JPH07101081B2 - 蒸気タービンプラントとその運転方法 - Google Patents

蒸気タービンプラントとその運転方法

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JPH07101081B2
JPH07101081B2 JP15311984A JP15311984A JPH07101081B2 JP H07101081 B2 JPH07101081 B2 JP H07101081B2 JP 15311984 A JP15311984 A JP 15311984A JP 15311984 A JP15311984 A JP 15311984A JP H07101081 B2 JPH07101081 B2 JP H07101081B2
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は蒸気タービンプラントに係り、特に、負荷が急
激に減少したときこれに対応して蒸気発生量を抑制して
余剰蒸気の発生を防止するのに好適な蒸気タービンプラ
ントとその運転方法に関する。
〔従来の技術〕
今日の蒸気タービンプラントにおいて、プラントを構成
する補機類のトリップ等により、やむをえず負荷を急降
下又は負荷遮断等をよぎなくされる場合がある。これら
の運転を行う場合、タービンプラントにおいては、駆動
蒸気系に設置される弁を閉操作することにより急速に負
荷降下または負荷遮断等の運転は可能であるが、これに
伴って蒸気発生プラントにおいては燃料の絞り込み、も
しくは遮断等で負荷の急減に追従しようとする。
しかし、残存燃料等の影響により負荷応答性許容範囲を
超え、タービンプラントとの間に負荷の差が発生する。
すなわち、蒸気発生装置により発生される蒸気量はター
ビンにて必要とする蒸気量を超え、余剰蒸気が発生す
る。ここに、蒸気発生プラントの運転を負荷応答性を許
容範囲内に押え、且つ余剰蒸気を発生させない蒸気ター
ビンプラントの運転方法を必要とするニーズが増大して
いる。
次に、第2図について従来の蒸気タービンプラントにお
ける負荷急減,負荷遮断運転を行った場合の問題点を具
体的に説明する。
第2図にて、蒸気発生装置1で発生した蒸気は主蒸気管
13を通り高圧タービン2に入る。高圧タービン2で仕事
をした蒸気は低温再熱蒸気管14を通り、再び蒸気発生装
置1に戻り再熱され、高温再熱蒸気管15を通り中圧ター
ビン3、低圧タービン4にて仕事をする。これら各ター
ビン2,3,4にて蒸気の行った仕事は、発電機5にて電気
エネルギに変換される。また、各タービン2,3,4にて仕
事を終えた蒸気は、復水器6にて水に還元され、復水ポ
ンプ7にて復水管16,低圧給水加熱器8を経由し、脱気
器9に送られ、さらに給水ポンプ10により給水管17、高
圧第1給水加熱器11,高圧第2給水加熱器12を経由して
蒸気発生装置1へ戻される。
蒸気タービンプラントが通常運転を行っている場合、前
述の過程で各給水加熱器8,11,12及び脱気器9において
は各タービン2,3,4より抽気される高温蒸気により給水
と熱交換させ、給水を加熱する。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上が蒸気タービンプラントの構成概要であるが、この
蒸気タービンプラントにおいて負荷遮断して所内単独運
転へ移行させた場合、発電機5は、蒸気タービンプラン
ト内に設置される補機類の駆動電気量のみを発電する状
態、すなわち所内単独運転を継続する。この時、タービ
ン側プラントにおいては主蒸気弁18が瞬時に絞り込み可
能であり各タービン2,3,4で仕事をする蒸気量を、その
電気量に相当する分まで瞬時に抑制することができる。
しかし、蒸気発生装置側プラントにおいては燃料絞り込
