JPH07100783B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH07100783B2
JPH07100783B2 JP62179930A JP17993087A JPH07100783B2 JP H07100783 B2 JPH07100783 B2 JP H07100783B2 JP 62179930 A JP62179930 A JP 62179930A JP 17993087 A JP17993087 A JP 17993087A JP H07100783 B2 JPH07100783 B2 JP H07100783B2
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岸  正夫
憲治 坂田
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリオレフィンのフィルム又は発泡体に静電植
毛加工するための水性エマルジョン型接着剤に関するも
のである。
更に詳しくは、ポリオレフィンとの密着性に優れ、接着
後の植毛体が耐摩耗性に優れた静電植毛用接着剤に関す
るものである。
〔従来の技術〕
ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレ
フィン用の接着剤としては、従来溶剤型、水性エマルジ
ョン型、ホットメルト型等の接着剤が用いられている。
溶剤型接着剤としては、合成ゴム系、天然ゴム系、アク
リル系、ウレタン系、ポリエステル系の樹脂を主成分と
し、場合によっては、粘着性付与樹脂を有機溶剤に溶解
したものを配合した接着剤が用いられている。有機溶剤
としては炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、アルコー
ル系、エーテル系、アセタール系、ケトン系、エステル
系等の溶剤を単独又は数種混合して用いる。
水性エマルジョン型接着剤としては、酢酸ビニルエマル
ジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン、
酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョン、合成ゴム
ラテックス、天然ゴムラテックス、ウレタンラテックス
等及び、これ等水性エマルジョンに可塑剤、粘着性付与
樹脂等を配合した接着剤が用いられている。
ホットメルト型接着剤としては、酢酸ビニル−エチレン
共重合体(EVAと称す。)、スチレン−ブタジエン−ス
チレンのブロックポリマー(SBSと称す。)、スチレン
−エチレン−ブタジエン−スチレンのブロックポリマー
(SEBSと称す。)等を主成分とし、粘着性付与樹脂、ワ
ックス類等を配合した接着剤が用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
溶剤型接着剤は作業時に有機溶剤が飛散して、労働衛
生、環境汚染の問題があるばかりか、周知のごとく、静
電植毛加工は、微細なパイルを高電圧をかけ飛昇させ、
接着剤層を植え付ける加工法であるから、火災の危険性
が極めて高く、現在のところ小面積の植毛用として実績
があるにすぎない。
更に作業上の問題点として、有機溶剤飛散による接着剤
層の乾燥性が問題となる。すなわち溶剤飛散により接着
剤濃度が高まり、パイルが完全に接着剤層に刺さらず、
植毛ムラが発生するので、極く短時間の間に植毛加工す
る事が不可欠となり、実用上問題である。
水性エマルジョン型接着剤は、ポリオレフィンとの密着
性に欠けると同時に、耐熱性、耐湿性、更には耐摩耗性
が問題となっている。これ等の問題は、現在のところポ
リオレフィン用として市販されている水性エマルジョン
型接着剤はいずれも粘着性付与によって物理的に密着性
を向上させた、いわゆる粘着系が主体であることに起因
していると考えられる。
ホットメルト型接着剤については静電植毛用として加工
工程的に無理があり、本分野用としての実績は皆無と云
ってよい。
すなわち、ホットメルト樹脂は高温にて溶解し、塗布さ
れるが、塗布と同時に外気温度の影響を受け、固化が始
まり、飛昇したパイルは接着層に充分に刺さらない事に
起因すると考えられるが、万一高温度の条件下で植毛可
能となった場合、高温度におけるパイルの変質問題が発
生し、実用上問題となる。
本発明の目的は、有機溶剤による環境汚染、火災の危険
性、労働衛生上の問題の心配がなく、従来一般に接着し
難いとされていたポリオレフィンのフィルム又は発泡体
への密着性、接着力、耐熱性等に優れ、静電植毛用に用
