JPH07103775B2 - 地中移動体の水平変位検出装置 - Google Patents

地中移動体の水平変位検出装置

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JPH07103775B2
JPH07103775B2 JP2059213A JP5921390A JPH07103775B2 JP H07103775 B2 JPH07103775 B2 JP H07103775B2 JP 2059213 A JP2059213 A JP 2059213A JP 5921390 A JP5921390 A JP 5921390A JP H07103775 B2 JPH07103775 B2 JP H07103775B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、地中移動体の水平変位検出装置に係り、とり
わけ水道管、ガス管等を地中埋設するためにトンネル掘
進を行う地中掘削機を施工計画線通りに推進すべく、地
中掘削機の地中における水平変位を検出する水平変位検
出装置に関する。
〔従来の技術〕
本願出願人は、すでに施工計画線に応じて地表面に予め
磁界発生ケーブルを敷設しておくだけで、地中掘削機の
施工計画線からの水平変位態様についての正確なデータ
をリアルタイムで得ることのできる地中掘削機の水平変
位計測装置を特許出願(特願昭61−10700号)してい
る。
この発明では、地中掘削機が掘進するトンネルの施工計
画線に応じて、施工計画線から等間隔ずつ離間してその
往路線と復路線とが位置するように地表面に磁界発生ケ
ーブルを敷設し、地中掘削機の側に適宜の検出コイルを
配設し、これに上記ケーブルの発生磁界を検出せしめる
ようにしている。
すなわち、往路線と復路線とが発生した磁界は、施工計
画線(往復路線間の中心線)を通る鉛直面を境として対
称をなす。そこで、磁界の強度を上記の検出コイルの出
力に基づいて判別することにより、地中掘削機が施工計
画線の右方にあるのか左方にあるのか、その水平変位態
様を識別計測するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の技術によれば、地中掘削機の施工計画線から
水平方向変位を有効に、しかもリアルタイムで連続的に
計測できるという初期の目的を確かに達成できるもの
の、磁界発生ケーブルが発生した磁界は、水平方向と鉛
直方向(深さ方向)とに変化しているため、水平方向変
位を演算処理によって求める過程において、上記検出コ
イルの出力の他、地中掘削機の地表面に対する鉛直方向
位置、つまり地中掘削機の深度も計測値として別途必要
とする。
地中掘削機の深度は、例えば公知の圧力沈下計を用いて
次の如くして行われる。
地中掘削機の出発地点(具体的には発進立坑)における
深度を圧力沈下計によって求め、この求めた深度を予め
データとして演算装置にインプットしておき、この深度
データと上記検出コイルの出力に基づいて上記水平変位
を求め、この水平変位が零になるように、つまり地中掘
削機が施工計画線に沿って進行するように制御し、地中
掘削機を発進立坑から到達立坑まで同一深度のまま進行
させるようにしている。
ところが、地中掘削機は、ピッチング(前後方向の姿勢
変化)およびローリング(左右方向の姿勢変化)を伴い
つつ地中を移動する。また、実際には、施工計画線に沿
った地表面は平坦でなく、出発地点の地表面と地中掘削
機が現在位置している地表面との間に高低差があること
が多い。
上記の従来の技術は、こうしたピッチング等を伴わない
場合には、正確に水平変位を求めることができるのであ
るが、実際には上記ピッチング等の影響によって深度ず
れ等が生じ、これに起因して水平変位を正確に求めるこ
とができないということが本発明者等によって明らかに
なった。
そこで、本願出願人は、地中掘削機のピッチング、ロー
リング、施工計画線に沿った出発地点に対する高低差な
どによる影響を補正して、検出コイルの深度をY、一対
の検出コイルの出力電圧(誘導起電力)をV1、V2とした