み、もしくは燃料遮断により給水を蒸気に変換するため
の外部熱源を断ち、発生蒸気量をタービン2,3,4にて必
要とする蒸気量まで減少させようとするが、蒸気発生装
置1内部の残存燃料や保有水及び構造物の保有熱等によ
る内部保有熱量の影響により、外部熱源を断っても、最
大負荷降下率(最大負荷応答性)の許容範囲は、蒸気発
生装置1内部に残存する内部保有熱量の減衰率が限度で
ある。
ここに、蒸気発生装置1とタービン2,3,4の負荷降下率
に大きな差が発生する。すなわち、タービン2,3,4が必
要とする蒸気量以上の蒸気が、蒸気発生装置1から発生
するため、余剰蒸気が生まれる。この発生した余剰蒸気
は行き場所を失い、主蒸気管13の内部で昇圧現象を引き
おこし蒸気発生装置1の蒸気系統に設置される安全弁が
開いて大気中に大量の高熱エネルギを有する蒸気を放出
することになり、最悪の場合は主蒸気管13の内部に滞留
する蒸気の動エネルギ(動圧)により主蒸気管13及び蒸
気発生装置1の破裂を引きおこすおそれがある。これら
の問題点は全て、蒸気発生装置1から発生する余剰蒸気
を抑制できないことが原因である。
本発明の目的は、蒸気タービンの負荷を急激に減じ、若
しくは負荷遮断した場合に、蒸気発生装置から余剰の蒸
気を発生させることを防止し得る蒸気タービンプラント
とその運転方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、蒸気発生装置で発生した蒸気でタービンを
駆動し、前記タービン駆動後の蒸気を復水せしめ得られ
た給水を、給水ポンプから給水加熱器を介して前記蒸気
発生装置に供給する蒸気タービンプラントの運転方法に
おいて、負荷急減ないし負荷遮断運転を行う場合に、前
記給水加熱器で加熱される前の給水の一部を該給水加熱
器の下流側に設けられたバイパス路合流点にバイパスし
て前記蒸気発生装置に供給すると共に、該給水加熱器か
ら前記蒸気発生装置へ供給される給水の一部を前記バイ
パス路合流点の上流側から取水して前記給水ポンプの上
流側に戻し、前記蒸気発生装置で発生する蒸気量を抑制
することで、達成される。
上記目的はまた、蒸気発生装置で発生した蒸気を使用す
るタービンと、該タービンから排出された蒸気を復水せ
しめ得られた給水を、給水加熱器を介して前記蒸気発生
装置に供給する給水ポンプとを有する蒸気タービンプラ
ントにおいて、前記給水加熱器の出口側の給水の一部を
前記給水ポンプの上流側に戻す第1のバイパス管と、該
第1のバイパス管を開閉する第1開閉弁と、該給水ポン
プから吐出される給水の一部を前記第1のバイパス管の
取水点より下流側に供給する第2のバイパス管と、該第
2のバイパス管を開閉する第2開閉弁とを具備すること
で、達成される。
〔作用〕
本発明は、前述の余剰蒸気をいかにして発生させないよ
うにするかに着眼点をおいたものであり、以下にその解
決策を説明する。
第1に、蒸気発生装置からの余剰蒸気発生源である蒸気
発生装置内部に残存する内部保有熱量の減衰を促進させ
るために、蒸気発生装置へ供給する給水の温度を下げる
ことが、前記の目的を達成するために最も効果的であ
り、かつ簡単な方法である。
蒸気発生量Fは、次掲の式1によって求められる。
F=Q/(T1−T2) …式1 ここで Q:蒸気発生装置の有する内部保有熱量 T1:蒸気発生装置から発生する蒸気温度 T2:蒸気発生装置へ供給する給水温度 F:蒸気発生装置からの発生蒸気量 上式1にて、蒸気発生装置の内部保有熱量Qと発生蒸気
温度T1が不変であるため、蒸気発生装置へ供給する給水
温度T2を下げることで、蒸気発生装置での温度上昇を大
きくすると、発生蒸気量Fは減少させることが可能であ
り、余剰蒸気の発生を抑制できる。即ち、第2のバイパ
ス管を通して、給水加熱器で加熱する前の給水を蒸気発
生装置に供給することで、余剰蒸気の発生を抑制でき
る。
