JPH07101075A - インク供給装置及びインクジェット記録ユニット - Google Patents

インク供給装置及びインクジェット記録ユニット

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JPH07101075A
JPH07101075A JP26990093A JP26990093A JPH07101075A JP H07101075 A JPH07101075 A JP H07101075A JP 26990093 A JP26990093 A JP 26990093A JP 26990093 A JP26990093 A JP 26990093A JP H07101075 A JPH07101075 A JP H07101075A
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ink chamber
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淳 高木
Junichi Yoshida
淳一 吉田
Kazuyuki Oda
和之 小田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定したインク供給を行なうとともに、イン
クの使用効率の向上を図ることができるインク供給装置
およびインクジェット記録ユニットを提供する。 【構成】 インクタンク2内は、主インク室4と、吸収
部材9を配置した副インク室6から構成され、副インク
室6の上部に大気連通孔8がある。はじめに副インク室
6内のインクが消費される。吸収部材9は圧接されてい
ないので、保持するインクがなくなるまで、吸収部材9
自身の毛細管力により安定したインク圧を保つ。吸収部
材9内のインク終了後は、メニスカス形成部材10で発
生する気泡を主インク室4に導入し、インク圧を一定に
保つ。副インク室6の底面周囲には凹部15が設けら
れ、吸収部材9の側面から侵入する空気をトラップし、
空気により副インク室6から主インク室4へのインクの
移動が阻止されることはなく、吸収部材9内のインクを
使いきることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置において、インクジェットヘッドにインクを供給する
インク供給装置及びそのインク供給装置を用いたインク
ジェット記録ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置において
用いられているインク供給機構としては、例えば、特開
昭63−87242号公報に記載されているように、記
録ヘッドに連通接続されるインクタンク内部全域にイン
ク吸収体を装填し、このインク吸収体にインクをあらか
じめ含浸保持させておき、インク吸収体内のインクを記
録ヘッドに供給するようにしたものが知られている。こ
のようなインク供給機構では、インク吸収体の毛管力に
よりインクを保持するため、インクタンク内の容積の約
40%〜60%のインク量しか使用することができず、
使用効率が低い。また、インクが消費されるにつれてイ
ンク吸収体で保持されるインク量が減少すると、インク
水頭圧の減少から、インク吸収体に含浸したインクに作
用する負圧が徐々に上昇し、記録ヘッドへのインクの供
給が妨げられるという問題が発生する。この現象が進行
し、インクにかかる負圧がある一定値以上になると、記
録ヘッドの印字ノズル部より気泡が逆流し、記録ヘッド
にインクが供給されない状態でインクの吐出動作が行な
われるため、吐出不良によって記録画像に欠陥を生じ、
画質の低下を引き起こすという問題がある。
【0003】このような問題を解決するため、例えば、
図8,図9に示した構造のものがある。図8は、従来の
インク供給装置の断面図、図9は、副インク室の下部の
拡大図である。図中、1はインクジェットヘッド、2は
インクタンク、3はインク、4は主インク室、5は連通
路、6は副インク室、7は連通孔、8は大気連通孔、9
は吸収部材、10はメニスカス形成部材、11はインク
誘導部材、12は供給路、13は緩衝部材、14はフィ
ルタである。
【0004】インクタンク2の内部は、主インク室4
と、副インク室6に分けられている。主インク室4に
は、インクのみが収容されている。主インク室4から緩