ときに、検出コイルの施工計画線に対する水平変位x
を、 として求める水平変位計測装置を出願した(特願平1−
65352号)。
しかし、上記式(1)は、磁界発生ケーブルと施工計画
線との距離をlとしたときに、 Y2≫l2 かつ、Y2≫x2 の関係を満たすものとして導いたものである。このた
め、地中掘削機が浅い位置、すなわち磁界発生ケーブル
と検出コイルとの距離が短い場合には、誤差が発生する
という問題がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたもので、地中
掘削機等の地中移動体のピッチング等の影響を除去でき
るとともに、地中移動体が地中の浅い位置にあったとし
ても、基準線に対する地中移動体の水平変位を正確に求
めることができる地中移動体の水平変位検出装置を提供
することを目的としている。
〔課題を解決するための手段および作用〕
上記の目的を達成するために、本発明は、地表の基準線
に沿って地中を移動する地中移動体の前記基準線に対す
る水平変位を検出する地中移動体の水平変位検出装置に
おいて、往路線と復路線とを前記基準線の両側に所定距
離離間して配設した磁界発生ケーブルと、前記地中移動
体の所定位置に設けられ、鉛直軸に対して地中移動体の
進行方向左右両側に所定角度傾斜させられた、前記磁界
発生ケーブルの発生した磁界を検出する第1と第2の検
出コイルと、前記地中移動体の出発地点における深度を
記憶する初期深度記憶手段と、前記基準線の各位置にお
ける前記出発地点に対する高低差を記憶する高低記憶手
段と、前記地中移動体の移動距離を検出する移動距離検
出手段と、前記地中移動体のピッチング角を検出するピ
ッチング角検出手段と、前記地中移動体のローリング角
を検出するローリング角検出手段と、前記移動距離検出
手段の出力と前記ピッチング角検出手段の出力とに基づ
いて、前記地中移動体のピッチングに伴う前記出発地点
に対する深度ずれを演算する深度ずれ演算手段と、前記
第1、第2の検出コイルの配置位置と前記ローリング角
検出手段の出力とに基づいて、前記地中移動体のローリ
ングに伴う前記第1、第2の検出コイルの前記地中移動
体に対する鉛直方向の位置ずれを演算する鉛直位置ずれ
演算手段と、前記移動距離検出手段が検出した移動距離
に対応する前記高低差記憶手段が記憶している前記高低
差と、前記初期深度記憶手段が記憶している前記出発地
点における深度と、前記深度ずれ演算手段および前記鉛
直位置ずれ演算手段が求めた演算値と、前記ローリング
角検出手段の出力とに基づいて、前記地中移動体のロー
リングに伴う前記第1、第2の検出コイルの前記地中移
動体に対する水平方向の位置ずれを演算する水平位置ず
れ演算手段と、前記移動距離検出手段が検出した移動距
離に対応した前記高低差記憶手段が記憶している前記高
低差と、前記初期深度記憶手段が記憶している前記出発
地点における深度と、前記第1、第2の検出コイルの検
出値と、前記深度ずれ演算手段、前記鉛直位置ずれ演算
手段および前記水平位置ずれ演算手段の演算値とに基づ
いて、前記地中移動体の前記基準線に対する水平変位を
演算する水平変位演算手段と、を備えるとともに、前記
水平変位演算手段は、前記検出コイルの前記基準線に対
する水平変位をx、検出コイルの深度をY、前記磁界発
生ケーブルの往路線と復路線との前記基準線からの距離
をlとしたときに、 を演算することを特徴としている。
ただし、k=(V2−V1)/(V1+V2) であって、V1は前記第1の検出コイルのに生ずる誘導起
電力、V2は前記第2の検出コイルに生ずる誘導起電力で
ある。
このように構成した本発明においては、地中移動体にピ
ッチングが発生しても、ピッチング角検出手段によって
ピッチングに伴う地中移動体の出発地点に対する深度ず
れを求めることができる。また、地中移動体にローリン
グが発生したとしても、検出コイルの地中移動体に対す
る鉛直位置ずれと水平位置ずれとを鉛直位置ずれ演算手
段、水平位置ずれ演算手段によって求めることができ
る。
また、水平変位演算手段が上記の各演算器の演算結果