いた場合、耐摩耗性、耐水性の優れた植耗体を得る接着
剤を提供せんとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記問題点を解決するため鋭意検討を重
ねた結果、水性エマルジョンに粘着性付与樹脂を含有す
るスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスコンパウン
ド、塩素化ポリオレフィン、ロジン系水性エマルジョン
型粘着剤とを組み合わせる事が極めて有効であることを
見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は (a)水性エマルジョン、この固形分100重量部を基準
として、 (b)粘着性付与樹脂を含有させたスチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックスコンパウンドを固形分として5〜
100重量部、 (c)塩素化ポリオレフィンを固形分として0.1〜10重
量部、 (d)ロジン系水性エマルジョン型粘着剤を固形分とし
て5〜50重量部、 上記(a)(b)(c)(d)を配合してなるポリオレ
フィン基材の静電植毛用接着剤組成物である。
本発明に用いられる(a)の水性エマルジョンとして
は、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレ
ン−メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体ラテ
ックス、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体
ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラ
テックス、クロロプレンラテックス、塩化ビニリデンラ
テックス、塩化ビニルエマルジョン、アクリルエマルジ
ョン、酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体エマルジョン、エチレン−塩化ビニル共重合体
エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重
合体エマルジョン、天然ゴムラテックス、ウレタンディ
スパージョン等が挙げられる。
これらの水性エマルジョン中、ガラス転移温度(Tg)が
20〜−30℃、固形分が40〜65重量%、pHが4〜10、更に
は官能基を有するモノマーとして、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、N−メチロールアシド基、アミド基、
エポキシ基、エポキシド基等を有する反応性モノマーを
1種もしくは2種以上共重合させた水性エマルジョンが
好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が20℃より高い場合は、室温にお
けるエマルジョンの均一な造膜形成に支障をきたし、ポ
リオレフィンとの密着性に問題を生じ、−30℃より低い
場合は凝集力に欠けるため接着力、耐摩耗性、耐熱性等
が問題となる。
固形分が65重量%より高い場合、乾燥が早過ぎる為、植
毛パイルが充分に接着剤層に刺さらず、パイル脱落、耐
摩耗性不良、植毛ムラ等を生じ、40重量%より低い場合
は、水分除去すなわち乾燥に時間を要すると共に水分飛
散に伴なう接着剤層の収縮による植毛ムラ現象が発生
し、実用上問題がある。
pHが10以上の場合、皮膚に触れた場合の人体への危険性
が懸念され、pH4以下の場合、貯蔵安定性に問題があ
り、塗布機にかけた場合のいわゆる機械的安定性、更に
は塗布機廻りの錆発生等の問題がある。
更に官能基モノマーの併用は不可欠で、機械的安定性、
接着力、耐水性、耐湿性、耐熱性等の付与に有効であ
る。
本発明に用いられる(b)の粘着性付与樹脂を含有する
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスコンパウンド
の製法としては、例えば有機溶剤に溶解した粘着性付与
樹脂の溶解液に、若干の界面活性剤を添加し、高温且つ
高速攪拌条件下で徐々にスチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスを連続添加する方法が挙げられる。このよう
にして得られたコンパウンドの粘度は100〜10,000cps、
好ましくは500〜3,000cps、固形分40〜70重量%、好ま
しくは50〜60重量%、pH7〜8の粘着性に優れたコンパ
ウンドである。
本コンパウンドに用いられる粘着性付与樹脂としては、
