JPH069956A - 球形焼結蛍光体およびその製造法 - Google Patents

球形焼結蛍光体およびその製造法

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JPH069956A
JPH069956A JP35864891A JP35864891A JPH069956A JP H069956 A JPH069956 A JP H069956A JP 35864891 A JP35864891 A JP 35864891A JP 35864891 A JP35864891 A JP 35864891A JP H069956 A JPH069956 A JP H069956A
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phosphor
range
earth metal
binder
alkaline earth
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JP35864891A
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Kazuhiro Hasegawa
和弘 長谷川
Yasushi Kojima
靖 小島
Kenji Takahashi
健治 高橋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高輝度の輝尽発光を示す球形の希土類元素賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体およびそ
の製造法を提供する。 【構成】略球形の焼結した希土類元素賦活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系蛍光体で、これは蛍光体粒子と
結合剤とを含有するスラリーを噴霧乾燥して球形の造粒
物を得た後、この造粒物を200〜500℃の範囲の温
度で0.5〜5時間加熱して結合剤を除去し、次いで6
00〜1300℃の範囲の温度で0.5〜5時間焼成す
る方法により得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体およびその製造
法に関するものであり、さらに詳しくは本発明は、希土
類元素アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体およ
びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線、電子線および紫外線な
どの放射線を照射したのち可視乃至赤外領域の電磁波
(励起光)で励起すると近紫外乃至青色領域に発光(輝
尽発光)を示す輝尽性蛍光体として、二価ユーロピウム
賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(MII
FX:Eu2+、MIIはアルカリ土類金属であり、Xは弗
素以外のハロゲンである)など希土類元素賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体がよく知られてい
る。この蛍光体は、輝尽性蛍光体を利用する放射線像変
換方法に使用される放射線像変換パネル用の蛍光体とし
て注目されている。
【0003】一般に上記蛍光体は、蛍光体原料を湿式も
しくは乾式法により混合して原料混合物を調製した後こ
の混合物を弱還元性雰囲気下または中性雰囲気下で焼成
することにより製造されており、得られた蛍光体の粒子
形状は板状あるいは表面に多数の凹凸を有する不定形な
ものである。
【0004】蛍光体の粒子形状を制御する方法の一つと
して噴霧乾燥を利用する造粒技術があり、この方法によ
れば球形の二次粒子を得ることができる。また、蛍光体
粒子を成形して高温で焼成することにより蛍光体の一次
粒子間が焼結して、シート状など種々の形状の焼結体が
得られることも知られている。
【0005】特開昭62−86086号公報には、二価
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系
蛍光体であって、その粒子形状が縦1に対して横および
高さがそれぞれ1〜2および0.5〜2の範囲の比率に
ある略立方体である蛍光体、およびその製造法として、
蛍光体原料を水性溶媒に溶解した後この溶液を減圧下で
回転乾燥して原料混合物を調製し、次いでこの原料混合
物を焼成することからなる方法が記載されている。この
方法によって得られる蛍光体は形状が立方体あり、かつ
焼結していないものである。
【0006】また、特開平2−167386号公報に
は、板状もしくは針状の蛍光体粒子または板状および針
状の蛍光体粒子の混合物を結合剤と共に含んでいる球状
凝集体であって、前記板状および/または針状の蛍光体
粒子が1対1より大きいアスペクト比を有しており、か
つ前記凝集体内部でランダムに配向している凝集体、お