衝部材13、フィルタ14、供給路12を介して、イン
クジェットヘッド1へインクが供給される。副インク室
6の下部には、連通孔7が設けられており、連通路5を
介して主インク室4と連通している。副インク室6の内
部には、吸収部材9が配置されている。副インク室6の
上部には、吸収部材9と大気連通可能な、大気連通孔8
が設けられている。メニスカス形成部材10は、連通孔
7を覆うように配置されている。連通孔7の部分は、副
インク室6内に突出しており、吸収部材9はメニスカス
形成部材10に押圧されている。インク誘導部材11
は、メニスカス形成部材10と接し、連通孔7を通して
下部へ伸びている。
【0005】上述の従来のインク供給装置では、初期段
階においては、吸収部材9が、その毛細管力によりイン
クを保持能力限界まで吸収させることができ、副インク
室6はインク室として機能する。インクの消費に伴い、
吸収部材9が保持しているインクが減少し、大気連通口
8から空気が侵入する。吸収部材9が保持しているイン
クが消費されると、インクの液面はメニスカス形成部材
10に達する。この状態で主インク室4内の圧力が大気
圧との所望の差圧になると、大気連通口8から侵入し、
吸収部材9を通過した空気が、メニスカス形成部材10
に形成されたインクのメニスカスを通過し、通過の際に
気泡となる。気泡は、副インク室6下部の連通孔7から
連通路5を通って主インク室4に至り、主インク室4内
の負圧を一定に保つ。また、メニスカス形成部材10が
常にインクで濡れているように、インク誘導部材11に
より連通路5内のインクをメニスカス形成部材10に供
給している。
【0006】このような従来のインク供給装置では、吸
収部材9の副インク室6への挿入状態によっては、空気
が副インク室6の側壁を伝わって、メニスカス形成部材
10と吸収部材9の間に空気の連通路ができてしまい、
メニスカス形成部材10におけるメニスカスの形成が不
安定になってしまうことが稀にある。そのため、安定し
た気泡生成を行なえず、主インク室4内のインク圧力の
不安定を招き、印字不良の原因となっていた。また、副
インク室6内にインクが残っている状態で、メニスカス
形成部材10と吸収部材9の間に空気の層が形成されて
しまうと、副インク室6内のインクの主インク室4への
移動が阻害され、副インク室6内のインクが完全に使用
しきれず副インク室6に残留してしまい、インクの使用
効率を低下させる可能性があった。
【0007】さらに、上述の特開昭63−87242号
公報に記載されているインク供給装置や、図8,図9に
示したインク供給装置では、吸収部材をフィルタやメニ
スカス形成部材に圧接している。これは上述のような空
気の侵入を防ぐために行なわれているが、この圧接のた
めに、吸収部材の密度が圧接部分で変化し、インクを保
持する毛管力が変化してしまう。そのため、吸収部材が
保持するインク量が減少すると、安定した負圧によるイ
ンク供給が行なえないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、安定したインク供給を行な
うとともに、インクの使用効率の向上を図ることができ
るインク供給装置およびインクジェット記録ユニットを
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
トヘッドに連通接続されインクをインクジェットヘッド
へ供給するインク供給装置において、前記インクジェッ
トヘッドに連通路を介して連通しインクが収容される密
閉状態の主インク収容室と、該主インク収容室に通じる
空間に連通孔を介して連通しかつ大気連通口が開設され
た副インク収容室と、前記連通孔に配置されたメニスカ
ス形成部材と、前記副インク収容室の内部に配置された
吸収部材を具備し、該吸収部材の一端は前記メニスカス
形成部材及び前記副インク収容室の底面に接触するべく
配置されており、前記副インク収容室の底面の周辺部に
前記吸収部材との接触面より凹んでいる凹部を設けたこ
とを特徴とするものである。前記メニスカス形成部材に
接し前記主インク収容室と連通する空間内に延在するイ
ンク誘導部材を設けることができる。
【0010】このようなインク供給装置をインクを吐出
する前記インクジェットヘッドに固定接続し、前記イン
ク供給装置内部のインクを前記インクジェットヘッドに
