。従って、遠地
点付近の通信衛星353,354,355,369,3
70,371に対する地球局の仰角EL >=80度を満
たす通信衛星の直下点を中心とする円形の地域は、近地
点付近の通信衛星180に対する地球局が仰角EL >=
80度を満たす通信衛星358,366,374の直下
点を中心とする円形の地域より大きくなる。
【0073】ここで、地球局が2機の通信衛星を経由し
て構成する衛星通信回線について説明する。固定局31
は通信衛星354に対し仰角EL >=80度を保持し、
通信衛星354のアンテナビーム照射地域2354内に
設置されるので、固定局31は通信衛星354との間で
通信回線601を設定できる。また、通信衛星354と
通信衛星370とは経度方向に120度離れた同一緯度
上の相対向した衛星相互間の通信回線711を設定でき
る。さらに、移動局11は仰角EL >=80度を保持
し、通信衛星370のアンテナビーム照射地域内に設置
されるので、移動局11は通信衛星370との間で通信
回線602を設定できる。従って、図示していないが、
同一軌道要素の通信衛星を((1機/1時間)×24時
間=)24機を三つの通信衛星群にそれぞれ配置し、各
通信衛星群の遠地点付近の直下点地域内の地球局と計7
2機の通信衛星を用いて、各地域相互間(例えば、東ア
ジア地域と北米太平洋岸地域、北米太平洋岸地域と西ヨ
ーロッパ地域、東アジア地域と西ヨーロッパ地域)の衛
星通信回線を設定できる。
【0074】実施例9.次に、この発明の他の実施例を
図について説明する。図16は固定局及び移動局が3機
の通信衛星を経由して形成する衛星通信回線を示す。図
中、115,116,117は通信衛星、12は移動
局、32は固定局、611,612,613は固定局と
移動局との衛星通信回線、801,802,803は通
信衛星と移動局との距離に等しい長さの母線を持つ円錐
の底面が地表面に描く円、
【0075】次に、動作について説明する。便宜上、固
定局及び移動局が3機の通信衛星を経由して構成する衛
星通信回線について説明する。
【0076】ここで、固定局及び移動局が3機の通信衛
星を経由して構成する衛星通信回線について説明する。
固定局32は同期信号と移動局の呼び出し識別信号及び
位置等の情報からなる制御信号無線チャンネル611,
612,613を3機の通信衛星115,116,11
7を経由して、移動局12へ送信する。移動局12は自
局に対する呼び出し識別信号と自局に登録されている識
別符号が同一である場合に限って、応答信号を3機の通
信衛星115,116,117を経由して、固定局32
へ送信する。固定局32に付属する遅延時間測定、距離
演算装置は、通信衛星115を中継する固定局32と移
動局12との間、通信衛星116を中継する固定局32
と移動局12との間、及び通信衛星117を中継する固
定局32と移動局12との間をそれぞれ往復する無線チ
ャンネル611,612,613の電波伝播時間と固定
局32と通信衛星115との間、固定局32と通信衛星
116との間及び固定局32と通信衛星117との間を
それぞれ往復する無線チャンネル611,612,61
3の電波伝播時間との差から、通信衛星115と移動局
12との間、通信衛星116と移動局12との間及び通
信衛星117と移動局12との間の距離がそれぞれ計算
できる。さらに、通信衛星を頂点、通信衛星と移動局と
の距離を母線とする円錐が形成できるので、通信衛星1
15から移動局12までの距離は円801、通信衛星1
16から移動局12までの距離は円802、通信衛星1
17から移動局12までの距離は円803をそれぞれ描
き、一点で交差するので、交差する点を移動局12の位
置情報とすることができる。固定局32は付属の移動局
位置情報処理装置を用い、移動局12の古い位置情報を
更新し、最新の位置情報を登録するとともに、最新の位
置情報を制御信号用無線チャンネルを用いて移動局12
に通知し最新の位置情報を登録し、さらに移動局12に
付属の表示装置を用いて移動局ユーザに位置情報をする
ことができる。
【0077】実施例10.次に、この発明の他の実施例
を図について説明する。図17は固定局が3機の通信衛
星を経由して形成する下りの衛星通信回線を示す。図
中、115,116,117は通信衛星、13は移動
局、33は固定局、34は交換局、35は地上通信網の
ユーザ端末機、611,612,613は固定局が3機
の通信衛星115,116,117を経由して移動局1
3と形成する制御信号用無線チャンネル、651は固定
局が通信衛星117を経由して移動局と形成する情報信
号用無線チャンネル、2116は3機の通信衛星11
5,116,117のアンテナビームが共通に照射する
