JPH069900Y2 - 自動車用アッシュトレイ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用アッシュトレイに関する。

従来の技術 自動車の中には、例えば実開昭６０−１６１６３４号公
報に示されているように、センターコンソールボックス
やドアアームレスト等の室内艤装部品の上面にアッシュ
トレイを設けたものが知られている。

考案が解決しようとする課題 ドライバーが運転中にアッシュトレイを利用する場合、
アッシュトレイの位置を手探りで、あるいは目視して確
認した上でアッシュトレイ内にタバコの灰を落としたり
火を揉み消さなければならない。このため、手許が狂っ
て灰や火が車室内に落ちて車室内を汚し、あるいはアッ
シュトレイ周辺やフロアカーペットを焦がしてしまう不
具合があるばかりでなく、アッシュトレイに気をとられ
て安全運転を遂行する上でも不利となってしまう。そこ
で、本考案はアッシュトレイ内への灰や火の落とし位
置，揉み消し位置を定めることができて、使用性，安全
性を一段と向上することができる自動車用アッシュトレ
イを提供するものである。

課題を解決するための手段 センターコンソールボックス，ドアアームレスト等の室
内艤装部品本体の上面にアッシュトレイが開口された構
造において、前記アッシュトレイの自動車後側の前記室
内艤装部品本体の一般面に、該一般面よりも掌の定置凸
部が突出して形成されている。

作用 タバコを持った手の掌を、アッシュトレイの自動車後側
の室内艤装部品本体の一般面に、該一般面よりも突出し
て形成された掌の定置凸部に当てることにより、タバコ
の先端がアッシュトレイの上方に導かれ、灰の落とし位
置が定まる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に詳述する。

第１図において、１は室内艤装部品としてのコンソール
ボックスを示し、その後部にはボックス部２を立ち上が
り形成している。このボックス部２の略上半部はリッド
３で構成されていて、該ボックス部２の前部近傍にアッ
シュトレイ４を開口形成してある。このアッシュトレイ
４にはリッド５を前後方向に摺動自在に装着して、常態
にあっては該アッシュトレイ４を閉蓋できるようになっ
ている。そして、このアッシュトレイ４の自動車後側の
コンソールボックス１の一般面１ａの手前、本実施例で
は前記ボックス部２のリッド３の前端部に、タバコを持
った手の掌を受けてタバコの先端を前記アッシュトレイ
４の上方に導く掌の定置凸部６を一般面１ａよりも突出
して形成してある。前記一般面１ａは、前記リッド３上
面の左右両側縁と前縁を除いて凹設されている。前記掌
の定置凸部６は、この一般面１ａより前側の、該リッド
３の上面前縁部分の中央部に形成してあり、本実施例で
は掌に馴染むようにリッド３の後部側に向けて平面略半
円状に丸みをもって形成してある。

以上の実施例構造によれば、ドライバーが運転中に喫煙
する場合、先ず、手探りでアッシュトレイ４のリッド５
を前方にスライド移動して閉蓋する。そして、このアッ
シュトレイ４内にタバコの灰を落としたり、火を揉み消
す場合には、タバコを持った手をボックス部２のリッド
３上面に置くと、中央の凹設部分、即ち一般面１ａが手
又は腕のガイドとなるから、そのまま前方に移動させる
ことにより前縁部の定置凸部６で受け止められて、タバ
コの先端が丁度アッシュトレイ４の上方に導かれ、灰の
落とし位置が定まる。従って、タバコの灰を全てアッシ
ュトレイ４内に落とすことができるし、また、火を揉み
消す場合にあっても、前記掌の定置凸部６を基準位置と
してアッシュトレイ４内にタバコの先端を差し入れて、
確実にアッシュトレイ４内で火を揉み消すことができ
る。

第２図は上面が略平坦なセンターコンソールボックス１
に本考案を適用したものである。ボックス部２の一一般
面１ａとしてのリッド３Ａは、センターコンソールボッ
クス１上面と面一に整合するように開閉自在に組付けて
ある。アッシュトレイ４は前記ボックス部２の前方位
置、具体的にはドライバーが安楽姿勢で着座している状
態で、自然に手を伸ばした時に触れ易い部位に開口形成
してある。本実施例ではこのアッシュトレイ４を前方に
向けて平面略半楕円形に形成してあると共に、リッド５
も同一形状にして前後方向に摺動自在に装着してある。
そして、掌の定置凸部６はこのアッシュトレイ４の後縁
を境にして、この実施例では掌の定置凸部６を後部側へ
向けて平面略半楕円形に、かつ、エッグシェル状の滑ら
かな曲面をもって形成して、掌により馴染むように形成
してある。従って、この実施例によれば掌の定置凸部６
がアッシュトレイ４に近接しているため、タバコの灰や
火の処理をより確実にアッシュトレイ４内で行わせるこ
とができる。

第３，４図に示す実施例は室内艤装部品としてのドアア
ームレストに本考案を適用したものである。ドアアーム
レスト８はドア本体７の内側に前後方向に突出成形され
ていて、このドアアームレスト８の一般面８ａとしての
前側部上面にアッシュトレイ４を開口成形してある。こ
のアッシュトレイ４にはその一側縁、例えばドア本体７
の内側面に面した側縁にヒンジされて開閉自在なリッド
５を装着して、常態にあってはアッシュトレイ４を閉蓋
できるようになっている。そして、このアッシュトレイ
４の自動車後側のドアアームレスト８の一般面８ａに掌
の定置凸部６を突出成形してある。この実施例の場合、
ドライバーが運転中に喫煙する際には、先ず、手探り
で、あるいは掌の定置凸部６を目安にしてアッシュトレ
イ４のリッド５を閉蓋する。そして、タバコの灰や火の
処理を行う場合には、腕をドアアームレスト８上に載せ
て、タバコを持った手を前方へずらすことにより、掌が
定置凸部６に当たってタバコの先端が丁度アッシュトレ
イ４の上方に導かれるから、該アッシュトレイ４内で確
実に処理することができる。