供給するインクジェット記録ユニットを構成することが
できる。
【0011】
【作用】本発明によれば、吸収部材にインクが保持され
ている間は、吸収部材の有する毛細管力により負圧を維
持する。副インク収容室に配置される吸収部材は、メニ
スカス形成部材に圧接されず、接触するだけであるの
で、吸収部材の密度が変化せず、吸収部材に保持されて
いるインクが少なくなった場合でも、安定した負圧によ
り保持することができる。また、副インク収容室の底面
の周辺部に、吸収部材とメニスカス形成部材との接触面
より凹んでいる凹部を設けることにより、この凹部にて
副インク室の側壁から侵入した空気をトラップし、メニ
スカス形成部材へ空気が直接移動することを阻止でき
る。そのため、吸収部材に保持されているインクのうち
使用可能な量のインクを最後まで使いきることができ、
インクの体積効率の向上を図ることができる。
【0012】吸収部材に保持されているインクがなくな
ると、メニスカス形成部材に形成されるインクのメニス
カスにより、インクの負圧を保つ。メニスカス形成部材
により安定した気泡生成を行なうためには、常にメニス
カス形成部材がインクにより湿潤している必要がある。
したがって、前記メニスカスの形成を安定的に実現させ
るために、インク誘導部材は副インク収容室の下部空間
よりインクを吸い上げ、メニスカス形成部材に供給する
役目を果たす。
【0013】このようなインク供給装置をインクジェッ
ト記録ヘッドとを一体で構成することにより、コンパク
トなインクジェット記録ユニットを構成することができ
る。
【0014】
【実施例】図1は、本発明のインク供給装置の一実施例
を示す断面図、図2は、副インク室の下部の拡大図、図
3は、副インク室の底面の拡大図である。図中の符号は
図8,図9と同様である。15は凹部である。この実施
例では、インクジェットヘッド1とインクタンク2とが
一体に構成されている。インクジェットヘッド1の周囲
には、ヘッド自身が取り付けられた図示しないヒートシ
ンク、インクジェットヘッド1に電気信号を供給する図
示しないプリント配線基板等が存在している。インクジ
ェットヘッド1には、図示しない多数のノズルが高密度
で形成されている。例えば、128個のノズルを300
spiの密度で形成することができる。各ノズルには、
通電によって気泡を発生させ、インク滴を噴射するため
の図示しない発熱体が設けられている。図1において、
インク滴の噴射は下向きに行なわれる。
【0015】インクタンク2の内部は、主インク室4
と、副インク室6に分けられている。インクタンク2の
筐体は、剛性を持ち、長期のインク保持を可能にするた
め、耐インク性の良い材料が選択される。主インク室4
には、インクのみが収容される。主インク室4から供給
路12を介してインクジェットヘッド1へインクが供給
される。主インク室4と供給路12の間に、緩衝部材1
3およびフィルタ14が挿入されている。フィルタ14
は、緩衝部材13の下部に配置されている。これによ
り、インクジェットヘッド1へつながる供給路12の最
後での濾過が可能となり、ゴミ、異物の除去を確実に行
なうことができる。フィルタ14は、超音波融着、もし
くは、熱融着等により、供給路12の上部に確実に接着
される。フィルタ14の材料としては、濾過粒度が5μ
mから50μmとなるようなSUSメッシュ、もしく
は、SUSの細線をフェルト状にし、さらに、圧縮焼結
させたものを基材としたフィルタ等を使用することがで
きる。濾過粒度は、インクジェットヘッド中のインク流
路径よりも大きい異物をトラップする程度に決定され
る。なお、フィルタ14は、振動および衝撃、加速度に
よりインクジェットヘッド1に過度な圧力変動を与えな
い効果も一部有している。
【0016】緩衝部材13は、例えば、ポリエステル繊
維を一方向に束ねた中綿材等により構成される。緩衝部
材13は、供給路12の口部の直前に配置することが望
ましく、振動および衝撃、加速度による圧力変動、およ
び、インクジェットヘッド1のノズル側からの気泡混入
を防止する。この緩衝部材13は、供給路12の直前部
に配置することが望ましい。
【0017】副インク室6の下部には、連通孔7が設け
られており、連通路5を介して主インク室4と連通して
いる。連通孔7の断面形状としては、円形、楕円形、多
角形、星形、十字形、スリット形状等、種々の形状とす