地域である。
【0078】次に、動作について説明する。便宜上、固
定局が3機の通信衛星を経由して移動局と形成する下り
の衛星通信回線について説明する。
【0079】ここで、固定局及び移動局が3機の通信衛
星を経由して構成する下りの衛星通信回線について説明
する。地上通信網のユーザ端末機35からの呼び出し識
別信号に基づいて、固定局33は同期信号と移動局13
に対する呼び出し識別信号等からなる制御信号無線チャ
ンネル621,622,623を3機の通信衛星11
5,116,117を経由して、移動局13へ送信す
る。移動局13は自局に対する呼び出し識別信号と自局
に登録されている識別符号とが同一である場合に限っ
て、応答信号を制御信号用無線チャンネル621,62
2,623を用いて、通信衛星115,116,117
を経由し、固定局33へ送信する。固定局33は3波の
制御信号用無線チャンネル621,622,623の電
界強度を測定し、3機の通信衛星115,116,11
7の中から、最も大きな受信電界強度の通信衛星117
に割り当てられた情報信号用無線チャンネル651を指
定する。固定局33は最大受信電界強度を送出する通信
衛星117に割り当てられた通信信号用無線チャンネル
651に関する識別信号を制御信号用無線チャンネル6
13を用いて、移動局13へ送出する。移動局13は指
定された通信信号用無線チャンネル651に切り替えて
から、折り返し導通確認信号を通信衛星117経由で、
固定局33へ送信する。固定局33は折り返し導通確認
信号を受信後、制御信号用無線チャンネル623を用い
て、移動局13を呼び出し、交換局34を経由した地上
通信網のユーザ端末機35を移動局13に接続する。
【0080】実施例11.次に、この発明の他の実施例
を図について説明する。図18は移動局が3機の通信衛
星を経由して固定局と形成する上りの衛星通信回線を示
す。図中、115,116,117は通信衛星、13は
移動局、33は固定局、34は交換局、35は地上通信
網のユーザ端末機、631,632,633は移動局が
3機の通信衛星を経由して固定局と形成する情報信号用
無線チャンネル、661は移動局が通信衛星117を経
由して固定局と形成する情報信号用無線チャンネル、2
116は3機の通信衛星115,116,117のアン
テナビームが共通に照射する地域である。
【0081】次に、動作について説明する。便宜上、移
動局が3機の通信衛星を経由して固定局と形成する上り
の衛星通信回線について説明する。
【0082】ここで、移動局及び固定局が3機の通信衛
星を経由して構成する上りの衛星通信回線について説明
する。移動局13からの呼び出し信号に基づいて、移動
局13は同期信号と地上通信網のユーザ端末機35に対
する呼び出し識別信号等からなる制御信号用無線チャン
ネル631,622,623を3機の通信衛星115,
116,117を経由して、固定局33へ送信する。固
定局33は3波の制御信号用無線チャンネル631,6
32,633の電界強度を測定し、3機の通信衛星11
5,116,117の中から、最も大きな受信電界強度
の通信衛星117に割り当てられた情報信号用無線チャ
ンネル661を指定する。固定局33は最大受信電界強
度を送出する通信衛星117に割り当てられた通信信号
用無線チャンネル661に関する識別信号を制御信号用
無線チャンネル633を用いて、移動局13へ送出す
る。移動局13は指定された情報信号用無線チャンネル
661に切り替えてから、折り返し導通確認信号を通信
衛星117経由で、固定局33へ送出して、交換局34
を中継し、地上通信網との導通確認を行う。移動局13
と地上通信網との導通確認後、固定局33に接続された
交換局34は折り返し導通確認信号を受信後、移動局1
3ユーザを地上通信網のユーザ端末機35との間の通信
回線を接続する。
【0083】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば遠地点
半径Raが静止軌道の遠地点半径Rg以下(Ra<=R
g)、周期P、離心率eがe<=(P/Pg)3/2 −1
(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角i>0を満た
す楕円軌道上の3機以上の通信衛星の遠地点の直下点周
辺地域において、各通信衛星のアンテナビームが共有す
る照射地域内の複数の地球局相互間で、通信衛星経由の
通信回線を設定することで、3方向以上の仰角と方位角
を有する地球局を用い、地上高層建造物、山岳、樹木等
の遮蔽の影響を受けずに、衛星通信回線を設定でき、都
市内地域や山岳地帯等の地上移動通信や固定通信回線と
の相互補完が可能となり、広域の国内衛星通信網が構築