と、地中移動体の出発地点における深度(初期深度)お
よび基準線に沿った出発地点に対する高低差とに基づい
て、地中移動体のピッチング、ローリング等による影響
を補正した基準線に対する水平変位を算出する。そし
て、水平位置ずれ演算手段の演算は、基準線と磁界発生
ケーブルとの距離や、深度と水平変位との関係を考慮し
ているため、地中移動体が地中の浅い位置にあったとし
ても、水平変位を精度よく求めることができる。
〔実施例〕
本発明の地中移動体の水平変位検出装置の好ましい実施
例を、添付図面に従って詳説する。なお、この実施例に
おいては、地中移動体として地中掘削機を想定している
が、地中移動体は地中掘削機に限定されず、地中を移動
し得る有体物であれば任意に適用可能である。
第1図は、本発明に係る地中掘削機の位置検出装置の説
明である。
第1図において、地中移動体である地中掘削機10には、
地表面12に配設した磁界発生ケーブル14が発生した磁界
を検出する第1、第2の検出コイルS1、S2が設けてあ
る。検出コイルS1、S2は、詳細を後述するように相互に
交差して配置され、支持装置16を介して地中掘削機10の
所定位置に取り付けられ、地中掘削機10がピッチング
(前後方向の傾斜)やローリング(左右方向の傾斜)を
起こしても、その姿勢が変化しないようになっている。
さらに、地中掘削機10の内部には、地中掘削機10のピッ
チング角を検出するピッチング角検出手段としてのピッ
チング傾斜計18と、地中掘削機10のローリング角を検出
するローリング角検出手段としてのローリング角傾斜計
20とが適宜の位置に配設してある。そして、検出コイル
S1、S2、ピッチング傾斜計18およびローリング角傾斜計
20は、地中掘削機10の出発地点である発進立坑23に設置
した詳細を後述する信号処理装置22に接続してあり、そ
れぞれの検出信号を信号処理装置22に入力できるように
してある。また、発進立坑23には、推進距離計24と表示
装置26とが設けてある。
推進距離計24は、発進立坑23から到達立坑28に向けて掘
進する地中掘削機10の移動距離Rを検出して信号処理装
置22に入力する。そして、表示装置26は、信号処理装置
22の出力信号を受け、信号処理装置22が求めた演算結果
を表示する。
磁界発生ケーブル14は、第2図に示したように、往路線
14aと復路線14bとからなり、それぞれが測量等によって
決定したトンネルを掘削するための施工計画線(基準
線)30の両側に、所定距離lだけ離間して地表面12に敷
設してある。そして、磁界発生ケーブル14は、適宜の交
流電流を供給する電流供給装置32に接続され、例えば矢
印A、Bのごとく電流が流れることにより、往復路線14
a、14bを中心とした同心円状の磁界を発生する。
磁界発生ケーブル14の発生した磁界の強さを検出する第
1、第2の検出コイルS1、S2は、第3図に示したよう
に、地中掘削機10の軸線方向から見た場合に、鉛直線34
の両側に所定の角度ψ(例えば45度)だけ傾斜いてお
り、前記した支持装置16によって、地中掘削機10がピッ
チングやローリングをしてもその姿勢が変化しないよう
に支持されている。そして、検出コイルS1、S2には、第
4図のように必要に応じて設けられるプリアンプ36、38
が接続してあり、検出信号がプリアンプ36、38を介して
信号処理装置22に入力される。
信号処理装置22には、プリアンプ36、38の出力を増幅す
る受信アンプ40、42が設けてある。また、信号処理装置
22は、アナログ信号である受信アンプ40、42の出力を、
ディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換器
(A/D変換器)44、46と、推進距離計24、ピッチング傾
斜計18、ローリング角傾斜計20のアナログの出力信号を
ディジタルに変換するA/D変換器48、50、52を有してい
る。さらに、信号処理装置22には、深度ずれ演算手段で
ある深度ずれ演算器54、鉛直位置ずれ演算手段である鉛
直位置ずれ演算器56、水平位置ずれ演算手段である水平