第2に、給水ポンプより蒸気発生装置への給水を全量供
給するのではなく、その一部をタービン側プラント内に
て循環させ給水量を減少させる。これは、蒸気タービン
プラント内を循環してする水及び蒸気の流れを抑制する
ことにより、前述の問題点である主蒸気管内での動エネ
ルギを低下させて安全を確保できる。このようにして動
エネルギを低下させることにより余剰蒸気の発生を抑制
することができる。即ち、第1のバイパス管を通して、
蒸気発生装置に供給する前の給水の一部を給水ポンプに
戻すことで、余剰蒸気の発生を抑制できる。
〔実施例〕
第1図は本発明の運転方法を適用するために構成した蒸
気タービンプラントの1例の系統図である。
蒸気発生装置1へ供給する給水温度を下げるため、給水
ポンプ10の出口より、高圧第1給水加熱器11及び高圧第
2給水加熱器12をバイパスし蒸気発生装置1へ給水を供
給する第2のバイパス管21(第1のバイパス管について
は後述する。)と、この第2のバイパス管21を開閉する
第2開閉弁25(第1の開閉弁については後述する。)を
設置する。これは、蒸気タービンプラントにて、負荷急
減,負荷遮断運転を行った場合に、高圧第1給水加熱器
11,高圧第2給水加熱器12の加熱蒸気は急減するか、も
しくは全く無くなるが、高圧第1給水加熱器11,高圧第
2給水加熱器12及びそれら出口の給水管17の内部には、
高温の水が滞留しており、加熱されていない給水ポンプ
10出口の給水が蒸気発生装置1へ供給されるまでに前記
の温水が蒸気発生装置1へ供給され、前述の蒸気発生装
置1の内部保有熱量Qの減衰は促進されない。
そこで、これら負荷急減,負荷遮断運転を行う際に第2
開閉弁25を開け、給水ポンプ10出口の加熱されていない
給水を、蒸気発生装置1へ供給し、蒸気発生装置1の内
部保有熱量の減衰を促進させ、蒸気発生装置1から発生
する余剰蒸気を抑制することが可能となる。また、この
場合に、高圧第2給水加熱器12の出口側に設置される弁
である給水弁20を絞り込む、もしくは遮断することで、
蒸気発生装置1に供給される前記高温の給水を減少もし
くは遮断することにより、さらに効果的に蒸気発生装置
1の内部保有熱量Qを減衰させることができ、蒸気発生
装置1から発生する余剰蒸気の抑制に優位である。
つぎに、前述第2の解決策を実施するための機器及び運
転方法として、蒸気発生装置1へ供給する高温の給水の
一部を、給水管17より分枝させる。本図では、高圧第2
給水加熱器12の出口より脱気器9へ戻す第1のバイパス
管22とこの第1のバイパス管22を開閉する第1の開閉弁
26を設置する。これは、蒸気発生装置1へ供給する高温
の給水の一部を、脱気器9、給水ポンプ10、高圧第1給
水加熱器11,高圧第2給水加熱器12の間を循環させ、そ
の循環させた給水量の分だけ、蒸気発生装置1へ供給す
る給水量を減少させる。すなわち、負荷急減,負荷遮断
運転を行う際に、第1開閉弁26を開けることにより、蒸
気発生装置1へ供給する高温の給水の一部が、タービン
側プラント内にて循環するため、その循環水量分だけ、
蒸気発生装置1へ供給する給水量を減少させ、蒸気発生
装置1から発生する余剰蒸気を抑制することが可能とな
る。
第1図に示す実施例では更に、蒸気発生装置1より発生
した余剰蒸気を使用するために、主蒸気管13もしくは蒸
気発生装置1内部の蒸気ラインより、タービン側プラン
ト内で使用する補助蒸気を取り出す。本図においては、
蒸気発生装置1内部より、高圧第2給水加熱器12へ蒸気
を供給するための補助蒸気管23と補助蒸気弁27を設置す
る。必要に応じ、蒸気発生装置1と、高圧第2給水加熱
器12を接続する補助蒸気管の途中に補助蒸気ヘッダを設
置することもできる。これらの装置を使用し、負荷急
減,負荷遮断運転を行う際に前記の補助蒸気弁27を開
け、蒸気発生装置1より発生した余剰蒸気を、補助蒸気