ることができる。連通路5の上壁は、平らに構成しても
よいが、図示するように、主インク室4に向かって次第
に高くなるように斜めに構成することにより、連通孔7
に発生した気泡をスムースに主インク室4へ移動させる
ことができる。
【0018】副インク室6の内部には、吸収部材9が配
置されている。吸収部材9の材料としては、2次元構造
を持つ繊維状材料、3次元構造を持つ多孔質体材料、繊
維状材料を3次元状に紡績したフェルトおよび不織布材
料等を使用することができる。具体的には、例えば、ポ
リエステル繊維を一方向に束ねた中綿材を使用すること
ができる。この中綿材としては、例えば、密度(=重量
/体積)が5%〜15%の間のものを用いることがで
き、流体抵抗、毛細管力の観点からこの程度の値のもの
を用いるのが望ましい。なお、材料の構成はポリエステ
ル繊維に限定されるものではなく、適度な毛細管力を有
し、インク耐性のある材料であれば、インクに合わせ、
他の材料を用いることができる。
【0019】副インク室6の上部には、吸収部材9と大
気連通可能な、大気連通孔8が設けられている。この実
施例では、大気連通孔8の径は、吸収部材9の孔もしく
は繊維間の隙間より大きく構成されている。吸収部材9
は、その上部で大気と連通し、大気圧解放されている。
吸収部材9内のインクは大気圧により押され、また、吸
収部材9の下方から負圧により主インク室側へ引き出さ
れるため、効率よく吸収部材9のインクを使用すること
ができる。このとき、吸収部材9の毛細管力により、主
インク室4内の負圧は一定に保たれる。大気連通孔8か
らインクが飛び出さないように、インクは通さず、空気
を透過させるシートを大気連通孔8に設けることも可能
である。または、大気連通孔8を、インクが流出しない
微細孔を多数配すことにより構成することもできる。吸
収部材9の周囲は、副インク室6の内壁に密着するよう
に挿入されている。この目的は、大気連通孔8から導入
される空気が、副インク室6の内壁に沿って侵入するこ
とを避けるためである。吸収部材9の形状は、副インク
室6の形状に合わせればよく、直方体や円柱等の形状と
することができる。
【0020】また、副インク室6の底面には、図3に示
すように、周囲に凹部15が設けられている。副インク
室6内に収納されてる吸収部材9として、例えば、繊維
状の材料や、多孔質体などを用いている場合、これらの
周囲のケバが凹部15に入り込む。副インク室6内部の
インク量が減少したときには副インク室6の内壁に沿っ
て空気が侵入しやすい状態になるが、吸収部材9の凹部
15に入り込んだ部分が密になることにより、吸収部材
9の周囲から侵入した空気は凹部15に導入され、トラ
ップされて、それ以上の侵入を阻止することができる。
凹部15の大きさは、副インク室6の底面積とメニスカ
ス形成部材10の大きさにより、適宜設計することがで
きるが、例えば、幅1.5mm以下、深さ4mm以下と
することができる。このような比較的細く浅い形状で
も、その効果を発揮することができる。
【0021】副インク室6の底面には、メニスカス形成
部材10が配置されている。メニスカス形成部材10
は、吸収部材9の底部に接触すべく配置されている。メ
ニスカス形成部材10としては、例えば、金網や樹脂性
の網等の網目状体や、多孔質体等を用いることができ
る。網目状体の具体例としては、金属メッシュフィルタ
や、金属繊維、例えば、SUSの細線をフェルト状に
し、さらに、圧縮焼結させたものを基材としたフィル
タ、エレクトロフォーミング金属フィルタ等を使用する
ことができる。また、例えば畳綾織などの樹脂繊維の編
み物であるフィルタや、レーザビーム加工、電子ビーム
加工等による高精細な穴径を有するフィルタを用いるこ
とができる。形状は、連通孔7を覆える形状であればよ
く、例えば、図3(A)に示すように円形としたり、図
3(B)に示すような長方形や、その他の形状とするこ
とができる。
【0022】吸収部材9内にインクが吸収されていると
きは、インクはメニスカス形成部材10を通過して主イ
ンク室4に移動する。メニスカス形成部材10は、吸収
部材9にインクがなくなった場合でも、主インク室4へ
の不要な空気の侵入を防ぐ。さらにインクが消費される
と、大気連通孔8から入って来た空気は、吸収部材9を
通過し、主インク室4内の負圧の増加により、吸収部材
9に接したメニスカス形成部材10の目に張っているイ
