JPH069906B2 - 黒鉛と銅または銅合金からなる複合材 - Google Patents

黒鉛と銅または銅合金からなる複合材

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JPH069906B2
JPH069906B2 JP4662086A JP4662086A JPH069906B2 JP H069906 B2 JPH069906 B2 JP H069906B2 JP 4662086 A JP4662086 A JP 4662086A JP 4662086 A JP4662086 A JP 4662086A JP H069906 B2 JPH069906 B2 JP H069906B2
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copper
graphite
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copper plate
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隆司 茅本
豊之 東野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばX線ターゲットやスパッタリングター
ゲット等に使われる黒鉛と銅または銅合金からなる複合
材に関する。
〔従来の技術〕
銅および銅合金と黒鉛とは互いに熱膨張率が大きく異な
っている。銅および銅合金の線膨張係数が18〜20×10-6
であるのに対し、黒鉛の線膨張係数は3〜7×10-6であ
る。一般に、ろう付けや拡散接合で熱膨張率が実用上問
題にならない範囲は、両者の線膨張係数の差が10×10-6
より小さい場合である。
このため、両者を硬ろう付けや拡散接合などで接合する
と、接合後の冷却過程で銅板の収縮率の方が大きいため
両者に寸法差を生じて大きな残留応力が発生し、脆性材
料である黒鉛板が破壊することがある。
例えば、第9図に示されるように黒鉛板1と銅板2を互
いに厚み方向に重ねるに当って、両者を高温度で拡散接
合(または硬ろう付け)したとする。この場合、接合後
の冷却過程で銅板2は黒鉛板1に対して相対的に収縮す
る。このため接合時の温度と冷却時の温度差が大きい場
合に、黒鉛板1と銅板2は、第9図に想像線で示したよ
うに撓み、極端な場合には第10図に示されるように黒
鉛板1に放射状のクラック3が生じる。このため黒鉛板
1と銅板2からなる複合材は、小さなテストピースでは
接合可能な場合があるが、実用的な大きさでは黒鉛板1
が破壊することが多い。
従って現状では、両者を機械的手段によって締結する
か、樹脂系接着剤による接合、もしくはインジウムや半
田等の比較的低温で行なわれる軟ろう付けによって接合
している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、機械的締結では荷重が局部的に負荷され
るため締結力をあまり高くすることができない。一方、
樹脂系接着剤や軟ろう付けによる接合では、接合部の耐
熱性が劣るため、X線ターゲットやスパッタリングター
ゲットのように高温で使用されるものには問題がある。
しかも真空や特殊雰囲気中で使用すると、接着剤から不
純物ガスが発生する可能性がある。
また、例えば特開昭60-187546号公報に記載されている
ように、黒鉛板と銅板との間にTi層とNi層を介在さ
せることも提案されたが、本発明者らの研究によると、
インサート板にTiとNiを用いた場合、複合材がある
程度大きいと、接合後の冷却過程で黒鉛が破損しやす
く、このため現実的な大きさの製品に適用できない場合
があった。また、このようなTiおよびNi製のインサ
ート板を用いた場合に黒鉛が破損する原因は、インサー
ト板の熱膨張率と黒鉛の熱膨張率との差に原因があるら
しいことも判った。
従って本発明の目的は、耐熱性が高くかつ黒鉛の破損を
生じにくくすることができるような複合材を得ることに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の複合材は、黒鉛板と、純銅または銅合金からな
る銅板と、上記黒鉛板と上記銅板との間に設けられかつ
上記銅板よりも熱膨張率が小さいMo,Nb,Ta,W
のうちいずれかの難溶融・低熱膨張金属あるいはその合