として高圧第2給水加熱器12へ流入させる。そしてその
補助蒸気は、高圧第2給水加熱器12の内部でドレンと化
す。そのドレンは、ドレン管24及びドレン弁28を経由し
て脱気器9もしくは、復水器6へ回収する。すなわち、
蒸気発生装置1より発生した余剰蒸気を補助蒸気として
使用することにより、余剰となるべき蒸気が必要な蒸気
となり、蒸気発生装置1から発生する余剰蒸気を抑制す
ることができる。
更に、前記の蒸気発生装置1が原油,石炭などを燃料と
する火力プラントである場合、該蒸気発生装置1から発
生した蒸気を蒸気発生プラント内の補助蒸気として取り
出す。本第1図においては蒸気発生装置1の内部から該
蒸気発生装置1のスートブロワ用蒸気として供給する。
また、この間に補助蒸気ヘツダを設置することもでき
る。これにより、余剰となるべき蒸気を抑制することが
できる。
第1図の蒸気タービンプラントにおいて負荷の急減,又
は負荷遮断の際は、第2の開閉弁25,第1開閉弁26,補助
蒸気弁27を開弁する。また、給水弁20は前述の弁と反対
に閉弁する。これにより、蒸気発生装置1に供給する給
水温度を下げると同時に給水流量の低減及び、余剰蒸気
の有効活用ができ、蒸気発生装置1から発生する余剰蒸
気を抑制し、蒸気発生装置1の負荷下降運転時の降下率
を許容範囲内に押えることも可能となる。
以下にその効果を添附の図表について述べる。
第3図は、横軸に時間tを取り、縦軸に蒸気発生装置1
に供給する給水流量と、タービン側プラント内にて循環
する循環水量を取る。また、時間軸に示すt0は負荷降下
開始時期であり、t2は負荷降下終了時を示す。そして、
実線カーブ42が従来技術による蒸気発生装置1に供給す
る給水流量特性カーブであり、破線カーブが本発明を実
施したことによる蒸気発生装置1に供給する給水流量特
性カーブ43及び、タービン側プラント内で循環する循環
水量特性カーブ44である。ここで、給水ポンプ10の吐出
流量と給水流量はほぼ一致しているため、本発明のよう
に負荷降下運転開始により給水ポンプ10の吐出給水が蒸
気発生装置1へ供給する給水と、タービン側プラント内
にて循環する循環水とに分けて見ると、従来技術による
給水流量と本発明による給水流量では給水流量特性カー
ブ42,43を比較してわかるように、本発明の場合の方が
蒸気発生装置1へ供給する給水流量は少い。
第4図は蒸気発生装置1の特性カーブを示す図表であっ
て、横軸は第3図と同様の時間t,t0,t2を示し、縦軸に
ついては、下から給水流量特性カーブ(このカーブは第
3図に示すものと同じものであるが、蒸気発生装置1の
特性を説明するために本図にも引用するものであ
る。)、給水温度特性カーブ、熱負荷特性カーブ、発生
蒸気流量特性カーブを示す。また、第3図と同様に実線
は従来技術にて得られるそれぞれの特性カーブ42,45,4
7,49であり、破線は本実施例であ得られたそれぞれの特
性カーブ43,46,48,50である。本例において蒸気発生装
置1へ供給する給水流量が減少することは前述の通りで
あり省略する。
給水温度については、従来技術では給水温度特性カーブ
45に示す如く、高圧第2給水加熱器12の内部滞溜給水及
び、高圧第2給水加熱器12出口の給水管17内部に滞溜す
る高温給水が、全て蒸気発生装置1に供給された後に給
水温度が降下するのに対し、本発明によると負荷降下運
転開始により給水ポンプ10の出口の給水、すなわち、高
圧第1給水加熱器11,高圧第2給水加熱器12に通水し加
熱する前の給水が、直接、蒸気発生装置1に供給される
ため、瞬時に給水温度を下げることが可能となる。これ
ら給水流量の特性と給水温度の特性により、蒸気発生装
置の熱負荷特性は、従来技術においては、熱負荷特性カ
ーブ47の如く、給水流量と、ほぼ比例する形で減少する
が、本発明においては、負荷降下運転開始により、熱負