位置ずれ演算器58、水平変位演算手段である水平変位演
算器60および初期深度記憶手段と高低差記憶手段として
のメモリ62が設けてある。このメモリ62には、磁界発生
ケーブル14の施工計画線30からの距離l、地中掘削機10
の出発地点における深度(初期深度Y0)、検出コイル
S1、S2の地中掘削機10の中心に対する鉛直方向の取付け
位置d0、施工計画線30に沿った出発地点に対する高低差
H等が格納してある。
深度ずれ演算器54は、A/D変換器48、50を介して入力す
る推進距離計24の出力信号とピッチング傾斜計18の出力
信号とから、地中掘削機10のピッチングに伴う検出コイ
ルS1、S2の深度ずれを演算し、演算結果を水平位置ずれ
演算器58と水平変位演算器60とに入力する。また、鉛直
位置ずれ演算器56は、A/D変換器52を介して入力してく
るローリング角傾斜計20の出力信号と、メモリ62に格納
してある検出コイルS1、S2の地中掘削機10の取付け位置
d0とに基づいて、検出コイルS1、S2の地中掘削機10に対
する鉛直方向の位置ずれを演算し、水平位置ずれ演算器
58と水平変位演算器60とに送出する。
水平位置ずれ演算器58は、深度ずれ演算器54と鉛直位置
ずれ演算器56との演算結果と、推進距離計24、ローリン
グ角傾斜計20の出力信号およびメモリ62に格納してある
施工計画線30に沿った高低差Hとに基づいて、検出コイ
ルS1、S2の地中掘削機10に対する水平方向の位置ずれを
演算し、水平変位演算器60に送出する。
水平変位演算器60は、A/D変換器44、46を介して入力し
てくる検出コイルS1、S2の検出信号、推進距離計24の出
力信号、深度ずれ演算器54と鉛直位置ずれ演算器56と水
平位置ずれ演算器58との演算結果、およびメモリ62に格
納してある初期深度Y0、高低差Hに基づいて、検出コイ
ルS1、S2の施工計画線30に対する水平変位を演算し、表
示装置26に出力して表示する。
上記の如く構成した実施例の作用は、次の通りである。
まず、本実施例による検出コイルS1、S2の施工計画線30
に対する水平変位の検出原理を第3図に基づいて説明す
る。
第3図において、検出コイルS1、S2は、コイル中心点Cc
が地中掘削機10の中心を通る鉛直線34上にあって、鉛直
線34に対して左右にψだけ傾斜している。また、検出コ
イルS1、S2は、コイル中心点Ccが深度Yに位置にあり、
かつ施工計画線30に対して地中掘削機10の進行方向右側
(正方向)にxだけ水平方向にずれているものとする。
そして、コイル中心点Ccと往路線14aとの距離をr1、両
者を結ぶ線分が鉛直線となす角度をθ、コイル中心点
Ccと復路線14bとの距離をr2、両者を結ぶ線分が鉛直線
となす角度をθとする。
このとき、第1、第2の検出コイルS1、S2に生ずる誘導
起電力V1、V2は、次のように表される。
ただし、ここにK、地球の透磁率等によって一義的に定
まる定数である。
上記式(2)、(3)を変形すると、V1、V2は下記の式
(4)、(5)の如く表される。
一方、第3図から容易にわかるように、 が得られる。そこで、式(4)〜(9)とからθ、θ
を消去するとともに、ψ=45゜とすると、検出コイル
S1、S2に生ずる誘導起電力V1、V2は、 となる。ただし、ここに である。
上記式(10)、(11)は、さらに下記の式(12)、(1
3)のように変形することができる。
また、r1、r2は、第3図から容易にわかるように、 r1 2=Y2+(l−x) ……(14) r2 2=Y2+(l−x) ……(15) と表されるから、これら式(14)、(15)を式(12)、
(13)に代入すると、V1、V2は、 となる。そこで、これらの式からV1−V2、V1+V2を求め
て整理をすると、次の式(18)、(19)のようになる。
そして、式(18)の各辺を式(19)の各辺で割ると、 が得られる。この式は、x2=l2+Y2の点で不連続となる
が、その他の範囲で解くことができる。x2≦l2+Y2の範
囲で解くならば、検出コイルS1、S2の施工計画線30に対