よびその製造法として、凝集してない個々の前記蛍光体
粒子を結合剤を含有する適切な液体溶媒中に分散させた
分散液またはスラリーを形成した後、前記液体溶媒を蒸
発させるのに適した条件下で前記スラリーを噴霧乾燥し
て前記蛍光体粒子の前記球状凝集体を形成することを含
む方法が記載されている。この方法により得られるのは
結合剤を含んだ蛍光体の凝集体であり、蛍光体自体は板
状および/または針状の形状のままである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記放射線像変換方法
においては、X線等の放射線による被曝線量を少なくす
るためにできるだけ高感度であることが望ましく、従っ
て使用される輝尽性蛍光体はその輝尽発光輝度が少しで
も高いことが要求されている。また、蛍光体層を形成す
る際に、蛍光体粒子の形状変化(たとえば、二次粒子な
どの凝集物から一次粒子への変化)が発生しないことが
望ましい。そしてさらに、蛍光体のX線吸収能を高める
ためには、蛍光体凝集物では得ることができない高密度
の球状蛍光体粒子であることが望ましい。
【0008】本発明は、高輝度の輝尽発光を示す球形の
希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍
光体を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】基本組成式(I): MIIFX:xLn …(I) (ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;LnはEu、Tb、Ce、T
m、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Smおよび
Gdからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
素であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)で表わされる希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系蛍光体であって、略球形の焼結した蛍光
体。
【0010】1)蛍光体粒子と結合剤との混合物を有機
溶剤に添加してスラリーを調製した後、このスラリーを
噴霧乾燥して球形の造粒物を得る工程、および 2)該造粒物を、好ましくは酸化性雰囲気、中性雰囲気
下、あるいは真空下にて、200〜500℃の範囲の温
度で0.5〜5時間加熱して結合剤を除去した後、さら
に、好ましくは中性雰囲気下、弱還元性雰囲気下あるい
は微量の酸素を含有する雰囲気下にて、600〜130
0℃の範囲の温度で0.5〜5時間焼成する工程、 からなる上記の略球形焼結蛍光体の製造法。
【0011】本発明は、希土類元素賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物系蛍光体の粒子と結合剤とを含むス
ラリーを噴霧乾燥した後、更に比較的低温での加熱によ
る結合剤の除去(脱バインダー工程)および高温での焼
成工程を行なうことにより、一次粒子及び/又は一次粒
子同士が焼結したほぼ球形の蛍光体であって、輝尽発光
輝度の向上した蛍光体を与えるものである。
【0012】本発明に係る二価ユーロピウム賦活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体蛍光体は、基本組
成式(I): MIIFX:xLn …(I) (ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;LnはEu、Tb、Ce、T
m、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Smおよび
Gdからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
素であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)で表わされる希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系蛍光体である。
【0013】Lnは二価のユーロピウム(Eu2+)もし
くは三価のセリウム(Ce3+)であることが好ましい。
また、MIIがBaである希土類元素賦活弗化ハロゲン化
バリウム系蛍光体が特に好ましく、Baの一部がSrお
よび/またはCaで置換されていてもよい。なお、蛍光
体は以下のような成分を少量含有していてもよい。
【0014】特開昭56−116777号公報に記載さ
れているSc;特開昭57−23673号公報に記載さ
れているB;特開昭57−23675号公報に記載され
ているAs;特開昭59−27980号公報に記載され
ているテトラフルオロホウ酸化合物;特開昭59−47
289号公報に記載されているヘキサフルオロ化合物;
特開昭59−56480号公報に記載されているV、C