荷特性カーブ48に示す如く一度急激に上昇する。これは
前述の如く、発生蒸気温度が一定のため、給水温度が下
がることにより、蒸気発生装置1で給水を蒸気に変化さ
せ、さらに加熱するために必要な熱量は増加させなくて
はならないからである。すなわち、蒸気発生装置での熱
負荷は、急激に増大する。
これらの現象により、蒸気発生装置1より発生する蒸気
量は、本図最上段に示す発生蒸気流量特性カーブ49,50
の如くとなる。
まず従来技術においては、発生蒸気流量特性カーブ49の
如く、給水流量特性カーブ42とほぼ比例して減少するの
に対し、本実施例によると、負荷降下開始により、蒸気
発生装置1の熱負荷が、熱負荷特性カーブ48の如く上昇
するため、発生蒸気温度を一定に保とうとすると、発生
蒸気流量を特性カーブ50に示す如く急減させる効果が得
られる。これは前述の式1に示す如く発生蒸気量の関数
式より成り立つ。また、この急減された発生蒸気量の一
部を、高圧第2給水加熱器12への補助蒸気として使用す
ることにより、蒸気発生装置1より発生する余剰蒸気を
さらに抑制させる効果が十分得られる。
以上のように、本実施例によれば蒸気タービンプラント
の負荷降下運転、特に負荷急減及び負荷遮断等の運転時
に、タービン,蒸気発生装置共に負荷を降下させ、負荷
のアンバランスを無くし、蒸気発生装置からの余剰蒸気
の抑制を可能とする。
また、本実施例では、蒸気発生装置1へ供給する給水の
一部を高圧第1給水加熱器11,高圧第2給水加熱器12を
通水して脱気器9へ循環させるが、この時、高圧第2給
水加熱器12へ補助蒸気を流入させて、その循環水と熱交
換させており、循環水は加熱された水となって脱気器9
に戻る。さらに、循環水と熱交換した補助蒸気は、ドレ
ン化して脱気器9へ回収する。これらの循環水とドレン
とは、つぎのような効果をもたらす。
蒸気タービンプラントを構成するために、蒸気発生装置
1へ給水を供給する給水ポンプ10と、給水中に溶存する
O2を脱気する脱気器9とが設置されるが、蒸気タービン
プラントが負荷降下運転を行った場合、脱気器9の加熱
源が無くなり、脱気器9内部の貯水は、脱気器9に流入
する復水によって温度低下がなされ、さらには脱気器9
の圧力をも低下させてしまう。この現象は給水ポンプ10
の押込圧力を確保できなくし、給水ポンプ10がトリップ
されて蒸気発生装置1へ給水を供給することが不能とな
り、プラントトリップに至る危険性が高いので、脱気器
9の温度降下を押える必要がある。このため、加熱源を
失った脱気器9へ、脱気器9内部の貯水温度を低下させ
る復水の他に前記の循環水とドレンとを流入させること
で、脱気器9内部の貯水温度低下及び圧力低下を抑制さ
せ給水ポンプ10の押込圧力を十分な値に確保可能とする
効果が得られる。この現象を第5図を用いて次に説明す
る。
本図中の横軸には、第3図,4図と同様の時間t,t0,t2
取る。縦軸には圧力と温度を取る。また、従来技術によ
る特性カーブを実線、本実施例において得られる特性カ
ーブを破線で示す。
本図の特性カーブにおいて、従来技術では、脱気器9内
部の貯水温度が貯水温度特性カーブ57のように降下す
る。すると、脱気器9の圧力は、脱気器圧力特性カーブ
51のように降下する。また、給水ポンプ10の所要押込圧
力は給水ポンプ押込圧力特性カーブ53のように降下す
る。そして、給水ポンプ10の実効押込圧力は、給水ポン
プ実効押込圧力特性カーブ55のように降下する。これら
の特性カーブ53,55について、時間t2以降を比較する
と、その差がひじょうに小さいことがわかる。この圧力
差があまりにも小さすぎたり、あるいは逆転すると、給
水ポンプ10の保護のために設置されている圧力スイッチ
が給水ポンプ10の押込圧力低を検出し、給水ポンプ10を
トリップさせてしまい蒸気発生装置1へ供給することが