する水平方向の変位xは、 として求めることができる。ただし、ここにk=(V2
V1)/(V1+V2)である。また、上記式(21)を、 のように級数展開し、必要な次数まで求め水平変位xを
充分な精度で求めることができる。
なお、Y2≫l2、Y2≫x2の場合、式(21)は、 となり、前記した式(1)が得られる。この式(23)
は、式(22)において(l2/Y2)→0として、k2の項を
無視できる(Y2≫x2に対応)としたときにも導かれる。
このように、検出コイルS1、S2の深度Y、磁界発生ケー
ブル14の施工計画線30からの距離lがわかれば、一対の
検出コイルS1、S2に生じた誘導起電力V1、V2を検出する
ことにより、検出コイルS1、S2の施工計画線30に対する
水平変位、すなわち地中掘削機10の施工計画線30に対す
る水平方向の変位を求めることができる。
しかし、地中掘削機10は、地中を掘進する際に、ピッチ
ングやローリングを生じながら前進する。また、施工計
画線30に沿った地表面12は平坦でなく、起伏があるのが
一般的である。従って、検出コイルS1、S2の深度Yは、
発進立坑23における掘進開始時の初期深度Y0と異なるた
め、初期深度Y0検出コイルS1、S2の深度Yとしたのでは
正確な水平変位を求めることができない。従って、地中
移動体の施工計画線30に対する水平変位を正確に求める
ためには、ピッチングやローリングによる深度のずれを
補正する必要がある。本実施例は、このような補正を信
号処理装置22によって自動的に行えるようにしている。
以下、実施例による水平変位の検出方法を具体的に説明
する。
いま、地中掘削機10が第5図に示したように、出発地点
P0から経路RTに沿ってPPまで掘進し、地点Pに達したも
のとする。また、検出コイルS1、S2は、第6図のよう
に、地中掘削機10にローリングが生じていない場合、地
中掘削機10の中心C0を通る鉛直線34上にあって、地中掘
削機10の中心C0からd0離れた位置に取り付けてあるもの
とする。
信号処理装置22のメモリ62には、磁界発生ケーブル14と
施工計画線30との距離l、地中掘削機10の出発地点P0
おける深度(初期深度)Y0、検出コイルS1、S2の取付け
位置d0、施工計画線30に沿って所定区間R1、R2、R3、…
…ごとの出発地点P0の地表面12に対する高低差H等が記
憶させてある。
初期深度Y0は、オペレータが発進立坑23において圧力沈
下計等によって容易に計測することができ、また高低差
Hは測量などによって容易に得られ、これらの計測値は
取付け位置d0などとともに、キーボード等を介してメモ
リ62に記憶させる。なお、高低差Hは、鉛直上方に大き
くなったときを正(+)としている。
推進距離計24は、地中掘削機10の掘進量、すなわち地中
掘削機10の移動量を検出して信号処理装置22に出力す
る。また、ピッチング傾斜計18は、地中掘削機10のピッ
チング各θptを検出し、ローリング角傾斜計20は、地中
掘削機10のローリング角θreを検出し、それぞれ検出信
号を信号処理装置22に送る。
信号処理装置22の深度ずれ演算器50は、推進距離計24が
出力する地中掘削機10の移動距離Rと、ピッチング傾斜
計18の出力するピッチング角θptとを読み込み(ステッ
プ100)、検出コイルS1、S2のピッチングによる深度ず
れΔyptを次式(24)により求め、水平位置ずれ演算器5
8と水平変位演算器60とに送出する(第8図ステップ10
2)。
ここに、ピッチング角θreは、地中掘削機10の進行方向
に対して下向きのピッチングを正(+)とする。
従って、地中掘削機10にピッチングが生じているとき
の、式(21)における検出コイルS1、S2のコイル中心点
Ccの深度Yは、 Y=Y0+Δypt ……(25) となる。
一方、他点Pの地表面は、出発地点p0の地表面に対して
Hの高低差を有しており、地表面12に敷設した磁界発生
ケーブル14が、出発地点P0に対してHだけ高低差を有し
ていることを意味している。従って、この高低差Hを加