できる。
【0084】また、この発明によれば周期PがP=Pg
/n(Pg:地球の自転周期 n:2以上の整数)、遠
地点半径Raが静止軌道の半径Rg以下(Ra<=R
g)、及び離心率eがe<=(P/Pg)3/2 −1)の
同一楕円軌道を有する3機以上の通信衛星からなる通信
衛星群が形成するn群の通信衛星において、通信衛星の
直下点経度方向に対して360度/nの間隔を保ち、直
下点緯度方向に対して同一方向に配置される通信衛星群
の遠地点の直下点付近における、3機以上の通信衛星ア
ンテナビームが共通に照射する地域内に3方向以上の仰
角と方位角を有する複数の地球局を用い、地上高層建造
物、山岳、樹木等の遮蔽の影響を受けずに、衛星間通信
回線を設定でき、地球規模の衛星通信網が構築できる。
【0085】そして、地上固定通信装置及び低仰角アン
テナビームの地球局装置の送信機からの電波干渉を受け
ずに、さらに地上固定通信装置及び低仰角アンテナビー
ムの地球局装置の受信機への電波干渉を与えずに、衛星
通信回線を設定でき、耐干渉性能に優れた安定な回線品
質の衛星通信網を構築できる。
【0086】さらに、静止軌道通信衛星による衛星回線
と楕円軌道通信衛星による衛星回線とを組み合わせて複
合的な衛星回線を構成する場合、春分、秋分において、
静止通信衛星による衛星回線が太陽雑音による干渉受け
る際には、この回線を地球局の衛星に対する高仰角が確
保できる楕円軌道通信衛星による衛星回線に切り替える
ことにより、太陽雑音による干渉を避けることができ、
衛星通信回線の稼働率を向上させることができる。
【0087】これに加えて、3機以上からなる通信衛星
のいずれかが不具合生じた場合、他の通信衛星に切り替
えることで、衛星通信回線を形成することができ、これ
により、高い信頼度の衛星通信回線の設計が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における楕円軌道の通信衛
星の直下点の軌跡を示す図である。
【図2】この発明の実施例1の遠地点付近における同一
軌道の通信衛星の直下点の軌跡を示す図である。
【図3】この発明の実施例2における楕円軌道の通信衛
星の遠地点付近の直下点の軌跡を示す図である。
【図4】この発明の実施例3における楕円軌道の通信衛
星の直下点の軌跡を示す図である。
【図5】この発明の実施例3の遠地点付近における2つ
の楕円軌道上の通信衛星の直下点の軌跡を示す図であ
る。
【図6】この発明の実施例4における楕円軌道の通信衛
星の直下点の軌跡を示す図である。
【図7】この発明の実施例4の遠地点付近における2つ
の楕円軌道上の通信衛星の直下点の軌跡を示す図であ
る。
【図8】この発明の実施例5における楕円軌道の通信衛
星の直下点の軌跡を示す図である。
【図9】この発明の実施例5の遠地点付近における2つ
の楕円軌道上の通信衛星の直下点の軌跡を示す図であ
る。
【図10】この発明の実施例6における楕円軌道の通信
衛星の直下点の軌跡を示す図である。
【図11】この発明の実施例6の遠地点付近における2
つの楕円軌道上の通信衛星の直下点の軌跡を示す図であ
る。
【図12】この発明の実施例7における静止軌道の通信
衛星の直下点の軌跡を示す図である。
【図13】この発明の実施例7の楕円軌道上の遠地点付
近における通信衛星の直下点の軌跡と静止衛星の直下点
の軌跡を示す図である。
【図14】この発明の実施例8における楕円軌道の通信
衛星の直下点の軌跡を示す図である。
【図15】この発明の実施例8における地球局が2機の
通信衛星を経由して形成する衛星通信回線を示す図であ
る。
【図16】この発明の実施例9における固定局及び移動
局が3機の通信衛星を経由して形成する衛星通信回線を
示す図である。
【図17】この発明の実施例10における固定局が3機
の通信衛星を経由して移動局と形成する下り衛星通信回
線を示す図である。
【図18】この発明の実施例11における移動局が3機
の通信衛星を経由して固定局と形成する上り衛星通信回
線を示す図である。
【図19】従来のモルニア軌道の通信衛星の直下点の軌
跡を示す図である。
【図20】従来のツンドラ軌道の通信衛星の直下点の軌
跡を示す図である。
【図21】従来のルーパス軌道の通信衛星の直下点の軌
跡を示す図である。
【図22】従来の円軌道の通信衛星の直下点の軌跡を示
す図である。
【符号の説明】