不能となり、プラントトリップに至る危険性がある。本
実施例においては、前記の通り、脱気器9へ加熱した循
環水とドレンとを流入させることにより脱気器9内部の
貯水温度低下を抑制する。これにより、脱気器9の貯水
温度は貯水温度特性カーブ58のように下降状態になり、
脱気器9の圧力は脱気器圧力特性カーブ52のようにな
り、給水ポンプ10の所要押込圧力及び実効押込圧力はそ
れぞれ、給水ポンプ所要押込圧力特性カーブ54、給水ポ
ンプ実効押込圧力特性カーブ56のようになり、それぞれ
の特性降下率は従来技術に比較すると遅くなっている。
特性カーブ54と56との差も、従来技術による特性カーブ
53と55との差よりも大きくなり、給水ポンプ10を運転す
るのに必要な押込圧力を十分確保する効果が得られる。
さらに、蒸気発生プラント内における補助蒸気の使用に
ついては、蒸気発生装置1のストーブロワ用蒸気として
使用することにより、該蒸気発生装置1内に設置される
加熱器の冷却効果をもたらす。すなわち蒸気発生装置1
の燃料に原油や石炭などを用いる火力プラントの場合、
蒸気発生装置1で燃焼させた燃料の廃ガスの熱エネルギ
にて蒸気発生装置1への給水を蒸気に変化させている
が、この給水が蒸気化する際に排気ガスの熱エネルギを
吸収して排ガス温度を下げ、蒸気発生装置1は給水を蒸
気に変化させると同時に、加熱器に入ってくる燃焼排ガ
ス温度を下げる冷却作用をも果たしている。これによ
り、蒸気タービンプラントにおいて、負荷遮断などの負
荷急減運転を行った場合、蒸気発生装置1内の給水及び
蒸気の流れが止まるため、蒸気発生装置1の燃焼排ガス
温度を下げるものが失われ、加熱器が過熱するおそれが
有る。この現象を避けるため蒸気発生プラント内におい
て補助蒸気を使用(本例においてはスートブロワ蒸気と
して)することにより、蒸気発生装置1から生じる余剰
蒸気の抑制効果を得るとともに、蒸気発生装置1内に設
けられた加熱器の冷却効果も同時に得ることを可能なら
しめる。
なお、本発明と同時の目的(負荷降下運転時の余剰蒸気
の処理)で、第6図に示したように、高圧バイパス管2
9,高圧バイパス管35,高圧バイパススプレー管33,高圧バ
イパススプレー弁38,低圧バイパス管30,低圧バイパス弁
36,減温器41,低圧バイパススプレー管34,低圧バイパス
スプレー弁39,逆止弁37等を設けたタービンバイパス装
置も用いられているが、この装置(第6図)は余剰蒸気
を抑制するのではなく、蒸気タービンプラントに不具合
を発生させないように処理するものである。この蒸気タ
ービンプラント(第6図)は蒸気発生装置1へ供給する
給水を全量、高圧第1,2給水加熱器11,12を通水している
が、このプラントの運転に本発明方法を適用すると余剰
蒸気の発生防止効果がいっそう完全に近くなる。
また、このタービンバイパス付蒸気タービンプラント
の、高圧第2給水加熱器12周辺の特性を第7図を用いて
次に説明する。本第7図は横軸に時間t,t0,t2(これ
は、第3図,第4図,第5図のものと同じものであ
る。)を取り、縦軸には、下から給水流量、高圧第2給
水加熱器12の内部圧力と同給水加熱器12の加熱蒸気圧
力、高圧第2給水加熱器12の出入口給水温度、高圧第2
給水加熱器12の加熱蒸気量を取ってある。負荷降下運転
を開始するt0のポイントについて見ると、高圧第2給水
加熱器12加熱蒸気圧力は特性カーブ60の如く急激に上昇
する。それにより、同給水加熱器12の内部圧力も特性カ
ーブ61の如く上昇する。この圧力上昇現象により、同給
水加熱器12の出口給水温度、すなわち、蒸気発生装置1
への給水温度が特性カーブ45のように上昇する。また、
同給水加熱器12の上流に設置される高圧第1給水加熱器
11は加熱蒸気が失われるため、高圧第1給水加熱器11出
口すなわち、高圧第2給水加熱器12入口給水温度は特性