味したコイル中心点Ccの深度Yは、 Y=Y0+Δypt+H ……(26) となり、ピッチングと高低差を考慮した検出コイルS1
S2の施工計画線30に対する水平変位xが と表される。ただし、A=Y0+Δypt+Hである。
地中掘削機10にローリングが生じている場合、鉛直位置
ずれ演算器56は、メモリ62から検出コイルS1、S2の取付
け位置d0を読み出すとともに、ローリング角傾斜計20が
出力するローリング角θre読み込む(ステップ104)。
そして、鉛直位置ずれ演算器56は、取付け位置d0とロー
リング角θerとに基づいて、地中掘削機10の中心C0に対
するコイル中心点CCの鉛直方向の相対位置ずれΔyre
次の式(28)により演算し(ステップ106)、演算結果
を水平位置ずれ演算器58と水平変位演算器60とに入力す
る。
Δyre=d0(1−cosθre) ……(28) 従って、地中掘削機10にピッチングとローリングとが生
じている場合、検出コイルS1、S2の深度Yは、 Y=Y0+Δypt+Δypt+H ……(29) と求められる。なお、θreは、実施例の場合、地中掘削
機10の進行方向に向かって時計方向に回転した場合を正
としている。
また、地中掘削機10にローリングが生ずると、第6図に
示したように、コイル中心点Ccが地中掘削機10の中心C0
よりΔx′だけ水平方向にずれる。このずれ量Δx′
は、図から明らかなように、 Δx′=d0sinθre ……(30) である。しかし、水平方向については、検出コイルS1
S2が検出する磁界の入射角のファクタを考慮する必要が
ある。このため、コイル中心点Ccの中心C0に対応する水
平方向の相対位置ずれを求める水平位置ずれ演算器58
は、深度ずれ演算器50と鉛直位置ずれ演算器56とから演
算結果を受け取るとともに、推進距離計24が出力する地
中掘削機10を移動距離Rを読み込み、この移動距離Rに
対応した地点Pの高低差Hと初期深度Y0とをメモリ62か
ら読み出し(ステップ108)、次式によって地中掘削機1
0の中心C0に対するコイル中心点Ccの水平方向の相対位
置ずれΔxreを求め、(ステップ110)、水平変位演算器
60に送出する。
Δxre=(Y0+Δypt+Δypt+H)×θre・J ……(3
1) ここに、Jは、予め実験やシミュレーションによって求
めた定数である。
ところで、施工計画線30に対する地中掘削機10の中心C0
の水平変位xRは、第7図に示したように、コイル中心点
Ccの施工計画線30に対する水平変位xから、コイル中心
点Ccの中心C0に対する水平方向の相対位置ずれΔxre
引いた値として求めることができる。この演算は、第8
図のステップ112、114のように、水平変位演算器60が行
う。
すなわち、水平変位演算器60は、推進距離計24が出力す
る地中掘削機10の移動距離Rを読み込み、この移動距離
Rに対応した高低差Hと初期深度Y0とをメモリ62から読
み出すとともに、深度ずれ演算器50が出力するΔypt
鉛直位置ずれ演算器56が出力するΔyreとから前記した
式(29)を演算し、コイル中心点Ccの深度Yを求める。
また、水辺変位演算器60は、A/D変換器44、46を介して
検出コイルS1、S2の検出信号を取り込むとともに、水平
位置ずれ演算器58が出力するΔxreと先に求めた深度Y
とに基づいて、次の式(32)を演算し、施工計画線30に
対する地中掘削機10の中心C0の水平変位xRを求める。
ただし、B=Y0+Δypt+Δyre+Hである。
そして、水平変位演算器60は、求めた水平変位xRを表示
装置26に出力し、地中掘削機10が施工計画線30に対して
進行方向の左右の何れの方向にどのくらい変位している
かを表示する。これにより、オペレータは、表示装置26
を介して地中掘削機10がいかなる水平変位xRをもって移
動しているかをリアルタイムに知ることができ、地中掘
削機10に対する適切な操作、処理を行うことができる。
また、水平変位演算器60の演算結果を、地中掘削機10を
制御している図示しない制御装置に入力し、地中掘削機
10が施工計画線30に対してずれが生じないように制御す
ることが可能となる。