天然又は重合ロジン、変性ロジン、及び水添ロジンのグ
リセリンエステル、トリエチレングリコールエステル、
ペンタエリスリトールエステルに代表されるロジン系粘
着性付与樹脂;α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、
テルペンフェノール等の重合体に代表されるテルペン系
樹脂;脂肪族系石油樹脂;芳香族系石油樹脂;アルキル
フェノール樹脂;クマロンインデン樹脂;キシレン樹脂
などが挙げられる。
これ等の内、特に接着性能の面から樹脂の軟化点が90〜
125℃のロジン系が好ましい。
本コンパウンドを製造する際に用いられる界面活性剤と
しては、通常のエマルジョンの乳化重合に用いられるア
ニオン系、ノニオン系のいずれの界面活性剤も使用可能
であるが、好ましくは乳化力に優れ、且つ低発泡タイプ
のHLB12〜14のポリオキシエチレンアルキルエーテルタ
イプが挙げられる。
本コンパウンドを製造する際に用いられる有機溶剤とし
ては基本的には粘着性付与樹脂を溶解可能な溶剤であれ
ば使用可能であるが、コンパウンドの臭気や接着剤塗布
層の乾燥の点からトルエン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサン、エチルアルコール等が挙げられ、
これ等の1種又は2種以上の併用が望ましい。
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとしては、ス
チレンとブタジエンの共重合モノマー比が4/6〜6/4の割
合で、官能基モノマーとしてアクリル酸、メタアクリル
酸、イタコン酸、アクリルアミド、メチロールアクリル
アマイド、ヒドロキシエチルアクリレートと、ヒドロキ
シエチルメタアクリレート等を共重合したガラス転移温
度(Tg)0〜−30℃、粘度50〜10,000cps、固形分40〜7
0重量%、pH6〜9のラテックスが挙げられる。共重合さ
れる官能基モノマーの量は通常重合体の10重量%以下で
ある。
前記各々の配合割合は、粘着性付与樹脂100重量部に対
して、界面活性剤2〜10重量部、有機溶剤20〜100重量
部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス100〜1,0
00重量部が好ましい範囲である。
特に好ましくは、界面活性剤の使用量はコンパウンド製
造時、及び貯蔵安定性の面から4〜6重量部、有機溶剤
使用量は粘着性付与樹脂溶解液の粘度及びコンパウンド
製品の臭気の面より30〜60重量部、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックスの使用量は、コンパウンド製品の
粘度、接着性能面より300〜600重量部の範囲が望まし
い。
本発明において、前記コンパウンドを配合する目的はポ
リオレフィンに対する密着性の向上である。
本コンパウンドの製造例を具体的に示すと、攪拌機付き
の密閉釜に有機溶剤、界面活性剤及び粘着性付与樹脂を
仕込み、常温乃至70〜80℃にて攪拌溶解し、溶解後の温
度を50〜60℃に保持し、高速攪拌条件下で徐々にスチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックスを連続的に添加す
る。この方法で平均粒子径0.2〜0.25μ、固形分50重量
%、pH8の安定なコンパウンドが得られる。
本コンパウンドは必要に応じて、水溶性高分子、ポリア
クリル酸又はその塩等にて増粘させて用いてもよい。
以上のごとくして得られた粘着性付与樹脂を含有するス
チレン−ブタジエン共重合体コンパウンドは、水性エマ
ルジョンの固形分100重量部に対して、固形分として5
〜100重量部の範囲で用い、好ましくは10〜50重量部の
範囲である。5重量部より少ない場合、顕著なポリオレ
フィンに対する密着性の向上が認められず、100重量部
より多い場合は接着力、耐熱性、耐摩耗性に問題を生じ
実用性に欠ける。
本発明に用いられる(c)の塩素化ポリオレフィンとし
ては、塩素含有率12〜35重量%、固形分19〜63重量%、
粘度20〜5500cps、軟化点50〜90℃(水銀法、JISK−240
7の改良法に基づく)のトルエン溶解品が挙げられる。
これら塩素化ポリオレフィン中、塩素含有率25〜30重量
%、固形分20〜30重量%、粘度20〜700cpsのトルエン溶
解品が配合時の作業性、ポリオレフィンに対する密着性
より特に好ましい。
本塩素化ポリオレフィンは、水性エマルジョンの固形分
を100重量部として、これに対し固形分として0.1〜10重
量部の範囲で用い、好ましくは1〜5重量部である。0.