カーブ62のように低下し、高圧第2給水加熱器12の出入
口の給水温度差は大きくなり、その給水と熱交換する加
熱蒸気量は特性カーブ63のように増加する。これにより
発生する問題点を第8図に用い説明する。
第8図の横軸は第3図,第4図,第5図,第7図と同様
である。縦軸は、下から高圧第2給水加熱器12加熱蒸気
流量特性、同給水加熱器12加熱蒸気の有する動エネル
ギ、同給水加熱器12のドレン弁28の弁開度を示す。本プ
ラントの負荷降下運転開始ポイントt0では、高圧第2給
水加熱器12加熱蒸気流量が特性カーブ63の如く増加する
のは前記の通りである。これにより、この加熱蒸気の動
エネルギは特性カーブ65のように増加する。また、加熱
蒸気量が増加することは、同給水加熱器12のドレン量が
増加することである。このため、ドレン弁28の弁開度は
大量のドレンを排出しようとドレン弁28の弁開度特性67
の如く大きくなる。これらの現象の問題点について一番
目は、動エネルギの増加により、高圧第2給水加熱器12
の強度設計を過大にしなくてはならない。2番目は、大
量のドレンを排出するためにドレン弁28の容量を過大に
しなくてはならない。それは、ドレン弁28の容量が小さ
いと、ドレン排出不良が発生し、高圧第2給水加熱器12
の水位が上昇し、蒸気系統へのドレン逆流、最悪の場合
タービンにドレンが逆流しウォータインダクションの発
生になる。通常はこのウォータインダクションを防止す
る装置が設置されるが、この装置は高圧第2給水加熱器
12の水位高によりタービントリップの操作をさせる場合
があり蒸気タービンプラントの運転を強制的に中止させ
るに至る虞が有る。このような不具合を有していた第6
図の蒸気タービンプラントに本発明の運転方法を適用す
ることにより、前述のごとく高圧第1給水加熱器11,高
圧第2給水加熱器12への通水給水量が減少するため、高
圧第2給水加熱器12加熱蒸気量が減少し、個々の特性は
カーブ64,66,68のように、いずれの特性カーブについて
も従来の特性カーブ63,65,67に比較すると小さくなり、
前述の不具合が解消される。
〔発明の効果〕
本発明によれば、蒸気タービンの負荷を急激に減じ、若
しくは負荷を遮断した場合に、蒸気発生装置から余剰の
蒸気を発生させることを防止し得るという優れた実用的
効果を奏し、蒸気タービンプラントの熱効率向上、およ
び安全確保に貢献するところ多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の運転方法を適用するために構成した蒸
気タービンプラントの1例の系統図、第2図は従来技術
における蒸気タービンプラントの1例の系統図である。
第3図は給水流量特性図表、第4図は蒸気発生装置運転
特性図表、第5図は脱気器廻り特性図表、第6図はター
ビンバイパス装置付蒸気タービンプラントの系統図、第
7図はタービンバイパス装置付蒸気タービンプラントの
高圧給水加熱器廻り運転特性図表、第8図は高圧給水加
熱器加熱蒸気及びドレン弁特性図表である。 1……蒸気発生装置、2……高圧タービン、3……中圧
タービン、4……低圧タービン、5……発電機、6……
復水器、7……復水ポンプ、8……低圧給水加熱器、9
……脱気器、10……給水ポンプ、11……高圧第1給水加
熱器、12……高圧第2給水加熱器、13……主蒸気管、14
……低温再熱蒸気管、15……高温再熱蒸気管、16……復
水管、17……給水管、18……主蒸気弁、19……再熱蒸気
弁、20……給水弁、21……第2のバイパス管、22……第
1のバイパス管、23……補助蒸気管、24……ドレン管、
25……第2開閉弁、26……第1開閉弁、27……補助蒸気
弁、28……ドレン弁、29……高圧バイパス管、30……低
圧バイパス管、31……抽気管、32……脱気器加熱蒸気