金からなるインサート板とを具備し、かつ上記黒鉛板と
銅板を拡散接合あるいは硬ろう付け等の高温で行なう接
合手段により上記インサート板を介して互いに接合させ
たものである。上記インサート板は、上記銅板よりも弾
性係数の高い金属が望ましい。
〔作用〕
上記構成の複合材は、銅板と黒鉛板とが両者の間に耐熱
性のインサート板を介して接合されており、このインサ
ート板の線膨張係数は7.5×10-6(at20℃)以下であ
り、これは黒鉛の線膨張係数4.0〜6.0×10-6と比
較して大き過ぎることがなく、黒鉛の破損を防ぐ上でき
わめて適当な熱膨張差であることが判った。しかもこの
インサート板は弾性係数が大きく、剛性が高いものであ
る。このように適度な線膨張係数を有する耐熱性の高剛
性インサート板を介して銅板と黒鉛板が拡散接合等によ
って接合されているので、接合後の銅板の収縮が抑制さ
れるとともに、複合材の撓みも少なくなる。このため冷
却過程で黒鉛板にクラックが生じたり破壊することを防
止できる。
上記複合材の黒鉛板と銅板は、互いに硬ろう付けあるい
は拡散接合など高温で行なわれる接合手段によって面的
に接合されているから、両者の接合強度が高くかつ耐熱
性がある。また、接着材による接合と比較すると耐熱性
がはるかに優れており、かつ真空雰囲気中でガスの放出
を生じるおそれもない。
〔実施例〕
第1図に示された一実施例において、複合材5は黒鉛製
の板6と、純銅または銅合金からなる銅板7と、これら
黒鉛板6と銅板7との間に設けられたインサート板8と
を備えている。
インサート板8は、上記銅板7よりも熱膨張率が小さく
かつ融点が銅板7と同等もしくは銅板7よりも高い金属
からなる。対象となる金属は、Mo,Nb,Ta,Wお
よびこれら金属の合金である。インサート板8の線膨張
係数は、黒鉛板6の線膨張係数に近い値、もしくは黒鉛
板6と銅板7の中間の値にあればよい。具体的には、線
膨張係数が7.5×10-6(at20℃)以下の金属を採用す
る。
銅板7の厚みは、実用的には2〜30mm位であり、これ
に対してインサート板8の厚みは、その弾性係数にも左
右されるが、実用的には銅板7の厚みの1/20ないし1
/5位、すなわち0.1ないし2.0mm前後のものが使
用される。インサート板8は剛性の高いものが望ましい
だめ、弾性係数が銅板7の弾性係数よりも高い材料を選
定するのがよい。以上のことを考慮すると、インサート
板8の材料にはMo,W,Nb,Taなどの難溶融・低
熱膨張金属またはその合金が好適である。
上記インサート板8を黒鉛板6と銅板7との間に挟み、
接合温度まで加熱するとともに厚み方向に加圧すること
により、インサート板8を介して黒鉛板6と銅板7とが
拡散接合させられる。なお、黒鉛板6とインサート板8
との間、あるいは銅板7とインサート板8との間に適宜
の硬ろう材を介在させることにより、硬ろう付けによる
接合を行なってもよい。接合温度は例えば600ないし100
0℃位である。
接合後の冷却過程では黒鉛板6に比べて銅板7の収縮率
が大きいが、黒鉛板6と銅板7との間には剛性の高いイ
ンサート板8が挟み込まれており、かつこれらが互いに
拡散接合ないし硬ろう付けによって強固に接合されてい
るため、熱膨張率の差による銅板7の収縮が押えられ
る。このため複合材5の撓みが減少し、黒鉛板6にクラ
ックが生じることが防止される。
上記インサート板8の融点は銅板7の融点と同等もしく
は銅板7よりも高く、しかも黒鉛板6と銅板7とが高温
で行なわれる接合手段によって互いに接合されているか
ら、複合材5は優れた耐熱性を発揮する。しかもインサ
ート板8の厚みは銅板7の厚みの1/20ないし1/2と
薄いため、黒鉛板6と銅板7との間の熱伝動性に与える
影響が少ない。そして機械的締結の場合のような局部的
な荷重の負荷を生じないばかりか、接着剤を使用した場
合のような汚染物質の放出も生じない。また、黒鉛の耐
熱性は非酸化性雰囲気では約2500℃と優れているため、
銅板7側を適宜の手段によって冷却することにより、優
れた高温耐熱性を発揮する。
これらの理由から、上記複合材5はX線ターゲットやス
パッタリングターゲット等に好適である。
第2図にX線ターゲット10の一例を示す。このターゲ
ット10には、長波長の炭素の特性X線を得るために、
第3図に示される複合材5が使用される。この複合材5
は、黒鉛板6の端面6aがテーパ状に加工され、このテ