ンクのメニスカスを押し、表面張力に打ち勝ってこれを
通過し、気泡となる。発生した気泡は、連通孔7を通
り、主インク室4へ移動する。気泡が発生する際の圧力
(バブルポイント圧)は、メニスカス形成部材10の開
口径に依存するが、この開口径を最適にすることによっ
て、主インク室4内の負圧、すなわち、インクジェット
ヘッド1へのインクの供給圧を一定に保つことができ
る。メニスカス形成部材10の開口径としては、例え
ば、70μm程度のものを使用することができる。ただ
し、フィルタ14よりも粗い濾過粒度を有する。メニス
カス形成部材10は、その開口径よりも大きいゴミ等を
除去する働きもある。
【0023】インク誘導部材11は、メニスカス形成部
材10と接し、連通孔7を通して下部へ伸びている。メ
ニスカス形成部材10の下面に気泡が溜り、空気の層が
できてしまったり、あるいは、主インク室4内のインク
が減少し、連通路5の径よりもインクの液面が低下する
と、メニスカス形成部材10は両面とも空気にさらされ
ることになる。しかし、主インク室4内の圧力は負圧に
保つ必要があるため、このような場合でもメニスカス形
成部材10にインクの液面を形成する必要がある。その
ため、インク誘導部材11は、連通路5の底部よりイン
クを吸い上げ、メニスカス形成部材10に供給すること
により、メニスカス形成部材10を濡れた状態に保ち、
主インク室4内の負圧を保つことができる。インク誘導
部材11の下面を連通孔7の底部、すなわち、連通路5
の底部に接触するまで伸ばしておくことにより、インク
を使いきるまで、最良の状態を維持することができる。
インク誘導部材11は、毛細管力によりインクをメニス
カス形成部材10へ上げることができる材料が用いら
れ、例えば、ポリエステル繊維を一方向に束ねた中綿材
や、ポリウレタン、メラミンフォーム等の多孔質性部
材、2次元、3次元状の繊維構造体等を使用することが
できる。形状は任意であり、スリット状や、直方体、三
角柱などの角柱、円筒形状、楕円柱状であってもよい。
【0024】また、図2に示したように、メニスカス形
成部材10の開口寸法よりもインク誘導部材11の断面
寸法を小さくすることにより、インク誘導部材11の周
囲に隙間Aを設けている。これにより、メニスカス形成
部材10で発生した気泡の主インク室4への移動を容易
にすることができる。隙間Aは、幅0.5mm以上が望
ましい。インク誘導部材11は、メニスカス形成部材1
0に直接取り付ける構成としたり、あるいは、連通孔7
の側壁からリブにより固定される構成とすることもでき
る。また、連通孔7が大きく、メニスカス形成部材10
の面積が広い場合には、インク供給量を増やすため、イ
ンク誘導部材11を複数本設けるように構成してもよ
い。
【0025】次に、体積効率について説明する。この実
施例においては、主インク室4と副インク室6の容積比
を1:1に設定している。インクタンク2内部の初期状
態は、主インク室4内が100%インクで満たされてお
り、副インク室6内部は吸収部材9が含浸可能なインク
量が充填されている。吸収部材9の材料として、例え
ば、ポリエステル繊維を一方向に束ねた中綿材を使用し
た場合、インク保液効率(=インク充填量/全インク室
内容積)は約80%である。また、副インク室6の内部
のインク使用効率(=供給可能インク量/インク充填
量)は約70%である。一方、主インク室4内のインク
保液効率(=インク充填量/インク吸収部材体積)は約
100%であり、インク使用効率(=供給可能インク量
/インク充填量)も約100%である。したがって、イ
ンクタンク2の体積効率(=供給可能インク量/全イン
ク室内容積)は約78%となる。
【0026】本発明のインク供給装置の一実施例におけ
る動作を説明する。上述の図1に示した状態がインク充
填時を示している。この状態において、インクタンク2
には、吸収部材9による毛細管力によって保持できる限
界までインクが充填されている。また、主インク室4に
は、内容積の100%にインクが充填されている。イン
クジェットヘッド1におけるインク圧力は、例えば、−
20mmH2 Oとすることができる。このインク圧力
は、吸収部材9の毛細管力により実現され、インクが保
持されている。使用開始時の状態としては、インク使用
効率上の観点から、できる限りインクタンク2内にイン