2 移動局 5 移動局 11 移動局 12 移動局 13 移動局 21 トランク領域(ゲートウエイ) 22 公衆電話回線網 23 ユーザ端末機 31 固定局 32 固定局 33 固定局 34 交換局 35 地上通信網のユーザ端末機 111〜122 楕円軌道の通信衛星 201〜212 楕円軌道の通信衛星 231〜242 楕円軌道の通信衛星 261〜270 楕円軌道の通信衛星 291〜302 楕円軌道の通信衛星 321 静止軌道の通信衛星 351〜374 楕円軌道の通信衛星 511 楕円軌道 512 楕円軌道 513 楕円軌道 514 楕円軌道 515 楕円軌道 516 楕円軌道 517 楕円軌道 518 静止軌道 519 楕円軌道 601〜605 地球局と衛星との通信回線 611〜613 移動局と固定局との間の回線制御信号
用無線チャンネル 631〜633 移動局と固定局との間の回線制御信号
用無線チャンネル 651 移動局と固定局との間の情報信号用無線チャン
ネル 661 移動局と固定局との間の情報信号用無線チャン
ネル 701〜706 衛星相互間の通信回線 711 衛星相互間の通信回線 801〜803 通信衛星と移動局との距離が等しい円
錐の稜が地表面に描く円 1115〜1117 地球局が通信衛星に対する仰角>
=80度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の
領域 1174〜1176 地球局が通信衛星に対する仰角>
=80度を満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の
領域 1206 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1207 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1236 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1265 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1266 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1297 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1298 地球局が通信衛星に対する仰角>=80度を
満たす通信衛星の直下点を中心とする円形の領域 1321 地球局が静止軌道通信衛星に対する仰角>=
80度を満たす静止軌道通信衛星の直下点を中心とする
楕円形の領域 2116 地球局が3機の通信衛星115,116,1
17に対する仰角>=80度を同時に満たす地域 2175 地球局が3機の通信衛星115,116,1
17に対する仰角>=80度を同時に満たす地域 2206 地球局が3機の通信衛星116,206,2
07に対する仰角>=80度を同時に満たす地域 2236 地球局が3機の通信衛星116,117,2
36に対する仰角>=80度を同時に満たす地域 2265 地球局が3機の通信衛星116,117,1
18,265に対する仰角>=80度を同時に満たす地
域 2298 地球局が3機の通信衛星116,117,2
97,298に対する仰角>=80度を同時に満たす地
域 2321 地球局が3機の楕円軌道通信衛星115,1
16,117に対する仰角>=80度及び1機の静止軌
道通信衛星321に対する仰角>=40度を同時に満た
す地域 2354 固定局が3機の楕円軌道通信衛星353,3
54,355に対する仰角>=80度を保持できる通信
回線設定地域 2370 移動局が3機の楕円軌道通信衛星353,3
54,355に対する仰角>=80度を保持できる通信
回線設定地域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7304−5K H04B 7/26 106 A 7304−5K 106 B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠地点半径RaがRa<=Rg(Rg:
    静止軌道半径)、周期P、離心率eがe<=(P/P
    g)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角
    i>0の楕円軌道を有し、電波信号の送受信および信号
    の切り替え機能を有する3機以上の通信衛星の遠地点の
    直下点周辺地域において、3機以上の通信衛星のアンテ
    ナビームが共通に照射する地域内に設置される、電波信
    号の送受信及び信号切り替え機能を有する複数の地球局
    相互間で、3機以上の通信衛星経由の通信回線を設定し
    たことを特徴とする衛星通信回線の設定方法。
  2. 【請求項2】 遠地点半径RaがRa<=Rg(Rg:
    静止軌道半径)、周期P、離心率eがe<=(P/P