以上に説明したように、実施例によれば、地中掘削機10
がピッチングやローリングをしながら掘進し、かつ地表
面12に高低差があったとしても、ピッチングに伴う深度
ずれと、地表の高低差の変化と、検出コイルS1、S2の地
中掘削機10に対する相対位置ずれを補正した地中掘削機
10の施工計画線30に対する水平変位xRを正確に得ること
ができる。しかも、施工計画線30に対する磁界発生ケー
ブルの距離や、水平変位xRと深度Yとの関係を考慮して
いるため、地中掘削機10が浅い位置にあったとしても、
地中掘削機10の水平変位xRを正確に求めることができ、
掘進作業の能率の向上が図れる。
なお、前記実施例においては、地中掘削機10の水平変位
xRを求め、この水平変位xRが零となるように制御する場
合について説明したが、第8図のステップ102におい
て、ピッチングに伴う初期深度Y0に対する深度ずれΔy
ptを求めることができるので、この深度ずれΔyptが零
になるように、地中掘削機10を出発地点(発進立坑2
3)から到達立坑28まで同一深度を保って推進させるこ
とも可能である。
また、前記実施例においては、施工計画線30が第2図に
示したように直線である場合について説明したが、勿論
施工計画線30は曲線であってもよい。そして、この場合
にも、実施例と同様に、施工計画線30からの水平変位xR
(左右位置ずれ)を正確に求めることができるととも
に、水平変位xRが零となるように地中掘削機10を制御す
ることができることは勿論である。
さらに、前記実施例においては、ピッチング、ローリン
グ、高低差を考慮して水平変位xRを求めるようにしてい
るが、ピッチング、ローリング、高低差の何れか1つま
たは2つの影響を考慮する必要のない状況下において
は、対応する検出装置および対応する演算処理等を適宜
省略することができる。例えば、高低差の影響を無視で
きる場合には、予め高低差Hをメモリ62に記憶させる労
を省くことができる。また、例えば、ローリングの影響
を無視することができる場合には、ローリング角傾斜計
20に設置を省略することができるとともに、第8図のス
テップ104〜110を省略することができる。そして、これ
らの場合には、装置のコストを大幅に低減できる利点が
ある。
また、前記実施例においては、検出コイルS1、S2のコイ
ル中心点Ccが、地中掘削機10の中心C0(ローリング中
心)を通過する鉛直線上に配設した場合について説明し
たが、検出コイルS1、S2の配設位置はこれに限定され
ず、コイル中心点Ccを鉛直線34からずらした位置に配設
してもよい。
なお、前記実施例においては、磁界発生ケーブル14に交
流電流を供給する場合について説明したが、直流電流を
供給してのよい。また、磁界発生ケーブル14は単線であ
る必要はなく、複数のケーブルまたは複数のケーブルを
束ねたものであってもよく、磁界発生ケーブル14と同等
の磁界を発生する平板状の永久磁石や平板をコアにした
コイル等を用いてもよい。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明によれば、地中移動体の
ピッチング、ローリングの影響や地表の高低差等の影響
を補正したことにより、地中移動体の基準線からの水平
変位を正確に求めることができるばかりでなく、基準線
と磁界発生ケーブルとの距離や深度と水平変位との関係
を考慮したことにより、地中移動体が地中の浅い位置に
あったとしても、地中移動体の基準線に対する水平変位
を正確に求めることができ、トンネルの掘削作業の精度
を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る地中掘削機の位置検出装
置の説明図、第2図は磁界発生ケーブルの説明図、第3
図は実施例による水平変位の検出原理の説明図、第4図
は実施例に係る信号処理装置の構成ブロック図、第5図
は地中掘削機のピッチングによる深度ずれと地表の高低
差の影響とを説明する図、第6図はローリングによる検
出コイルの位置ずれの説明図、第7図は施工計画線に対
する地中掘削機の水平変位の求め方の説明図、第8図は