管、33……高圧バイパススプレー管、34……低圧バイパ
ススプレー管、35……高圧バイパス弁、36……低圧バイ
パス弁、37……逆止弁、38……高圧バイパススプレー
弁、39……低圧バイパススプレー弁、40……脱気器加熱
蒸気弁、41……減温器、42,43……給水流量特性カー
ブ、44……循環流量特性カーブ、45,46……給水温度特
性カーブ、47,48……熱負荷特性カーブ、49,50……発生
蒸気流量特性カーブ、51,52……脱気器圧力特性カー
ブ、53,54……給水ポンプ所要押込圧力特性カーブ、55,
56……給水ポンプ実効押込圧力特性カーブ、57,58……
貯水温度特性カーブ、60……低温再熱蒸気管圧力特性カ
ーブ、61……高圧第2給水加熱器圧力特性カーブ、62…
…高圧第2給水加熱器入口給水温度特性カーブ、63,64
……高圧第2給水加熱器加熱蒸気流量特性カーブ、65,6
6……高圧第2給水加熱器加熱蒸気動エネルギ特性カー
ブ、67,68……ドレン弁開度特性カーブ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気発生装置で発生した蒸気でタービンを
    駆動し、前記タービン駆動後の蒸気を復水せしめ得られ
    た給水を、給水ポンプから給水加熱器を介して前記蒸気
    発生装置に供給する蒸気タービンプラントの運転方法に
    おいて、負荷急減ないし負荷遮断運転を行う場合に、前
    記給水加熱器で加熱される前の給水の一部を該給水加熱
    器の下流側に設けられたバイパス路合流点にバイパスし
    て前記蒸気発生装置に供給すると共に、該給水加熱器か
    ら前記蒸気発生装置へ供給される給水の一部を前記バイ
    パス路合流点の上流側から取水して前記給水ポンプの上
    流側に戻し、前記蒸気発生装置で発生する蒸気量を抑制
    することを特徴とする蒸気タービンプラントの運転方
    法。
  2. 【請求項2】蒸気発生装置で発生した蒸気を使用するタ
    ービンと、該タービンから排出された蒸気を復水せしめ
    得られた給水を、給水加熱器を介して前記蒸気発生装置
    に供給する給水ポンプとを有する蒸気タービンプラント
    において、前記給水加熱器の出口側の給水の一部を前記
    給水ポンプの上流側に戻す第1のバイパス管と、該第1
    のバイパス管を開閉する第1開閉弁と、該給水ポンプか
    ら吐出される給水の一部を前記第1のバイパス管の取水
    点より下流側に供給する第2のバイパス管と、該第2の
    バイパス管を開閉する第2開閉弁とを具備したことを特
    徴とする蒸気タービンプラント。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の蒸気タービン
    プラントにおいて、前記復水を脱気する脱気器を前記給
    水ポンプの上流側に有すると共に、前記給水加熱器の出
    口側の給水の一部を戻す第1のバイパス管は前記脱気器
    に連なることを特徴とする蒸気タービンプラント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014095497A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Miura Co Ltd ボイラ給水加熱システム

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JP2014095497A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Miura Co Ltd ボイラ給水加熱システム

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