クを満たすことが望ましいが、吸収部材9の毛細管力に
よって負圧を発生させるために、吸収部材9にはある程
度のインク未充填部分が必要である。使用前には、イン
クジェットヘッド1のノズル部および大気連通孔8には
気密シールを貼っておくことができる。この状態で、パ
ッケージングされている。
【0027】印字が始まると、インクジェットヘッド1
においてインクが消費され、消費されたインクの量だ
け、主インク室4から供給路12を介してインクがイン
クジェットヘッド1に補給される。それに伴って、吸収
部材9でインクを保持している間は、吸収部材9間に保
持されているインクが連通路5を介して主インク室4へ
移動し、大気連通孔8から徐々に空気が吸収部材9に広
がってゆく。吸収部材9に保持されるインクが少なくな
っても、吸収部材9は副インク室6の底面やメニスカス
形成部材10に圧接されていないので、吸収部材9の有
する毛細管力により、安定した負圧でインクを供給する
ことができる。
【0028】また、吸収部材9の側面を伝わって侵入し
てくる空気は、副インク室6の底部に設けた凹部15に
よりトラップされ、直接メニスカス形成部材10まで侵
入するのを阻止することができる。そのため、空気がメ
ニスカス形成部材10を覆ってしまい、吸収部材9が保
持するインクがこの空気のために遮断されるようなこと
はなく、吸収部材9が保持するインクは、メニスカス形
成部材10を通ってスムースに主インク室4に移動し、
吸収部材9に保持されているインクを使いきることがで
きる。また、多少の空気がメニスカス形成部材10の表
面に到達しても、空気はメニスカス形成部材10上にト
ラップされたまま、インクの移動が続く。インク内に混
入している気泡が吸収部材9を通過して、メニスカス形
成部材10の上面に空気が接触した場合も、メニスカス
形成部材10の開口径を吸収部材9よりも細かく設定し
ておくことにより、空気はメニスカス形成部材10上に
トラップされ、インクの移動が続く。
【0029】図4は、インクの消費の過程の説明図であ
る。図4(A)は、インクが消費され、空気がメニスカ
ス形成部材10上に到達した状態を示している。この状
態となるまで、吸収部材9に保持されているインクの主
インク室への移動が続く。また、この状態となるまで、
主インク室4への空気の侵入は行なわれない。この時点
で、インクと空気の接するメニスカスがメニスカス形成
部材10上に形成される。
【0030】さらにインクが消費されるに従って、イン
ク水頭圧の減少から、徐々に負圧が増大し、ある一定の
負圧値(メニスカス形成部材10の開口径によって決定
されるインクのバブルポイント圧)がメニスカス形成部
材10に加わると、メニスカス形成部材10上に形成さ
れているインクのメニスカスを通して空気が細かな気泡
となって、連通孔7とインク誘導部材11の隙間に発生
する。発生した細かな気泡は、隣接して発生した細かな
気泡や、後続の気泡などと合体し、大きな気泡となりな
がら、連通路5を通って、主インク室4の内部に移動す
る。このとき、連通路5の上面が傾斜していると、気泡
の主インク室4への移動がスムースに行なわれる。気泡
発生時の圧力(バブルポイント圧)は、メニスカス形成
部材10の開口径に依存するが、この開口径を最適にす
ることによって、これ以後のインクジェットヘッド1へ
のインクの供給圧を一定に保つことができる。主インク
室4に移動した気泡は、気泡の浮力により、自然に上昇
し、主インク室4の上部に溜まることになる。この状態
を図4(B)に示している。
【0031】さらにインクが消費されると、インクの液
面が連通路5を満たさなくなる。この状態を図4(C)
に示す。この状態では、メニスカス形成部材10が両面
とも空気にさらされることになる。しかし、インク誘導
部材11が連通路5内に延在し、インク内に浸っている
ので、この部分の毛細管現象によってインクが吸い上げ
られ、メニスカス形成部材10が濡れた状態に保たれ
る。そのため、メニスカス形成部材10には、インクの
膜が形成され続け、気泡発生による主インク室4の圧力
の保持動作は有効に作動する。この状態から、主インク
室4内のインクが完全になくなるまで、インクジェット
ヘッド1へのインクの供給圧は一定に保たれる。
【0032】このように、メニスカス形成部材10に
は、常にインクが供給されるため、気泡発生開始後、イ
ンクがなくなるまで、メニスカス形成部材10上に形成