r、Mn、Fe、Co、Niなどの遷移金属;特開昭5
9−75200号公報に記載されているアルカリ金属ハ
ロゲン化物(MI X' ;ただし、MI はLi、Kおよび
Rbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり、X' はF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである)、二価
金属ハロゲン化物(MII' X”2 ;ただし、MII' はB
eおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の
二価金属であり、X”はF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである)お
よび三価金属ハロゲン化物(MIII X"'3 ;但し、M
III はAl、Ga、InおよびTlからなる群より選ば
れる少なくとも一種の三価金属であり、X"'はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである);特開昭61−23679号公報
に記載されているMII' X' 2 ・MII' X”2 (ただ
し、MII' はBa、SrおよびCaからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X' お
よびX”はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX'
≠X”である);および特願昭60−106752号明
細書に記載されているLnX”3 (ただし、LnはY、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X”は
F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれるハロゲン
である)。
【0015】本発明の略球形の希土類元素賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系焼結蛍光体は、たとえば以
下の方法により製造することができる。
【0016】まず、上記蛍光体の粒子と結合剤とを混合
した後、この混合物を適当な有機溶剤に加え十分に混合
してスラリーを調製する。本発明に用いられる蛍光体粒
子は板状、不定形などいかなる形状のものであってもよ
い。また、蛍光体粒子の平均粒径は0.1〜50μmの
範囲にあるのが好ましい。
【0017】結合剤としては、ニトロセルロース、エチ
ルセルロース、酢酸セルロース、塩化ビニリデン・塩化
ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニルおよびエポキシ樹脂などの合成高分子物質を挙
げることができる。このような結合剤のなかで特に好ま
しいものは、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリ
ウレタンおよびポリビニルブチラールである。このほか
に、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマ
ー、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアル
コールおよび線状ポリエステルなど、下記の有機溶剤に
溶解しうる合成高分子物質も用いることができる。
【0018】有機溶剤の例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級
アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライド
などの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級
アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルなどのエーテル;そしてそれらの混合物を挙
げることができる。
【0019】結合剤と蛍光体との混合比は一般には1:
1〜1:500(重量比)の範囲から選ばれ、特に1:
20〜1:100(同)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0020】スラリーを次いでスプレードライヤーを用
いて噴霧乾燥する。噴霧乾燥の際の温度、噴霧圧力およ
び噴霧ノズル径などの諸条件は、蛍光体粒子の大きさ、
溶剤の種類およびスラリーの粘度などに応じて適宜調整
される。噴霧乾燥により、一次粒子を含む球形の蛍光体
造粒物が得られる。
【0021】次に、球形の蛍光体造粒物を石英ボート、
アルミナルツボ、石英ルツボなどの耐熱性容器に充填
し、電気炉の炉芯に入れて結合剤の除去を行なう(脱バ
インダー工程)。加熱温度は200〜500℃の範囲が
適当であり、好ましくは250〜400℃の範囲であ
る。加熱時間は造粒物の充填量、結合剤の種類および加