1重量部より少ない場合は、ポリオレフィンに対する密
着性向上に欠け、10重量部より多い場合は、配合時に接
着剤組成物の粘度が著しく増加すると同時に、耐熱性、
トルエンによる臭気、更には価格的に高くなり実用上問
題となる。
本塩素化ポリオレフィンの配合に当っては、特に指定は
しないが、前記した(b)の粘着性付与樹脂を含有する
スチレン−ブタジエン共重合体コンパウンド製造時の有
機溶剤の一部として予め配合するか、又は該コンパウン
ド製造後に所定量配合しておくようにすると、単独で配
合した場合に比し異常な部分的増粘を緩和できて好都合
である。
本発明に用いられるロジン系水性エマルジョン型粘着剤
としては、市販の固定分40〜60重量%、粘度5〜200cp
s、pH5〜9のロジンのグリセリンエステル、トリエチレ
ングリコールエステル、ジエチレングリコールエステ
ル、又はペンタエリスリトールエステル等の水性エマル
ジョン型粘着剤が挙げられ、特に好ましいものとして
は、残存タック、接着力、耐摩耗性、耐熱性の面から80
℃以上の様な軟化点の高いロジンのペンタエリスリトー
ルエステルを変性した水性エマルジョンが挙げられ、更
に好ましくは水性エマルジョンの乾燥被膜が無色透明に
なるものが好ましい。
本発明において、ロジン系水性エマルジョン型粘着剤の
配合は、ポリオレフィンに対する密着性向上において、
その効果は顕著である。
該ロジン系水性エマルジョン型粘着剤は(a)の水性エ
マルジョンの固形分を100重量部として、これに対し固
形分として5〜50重量部の範囲であり、好ましくは10〜
30重量部の範囲である。
5重量部より少ない場合は、ポリオレフィンとの密着性
に欠け、50重量部より多い場合は、均一なエマルジョン
被膜形成が損なわれ、接着力、耐摩耗性、耐水性等が劣
って来て支障をきたすと同時に耐熱性が低下の方向にあ
り、実用上問題がある。
本発明の接着剤組成物は必要に応じ、消泡剤、増粘剤、
揺変性付与剤、凍結防止剤、老化防止剤、キレート化
剤、着色剤、乾燥遅延剤、架橋剤等の各種添加剤を加え
てもよい。
〔実施例〕
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこの実施例によって何等限定されるものではな
い。
また以下において特に指定のない限り部及び%は重量基
準とする。
(水性エマルジョンの製造例1〜6) 2フラスコに純水600部、界面活性剤としてアルキル
ベンゼンスルフォン酸ソーダ〔花王アトラス(株)製、
商品名ネオペレックス05〕1部を仕込み、窒素シール下
で攪拌しながら70℃に昇温し、ついで過硫酸カリウム5
部、はん種モノマー(メチルメタアクリレート/ブチル
アクリレート/ヒドロキシエチルアクリレート=10/10/
1混合モノマー)5部に投与し、30分間はんだ種重合
後、直ちに表−1に示す混合モノマーを予め純水400
部、ネオペレックス05 5部により予備乳化した乳化モ
ノマーを均一速度で3時間かけて連続投与し、残モノマ
ー処理重合を同じく3時間行ない本発明水性エマルジョ
ンを得た。ついで本エマルジョンを14%アンモニア水で
pHを7.0に調整し、固形分50%、粘度100cpsのエマルジ
ョンを得た。
(粘着性付与樹脂含有スチレン−ブタジエン共重合体ラ
テックスコンパウンド製造例7) 撹拌機付きのセパラブルフラスコ中にロジン系粘着性付
与樹脂としてスーパーエステルA−115〔荒川化学工業
(株)製商品名、軟化点110〜120℃〕100部、界面活性
剤としてエマルゲン910〔花王アトラス(株)製商品
名、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、HLB1
2.2〕8部、有機溶剤としてトルエン50部を仕込み、75
℃にて攪拌溶解した。
ついで、該溶解液の液温を55℃に設定し、高速条件下で
水30部を徐々に添加し、続いてスチレン−ブタジエン共
重合体ラテックス〔三井東圧化学(株)製、商品名スト
ラクトボンド1351、固形分48%、粘度150cps、pH7.0、
ガラス転移温度−30℃、スチレン/ブタジエン比=55/4
5、ヒドロキシエチルアクリレート及びアクリル酸各々
2部の共重合体〕450部を徐々に添加し、均一に水性エ
マルジョン化した後、常温まで冷却し、本発明に用いる
粘着性付与樹脂を含有するスチレン−ブタジエン共重合
体ラテックスコンパウンドを得た。
このコンパウンドは固形分50%、粘度1,000cps、pH8で