第５図は掌の定置凸部６とアッシュトレイ４との間にパ
ワーウインドウ等のスイッチ類９を配置して、このスイ
ッチ類９を操作する際にあっても、掌の定置凸部６を基
準として操作し易いようにしてものである。

第６，７図に示す実施例は、掌の定置凸部６をアッシュ
トレイ４の自動車後側のドアアームレスト８の一般面８
ａにおいて、アッシュトレイ４の後縁に近接した位置
で、押動操作により上下方向に出没自在に配設し、突出
時に前縁に形成した段差部６ａでリッド５の後縁を押し
上げて、リッド５の自動開扉を行えるようにしたもので
ある。掌の定置凸部６はドアアームレスト８に形成した
格納部１０内に収容配置してあり、セットスプリング１
１によって突出方向に付勢してある。この定置凸部６の
下縁にはフランジ６ｂを形成してあり、このフランジ６
ｂにロックパウル１２が係合して没入位置を保持し、定
置凸部６の上面がドアアームレスト８上面およびリッド
５と面一に整合するようにしてある。ロックパウル１２
の上縁には、ロックパウル１２をロック位置とロック解
除位置とに保持する第２ロックパウル１４を配置してあ
る。この第２ロックパウル１４はＬ字状に曲折成形され
ていて、下側端末をピンヒンジしてあると共に、上端部
をスプリング１５により格納部１０の中央側へ付勢して
ある。第２ロックパウル１４の下縁には、ロックパウル
１２上縁のノッチ１２ｂと係脱する前後一対のパウル１
４ａ，１４ｂを突設してある。ロックパウル１２は、掌
の定置凸部６を第７図の没入した格納位置で押動する
と、フランジ６ｂとロックパウル１２下縁の斜状のカム
面１２ａとの摺接により、スプリング１３に抗して後退
し、ノッチ１２ｂがパウル１４ａから外れて、次段のパ
ウル１４ｂと係合してロック解除位置が保たれる。これ
により、掌の定置凸部はロックパウル１２によるロック
が解除され、セットスプリング１１力により上方へ突出
し、同時にリッド５を跳ね上げて開扉する。この掌の定
置凸部６の突出過程で、下縁のフランジ６ｂが第２ロッ
クパウル１４の側面に突設したカム部１６に摺接してく
ぐり抜けることにより、第２ロックパウル１４の上端部
がスプリング１５力に抗して下側端末のヒンジ点を中心
に回動し、パウル１４ｂとノッチ１２ｂとの係合が外れ
てロックパウル１２がスプリング１３力によりロック位
置へ移動し、同時に前段のパウル１４ａがノッチ１２ｂ
に係合して、ロックパウル１２のロック位置を保持する
ようになっている。

従って、この実施例では格納状態にある掌の定置凸部６
を一旦押動すると、該定置凸部６がロック解除されて突
出し、同時にリッド５を開扉することができてリッド５
の手探りでの開蓋操作を伴うことがない。また、タバコ
の灰や火の処理についても、アッシュトレイ４後縁近傍
の掌の定置凸部６で掌を受けて基準位置を定めることが
でき、確実にアッシュトレイ４内で灰や火の処理を行う
ことができる。そして、不使用時にあっては、掌の定置
凸部６を押し込むことにより、下縁のフランジ６ｂがロ
ックパウル１２をくぐり抜け、該ロックパウル１２と係
合して完全に没入した格納位置となって、ドアアームレ
スト８上面に突起物として残存することがなく、違和感
を与えるのを回避することができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、センターコンソールボッ
クスやドアアームレスト等の室内艤装部品本体の上面に
アッシュトレイが開口形成された構造において、アッシ
ュトレイの自動車後側の前記室内艤装部品本体の一般面
に、該一般面よりも掌の定置凸部が突出して形成されて
いるので、該凸部に、タバコを持った手の掌をあてるこ
とによって、タバコの先端をアッシュトレイ上方に導く
ことができ、従って、目視確認しなくてもアッシュトレ
イの位置を確認できて、灰や火を確実にアッシュトレイ
内で処理することができる。このため、車室内を汚した
り、アッシュトレイ周りを焦がしたりすることがなく、
また、アッシュトレイに気をとられてわき見運転するの
を防止でき、安全性を高めることもできるという実用上
多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す斜視図、第２図は同
第２実施例を示す斜視図、第３図は同第３実施例を示す
斜視図、第４図は第３図の要部を示す斜視図、第５図，
第６図は本考案の第４，第５実施例を示す要部の斜視
図、第７図は第６図のVII−VII線に沿う断面図である。 １……センターコンソールボックス（室内艤装部品本
体）、４……アッシュトレイ、６……掌の定置凸部、８
……ドアアームレスト（室内艤装部品本体）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】センタコンソールボックス，ドアアームレ
   スト等の室内艤装部品本体の上面にアッシュトレイが開
   口形成された構造において、前記アッシュトレイの自動
   車後側の前記室内艤装部品本体の一般面に、該一般面よ
   りも掌の定置凸部が突出して形成されたことを特徴とす
   る自動車用アッシュトレイ。