    g)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)及び軌道傾斜角
    i=0の楕円軌道を有し、電波信号の送受信及び信号切
    り替え機能を有する3機以上の通信衛星の遠地点の直下
    点周辺地域において、3機以上の通信衛星のアンテナビ
    ームが共通に照射する地域内に設置される、電波信号の
    送受信及び信号切り替え機能を有する複数の地球局相互
    間で、3機以上の通信衛星経由の通信回線を設定したこ
    とを特徴とする衛星通信回線の設定方法。
  3. 【請求項3】 昇交点赤径Ωが異なり、遠地点半径Ra
    がRa<=Rg(Rg:静止軌道半径)、周期P、離心
    率eがe<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転
    周期)及び軌道傾斜角i>0が同一の2つ以上の楕円軌
    道を有し、電波信号の送受信及び信号の切り替え機能を
    有する3機以上の通信衛星の遠地点の直下点周辺地域に
    おいて、3機以上の通信衛星のアンテナビームが共通に
    照射する地域内に設置された、電波信号の送受信及び信
    号切り替え機能を有する複数の地球局相互間で、3機以
    上の通信衛星経由の通信回線を設定したことを特徴とす
    る衛星通信回線の設定方法。
  4. 【請求項4】 軌道傾斜角iが異なり、遠地点半径Ra
    がRa<=Rg(Rg:静止軌道半径)、周期P、離心
    率eがe<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転
    周期)が同一の2つ以上の楕円軌道を有し、電波信号の
    送受信及び信号の切り替え機能を有する3機以上の通信
    衛星の遠地点の直下点周辺地域において、3機以上の通
    信衛星のアンテナビームが共通に照射する地域内に設置
    される、電波信号の送受信及び信号切り替え機能を有す
    る複数の地球局相互間で、3機以上の通信衛星経由の通
    信回線を設定したことを特徴とする衛星通信回線の設定
    方法。
  5. 【請求項5】 離心率周期eが異なり、遠地点半径Ra
    がRa<=Rg(Rg:静止軌道半径)、周期P、離心
    率eがe<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転
    周期)及び軌道傾斜角i>0が同一の2つ以上の楕円軌
    道を有し、電波信号の送受信及び信号切り替え機能を有
    する3機以上の通信衛星の遠地点の直下点周辺地域にお
    いて、3機以上の通信衛星のアンテナビームが共通に照
    射する地域内に設置される、電波信号の送受信及び信号
    切り替え機能を有する複数の地球局相互間で、3機以上
    の通信衛星経由の通信回線を設定したことを特徴とする
    衛星通信回線の設定方法。
  6. 【請求項6】 近地点引数ωが異なり、遠地点半径Ra
    がRa<=Rg(Rg:静止軌道半径)、周期P、離心
    率eがe<=(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転
    周期)及び軌道傾斜角i>0が同一の2つ以上の楕円軌
    道を有し、電波信号の送受信及び信号の切り替え機能を
    有する3機以上の通信衛星の遠地点の直下点周辺地域に
    おいて、3機以上の通信衛星のアンテナビームが共通に
    照射する地域内に設置される、電波信号の送受信及び信
    号切り替え機能を有する複数の地球局相互間で、3機以
    上の通信衛星経由の通信回線を設定したことを特徴とす
    る衛星通信回線の設定方法。
  7. 【請求項7】 遠地点半径Raが静止軌道の遠地点半径
    Rg以下(Ra<=Rg)、周期:P、離心率eがe<
    =(P/Pg)3/2 −1(Pg:地球の自転周期)及び
    軌道傾斜角i>0を満たす同一軌道要素の楕円軌道を有
    し、電波信号の送受信及び信号切り替え機能を有する3
    機以上の通信衛星の遠地点の直下点周辺地域において、
    3機以上の軌道傾斜角i>0の通信衛星のアンテナビー
    ムと軌道傾斜角i=0の通信衛星アンテナビームが共通
    に照射する地域内に設置される、電波信号の送受信及び
    信号切り替え機能を有する複数の地球局相互間で、3機
    以上の軌道傾斜角i>0の通信衛星及び軌道傾斜角i=
    0の通信衛星経由の通信回線を設定したことを特徴とす
    る衛星通信回線の設定方法。