あった。
(実施例1〜12) 表−2に示した部数の水性エマルジョン(製造例1〜
6)、粘着性付与樹脂を含有するスチレン−ブタジエン
共重合体ラテックスコンパウンド(製造例7)、塩素化
ポリオレフィン〔山陽国策パルプ(株)製、商品名スー
パークロン82L、塩素含有率27%、固形分30%、粘度60c
ps〕、 ロジン系水性エマルジョン型粘着剤〔荒川化学工業
(株)製、商品名スーパーエステルE720、固形分50%、
pH7、粘度100cps、軟化点100℃〕を順次攪拌配合し、本
発明の接着剤組成物を得た。
本接着剤組成物に増粘剤としてヒドロキシエチルセルロ
ースの水溶液を用いて、3000cpsの粘度に調整した。
以上の如くして得られた接着剤組成物(実施例1〜12)
を下記のごとき方法にて評価し、その結果を表−3に示
した。
(1)静電植毛加工 100μ圧のポリエチレンフィルムにエアースプレーを用
い、本発明の接着剤組成物を200g/m2均一に塗布する。
ついで3デニール、長さ0.5mmのナイロンパイルを静電
植毛機にて30KVの電圧をかけ植毛し、60℃熱風乾燥機に
て60分間乾燥し、評価用の植毛試料を作成した。
(2)評価方法 (a)密着性 前記(1)静電植毛加工の塗布方法と同じ方法でポリエ
チレンフィルムに接着剤を塗布し、直ちに綿ブロード
40の布を貼り合わせ、60℃熱風乾燥機にて60分間乾燥
後、室温まで冷却し、指先にて剥離状態を観察し、ポリ
エチレンフィルムへの密着性を下記のごとく表示する。
○…ポリエチレンフィルム界面に接着剤が残る。
△…ポリエチレンフィルム界面より剥離するが、剥離抵
抗あり。
×…ポリエチレンフィルム界面より容易に剥離 (b)接着力 前記(a)密着性試料を25mm巾、長さ100mmに裁断し、
テンシロン引張り試験機にて、200mm/minのスピード
で、角度180゜の方向へ剥離し、接着力をKg/25mmで表示
した。
(c)耐熱性 前記(b)接着力に準じ、60℃恒温槽中で接着力を測定
し、耐熱性をKg/25mmで表示した。
(d)耐摩耗性 学振型摩擦堅牢度試験機を用い、摩擦子に綿ブロード
40の布を取りつけ、荷重500g、30回/minのスピードで30
×200mmの植毛加工面を摩擦し、3,000回の摩擦後植毛面
の異常の有無を下記のごとく表示した。
○…異常なし △…部分的に薄く脱毛 ×…脱毛が面積当り半分以上 (e)耐水性 植毛試料を室温水に10分間浸漬し、前記(d)耐摩耗性
の試験法に準じ試験し、500回摩擦後の植毛面の異常の
有無を下記の如く表示した。
◎…異常なし ○…脱毛が面積当り1〜5% △…脱毛が面積当り5〜20% ×…脱毛が面積当り20%以上 (比較例1) 実施例1で用いた製造例1で得た水性エマルジョンのみ
をヒドロキシエチルセルロース水溶液にて増粘させ、実
施例1と同様の評価に供し、その結果を表−3に示し
た。
(比較例2) 実施例1で用いた製造例7で得たコンパウンドのみをヒ
ドロキシエチルセルロース水溶液にて増粘させ、実施例
1と同様の評価に供し、その結果を表−3に示した。
(比較例3) 比較例1及び2で得た水性エマルジョンとコンパウンド
とのみを実施例1と同様の割合で配合し、実施例1と同
様の評価に供し、その結果を表−3に示した。
(比較例4) 実施例1から(d)ロジン系水性エマルジョン型粘着剤
を抜いた接着剤組成物を配合し、実施例1と同様の評価
に供し、その結果を表−3に示した。
(比較例5) 実施例1から(c)塩素化ポリオレフィンを抜いた接着
剤組成物を配合し、実施例1と同様の評価に供し、その
結果を表−3に示た。
表−3より明らかなように、水性エマルジョンのみの比
較例1では密着性、耐摩耗性、耐水性とも不良であり、
接着力、耐熱性とも低い。又コンパウンドのみの比較例
2でも、耐摩耗性不良であり、密着性も良好とはいえ
ず、接着力、耐熱性ともに低い。また水性エマルジョン
とコンパウンドのみの比較例3でも密着性、耐摩耗性、
耐水性ともに良好とはいえず、接着力、耐熱性も実施例
のものの半分以下である。
ロジン系水性エマルジョンを配合しない比較例4では、
他の比較例にくらべると大分よいが、密着性、耐摩耗性
共に良好とはいえず、接着力、耐熱性ともに実施例のも
のよりかなり低い。
塩素化ポリオレフィンを配合しない比較例5でも、比較
例4よりも、接着力、耐熱性共に低く、耐水性も良好と
はいえない。
これに対し実施例1〜12のものは、或特性値で良好とい