ーパ状端面6aに電子線を当てることにより炭素の特性
X線を発生させる。その時の温度上昇に対処するため
に、銅板7側に冷却筒11を設けるとともに、この冷却
筒11に管12,13を通じて冷却水などの冷媒を流通
させ、銅板7を介して黒鉛板6の冷却を行なう。
こうしたX線ターゲットでは、数百度℃程度の耐熱性と
真空雰囲気中でも不純物ガス放出しないことが必要であ
り、しかも局部加熱を防ぐ目的からターゲット10が軸
回りに高速回転させられるので、高い接合強度が要求さ
れる。これらの要求を満足するものとして、本実施例の
複合材5が好適である。なお、第4図に示された実施例
の複合材5は、銅板7にテーパ状の凹部7aを設けてい
る。
第5図に示されるスパッタリング装置は、図示しない被
接着材に黒鉛をコーティングするものであり、ターゲッ
トに本発明の複合材5を用いる。この複合材5の構造は
基本的には前述した複合材5(第1図のもの)と同様
に、インサート板8を介して黒鉛板6と銅板7を高温で
接合したものである。通常はスパッタリング中にターゲ
ットの表面が高温に加熱されるために、ターゲットの反
対側は冷却される。図示例においては、銅板7側に冷媒
供給管14を通じて冷媒15が供給されることにより、
ターゲットすなわち複合材5の冷却がなされる。この場
合、銅板7は押え用の裏金を兼用している。同図におい
て、16はマグネットである。
スパッタリングスピードを速くするためには、ターゲッ
トに投入するエネルギーを大きくする必要があるが、従
来一般的に行なわれていた樹脂系接着剤や軟ろう付けに
よる接合では耐熱性が200℃以下であり、耐熱性の点で
難がある。これに対し本発明による複合材5を用いたタ
ーゲットは、耐熱性が格段に優れていることから、より
大きなエネルギーを投入できることになり、スパッタリ
ングスピードを向上させることができる。
ターゲットに使われる複合材5あるいは黒鉛板6の接合
形状は、第6図に示される円環状、第7図に示される矩
形状、あるいは第8図に示されるコ字状を始めとして、
種々の形状が考えられる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、互いに熱膨張率の大きく異なる黒鉛板
と銅板を拡散接合や硬ろう付けなどのような高温接合手
段によって互いに接合した場合に、黒鉛の破損を防止で
きる。しかも本発明の複合材は耐熱性と接合強度に優れ
ており、かつ雰囲気中への不純物ガスの放出の心配もな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す複合材の断面図、第2
図は本発明の他の実施例を示す複合材を用いたX線ター
ゲットの斜視図、第3図は第2図に示された複合材の断
面図、第4図は本発明の更に別の実施例を示す複合材の
断面図、第5図はスパッタリング装置の断面図、第6図
ないし第8図はそれぞれ複合材の互いに異なる形状例を
示す平面図。第9図は従来の複合材の一例を示す側面
図、第10図は第9図に示された複合材にクラックが生
じた状態の平面図である。 5…複合材、6…黒鉛板、7…銅板、8…インサート
板。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黒鉛板と、純銅または銅合金からなる銅板
    と、上記黒鉛板と上記銅板との間に設けられかつ上記銅
    板よりも熱膨張率が小さいMo,Nb,Ta,Wのうち
    いずれかの難溶融・低熱膨張金属あるいはその合金から
    なるインサート板とを具備し、かつ上記黒鉛板と銅板を
    拡散接合あるいは硬ろう付け等の高温で行なう接合手段
    により上記インサート板を介して互いに接合させたこと
    を特徴とする黒鉛と銅または銅合金からなる複合材。
  2. 【請求項2】上記インサート板は、弾性係数が上記銅板
    の弾性係数よりも高い金属を用いたことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の黒鉛と銅または銅合金からな
    る複合材。
JP4662086A 1986-03-04 1986-03-04 黒鉛と銅または銅合金からなる複合材 Expired - Lifetime JPH069906B2 (ja)

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