されているインクのメニスカスが破壊されることはな
く、主インク室4内の負圧はほぼ一定に保たれる。よっ
て、主インク室4内のインクを使いきることができる。
【0033】ところで、外気圧が変動したり、また、外
気温が変動するなど、周囲の環境が変化する場合があ
る。まず、主インク室にインクが満杯に充填されてお
り、副インク室からインクを供給しているときには、大
気連通孔から吸収部材9が受ける大気圧と、インクジェ
ットヘッド1のノズルの先端が受ける大気圧が同じであ
るので、大気圧が変化しても圧力バランスは崩れず、影
響は少ない。
【0034】次に、主インク室内に空気の層が形成され
ている場合を考える。図5、図6は、周囲環境の変化に
よるインクタンク内部の状態の説明図である。図中、1
6は空気層である。外気圧が下降するとき、または外気
温が上昇する際には、主インク室4の上部の空気層16
の体積が膨張するために、主インク室4内の負圧値が相
対的に小さくなろうとする。そのため、図5に示すよう
に、主インク室4内のインクは、連通路5を介し、メニ
スカス形成部材10を通過し、副インク室6内の吸収部
材9で保持される。これにより、主インク室4内の圧力
と大気圧との差圧を保ち、かつ、インクは漏れることは
ない。このとき、フィルタ14の方がメニスカス形成部
材10よりも濾過粒度が細かいので、フィルタ14を通
過してインクジェットヘッド1からインクが漏れ出すこ
とはない。
【0035】外気圧が上昇するとき、または外気温が下
降する際には、主インク室4の上部の空気層16が収縮
するために、主インク室4内の負圧値は相対的に大きく
なろうとする。この場合には、図6に示すように、イン
クの消費時と同様に、空気が大気連通孔8から吸収部材
9を通過し、さらにメニスカス形成部材10を通過する
際に気泡となり、連通路5を介して主インク室4内に導
入されることによって、主インク室4の内部の差圧を一
定に保つ。また、副インク室6内にインクが存在すると
きは、インクの主インク室4内への移動が生じ、主イン
ク室4内の負圧は保たれる。どちらの場合も、インクが
漏れることはない。
【0036】例えば、主インク室4内の空気が膨張し、
主インク室4から副インク室6へインクが移動した後、
主インク室4内の空気が収縮した場合、副インク室6か
らインクが主インク室4へ戻るので、副インク室6へ待
避したインクが使用されずに残留してしまうことはな
い。
【0037】図7は、本発明のインク供給装置の第1の
実施例を用いたインクジェット記録ユニットの概略構成
図である。図中、21はインクジェット記録ユニット、
22はインクタンク、23は放熱板、24は流路形成部
材、25は基板、26はインクジェットヘッド、27は
配線パッド、28は副インク室、29は大気連通孔、3
0は吸収部材、31はインク誘導部材、32は主インク
室、33はメニスカス形成部材、34は凹部である。
【0038】インクジェット記録ユニット21は、イン
クタンク22、放熱板23、流路形成部材24、基板2
5、インクジェットヘッド26、配線パッド27等から
構成される。インクタンク22は、副インク室28、大
気連通孔29、吸収部材30、インク誘導部材31、主
インク室32、メニスカス形成部材33により構成され
ている。副インク室28の底面の周囲には、凹部34が
形成されている。放熱板23上にインクジェットヘッド
26と基板25を配置させ、ワイヤボンド等により電気
的な接続を行なう。図示しない記録装置本体からの電気
信号の享受は、基板25上の配線パッド27を介して行
なわれる。基板25上には、駆動回路などが配置されて
おり、インクジェットヘッド26に設けられている発熱
体の制御を行ない、インクをノズルから吐出させる。一
方、インクタンク22からのインクは、流路形成部材2
4により形成されたインク供給路を介して、インクジェ
ットヘッド26に送られ、ノズルから吐出されて印字が
行なわれる。
【0039】上述の実施例において、種々の変形が可能
である。まず、上述の説明では、インクタンクとインク
ジェットヘッドが一体に構成された場合を示した。この
ような構成により、図7に示したように、インク利用率
の良い、コンパクトな記録ユニットを構成することが可
能となっている。この場合の記録ユニットは記録装置本
体に着脱自在に構成される。そのため、インク切れとと