  8. 【請求項8】 周期PがP=Pg/n(Pg:地球の自
    転周期 n:2以上の整数)、遠地点半径Raが静止軌
    道の半径Rg以下(Ra<=Rg)、及び離心率eがe
    <=(P/Pg)2/3 −1)の同一の楕円軌道を有する
    3機以上の通信衛星からなる通信衛星群が形成するn群
    の通信衛星群において、通信衛星の直下点緯度が同一
    で、通信衛星の直下点経度が360度/nの間隔の通信
    衛星相互間の通信回線と通信衛星群の遠地点の直下点付
    近の3機以上の通信衛星アンテナビームが共通に照射す
    る地域内の地球局と通信衛星との通信回線とを設定した
    ことを特徴とする衛星通信回線の設定方法。
  9. 【請求項9】 3機以上の通信衛星のアンテナビームが
    共通に照射する地域内に設置される固定局と移動局とに
    おいて、同期信号、移動局に対する呼び出し識別信号、
    位置情報信号等からなる衛星通信回線制御信号用無線チ
    ャンネルを用い、同期信号が固定局と移動局との間を3
    機以上の通信衛星経由し往復する伝播遅延時間と同期信
    号が固定局と3機以上の通信衛星との間を往復する伝播
    遅延時間との差から電波伝播速度を考慮し演算により求
    めた3機以上の通信衛星と移動局間の距離に等しい長さ
    の母線をもつ円錐の底面が地表面に描く3つ以上の円の
    軌道の交点を移動局の位置と定め、固定局における移動
    局の位置情報の登録、更新と衛星通信回線制御信号用無
    線チャンネルを用いることにより、移動局に対する最新
    の位置情報の送出と移動局における位置情報の表示とを
    行うことを特徴とする移動局の位置決定方法と登録方
    法。
  10. 【請求項10】 3機以上の通信衛星のアンテナビーム
    が共通に照射する地域内の移動局と固定局とが通信衛星
    を経由して形成する、音声信号等の情報信号用無線チャ
    ンネルと地上通信網ユーザに対する呼び出し識別信号等
    の通信回線制御信号用無線チャンネルとからなる衛星通
    信回線において、移動局からの地上通信網ユーザ端末機
    に対する呼び出し信号を基に、移動局発信の上りの通信
    回線制御信号用無線チャンネルを3機以上の通信衛星経
    由で固定局へ送信し、固定局が通信衛星経由の3波以上
    の通信回線制御信号用無線チャンネルの受信電界強度を
    比較し、最大の受信電界強度の通信回線制御信号用無線
    チャンネルに対応する通信衛星に割り当てられている通
    信用無線チャンネルを指定し、下りの通信回線制御信号
    用無線チャンネルによって移動局へ送信し、移動局が固
    定局の指定する通信衛星の情報信号用無線チャンネルに
    切り替え、固定局において移動局、通信衛星及び固定局
    間の情報信号の導通確認を経た後、移動局、通信衛星及
    び固定局の上りの通信回線を具備したことを特徴とする
    衛星通信回線の設定方法。
  11. 【請求項11】 3機以上の通信衛星のアンテナビーム
    が共通に照射する地域内の移動局と固定局との間で通信
    衛星を経由して形成する、音声信号等の情報信号用無線
    チャンネルと移動局に対する呼び出し識別信号等の通信
    回線制御信号用無線チャンネルとからなる衛星通信回線
    において、移動局が、地上通信網ユーザからの移動局に
    対する呼び出し識別信号を、固定局発信の下りの回線制
    御信号用無線チャンネルを通信衛星を経由して受信し、
    移動局に対する呼び出し識別信号が移動局に登録されて
    いる識別符号と同じ場合、移動局は応答信号を移動局発
    信の上り回線制御用無線チャンネルを通信衛星を経由し
    て固定局へ送信し、固定局が通信衛星経由の3波以上の
    通信回線制御信号用無線チャンネルの受信電界強度を比
    較し、最大の受信電界強度の通信回線制御信号用無線チ
    ャンネルに対応する通信衛星に割り当てられている通信
    無線チャンネルを指定し、下りの回線制御信号用無線チ
    ャンネルによって移動局へ送信し、移動局が固定局が指
    定する通信衛星の情報信号用無線チャンネルに切り替え
    てから、指定の通信衛星を経由して固定局へ送信し、固
    定局において移動局、衛星及び固定局間の情報信号の導
    通確認を経た後、固定局、通信衛星及び移動局の下り通
    信回線を具備したことを特徴とする衛星通信回線の設定
    方法。
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