熱温度などによっても異なるが、一般には0.5〜5時
間が適当である。雰囲気としては酸素雰囲気あるいは大
気などの酸化性雰囲気が一般的に利用されるが、中性雰
囲気あるいは真空中にて加熱してもよい。脱バインダー
工程において造粒物中の結合剤は分解、酸化されて揮散
する。
【0022】さらに、蛍光体造粒物を電気炉の炉芯内で
焼成する(焼成工程)。焼成温度は400〜1300℃
の範囲が適当であり、好ましくは500〜1000℃の
範囲である。焼成時間は造粒物の充填量、焼成温度およ
び炉からの取出し温度などによっても異なるが、一般に
は0.5〜10時間が適当である。焼成雰囲気として
は、窒素雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中性雰囲
気、あるいは少量の水素を含有する窒素雰囲気、一酸化
炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還元性雰囲
気、あるいは微量酸素導入雰囲気が利用される。
【0023】なお、焼成工程において蛍光体の過度の焼
結を防止するために、脱バインダー工程に先立って造粒
物に酸化アルミニウムなどの焼結防止剤を添加混合して
もよい。また、脱バインダー工程および焼成工程は同一
の電気炉を用いて連続的に行なってもよいし、あるいは
別々の電気炉を用いて独立して行なってもよい。
【0024】このようにして、一次粒子及び/又は一次
粒子同士が焼結した略球形の蛍光体粒子が得られる。得
られた蛍光体については、必要に応じて更に洗浄、乾
燥、ふるい分けなどの蛍光体の製造における各種の一般
的な操作を行なってもよい。
【0025】なお、本発明の方法は、上記蛍光体以外に
もランタンオキシハライド系蛍光体(LaOBr:Ce
3+等)やガドリニウムオキシハライド系蛍光体(GdO
Cl:Ce3+等)など、結晶構造が層状であって粒子形
状が板状である蛍光体に適用することができる。
【0026】
【実施例】
[実施例1]二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍
光体の板状の微粒子(BaFBr:0.001Eu2+、平均粒
径:2μm)100重量部とアクリル樹脂(商品名:C
B−1、三洋化成(株)製)2重量部の混合物をメチル
エチルケトン34重量部に添加し、プロペラミキサーで
充分に撹拌混合して粘度20PS(25℃)のスラリー
を調製した。次いで、このスラリーをスプレードライヤ
ー(ヤマト科学(株)製、GS−32型)を用いて、下
記の条件で噴霧乾燥した。 噴霧ノズル径 :400μm スラリー送液量: 15g/分 入口温度 :120℃ 出口温度 : 85℃ 噴霧圧力 : 1kg/cm2 熱風流速 :0.5m3 /分
【0027】噴霧乾燥により、直径が1μm〜50μm
の範囲にある球形の蛍光体造粒物を得た。図1−(1)
および(2)に、得られた蛍光体造粒物の走査型電子顕
微鏡写真(400倍、2800倍)を示す。
【0028】次に、蛍光体造粒物100重量部と焼結防
止剤(Al23 超微粒子)0.3重量部を乾式振とう
により十分に混合した後、これを石英ボートに充填して
管状炉に入れ、酸素雰囲気下で350℃の温度で2時間
加熱して結合剤の除去を行なった。さらに、石英ボート
を別の管状炉に入れ、窒素雰囲気下で850℃の温度で
2時間焼成した。室温まで放冷したのち焼成物を炉から
取り出した。このようにして、一次粒子同士が焼結した
球形の蛍光体を得た。図2に、得られた蛍光体の走査型
電子顕微鏡写真(2800倍)を示す。
【0029】[実施例2]実施例1において、アクリル
樹脂の代りにポリビニルブチラール(商品名:デンカブ
チラール3000−1 、電気化学工業(株)製)を用いるこ
と以外は実施例1の方法と同様にしてスラリーの調製お
よび噴霧乾燥を行なうことにより、直径が1μm〜50
μmの範囲にある球形の蛍光体造粒物を得た。図1−
(3)に、得られた蛍光体造粒物の走査型電子顕微鏡写
真(2800倍)を示す。さらに、結合剤除去のための
加熱温度を380℃とすること以外は実施例1の方法と
同様の操作を行ない、一次粒子同士が焼結した球形の蛍
光体を得た。
【0030】[実施例3]実施例1において、アクリル
樹脂の代りにポリウレタン(商品名:デスモラックTP
KL−5−2625、住友バイエルウレタン(株)製)
を用いること以外は実施例1の方法と同様にして、スラ
リーの調製と噴霧乾燥を行ない、直径が1μm〜50μ
mの範囲にある球形の蛍光体造粒物を得た。図1−
(4)に、得られた蛍光体造粒物の走査型電子顕微鏡写
真(2800倍)を示す。さらに、結合剤除去のための
加熱温度を380℃とすること以外は実施例1の方法と
同様の操作を行ない、一次粒子同士が焼結した球形の蛍
光体を得た。
【0031】[実施例4]実施例1において、蛍光体と
して二価ユーロピウム賦活弗化臭化沃化バリウム蛍光体
の板状微粒子(BaFBr0.850.15:0.001Eu2+、平
均粒径:2μm)を用いること以外は実施例1の方法と