えないものであるが、全般的に密着性、耐摩耗性、耐水
性共に良好であり、接着力、耐熱性も共に高い。
〔発明の効果〕
本発明の接着剤組成物は粘着性付与樹脂、塩素化ポリオ
レフィン、ロジン系粘着剤を水性エマルジョン化する段
階で若干の有機溶剤を使用しているとはいえ、全体的に
水性エマルジョン型接着剤であり、溶剤型接着剤にくら
べ、有機溶剤の量が極めて少量であり、有機溶剤による
環境汚染、火災の危険性、労働衛生問題等の心配がない
ばかりか、従来接着し難いとされていたポリオレフィン
のフィルム又は発泡体への密着性、接着力、耐熱性等に
優れている。
また本接着剤組成物をポリオレフィン基材への静電植毛
用として用いた場合、溶剤型接着剤で経験するような植
毛ムラもなく、ホットメルト型接着剤に見られるごとき
接着剤層へのパイルの刺さり不良がないばかりか、通常
静電植毛用の接着剤塗布に用いられるエアスプレー、ロ
ールコーター、フローコーターなどいずれの塗布方法で
も均一塗布が可能であり、ポリオレフィンとの密着性、
接着力、耐熱性、耐摩耗性、耐水性更には植毛ムラがな
い等、優れた静電植毛用の接着剤である事から実用価値
が極めて高く、その意義は大である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)水性エマルジョン、この固形分100
    重量部を基準として、 (b)粘着性付与樹脂を含有させたスチレン−ブタジエ
    ン共重合体ラテックスコンパウンドを固形分として5〜
    100重量部、 (c)塩素化ポリオレフィンを固形分として0.1〜10重
    量部、 (d)ロジン系水性エマルジョン型粘着剤を固形分とし
    て5〜50重量部、 上記(a)(b)(c)(d)を配合してなるポリオレ
    フィン基材の静電植毛用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】水性エマルジョンが、ガラス転移温度(T
    g)が20〜−30℃、固形分が40〜65重量%、pHが4〜10
    であり、官能基を有する反応性モノマーを1種又は2種
    以上共重合させたものである特許請求の範囲第1項記載
    のポリオレフィン基材の静電植毛用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】粘着性付与樹脂を含有させたスチレン−ブ
    タジエン共重合体ラテックスコンパウンドが、ガラス転
    移温度(Tg)0〜−30℃、粘度50〜10,000cps、固形分4
    0〜70重量%、pH6〜9のラテックスコンパウンドである
    特許請求の範囲第1項記載のポリオレフィン基材の静電
    植毛用接着剤組成物。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項記載のスチレン−ブ
    タジエン共重合体ラテックスコンパウンドが粘着性付与
    樹脂100重量部、界面活性剤2〜10重量部、有機溶剤20
    〜100重量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
    ス100〜1000重量部で乳化させたものであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載のポリオレフィン用基
    材の静電植毛用接着剤組成物。
  5. 【請求項5】塩素化ポリオレフィンが塩素含有率12〜35
    重量%、固形分19〜63重量%、粘度20〜5500cps、軟化
    点50〜90℃(水銀法、JISK−2407改良法)の有機溶剤溶
    解物である特許請求の範囲第1項記載のポリオレフィン
    基材の静電植毛用接着剤組成物。
  6. 【請求項6】ロジン系水性エマルジョン型粘着剤が固形
    分40〜60重量%、粘度5〜200cps、pH5〜9のロジンの
    グリセリンエステル、トリエチレングリコールエステ
    ル、ジエチレングリコールエステル又はペンタエリスリ
    トールエステルより選んだ1種または2種以上の水性エ
    マルジョン型粘着剤である特許請求の範囲第1項記載の
    ポリオレフィン基材の静電植毛用接着剤組成物。
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