信号処理装置の動作を説明するフローチャートである。 10……地中移動体(地中掘削機)、14……磁界発生ケー
ブル、18……ピッチング角検出手段(ピッチング傾斜
形)、20……ローリング角検出手段(ローリング角傾斜
計)、22……信号処理装置、24……移動距離検出手段
(推進距離計)、30……基準線(施工計画線)、54……
深度ずれ演算手段(深度ずれ演算器)、56……鉛直位置
ずれ演算手段(鉛直位置ずれ演算器)、58……水平位置
ずれ演算手段(水平位置ずれ演算器)、60……水平変位
演算手段(水平変位演算器)。
フロントページの続き (72)発明者 新保 哲也 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 審査官 安藤 勝治

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地表の基準線に沿って地中を移動する地中
    移動体の前記基準線に対する水平変位を検出する地中移
    動体の水平変位検出装置において、 往路線と復路線とを前記基準線の両側に所定距離離間し
    て配設した磁界発生ケーブルと、 前記地中移動体の所定位置に設けられ、鉛直軸に対して
    地中移動体の進行方向左右両側に所定角度傾斜させられ
    た、前記磁界発生ケーブルの発生した磁界を検出する第
    1と第2の検出コイルと、 前記地中移動体の出発地点における深度を記憶する初期
    深度記憶手段と、 前記基準線の各位置における前記出発地点に対する高低
    差を記憶する高低差記憶手段と、 前記地中移動体の移動距離を検出する移動距離検出手段
    と、 前記地中移動体のピッチング角を検出するピッチング角
    検出手段と、 前記地中移動体のローリング角を検出するローリング角
    検出手段と、 前記移動距離検出手段の出力と前記ピッチング角検出手
    段の出力とに基づいて、前記地中移動体のピッチングに
    伴う前記出発地点に対する深度ずれを演算する深度ずれ
    演算手段と、 前記第1、第2の検出コイルの配置位置と前記ローリン
    グ角検出手段の出力とに基づいて、前記地中移動体のロ
    ーリングに伴う前記第1、第2の検出コイルの前記地中
    移動体に対する鉛直方向の位置ずれを演算する鉛直位置
    ずれ演算手段と、 前記移動距離検出手段が検出した移動距離に対応する前
    記高低記憶手段が記憶している前記高低差と、前記初期
    深度記憶手段が記憶している前記出発地点における深度
    と、前記深度ずれ演算手段および前記鉛直位置ずれ演算
    手段が求めた演算値と、前記ローリング角検出手段の出
    力とに基づいて、前記地中移動体のローリングに伴う前
    記第1、第2の検出コイルの前記地中移動体に対する水
    平方向の位置ずれを演算する水平位置ずれ演算手段と、 前記移動距離検出手段が検出した移動距離に対応する前
    記高低差記憶手段が記憶している前記高低差と、前記初
    期深度記憶手段が記憶している前記出発地点における深
    度と、前記第1、第2の検出コイルの検出値と、前記深
    度ずれ演算手段、前記鉛直位置ずれ演算手段および前記
    水平位置ずれ演算手段の演算値とに基づいて、前記地中
    移動体の前記基準線に対する水平変位を演算する水平変
    位演算手段と、 を備えるとともに、前記水平変位演算手段は、前記検出
    コイルの前記基準線に対する水平変位をx、検出コイル
    の深度をY、前記磁界発生ケーブルの往路線と復路線と
    の前記基準線からの距離をlとしたときに、 を演算することを特徴とする地中移動体の水平変位検出
    装置。 ただし、k=(V2−V1)/(V1+V2)であって、V1は前
    記第1の検出コイルのに生ずる誘導起電力、V2は前記第
    2の検出コイルに生ずる誘導起電力である。
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