もに、インクジェットヘッドも交換することになるが、
使用可能なインク量も従来より多くできるので、交換の
間隔を長くすることができ、コストの低減、および、廃
棄物の少量化を図ることができる。また、インクタンク
部とインクジェットヘッド部を別体として構成すること
もできる。このとき、インクタンク部のみを交換可能に
構成したり、インクジェットヘッド部も交換可能に構成
することもできる。また、インクジェットヘッドのイン
クの吐出方向は、下向きに限らず、横向きにすることも
可能である。また、緩衝部材13及びフィルタ14も、
それぞれの機能が必要ない場合には、省いて構成するこ
とが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インク室内の圧力をより安定化させることが
でき、インク漏れ、印字不良の確率を減少させることが
できる。また、副インク室内のインク使用効率を向上さ
せたインク供給措置を提供することができる。さらに、
このようなインク供給装置を利用したインクタンクとイ
ンクジェットヘッドが一体となったコンパクトな一体型
インクジェット記録ユニットを実現させることが可能と
なるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク供給装置の一実施例を示す断
面図である。
【図2】 本発明のインク供給装置の一実施例における
副インク室の下部の拡大図である。
【図3】 本発明のインク供給装置の一実施例における
副インク室の底面の拡大図である。
【図4】 インクの消費の過程の説明図である。
【図5】 周囲環境の変化によるインクタンク内部の状
態の説明図である。
【図6】 周囲環境の別の変化によるインクタンク内部
の状態の説明図である。
【図7】 本発明のインク供給装置の一実施例を用いた
インクジェット記録ユニットの概略構成図である。
【図8】 従来のインク供給装置の断面図である。
【図9】 従来のインク供給装置における副インク室の
下部の拡大図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド、2 インクタンク、3 イ
ンク、4 主インク室、5 連通路、6 副インク室、
7 連通孔、8 大気連通孔、9 吸収部材、10 メ
ニスカス形成部材、11 インク誘導部材、12 供給
路、13 緩衝部材、14 フィルタ、15 凹部、1
6 空気層、21 インクジェット記録ユニット、22
インクタンク、23 放熱板、24 流路形成部材、
25 基板、26 インクジェットヘッド、27 配線
パッド、28 副インク室、29大気連通孔、30 吸
収部材、31 インク誘導部材、32 主インク室、3
3 メニスカス形成部材、34 凹部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドに連通接続されイ
    ンクをインクジェットヘッドへ供給するインク供給装置
    において、前記インクジェットヘッドに連通路を介して
    連通しインクが収容される密閉状態の主インク収容室
    と、該主インク収容室に通じる空間に連通孔を介して連
    通しかつ大気連通口が開設された副インク収容室と、前
    記連通孔に配置されたメニスカス形成部材と、前記副イ
    ンク収容室の内部に配置された吸収部材を具備し、該吸
    収部材の一端は前記メニスカス形成部材及び前記副イン
    ク収容室の底面に接触するべく配置されており、前記副
    インク収容室の底面の周辺部に前記吸収部材との接触面
    より凹んでいる凹部を設けたことを特徴とするインク供
    給装置。
  2. 【請求項2】 前記メニスカス形成部材に接し前記主イ
    ンク収容室と連通する空間内に延在するインク誘導部材
    を有することを特徴とする請求項1に記載のインク供給
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のインク供給装
    置がインクを吐出する前記インクジェットヘッドに固定
    接続され、前記インク供給装置内部のインクを前記イン
    クジェットヘッドに供給することを特徴とするインクジ
    ェット記録ユニット。
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