同様にしてスラリーの調製および噴霧乾燥を行ない、直
径が1μm〜50μmの範囲にある球形の蛍光体造粒物
を得た。さらに、焼成温度を840℃とすること以外は
実施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、一次
粒子同士が焼結した球形の蛍光体を得た。
【0032】[実施例5]実施例1において、蛍光体と
して二価ユーロピウム賦活弗化臭化沃化バリウム蛍光体
の板状微粒子(BaFBr0.850.15:0.001Eu2+、平
均粒径:2μm)を用い、アクリル樹脂の代りにポリビ
ニルブチラール(商品名:デンカブチラール3000−1 、
電気化学工業(株)製)を用いること以外は実施例1の
方法と同様にしてスラリーの調製および噴霧乾燥を行な
うことにより、直径が1μm〜50μmの範囲にある球
形の蛍光体造粒物を得た。さらに、結合剤除去のための
加熱温度を380℃とし、かつ焼成温度を840℃とす
ること以外は実施例1の方法と同様の操作を行なうこと
により、一次粒子同士が焼結した球形の蛍光体を得た。
【0033】[実施例6]実施例1において、蛍光体と
して二価ユーロピウム賦活弗化沃化バリウム蛍光体の板
状微粒子(BaFI:0.001Eu2+、平均粒径:2μm)
を用いること以外は実施例1の方法と同様にしてスラリ
ーの調製および噴霧乾燥を行なうことにより、直径が1
μm〜50μmの範囲にある球形の蛍光体造粒物を得
た。さらに、焼成温度を820℃とすること以外は実施
例1の方法と同様の操作を行なうことにより、一次粒子
同士が焼結した球形の蛍光体を得た。
【0034】[実施例7]実施例1において、蛍光体と
して二価ユーロピウム賦活弗化塩化バリウム蛍光体の板
状微粒子(BaFCl:0.001Eu2+、平均粒径:2μ
m)を用いること以外は実施例1の方法と同様にしてス
ラリーの調製および噴霧乾燥を行なうことにより、直径
が1μm〜50μmの範囲にある球形の蛍光体造粒物を
得た。さらに、焼成温度を880℃とすること以外は実
施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、一次粒
子同士が焼結した球形の蛍光体を得た。
【0035】[実施例7]実施例1において、蛍光体と
して三価セリウム賦活弗化塩化バリウム蛍光体の板状微
粒子(BaFCl:0.001Ce3+、平均粒径:2μm)を
用いること以外は実施例1の方法と同様にしてスラリー
の調製および噴霧乾燥を行なうことによって、直径が1
μm〜50μmの範囲にある球形の蛍光体造粒物を得
た。さらに、焼成温度を880℃とすること以外は実施
例1の方法と同様の操作を行なうことにより、一次粒子
同士が焼結した球形の蛍光体を得た。
【0036】[比較例1]弗化バリウム(BaF2 )8
7.7g、臭化バリウム(BaBr2 )148.6g及
び臭化ユーロピウム(EuBr3 )0.196gを蒸留
水(H2 O)300mlに添加、混合して水溶液とし
た。この水溶液をロータリーエバポレータを用い、大気
圧よりも600mmHg低い圧力と90℃の温度で回転
乾燥した。
【0037】次に、得られた蛍光体原料混合物をアルミ
ナルツボに充填し、これを高温電気炉に入れて一酸化炭
素を含む二酸化炭素雰囲気下で900℃の温度で1.5
時間焼成した。焼成が完了した後、焼成物を炉外に取り
出して冷却した。焼成物を粉砕して、粉末状の二価ユー
ロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:0.0
01Eu2+)を得た。
【0038】得られた蛍光体粒子は立方体の形状で、縦
(x)、横(y)および高さ(z)の比率が1:1〜
2:0.5〜2(x:y:z)の範囲にあった。また、
粒径は約2〜15μmの範囲にあった。図3に蛍光体の
走査型電子顕微鏡写真(800倍)を示す。
【0039】実施例1、2および比較例1の各蛍光体に
管電圧80kVpのX線を照射したのちHe−Neレー
ザー光(632.8nm)で励起して、蛍光体粒子の輝
尽発光輝度を測定した。得られた結果をまとめて表1に
示す。
【0040】 表1 ────────────────────────── 相対輝尽発光輝度 ────────────────────────── 実施例1 130 実施例2 127 比較例1 100 ──────────────────────────
【0041】[実験結果]表1に示した結果から明らか
なように、本発明の略球形の蛍光体粒子(実施例1、
2)は、公知の立方体形状の蛍光体粒子(比較例1、前
記特開昭62−86086号公報の実施例に相当)と比
較して、輝尽発光輝度が顕著に向上した。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、希土類元素賦活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体のスラリーを噴霧
乾燥したのち脱バインダー工程および焼成工程にかける
ことにより、蛍光体の粒子形状を球形とし、かつ輝尽発
光輝度を著しく向上させることができる。また、本発明
の略球形粒子の焼結蛍光体自体はバインダー樹脂で結合
されているものでないため、支持体上に蛍光体層を形成
する際に、有機溶媒(蛍光体粒子同士の結着のためのバ
インダーを含むもの)に本発明の焼結蛍光体粒子を分散
させた場合でも、その焼結体の崩壊あるいは部分的な欠
落がほどんど発生せず、原形を維持するため、得られる
蛍光体層の特性変動が少ないとの利点もある。また更
に、本発明の略球形蛍光体は焼結体であるため、密度の
高い凝集物となり、これによりX線吸収能が向上すると
の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラリーの噴霧乾燥後に得られた球形の蛍光体
造粒物の走査型電子顕微鏡写真である。 (1)実施例1、倍率: 400倍 (2)実施例1、倍率:2800倍 (3)実施例2、倍率:2800倍 (4)実施例3、倍率:2800倍
【図2】実施例1で得られた一次粒子同士が焼結した球
形の蛍光体の走査型電子顕微鏡写真である(倍率:28
00倍)。
【図3】比較例1で得られた立方体形状の蛍光体の走査
型電子顕微鏡写真である(倍率:800倍)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本組成式(I): MIIFX:xLn …(I) (ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
    はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
    一種のハロゲンであり;LnはEu、Tb、Ce、T
    m、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Smおよび
    Gdからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
    素であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値であ
    る)で表わされる希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化
    ハロゲン化物系蛍光体であって、略球形の焼結した蛍光
    体。
  2. 【請求項2】 上記組成式(I)のLnがEuおよび/
    またはCeである請求項1記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】 上記蛍光体の平均粒径が1〜100μm
    の範囲である請求項1記載の蛍光体。
  4. 【請求項4】 基本組成式(I): MIIFX:xLn …(I) (ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
    はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも
    一種のハロゲンであり;LnはEu、Tb、Ce、T
    m、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Smおよび
    Gdからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
    素であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値であ
    る)で表わされる希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化
    ハロゲン化物系蛍光体粒子と結合剤との混合物を有機溶
    剤に添加してスラリーを調製した後、このスラリーを噴
    霧乾燥して球形の造粒物を得る工程、および該造粒物を
    200〜500℃の範囲の温度で0.5〜5時間加熱し
    て結合剤を除去した後、さらに600〜1300℃の範
    囲の温度で0.5〜5時間焼成する工程、 からなる、略球形の焼結した希土類元素賦活アルカリ土
    類金属弗化ハロゲン化求項1記載の蛍光体。
  5. 【請求項5】 上記200〜500℃の範囲の温度での
    加熱を、酸化性雰囲気下、中性雰囲気もしくは真空中で
    行ない、そして上記600〜1300℃の範囲の温度で
    の加熱を、中性雰囲気、弱還元性雰囲気あるいは微量の
    酸素を含有する雰囲気下で行なう請求項4記載の蛍光体
    の製造法。
  6. 【請求項6】 上記組成式(I)のLnがEuおよび/
    またはCeである請求項4記載の蛍光体の製造法。
  7. 【請求項7】 上記蛍光体粒子の平均粒径が0.1〜5
    0μmの範囲である請求項4記載の蛍光体の製造法。
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